JP2002517237A - 新規なアンギオテンシン受容体、その製造および使用 - Google Patents

新規なアンギオテンシン受容体、その製造および使用

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JP2002517237A
JP2002517237A JP2000553575A JP2000553575A JP2002517237A JP 2002517237 A JP2002517237 A JP 2002517237A JP 2000553575 A JP2000553575 A JP 2000553575A JP 2000553575 A JP2000553575 A JP 2000553575A JP 2002517237 A JP2002517237 A JP 2002517237A
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angiotensin
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ホルガー・ハイチュ
イェルク−ペーター・クライム
ギュンター・リース
ゲルトルート・ジーベンホルン
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アベンティス・ファーマ・ドイチユラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、新規なアンジオテンシン受容体、その製造および使用に関する。新規なアンギオテンシン受容体は配列番号10のアミノ酸配列を含有する少なくとも1個のサブユニットを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】
本発明は、新規なアンギオテンシン受容体、その製造および使用に関する。
【0002】
【従来技術】
レニン-アンギオテンシン系は心脈管系ならびに電解質および液体バランスの
調節に重要な役割を果たしている。生理学的に活性なエフェクターホルモン、た
とえばアンギオテンシンII(Ang II)およびアンギオテンシン1−7(Ang 1-7
)は、肝臓において合成される前駆体アンギオテンシノーゲンの蛋白質分解によ
って産生されるか、またはアンギオテンシノーゲンから形成されるアンギオテン
シンIの蛋白質分解によって合成される。これらの切断には多くのプロテアーゼ
[たとえば、レニンおよびアンギオテンシン変換酵素(ACE)]が関与してい
る。
【0003】 AT 1およびAT 2と命名されている2つのヒトアンギオテンシン受容体が
現在までに知られている。いずれの受容体もアンギオテンシンII(Ang II)受容
体であり、すなわち、これらの受容体はAng IIに好んで結合する。これらの2つ
の受容体のcDNA配列(Takayanagi, R.ら、 1992, Biochemical and Biophy
sical Research Communications 183, 910-915; Tsuzuki, S. ら、1994, Bioche
mical and Biophysical Research Communications 200, 1449-1454)はそれぞれ
7個の疎水性領域を有し、これらは膜貫通ドメインを構成するものと考えられて
いる。この特徴的なドメイン構造により、アンギオテンシン受容体AT 1およ
びAT 2は、7回膜貫通型受容体のファミリーに属し、細胞内G−蛋白共役シ
グナル伝達カスケードによって、そのリガンド、アンギオテンシンIIの作用を仲
介すると推定される。
【0004】 Ang IIおよび/またはそれぞれアンギオテンシンIおよびアンギオテンシンII
に由来するペプチド(Ang IおよびAng IIの内因性に形成されたフラグメント)
とは異なる他のアンギオテンシンによって仲介される薬理学的作用から、さらに
別のヒトアンギオテンシン受容体が存在する違いないと考えられてきた。これに
関連して、最近、ヘプタペプチドAng 1−7の受容体が要求されている(Ferrar
io, CMら、 1997, Hypertension 30, 535-541)。
【0005】
【発明の開示】
本発明は、配列番号10のアミノ酸配列を含む少なくとも1個のサブユニット
を有する新規なアンギオテンシン受容体に関し、このアミノ酸配列はそのC−末
端においてさらにアミノ酸をもつことも可能である。
【0006】 このアンギオテンシン受容体は膜貫通受容体である。以前に記載されたアンギ
オテンシン受容体と異なり、それは好ましくは7個よりも少ない膜貫通ドメイン
を有する。配列番号10の配列を含有するサブユニットは好ましくは1個の膜貫
通ドメインを有する。この膜貫通ドメインは好ましくは6個以上、好ましくは8
または9個、とくに好ましくは7個のアミノ酸長を有する。膜貫通ドメインは、
好ましくは配列「MSIVIPL」(アミノ酸の一文字コードで記載)を有する
ことが好ましい。
【0007】 このアンギオテンシン受容体は、1個またはそれ以上のサブユニットを有する
ことができる。たとえば、受容体は a) モノマー(配列番号10の配列を含有する1個のサブユニット)、 b) 同一のサブユニットまたは異なるサブユニットを含有するダイマー、また
は c) 3個のさらに同一のサブユニットを含有するかもしくは1個の同一のサブ
ユニットと2個の異なるサブユニットを含有するテトラマーのいずれかとして存
在することができる。
【0008】 しかしながら、アンギオテンシン受容体はリガンドが結合するまではモノマー
(1個のサブユニット)またはダイマー(2個の異なるサブユニット)として存
在し、リガンドとの結合の結果として、それぞれダイマーまたはテトラマー型に
のみ変化することができる。
【0009】 新規なアンギオテンシン受容体の場合と類似の構造を有する受容体は、とくに
インスリン受容体、成長因子、たとえば神経成長因子(NGF)、内皮増殖因子
(EGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)
、T細胞抗原受容体、造血サイトカイン受容体(たとえばIL 1、IL 5)お
よび接着分子(インテグリンおよびセレクチン)がある。
【0010】 新規なアンギオテンシン受容体は適宜、翻訳後に修飾することが可能で、たと
えばグリコシル化および/またはリン酸化を受けることが可能である。
【0011】 アンギオテンシン受容体はそのリガンドに結合することが可能で、このリガン
ドの作用を細胞内に仲介することができる。アンギオテンシン受容体はアンギオ
テンシン1−7および/またはアンギオテンシン1−7の誘導体に結合すること
ができる。アンギオテンシン1−7の誘導体は好ましくは、Ang 1−7たとえば
Ang 1−7の分解生成物に由来する頭部切断ペプチドである。Ang 1−7の誘導
体の例にはアンギオテンシンIIIおよびアンギオテンシンIVがある。受容体は好
ましくはAng 1−7に結合する。
【0012】 本発明は、表2、配列番号10に示すアミノ酸配列を有するか含有する受容体
に関する。アンギオテンシン受容体、または配列番号10の配列を含有するサブ
ユニットは少なくとも長さ175のアミノ酸である。
【0013】 本発明はさらに、新規なアンギオテンシン受容体(「受容体」)をコードする
配列を有する核酸に関する。たとえば、受容体は全部または部分を、配列番号9
の配列を有する核酸によってコードされる。受容体または受容体のサブユニット
をコードする核酸は、配列番号9の配列を含有すること可能で、さらに、コード
配列に属するヌクレオチドをその3′末端に有することができる。
【0014】 核酸は、たとえば、DNA、cDNAまたはRNAであってよい。核酸は遺伝
子でもよく、その場合、配列番号9の配列は非コード配列(イントロン)により
中断されることも可能である。
【0015】 核酸は適宜、誘導体化されることもできる。核酸の誘導体はたとえば、塩また
は天然の核酸に加えて修飾されたヌクレオチドを含有する核酸の誘導体もしくは
完全に修飾されたヌクレオチドから構成された核酸の誘導体でもよい。
【0016】 本発明はまた、アンギオテンシン受容体をコードし、配列番号9の配列を含有
する核酸を製造する方法に関する。たとえばこのような核酸はアンギオテンシン
受容体AT 1およびAT 2、ならびにアンギオテンシン1−7またはそれらの
誘導体が作用を有する組織(または細胞)において好ましくは調製されたcDN
Aおよび/またはAT 1および/またはAT 2が発現しない組織(または細胞
)から調製されたcDNAのヌクレオチド配列中の相同領域(保存領域)に相当
する配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして使用するPCRによって増幅
することができる。この方法の特定の実施態様においては、AT 1およびAT
2の配列の相同領域に由来する配列の縮退プライマーが使用される。この目的に
は、プライマーAng 3AおよびAng 3Bの使用が好ましい結果を与える。内皮細
胞から調製されたcDNAは、たとえば鋳型として使用できる。たとえば、HU
VEC(ヒト臍帯静脈内皮細胞)から調製されたcDNAが鋳型として使用でき
る。
【0017】 本発明はまた、新規な受容体の製造方法に関する。たとえば、新規なアンギオ
テンシン受容体は、アンギオテンシン受容体をコードする配列であり、好ましく
は配列番号9の配列を含有する核酸を適当なベクター中にインテグレートし、こ
の組換えベクターを細胞に導入し、この細胞中でアンギオテンシン受容体を発現
させることにより製造できる。
【0018】 本発明はさらに、新規なアンギオテンシン受容体をコードし、好ましくは配列
番号9の配列を含有する核酸の、たとえば適当なプロモーターの制御下にある核
酸を有し、細胞中に導入され、この細胞内で発現する組換えアンギオテンシン受
容体の製造方法における使用に関する。
【0019】 本発明はさらに、新規なアンギオテンシン受容体をコードし、好ましくは配列
番号9の配列を含有する核酸の、アンギオテンシン受容体を発現できる組換え細
胞の製造における使用に関する。本発明は配列番号10の配列を有するアンギオ
テンシン受容体を発現する組換え細胞に関する。本発明はさらに、アンギオテン
シン受容体をコードし、好ましくは配列番号9の配列を含有する核酸の、心脈管
系、電解質バランスまたは液体バランスの不完全な調節に伴う疾患の処置および
予防用の薬物の製造のための使用に関する。本発明は配列番号9の配列を有する
核酸からなる薬物に関する。
【0020】 本発明はさらに、アンギオテンシン受容体をコードし、好ましくは配列番号9
の配列を含有する核酸の、相当するアンギオテンシン受容体遺伝子を含有しない
トランスジェニック動物の製造、または相当するアンギオテンシン受容体遺伝子
を過剰発現するトランスジェニック動物の製造における使用に関する。トランス
ジェニック動物はたとえば、アンギオテンシン受容体の特異性および生化学的機
能を特徴づけるために使用することができる。本発明はアンギオテンシン受容体
を発現する非ヒトトランスジェニック動物に関する。
【0021】 本発明はさらに、アンギオテンシン受容体をコードし、好ましくは配列番号9
の配列を含有する核酸の、アンギオテンシン受容体のアゴニストおよびアンタゴ
ニストとして使用できる物質の同定または特徴解析方法、および/またはコード
されたアンギオテンシン受容体の機能性発現を阻害もしくは活性化する物質を同
定する方法における使用に関する。本発明は、アンギオテンシン受容体のアゴニ
ストまたはアンタゴニストを同定および特徴解析する方法において、配列番号9
の配列を有する核酸を細胞中に導入して、アンギオテンシン受容体を細胞中で発
現させ、この細胞を検討すべき物質とインキュベートし、この物質のアンギオテ
ンシン受容体に対する作用を決定することからなる方法に関する。
【0022】 本発明はまた、アンギオテンシン受容体をコードし、好ましくは配列番号9の
配列を含有する核酸の、遺伝子療法または遺伝子療法に使用できる薬物の製造の
ための使用に関する。
【0023】 さらに本発明は、アンギオテンシン受容体をコードし、好ましくは配列番号9
の配列を含有する核酸の、分子生物学におけるツールとして(たとえばプローブ
として)の使用に関する。
【0024】 本発明はまた、新規なアンギオテンシン受容体の使用に関する。たとえば、ア
ンギオテンシン受容体は、その受容体のアゴニストまたはアンタゴニストとして
使用できる物質を同定および特徴解析する方法(たとえば、スクリーニングのた
めの結合アッセイおよび機能性アッセイ)に使用することができる。
【0025】 さらに、アンギオテンシン受容体またはその部分、たとえば配列番号10のア
ミノ酸配列によって予め決定されるエピトープまたはその部分は既知の方法に従
って抗体の製造に使用することができる(Harlow & Lane, “Antibodies - A La
boratory Manual”, Cold Spring Harbor Laboratory, ISBN-0-87969-314-2)。
この方法で調製され、新規なアンギオテンシン受容体に特異的に結合する抗体は
、たとえば診断方法においておよび/または受容体をさらに特性解析に付すため
に、新規な受容体の検出に使用することができる。
【0026】 新しい受容体を発見するには、AT 1/AT 2コード配列の保存領域に相当
するか、またはこれらの保存領域(Ang 3AおよびAng 3B)に向けられた配列
を有するオリゴヌクレオチドを合成するため、アンギオテンシンII受容体AT
1およびAT 2をコードする既知の配列が使用される。これらのオリゴヌクレ
オチドは鋳型としてヒトHUVEC(ヒト臍帯静脈内皮細胞)からのcDNAを
用いるPCR反応に採用された。この細胞系は血管を裏打ちする内皮細胞に由来
する。これらの細胞はAT 1またはAT 2受容体を発現しない。
【0027】 オープンリーディングフレームおよびこれまでに記載されていないヌクレオチ
ド配列(配列番号3)を有するDNAフラグメントが増幅され、同定された。こ
のヌクレオチド配列は、EMBLまたは Genbank(登録商標)データベース中の
配列とは全く一致しなかった。“Blast" および “Assembly" プログラムモジュ
ール(GGCプログラムパッケージ)を使用したLifeseq(登録商標)データベ
ースにおける配列との比較では、配列番号3はLifeseq(登録商標)クローンNo
. 1458429、3341232、3440195、1250818、2836520、1310286および1362205(機
能未知のEST)と重複することが分かった。この実際上の(3)コンティグに
由来すると思われる理論上0.5kbpのDNAフラグメントが実験的に確認された
(実施例2、プライマーペアAng4AおよびAng4Bを用いたPCR)。DNAフ
ラグメントの配列はそれに含まれるオープンリーディングフレームとともに、ベ
クター配列中への5′伸長(実施例3)によって説明された(配列番号9)。配
列番号9はまた5′-非翻訳領域またはその部分を含有する。
【0028】 配列番号9のヌクレオチド配列の5′領域の解析により、推定開始メチオニン
トリプレット(ATG)の上流に、プリンヌクレオチドが位置−3に存在し、シ
トシンヌクレオチドが位置−1および−4に存在することが示された。これらの
ヌクレオチドの位置−1、−3および−4における存在は、mRNAの翻訳開始
のための開始点の真核細胞のコンセンサス配列に相当する。
【0029】 配列番号9におけるオープンリーディングフレームは、少なくとも175のア
ミノ酸を含有するタンパク質(配列番号10)をコードする。GCGプログラム
を用いて実施したこのアミノ酸配列の疎水性解析は、この配列がN末端における
長さ約7アミノ酸の疎水性ドメインを有することを示した。この疎水性ドメイン
はこの新規な受容体を膜に繋留する膜貫通ドメインを表すものと考えられる。こ
れに反し、この配列はC末端に多かれ少なかれ親水性のドメインを有する。
【0030】
【実施例】
実施例1 AT 1/2受容体遺伝子に基づき0.19kbpのDNAフラグメントを包含す
るオリゴヌクレオチドプライマーAng 3AおよびAng 3Bを最初のPCRに使用
した。市販品を入手できるHUVEC cDNAライブラリー(Stratagene cata
log No. 937223,Stratagene GmbH, Heidelberg)からのcDNAを鋳型DNA
として用いた。
【0031】 Ang 3Aのヌクレオチド配列: 配列番号1:5′-TTG TKC TKK YCT TYW TCW TTT SCT GGM TTC CC-3′ Ang 3Bのヌクレオチド配列: 配列番号2:5′-TTY CCM ASA AAR CMA TAM ARA ARM GGA TT-3′ 配列中、 M=(A/C) Y=(C/T) R=(A/G) S=(G/C) K=(G/T) W=(A/T) である。
【0032】 PCR反応には、HUVECライブラリーからのcDNA 1μgを組換え好熱
性細菌 Thermus aquaticus(Taq)DNAポリメラーゼ(Boehringer Mannheim,
Germany)および50μlの反応アッセイあたりそれぞれ10pmolのプライマー A
ng 3AおよびAng 3Bとともに、サーモサイクラー(Perkin Elmer 2400 therm
ocycler, Perkin Elmer Applied Biosystems, Weiterstadt)中でインキュベー
トした。PCR反応は以下の温度プロファイルを用いて行った。すなわち、95
℃で20″、38℃で10″および72℃で20″(60サイクル)とした。1
30塩基対(bp)長のDNAフラグメントが増幅された。
【0033】 130bp DNAフラグメントをベクターpCR 2.1 TOPO(登録商標,
Invitrogen BV, NV Leek, Netherlands)にリゲートし、大腸菌Top 10F′
にトランスフォームした。pCR 2.1中に存在する130bp DNAフラグメ
ントの配列は毛細管電気泳動シーケンサー(ABI 310, Applied Biosystems, Wei
terstadt)を用いて測定した(配列番号3)。
【0034】 実施例2 配列番号3の配列を、プログラムモジュールFASTAならびにTFASTA
[University of Wisconsin Genetics Computer Group(GCG), USA, ソフトウ
エアパッケージ]を用いて公に利用できるデータベース[たとえばEMBLおよ
び GenBank(登録商標)]に含まれる配列と比較した。さらに、Incyte company
(Palo Alto, USA)Lifeseq(登録商標)データベースに包含される配列との相
当するホモロジー比較のためにこの配列を用いた。
【0035】 配列番号3と重複する発現配列タグ(EST)の配列は Lifeseq(登録商標)
データベース[Lifeseq(登録商標)クローンNos. 1458429、 3341232、3440195
、1250818、2836520、1310286および1362205]中に同定された。重複する発現配
列タグ(EST)を並べることによって本発明者らが組み立てた配列に基づいて
プライマーAng 4AおよびAng 4Bを合成した。
【0036】 Ang 4Aのヌクレオチド配列: 配列番号4:5′-TGG GGG TTG ATA CAG CAG AGA C-3′ Ang 4Bのヌクレオチド配列: 配列番号5:5′-GCA CTG CCC TCT CTT TAT CCA AA-3′
【0037】 PCR反応は各場合、50μlの反応アッセイあたりHUVECライブラリー
からのcDNA 0.1μgを鋳型とし、それぞれ10pmolのプライマーAng 4A
およびAng 4Bとともに、Advantage cDNAポリメラーゼミックス(Clontech
, Heidelberg)を用いて実施した。PCR反応は以下の温度プロファイルを用い
た。すなわち、94℃で30″および60℃で2′30″(60サイクル)とし
た。長さ500bpのDNAフラグメントが得られた。これを実施例1の記載のよ
うにしてクローン化し、配列を決定した(配列番号6)。この配列はオープンリ
ーディングフレーム(ORF)を有する。
【0038】 実施例3 5′領域における500bp DNAフラグメントの配列を明らかにするために
、プライマーAng 5AおよびAng 5Bを合成した。 Ang 5Aのヌクレオチド配列: 配列番号7:5′-TGG GGA TTG ATA GGC AG-3′ Ang 5Bのヌクレオチド配列: 配列番号8:5′-ATA ACT GTT GGA TTT CTC AA-3′
【0039】 各場合におけるAng 5AおよびAng 5Bのヌクレオチド配列は500bp DN
Aフラグメントの配列の部分に相当する。これらの2つのプライマーは、それぞ
れM 13逆行およびM 13順行(−20)プライマーを用いる以後のPCRに
使用する。M 13逆行およびM 13順行(−20)プライマーは、HUVEC
cDNAライブラリーの調製に使用されたUni-ZAP(登録商標)バクテリオ
ファージベクターの配列に相当する。これらのPCR反応は各場合、鋳型として
HUVECライブラリーからのcDNA 0.1μgおよびそれぞれ10pmolのプ
ライマーAng 5AおよびAng 5B、M 13逆行またはM 13順行(−20)[
TOPO−TAクローニングキット(Clontech)]ならびにTaqポリメラーゼ(B
oehringer Mannheim)およびさらにTaq Start(登録商標)抗体(Clontech)を
用いて行った。PCR反応は、以下の温度プロファイルを用いて実施した。すな
わち、96℃で30″、50℃で30″および72℃で45″(70サイクル)
とした。
【0040】 これにより、得られた全長660bpを有するDNAフラグメントが生じた。こ
のフラグメントを、実施例1の記載のようにクローン化して、配列を決定した。
このDNAフラグメントは配列番号9の配列を有する。この配列番号9の配列は
5′コード領域全体を含有する。
【0041】 コンピューター支援配列解析を行うためには既に述べたソフトウエアモジュー
ルのほかに、GCGモジュール、Assemble、Map、Translate、Plotstructureお
よびPileupも使用した。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 14/705 C12Q 1/68 A C12N 5/10 G01N 33/15 Z C12P 21/02 33/50 C12Q 1/68 Z G01N 33/15 C12N 15/00 ZNAA 33/50 A61K 37/02 C12N 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 ギュンター・リース ドイツ連邦共和国デー−65795ハッテルス ハイム.イム・ヘールヒェン44 (72)発明者 ゲルトルート・ジーベンホルン ドイツ連邦共和国デー−63456ハーナウ. ルートヴィヒシュトラーセ127

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号10のアミノ酸配列を含有する少なくとも1個のサ
    ブユニットを有するアンギオテンシン受容体。
  2. 【請求項2】 配列番号10のアミノ酸配列はさらにそのC−末端にアミノ
    酸を有することができる請求項1記載のアンギオテンシン受容体。
  3. 【請求項3】 配列番号10の配列を含有するサブユニットは膜貫通ドメイ
    ンを有する請求項1および2のいずれかに記載のアンギオテンシン受容体。
  4. 【請求項4】 受容体はアンギオテンシン1−7またはアンギオテンシン1
    −7の誘導体に結合する請求項1〜3のいずれかに記載のアンギオテンシン受容
    体。
  5. 【請求項5】 受容体の少なくとも1個のサブユニットは、配列番号9の配
    列を有する核酸によってコードされ、配列番号9の配列はその3′末端にコード
    配列に属するヌクレオチドをさらに含有することができる請求項1〜4のいずれ
    かに記載のアンギオテンシン受容体。
  6. 【請求項6】 配列番号9の配列を有する核酸の製造方法において、PCR
    反応でアンギオテンシン受容体AT 1およびAT 2のヌクレオチド配列におけ
    る相同領域に相当する配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用い
    、AT 1およびAT 2受容体が発現されない細胞から調製されるcDNAを鋳
    型として使用する方法。
  7. 【請求項7】 配列番号9の配列を含有する核酸が適当なベクターにインテ
    グレートされ、この組換えベクターは細胞に導入し、この細胞中でアンギオテン
    シン受容体が発現される請求項1〜5のいずれかに記載のアンギオテンシン受容
    体の製造方法。
  8. 【請求項8】 適当なプロモーターの制御下に核酸を細胞中に導入し、この
    細胞内で発現させることによる組換えアンギオテンシン受容体の製造方法におけ
    るを配列番号9の配列を含有する核酸の使用。
  9. 【請求項9】 アンギオテンシン受容体が発現できる組換え細胞を製造する
    ための配列番号9の配列を含有する核酸の使用。
  10. 【請求項10】 心脈管系、電解質バランスおよび/または液体バランスの
    不完全な調節に伴う疾患の治療および/または予防用の薬物を製造するための配
    列番号9の配列を有する核酸の使用。
  11. 【請求項11】 遺伝子療法に使用できる薬物の製造のための配列番号9の
    配列を有する核酸の使用。
  12. 【請求項12】 アンギオテンシン受容体のアゴニストまたはアンタゴニス
    トとして使用できる物質の同定および特徴解析のための方法における配列番号9
    の配列を含有する核酸の使用。
  13. 【請求項13】 アンギオテンシン受容体のアゴニストまたはアンタゴニス
    トの同定および特徴解析のための方法における請求項1〜5のいずれかに記載の
    アンギオテンシン受容体の使用。
  14. 【請求項14】 配列番号9の配列を有する核酸を細胞に導入し、この細胞
    にアンギオテンシン受容体を発現させ、この細胞を検討すべき物質とインキュベ
    ートし、アンギオテンシン受容体に対するこの物質の作用を決定するアンギオテ
    ンシン受容体のアゴニストまたはアンタゴニストの同定および特徴解析のための
    方法。
  15. 【請求項15】 配列番号9の配列を有する核酸からなる薬物。
  16. 【請求項16】 配列番号9の配列を有する核酸をこの細胞に導入し、細胞
    内で発現させることによって製造される組換え細胞。
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