JP2003011800A - ブレーキ制御装置 - Google Patents

ブレーキ制御装置

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JP2003011800A JP2001200434A JP2001200434A JP2003011800A JP 2003011800 A JP2003011800 A JP 2003011800A JP 2001200434 A JP2001200434 A JP 2001200434A JP 2001200434 A JP2001200434 A JP 2001200434A JP 2003011800 A JP2003011800 A JP 2003011800A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ブレーキ制御装置において、押付力の制御が良
好に行われるようにする。 【解決手段】車両が上り坂に停止している場合には、車
輪には、重力によって後退方向に回転させようとする駆
動トルクが加えられ、その駆動トルクに応じた制動トル
クが発生させられる。また、車両が駆動状態にされる
と、車輪には、重力に起因する駆動トルクと逆向きの駆
動装置からの駆動トルクが加えられる。停止状態におい
ては、駆動装置からの駆動トルクと制動トルクとの和が
重力に起因する駆動トルクと釣り合う状態にある。この
状態から、駆動トルクが重力に起因する駆動トルクと同
じ大きさになるまで増加した時点で押付力が0になるよ
うに減少させられるようにすれば、押付力の減少中に車
両が後退することを回避し、かつ、車両を滑らかに発進
させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、ブレーキ制御装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開平8−324397号公報に記載の
ブレーキ制御装置においては、車両が上り坂に停止させ
られた場合に、摩擦係合部材のブレーキ回転体に対する
押付力が、車両を停止状態に保つ大きさに保持され、車
両の発進時において、制動トルク検出装置によって検出
された制動トルクが予め定められた設定値以下になった
場合に、その保持された押付力が減少させられる。ま
た、このブレーキ制御装置においては、制動トルクが、
ドラムブレーキのアンカブラケットの歪みに基づいて機
械的に検出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題、課題解決手段および効
果】本発明の課題は、ブレーキ制御装置の制御が良好に
行われるようにすることである。例えば、車両の発進性
を良好にしたり、制動トルクを精度よく検出可能とした
りすることなのである。この課題は、ブレーキ制御装置
を、下記各態様の構成のものとすることによって解決さ
れる。各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に
番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式
で記載する。これは、あくまで、本明細書に記載の技術
の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術
的特徴およびそれらの組み合わせが以下の各項に限定さ
れると解釈されるべきではない。また、1つの項に複数
の事項が記載されている場合、常に、すべての事項を一
緒に採用しなければならないものではなく、一部の事項
のみを取り出して採用することも可能である。
【0004】以下に記載の(8)項が請求項1に対応し、
(6)項が請求項2に対応し、(3)項が請求項3に対応し、
(21)項が請求項4に対応する。
【0005】(1)ブレーキ本体に保持された摩擦係合部
材をブレーキ回転体に押し付けることによって車輪の回
転を抑制するブレーキにおける、前記摩擦係合部材のブ
レーキ回転体への押付力を、車両の停止中に、その車両
を停止状態に保つ大きさに保持する押付力保持装置と、
車両の発進時に、その押付力保持装置によって保持され
た押付力を減少させる押付力減少装置とを含むブレーキ
制御装置。本項に記載のブレーキ制御装置においては、
車両の停止中に、摩擦係合部材のブレーキ回転体に対す
る押付力(以下、単に押付力と称する)が、その車両を
停止状態に保ち得る大きさに制御され、発進時に、押付
力が減少させられる。そのため、停止中においては、車
両を確実に停止状態に保つことができ、発進時において
は、速やかに発進させることができる。押付力の制御
は、車両が平坦な路面に停止している場合に行われるよ
うにしても、傾斜した路面に停止している場合に行われ
るようにしてもよいが、傾斜した路面に停止している場
合に行われるようにする方が効果的である。傾斜した路
面に停止している場合には、重力により、車両が移動さ
せられるおそれがあるが、本項に記載のブレーキ制御装
置によれば、良好に停止状態に保つことができる。ブレ
ーキは、ブレーキシリンダの液圧により摩擦係合部材が
ブレーキ回転体に押し付けられる液圧ブレーキであって
も、電動モータ等の電動アクチュエータの作動により押
し付けられる電動ブレーキであってもよい。また、ブレ
ーキ回転体がディスクであるディスクブレーキであって
も、ブレーキ回転体がドラムであるドラムブレーキであ
ってもよい。押付力は、液圧ブレーキの場合には、例え
ば、ブレーキシリンダの液圧を制御することによって制
御され、電動ブレーキの場合には、例えば、電動アクチ
ュエータの電磁駆動力を制御することによって制御され
る。押付力を制御する押付力制御装置は、液圧を制御す
る液圧制御装置を含むものとしたり、電磁駆動力を制御
する電磁駆動力制御装置を含むものとしたりすることが
できる。
【0006】(2)前記車輪に加えられる制動トルクを検
出する制動トルク検出装置を含む(1)項に記載のブレー
キ制御装置。車両の減速中(車輪の回転中に、押付力が
加えられた場合)には、摩擦係合部材とブレーキ回転体
との間の摩擦力に比例した大きさの制動トルクが発生す
る。摩擦係合部材とブレーキ回転体との間の摩擦力は、
押付力にこれらの間の摩擦係数μを掛けた大きさであ
る。また、制動力は、制動トルクをブレーキ回転体の摩
擦係合部材が押し付けられる部分の車輪の中心からの距
離である等価半径(有効半径)で割った値であり、制動
力と制動トルクとは対応する。そのため、以下、本明細
書において、制動トルクを検出することと制動力を検出
することとは実質的に同じであるとする。
【0007】それに対して、車両が平坦な路面に停止し
ている場合には、押付力が加えられていても、制動トル
クは0である。平坦な路面に停止している場合であっ
て、車輪を回転させようとする力が加えられない場合
(例えば、非駆動状態)には、制動トルクも発生せず、
摩擦力も0になるのである。この停止状態においては、
理論的には、押付力が0であっても停止状態に保つこと
ができる。また、この停止状態においては、車体に押付
力に対応する推進力が加えられても、あるいは、車輪に
押付力に対応する制動トルクより小さい駆動トルクが加
えられても、車両は停止状態に保たれる。例えば、発進
時等に駆動輪に駆動トルクが加えられると、この駆動ト
ルクに基づく車輪の回転を抑制する方向に制動トルクが
発生するが、駆動トルクが、押付力に対応する制動トル
クより小さい間は停止状態に保たれるのである。
【0008】車両が傾斜した路面に停止している場合に
は、重力により車両を下方へ移動させる推進力が作用す
る。車輪には、車輪をその車両の移動方向に対応する方
向に回転させようとする駆動トルク(以下、重力に起因
する駆動トルクと称する)が加えられる。この場合にお
いて、車輪と一体的なブレーキ回転体には押付力が加え
られているため、この重力に起因する駆動トルクによる
車輪の回転を抑制する方向に制動トルクが発生するので
ある。このように制動トルクは、重力に起因する駆動ト
ルクによって発生するため、下り勾配の路面に停止して
いる場合と上り勾配の路面に停止している場合とでは、
事情が異なる。車両が下り勾配の路面に停止している場
合には、重力によって、斜面の下方に車両を移動させよ
うとする(車両を前進させようとする)推進力が作用
し、車輪には、車輪を前進回転方向に回転させようとす
る駆動トルクが加えられる。発生させられる制動トルク
の方向は、その回転を抑制する方向であり、大きさは重
力に起因する駆動トルクに応じた大きさとなる。それに
対して上り勾配の路面に停止している場合にも、重力に
よって、斜面の下方に車両を移動させようとする推進力
が作用するが、この場合には、車両を後退させようとす
る推進力になる。制動トルクは、車輪の後退方向の回転
を抑制する方向で、重力に起因する駆動トルクに応じた
大きさとなる。
【0009】車輪に駆動源からの駆動トルクが加えられ
る場合には、車輪には、重力に起因する駆動トルクと駆
動源からの駆動トルクとの両方が加えられることにな
り、それに応じた制動トルクが発生する。車両が下り勾
配の路面に停止している場合には、車輪に加えられる重
力に起因する駆動トルクの方向と駆動源からの駆動トル
クの方向とは同じであるが、上り勾配の路面に停止して
いる場合には逆になる。下り勾配の路面においては、停
止状態における制動トルクが、駆動源からの駆動トルク
が加えられることによって大きくなるが、上り勾配の路
面においては、駆動源からの駆動トルクの増加に伴って
小さくなる。そして、下り勾配の路面においては、重力
に起因する駆動トルクと駆動源からの駆動トルクとの和
が押付力に対応する制動トルクより小さい間は停止状態
に保たれるが、駆動源からの駆動トルクが大きくされる
か押付力が小さくされるかのいずれかによって、駆動源
からの駆動トルクと重力に起因する駆動トルクとの和が
押付力に対応する制動トルクより大きくなると、車両は
発進する。上り勾配の路面においては、重力に起因する
駆動トルクと、駆動源からの駆動トルクと制動トルクと
の和が釣り合った状態にあり、駆動源からの駆動トルク
の増加に伴って制動トルクが減少する。この場合におい
て、駆動源からの駆動トルクが重力に起因する駆動トル
クと同じ大きさになる時点で押付力が0になるように、
押付力が減少させられるようにすれば、押付力が0にな
った時点で車両が発進する。それに対して、駆動源から
の駆動トルクが重力に起因する駆動トルクと同じ大きさ
になっても、押付力が加えられている場合には車両は停
止状態のままであるが、さらに大きくなると、制動トル
クの向きが逆になる。この状態においては、重力に起因
する駆動トルクと制動トルクとの和と、駆動源からの駆
動トルクとが釣り合った状態にある。この駆動源からの
駆動トルクが保持された状態で押付力が減少させられ
て、駆動源からの駆動トルクが上述の和より大きくなる
と、車両は発進する。
【0010】(3)前記制動トルク検出装置によって検出
された制動トルクに基づいて前記車両の停止している路
面の傾斜状態を検出する傾斜状態検出部を含む(2)項に
記載のブレーキ制御装置。 (4)前記制動トルク検出装置が、前記車輪の前進方向の
回転中に生じた制動トルクも後退方向の回転中に生じた
制動トルクも検出可能なものである(2)項または(3)項に
記載のブレーキ制御装置。 本項に記載のブレーキ制御装置によれば、車両が停止し
ている傾斜路面が上り勾配であるか否かと、下り勾配で
あるか否かと、路面の傾斜角度との少なくとも1つの情
報を取得することができる。〔発明の実施の形態〕にお
いて詳述するが、図11の(A),(B)に示すように、下り
坂を走行中に制動が行われて停止した場合には、減速中
も停止中も制動トルクの向きは同じであるが、上り坂を
走行中に制動が行われて停止した場合には、減速中と停
止中とで制動トルクの向きが逆になる。したがって、停
止前後の制動トルクの向きの変化に基づけば、上り勾配
であるか否かや、下り勾配であるか否かの情報を取得す
ることができる。また、停止状態で駆動トルクが加えら
れた場合、下り勾配の路面においては、重力に起因する
駆動トルクと駆動源からの駆動トルクとが同じ向きであ
るため、制動トルク検出装置によって検出される制動ト
ルクは増加する。それに対して、上り勾配の路面におい
ては、重力に起因する駆動トルクと駆動源からの駆動ト
ルクとが逆向きになるため、制動トルク検出装置によっ
て検出される制動トルクは減少する。このことを利用し
ても、上り勾配であるか否かや、下り勾配であるか否か
の情報を取得することができる。制動トルク検出装置
が、制動トルクの方向を区別して検出可能な(例えば、
正、負の値)ものである場合には、向きが逆になったこ
とを符号に基づいて取得することができるが、方向を区
別して検出不能なものである場合には、一旦0まで減少
した後に増加することによって取得することができる。
いずれにしても、制動トルク検出装置による検出値に基
づけば、傾斜勾配の情報を取得することができる。な
お、制動トルク検出装置が、一方向の制動トルクしか検
出できないものである場合には、駆動源からの駆動トル
クが加えられた場合に制動トルクの大きさが増加するか
否かに基づいて下り勾配であるか否かの情報を取得する
ことができる。また、図12に示すように、傾斜した路
面に停止している状態における制動トルク検出装置によ
る制動トルクに基づけば、傾斜角度θを取得することが
できる。このように、本項に記載のブレーキ制御装置に
よれば、傾斜状態を検出する専用の検出装置が不要にな
る。
【0011】(5)前記押付力保持装置が、前記車両が傾
斜路面に停止している場合において、前記押付力を、車
両を停止状態に保つ大きさに保持する(1)項ないし(4)項
に記載のブレーキ制御装置。 (6)前記押付力保持装置が、前記押付力を、前記制動ト
ルク検出装置によって検出された制動トルクに基づいて
決定する保持押付力決定部を含む(2)項ないし(5)項のい
ずれか1つに記載のブレーキ制御装置。例えば、質量M
の車両が傾斜角度θの路面に停止している状態において
は、各輪に加えられる路面と車輪との間の摩擦力FBの
和と、斜面の効果により車両を移動させようとする推進
力とは釣り合っている。 M・g・sinθ=ΣFB また、車輪と路面との間の摩擦力FBと、車輪に加えら
れるブレーキによる制動力トルクTBとの間には、車輪
の半径をrとした場合には式 r・FB=TB で表される関係がある。車輪についての運動方程式 I・(dω/dt)=r・FB−TB (dω/dt)=0 が成立するからである。したがって、制動トルク検出装
置によって検出された制動トルクに対応する大きさ以上
の押付力を加えれば、車両をその傾斜した路面に停止状
態に保つことができるのであり(FB≧TB/r)、検出
された制動トルクに基づく押付力が、車両を停止状態に
保つのに最小限必要な最小限押付力である。この最小限
押付力に基づいて、車両の停止中に保持される押付力の
大きさが決定されるようにすれば、停止状態に保つため
に過大な押付力が付与されることがなくなる。例えば、
最小限押付力に1以上の係数(安全係数)を掛けた値と
したり、設定値を加えた値としたりすることができる。
また、実際に押付力を減少させることによって求めるこ
ともできる。複数の車輪のうちの一部の車輪の押付力を
小さくした場合において、一部の車輪の制動トルクが小
さくなって他の車輪の制動トルクが大きくなった場合の
押付力を最小限押付力とする。逆に、他の車輪の押付力
を小さくした場合において、他の車輪の制動トルクが小
さくなって一部の車輪の制動トルクが大きくなった場合
の押付力を最小限押付力とする。それに対して、車両
が、平坦な路面を走行中に停止した場合には、停止直前
の制動トルクに基づいて停止中の押付力を決定すること
もできる。停止直前の制動トルクに対応した押付力よ
り、車両を停止状態に保つための最小限押付力の方が小
さいのが普通である。
【0012】(7)前記押付力保持装置が、前記保持押付
力を駆動輪に加えて、非駆動輪に加えないものである
(6)項に記載のブレーキ制御装置。車両が傾斜した路面
に停止している場合には、駆動輪に加えられる制動トル
クによって停止状態に保たれる。また、車両が駆動状態
にされれば、駆動源からの駆動トルクが駆動輪に加えら
れ、非駆動輪に加えられることはない。そのため、駆動
輪の制動トルク検出装置によれば、駆動源からの駆動ト
ルクと重力に起因する駆動トルクとの和を検出すること
ができる。また、この駆動輪の制動トルクに基づいて押
付力の制御が行われるようにすれば、非駆動輪の影響を
考慮する必要がなくなり、有効である。
【0013】(8)前記押付力減少装置が、前記制動トル
ク検出装置によって検出された制動トルクに応じて前記
押付力を減少させるトルク対応押付力減少部を含む(2)
項ないし(7)項のいずれか1つに記載のブレーキ制御装
置。車両が平坦な路面に停止している場合に駆動状態に
された場合には、駆動源からの駆動トルクによる車輪の
回転を抑制する制動トルクが発生させられる。それに対
して、傾斜した路面に停止している場合に駆動状態にさ
れた場合には、駆動源からの駆動トルクと重力に起因す
る駆動トルクとによる車輪の回転を抑制する制動トルク
が発生させられる。駆動源からの駆動トルクは運転者の
駆動要求に応じた大きさで出力されるのが普通である。
したがって、制動トルク検出装置によって検出された制
動トルクに応じて押付力が減少させられれば、運転者の
駆動要求に応じた発進状態を得ることができる。また、
車両が傾斜した路面に停止している場合には、例えば、
推進力による車両の移動を防止しつつ、運転者の駆動要
求に応じた発進を得ることができる。 (9)前記トルク対応押付力減少部が、前記制動トルク検
出装置によって検出された制動トルクと駆動源からの駆
動トルクとの和が車両を停止状態に保持し得る保持制動
トルクに保たれた状態で、押付力を減少させる(8)項に
記載のブレーキ制御装置。本項に記載のブレーキ制御装
置において、車両が上り勾配の路面に停止している状態
から発進する場合には、制動トルク検出装置によって検
出される制動トルクと駆動源からの駆動トルクとの和が
保持制動トルクに保たれるように押付力が減少させられ
る。その結果、押付力の減少中に車両が発進することを
回避し、かつ、車両が後退させられることを回避するこ
とができる(車両を停止状態に保つことができる)。 (10)前記トルク対応押付力減少部が、駆動源からの駆
動トルクが保持された状態で前記押付力を減少させる
(8)項または(9)項に記載のブレーキ制御装置。車両が上
り勾配の路面に停止している状態から発進する場合にお
いて、押付力が減少させられないで駆動源からの駆動ト
ルクが増加させられる場合には、駆動源からの駆動トル
クと制動トルクとの和と重力に起因する駆動トルクとが
釣り合う状態から、駆動源からの駆動トルクと、制動ト
ルクと重力に起因する駆動トルクとの和とが釣り合う状
態に変わる。そして、この状態において、駆動源からの
駆動トルクが保持されて押付力が減少させられれば、駆
動源からの駆動トルクが重力に起因する駆動トルクと制
動トルクとの和より大きくなった場合に車両が発進する
ことになる。そのため、車両を滑らかに発進させること
ができる。この場合には、駆動源からの駆動トルクは、
車両を停止状態に保持し得る保持制動トルクより大きい
値、すなわち、車両を発進させ得る値で保持されること
になる。
【0014】(11)前記制動トルク検出装置が、前記ブ
レーキ本体を前記ブレーキ回転体の近傍の車体側固定部
材にブレーキ回転体の周方向に移動可能に保持するブレ
ーキ本体保持装置と、前記ブレーキ本体の移動に基づい
て液圧を発生させる液圧発生装置と、その液圧発生装置
の液圧を検出する液圧検出装置と、その液圧検出装置に
よる検出液圧に基づいて前記車輪に加えられる制動トル
クを取得する制動トルク取得装置とを含む(2)項ないし
(10)項のいずれか1つに記載のブレーキ制御装置。制動
トルク検出装置が、液圧に基づいて制動トルクを検出す
るものとすれば、アンカブラケットの変形を歪みセンサ
で検出する等の機械的に検出する場合に比較して、検出
精度を向上させることができる。摩擦係合部材が回転中
のブレーキ回転体に押し付けられると、これらの間に摩
擦力が生じ、この摩擦力により摩擦係合部材がブレーキ
回転体の回転を抑制する。また、ブレーキ本体には、ブ
レーキ回転体の回転方向と同じ方向に連れ回り力が作用
する。この連れ回り力は、摩擦係合部材とブレーキ回転
体との間の摩擦力と大きさが同じで、向きが逆向きの力
である。上記摩擦力は、摩擦係合部材のディスクロータ
への押付力にこれらの間の摩擦係数μを掛けた大きさで
あって、ブレーキ回転体の接線方向(回転方向と逆向
き)の力である。以下、本明細書においては、「接線方
向」は「ほぼ周方向」に包含される方向の一つとする。
本項に記載の制動トルク検出装置においては、摩擦係合
部材を保持するブレーキ本体が車体側固定部材にブレー
キ回転体のほぼ周方向に相対移動可能に保持されてい
る。そのため、ブレーキの作動によってブレーキ本体が
ブレーキ回転体の回転方向の連れ回り力によって、車体
側固定部材に対してブレーキ回転体のほぼ周方向に相対
移動させられる。このブレーキ本体の移動に基づいて液
圧発生装置に液圧が発生させられるのであり、液圧発生
装置の液圧は、連れ回り力、すなわち、摩擦力に応じた
大きさになる。車体側固定部材は、例えば、車輪ととも
には回転しないサスペンション装置の構成部材またはそ
の構成部材に相対回転不能に取り付けられた部材とする
ことができる。サスペンション構成部材は、ブレーキが
前輪に設けられたものである場合には、ステアリングナ
ックルとすることができ、後輪に設けられたものである
場合には、リヤアクセルハウジングとすることができ
る。ブレーキ回転体の近傍に位置するものを利用するこ
とが望ましいのである。 (12)前記液圧発生装置の本体を、車体側固定部材に少
なくとも前記ブレーキ回転体のほぼ周方向に相対移動不
能に保持する液圧発生装置保持装置を含む(11)項に記載
のブレーキ制御装置。液圧発生装置の本体は、車体側固
定部材にほぼ周方向に相対移動不能に保持され、ブレー
キ本体は車体側固定部材にほぼ周方向に相対移動可能に
保持される。したがって、ブレーキ本体がほぼ周方向に
相対移動させられれば、ブレーキ本体と液圧発生装置と
の相対位置関係が変わる。これらが接近したり、離間し
たりするのであり、それによって、液圧発生装置に引張
力が加えられたり、押付力が加えられたりする。液圧発
生装置には、これら引張力や押付力に応じた液圧が発生
させられる。また、これら引張力や押付力は、摩擦係合
部材とブレーキ回転体との間の摩擦力に比例する大きさ
であり、液圧発生装置の液圧に基づけば、摩擦力を検出
することができ、制動力を検出することができる。な
お、液圧発生装置が保持される車体側固定部材と、ブレ
ーキ本体が保持される車体側固定部材とは同一部材であ
っても異なる部材であってもよい。いずれにしても、ブ
レーキ本体の周方向の移動によって、ブレーキ本体と液
圧発生装置との相対位置関係が変わる。
【0015】(13)前記ブレーキ本体と前記液圧発生装
置との間に設けられ、ブレーキ本体の移動による駆動力
を液圧発生装置に伝達する駆動伝達装置を含む(11)項ま
たは(12)項に記載のブレーキ制御装置。駆動伝達装置
は、ブレーキ本体と液圧発生装置との間の連結装置を含
むものとすることができる。液圧発生装置が可変容積室
と容積変化部材(移動部材)とを含む場合において、ブ
レーキ本体と容積変化部材とが直接連結される場合や、
ブレーキ本体と容積変化部材とが連結部材を介して連結
される場合等がある。いずれにしても、これら連結装置
の構造によって、摩擦係合部材とブレーキ回転体との間
の摩擦力の大きさと液圧発生装置の液圧に応じた力の大
きさとの関係(例えば、比例定数)が決まる。例えば、
ブレーキ本体の移動量ΔLと容積変化部材の移動量ΔM
とが同じになる状態で連結された場合には、可変容積室
の液圧による力Fpと摩擦係合部材とブレーキ回転体と
の間の摩擦力Fμとが同じになる。また、ブレーキ本体
の移動量ΔLの容積変化部材の移動量ΔMに対する比率
(伝達比:ΔL/ΔM)がγとなる状態で連結された場
合には、可変容積室の液圧による力Fpの摩擦力Fμに
対する比率(Fp/Fμ)がγとなる。〔発明の実施の
形態〕における場合のように、液圧発生装置としての液
圧シリンダが、それの軸線が摩擦係合部材がブレーキ回
転体に押し付けられる位置におけるブレーキ回転体の接
線方向と平行な状態で設けられれば、上記比率が1とな
る。
【0016】(14)前記液圧発生装置が、作動液が液密
に収容され、前記ブレーキ本体の移動に基づいて容積が
変化させられる可変容積室を含み、前記液圧検出装置が
その可変容積室の液圧を検出するものである(11)項ない
し(13)項のいずれか1つに記載のブレーキ制御装置。可
変容積室の容積が前記ブレーキ本体のほぼ周方向の移動
に基づいて変化させられる。可変容積室内には、摩擦力
に応じた高さの液圧が発生させられる。可変容積室を備
えた液圧発生装置は、例えば、液圧シリンダとすること
ができる。液圧シリンダに液密かつ摺動可能に嵌合され
たピストンがブレーキ本体のほぼ周方向の移動に基づい
て移動させられ、その移動に伴って液圧室の容積が変化
させられ、それに応じた液圧が発生させられる。また、
液圧発生装置はベローズ等を含むものとすることができ
る。ベローズがブレーキ本体の移動に基づいて伸縮させ
られ、それによって、ベローズの内側の容積が変化させ
られ、摩擦力に応じた液圧が発生させられる。可変容積
室は、ベローズの内側に設けても外側に設けてもよい。
【0017】(15)前記液圧発生装置が、前記ブレーキ
本体の正方向の移動に基づいて容積が変化させられる第
1可変容積室と前記ブレーキ本体の逆方向の移動に基づ
いて容積が変化させられる第2可変容積室とを含み、前
記液圧検出装置が、前記第1可変容積室と第2可変容積
室との両方に連通する連通路に設けられた(11)項ないし
(14)項のいずれか1つに記載のブレーキ制御装置。本項
に記載のブレーキ制御装置においては、液圧検出装置
が、第1可変容積室と第2可変容積室とに共通に設けら
れる。そのため、正方向の制動トルクも逆方向の制動ト
ルクも区別なく検出される。また、可変容積室に設けら
れるわけではなく液通路に設けられるため、例えば、エ
ンジンルーム等のブレーキから離れた位置に液圧検出装
置を設けることができる。車両の走行状態等を制御する
制御装置の近傍に液圧検出装置を設けることができるの
であり、信号線を短くできるという利点がある。 (16)前記第1可変容積室と第2可変容積室とが、前記
ブレーキ本体のほぼ周方向の両側にそれぞれ設けられた
(15)項に記載のブレーキ制御装置。
【0018】(17)前記液圧発生装置が、作動液が液密
に収容され、前記ブレーキ本体の正・逆両方向の移動に
伴って容積が変化させられる1つの可変容積室を含む(1
1)項ないし(16)項のいずれか1つに記載のブレーキ制御
装置。本項に記載のブレーキ制御装置においては、1つ
の可変容積室の液圧に基づいて、正方向の制動トルクも
逆方向の制動トルクも検出される。液圧発生装置は、例
えば、1つの可変容積室と2つの容積変化部材とを含む
ものとする。一方の容積変化部材を、ブレーキ本体の正
方向の移動に伴って移動させられるものとし、他方の容
積変化部材を、ブレーキ本体の逆方向の移動に伴って移
動させられるものとする。換言すれば、一方の容積変化
部材を、ブレーキ本体の移動による引っ張り、すなわ
ち、ブレーキ本体と液圧発生装置とが離間する場合に移
動させられるものとし、他方の容積変化部材を、ブレー
キ本体の移動による押し付け、すなわち、ブレーキ本体
が液圧発生装置に接近する場合に移動させられるものと
するのである。
【0019】(18)前記車両の走行速度が設定速度以上
であり、かつ、運転者によってブレーキ操作部材が操作
されていない状態において、前記制動トルク検出装置に
よって検出された制動トルクが設定トルク値以上の場合
に、引きずりが生じているとする引きずり検出装置と、
その引きずり検出装置によって引きずりが生じているこ
とが検出された場合に、押付力を小さくする押付力減少
部とを含む(2)項ないし(17)項のいずれか1つに記載の
ブレーキ制御装置。 (19)前記車両の走行速度が設定速度以上であり、か
つ、運転者によってブレーキ操作部材が操作されていな
い状態において、前記制動トルク検出装置によって検出
された制動トルクが設定トルク値以下に保たれるよう
に、前記押付力を制御する引きずり防止装置を含む(2)
項ないし(18)項のいずれか1つに記載のブレーキ制御装
置。摩擦ブレーキにおいて、押付力を検出する押付力検
出装置によって検出された押付力が0であるにも係わら
ず、実際の押付力が0でない場合がある。この場合に
は、引きずりが生じるが、引きずりが生じたことは制動
トルク検出装置によって検出することが可能である。そ
のため、制動トルク検出装置によって検出された制動ト
ルクが、例えば、0に十分近い大きさ以下になるよう
に、押付力が減少させられるようにすれば、引きずりを
解消することができる。上記設定値を、その車両におい
て平均的に生じる引きずり量とすることもできる。上述
の平均的に生じる(通常の)引きずり量の引きずりが生
じることを許容することもできるのであり、このように
すれば、ノックバックが生じることを良好に回避するこ
とができる。
【0020】(20)運転者によるブレーキ操作部材の操
作状態と制動トルクとの関係を記憶するメモリと、前記
制動トルク検出装置によって検出された実制動トルクに
基づいて前記関係を修正する関係修正装置とを含む(2)
項ないし(19)項のいずれか1つに記載のブレーキ制御装
置。制動トルクとブレーキ操作状態との関係は、テーブ
ルの形式で表される場合や係数(ゲイン)で表される場
合があり、実制動トルクに基づいてテーブルやゲインが
修正される。その結果、制動トルクに基づく押付力の制
御等を良好に行うことが可能となる。
【0021】(21)ブレーキ本体に保持された摩擦係合
部材をブレーキ回転体に押し付けることによって車輪の
回転を抑制するブレーキにおける前記摩擦係合部材の前
記ブレーキ回転体への押付力を、車両の停止中に、その
車両を停止状態に保つ大きさに保持し、前記車両の発進
時に減少させる押付力制御装置を含み、その押付力制御
装置による押付力の制御により、前記車輪に加えられる
押付力を制御するブレーキ制御装置であって、(a)前記
ブレーキ本体を前記ブレーキ回転体の近傍の車体側固定
部材にブレーキ回転体の周方向に移動可能に保持するブ
レーキ本体保持装置と、(b)前記ブレーキ本体の移動に
基づいて液圧を発生させる液圧発生装置と、(c)その液
圧発生装置の液圧を検出する液圧検出装置と、(d)その
液圧検出装置による検出液圧に基づいて前記車輪に加え
られる制動トルクを取得する制動トルク取得装置とを含
む制動トルク検出装置を含み、前記押付力制御装置が、
前記押付力を、前記車両の停止から発進までの少なくと
も一時期に、前記制動トルク検出装置によって検出され
た制動トルクに基づいて制御するトルク対応押付力制御
部を含むことを特徴とするブレーキ制御装置。本項に記
載のブレーキ制御装置においては、車両の停止中の押付
力の制御、発進時の押付力の制御等の少なくとも一時期
において制動トルクに基づく制御が行われればよい。本
項に記載のブレーキ制御装置には、(1)ないし(20)項の
いずれかの技術的特徴を採用することができる。
【0022】(22)ブレーキ本体に保持された摩擦係合
部材をブレーキ回転体に押し付けることによって車輪の
回転を抑制するブレーキの作動による制動トルクを検出
する制動トルク検出装置であって、(a)前記ブレーキ本
体を前記ブレーキ回転体の近傍の車体側固定部材にブレ
ーキ回転体の周方向に移動可能に保持するブレーキ本体
保持装置と、(b)前記ブレーキ本体の移動に基づいて液
圧を発生させる液圧発生装置と、(c)その液圧発生装置
の液圧を検出する液圧検出装置と、(d)その液圧検出装
置による検出液圧に基づいて前記車輪に加えられる制動
トルクを取得する制動トルク取得装置とを含むものと、
車両が坂道に停止している場合の、前記制動トルク検出
装置によって検出された制動トルクに基づいて、その坂
道の傾斜状態を取得する傾斜状態検出部とを含む傾斜路
面検出装置。本項に記載の制動トルク検出装置には、(1
1)項ないし(17)項のいずれかの技術的特徴を採用するこ
とができる。
【0023】(23)ブレーキ本体に保持された摩擦係合
部材をブレーキ回転体に押し付けることによって車輪の
回転を抑制するブレーキにおいて、前記摩擦係合部材の
ブレーキ回転体への押付力を制御することによって押付
力を制御するブレーキ制御装置であって、前記車輪に加
えられる制動トルクを検出する制動トルク検出装置と、
運転者によってブレーキ操作部材が操作されていない状
態において、前記制動トルク検出装置によって検出され
た制動トルクが設定値以上の場合に、前記摩擦係合部材
が前記ブレーキ回転体に摺動しているとする摺動状態検
出装置と、その摺動状態検出装置によって摺動している
ことが検出された場合に、前記押付力を小さくする押付
力減少部とを含むことを特徴とするブレーキ制御装置。
なお、摺動状態検出装置によって摺動していると検出さ
れないように押付力が制御されるようにすることも可能
であり、その場合には、引きずりを未然に防止すること
ができる。本項に記載の制動トルク検出装置には、(11)
項ないし(17)項のいずれかの技術的特徴を採用すること
ができる。また、押付力の制御は、停止から発進までの
間に行われても、走行中に行われてもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態である
制動力制御装置を備えたブレーキ装置について図面に基
づいて詳細に説明する。図1において、2,4はそれぞ
れ前輪、後輪の回転を抑制するブレーキである。本実施
形態において、ブレーキ2,4は動力式液圧源6または
マスタシリンダ8から液圧が供給されることによって作
動させられる液圧ブレーキである。ブレーキ2,4は同
じものであるため、後輪側のブレーキ4について説明
し、前輪側のブレーキ2についての説明を省略する。ま
た、本実施形態においては、前輪が駆動輪であり、後輪
が非駆動輪である。
【0025】10は車輪と一体的に回転可能なブレーキ
回転体としてのディスクロータであり、本実施形態にお
いては、ブレーキはディスクブレーキである。ディスク
ブレーキ4においては、図2に示すように、ブレーキ本
体14が車体側固定部材16に回動可能、換言すれば、
ほぼ周方向に移動可能に保持されている。本実施形態に
おいては、ディスクブレーキ4がオポーズド型であり、
キャリパ固定型である。そのため、キャリパが直接車体
側固定部材16に保持されるのであり、キャリパがブレ
ーキ本体14とされる。ディスクロータ10が、車輪と
一定的に回転可能なアクセルハブ20に相対回転不能に
固定され、ブレーキ本体14が、アクセルハブ20に相
対回転可能なステアリングナックルに相対回転不能に取
り付けられた部材(車体側固定部材)16にリンク機構
18を介して取り付けられる。なお、車体側固定部材1
6は、例えば、車輪が前輪である場合にはステアリング
ナックルまたはこれに相対回転不能に取り付けられた部
材とし、後輪の場合にはリヤアクセルハウジングまたは
これに相対回転不能に取り付けられた部材とすることが
できる。
【0026】ディスクブレーキ4は、ディスクロータ1
0の両側に設けられた一対のブレーキシリンダ22,2
4を含む。ブレーキシリンダ22,24のシリンダボア
25,26にはピストン28,29が液密かつ摺動可能
に嵌合されて、液圧室30,31が形成される。ピスト
ン28,29とディスクロータ10との間には、摩擦係
合部材としてのパッド32,34が配設されている。パ
ッド32,34はそれぞれ裏板36,38を介して保持
されている。裏板36,38は、キャリパ14に固定の
軸方向に延びたピン40に挿通させられることにより、
キャリパ14に対して軸方向に移動可能かつ半径方向に
移動不能に保持される。リンク機構18は、リンク部材
42と、リンク部材42をキャリパ14および車体側固
定部材16にそれぞれ軸線Lの回りに回動可能に連結す
るピン44,45とを含む。キャリパ14は車体側固定
部材16に周方向に相対移動可能に保持される。
【0027】車体側固定部16には、液圧発生装置50
がほぼ周方向に相対移動不能に設けられる。液圧発生装
置50は、キャリパ14の両側にそれぞれ設けられた液
圧シリンダ51,52を含む。液圧シリンダ51は、キ
ャリパ14の矢印に示す方向(正方向)の回動に伴って
作動させられるものであり、液圧シリンダ52は、矢印
とは反対方向(逆方向)の回動に伴って作動させられる
ものである。本実施形態においては、液圧シリンダ5
1,52が、それぞれ、液圧シリンダ51,52の軸線
Mの方向とブレーキシリンダ22,24によりパッド3
2,34がディスクロータ10に押し付けられる部分に
おける接線の方向とが平行な状態で設けられる。液圧シ
リンダ51,52は、前記車体側固定部材16に固定さ
れたシリンダ本体54と、そのシリンダ本体54に液密
かつ摺動可能に嵌合されたピストン56とを含む。ピス
トン56のピストンロッド58には、連結部材60が、
キャリパ14の一方向の移動を伝達し、逆方向の移動を
伝達しない状態で係合させられる。
【0028】連結部材60は、概してコの字型を成した
ものであり、一端部においてキャリパ14に回動可能に
保持され、他端部において、ピストンロッド58に形成
された係合部62において係合させられる。係合部62
は、本実施形態においては、軸線Mと平行な方向に延び
た溝を含む。また、ピストン56の前方の液圧室64に
は、リターンスプリング66が配設され、ピストン56
を後退端位置に付勢する。ピストン56の後退位置はス
トッパ68によって規定される。後退端においては、連
結部材60は係合部62の前進端、本実施形態において
は、溝の底部であって最もブレーキ本体側に位置する。
連結部材60にピストン56の前進方向の力が加えられ
た場合には、連結部材60とピストン56とが一体的に
前進させられ、液圧室64の液圧が増圧させられるが、
連結部材60に後退方向の力が加えられた場合には、連
結部材60は係合部62(溝)に沿ってピストンロッド
58に対して相対移動させられる。この場合には、ピス
トン56が移動させられることはない。なお、ピストン
56の前進端は、ピストン56がシリンダ本体54の底
部または図示しないストッパに当接することによって規
定される。本実施形態においては、液圧シリンダ51,
52等によって液圧発生装置63が構成される。
【0029】液圧シリンダ51,52のそれぞれの液圧
室64からは、液通路としての個別通路70,72が伸
び出させられて合流させられる。合流通路74にはリザ
ーバ76が接続される。合流通路74には、また、トル
ク用液圧センサ78、緩衝器80、流通制限装置82が
設けられる。トルク用液圧センサ78は、液圧シリンダ
51,52の液圧室64の液圧を検出するものであり、
液圧シリンダ51,52に共通に設けられたものであ
る。本実施形態においては、液圧シリンダ51に液圧が
発生させられた場合であっても、液圧シリンダ52に液
圧が発生させられた場合であっても、同様に(区別な
く)トルク用液圧センサ78によって検出される。流通
制限装置82は、互いに並列に配設された、リリーフ弁
90と、流出阻止弁92と、逆止弁94とを含む。
【0030】リリーフ弁90は、液圧室64の液圧が設
定圧以上になると、液圧室64からリザーバ76への作
動液の流れを許容するものであり、リリーフ弁90によ
れば、トルク用液圧センサ78に過大な液圧が加えられ
ることを防止することができる。流出阻止弁92は、液
圧室64から流出させられる作動液の流量が設定量以上
になると液圧室64からリザーバ76への作動液の流出
を阻止するものであり、流出阻止弁92によれば、リザ
ーバ76に接続された合流通路74において液圧を検出
することが可能となる。流出阻止弁92は、図に示すよ
うに、リザーバ76側の低圧ポート100と液圧室64
側の高圧ポート102とが形成されたハウジング104
と、大径部と小径部とを有し、ハウジング104に液密
かつ摺動可能に嵌合された段付きピストン106とを含
む。段付きピストン106の段部とハウジング104と
の間には、スプリング108が配設され、段付きピスト
ン106を後退方向に付勢する。段付きピストン106
の小径部側とハウジング104との間の液室110に
は、合流通路74の液圧室64側に接続されたバイパス
通路112が接続されている。バイパス通路112に
は、オリフィス114が設けられる。流出阻止弁92に
おいては、ピストン106の小径部の先端部が弁子11
6とされ、低圧ポート100の縁面が弁座とされる。
【0031】液圧シリンダ51,52からリザーバ76
に向かって流れる作動液の流量が設定値より小さい場合
に流出阻止弁92は開状態にある。液圧室64の作動液
は合流通路74、バイパス通路112、液室110、低
圧ポート100を経てリザーバ76に流出させられる。
液圧シリンダ51,52からリザーバ76に向かって流
れる作動液の流量が設定値以上になると、オリフィス1
14により、高圧ポート102に供給される作動液の液
圧と液室110の液圧との間に液圧差が生じる。段付き
ピストン106の大径部に加えられる液圧が液室110
に加えられる液圧より設定圧以上高くなると、ピストン
106がスプリング108の付勢力に抗して前進させら
れ、弁子116が弁座100に着座させられ、流出阻止
弁92が閉状態にされる。流出阻止弁92は、一端閉状
態になると、液圧シリンダ側とリザーバ側との液圧差が
設定値以下になるまで閉状態に保たれる。そのように、
スプリング108の付勢力、弁子116(ピストン10
6),弁座100の形状等が設計される。逆止弁94
は、リザーバ76から液圧室64への作動液の流れを許
容し逆向きの流れを阻止するものであり、逆止弁94に
よれば、液圧室64が負圧になることを回避することが
できる。
【0032】緩衝器80は、ピストン120とスプリン
グ121とを含むものであり、容積室122の液圧がス
プリング121のセット荷重より高くなると、ピストン
120が移動させられ、容積室122に作動液を収容す
る。容積室122には、液圧がスプリング121の付勢
力に対応する液圧と同じになるまで、作動液が収容され
る。緩衝器80によれば、液圧センサ78に加わる負荷
が過大になることを回避することができる。本実施形態
においては、スプリング121のセット荷重に対応する
液圧がリリーフ弁90のリリーフ圧より低くされてお
り、通常は、リリーフ弁90が開かれることはない。リ
リーフ弁90は安全のためなのである。また、液圧がパ
ルス的に増大させられても、スプリング121の付勢力
に対応する液圧より高くなれば、その分の作動液を収容
することができるため、緩衝器80によれば脈動を抑制
することができる。
【0033】前輪、後輪の各ブレーキ2,4のブレーキ
シリンダ22,24には、前記動力式液圧源6が液圧制
御装置124を介して接続されるとともに、マスタシリ
ンダ8が接続される。動力式液圧源6は、ポンプ126
aと、ポンプ126aを駆動するポンプモータ126b
と、ポンプ126aから吐出された作動液を蓄えるアキ
ュムレータ126cとを含む。ポンプ126aは、リザ
ーバ76の作動液を汲み上げて加圧するものであり、ポ
ンプモータ126bは、アキュムレータ圧センサ126
dによって検出されたアキュムレータ圧が予め定められ
た設定範囲内にあるように制御される。液圧制御装置1
24は、動力式液圧源6とブレーキシリンダ22,24
との間に設けられた増圧制御弁124aとブレーキシリ
ンダ22,24とリザーバ76との間に設けられた減圧
制御弁124bとを含む。増圧制御弁124a、減圧制御
弁124bは、本実施形態においては、供給電流のON
・OFFにより開閉させられる電磁開閉弁であり、増圧
制御弁124a、減圧制御弁124bがともに常閉弁とさ
れている。液圧制御装置124の制御により、前輪、後
輪のそれぞれにおけるブレーキシリンダ22,24の液
圧室30,31の液圧が制御される。なお、増圧制御弁
124a、減圧制御弁124bの少なくとも一方は、前後
の差圧を供給電流の大きさに応じて連続的に制御可能な
リニア制御弁とすることもできる。
【0034】また、マスタシリンダ8は、ブレーキペダ
ル128aに連携させられた加圧ピストンを含み、加圧
ピストンの前方の加圧室が前輪,後輪のディスクブレー
キ2,4のブレーキシリンダ22,24にそれぞれ液通
路128bによって接続される。液通路128bには、そ
れぞれ、マスタ遮断弁128cが設けられる。マスタ遮
断弁128cは供給電流のON・OFFにより開閉させ
られる電磁開閉弁であり、マスタ遮断弁128cの開閉
により、ブレーキシリンダ22,24にマスタシリンダ
8が連通させられたり、遮断されたりする。本実施形態
においては、ブレーキシリンダ22,24がマスタシリ
ンダ8から遮断された状態で、動力式液圧源6の液圧に
より制御される。
【0035】ブレーキ制御装置130は、図3に示すよ
うに、CPU132,ROM134,RAM136,I
/O138等を含む制御部140と駆動回路とを含むも
のであり、I/Oポート138には、前述のトルク用液
圧センサ78,ブレーキペダル128aが踏み込まれた
ことを検出するブレーキスイッチ141,ブレーキペダ
ル128aに加えられる踏力を検出する踏力センサ14
2,車両の走行速度を検出する車速センサ144,ブレ
ーキシリンダの液圧を検出するブレーキ圧センサ14
6,車輪の回転速度を検出する車輪速センサ148,ス
ノーモードスイッチ150,車両の減速度を検出する減
速度センサ152等が接続されている。スノーモードス
イッチ152は、運転者の操作によって切り換えられる
操作部を含むものであり、低μ路におけるトラクション
制御を指示する場合に操作されるスイッチである。
【0036】また、増圧制御弁124a,増圧制御弁1
24b,マスタ遮断弁128a,電動モータ126b等が
駆動回路156を介して接続されるとともに、駆動制御
装置160が接続されている。駆動制御装置160とブ
レーキ制御装置130との間においては、情報の通信が
行われる。駆動制御装置160は、ブレーキ制御装置1
30と同様にコンピュータを含むものであり、I/Oポ
ートには、図示しないアクセル操作部材の操作量として
のアクセル開度を検出するアクセル開度センサ162が
接続される。駆動制御装置160は、アクセル開度に応
じて要求駆動トルクを取得し、それに応じた駆動トルク
が得られるように、駆動装置164を制御する。駆動装
置164の作動により、駆動輪としての前輪には駆動ト
ルクが加えられる。また、駆動要求があるか否かの情報
をブレーキ制御装置130に供給する。さらに、ブレー
キ制御装置130からの駆動トルク保持指令に応じて駆
動装置164を駆動トルクが一定に保たれるように制御
する。本実施形態においては、駆動装置がエンジンを含
むものであるため、保持指令に応じてスロットル開度が
一定に保たれる。なお、駆動装置164は電動モータと
エンジンとを含むものであっても、電動モータを含みエ
ンジンを含まないものであってもよい。
【0037】ブレーキ制御装置130においては、トル
ク用液圧センサ78による検出液圧に基づいて、制動ト
ルクが、式 TB=(Ac・Pc)・Rb に従って求められる。ここで、Acは液圧シリンダ5
1,52におけるピストン54の受圧面積であり、Pc
はトルク用液圧センサ78による検出液圧であり、Rb
は、ディスクロータ10の中心からブレーキシリンダ2
6,28の中心までの長さであり、等価半径である。本
実施形態においては、液圧シリンダ51,52の軸線M
と押付力が作用する位置における接線とが一致する状態
で設けられるため、摩擦力と液圧に応じた力との比例係
数が1となり、液圧に応じた力に回転半径を掛けること
によって制動トルクを検出することができる。
【0038】パッド32,34とディスクロータ10と
の間の摩擦係数は車輪毎に異なるのが普通であり、車輪
毎に実際の制動トルクを求めることは有効である。そし
て、通常制動中においては、踏力センサ142によって
検出された踏力に基づいて制動トルクの目標値が求めら
れ、制動トルクの実際値が目標値に近づくように、液圧
制御装置124が制御されるようにすることができる。
また、ブレーキ操作力と、ブレーキ液圧との少なくとも
一方と制動トルクとの関係が予めテーブル化されて記憶
されている場合において、実際の制動トルク値に基づけ
ば、これらの関係を修正することができる。これらの間
の係数が決められている場合においても同様に、実際の
制動トルクに基づけば、係数(ゲイン)を修正すること
ができる。これらの間の関係やゲインが修正されれば、
制動トルクに基づく制御において有効である。
【0039】非ブレーキ作動中においては、液圧シリン
ダ51,52は図示する原位置にある。この場合には、
液圧室64に液圧が発生させられることはない。ディス
クロータ10の正方向の回転中にディスクブレーキ4が
作動させられると、キャリパ14が正方向に回動させら
れ、それに伴って、液圧シリンダ51が作動させられ
る。キャリパ14が液圧シリンダ51から離間させられ
ることによって連結部材60が引っ張られる。ピストン
56が、連結部材60によりリターンスプリング66の
付勢力に抗して液圧室64の容積が減少する方向に前進
させられる。液圧室64には、ピストン56に連結部材
60によって加えられる引張力に応じた高さの液圧が発
生させられる。液圧シリンダ52においては、連結部材
60が係合部62において、ピストン56から離間する
方向に、溝に沿って相対移動させられる。ピストン56
が移動させられることはないのであり、液圧シリンダ5
2は、非作動状態のままである。このように、本実施形
態においては、引張力により液圧シリンダが作動させら
れるようにされているため、ブレーキ本体14の回動方
向と反対側の液圧シリンダ(回動により離間させられる
側の液圧シリンダ)が作動させられることになる。
【0040】液圧シリンダ51の液圧室64に液圧が発
生させられると、液圧室64からリザーバ76へ向かう
作動液の流量が設定値より大きくなり、流出阻止弁92
が閉状態に切り換えられる。液圧シリンダ52の液圧室
64の液圧は、液圧シリンダ51の液圧と同じ高さにさ
れるが、この場合に、ピストン56は後退端位置にある
ため、これ以上後退させられることはない。作動液は圧
縮性が小さいものであるため、流出阻止弁92より液圧
シリンダ51,52側の液圧は、液圧シリンダ51の液
圧室64の液圧と同じ高さになり、その液圧がトルク用
液圧センサ78によって検出される。また、ブレーキシ
リンダ22,24の液圧が過大になり、液圧シリンダ5
1の液圧が緩衝器80のスプリング121のセット荷重
に対応する液圧より大きくなると、容積室122に作動
液が収容される。それによって、トルク用液圧センサ7
8に加わる負荷が過大になることを抑制することができ
る。また、脈動が抑制されるため、制動力を安定的に検
出することができる。ディスクブレーキ4におけるパッ
ドのロータへの押付力が小さくなると、液圧シリンダ5
1において、ピストン56がリターンスプリング66に
よって後退させられ、液圧室64の容積が増加させられ
る。液圧室64には、緩衝器80あるいはリザーバ76
から作動液が補給されるため、負圧になることはない。
液圧室64の液圧がほぼ大気圧になると、流出阻止弁9
2が開状態に切り換えられる。
【0041】それに対して、ディスクロータ10の逆方
向の回転中にディスクブレーキ4が作動させられると、
キャリパ14が逆方向に回動させられる。液圧シリンダ
52が作動状態にされるが、液圧シリンダ51は非作動
状態のままである。以下、本実施形態においては、車両
の前進中には車輪(ディスクロータ10)が正方向に回
転させられ、後退中には逆方向に回転させられることと
する。したがって、前進中の制動時には、液圧シリンダ
51に液圧が発生させられ、後退中の制動時には液圧シ
リンダ52に液圧が発生させられることになる。このよ
うに、液圧シリンダ51,52を設けることによって、
制動力を液圧に基づいて求めることができ、制動トルク
を液圧に基づいて求めることが可能となる。力ではなく
液圧が検出されるようにされているため、制動トルクの
信頼性を向上させることができる。また、車両の前進中
であっても後退中であっても(車輪が正方向に回転中で
あっても逆方向に回転中であっても)、制動トルクを検
出することができる。換言すれば、制動トルクの向きが
いずれであっても、検出することができる。この場合に
おいて、トルク用液圧センサ78が合流通路74に設け
られ、個別通路70,72に別個に設けるわけではない
ため、いずれの向きの制動トルクが発生させられても、
同様に(区別なく)検出される。したがって、車輪に加
えられる制動トルクの向きが変化する場合には、トルク
用液圧センサ78による検出液圧が0まで減少した後増
加することになる。
【0042】制動トルクは、車両が停止状態にあって
も、車輪を回転させようとする力が加えられると、発生
させられる。車両が平坦な路面に停止している状態にお
いては、ブレーキ2,4が作動させられていても、制動
トルクは0である。非駆動状態においては、車輪を回転
させようとする力が加えられることがないため、液圧シ
リンダ51,52に液圧が発生させられることがないの
である。それに対して、傾斜した路面に停止している状
態においては、制動トルクが発生させられる。車両に
は、斜面により車両を移動させようとする推進力(重力
による力)が作用するのであり、車輪には、車輪を回転
させようとする駆動トルクが作用するため、その回転を
抑制する制動トルクが発生させられるのである。図11
(B)に示すように、下り坂に停止している場合には、液
圧シリンダ51に液圧が発生させられ、上り坂に停止し
ている場合には、液圧シリンダ52に液圧が発生させら
れる。下り坂に停止している状態においては、車輪を正
方向(車両の前進方向)に回転させようとする駆動トル
クが重力によって加えられ、上り坂に停止している状態
においては、車輪を逆方向(車両の後退方向)に回転さ
せる駆動トルクが加えられるからである。
【0043】また、図11(A),(B)に示すように、車両
が下り坂を走行中にブレーキ2,4が作動させられて、
停止させられる場合には、減速中においても、停止中に
おいても、制動トルクの向きが同じであり、液圧シリン
ダ51に液圧が発生させられる。重力に起因する駆動ト
ルクと走行中の車輪の回転方向(前進方向)とが同じ向
きであるからである。それに対して、車両が上り坂を走
行中にブレーキ2,4が作動させられて、停止させられ
る場合には、減速中と停止中とで、制動トルクの向きが
逆になる。減速中には液圧シリンダ51に液圧が発生さ
せられ、停止中には液圧シリンダ52に液圧が発生させ
られる。したがって、トルク用液圧センサ78による検
出液圧が一端0まで減少した後に増加させられることに
なる。
【0044】停止中に、駆動装置164が駆動状態にさ
れた場合には、図11(B),(C)に示すように、下り坂に
おいては、重力に起因する駆動トルクの方向と駆動装置
164からの駆動トルクの方向とが同じであるため、駆
動装置164が駆動状態にされることによって制動トル
クが大きくなる。それに対して上り坂においては、重力
に起因する駆動トルクと駆動装置164からの駆動トル
クとが逆向きになるため、駆動装置164が駆動状態に
されることによって制動トルクが減少させられる(液圧
シリンダ52の液圧が減少させられる)。これらの現象
を利用すれば、車両が下り坂に停止中であるか上り坂に
停止中であるかを区別することができる。車両が停止す
る時点または停止中において駆動装置164が駆動状態
にされた状態における制動トルクの変化状態に基づけ
ば、坂道の向きがわかるのである。
【0045】また、図12に示すように、停止中の制動
トルクに基づけば、傾斜角度を取得することができる。
停止中においては、各車輪と路面との間に加えられる制
動力FBの和と重力により車両に加えられる推進力とが
釣り合う状態にあるため、式 ΣFB=M・g・sinθ が成立する。ここで、Mは車両重量であり、θは坂道の
傾斜角度である。FBは、路面と車輪との間に作用する
力であり、車輪に加えられる荷重、車輪と路面との間の
摩擦係数に比例する。また、路面と車輪との間の摩擦力
FBと制動トルク(パッドとロータとの間の摩擦力(制
動力)に有効半径Rbを掛けた値)TBとの間には、式 I(dω/dt)=r・FB−TB が成立する。ここで、rは車輪の半径であり、r・FB
は、路面と車輪との摩擦力によって加えられるトルクで
ある。停止状態においては、車輪は非回転状態にあるた
め、(dω/dt)は0になり、FB=TB/rが満たされ
る。したがって、路面と車輪との間の摩擦力FBを、制
動トルクに基づいて取得することができるのである。こ
のように、坂道の傾斜角度が取得されれば、発進時の駆
動トルクの制御に便利である。上り坂に停止中におい
て、後退を抑制し得る状態を保った状態で駆動トルクを
保持する際に、その駆動トルクの大きさを傾斜角度に基
づいて決定されるようにすることが望ましい。
【0046】車両が坂道に停止している場合と減速中
(走行中にブレーキが作動させられた場合)とでは、ブ
レーキ液圧が同じであっても、制動トルクは異なる大き
さとなる。減速中の制動トルクは、車輪の回転を抑制す
るための大きさであり、停止中の制動トルクは、重力に
起因する駆動トルクに応じた大きさである。車両を停止
状態に保つためには、停止状態を保つための制動トルク
に応じた押付力で十分なのであり、実際の制動トルク
と、図4に示す制動トルクと押付力(ブレーキシリンダ
の液圧)との関係とに基づいて決まるブレーキシリンダ
圧が、停止状態に保ち得る最小のブレーキシリンダ圧と
なる。また、停止中においては、車両を停止状態に保つ
ために十分な大きさの押付力が加えられるのが普通であ
る。そのため、停止中に車輪を回転させようとする駆動
トルクが加わっても、ブレーキシリンダの液圧に応じた
制動トルクより小さい間は、停止状態に保つことが可能
なのである。本実施形態においては、その坂道において
車両を停止状態に保つために必要な最小のブレーキシリ
ンダ液圧Pwminに安全係数α(>1)を掛けた大きさを
保持液圧PwHとする。
【0047】車両が坂道に停止させられた場合には、ブ
レーキシリンダ液圧が、運転者によるブレーキペダル1
28aの操作状態とは関係なく、車両を停止状態に保つ
ための大きさ(保持液圧PwH)に制御され、発進時にそ
のブレーキシリンダ液圧が減圧される。ブレーキシリン
ダの液圧は、増圧制御弁124a,減圧制御弁124bの
制御により制御されるのであるが、保持する場合には、
両方とも閉状態にされる。また、ブレーキシリンダ圧
は、減圧制御弁124bのデューティ制御に応じた勾配
で減圧させられる。
【0048】本実施形態においては、下り坂で停止して
いる場合と上り坂で停止している場合とで、異なったパ
ターンでブレーキシリンダ液圧が減圧させられる(押付
力が、減少させられる)。下り坂であると判定された場
合には、駆動トルクの増加に伴う制動トルクの増加量d
Tαが設定増加量dTαになった場合に減圧が開始させ
られる。設定増加量dTαは、0より大きく、図4のト
ルク余裕量TBm(TBH−TBmin)以下の大きさとするこ
とができる。また、ブレーキシリンダ液圧は運転者によ
る駆動要求状態に応じて減圧させられる。図6に示すよ
うに、急発進を望む場合には、急勾配で減圧させられ
(例えば、減圧制御弁124bが開状態に切り換えら
れ)、緩やかな発進(通常の発進)を望む場合には、緩
やかな勾配で減圧させられる。上り坂であると判定され
た場合には、検出された制動トルクが、保持液圧に対応
する保持トルクTBminから駆動トルクTDを引いた大き
さとなるように制御される。制動トルクが駆動トルクの
増加に伴って減少させられるのであり、制動トルクと駆
動トルクとの和が保持トルクより小さくならないよう
に、ブレーキシリンダ液圧が減圧させられる。このよう
に、ブレーキシリンダ液圧が、制動トルクに基づいて減
圧させられるため、ブレーキシリンダ液圧が減圧させら
れる間、車両が後退することを回避することができる。
車両は、制動トルクが0になって、駆動トルクが保持ト
ルク以上になると発進する。
【0049】引きずりが検出された場合には、ブレーキ
シリンダ液圧が減圧させられる。ブレーキ圧センサ14
4による検出液圧が0であっても、実際には、液圧室3
0,31に液圧が残っている場合がある。液圧によりパ
ッドがロータ10に摺動させられれば、そのことによっ
て液圧シリンダ51,52に液圧が発生させられ、トル
ク用液圧センサ78によって検出された液圧に基づく制
動トルクが0以上の大きさになる。この場合には、減圧
制御弁124bを検出された制動トルクに基づいて開状
態に切り換えれば、引きずりを解消することができる。
ブレーキシリンダ22,24の液圧室30,32をリザ
ーバ76に連通させた状態で振動が加えられれば(車両
が走行すれば)、液圧室30,32の液圧をリザーバ7
6に流出させることができる。ブレーキスイッチ141
がOFF状態にあり、かつ、車速センサ144による検
出速度が設定速度以上である状態で、制動トルクが設定
値以上である場合には引きずりが生じているとすること
ができる。
【0050】ブレーキシリンダ液圧は、図5のフローチ
ャートで表される坂道発進制御プログラムの実行に従っ
て制御される。坂道発進制御プログラムが、車両が停止
状態にあるとされた場合に実行される。ステップ1(以
下、S1と略称する。他のステップについても同様とす
る)において、トルク用液圧センサ78による検出液圧
に基づく制動トルクが読み込まれ、それに基づいて車両
を停止状態に保持するための最小ブレーキ液圧Pwmin,
保持液圧PwH,余裕トルク値TBmが求められる。そし
て、S2において、増圧制御弁124aや減圧制御弁1
24bの制御により、ブレーキ液圧が保持液圧PwHとな
るように制御され、その値に保持される。図7に示すよ
うに、その時点の運転者の踏力に応じた液圧より小さく
されるのが普通である。
【0051】そして、S3において、駆動要求が発生さ
せられたか否かが判定される。駆動制御装置160に駆
動要求があるか否かの問い合わせ情報が送信され、それ
に応じて駆動制御装置160からブレーキ制御装置13
0に駆動要求があったことを表す情報が送信された場合
には、判定がYESとなる。S4において、上り勾配か
下り勾配かが判定される。上述のように、上り坂である
場合には、S5において、それに応じた制御が行われ、
下り坂である場合には、S6においてそれに応じた制御
が行われる。S7、8において引きずりが生じたか否か
が判定される。車速が設定値以上になったか否かが判定
され、設定値以上になった場合には、判定がYESとな
り、S8において、ブレーキスイッチ141がOFF
で、かつ、制動トルクが設定値以上であるか否かが判定
される。ブレーキペダル128aが踏み込まれていない
状態であって、車両が走行しているにも係わらず制動ト
ルクが発生している場合は、引きすりが生じているとす
ることができるのであり、この場合には、S8における
判定がYESとなって、S9において、減圧制御弁12
4bが制動トルクが0になるまで、開状態にされる。図
7に示すように、下り坂で発進する場合に引きずりが検
出されたが、減圧制御弁124bが開状態に切り換えら
れるため、引きずりを早期に解消することができる。
【0052】本実施形態におけるブレーキ装置において
は、低μ路上り坂発進制御が行われるようにすることも
できる。この場合には、低μ路の上り勾配の路面に停止
させられた場合には、駆動装置164からの駆動トルク
に応じた駆動力と、重力により車両を後退させる方向に
加えられる推進力と制動トルクに応じた制動力との和と
が釣り合った状態から、駆動装置164による制動トル
クが保持されて、ブレーキシリンダの液圧が減圧させら
れることによって、車両が発進させられる。
【0053】図13の(B)に示すように、上り坂で停止
している状態において駆動力が加えられると、トルク用
液圧センサ78による検出液圧は減少する。図7に示す
ように、上述の坂道発進制御においては、この状態から
駆動トルクが増加させられ、ブレーキシリンダ液圧が減
圧させられることによって発進させられるようにされて
いた。それに対して、低μ路における発進制御において
は、ブレーキシリンダの液圧が減少させられないで、さ
らに駆動トルクが増加させられ、制動トルクの向きが逆
になり、(C)に示すように重力に起因する駆動トルクと
制動トルクとの和と駆動装置164による駆動トルクと
が釣り合った状態から、駆動装置164からの駆動トル
クが保持されて、ブレーキシリンダ液圧が減圧させられ
ることによって発進させられるように制御する。保持さ
れる駆動装置164からの駆動トルクは、車両を停止状
態で保持し得る保持制動トルクより大きい値であって、
車両を発進させ得る大きさであり、傾斜角度θに基づい
て決定することができる。
【0054】また、ブレーキシリンダ液圧の減圧勾配
は、図9のマップで表されるテーブルに従って決定され
る。車輪の回転速度が小さいほど減圧勾配が小さくされ
るのであり、発進時には減圧勾配が小さくされ、急発進
が抑制される。図9に示すように、車輪速度が0の場合
にも減圧勾配は0ではなく、設定値とされる。発進前に
おいては(車輪速度0)、この設定勾配で減圧されるの
であり、実際に発進した後においては、車輪速度の増加
に伴って減圧勾配が大きくされる。
【0055】ブレーキシリンダ液圧は、図8のフローチ
ャートで表される低μ路上り坂発進制御プログラムの実
行に従って実行される。停止状態、すなわち、S52に
おいては、四輪すべてのブレーキシリンダ液圧が保持液
圧に制御されるのであるが、発進時、すなわち、S56
においては、駆動輪のブレーキシリンダ液圧が増加させ
られ、非駆動輪のブレーキシリンダ液圧が0まで減圧さ
せられることによって車両が停止状態に保たれる。駆動
輪には駆動装置164からの駆動トルクと重力に起因す
る駆動トルクとが加えられ、これらの和に応じた制動ト
ルクが検出される。それに対して、非駆動輪には、制動
トルクが発生することはない。そのため、駆動輪の制動
トルクに基づいてブレーキシリンダ液圧が制御されるよ
うにすれば、非駆動輪の影響を考慮しないで、ブレーキ
シリンダの液圧を良好に制御することが可能となる。な
お、駆動輪のブレーキシリンダの液圧に応じた制動トル
クでは車両を停止状態に保つことが困難な場合には非駆
動輪のブレーキシリンダの液圧を0まで減圧しないで、
駆動輪の制動トルクと非駆動輪の制動トルクとに基づい
て停止状態に保たれるようにする。この場合において
も、非駆動輪のブレーキシリンダの液圧は小さくする方
が望ましい。また、S53においては、低μ路発進制御
が行われることを許可する許可する許可条件が満たされ
るか否かが判定される。本実施形態においては、スノー
モードスイッチ148がON状態にあること、今回の停
止時の減速度センサ150による検出減速度が車輪速セ
ンサ148による検出車輪速度に基づいて求められる減
速度に対して小さいこと、前回のトラクション制御時に
おいて、非駆動輪としての後輪の回転速度が非常に小さ
いことの少なくとも1つが満たされた場合には、低μ路
であるとされ、許可条件が満たされるとされる。この場
合には、S53における判定がYESとなり、S54に
おいて、上記実施形態における場合と同様に、駆動要求
があるか否かが判定され、S55において、上り勾配で
あるか否かが判定されるのである。
【0056】駆動要求が有った場合には、S57におい
て、駆動トルクが設定値TDα以上か否かが判定され
る。駆動制御装置160に駆動トルクの大きさを問い合
わせる情報が送信され、それに応じて送信された情報に
基づいて、駆動トルクの大きさが設定値以上であるか否
がが判定されるのである。駆動トルクが設定値以上であ
る場合には、S58において、その駆動トルクを保持す
る指令が駆動制御装置160に送信される。それによっ
て、駆動装置164において、スロットル開度が保持さ
れる等の制御が行われることによって駆動トルクの増加
が阻止される。その後、S59において、駆動輪のブレ
ーキシリンダ液圧が図9のテーブルに従って決められる
勾配で減圧させられる。
【0057】この場合には、ブレーキシリンダ液圧が保
持された状態で、駆動装置164の駆動装置が設定値ま
で増加させられるため、図13の(B)に示す状態から(C)
に示す状態に変化する。図10に示すように、駆動トル
クが設定値に達する以前に、制動トルクの検出値が一端
0になるまで減少させられ、駆動トルクの増加に伴って
増加させられ、駆動トルクの保持によって保持される。
その後、ブレーキシリンダの液圧が減少させられるので
あるが、減圧によって制動トルクが直ちに減少させられ
ることはない。ブレーキシリンダ液圧が、その状態にお
ける保持液圧以下になると、制動トルクの検出値も減少
させられ、車両が発進させられることになる。このよう
に、本実施形態においては、低μ路の上り坂に停止して
いる状態においてもスムーズに発進させることができ
る。また、ブレーキが緩められる場合に車両が後退する
ことを防止し得、かつ、低μ路であっても、駆動スリッ
プが生じることを良好に回避することができる。さら
に、発進時に非駆動輪のブレーキシリンダ液圧が0にさ
れるため、駆動輪に加えられる制動トルクを精度よく検
出することができ、制動トルクに基づいてブレーキ液圧
を良好に減圧することができる。
【0058】本実施形態におけるブレーキ装置において
は、引きずりが生じることを防止したり、ノックバック
が生じることを回避したりすることもできる。図14に
は、引きずり防止プログラムを表すフローチャートを示
す。図14のS101〜103は図5のフローチャート
のS7〜S9と同様である。引きずり防止プログラムは
通常走行中に、予め定められた設定時間毎に実行され
る。その結果、引きずりが検出された場合に早期に解消
することができ、また、引きずりが生じることを未然に
防止することも可能である。図15には、ノックバック
防止プログラムを表すフローチャートを示す。この場合
の制動トルクの設定値は、通常走行中(非ブレーキ作動
中)に生じる平均的な引きずり量とする。例えば、前進
中の制動トルク検出値と後退中の制動トルク検出値との
平均値とすることができる。S151〜153におい
て、車両の走行中の制動トルクの検出値が設定値以下に
なったか否かが判定される。設定値以下になった場合に
は、S154において増圧制御弁124aが開状態にさ
れる。動力式液圧源6から液圧が供給されることにより
ブレーキシリンダ液圧が増加させられ、ノックバックを
防止することができる。設定値以上の場合には、S15
5において閉状態に切り換えられる。
【0059】さらに、スノーフェードが検出された場合
には、トルク用液圧センサ78による検出液圧が予め定
められた設定振幅で振動させられる状態で、ブレーキシ
リンダ液圧が増加、減少させられるようにする。ブレー
キシリンダ液圧の増減によりパッド32,34とロータ
10とを接触させたり離間させたりすれば、その振動に
より、これらの間に付着した雪や氷を払い落とすことが
でき、スノーフェードを早期に解消することができる。
スノーフェード状態であることは、例えば、外気温度が
設定値以下であり、ブレーキシリンダの液圧の増加に伴
って減速度が増加しないこと等によって検出することが
できる。この場合に、ブレーキ液圧センサ146による
検出液圧の変化状態に応じて制動トルクが変化するとは
限らないのであり、実際にパッド32,34とロータ1
0との接触・離間が繰り返し生じているか否かは明らか
ではない。それに対して、実際の制動トルクの変化状態
に基づいてブレーキ液圧が制御されるようにすれば、確
実にスノーフェード状態を解消することができるのであ
る。
【0060】なお、上記実施形態においては、坂道にお
いて、車両を停止状態に保つための必要な最小液圧が、
停止状態の制動トルクと、制動トルクとブレーキシリン
ダ液圧との関係(テーブル)とに基づいて求められるよ
うにされていたが、実際に停止状態においてブレーキシ
リンダ液圧を減圧させることによって求めることもでき
る。図16(a)に示すように、四輪のうちの少なくと
も一輪のブレーキシリンダ液圧を減圧することによっ
て、他の車輪の制動トルクが大きくなった場合に、その
時点のブレーキシリンダ液圧を必要最小液圧とする。ブ
レーキシリンダ液圧を戻してから他の車輪についてもブ
レーキシリンダ液圧を減少させれば、同様に必要最小限
液圧を取得することができる。また、(b)に示すよう
にブレーキシリンダ液圧の減圧量を大きくし、制動トル
クの減少状態を検出する場合において、制動トルクが予
め定められた設定値より小さくなった場合には、トルク
用液圧センサ78等が異常であるとすることができる。
【0061】また、上記実施形態においては、駆動装置
164からの駆動トルクが加えられた場合の制動トルク
の変化状態に基づいて、上り坂か下り坂かが判定される
ようにされていたが、停止時点の制動トルクの変化状態
に基づいて判定されるようにすることができる。さら
に、上記実施形態においては、保持液圧の決定、減圧開
始時のブレーキシリンダ圧の決定、ブレーキシリンダ液
圧の減圧制御が、制動トルクに基づいて行われるように
されていたが、これらすべてを制動トルクに基づいて行
われるようにすることは不可欠ではない。例えば、保持
液圧の決定とブレーキシリンダ液圧の減圧制御との少な
くとも一方が制動トルクに基づいて行われるようにする
等、一連の坂道発進制御中において、ブレーキシリンダ
液圧が制動トルクに基づいて制御される時期があればよ
いのである。また、平坦な路面に停止している状態にお
いて発進制御が行われるようにすることもできる。
【0062】さらに、液圧発生装置は上記実施形態にお
けるそれに限らない。例えば、図17に示すように、液
圧発生装置に含まれる液圧シリンダを1つとすることも
できる。液圧シリンダ200は、シリンダ本体202
と、本体202に液密かつ摺動可能に、互いに対向する
状態で嵌合されたピストン204,206とを含み、2
つのピストン204,206の間が液圧室208とされ
る。ピストン204はキャリパ14に設けられた突部2
10によって前進させられるものであり、ピストン20
6は連結部材212によって前進させられるものであ
る。ピストン204,206の間にはリターンスプリン
グ214が設けられ、それぞれを後退端位置に付勢す
る。後退端位置は本体202に設けられたストッパ21
6,218によって規定される。
【0063】ピストン204は、ピストンロッド220
の端面が突部210に対向する状態で設けられ、キャリ
パ14が液圧シリンダ200に接近することによって突
部210がピストンロッド220に当接し、ピストン2
04がリターンスプリング214の付勢力に抗して前進
させられる。ピストン204はキャリパ14の接近によ
る押付力によって移動させられるものである。ピストン
206は、前述のピストン54と同様に、連結部材21
2がピストンロッド222の溝状を成した係合部224
において係合させられる。ピストン206は、キャリパ
64の液圧シリンダ200からの離間による引張力によ
って、液圧室208の容積が減少する方向に移動させら
れる。
【0064】ディスクロータ10の正回転中にブレーキ
が作動させられた場合には、キャリパ14が正方向に回
動させられる。連結部材212がそれに伴って引っ張ら
れ、ピストン206がスプリング214の付勢力に抗し
て前進させられる。この場合には、突部210はピスト
ン204に当接することはなく、ピストン204はスト
ッパ216によって規定される後退端位置にある。液圧
室208の容積が減少させられ、液圧が発生させられ
る。ディスクロータ10の逆回転中にブレーキが作動さ
せられると、キャリパ14に逆回転方向の力が加えられ
る。突部210の押付力によってピストン206が前進
させられる。液圧室208の容積が減少させられ、液圧
が発生させられる。ピストン206はストッパ218に
よって規定される後退端に位置したままで、連結部材2
12が係合部224に沿ってピストン206に対して相
対移動させられる。同様に、車両が坂道に停止している
状態においては、重力に起因する駆動トルクと駆動装置
164からの駆動トルクとの少なくとも一方による車輪
の回転を抑制する方向に制動トルクが発生させられる。
【0065】このように、本実施形態においては、キャ
リパ14による引張力と押付力とによって、液圧室20
8の容積を減少させるのであり、1つの液圧シリンダ2
00で、前進回転方向に駆動トルクが加えられた場合に
も後退回転方向に駆動トルクが加えられた場合にも制動
トルクを検出することができる。なお、ピストン204
のピストンロッド220とブレーキ本体14の突部21
0とは、ピストン204の後退端位置において当接した
状態で設けることもできる。緩衝器80を設けない場合
においても突部210により、ピストン204を前進さ
せることができる。また、上記実施形態における場合の
ように、緩衝器80とリリーフ弁90との両方を設ける
ことは不可欠ではない。いずれか一方を設ければ、トル
ク用液圧センサ78に加わる負荷が過大になることを回
避することができる。この場合には、リリーフ弁90に
おけるリリーフ圧等をトルク用液圧センサ78に適した
大きさに決定することができる。
【0066】さらに、図18に示すように、液圧発生装
置250は、2つの液圧変換装置252,254を含む
ものとすることができる。液圧変換装置252,254
は、それぞれ、金属ベローズ256を含み、金属ベロー
ズ256の内側が可変容積室としての液圧室258とさ
れる。液圧室258には、液圧センサの検出子260が
配設される。検出子260に接続された信号線等はブレ
ーキ制御装置130に接続され、ブレーキ制御装置13
0において、上記実施形態における場合と同様に制動ト
ルク等が取得される。ベローズ256を保持する保持部
材262が車体側固定部材16に相対移動不能に取り付
けられ、ベローズ256の底板266の突部に形成され
た係合部268に連結部材269が係合させられる。底
板266の移動限度は、保持部材262の端面270に
よって規定される。ベローズ256の伸縮限度が規定さ
れ、ベローズ256の疲労を抑制することができる。デ
ィスクロータ10の回転中にブレーキが作動させられる
と、キャリパ14が回動させられ、それによって、底板
266が移動させられる。ベローズ256が収縮させら
れ、液圧室258の容積が減少させられ、液圧が発生さ
せられる。また、坂道に停止中においては、重力に起因
する駆動トルクと駆動装置164からの駆動トルクとの
少なくとも一方による車輪の回転を抑制する方向に対応
する液圧室258に、液圧が発生させられる。
【0067】さらに、上記実施形態においては、ディス
クブレーキがキャリパ固定型であったが、キャリパ浮動
型のものとすることができる。この場合には、キャリパ
を軸方向に移動可能に保持するマウンティングブラケッ
トがブレーキ本体とされて、車体側固定部材16にリン
ク機構18を介して周方向に移動可能に保持される。ブ
レーキシリンダは、ディスクロータ10の両側に設けら
れているわけではなく、車体の内側に設けられているだ
けである。ブレーキシリンダの作動によりキャリパが軸
方向に移動させられ、ディスクロータ10の両側からア
ウタパッド、インナパッドが押し付けられる。
【0068】また、トルク用液圧センサ78は、各輪毎
に設けるのではなく、前輪側、後輪側の少なくとも一方
の側において、右側車輪のブレーキと左側車輪のブレー
キとに共通に設けることもできる。この場合には、車輪
毎の個別通路の合流通路にトルク用液圧センサ78が設
けられることになるが、車輪毎の個別通路に電磁開閉弁
を設ければ、選択的に左側の車輪のトルクと右側の車輪
のトルクとが検出可能となる。同様に、液圧シリンダ毎
の個別通路70,72に電磁開閉弁をそれぞれ設けれ
ば、液圧シリンダ51,52に発生させられる液圧を選
択的に検出することが可能となる。なお、電磁開閉弁の
換わりに方向切換弁とすることもできる。
【0069】さらに、ブレーキはディスクブレーキに限
らず、ドラムブレーキでもよく、液圧ブレーキに限ら
ず、電動ブレーキとしてもよい。ドラムブレーキとした
場合の一例を、図19,20に示す。ドラムブレーキに
おいては、ブレーキ本体としてのバッキングプレート3
50が車体側固定部材としてのリヤアクセルハウジング
352に相対回転可能に保持される。また、バッキング
プレート350と車体側固定部材352との間に、液圧
発生装置としての揺動シリンダ354が設けられる。揺
動シリンダ354は、バッキングプレート350に相対
回転不能に取り付けられたハウジングの一部356と、
車体側固定部材352に相対回転不能に取り付けられた
ハウジングの残りの部分358とを含む。ハウジング3
56,358には、それぞれ突部360,362が形成
される。突部360はハウジング356の環状部の外周
側に設けられ、突部362はハウジング358の環状部
の内周側に設けられる。突部360がピストンとされ、
突部362が液圧室364,366を規定する底部とさ
れる。バッキングプレート350の車体側固定部材35
2に対する相対回転によって、突部360の底部362
に対する相対位置が変化し、それによって、液圧室36
4,366の容積が変化させられる。
【0070】液圧室364,366にはそれぞれ液通路
370,372が接続され、液通路370,372に
は、それぞれ液圧センサ374,376が設けられる。
また、液通路370,372には方向切換弁380が設
けられ、液通路370,372のいずれか一方を選択的
にリザーバ76に連通させる。突部360の一方向の移
動によって、液圧室364,366のいずれか一方の容
積が減少させられ、他方の容積が増加させられる。容積
が増加する液圧室にリザーバ76が連通させられて、負
圧になることが回避される。矢印の方向の回転中(車両
の前進中)にブレーキが作動させられた場合には、液圧
室366の容積が増加させられるため、方向切換弁38
0は図示する原位置に保たれる。後退中においては、液
圧室364にリザーバ76が連通させられる状態に切り
換えられる。車両が前進中か後退中であるかは、シフト
位置センサ392によって検出されるシフトレバー位置
に基づいて検出される。
【0071】前進中にブレーキが作動させられた場合、
または、停止中に正方向に回転させる駆動トルクが加え
られた場合には、バッキングプレート350が正方向
(反時計方向)に回動させられる。ピストン360が反
時計方向に移動させられ、液圧室364の容積が減少さ
せられ、液圧室366の容積が増加させられる。摩擦力
に起因する連れ回り力と液圧室364の液圧に応じた力
とがつりあう状態となれば、バッキングプレート350
の回動が停止させられる。バッキングプレート350の
大きな回動が防止されるのであり、バッキングプレート
350の移動限度を規定するストッパが不要となる。制
動トルクは、液圧センサ374による検出液圧に基づい
て検出される。後退中にブレーキが作動させられた場
合、または、停止中に逆方向に回転させる駆動トルクが
加えられた場合には、方向切換弁380が切り換えら
れ、液圧室364にリザーバ76が連通させられる。ブ
レーキが作動させられると、バッキングプレート350
が逆方向(時計方向)に回動させられる。ピストン36
0の時計方向の移動によって液圧室366の容積が減少
させられ、液圧室364の容積が増加させられる。液圧
センサ376による検出液圧に基づいて制動トルクが検
出される。
【0072】なお、上記各実施形態においては、ブレー
キシリンダの液圧によって摩擦係合部材がブレーキ回転
体に押し付けられるようにされていたが、電動モータの
作動によって押し付けられるようにすることもできる。
実際の制動トルクが目標トルクに近付けられるように制
御する場合には、電動モータへの供給電流が制御される
ことになる。また、ブレーキ本体、液圧発生装置等の車
体側固定部材へのリンク機構(取り付け)の態様は、本
出願人によって出願され、登録された特許第27829
79号公報、2998522号公報に記載の態様とする
ことができる。この場合には、ブレーキシリンダの液圧
による押付力による摩擦力に液圧発生装置の液圧とシリ
ンダの横断面積を乗じた力とが同じにならない場合があ
るが(比例定数が1でない場合があるが)、比例定数
は、構造によって決まるため、これらが比例することに
は変わりはなく、液圧発生装置の液圧に基づいて摩擦力
を求めることができ、制動トルクを検出することができ
る。
【0073】さらに、制動トルク検出装置は、連れ回り
力を機械的に検出する連れ回り力検出部を含むものであ
ってもよい。また、適用されるブレーキ装置の構造は、
上記実施形態におけるそれに限らない。ブレーキの押付
力を制御可能なものであれば本発明を適用することがで
きる。
【0074】本発明は、前記〔発明が解決しようとする
課題、課題解決手段および効果〕に記載の態様の他、当
業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で
実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるブレーキ制御装置に
よって押付力が制御されるブレーキを含むブレーキ装置
全体を概念的に示す図である。
【図2】上記ブレーキ周辺を示す図である。
【図3】上記ブレーキ装置に含まれるブレーキ制御装置
の周辺を概念的に示す図である。
【図4】上記ブレーキ制御装置のROMに格納された車
両停止時の制動トルクと最小ブレーキ液圧との関係を示
すテーブルを表すマップである。
【図5】上記ブレーキ制御装置のROMに格納された坂
道発進制御プログラムを表すフローチャートである。
【図6】上記ブレーキ制御装置によって発進時にブレー
キ液圧が減圧させられる場合の制御の一例を示す図であ
る。
【図7】上記ブレーキ制御装置による制御の一例を示す
図である。
【図8】上記ブレーキ制御装置のROMに格納された低
μ路上坂発進制御プログラムを表すフローチャートであ
る。
【図9】上記ブレーキ制御装置のROMに格納された減
速勾配と車輪速度との関係を示すテーブルを表すマップ
である。
【図10】上記ブレーキ制御装置による制御の一例を示
す図である。
【図11】上記ブレーキ装置が搭載された車両が停止し
ている路面の傾斜状態と制動トルクとの関係を概念的に
示す図である。
【図12】上記車両が停止している路面の傾斜角度と制
動トルクの向きとの関係を概念的に示す図である。
【図13】上記車両が上り坂に停止している状態から発
進する場合の制動トルクを概念的に示す図である。
【図14】上記ブレーキ制御装置のROMに格納された
引きずり防止プログラムを表すフローチャートである。
【図15】上記ブレーキ制御装置のROMに格納された
ノックバック防止プログラムを表すフローチャートであ
る。
【図16】上記ブレーキ制御装置において、停止時最小
保持液圧を求める場合のブレーキ液圧の変化状態と制動
トルクとの関係を示す図である。
【図17】本発明の別の一実施形態であるブレーキ制御
装置に含まれる制動トルク検出装置を示す図である。
【図18】本発明のさらに別の一実施形態であるブレー
キ制御装置に含まれる制動トルク検出装置を示す図であ
る。
【図19】本発明の別の一実施形態であるブレーキ制御
装置に含まれる制動トルク検出装置を示す図である。
【図20】図19のAA断面図である。
【符号の説明】
51,52,200液圧シリンダ 63,250液圧発生装置 124液圧制御装置 78トルク用液圧センサ 130ブレーキ制御装置 160駆動制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 貴之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 竹内 公一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3D046 BB02 BB26 CC02 EE01 HH02 HH05 HH16 HH22 HH26 HH36 HH49 HH52 LL14 LL29 LL30 LL53

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブレーキ本体に保持された摩擦係合部材を
    ブレーキ回転体に押し付けることによって車輪の回転を
    抑制するブレーキにおける前記摩擦係合部材のブレーキ
    回転体への押付力を、車両の停止中に、その車両を停止
    状態に保つ大きさに保持する押付力保持装置と、 車両の発進時に、その押付力保持装置によって保持され
    た押付力を減少させる押付力減少装置とを含むブレーキ
    制御装置であって、 前記車輪に加えられる制動トルクを検出する制動トルク
    検出装置を含み、前記押付力減少装置が、前記制動トル
    ク検出装置によって検出された制動トルクに応じて前記
    押付力を減少させるトルク対応押付力減少部を含むこと
    を特徴とするブレーキ制御装置。
  2. 【請求項2】前記押付力保持装置が、前記車両が傾斜路
    面に停止している場合において、前記押付力を、前記制
    動トルク検出装置によって検出された制動トルクに基づ
    いて決定する保持押付力決定部を含む請求項1に記載の
    ブレーキ制御装置。
  3. 【請求項3】前記制動トルク検出装置によって検出され
    た制動トルクに基づいて前記車両の停止している路面の
    傾斜状態を検出する傾斜状態検出部を含む請求項1また
    は2に記載のブレーキ制御装置。
  4. 【請求項4】ブレーキ本体に保持された摩擦係合部材を
    ブレーキ回転体に押し付けることによって車輪の回転を
    抑制するブレーキにおける前記摩擦係合部材の前記ブレ
    ーキ回転体への押付力を、車両の停止中に、その車両を
    停止状態に保つ大きさに保持し、前記車両の発進時に減
    少させる押付力制御装置を含むブレーキ制御装置であっ
    て、 (a)前記ブレーキ本体を前記ブレーキ回転体の近傍の車
    体側固定部材にブレーキ回転体の周方向に移動可能に保
    持するブレーキ本体保持装置と、(b)前記ブレーキ本体
    の移動に基づいて液圧を発生させる液圧発生装置と、
    (c)その液圧発生装置の液圧を検出する液圧検出装置
    と、(d)その液圧検出装置による検出液圧に基づいて前
    記車輪に加えられる制動トルクを取得する制動トルク取
    得装置とを含む制動トルク検出装置を含み、 前記押付力制御装置が、前記押付力を、前記車両の停止
    から発進までの少なくとも一時期に、前記制動トルク検
    出装置によって検出された制動トルクに基づいて制御す
    るトルク対応押付力制御部を含むことを特徴とするブレ
    ーキ制御装置。
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