JP4117359B2 - 毛包プラコードに特異的に発現する新規細胞外マトリックスタンパク質、及びその遺伝子 - Google Patents

毛包プラコードに特異的に発現する新規細胞外マトリックスタンパク質、及びその遺伝子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、毛包プラコードに発現する新規細胞外マトリックスタンパク質、およびその遺伝子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
毛包は、毛根を鞘状に取り囲んでいる組織で、毛根を保護し、毛の伸長の経路となる。毛包の発生には、他の多くの器官と同様に上皮−間葉系細胞(間質)間の相互作用が重要な役割を果たしている。
【0003】
例えば、マウス頬髭の場合には、上記上皮−間質間の相互作用の過程で、胎齢12日の上皮にプラコード(毛包上皮原基)が形成される。毛包形成期のプラコードは、間質細胞に働きかけ、プラコード直下の間質に間充織の誘導を促す。そして、上記上皮−間質間の相互作用により毛包が形成されることになる。それゆえ、プラコードに特異的に発現する因子は、毛包形成に重要な働きをすると考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記プラコードに特異的に発現し、毛包の形成に関与すると考えられる因子はすでにいくつか同定されており、これら因子を用いて毛包形成の分子メカニズムの解明が図られている。しかしながら、現時点では、毛包を人工的に作り出すまでには至っていない。これは、毛包形成の分子メカニズムにおいて、未知の因子が存在することを示唆しており、この未知の因子の同定は、上記分子メカニズムの解明と、毛包の人工的な作製に重要であると考えられる。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、毛包の形成を調節する新規な因子及びその遺伝子、さらにはその抗体等を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題に鑑み鋭意検討した結果、マウス毛包形成期のプラコードを含む組織よりRNAを抽出して毛包プラコードに特異的に発現するcDNAを選別し、これを用いてタンパク質を発現させ、その機能を解析した。その結果、得られたタンパク質が細胞接着及び伸展活性を有する新規な細胞外マトリックスタンパク質であり、毛包の形成を調節する新規な因子であると推測されること等を見出すとともに、さらに、上記マウスのcDNAの塩基配列を利用して、ヒトにおいて相同なcDNAの塩基配列を決定し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明に関わるタンパク質は、以下の(a)又は(b)のタンパク質であり、本発明に係る遺伝子は、以下の(a)又は(b)のタンパク質をコードする遺伝子である。
【0008】
(a)配列番号2又は4に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質。
【0009】
(b)配列番号2又は4に示されるアミノ酸配列において、1又はそれ以上のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/又は付加されたアミノ酸配列からなる細胞外マトリックスタンパク質。
【0010】
また、本発明に係る他のタンパク質は、以下の(c)又は(d)のタンパク質であり、本発明に係る他の遺伝子は、以下の(c)又は(d)のタンパク質をコードする遺伝子である。
【0011】
(c)配列番号6に示されるアミノ酸からなるタンパク質。
【0012】
(d)配列番号6に示されるアミノ酸配列において、1又はそれ以上のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなる細胞外マトリックスタンパク質。
【0013】
上記(a)のタンパク質は、本発明者らが、今回新たにマウスから毛包プラコードに発現する新規な細胞外マトリックスタンパク質として単離、同定したものである。本発明にかかるタンパク質は、N末端側に予想分泌シグナル配列を有しているが、膜貫通ドメインがなく、分泌タンパク質であると推測される。
【0014】
上記(c)のタンパク質は、本発明者らによって、上記マウスQBRICKタンパク質に対応するヒトの相同タンパク質として同定されたものであり、後述するように、上記マウスQBRICKタンパク質と相同性を有している。
【0015】
本発明に係る組み換え発現ベクターは、上記(a)、(b)、(c)又は(d)のタンパク質をコードする遺伝子を含むものである。例えば、配列番号1に示される遺伝子が挿入された組み換え発現ベクターが挙げられる。組み換え発現ベクターの作製には、プラスミド、ファージ、又はコスミドなどを用いることが出来るが、特に限定されるものではない。
【0016】
本発明に係る形質転換体は、上記(a)、(b)、(c)又は(d)のタンパク質をコードする遺伝子が導入された形質転換体である。ここで、「遺伝子が導入された」とは、公知の遺伝子工学的手法(遺伝子操作技術)により、対象細胞(宿主細胞)内に発現可能に導入されたことを意味する。また、上記「形質転換体」とは、細胞・組織、器官のみならず、動物個体(マウスやラット、ウサギ、ブタ、サルなどの形質転換動物)を含む意味である。特に、マウスやラットは、実験動物・病態モデル動物として、広く用いられており、ノックアウトマウス等は、細胞外マトリックス因子の、機能解析、同因子が関係する病気の病態解析やその病気の診断法、診断薬、治療法の開発などに有用である。
【0017】
本発明に係る抗体は、上記(a)、(b)、(c)又は(d)のタンパク質、又はその部分ペプチドを抗原として、公知の方法によりポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体として得られる抗体である。
【0018】
後述するように、本発明に係る遺伝子は、胎齢12日のマウスでは毛包プラコードに特異的に強い発現が見られること、本発明に係るタンパク質はその生理活性として細胞接着及び伸展活性を有することなどから、新たな毛包形成調節因子である可能性が高い。それゆえ、本発明に係る遺伝子、タンパク質、抗体等は、毛包形成促進剤の開発に応用することが可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について説明すれば、以下の通りである。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
【0020】
本発明は、毛包プラコードに発現する新規な細胞外マトリックスとこれをコードする遺伝子とを見出すとともに、これら遺伝子及びタンパク質の機能を解析し、これらの利用方法を提案するものである。そこで以下では、本発明の遺伝子、タンパク質の配列、構造について説明し、ついでこれら遺伝子、タンパク質の機能、利用方法等について説明することとする。
【0021】
(1)本発明に係る遺伝子及びタンパク質の配列、構造
本発明者は、胎齢12日のマウス胎仔頬上皮由来のcDNAから、RDA法(Lisitsyn, Lysitsyn, Wigler, Science 259, 946-951 (1993)他)を用いて、頬上皮に特異的に発現していると考えられるcDNAの断片を得た。その配列情報を利用して胎齢12日マウス胎仔頬由来RNAより、PCR法及び5’RACE法、3’RACE法を用いて2種類の全長cDNA配列を決定し、さらにこれら2種類のcDNAがコードするタンパク質のアミノ酸配列をそれぞれ決定した。
【0022】
これら新規タンパク質の構造解析の結果、第1の新規cDNAを「QBRICK遺伝子」と称し、当該遺伝子にコードされるタンパク質を「QBRICKタンパク質」と称して説明する。第2の新規cDNAは、上記QBRICK遺伝子の選択的スプライシングアイソフォームと考えられるが、この第2のcDNAを「QBRICK-S遺伝子」と称し、当該遺伝子にコードされるタンパク質を「QBRICK-Sタンパク質」と称して説明する。
【0023】
さらに、本発明者らは、上記QBRICK遺伝子と相同性を有する核酸配列をヒトゲノム配列と比較することから、ヒトQBRICKタンパク質をコードするcDNA配列を決定し、さらにこのcDNAがコードするタンパク質のアミノ酸配列を決定した。そこで、以下の説明では、ヒト由来の新規cDNA配列を「ヒトQBRICK遺伝子」と称し、当該遺伝子にコードされるタンパク質を「ヒトQBRICKタンパク質」と称して説明する。
【0024】
なお、以下の説明では、特に断りのない限り、QBRICK遺伝子又はQBRICKタンパク質とは、それぞれマウス由来の上記第1の新規cDNA又はそれにコードされるタンパク質を指し、ヒト由来のものは、必ず「ヒトQBRICK遺伝子」又は「ヒトQBRICKタンパク質」と称して説明する。
【0025】
本発明に係る遺伝子は、前述のように、(a)配列番号2又は4に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子か、(b)配列番号2又は4に示されるアミノ酸配列において、1又はそれ以上のアミノ酸が置換、欠失、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子であればよいが、本実施の形態では、▲1▼配列番号1に示される塩基配列のうち、527〜7045番目の塩基配列をオープンリーディングフレームとして有するcDNA(QBRICK遺伝子)、▲2▼配列番号3に示される塩基配列のうち、1〜951番目の塩基配列をオープンリーディングフレームとして有するcDNA(QBRICK-S遺伝子)、▲3▼これらcDNAの塩基配列に対応する塩基配列を有するmRNAが例示される。これら遺伝子はマウス(Mus musculus)由来である。
【0026】
また、本発明に係る他の遺伝子は、前述のように、(c)配列番号6に示されるアミノ酸からなるタンパク質をコードする遺伝子か、(d)配列番号6に示されるアミノ酸配列において、1又はそれ以上のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなる細胞外マトリックスタンパク質をコードする遺伝子であればよいが、本実施の形態では、▲4▼配列番号5に示される塩基配列のうち、1〜6579番目の塩基配列をオープンリーディングフレームとして有するcDNA(ヒトQBRICK遺伝子)、▲5▼このcDNAの塩基配列に対応する塩基配列を有するmRNAが例示される。これら遺伝子はヒト由来である。
【0027】
なお、本発明の「遺伝子」には、RNA及びDNAが含まれるものとする。RNAにはmRNAが含まれ、DNAには、例えばクローニングや化学合成技術又はそれらの組み合わせで得られるようなcDNAやゲノムDNAなどが含まれる。またDNAは二本鎖でも一本鎖でもよく、一本鎖DNAは、センス鎖となるコードDNAでもよく、アンチセンス鎖となるアンチコード鎖でもよい(アンチセンス鎖は、プローブとして又はアンチセンス薬物として利用できる)。さらに、本発明の「遺伝子」は、上記(a)又は(b)或いは(c)又は(d)のタンパク質をコードする配列以外に、非翻訳領域(UTR)の配列やベクター配列(発現ベクター配列を含む)などの配列を含むものであってもよい。
【0028】
一方、本発明に係るタンパク質は、上記( a)又は(b)のタンパク質であればよいが、本実施の形態では、▲1▼配列番号2に示されるアミノ酸配列を有しており、2172のアミノ酸残基からなるQBRICKタンパク質、及び、▲2▼配列番号4に示されるアミノ酸配列を有しており、316のアミノ酸残基からなるQBRICK-Sタンパク質が例示される。
【0029】
また、本発明に係る他のタンパク質は、前記(c)又は(d)のタンパク質であればよいが、本実施の形態では、配列番号6に示されるアミノ酸配列を有しており、2192のアミノ酸残基からなるヒトQBRICKタンパク質が例示される。
【0030】
このQBRICKタンパク質は、後述する実施例で説明するように、新たな毛包形成調節因子である可能性が高い。それゆえ、本発明に係るタンパク質に含まれる上記(b)のタンパク質とは、配列番号2又は4に示されるアミノ酸配列において、1又はそれ以上のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/又は付加されたアミノ酸配列からなる毛包形成調節因子(タンパク質)であればよい。
【0031】
ここで、上記(b)のタンパク質における「1又はそれ以上のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/又は付加」とは、部位特異的突然変異誘発法等の公知の変異タンパク質作製法により置換、欠失、挿入、及び/又は付加できる程度の数(好ましくは10個以下、より好ましくは7個以下、さらに好ましくは5個以下)のアミノ酸が置換、欠失、挿入、及び/又は付加されることを意味する。このように、上記(b)のタンパク質は換言すれば、上記(a)のタンパク質の変異タンパク質であり、ここにいう「変異」とは、主として公知の変異タンパク質作製法により人為的に導入された変異を意味するが、天然に存在する同様の変異タンパク質を単離精製したものであってもよい。
【0032】
上記変異を持つタンパク質には、野生型の活性、すなわち毛包形成調節因子の機能等に異常を持つ変異タンパク質(機能欠失型の変異タンパク質と称する)が含まれてもよい。このような機能欠失型の変異タンパク質は、例えば、野生型タンパク質と構造を比較することにより、その構造の中で活性に必須な領域が明らかになるという、タンパク質の機能解析において有用である。また、本発明に係る遺伝子には、上記機能欠失型の変異タンパク質をコードする遺伝子が含まれても良い。このような遺伝子は、例えば、新たな形質転換体の作出に有用である。
【0033】
本発明に係るタンパク質は、タンパク質の精製や検出等を容易に行うために、公知のHA(hemagglutinin)やFLAG等の付加配列を末端に含ませてもよいし、融合タンパク質であってもよい。またN-glycosylationなどの各種修飾を受けていてもよいし、二量体以上の多量体を形成するものであってもよい。
【0034】
次に、本発明に係る上記3種類の遺伝子及びタンパク質について個別に説明する。
【0035】
<QBRICK遺伝子及びタンパク質>
上記QBRICKタンパク質は、図1(a)・(b)に示すように、N末端に29アミノ酸残基からなる分泌シグナル配列(図中S)を持ち、膜貫通ドメインは存在しないことがその一次構造から推定されるため、細胞外分泌タンパク質であると予測される。
【0036】
また、上記QBRICKタンパク質は、図1(a)・(c)に示すように、N末端側に、2つの繰り返し配列と推定される配列(N-terminal repeat(2))を有している。図1(c)では、FirstがN末端側からの最初の繰り返し配列を示し、Secondが二番目の繰り返し配列を示し、図中下線のアミノ酸残基は同一の残基であるか、またはその化学的性質が類似したアミノ酸残基であることを示す。そして、二番目の繰り返し配列には、図中二重下線で示すように、細胞外マトリックスタンパク質の多くが共有する細胞接着シグナルの一つとして知られているRGD(アルギニン−グリシン−アスパラギン酸)配列が含まれている。
【0037】
さらに、図1(a)及び図2に示すように、上記QBRICKタンパク質は、12のタンデム繰り返し配列を有している。図2では、First, Second, Third・・・の順でそれぞれ12の繰り返し配列のN末端側からの順序を示し、図中下線のアミノ酸残基は同一の残基であるか、またはその化学的性質が類似したアミノ酸残基であることを示す。
【0038】
また、図1(a)及び図3(a)に示すように、上記QBRICKタンパク質は、上記12のタンデム繰り返し配列に続いて、Calx-βドメインを有している。
【0039】
さらに、図1(a)及び図3(c)に示すように、QBRICKタンパク質はC末端にタイプC−レクチン様ドメインを有している。なお、図1(a)におけるCalx-βドメインとタイプC−レクチン様ドメインとの間の配列を図3(b)に示す。
【0040】
上記QBRICKタンパク質と相同性を有するタンパク質としては、図8〜図15及び図16に示すように、ECM3タンパク質とNG2タンパク質が存在する。
【0041】
図8〜図15では、MmQBRICKがマウスのQBRICKタンパク質を、LvECM3がウニのECM3タンパク質を、HsECM3がヒトのECM3タンパク質を、RnNG2がラットのNG2タンパク質を示す。図8〜図15から明らかなように、ECM3タンパク質及びNG2タンパク質の何れもQBRICKタンパク質と相同性を示す領域を含んでいる。
【0042】
上記ECM3タンパク質については、ウニにおいて、中胚葉細胞の移動に関与することが知られている。また、NG2タンパク質については、PDGF(血小板由来増殖因子)による刺激を、PDGF受容体とともに働いて受容することが知られており、また、オリゴデンドロサイト前駆細胞の細胞表面マーカーとして利用されている。
【0043】
また、図16に示すように、本発明に係るQBRICKタンパク質、ECM3タンパク質及びNG2タンパク質は、何れも10以上の繰り返し配列(図中repeat domain)を有している。具体的にはQBRICKタンパク質は上述したように12の繰り返し配列を有しており、ECM3タンパク質も12の繰り返し配列を有しており、NG2タンパク質は15の繰り返し配列を有している。
【0044】
また本発明に係るQBRICKタンパク質は、ECM3タンパク質と同様に、Calx-βドメインを繰り返し配列のC末端側に有している。
【0045】
これに対して、ECM3タンパク質及びNG2タンパク質は、何れもC末端側に膜貫通ドメイン(図中transmembrane domain)を有しているが、本発明に係るQBRICKタンパク質は、上述したように膜貫通ドメインを有しておらず、上記タイプC−レクチン様ドメイン(図中C-lectin like domain)を有している。また、NG2タンパク質はN末端側に2つのラミニンGドメインを有しているが、本発明に係るQBRICKタンパク質は、ラミニンGドメインを有していない。
【0046】
<QBRICK-S遺伝子及びタンパク質>
QBRICK-S遺伝子は本発明に係る第2の新規cDNAとして見出されたものであり、図4(a)・(b)に示すように、QBRICK-Sタンパク質は、QBRICKタンパク質と同様、N末端の29アミノ酸残基からなる分泌シグナル配列(図中S)、及び、図4(a)・(c)に示すように、RGD配列を含む、2つの繰り返し配列と推定される配列(N-terminal repeat(2))を有している。
【0047】
しかしながら、図16にも示すように、QBRICK-Sタンパク質は、12のタンデム繰り返し配列、Calx-βドメイン、及びタイプC−レクチン様ドメインを完全に欠損していることから、QBRICKタンパク質の選択的スプライシングアイソフォームをコードしていると考えられる。なお、図4(a)におけるN-terminal repeat(2)に続く配列を図4(d)に示す。
【0048】
<ヒトQBRICK遺伝子及びタンパク質>
ヒトQBRICK遺伝子は、その塩基配列が上記マウスQBRICK遺伝子と高い相同性を有しており、同じく、ヒトQBRICKタンパク質は、図8〜図15に示すように、マウスQBRICKタンパク質と高い相同性を有している。図5(a)〜(c)、図6、及び図7(a)〜(c)に示すように、ヒトQBRICKタンパク質は、マウスQBRICKタンパク質と同様、分泌シグナル配列、2つの繰り返し配列と推定される配列、RGD配列、12のタンデム繰り返し配列、Calx-βドメイン、及びタイプC−レクチン様ドメインを有している。加えて、図7(b)に下線で示すように、ヒトQBRICKタンパク質は、Calx-βドメインとタイプC−レクチン様ドメインの間に、第2のRGD配列を有している。
【0049】
また、図16に示すように、本発明に係るヒトQBRICKタンパク質は、QBRICKタンパク質と同様に、12の繰り返し配列を有しており、ECM3タンパク質やNG2タンパク質と類似する構造を有している。
【0050】
(2)本研究に係る新規細胞外マトリックスタンパク質の機能
本発明に係るQBRICKタンパク質は、分泌シグナル配列を有しており、何れも細胞外分泌型のタンパク質(分泌タンパク質)であることが予測される。しかも、本発明に係るQBRICK遺伝子は、ホールマウントin situハイブリダイゼーションの結果から、胎齢12日のマウス胎仔において、頬髭の毛包プラコードに特異的に発現が見られること(後述の実施例2及び図17参照)、さらにRT−PCRによる解析の結果から、QBRICK mRNAの発現が皮膚で見られること(後述の実施例5及び図18参照)から本発明に係るQBRICK遺伝子及びQBRICKタンパク質が、毛包形成に大きく関与していることが示唆される。また、細胞接着アッセイの結果から、QBRICKタンパク質が細胞接着活性を有すること(後述の実施例7及び図20参照)、及び細胞伸展アッセイの結果から、QBRICKタンパク質が細胞伸展活性を有すること(後述の実施例6及び図19参照)から、QBRICK遺伝子及びQBRICKタンパク質が、毛包形成に関与した細胞内シグナル伝達に機能している可能性が考えられる。
【0051】
さらに、上記ヒトQBRICKタンパク質は、マウスQBRICKタンパク質と高い相同性を有しているため、上記QBRICKタンパク質と同様の機能を有すると考えられる。
【0052】
また、QBRICK-S遺伝子は、前述したように、QBRICKタンパク質の選択的スプライシングフォームをコードしていると考えられるため、QBRICK-S遺伝子及びQBRICK-Sタンパク質は、上記QBRICK遺伝子及びQBRICKタンパク質と一部共通の機能を有していることが予測される。
【0053】
(3)本発明に係るタンパク質、及びその遺伝子の利用法
上記のように、本発明に係るタンパク質は、本発明者によって初めて明らかにされた新規な細胞外マトリックスタンパク質であり、毛包プラコードに特異的に発現する細胞外マトリックスタンパク質であると予測される。したがって、本発明に係る遺伝子、タンパク質等は以下の有用性を有する。
【0054】
まず、毛包形成に大きく関与していると推定されることから、本発明に係る遺伝子、タンパク質等は、毛包形成に異常をきたす疾患の診断、治療へ応用することが可能であるとともに、毛包形成の異常により引き起こされる疾患等の診断、治療への応用、並びに治療薬探索の標的タンパク質として利用が可能である。
【0055】
また、細胞外マトリックスは、細胞の増殖、分化、移動など細胞の諸活動に大きな影響を与え、その結果、発生、加齢、疾患などに重要な働きを持つことが明らかになっている。
【0056】
それゆえ、本発明に係る遺伝子、タンパク質、及びその抗体等は、受精、胚発生、形態形成、さらには細胞外マトリックスの形成異常や代謝異常によって生じる疾病を研究する上で大変有用な道具となり得る。また、本発明に係る遺伝子、タンパク質等は、細胞外マトリックスの関与する病気の診断薬や、その治療効果を検査するための検査薬として有効に用いることが出来る。加えて、細胞外マトリックスは、組織形成を規定する細胞外環境であることから、本発明に係る遺伝子、タンパク質などは、再生医学における組織再生や、生体外における人工組織形成に応用可能である。
【0057】
また、前述したように、細胞外マトリックスの多くは細胞接着、伸展活性を持ち、組織での細胞の接着を支持することにより細胞の形態を規定する物理的作用のほかに、細胞表面レセプターを介して細胞に生存、増殖、分化等細胞の生命活動を支配する細胞内シグナルを伝達する。個々の細胞外マトリックス因子は異なる細胞内シグナルを伝達し、これによって細胞、及びその集合体である組織の形成、機能を緻密に制御している。本発明に係るタンパク質は、新たな細胞機能制御因子として、これら制御に関わっていることが十分予測される。
【0058】
従って、本発明に係る遺伝子、タンパク質等は、例えば生体内において罹患時や術後の組織修復の促進もしくはその制御にも有用であると考えられる。
以下では、本発明に係る遺伝子、タンパク質等の具体的な利用法について説明する。
【0059】
本発明に係る遺伝子又はその変異遺伝子は、各種ホスト細胞中に導入して、本発明に係る細胞外マトリックスタンパク質又はその変異タンパク質を発現させることが出来る。導入された本発明に係る遺伝子又はその変異遺伝子は、ホスト細胞中でベクターとして存在してもいいし、ホスト細胞のゲノムDNA中に「外部」DNA、又は「付加」DNAとして含まれてもよい。ここで言う「外部」DNAとは、ホスト細胞のゲノム中に挿入されたDNAを意味する。また上記「付加」DNAとは、特定のホスト細胞のゲノム中に天然に存在するが、人為的操作の結果、さらに追加してホスト細胞のゲノム中に挿入されたDNAを意味する。
【0060】
上記ベクターの具体的な種類は特に限定されるものではなく、ホスト細胞中で発現可能なベクターを適宜選択すればよい。すなわち、ホスト細胞の種類に応じて、確実に遺伝子を発現させるために適宜プロモーター配列を選択し、これと本発明に係る遺伝子を各種プラスミド等に組み込んだものを発現ベクターとして用いればよい。さらに、上記発現ベクターには、プロモーター配列だけではなくターミネーター配列を含めても良い。
【0061】
また、上記遺伝子又は変異遺伝子がホスト細胞に導入されたか否か、さらにはホスト細胞中で確実に発現しているか否かを確認するために、各種マーカーを用いても良い。例えば、ホスト細胞中で欠失している遺伝子をマーカーとして用い、このマーカーを含むプラスミド等を、本発明に係る遺伝子を含む発現ベクターとともにホスト細胞へ導入する。これによってマーカー遺伝子の発現から本発明に係る遺伝子の導入を確認することが出来る。あるいは、オワンクラゲ由来の緑色蛍光タンパク質GFP(Green Fluorescent Protein)をマーカーとして用い、本発明に係る細胞外マトリックスタンパク質のGFP融合タンパク質を発現させても良い。
【0062】
上記ホスト細胞は、特に限定されるものではなく、従来公知の各種細胞を好適に用いることが出来る。具体的には、例えば、大腸菌(Escherichia coli)等の細菌、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)や***酵母(Schizosaccharomyces pombe)等の酵母、アフリカツメガエル(Xenopus laevis)の卵母細胞、各種哺乳動物の培養細胞、あるいは昆虫の培養細胞等を挙げることができるが、特に限定されるものではない。
【0063】
上記発現ベクターをホスト細胞に導入する方法、すなわち形質転換方法も特に限定されるものではなく、電気穿孔法、リン酸カルシウム法、リポソーム法、DEAEデキストラン法等の従来公知の方法を好適に用いることができる。
【0064】
前述したように、本発明に係るタンパク質及びその遺伝子等は、研究用の各種試薬だけでなく、細胞外マトリックスの関与する病気の診断や治療、治療効果の検査等に用いられる各種薬剤に応用することが可能となる。
【0065】
本発明に係る遺伝子やタンパク質等の薬剤化については、従来公知の方法を適用することができ、特に限定されるものではない。例えば研究用試薬の場合、本発明に係る遺伝子を形質転換キット化したり、本発明に係る細胞外マトリックスタンパク質を異種発現系で大量生産し精製したりすればよい。
【0066】
同様に、本発明に係るタンパク質に対する抗体の生産方法も特に限定されるものではなく、例えば、本発明に係るQBRICKタンパク質及びQBRICK-Sタンパク質それ自体、又はその部分ペプチドを抗原として、従来公知の方法によりポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体として得ることが出来る。
【0067】
また、本発明に係る遺伝子又はタンパク質は、毛包形成調節因子と推定されることから、毛包形成促進剤として利用できる可能性がある。このような毛包形成促進剤として利用する場合、その具体的な組成は、本発明に係る遺伝子またはタンパク質が含まれていれば特に限定されるものではない。具体的には、使用対象の動物個体の種類に応じて、毛包形成の促進のために、本発明に係る遺伝子またはタンパク質の機能が発揮出来るような緩衝液等が含まれていればよい。
【0068】
また、本研究に係る遺伝子の一部配列をプローブやプライマーとして用いることが出来る。上記一部配列とは、上記QBRICK遺伝子及びQBRICK-S遺伝子に含まれる特徴的・特異的な配列であればよい。このようにプローブとして用いる場合としては、例えば、本発明に係る遺伝子の一部配列をチップ上に固定してDNAチップ(マイクロアレイを含む)を構成し、当該DNAチップを各種検査、診断用に用いるような場合が挙げられる。
【0069】
(4)本発明に係るタンパク質、遺伝子の取得方法
本発明に係る上記QBRICK遺伝子、QBRICK-S遺伝子、及びヒトQBRICK遺伝子の取得方法は、特に限定されるものではなく、前述の開示された配列情報等に基づいて種々の方法により、上記遺伝子配列を含むDNA断片を単離し、クローニングすることができる。例えば、上記QBRICKタンパク質、QBRICK-Sタンパク質、又はヒトQBRICKタンパク質をコードするcDNAの一部配列と特異的にハイブリダイズするプローブを作製し、ヒトやマウスなどのゲノムDNAライブラリーやcDNAライブラリーをスクリーニングすればよい。このようなプローブとしては、上記QBRICKタンパク質、QBRICK-Sタンパク質、又はヒトQBRICKタンパク質をコードするcDNAの塩基配列又はその相補配列の少なくとも一部に特異的にハイブリダイズするプローブであれば、いずれの配列・長さのものを用いてもよい。また、上記スクリーニングにおける各ステップについては、通常用いられる条件の下で行えばよい。
【0070】
上記スクリーニングによって得られたクローンは、制限酵素地図の作製及びその塩基配列の決定(シークエンシング)によって、さらに詳しく解析することができる。これらの解析によって、本発明に係る遺伝子配列を含むDNA断片を取得したか容易に確認することができる。
【0071】
また、上記プローブの配列を、上記QBRICKタンパク質、QBRICK-Sタンパク質、又はヒトQBRICKタンパク質をコードするcDNAの機能上重要と考えられる領域(例えば、分泌シグナル配列、RGD配列、12の繰り返し配列、Calx-βドメイン、タイプC−レクチン様ドメイン等)の中から選択し、ヒト・マウスやその他の生物のゲノムDNA(又はcDNA)ライブラリーをスクリーニングすれば、QBRICKタンパク質、QBRICK-Sタンパク質、又はヒトQBRICKタンパク質と同等の機能を有する相同分子や類縁分子をコードする遺伝子を単離しクローニングできる可能性が高い。
【0072】
本発明に係る遺伝子(ポリヌクレオチド)を取得する方法は、上記スクリーニング法以外にも、PCR等の増幅手段を用いる方法がある。例えば、上記QBRICKタンパク質、QBRICK-Sタンパク質、又はヒトQBRICKタンパク質のcDNA配列のうち、5’側及び3’側の非翻訳領域の配列(又はその相補配列)の中からそれぞれプライマーを調製し、これらプライマーを用いてヒト・マウスなどのゲノムDNA(又はcDNA)等を鋳型にしてPCR等を行い、両プライマー間に挟まれるDNA領域を増幅することで、本発明のポリヌクレオチドを含む断片を大量に取得できる。
【0073】
本発明に係るタンパク質を取得する方法についても、特に限定されるものではなく、例えば、上述のようにして取得された遺伝子(上記QBRICKタンパク質、QBRICK-Sタンパク質、又はヒトQBRICKタンパク質、あるいはその相同分子等をコードするcDNA等)を導入した組み換え発現ベクター作製し、周知の方法により大腸菌や酵母等の微生物又は動物細胞等に組み入れて形質転換体として、そのcDNAがコードするタンパク質を発現させ精製することで、上記QBRICKタンパク質、QBRICK-Sタンパク質、又はヒトQBRICKタンパク質等の本発明に係るタンパク質を容易に取得する事が出来る。
【0074】
上記QBRICKタンパク質、QBRICK-Sタンパク質、又はヒトQBRICKタンパク質の変異タンパク質を作製する方法についても、特に限定されるものではなく、例えば、部位特異的突然変異誘発法(Hashimoto-Gotoh, Gene 152, 271-275(1995)他)、PCR法等を利用して塩基配列に点変異を導入し変異タンパク質を作製する方法、あるいはトランスポゾンの挿入による突然変異株作製法などの公知の変異タンパク質作製法を用いて、上述のようにして取得された遺伝子の塩基配列において、1又はそれ以上の塩基が置換、欠失、挿入、及び/又は付加されるように改変を加えることによって作製することが出来る。また、変異タンパク質の作製には、市販のキットを利用してもよい。
【0075】
【実施例】
以下の実施例では、本発明に係るQBRICK遺伝子、及びQBRICK-S遺伝子をマウスから取得した具体的な方法、並びにヒトQBRICK遺伝子をヒトから取得した具体的な方法、及び本発明に係るQBRICK遺伝子の発現を調べた結果、さらにはQBRICKタンパク質の生理活性を調べた結果について、順番に説明する。
【0076】
〔実施例1〕:QBRICK cDNAのクローニング
胎齢12日(E12)のマウス胎仔頬上皮由来cDNAより、RDA法を用いて頬上皮に特異的に発現していると考えられるcDNAの断片を得た。さらに、これらのcDNA断片の配列情報を利用して、胎齢12日マウス胎仔頬上皮由来RNAより、PCR法、5’RACE法、及び3’RACE法を用いて全長cDNAを合成し、その塩基配列を決定した。
【0077】
その結果、配列番号1に示すように、全長が9328塩基で、2172のアミノ酸よりなるタンパク質をコードしていると推定されるQBRICK遺伝子が得られた。
【0078】
また、アミノ酸配列の解析から、図1〜図3に示すように、N末端に29アミノ酸よりなる分泌シグナル配列を有するが、膜貫通ドメインが無いことから、分泌タンパク質であると推定されること、分子内に12のタンデム繰り返し配列があること、RGD配列が含まれること、Calx-βドメインを有すること、タイプC−レクチン様ドメインを有すること、図8〜図15に示すように、ウニの細胞外マトリックスタンパク質の1種であるECM3タンパク質やラットのプロテオグリカンの1種であるNG2タンパク質に対し高い相同性を示すことが明らかとなった。
【0079】
〔実施例2〕:QBRICK-S cDNAのクローニング
胎齢13日(E13)の胎仔より、常法により全RNAを抽出した。それぞれの全RNA150ngをoligo dT primer(Invitrogen社製)及びSuperscript II (Invitrogen社製)を用いて、Superscript II添付のプロトコールに従ってcDNAを合成した。このcDNAを鋳型として、配列番号7に示すフォワードプライマーと、配列番号8に示すリバースプライマーとを用いてPCRを行った。
【0080】
GCAGATCTCCACCATGCACTCTCCAGGCTGCAC (配列番号7)
ATCAGTTTCCTTGAGCACACAAA (配列番号8)
具体的には、全RNA150ngより得られたcDNAに対して、硫酸マグネシウム1mM、dNTP0.2mM、KOD -Plus-(東洋紡社製)2U、フォワードプライマー0.5μM、リバースプライマー0.5μM、PCR buffer for KOD -Plus-(東洋紡社製)を加えてPCR反応を行った。PCRの反応条件は、94℃にて2分反応させた後、94℃にて15秒、55℃にて30秒、68℃にて7分を1サイクルとして5サイクル行い、その後さらに、94℃にて15秒、60℃にて30秒、68℃にて7分を1サイクルとして26サイクル行った。得られたPCR産物をpGEM-T Easyクローニングベクターに組み込んだ。このPCR産物を含むクローニングベクターを精製し、その塩基配列を常法により決定した。
【0081】
その結果、316アミノ酸よりなるQBRICK-Sタンパク質をコードする、全長6564塩基よりなるQBRICK-S遺伝子が得られた。QBRICK-S遺伝子は、QBRICK遺伝子の527番目から7041番目の塩基に相当するが、QBRICK遺伝子の1373番目から1376番目の塩基に相当する4塩基が欠失していること、またQBRICK遺伝子の4966番目と4967番目の塩基の間に相当する部位に、53塩基が挿入されていることから、QBRICKタンパク質の選択的スプライシングアイソフォームをコードしていると考えられる。
【0082】
〔実施例3〕:ヒトQBRICK cDNAの塩基配列の決定
マウスQBRICK遺伝子の塩基配列を用いてNCBIホームページのBLASTnを用いて相同性検索を行った。その結果、gi番号で示す、以下の塩基配列を得た。
【0083】
20539842 全長4935塩基
21410277 全長2439塩基
マウスQBRICK遺伝子のcDNA塩基配列に基づき、20539842の1〜4790塩基までに続いて、21410277の449〜2439塩基までを結合し、新たに6781塩基からなる塩基配列を得た。この塩基配列を用いてBLASTnでヒトESTに対して相同性検索を行い、相同なヒトESTを得た。得られたヒトESTと前述の塩基配列を比較したところ、6560番目の塩基「g(グアニン)」については、以下に示す17のヒトEST(gi番号で示す)
5855633,6570054,4664863,1424166,4283047,
5234111,5592769,4186708,5444708,13729865,
5874723,5367873,4174947,3539030,734654,
2106943,6700680,5877489,3871704,20999982,
13748543,1281309
においてはそこに相当する塩基はいずれも「t(チミン)」であるため、6560番目の塩基は「t」に修正した。この方法で得られた塩基配列のうち、1〜6753塩基までがヒトQBRICK遺伝子の1〜6753塩基に相当する。
【0084】
また、ヒトQBRICK遺伝子における6754〜6818塩基については、以下に示す15のヒトEST(同じくgi番号で示す)
5855633,6570054,4664863,5234111,5592769,
4186708,5444708,5874723,5367873,4174947,
3539030,2106943,6700680,5877489,3871704
の間で完全に一致する、65塩基からなる塩基配列を用いた。
【0085】
その結果、最終的に、配列番号5に示すように、全長が6818塩基で、2192のアミノ酸よりなるタンパク質をコードしていると推定される新規ヒトQBRICK遺伝子が得られた。
【0086】
〔実施例4〕:ホールマウントin situハイブリダイゼーションによる各組織での遺伝子発現解析
得られたQBRICK遺伝子における塩基配列974〜1476番目、2653〜3206番目、4627〜5126番目、5927〜6426番目、及び6797〜7326番目の配列をもとに、アンチセンスプローブ及びセンスプローブをジゴキシゲニンラベリングキット(Roche社製)を用いて作製した。これら5つのプローブを混合したもので、胎齢12日(E12)のマウス胎仔を用いて、常法により、ホールマウントin situハイブリダイゼーションを行った。発現解析はジゴキシゲニン同定キット(Roche社製)を用いて行った。その結果、図17に示すように、頬髭毛包のプラコード特異的に遺伝子発現が認められた。
【0087】
〔実施例5〕:RT−PCRによる組織での遺伝子発現解析
各胎齢の胎仔及び成体のマウスからそれぞれの器官或いは胎仔を取り出し、常法によりそれぞれ全RNAを抽出した。それぞれの全RNA150ngをrandom primer(Invitrogen社製)及びSuperscript II(Invitrogen社製)を用いて、Superscript II添付のプロトコールに従ってcDNAを合成した。このcDNAを鋳型として、配列番号9に示すフォワードプライマーと、配列番号10に示すリバースプライマーとを用いてPCRを行った。
【0088】
TCTGATGTGGACACCCCGCTAGA (配列番号9)
CGCTGTCTGCATCAGTAGCGGAAA (配列番号10)
具体的には、全RNA150ngより得られたcDNAに対して、dNTP0.2mM、ExTaq DNAポリメラーゼ(TaKaRa ExTaq、宝酒造社製)2U、フォワードプライマー0.5μM、リバースプライマー0.5μM、ExTaqバッファー(宝酒造社製)を加えてPCR反応を行った。PCRの反応条件は、96℃にて2分反応させた後、96℃にて30秒、58℃にて30秒、72℃にて1分を1サイクルとして32サイクル行った。得られたPCR産物は、アガロースゲルを用いて電気泳動し、DNAを染色することにより確認した。
【0089】
その結果、図18に示すように、本発明に係るQBRICK mRNAは、胎仔期(胎齢10日〜18日の胎仔)では恒常的に発現しており、成体の組織では、眼、卵巣、腎臓などで強い発現が認められた。なお、図18の電気泳動図における“skin(皮膚)”では、QBRICK mRNAのバンドが見え難くなっているが、実際には発現している。
【0090】
〔実施例6〕:QBRICKタンパク質の細胞伸展活性のアッセイ
QBRICKタンパク質のGST融合タンパク質であるGST−N(グルタチオンS−トランスフェラーゼにQBRICKタンパク質のアミノ酸残基23〜280を含む断片を融合させたタンパク質)、及びGST−NにおいてQBRICKタンパク質の207番目のアスパラギン酸に対応するアミノ酸残基をグルタミン酸に置換した変異体GST−N−D207Eを大腸菌に発現させ精製した。
【0091】
96穴のマイクロタイタープレートを1ウェル当たり10μg/ml,50μlのGST、GST−N或いはGST−N−D207Eを用いて4℃にて一晩インキュベートし、プレートをコーティングした。コーティングしたウェルをPBSで二度洗浄した後、50μlの1%牛血清アルブミンを用いて室温で30分間ブロッキングした。
【0092】
牛血清アルブミン溶液を除去後、DME培地、或いは1mg/mlのGRGDSP又はGRGESPペプチドを添加したDME培地に対し、2×105/mlの濃度となるように懸濁したHeLa細胞を100μl添加した。37℃で1時間インキュベートした後、伸展した細胞の割合を測定した。
【0093】
その結果、図19に示すように、GSTと比較した場合、GST−Nでは顕著な細胞伸展が認められた。この細胞伸展は、GRGDSPペプチドの添加によって阻害されたが、GRGESPペプチドでは阻害されなかった。一方、GST−N−D207Eでは顕著な細胞伸展は認められなかった。以上の結果から、QBRICKタンパク質は、そのRGD配列に依存した細胞伸展活性を有することが明らかとなった。
【0094】
〔実施例7〕:QBRICKタンパク質の細胞接着活性のアッセイ
GST、GST−NおよびGST−N−D207Eを大腸菌に発現させ精製した。96穴のマイクロタイタープレートを1ウェル当たり0,1,2,5,10,20μg/ml,50μlの精製GST、GST−NあるいはGST−N−D207Eで4℃、一晩インキュベートし、プレートをコーティングした。コーティングしたウェルをPBSで二度洗浄した後、50μlの1%牛血清アルブミンを用いて室温で30分ブロッキングした。
【0095】
牛血清アルブミン溶液を除去後、0.1%牛血清アルブミンを含むDME培地に対し2×105/mlに懸濁したHeLa細胞を100μl添加した。37℃で1時間インキュベート後、DME培地でウェルを洗浄し、接着した細胞数を測定した。
【0096】
その結果、図20に示すように、GSTと比較した場合、GST−Nでは、コーティング濃度に依存した顕著な細胞接着が認められた。一方、GST−N−D207Eでは顕著な細胞接着は認められなかった。以上の結果から、QBRICKタンパク質は、そのRGD配列に依存した細胞接着活性を有することが明らかとなった。
【0097】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る遺伝子、タンパク質等は、毛包形成に大きく関与していることが示唆されるため、毛包形成の異常をきたす疾患の診断、治療へ応用することが可能であるとともに、毛包形成の異常により引き起こされる疾患等の診断、治療への応用、並びに治療薬探索の標的タンパク質として利用が可能であるという効果を奏する。
【0098】
また、本発明に係るタンパク質は細胞外マトリックスタンパク質であると推定されるため、細胞外マトリックスの機能解析等の研究に利用できるばかりでなく、細胞外マトリックスの形成異常や代謝異常に起因する疾患、疾病の診断薬、治療薬、治療効果を検査するための検査薬の開発等に有効利用できるという効果を奏する。加えて、細胞外マトリックスは、組織形成を規定する細胞外環境であることから、本発明に係るタンパク質及びその遺伝子等は、再生医学における組織再生や、生体外における人工組織形成に利用できるという効果を奏する。
【0099】
【配列表】
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【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明にかかるQBRICKタンパク質の一次構造の概略を示す模式図であり、(b)は、(a)に示すQBRICKタンパク質のシグナル配列を示すアミノ酸配列図であり、(c)は、(a)に示すQBRICKタンパク質におけるN末端側の2つの繰り返し配列と推定される配列を示すアミノ酸配列図である。
【図2】図1(a)に示すQBRICKタンパク質における12のタンデム繰り返し配列を示すアミノ酸配列図である。
【図3】(a)は、図1(a)に示すQBRICKタンパク質におけるC末端側のCalx-βドメインを示すアミノ酸配列図であり、(b)は、図1(a)に示すQBRICKタンパク質におけるCalx-βドメインとタイプC−レクチン様ドメインとの間の配列を示すアミノ酸配列図であり、(c)は、図1(a)に示すQBRICKタンパク質におけるC末端側のタイプC−レクチン様ドメインを示すアミノ酸配列図である。
【図4】(a)は、本発明にかかるQBRICK-Sタンパク質の一次構造の概略を示す模式図であり、(b)は、(a)に示すQBRICK-Sタンパク質のシグナル配列を示すアミノ酸配列図であり、(c)は、(a)に示すQBRICK-Sタンパク質における2つの繰り返し配列と推定される配列を示すアミノ酸配列図である。
【図5】(a)は、本発明にかかるヒトQBRICKタンパク質の一次構造の概略を示す模式図であり、(b)は、(a)に示すヒトQBRICKタンパク質のシグナル配列を示すアミノ酸配列図であり、(c)は、(a)に示すヒトQBRICKタンパク質におけるN末端側の2つの繰り返し配列と推定される配列を示すアミノ酸配列図である。
【図6】図1(a)に示すヒトQBRICKタンパク質における12のタンデム繰り返し配列を示すアミノ酸配列図である。
【図7】(a)は、図5(a)に示すヒトQBRICKタンパク質におけるC末端側のCalx-βドメインを示すアミノ酸配列図であり、(b)は、図5(a)に示すヒトQBRICKタンパク質におけるCalx-βドメインとタイプC−レクチン様ドメインとの間の配列を示すアミノ酸配列図であり、(c)は、図5(a)に示すヒトQBRICKタンパク質におけるC末端側のタイプC−レクチン様ドメインを示すアミノ酸配列図である。
【図8】本発明に係るQBRICKタンパク質、QBRICK-Sタンパク質、およびヒトQBRICKタンパク質と、ECM3タンパク質、およびNG2タンパク質とのアミノ酸配列の比較を示す図である。
【図9】本発明に係るQBRICKタンパク質、QBRICK-Sタンパク質、およびヒトQBRICKタンパク質と、ECM3タンパク質、およびNG2タンパク質とのアミノ酸配列の比較を示す図であり、図8の続きを示す。
【図10】本発明に係るQBRICKタンパク質、QBRICK-Sタンパク質、およびヒトQBRICKタンパク質と、ECM3タンパク質、およびNG2タンパク質とのアミノ酸配列の比較を示す図であり、図9の続きを示す。
【図11】本発明に係るQBRICKタンパク質、QBRICK-Sタンパク質、およびヒトQBRICKタンパク質と、ECM3タンパク質、およびNG2タンパク質とのアミノ酸配列の比較を示す図であり、図10の続きを示す。
【図12】本発明に係るQBRICKタンパク質、QBRICK-Sタンパク質、およびヒトQBRICKタンパク質と、ECM3タンパク質、およびNG2タンパク質とのアミノ酸配列の比較を示す図であり、図11の続きを示す。
【図13】本発明に係るQBRICKタンパク質、QBRICK-Sタンパク質、およびヒトQBRICKタンパク質と、ECM3タンパク質、およびNG2タンパク質とのアミノ酸配列の比較を示す図であり、図12の続きを示す。
【図14】本発明に係るQBRICKタンパク質、QBRICK-Sタンパク質、およびヒトQBRICKタンパク質と、ECM3タンパク質、およびNG2タンパク質とのアミノ酸配列の比較を示す図であり、図13の続きを示す。
【図15】本発明に係るQBRICKタンパク質、QBRICK-Sタンパク質、およびヒトQBRICKタンパク質と、ECM3タンパク質、およびNG2タンパク質とのアミノ酸配列の比較を示す図であり、図14の続きを示す。
【図16】本発明に係るQBRICK遺伝子が、胎齢12日の胎仔マウスの組織で発現する状態を示す図である。
【図17】本発明に係るnPGタンパク質、nPG−Sタンパク質、およびヒトnPGタンパク質と、ECM3タンパク質、およびNG2タンパク質とのドメイン構造を比較する模式図である。
【図18】本発明に係るQBRICK mRNAにおける、胎仔および成体マウスの組織での発現をRT−PCRで解析した結果を示す電気泳動図である。
【図19】本発明に係るQBRICKタンパク質のGST融合タンパク質であるGST−NおよびGST−N−D207Eを用いて、細胞伸展活性を検討した結果を示す図である。
【図20】本発明に係るQBRICKタンパク質のGST融合タンパク質であるGST−NおよびGST−N−D207Eを用いて、細胞接着活性を検討した結果を示す図である。

Claims (18)

  1. 以下の(a)又は(b)のタンパク質をコードする遺伝子。
    (a)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質。
    (b)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1又はそれ以上のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/又は付加されたアミノ酸配列からなる細胞外マトリックスタンパク質。
  2. マウス由来である請求項1記載の遺伝子。
  3. 配列番号1に示される塩基配列のうち、527〜7045番目の塩基配列をオープンリーディングフレームとして有する請求項1又は2に記載の遺伝子。
  4. 以下の(c)又は(d)のタンパク質をコードする遺伝子。
    (c)配列番号6に示されるアミノ酸からなるタンパク質。
    (d)配列番号6に示されるアミノ酸配列において、1又はそれ以上のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/又は付加されたアミノ酸配列からなる細胞外マトリックスタンパク質。
  5. ヒト由来である請求項4記載の遺伝子。
  6. 配列番号5に示される塩基配列のうち、1〜6579番目の塩基配列をオープンリーディングフレームとして有する請求項4又は5に記載の遺伝子。
  7. 配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質。
  8. 配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1又はそれ以上のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/又は付加されたアミノ酸配列からなる細胞外マトリックスタンパク質。
  9. 細胞外マトリックスタンパク質である請求項7に記載のタンパク質。
  10. 分泌タンパク質である請求項7〜9の何れか1項に記載のタンパク質。
  11. 毛包プラコードに発現する請求項7〜10の何れか1項に記載のタンパク質。
  12. 配列番号6に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質。
  13. 配列番号6に示されるアミノ酸配列において、1又はそれ以上のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなる細胞外マトリックスタンパク質。
  14. 細胞外マトリックスタンパク質である請求項12に記載のタンパク質。
  15. 分泌タンパク質である請求項12〜14の何れか1項に記載のタンパク質。
  16. 請求項1〜6の何れか1項に記載の遺伝子を含む組み換え発現ベクター。
  17. 請求項1〜6の何れか1項に記載の遺伝子が導入された形質転換体。
  18. 請求項7〜15の何れか1項に記載のタンパク質に対する抗体。
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