JP2003011540A - 感熱孔版印刷用原紙 - Google Patents

感熱孔版印刷用原紙

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JP2003011540A
JP2003011540A JP2001199419A JP2001199419A JP2003011540A JP 2003011540 A JP2003011540 A JP 2003011540A JP 2001199419 A JP2001199419 A JP 2001199419A JP 2001199419 A JP2001199419 A JP 2001199419A JP 2003011540 A JP2003011540 A JP 2003011540A
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porous
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heat
film
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JP2001199419A
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Hideyuki Yamaguchi
秀幸 山口
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Tohoku Ricoh Co Ltd
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Tohoku Ricoh Co Ltd
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性樹脂フィルムの一方の面上に樹脂か
らなる多孔性樹脂膜を有し、更にその表面に繊維状物質
からなる多孔性繊維膜を積層してなる感熱孔版印刷用原
紙において、裏移りが無く、ベタ均一性に優れ、さらに
繊維脱落による不具合を解決した感熱孔版印刷用原紙を
得る。 【解決手段】 上記多孔性繊維膜としてメルトブロー式
不織布を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲンランプ、キ
セノンランプ、フラッシュバルブなどによる閃光照射や
赤外線照射、レーザー光線等のパルス的照射、あるいは
サーマルヘッド等によって穿孔製版される感熱孔版印刷
用原紙に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱可塑性樹脂フィルムにインキ通
過性の支持体として、天然繊維、合成繊維の単独又は混
抄した多孔性薄葉紙を接着剤で貼り合わせた感熱孔版印
刷用原紙が用いられている。しかし、こうした繊維から
成る多孔性薄葉紙を支持体として用いた感熱孔版印刷用
原紙は、次のような問題点がある。 (1)接着剤を用い多孔性薄葉紙とフィルムを貼り合わ
せることにより、接着剤が多孔性薄葉紙の繊維間に鳥の
水掻きのように集積し、その部分においてサーマルヘッ
トによる穿孔が行われにくくなり、インキの通過が妨げ
られ印刷ムラが発生しやすくなる。 (2)多孔性薄葉紙の繊維自体がインキの通過を妨げ、
印刷ムラが発生しやすくなる。 (3)多孔性薄葉紙の繊維目によりフィルム面の平滑性
が低下しサーマルヘッドとの密着が悪く未穿孔部が出来
るため印刷ムラが発生する。
【0003】こうした問題を改善するためにいくつかの
提案がなされているが、未だ満足するものは得られてい
ない。例えば、特開平3−193445号公報には、多
孔性支持体として、繊度1デニール以下の合成繊維から
成る薄葉紙を用いることが提案されているが前記の問題
解決には十分とはいえない。また特開昭62−1984
59号公報には、熱可塑性樹脂フィルムに実質的に閉じ
た形状の放射線硬化型樹脂パターンをグラビア、オフセ
ット、フレキソ等の印刷により多孔性支持体を形成する
方法が提案されている。しかし、このような印刷法では
樹脂パターンの線幅を50μm以下にすることは困難で
あり、印刷部が穿孔できず、印刷ムラとなる。
【0004】又、特開平3―240596号公報には、
水分散性ポリマーとコロイダルシリカから成る分散液を
熱可塑性樹脂フィルムの表面に塗布、乾燥し、多孔性支
持体を設け粘度の低いインキジェット用インキで印刷す
る方法が提案されている。しかし、この方法では多孔層
の開孔径が小さく、従来より用いられている孔版用印刷
インキではインキの通過が悪く、十分な印刷濃度が得ら
れない。一方、特開昭54−33117号公報には、多
孔性支持体を用いない実質的に熱可塑性樹脂フィルムの
みから成る感熱孔版印刷用原紙が提案されている。この
方法では熱収縮率が高く、厚み3μm以下のフィルムで
はサーマルヘッドによる穿孔性も良好で印刷品質は優れ
ているが、コシ(stiffness)が低く印刷機での搬送が
出来ない問題が有る。搬送性をよくするため厚いフィル
ムを使用するとサーマルヘッドによる穿孔性が低下し、
印刷ムラが発生する。
【0005】本発明者等は先に熱可塑性樹脂フィルムの
片面に多孔性樹脂膜を設けた感熱孔版マスターを提案し
た(特願平07−139918、特願平07−3051
02)。しかしながら、樹脂膜のみでコシを強くするこ
とは困難であり、印刷機上で搬送時にシワが入る等の問
題があった。この問題を解決すべく、本発明者等はその
後に特開平10−147075号公報、特開平10−2
36011号公報、特願平13−020522にて、熱
可塑性樹脂フィルムの一方の面上に樹脂からなる多孔性
樹脂膜を有し、更にその表面に繊維状物質からなる多孔
性繊維膜を積層してなる感熱孔版印刷用原紙を提案し
た。この感熱孔版印刷用原紙によれば、搬送性、耐刷性
に必要な機械的強度保持機能とインキ通過量コントロー
ルに必要なインキ分散機能がそれぞれ独立している為、
従来の孔版印刷用原紙と同様な搬送性、耐刷性を有した
まま多孔性樹脂膜の利点である低裏移り及び高ベタ均一
品質を達成できる。
【0006】上記熱可塑性樹脂フィルム上に多孔性樹脂
膜と多孔性繊維膜を積層した感熱孔版印刷用原紙におい
て、印刷ドラムに感熱孔版印刷用原紙を巻き付けてから
画像が現われるまで(いわゆる印刷立上り)の時間を短
縮する為、また多くのインキが版に付着したままに排版
されインキを無駄にしてしまうことを抑える為に、多孔
性繊維膜の坪量は、従来の熱可塑性樹脂フィルムと多孔
性支持体とを接着剤を用いて貼り合わせてなる感熱孔版
印刷用原紙に比べ、比較的小さい4乃至9g/m2程度
のものが好ましく用いられている。
【0007】この多孔性繊維膜は繊維長1乃至15mm
程度の短繊維を従来の湿式抄紙等により抄紙して得られ
るもので、従来の感熱孔版印刷用原紙より坪量を小さく
したことから繊維同士の結着力が出にくく、孔版印刷用
原紙が印刷機内を搬送される工程において、搬送ロール
やプラテンロール等の摩擦力により繊維は孔版印刷用原
紙から抜け落ちて、使用量が増えていくに従い印刷機内
に蓄積されていき、サーマルヘッドと感熱孔版印刷原紙
の間に舞い込み製版不良を引き起こしたり、製版後の版
の上に付着してしまいインキの通過を阻害してしまうと
いう問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記欠点に鑑
みてなされたもので、熱可塑性樹脂フィルムの一方の面
上に樹脂からなる多孔性樹脂膜を有し、更にその表面に
繊維状物質からなる多孔性繊維膜を積層してなる感熱孔
版印刷用原紙において、裏移りが無く、ベタ均一性に優
れ、更に繊維脱落による不具合を解決した感熱孔版印刷
用原紙を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は次の
手段により達成される。すなわち、本発明によれば、第
一に、請求項1では、熱可塑性樹脂フィルムの一方の面
上に多孔性樹脂膜を有し、更にその樹脂膜の表面に繊維
状物質からなる多孔性繊維膜を積層してなる感熱孔版印
刷用原紙において、多孔性繊維膜がメルトブロー式不織
布であることを特徴とする感熱孔版印刷用原紙が提供さ
れる。
【0010】第ニに、請求項2では、上記請求項1記載
の感熱孔版印刷用原紙において、多孔性繊維膜が少なく
とも一方向に延伸されていることを特徴とする感熱孔版
印刷用原紙が提供される。
【0011】第三に、請求項3では、上記請求項1また
は2記載の感熱孔版印刷用原紙において、多孔性樹脂膜
と多孔性繊維膜とが加熱圧着されていることを特徴とす
る感熱孔版印刷用原紙が提供される。
【0012】第四に、請求項4では、上記請求項1また
は2記載の感熱孔版印刷用原紙において、多孔性樹脂膜
と多孔性繊維膜とが接着剤により接着されていることを
特徴とする感熱孔版印刷用原紙が提供される。
【0013】第五に、請求項5では、上記請求項1乃至
4のいずれか1項に記載の感熱孔版印刷用原紙におい
て、熱可塑性樹脂フィルムがポリエステル系樹脂フィル
ムであることを特徴とする感熱孔版印刷用原紙が提供さ
れる。
【0014】第六に、請求項6では、上記請求項1乃至
5のいずれか1項に記載の感熱孔版印刷用原紙におい
て、メルトブロー式不織布を構成する繊維がポリエステ
ル系樹脂繊維であることを特徴とする感熱孔版印刷用原
紙が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
上述のように、本発明の感熱孔版印刷用原紙は多孔性樹
脂膜と積層する多孔性繊維膜としてメルトブロー式不織
布を用いることを特徴とする。メルトブロー式不織布に
よれば、本発明で用いられる比較的低坪量の多孔性繊維
膜が安定して生産でき、また実質的に繊維は連続してい
るので、短繊維よりなる多孔性繊維膜を用いた場合の問
題である繊維脱落による不具合を解決できる。
【0016】本発明でいうメルトブロー式不織布とは従
来公知のもので、例えば特開平05−179554号公
報には熱可塑性樹脂を溶融しノズルから押し出し、加熱
ガス流で細化し捕集した後、少なくとも一方向に延伸さ
れた不織布の製造方法が、また特開平08−60515
公報、特開平11−139020号公報等には二軸延伸
による製造方法によるものが開示されており、本発明の
多孔性繊維膜はこれら従来の方法により得られるメルト
ブロー式不織布を用いることができる。
【0017】メルトブロー式不織布を本発明の感熱孔版
印刷用原紙として用いる場合、搬送性、耐刷性の面から
機械的強度が必要であり、メルトブローにより捕集され
た状態では、繊維は実質的に無配向に近い状態にあり、
機械的強度が出にくい状態にある為、少なくとも一方
向、好ましくは二軸延伸されたメルトブロー式不織布が
好ましい。
【0018】本発明において、多孔性樹脂膜と多孔性繊
維膜とは接着剤による接着でなく、加熱圧着される。接
着剤を用いない為、インキ通過性が優れる感熱孔版印刷
用原紙を得ることができる。接着剤を用いず多孔性樹脂
膜と多孔性繊維膜を接着する方法は、どちらか一方を熱
により軟化させた後、冷却することで固着できるが、多
孔性樹脂膜を過熱すると孔を閉塞してしまう恐れがある
為、好ましくは多孔性繊維膜を加熱ローラー等で加熱し
た後、多孔性樹脂膜と重ね合わせ、圧着するのが好まし
い。この場合の加熱温度は多孔性繊維膜のガラス転移温
度以上融点以下の範囲であれば良く、使用する熱可塑性
樹脂繊維の特性に合せて任意に設定することができる。
【0019】上記加熱圧着でなく、接着剤で接着するの
も好ましい。この構成によれば上記加熱圧着に比べ多孔
性樹脂膜と多孔性繊維膜との接着強度を向上できる為、
耐刷性により優れる感熱孔版印刷用原紙が得られる。
【0020】本発明に用いられる接着剤としては従来公
知のものが使用できるが、インキ通過性を有する多孔性
樹脂膜と多孔性繊維膜を貼り合わせる為、できるだけ少
ない付着量で接着強度が得られる接着剤であることが好
ましく、また多孔性樹脂膜と多孔性繊維膜の孔を閉塞さ
せない為に高粘度の接着剤であることが好ましく、また
更には多孔性樹脂膜を溶解させない為に無溶剤で塗工で
きる接着剤が好ましい。これらをすべて満足できる接着
剤としては、湿気硬化型ウレタン接着剤、電離放射線硬
化型接着剤等が挙げられる。
【0021】上記した無溶剤型接着剤は理想的な接着状
態を得る為にメルトブロー式不織布側に塗布する必要が
ある。接着剤を塗布する場合、加工性の面より加熱する
ことで粘度を下げ3000cps以下で塗工するのが好
ましい。更に好ましくは300乃至1500cpsの間
で塗工するのが好ましい。粘度が300cps以下であ
ると理想的な接着状態が得られにくくまた多孔性樹脂膜
と貼り合せ後に開口部を閉塞しインキ通過性を阻害する
可能性があり、3000cps以上であるとメルトブロ
ー式不織布の紙切れが起こり易くなる。
【0022】本発明に用いられる無溶剤湿気硬化型ポリ
ウレタン接着剤としては、両末端に水酸基を有するポリ
エーテルポリオール、ポリエステルポリオール等のポリ
オール成分とイソシアネート成分の反応により得られる
一液湿気硬化型のウレタンプレポリマーや、またはポリ
オール成分とイソシアネート成分に分かれた二液硬化型
の接着剤が挙げられるが特に限定されるものではない。
イソシアネート成分としては、ヘキサメチレンジイソシ
アネート(HMDI)、2,4−ジイソシアネート−1
−メチルシクロヘキサン、2,6−ジイソシアネート−
1−メチルシクロヘキサン、ジイソシアネートシクロブ
タン、テトラメチレンジイソシアネート、O−、m−、
およびp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジ
シクロヘキシルメタンジイソシアネート、ジメチルジシ
クロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサヒドロメ
タキシリデンジイソシアネート(HXDI)、およびリ
ジンジイソシアネートアルキルエステル(該アルキルエ
ステルのアルキル部分は1乃至6個の炭素原子を有すこ
とが望ましい)等のような樹脂族または脂環式ジイソシ
アネート:トルイレン−2,4−ジイソシアネート(T
D1)、トルイレン−2,6−ジイソシアネート、ジフ
ェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MD
I)、3−メチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソ
シアネート、m−およびp−フェニレンジイソシアネー
ト、クロロフェニレン−2,4−ジイソシアネート、ナ
フタリン1,5−ジイソシアネート、ジフェニル−4,
4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニ
ル−4,4’−ジイソシアネート、1,3,5−トリイ
ソプロピルベンゼン−2,4−ジイソシアネートおよび
ジフェニルエーテルジイソシアネート等の芳香族ジイソ
シアネート:並びにこれらの混合物が用いられる。
【0023】本発明に用いられる電離放射線硬化型接着
剤としては、その構造中にラジカル重合性の二重結合を
有するポリマー、例えば比較的低分子量のポリエステ
ル、ポリエーテル、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレ
タン樹脂等の(メタ)アクリレートとラジカル重合性の
単官能モノマーや多官能モノマー等を含有するものであ
って、更に紫外線により架橋を行う場合には光重合開始
剤を含有するものであり、これら従来の電離放射線硬化
性接着剤はいずれも本発明で使用することができる。
【0024】上記単官能モノマーとしては、ビニル系モ
ノマー、例えば(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)
アクリルアミド、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビ
ニルエステル類、ビニル異節環化合物、N−ビニル化合
物、スチレン、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタ
コン酸等が挙げられる。また多官能モノマーとしては、
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロー
ルプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスル
トールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(β―(メ
タ)アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート等が挙
げられる。
【0025】また、光重合開始剤としては、単官能のも
のとしては2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルア
クリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフ
ェート、テトラヒドロフルフリールアクリレート、テチ
ラヒドロフルフリールアクリレート、テトラヒドロフル
フリール誘導体のアクリレートが挙げられる。また多官
能のものとしては、ジシクロベンテニルアクリレート、
ジシクロベンテニルオキシエチルアクリレート、1,3
−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオ
ールジアクリレート、1,6−ヘキサンジアールジアク
リレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオ
ベンチルグリコール400ジアクリレート、ポリエチレ
ングリコール400ジアクリレート、ヒドロキシビバリ
ン酸エステルネオベンチルグリコールジアクリレート、
トリプロピレングリコールジアクリレート、1,3−ビ
ス(3’−アクリルオキシエトキシ−2’−ヒドロキシ
プロピル)−5,5−ジメチルヒダントイン、ヒドロキ
シビバリン酸エステルネオベンチルグリコール誘導体の
ジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
【0026】接着剤のメルトブロー式不織布への塗布方
法としては、接着剤を上記した好ましい粘度範囲になる
ように加温しながら塗布するのが好ましく、ロールコー
ター方法、グラビア方法、グラビアオフセット方法、ス
プレー塗工方法等が挙げられるが特に限定されるもので
はない。
【0027】本発明の接着剤の付着量としては、0.0
5乃至1.0g/m2が好ましく、更に好ましくは0.
1乃至0.7g/m2の範囲である。0.05g/m2
下では充分な接着強度が得られず、1.0g/m2以上
では理想的な接着状態を得ることが困難となる。
【0028】放射線照射には従来技術がそのまま使用で
き、例えば電子線硬化の場合にはコックロフトワルトン
型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、
直線型、エレクトロカーテン型、ダイナミトロン型、高
周波型等の各種電子線加速器から放出される50乃至1
000keV、好ましくは100乃至300keVのエ
ネルギーを有する電子線等が使用される。
【0029】また紫外線硬化の場合には超高圧水銀灯、
高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンア
ーク、メタルハライドランプ等の光源から発する紫外線
等が利用され、特に320乃至450nmの発光波長の
間に連続波長を有するメタルハライドランプまたは無電
極放電ランプDバルブを用いると硬化速度を向上できる
ので好ましい。
【0030】また照射する際には、感熱孔版印刷原紙用
薄葉紙と熱可塑性樹脂フィルムまたは一方の面に多孔性
樹脂膜が塗布されている熱可塑性樹脂フィルムに均等に
面圧を掛ける必要がある。その為に従来一般的に知られ
ている様に鏡面状のロールに基材を抱かせた状態で照射
を行い、硬化を完了させることが望ましい。この時、鏡
面ロールは電子線又は紫外線により温度が上昇する為、
冷却できるロールとすることが好ましい。
【0031】照射する面は熱可塑性樹脂フィルム側、感
熱孔版印刷原紙用薄葉紙側からどちらからでも良いが、
効率的に硬化を行う為に薄葉紙側から行うのが望まし
い。
【0032】本発明における熱可塑性樹脂フィルムは、
例えばポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポ
リエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンまた
はその共重合体など従来公知のものが用いられるが、穿
孔感度の点からポリエステルフィルムが特に好ましく用
いられる。
【0033】ポリエステルフィルムに用いられるポリエ
ステルとして好ましくは、ポリエチレンテレフタレー
ト、エチレンテレフタレートとエチレンイソフタレート
との共重合体、ヘキサメチレンテレフタレートとシクロ
ヘキサンジメチレンテレフタレートとの共重合体等を挙
げることができる。穿孔感度を向上する為に特に好まし
くは、エチレンテレフタレートとエチレンイソフタレー
トとの共重合体、ヘキサメチレンテレフタレートとシク
ロヘキサンジメチレンテレフタレートとの共重合体等を
挙げることができる。
【0034】本発明における熱可塑性樹脂フィルムには
必要に応じて、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、帯電防止剤、顔料、染料、脂肪酸エステル、ワ
ックス等の有機滑剤あるいはポリシロキサン等の消泡剤
等を配合することができる。
【0035】さらには必要に応じて易滑性を付与するこ
ともできる。易滑性付与方法としては特に制限はない
が、例えば、クレー、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシ
ウム、カオリン、タルク、湿式あるいは乾式シリカなど
の無機粒子、アクリル酸類、スチレン等を構成成分とす
る有機粒子等を配合する方法、内部粒子による方法、界
面活性剤を塗布する方法等がある。
【0036】本発明における熱可塑性樹脂フィルムの厚
さは、通常好ましくは0.1乃至5.0μmであり、更
に好ましくは0.1乃至3.0μmである。厚さが5.
0μmを超えると穿孔性を低下する場合があり、0.1
μmより薄いと製膜安定性が悪化したり、耐刷性が低下
する場合がある。
【0037】本発明においてポリエステルフィルムは、
例えばTダイ押し出し法により製造できる。これは、ポ
リエステルをキャストドラム上に押し出すことによって
ポリエステルフィルムを製造する方法であり、口金のス
リット幅、ポリマーの吐出量、キャストドラムの回転数
を調整することによって、所望の厚さのポリエステルフ
ィルムを製造することができる。
【0038】本発明におけるメルトブロー式不織布を構
成する熱可塑性繊維は、例えばポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル
や、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィ
ンや、ポリフェニレンサルファイド、ナイロン6、ナイ
ロン66などのポリアミドが挙げられる。本発明におい
ては、中でもポリエステルを用いてなる熱可塑性繊維が
紡糸性、強伸度特性等の観点から最も好ましい。
【0039】本発明の熱可塑性樹脂繊維からなるメルト
ブロー式不織布の坪量は、好ましくは2乃至15g/m
2であり、より好ましくは3乃至12g/m2、特に好ま
しくは4乃至9g/m2である。坪量が2乃至15g/
2であるとインクの通過性が良好で印刷立上り、画像
性、印刷性が良い。また坪量が4乃至15g/m2
は、さらに十分な強度が得られる。
【0040】本発明の多孔性繊維膜を構成する熱可塑性
樹脂繊維の平均繊維径は、好ましくは1乃至20μmで
あり、より好ましくは2乃至15μm、特に好ましくは
2乃至6μmである。平均繊維径が1乃至20μmであ
ると十分な強度と耐熱性が得られ、インクの通過性が良
好であり、印刷時の白抜けの発生が少なく好ましい。
【0041】本発明の熱可塑性樹脂繊維からなる多孔性
繊維膜は、機械的強度、耐熱性の点から延伸した熱可塑
性樹脂繊維からなる多孔性支持体が好ましい。
【0042】本発明においてポリエステル繊維からなる
多孔性繊維膜は、メルトブロー法によって製造された不
織布を用いることで得られる。
【0043】メルトブロー法において、ポリエステル繊
維からなる不織布は、溶融したポリマーを口金に列状に
配列した複数個のオリフィスから吐出するに際して、前
記オリフィス列の両側に設けられたスリットから熱風を
吹き付け該熱風によって吐出したポリマーを細繊度化せ
しめ、次いでしかるべき位置に配置したネットコンベア
上に吹き付けて捕集しウエブを形成して製造される。該
ポリエステル繊維は、溶融状態から室温雰囲気下に急冷
されるため非晶質に近い状態で固化し、熱風の圧力で細
繊度化されるが延伸はされず、いわゆる無配向に近い状
態である。また、繊維は互いに融着した状態で捕集さ
れ、口金とネットコンベア間の捕集距離を適宜調整する
ことによって、繊維の融着度合いを調整することがで
き、ポリマー吐出量、熱風温度、熱風流量、コンベア移
動速度等を適宜調整することにより、不織布の目付量や
繊維径を任意に設定することができる。このようにして
得られる不織布は、繊維径が均一ではなく太い繊維と細
い繊維がほどよく分散した状態の繊維からなるものであ
る。
【0044】上記にて得られたメルトブロー式不織布を
一旦巻き取った後あるいは連続して二軸延伸を行う。二
軸延伸の方法としては、同時二軸延伸、一軸ずつ延伸を
行う逐次二軸延伸、二軸延伸後さらに追加延伸を行う方
法など二方向に不織布が延伸される方法であればどの様
な方法であってもよいが、縦延伸後に横延伸を行う逐次
二軸延伸法が、工程の安定性、設備のコンパクトさなど
の点で好ましい。
【0045】また、各方向の延伸倍率が1.5倍より小
さいと不織布を構成する単糸の配向度が低く、また延伸
ムラのある単糸となるため不織布の強力が不足し物性ば
らつきも大きくなる。各方向の延伸倍率が8倍より大き
いと延伸時の単糸の破断が著しくなり不織布の強度が低
下する。このため二軸延伸の各方向の延伸倍率は1.5
倍乃至8倍である必要があり、十分な強度を持つために
は2.5倍乃至6倍であることが好ましく、安定な延伸
を行うためには3倍乃至5倍であることがさらに好まし
い。
【0046】本発明における多孔性樹脂膜は、膜の内部
及び表面に多数の空隙を持つ構造を有するものであれば
良く、該空隙がインキの通過性の点から多孔性樹脂膜内
において厚さ方向に連続構造であるものが望ましい。
【0047】本発明において、多孔性樹脂膜の平均孔径
は一般に2μm以上、50μm以下、望ましくは5μm
以上、30μm以下である。平均孔径が2μmに満たな
い場合には、インキ通過性が悪い。そのため、十分なイ
ンキ通過量を得るために低粘度インキを用いれば、画像
にじみや印刷中に印刷ドラムの側部や巻装されているマ
スターの後端から印刷インキがしみ出す現象が発生す
る。また、多孔質樹脂膜内の空膜率が低くなることが多
く、サーマルヘッドによる穿孔を阻害しやすくなる。一
方、平均孔径が50μmを超える場合には、多孔性樹脂
膜によるインキの抑制効果が低くなり、印刷時に印刷ド
ラムとフィルムの間のインキが過剰に押し出され、裏汚
れやにじみ等の不具合が発生する。即ち、平均孔径は小
さすぎても大きすぎても良好な印刷品質が得られない。
特に、多孔性樹脂膜内の空隙の平均孔径が20μm以下
である場合、多孔性樹脂膜層が厚い程印刷インキが通り
にくくなるので、この層の厚みによってインキの印刷用
紙への転写量を制御することができる。そして、層の厚
さが不均一であると印刷むらを生じることがあるので、
厚みは均一であることが望ましい。
【0048】本発明の多孔性樹脂膜の厚みは、2μm以
上、50μm以下、望ましくは5μm以上、30μm以
下である。5μmに満たない場合は、サーマルヘッドに
よる穿孔後に穿孔部の背後に多孔性樹脂膜が残りにく
く、インキ転写量が制御されずに印刷物の裏汚れが発生
しやすい。また、多孔性樹脂膜のインキ転写量抑制効果
は膜が厚いほど大きく、印刷時の紙へのインキ転写量は
多孔性樹脂膜の厚みによって調節できる。
【0049】多孔性樹脂膜の密度は、通常0.01g/
cm3以上、1g/cm3以下で、望ましくは0.1g/
cm3以上、0.7g/cm3以下である。密度が0.0
1g/cm3未満だと膜の強度が不足し、また膜自体も
壊れやすい。
【0050】多孔性樹脂膜の付着量は、0.1g/m2
以上、10g/m2以下、望ましくは0.5g/m2乃至
7.0g/m2、特に1.0乃g/m2乃至5.0g/m
2が望ましい。付着量の増大はインキの通過を妨げて画
質を悪くし、0.1g/m2以下ではインキ転写量の制
御が困難となり、逆に10g/m2以上ではインキの通
過を妨げて画像を悪くする。
【0051】多孔性樹脂膜を構成する樹脂材料として
は、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、塩化ビニ
ル−酢酸ビニルコポリマー、塩化ビニル−塩化ビニリデ
ンコポリマー、塩化ビニル−アクリロニトリルコポリマ
ー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー等のような
ビニル系樹脂、ポリブチレン、ナイロン等のポリアミ
ド、ポリフェニレンオキサイド、(メタ)アクリル酸エ
ステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、アセチルセ
ルロース、アセチルブチルセルロース、アセチルプロピ
ルセルロース等のセルロース誘導体等が挙げられる。各
樹脂は2種以上を混合して用いても良い。
【0052】なお、多孔性樹脂膜の形成、強度、孔径の
大きさ等を調節するために、多孔性樹脂膜中に必要に応
じてフィラーなどの添加剤を添加することが望ましい。
ここにおいてフィラーとは顔料、粉体や繊維状物質も含
まれる概念である。その中で特に針状のフィラーが好ま
しい。その具体例としては、ケイ酸マグネシウム、セピ
オライト、チタン酸カリウム、ウオラストナイト、ゾノ
トライト、石膏繊維、等の鉱物系針状フィラー、非酸化
物系針状ウイスカ、酸化物系ウイスカ、複酸化物系ウイ
スカ等の人工鉱物系針状フィラー、マイカ、ガラスフレ
ーク、タルク等の板状フィラーが挙げられる。
【0053】顔料は無機のみならず有機の顔料、あるい
はポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸メ
チル等の有機ポリマー粒子、そして酸化亜鉛、二酸化チ
タン、炭酸カルシウム、シリカである。松本油脂製薬株
式会社のマイクロカプセル、マツモトマイクロスフィア
ーも有効に利用できる。
【0054】これら添加剤の添加量としては好ましくは
樹脂に対して5%乃至200%である。5%以下では添
加剤を加えることによる曲げ剛度が高くならない。逆に
200%以上ではフィルムとの接着性が悪くなる。
【0055】本発明の多孔性樹脂膜には、本発明の効果
を阻害しない範囲内で帯電防止剤、スティック防止剤、
界面活性剤、防腐剤、消泡剤などを併用することができ
る。
【0056】次に、本発明の感熱孔版印刷用原紙に用い
られる多孔性樹脂膜の形成方法について説明する。第1
の多孔性樹脂膜の形成方法は、樹脂を良溶媒と貧溶媒と
の混合溶媒中に溶解及び/又は分散して得た塗工液を塗
布し乾燥過程で多孔質膜を形成するものである。この
時、良溶媒は相対的に貧溶媒より低温で蒸発しやすい組
み合わせが必要である。良溶媒と貧溶媒をそれぞれ一種
ずつ用いる場合には、良溶媒の沸点は相対的に貧溶媒の
沸点より低くなければならない。良溶媒と貧溶媒の選定
は任意であるが、一般には沸点差が15乃至40℃であ
る場合に所望の特性を持つ多孔性樹脂膜が形成されやす
い。沸点差が10℃未満の場合には、両溶媒の蒸発時間
差が小さく、形成される膜が多孔性構造になりにくい。
貧溶媒の沸点が高すぎる場合には、乾燥に時間がかかり
生産性に劣るため、貧溶媒の沸点は150℃以下である
ことが望ましい。
【0057】塗布液中の樹脂濃度は使用する材料によっ
て異なるが5乃至30%である。5%未満では開口径が
大きくなりすぎたり、多孔性樹脂膜の厚みのむらが生じ
やすい。逆に、30%を超えると多孔性樹脂膜が形成さ
れにくく、あるいは形成されても孔径が小さくなり所望
の特性は得られにくい。
【0058】多孔性樹脂膜の平均孔径の大きさは雰囲気
中の貧溶媒の影響を受け、一般にその良溶媒に対する割
合が高いほど凝結量が多くなり、平均孔径は大きくな
る。貧溶媒の添加比率は樹脂、溶媒により異なるので試
験により適宜決定する必要がある。一般的に、貧溶媒の
添加量が多くなるに従い多孔質樹脂膜の孔径が大きくな
る。貧溶媒の添加量が多すぎると樹脂が析出し塗布液が
不安定になる。
【0059】第2の多孔性樹脂膜の形成方法としては、
特開平11−235885号公報にて開示されている、
W/O型エマルションを主体とする流動体を薄層上に塗
布、乾燥して形成されるものであり、主として水の部分
が乾燥後インクが通過する孔となり、溶剤中の樹脂(フ
ィラー、乳化剤等の添加物が含まれていてもよい)が構
造体となる方法である。この方法においても多孔膜の形
成、強度、孔径の大きさ、コシ等を調節するために、多
孔膜中に必要に応じて前記フィラーなどの添加剤を添加
することができる。その中で特に針状、板状、もしくは
繊維状のフィラーが好ましい.
【0060】W/O型エマルションの形成には比較的親
油性の強い、HLB(Hydrophilic-Lymphatic Balanc
e)が4乃至6の界面活性剤が有効であるが、水層にも
HLBが8乃至20の界面活性剤を使用するとより安定
で均一なW/Oエマルションが得られる。高分子界面活
性剤の使用も、より安定で均一なエマルションを得る方
法の一つである。また水系にはポリビニルアルコール、
ポリアクリル酸等の増粘剤の添加がエマルションの安定
化に有効である。尚、本発明の多孔性樹脂膜の形成方法
は上記に例示した方法に限定されるものではない。
【0061】本発明の多孔性樹脂膜形成用塗布液の熱可
塑性樹脂フィルムへの塗布方式としてはブレード、トラ
ンスフアーロール、ワイヤーバー、リバースロール、グ
ラビア、ダイ等の従来一般的に用いられている塗布方式
が使用できるが、密閉系で溶媒の蒸発が少なく、塗布液
が安定に保てることからダイ方式が好ましい。
【0062】本発明の感熱孔版印刷用原紙は、フィルム
のサーマルヘッドに接触すべき片面に穿孔時の融着を防
止するため、シリコーンオイル、シリコーン系樹脂、フ
ッ素系樹脂、界面活性剤、帯電防止剤、耐熱剤、酸化防
止剤、有機粒子、無機粒子、顔料、分散助剤、防腐剤、
消泡剤等からなる薄層を設けることが好ましい。該融着
防止の薄層の厚みは好ましくは0.005乃至0.4μ
m、より好ましくは0.01乃至0.4μmである。塗
布方法は特に限定されないが、ロールコーター、グラビ
アコーター、リバースコーター、バーコーター等を用い
て塗布するのが好ましい。
【0063】特性の測定方法 (1)平均繊維径:平均繊維径は、多孔性支持体の任意
の10箇所を電子顕微鏡で倍率500倍で10枚の写真
撮影を行い、1枚の写真につき任意の10本の繊維の直
径を測定しこれを10枚の写真について行い、合計10
0本の繊維径を測定してその平均値を表したものであ
る。
【0064】(2)画像性評価:作製した感熱孔版印刷
用原紙を(株)リコー製プリポートVT3950に供給
して、黒ベタと6ポイント英文字を有するチャートを原
稿として製版し、100枚の印刷を行った。100枚目
の画像について、黒ベタ部分の均一性、英文字のカケを
目視観察し、次のように判定した。 黒ベタ部に白抜け欠点がまったく発生しなかったものを
「◎」 黒ベタ部にほとんど気にならない程度の白抜けが発生し
たものを「○」 黒ベタ部に白抜けはあるが文字カケが無く実使用上問題
ないレベルのものを「△」 白抜け欠点が多く、英文字もカケが多く読み取れないほ
どのものを「×」
【0065】(3)裏移り評価:上記画像性評価にて印
刷された印刷物の45枚乃至55枚目について、裏移り
を目視観察し、下記のように判定した。 裏移りのまったくみられないものを「○」 裏移りはあるが、両面印刷に支障の無い程度のものを
「△」 裏移りがひどく、両面印刷に耐えられないレベルのもの
を「×」
【0066】(4)繊維脱落評価:作製した感熱孔版印
刷用原紙を(株)リコー製プリポートVT3950に供
給して、6ポイント英文字を有するチャートを原稿とし
て30版製版を行い、プラテンロール上に付着した繊維
の有無を観察した。各試験前にサーマルヘッド及びプラ
テンロールを、アルコールを湿らせた布にて清掃を行っ
た。
【0067】(5)耐刷性評価:作製した感熱孔版印刷
用原紙を(株)リコー製プリポートVT3950に供給
して、黒ベタと6ポイント英文字を有するチャートを原
稿として製版し印刷を行った。印刷の速度は標準で印刷
した。フィルム剥がれ、多孔性樹脂膜と多孔性繊維膜と
のハガレによる画像伸び等の異常画像が発生した時点の
枚数を評価した。
【0068】
【実施例】次に、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。ただし、本発明は以下の実施例によって限定
されるものではない。なお、実施例中、部はすべて重量
部を表わす。
【0069】(実施例1)多孔性繊維膜の作製 孔径0.35mm、孔数80個、オリフィスが一列の矩
形紡糸口金を用いて、口金温度290℃で、ポリエチレ
ンテレフタレート原料(融点=254℃)をメルトブロ
ー法にて紡出し、コンベア上に繊維を捕集して目付量9
0g/m2のポリエステル繊維からなる未延伸不織布を
作製した。得られた不織布を構成するポリエステル繊維
の平均繊維径は約5μmであった。
【0070】該不織布シートを85℃の加熱ロール間で
長手方向に3.5倍延伸した後、テンター式延伸機にて
90℃で幅方向に4.0倍延伸して、さらに温度160
℃で熱処理を行い、平均繊維径2.7μm、坪量5.7
g/m2のメルトブロー式不織布を得た。
【0071】熱可塑性樹脂フィルムと多孔性樹脂膜の積層体の作製 アセタール樹脂(積水化学社製 KS−1) 2.5部 タルク 0.8部 界面活性剤(日光ケミカル社製 SO15U) 0.1部 界面活性剤(信越化学社製 KF6012) 0.1部 界面活性剤(ジョンソン社製 J711) 0.2部 酢酸エチル 43.0部 以上を溶解、分散し、これに水(HEC(ヒドロキシエ
チルセルロース)1%溶液)20.0重量部を撹袢しな
がらゆっくり添加して白濁したエマルション塗布液を得
た。これを厚さ1.5μmの二軸延伸ポリエステルフィ
ルム上にダイコーティング方式にて乾燥後付着量が1.
8g/m2となるように塗布・乾燥し、熱可塑性樹脂フ
ィルムと多孔性樹脂膜の積層体を得た。
【0072】感熱孔版印刷用原紙の作製 上記にて作製したメルトブロー式不織布を100℃に加
熱したロール間に供給し、直後に熱可塑性樹脂フィルム
と多孔性樹脂膜の多孔性樹脂膜側と重ね合わせ、ロール
温度50℃で熱圧着し、熱可塑性樹脂フィルムの多孔性
樹脂膜と反対側の面に、水溶性シリコーンオイル・FZ
2101(日本ユニカー社製)1wt%水溶液をグラビ
アコーティング方式により塗布、乾燥し、本発明の感熱
孔版印刷用原紙を得た。評価結果を表1に示す。
【0073】(実施例2)60℃に加温したロールコー
ターを用いて、実施例1で作製したメルトブロー式不織
布の一方の面に電離放射線硬化型接着剤(ポリウレタン
アクリレート樹脂/ビームセット502H 荒川化学工
業社製)を塗布量が0.3g/m2となるように延転塗
布し、実施例1で作製した熱可塑性樹脂フィルムと多孔
性樹脂膜の積層体の多孔性樹脂膜面とを重ね合わせ、フ
ィルムを内側にして鏡面ロールに抱かせた状態で5Mr
adの電子線を照射し積層体を得た。塗工時の接着剤の
粘度は約1500cpsであった。次いでポリエステル
フィルムの感熱孔版印刷原紙用薄葉紙を積層している面
と反対側に、水溶性シリコーンオイル・FZ2101
(日本ユニカー社製)1wt%水溶液をグラビアコーテ
ィング方式により塗布、乾燥し、本発明の感熱孔版印刷
用原紙を得た。評価結果を表1に示す。
【0074】(比較例1)多孔性繊維膜として、繊度
0.2d、繊維長3mmのポリエステルからなるバイン
ダー繊維(70重量部)と芯鞘構造を有する繊度1.5
d、繊維長5mmのポリエステルからなるバインダー繊
維(30重量部)を湿式抄紙後、110℃で熱処理する
ことにより得られる多孔性繊維膜(厚み25μm、坪量
7.0g/m 2)を用いた以外は実施例2と同様にして
従来の感熱孔版印刷用原紙を得た。評価結果を表1に示
す。
【0075】(比較例2)繊度0.4d、繊維長3mm
のポリエステル繊維(30重量部)とマニラ麻(70重
量部)を湿式抄紙して得られた混抄紙(厚み38μm、
坪量11.0g/m2)に、グラビアコーティング方式
によりウレタン樹脂のエマルション水溶液(水分散ポリ
ウレタン樹脂/アデカボンタイターHUX−401 旭
電化工業社製)を乾燥後の付着量が1.0g/m2とな
るように含浸加工させ多孔性支持体を得た。次いで60
℃に加温したロールコーターを用いて、上記にて作製し
た多孔性支持体の一方の面に電離放射線硬化型接着剤
(ポリウレタンアクリレート樹脂/ビームセット502
H 荒川化学工業社製)を塗布量が0.3g/m2とな
るように延転塗布し、厚さ1.5μmの二軸延伸ポリエ
ステルフィルムと重ね合わせ、フィルムを内側にして鏡
面ロールに抱かせた状態で5Mradの電子線を照射し
積層体を得た。塗工時の接着剤の粘度は約1500cp
sであった。
【0076】次いでポリエステルフィルムの感熱孔版印
刷原紙用薄葉紙を積層している面と反対側に、水溶性シ
リコーンオイル・FZ2101(日本ユニカー社製)1
wt%水溶液をグラビアコーティング方式により塗布、
乾燥し、従来の感熱孔版印刷用原紙を得た。評価結果を
表1に示す。
【0077】
【表1】
【0078】
【発明の効果】以上のように、請求項1の感熱孔版印刷
用原紙によれば、多孔性繊維膜がメルトブロー式不織布
であることから、多孔性樹脂膜の利点である低裏移り、
優れたベタ均一性に加え、従来技術では果たせなかった
繊維脱落による画像への不具合を抑えた原紙を得ること
ができる。
【0079】請求項2の感熱孔版印刷用原紙によれば、
上記多孔性繊維膜が少なくとも一方向に延伸されている
ことから、無延伸のものと比較して機械的強度及び耐熱
性のある原紙を得ることができる。
【0080】請求項3の感熱孔版印刷用原紙によれば、
多孔性樹脂膜と多孔性繊維膜とが加熱圧着されているこ
とから、接着剤による繊維間の閉塞が避けられるため、
インキ通過性が優れる感熱孔版印刷用原紙を得ることが
できる。
【0081】請求項4の感熱孔版印刷用原紙によれば、
多孔性樹脂膜と多孔性繊維膜とが接着剤により接着され
ていることから、上記加熱圧着に比べ多孔性樹脂膜と多
孔性繊維膜との接着強度を向上することができ、より耐
刷性に優れる感熱孔版印刷用原紙が得られる。
【0082】請求項5の感熱孔版印刷用原紙によれば、
上記熱可塑性樹脂フィルムがポリエステル系樹脂フィル
ムであることから、穿孔感度の優れた感熱孔版印刷用原
紙が得られる。
【0083】請求項6の感熱孔版印刷用原紙によれば、
メルトブロー式不織布を構成する繊維がポリエステル系
樹脂繊維であることから、紡糸性、強伸度特性等の優れ
た熱可塑性樹脂繊維から構成された不織布からなる感熱
孔版印刷用原紙を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H114 AB23 AB24 AB28 BA01 BA06 DA41 DA56 DA73 DA76 EA02 EA04 FA02 FA14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂フィルムの一方の面上に多
    孔性樹脂膜を有し、更にその樹脂膜の表面に繊維状物質
    からなる多孔性繊維膜を積層してなる感熱孔版印刷用原
    紙において、多孔性繊維膜がメルトブロー式不織布であ
    ることを特徴とする感熱孔版印刷用原紙。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の感熱孔版印刷用原紙にお
    いて、多孔性繊維膜が少なくとも一方向に延伸されてい
    ることを特徴とする感熱孔版印刷用原紙。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の感熱孔版印刷用
    原紙において、多孔性樹脂膜と多孔性繊維膜とが加熱圧
    着されていることを特徴とする感熱孔版印刷用原紙。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の感熱孔版印刷用
    原紙において、多孔性樹脂膜と多孔性繊維膜とが接着剤
    により接着されていることを特徴とする感熱孔版印刷用
    原紙。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    感熱孔版印刷用原紙において、熱可塑性樹脂フィルムが
    ポリエステル系樹脂フィルムであることを特徴とする感
    熱孔版印刷用原紙。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の
    感熱孔版印刷用原紙において、メルトブロー式不織布を
    構成する繊維がポリエステル系樹脂繊維であることを特
    徴とする感熱孔版印刷用原紙。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09300846A (ja) * 1996-05-20 1997-11-25 Toray Ind Inc 感熱孔版印刷用原紙
JP2000318336A (ja) * 1999-05-13 2000-11-21 Toray Ind Inc 感熱孔版印刷用原紙
JP2001171252A (ja) * 1999-10-08 2001-06-26 Ricoh Co Ltd 感熱孔版用マスタ

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