JP2002363889A - 印刷用塗工紙 - Google Patents

印刷用塗工紙

Info

Publication number
JP2002363889A
JP2002363889A JP2002094045A JP2002094045A JP2002363889A JP 2002363889 A JP2002363889 A JP 2002363889A JP 2002094045 A JP2002094045 A JP 2002094045A JP 2002094045 A JP2002094045 A JP 2002094045A JP 2002363889 A JP2002363889 A JP 2002363889A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
printing
coated
pigment
coated paper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002094045A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4758049B2 (ja
Inventor
Chizuru Wakai
千鶴 若井
Hidehiko Kai
秀彦 甲斐
Seiki Yoneshige
誠樹 米重
Hiroichi Morii
博一 森井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paper Industries Co Ltd, Jujo Paper Co Ltd filed Critical Nippon Paper Industries Co Ltd
Priority to JP2002094045A priority Critical patent/JP4758049B2/ja
Publication of JP2002363889A publication Critical patent/JP2002363889A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4758049B2 publication Critical patent/JP4758049B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は印刷用塗工紙に関し、嵩高(低密
度)でありながら、白紙光沢度が高く、インキ着肉むら
が発生せず、インキ乾燥性も良好で印刷適性に優れた印
刷用塗工紙を提供するものである。 【解決手段】 原紙上に顔料と接着剤を含有する塗工層
を設けた顔料塗工層上に、ガラス転移温度が80℃以上
の熱可塑性重合体と表面サイズ剤を有する表面層を設け
た印刷用塗工紙であって、原紙中に多価アルコールと脂
肪酸のエステル化合物を含有する印刷用塗工紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は印刷用塗工紙に関
し、嵩高(低密度)でありながら白紙光沢度が高く、印
刷適性に優れた印刷用塗工紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、印刷物のビジュアル化やカラー化
が進み、印刷用紙の高品質化の要求が高まっている。一
方で、輸送および郵送コストの削減などのため、印刷物
の軽量化に対する要求も高い。従来、これらの二つの要
望は相反するものであり、高品質印刷用塗工紙は原紙坪
量および塗工量が多く、また表面処理による平滑化など
により、同一坪量で比較して密度の高いものであった。
印刷物の軽量化には低坪量の用紙を選択することが可能
であるが、密度が同等であれば軽量化に伴い紙厚も低く
なり、冊子のボリューム感を損なうため好まれない。こ
のため嵩高な、すなわち同一坪量で比較して紙厚の高い
もしくは同一紙厚で比較して坪量の低く、かつ高級印刷
用途としての塗被紙の要求を満たす高品質な塗工紙が求
められている。
【0003】嵩高化のための手法としては、嵩高なパル
プおよび嵩高な填料の使用による塗工紙原紙の嵩高化、
および塗工液組成物塗工量減少、および得られる塗工紙
の表面処理の緩和等が用いられる。
【0004】製紙用パルプとしては、化学薬品により繊
維中のリグニンを抽出した化学パルプと、化学薬品を使
用せずグラインダーで木材を磨り潰した砕木パルプやリ
ファイナーで木材を解繊したサーモメカニカルパルプ等
の機械パルプに大別される。一般的には、化学パルプと
比較して機械パルプの方が繊維が剛直で嵩高(低密度)
化には効果的である。しかしこれらの機械パルプは上質
紙に配合すると白色度が低くなる等の品質上問題があ
り、また中質紙においても、結束繊維等による紙ムケ等
印刷欠陥を生じ易いためその配合量には限界がある。ま
た、近年の環境保護気運の高まりや資源保護の必要性か
ら、古紙パルプが配合されることが多くなっている。し
かし古紙パルプは一般的に、上質紙、新聞紙、雑誌、塗
工紙等が混合されてパルプ化されることが多いため、バ
ージン(紙に抄かれていない未使用の)機械パルプと比
較して密度が高く、嵩高にならない。以上のように、パ
ルプ面のみで十分な用紙の嵩高化を達成することは、木
材資源の保護や用紙の品質設計を考えた場合困難であ
る。また、上述のパルプを配合したのみでは嵩高化と剛
度が高くなるため、用紙に十分な柔軟性を付与すること
は困難であった。
【0005】また、塗工紙用原紙の嵩高化として嵩高な
填料の使用が考えられる。例えば特開平5-339898号公報
には中空の合成有機物カプセルを配合することにより低
密度化する手法が開示されている。しかしながらこのよ
うな合成有機物は紙力を低下させるため、印刷時の紙ム
ケや断紙などの問題がある上、十分な嵩高効果を得るに
は高配合する必要があるため、製造原価が高くなる等の
問題もあった。特開昭52-74001号公報には、シラスバル
ーンを用いる方法が提案されている。しかしこれは、製
紙用パルプとの混合性が悪く、また、それを配合した用
紙も印刷むらが発生するなどの問題があった。
【0006】塗工紙の塗工層は一般的に原紙に比較して
密度が高いため、塗工層を設けない印刷用紙と比較して
塗工紙の密度は高い。このため、塗工紙の嵩高化は、塗
工組成物の塗工量を少なくする事によっても達成され
る。これは、塗工紙全体に占める塗工層の比率が小さく
なるためである。しかし、塗工層を少なくする事は同時
に、塗工層による原紙の被覆性を低下させるため、白紙
光沢度、平滑性、インキ着肉性などの印刷品質を低下せ
しめるため、目標とする品質を維持しながら塗工量を減
少させることは困難であった。
【0007】塗工紙の印刷品質、特に白紙光沢度、イン
クの着肉性などの印刷適性を向上するためには、塗工紙
の平滑性を高める事が有効な手段の一つである。このた
め、スーパーカレンダーやソフトニップカレンダー等の
表面平滑化処理を施すことが一般的である。しかし、こ
れらの処理は用紙を加圧して表面の平滑性を高めるもの
であるため、同時に用紙の紙厚が低くなり、目標とする
印刷品質を得るには十分な嵩高化が達成できない場合が
あった。
【0008】以上のように、従来の技術単独もしくは組
み合わせだけでは、嵩高(低密度)でありながら、白紙
光沢度が高く、インキ着肉性等に優れ、良好な印刷適性
を有する印刷用塗工紙を得ることは困難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のような状況に鑑
み、本発明は印刷用塗工紙に関し、嵩高(低密度)であ
りながら、白紙光沢度が高く、インキ吸収性等に優れ、
特に枚葉印刷において、インキ着肉むらが発生せず、イ
ンキ乾燥性も良好で印刷適性に優れた印刷用塗工紙を提
供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題は、原紙上に顔
料と接着剤を含有する塗工層を設けた顔料塗工層上に、
ガラス転移温度が80℃以上の熱可塑性重合体と表面サ
イズ剤を有する表面層を設けた印刷用塗工紙であって、
原紙中に多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物を含
有する印刷用塗工紙を得ることにより解決された。本発
明により、嵩高(低密度)でありながら、白紙光沢度が
高く、インキ吸収性等に優れ、特に枚葉印刷において、
インキ着肉むらが発生せず、インキ乾燥性も良好で印刷
適性に優れた印刷用塗工紙を得ることができた。
【0011】本発明においては、ガラス転移温度の高い
熱可塑性重合体及び表面サイズ剤を含有する表面層を用
いることにより、顔料塗工層の凹部が表面層に覆われ、
光学的に平滑化され、光沢が高くなると推測される。
【0012】熱可塑性重合体のみからなる表面層は、微
細な空隙部分があり、紙面にインキが転移した際にイン
キ吸収性が不均一であるため、インキ乾燥性が不均一に
なり、後刷りのインキが転移したときに不均一に転移す
るトラッピングが生じ、これにより印刷面の着肉むらが
問題になることがあるが、表面サイズ剤を併用すること
により、表面サイズ剤が空隙部分を充填あるいは被膜
し、空隙部分を埋めるため、インキの浸透をより均一に
することができ、着肉むらが発生せず、インキ乾燥性の
良好なものが得られると考えられる。
【0013】更に、原紙中に多価アルコールと脂肪酸の
エステル化合物を含有させることにより、嵩高であるに
もかかわらず、風合い、手触り、めくり易さといった柔
軟性を有することができ、印刷物を製本して冊子にした
時のページのめくりやすさが良好で、嵩高であるために
ボリューム感があり、また印刷時の断紙などの発生が少
なく作業性が良好なものが得られる。本発明において
は、嵩高を有する原紙を用いた顔料塗工層上に特定の表
面層を設けることにより、カレンダー処理などの平滑化
処理を行わない、あるいは弱く処理を行うことで、通常
の塗工紙の光沢を得ることができるため、同一の光沢を
得る場合、より嵩高のものが得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明においては、原紙上に顔料
と接着剤を有する顔料塗工層を設けた上に表面層を設け
る必要がある。
【0015】原紙としては、多価アルコールと脂肪酸の
エステル化合物を含有することが必要であり、これによ
り、嵩高であるにもかかわらず、柔軟性があり、印刷時
での断紙が起こりにくくなる。多価アルコールと脂肪酸
の化合物は、高級脂肪酸と多価アルコールの単純反応の
みならず、これにポリアルキレンオキサイドがブッロク
重合あるいはランダム重合したものを含む。またエステ
ル化度即ち多価アルコールの水酸基のエステル化されて
いる割合は、少なくともその一つはエステル化している
ものであって、好ましくはその全てがエステル化されて
いる化合物である。配合量としては、原紙重量当たり
0.05〜1.5重量%が好ましく、更に好ましくは
0.1〜1.0重量%である。
【0016】本発明において、非塗工紙の上に顔料塗工
層を設ける方法は、通常の顔料塗工紙の製造法で十分達
せられるが、望まれる品質に応じて、塗料中の顔料、接
着剤の種類、あるいは顔料と接着剤の量比を適宜変更し
て使用する。
【0017】本発明において原紙に配合されるパルプの
種類等は、例えば広葉樹晒クラフトパルプ(以下、LB
KP)、針葉樹晒クラフトパルプ(以下、NBKP)、
サーモメカニカルパルプ、砕木パルプ、古紙パルプ等が
使用される。印刷機上のラフニングを良好にするために
は、LBKP、NBKPの化学パルプを使用することが
好ましい。紙中の填料としては、重質炭酸カルシウム、
軽質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、水和
珪酸、ホワイトカーボン、酸化チタン、合成樹脂填料な
どの公知の填料を使用することができ、填料の使用量
は、パルプ重量当たり10重量%以上が好ましい。さら
に必要に応じて、硫酸バンド、サイズ剤、紙力増強剤、
歩留まり向上剤、着色剤、染料、消泡剤などを含有して
も良い。
【0018】更に表面強度やサイズ性の向上の目的で、
原紙に水溶性高分子を主成分とする表面処理剤の塗布を
行っても良い。水溶性高分子としては、酸化澱粉、ヒド
ロキシエチルエーテル化澱粉、酵素変性澱粉、ポリアク
リルアミド、ポリビニルアルコール等の通常使用される
ものを単独、あるいはこれらの混合物を使用することが
できる。また、本発明に使用される原紙のpHは、酸
性、中性、アルカリ性の何れでも良い。また、原紙の坪
量は、30〜400g/mが好ましく、より好ましく
は30〜200g/mである。
【0019】原紙上の顔料塗工層は、望まれる品質に応
じて、塗料中の顔料、接着剤の種類、あるいは顔料と接
着剤の量比を適宜変更して使用する。
【0020】本発明の顔料塗工層に用いる顔料として
は、従来から用いられている、カオリン、クレー、デラ
ミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カ
ルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸
カルシウム、酸化亜鉛、ケイ酸、ケイ酸塩、コロイダル
シリカ、サチンホワイトなどの無機顔料、プラスチック
ピグメントなどの有機顔料であり、単独あるいは2種以
上を併用して使用することができる。 本発明の顔料塗
工層に用いる接着剤としては、従来から用いられてい
る、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、
エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリ
レート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種
共重合体およびポリビニルアルコール、無水マレイン酸
共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合
体等の合成系接着剤、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白の
蛋白質類、酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱
粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などのエーテル化
澱粉、デキストリンなどの澱粉類、カルボキシエチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメ
チルセルロースなどのセルロース誘導体などの通常の塗
被紙用接着剤1種類以上を適宜選択して使用される。こ
れらの接着剤は顔料100重量部あたり5〜50重量
部、より好ましくは5〜25重量部程度の範囲で使用さ
れる。また、必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、
消泡剤、耐水化剤、着色剤、印刷適性向上剤など、通常
の塗被紙用塗被組成物に配合される各種助剤が適宜使用
される。
【0021】原紙上に設ける顔料塗工層は、原紙の片面
あるいは両面に、単層あるいは二層以上設ける事も可能
である。本発明の塗工層の塗工量は、好ましくは片面当
たり2〜40g/m、より好ましくは5〜25g/m
であり、更に好ましくは8〜16g/mである。
【0022】原紙に顔料塗工層を塗工するための方法と
しては、2ロールサイズプレスコーターや、ゲートロー
ルコーター、およびブレードメタリングサイズプレスコ
ーター、およびロッドメタリングサイズプレスコータ
ー、シムサイザー等のフィルム転写型ロールコーター
や、フラデッドニップ/ブレードコーター、ジェットフ
ァウンテン/ブレードコーター、ショートドウェルタイ
ムアプリケート式コーターの他、ブレードの替わりにグ
ルーブドロッド、プレーンロッド等を用いたロッドメタ
リングコーターや、カーテンコーター、ダイコーター等
の公知のコーターにより塗工することができる。
【0023】本発明は、原紙に顔料塗工層を設けた後、
この顔料塗工層上にガラス転移温度80℃以上の熱可塑
性重合体と表面サイズ剤を含有する液を上塗りして表面
層とするが、上塗り前に顔料塗工層をスーパーカレンダ
ー、グロスカレンダー等によって平滑化処理を行なって
も良い。
【0024】本発明の表面層に使用するガラス転移温度
が80℃以上の熱可塑性重合体とは、熱可塑性を示す重
合体あるいは共重合体のエマルジョンの粒子であって、
熱風乾燥やカレンダー処理を行っても粒子形状を保持し
ているものである。コア−シェル形の場合は、好ましく
はシェル部分のガラス転移温度が80 ℃以上のものであ
る。好ましく使用される単量体としては、スチレン及び
その誘導体、塩化ビニリデン、アクリル酸またはメタク
リル酸エステルを例示することができる。熱可塑性重合
体のガラス転移温度の上限は特に限定するものではな
く、主として熱可塑性重合体の製造に使用する単量体の
種類や可塑剤などの添加剤で決まり、通常上限としては
約130℃程度である。ガラス転移温度が80℃以下の重合
体あるいは共重合体を使用すると、得られた塗工紙の光
沢度が低く不十分であり、表面層の表面強度が弱くなり
印刷適性が劣り、カレンダー処理時でのカレンダーロー
ルへの付着が生じる傾向にある。また、本発明の熱可塑
性重合体の大きさは、高光沢、表面強度の点から平均粒
径100nm以下にすることが好ましい。
【0025】本発明において表面層に使用する表面サイ
ズ剤は、スチレン・アクリル系、スチレン・マレイン酸
系、スチレン・メタクリル酸系、オレフィン系、ウレタ
ン系などの共重合体の表面サイズ剤を使用することがで
き、単独あるいは併用して使用することができる。本発
明の表面サイズ剤は溶剤タイプ、あるいはエマルジョン
タイプのものであり、熱風乾燥やカレンダー処理を施し
た後には粒子形状を有しないものである。重量平均分子
量としては、1000〜500000のものが好まし
い。これらの中でも、スチレン・アクリル系、オレフィ
ン系、またはスチレン・マレイン酸系の共重合体を使用
することが好ましく、特にスチレン・アクリル系のサイ
ズ剤を用いるとより高い白紙光沢度を維持することがで
きる。本発明では熱可塑性重合体と表面サイズ剤を含有
する塗工液を表面層として顔料塗工層の上に塗布する
が、本発明の目的を損なわない範囲で、本発明の表面層
用塗工液に塗工層の表面強度を調節するための一般紙塗
工用天然あるいは合成樹脂接着剤、塗工に際しての塗料
の塗工適性を調節するための流動調節剤や消泡剤、カレ
ンダーロール等のロールへの付着を減少させる離型剤、
および塗工層表面を着色するための着色剤、少量の顔料
などを適宜組み合わせ混合し、表面層用塗工液としても
よい。好ましくは、熱可塑性重合体と表面サイズ剤が表
面層の固形分で70〜100重量%含有するものであ
る。このようにして得られた表面層用塗工液を顔料塗工
層の上に塗布して表面層とする。塗布量は所望の性質が
得られるように適宜調節することができるが、塗工量が
あまり多くなると、コストが高くなるだけでなく、イン
ク吸収性が低下しインクセットが不十分となるととも
に、表面層の強度が低下するなどの好ましくない傾向が
あるため、あまり多量に塗工することは得策でなく、通
常片面0.1g/m以上、好ましくは0.3〜3g/
程度の塗工量で十分である。
【0026】表面層用塗工液の塗工は、通常紙塗工の分
野で使用されるブレードコーター、ロールコーター、エ
アナイフコーター、バーコーター、グラビヤコーター、
フレキソコーター等で行なうことができる。塗工後の乾
燥も、何等特別な条件設定は不要であり、通常のコート
紙の製造に用いられる乾燥条件で最適な表面層とするこ
とができる。
【0027】このようにして得られた印刷用塗工紙は、
そのままあるいはカレンダー処理を行うことが出来る。
カレンダー処理においては、通常コート紙の平滑化処理
に使用されるスーパーカレンダー、グロスカレンダー、
ソフトカレンダー等でよく、これらを併用しても良い。
好ましくは、100℃以上あるいは150℃以上のカレ
ンダー処理を行うことである。本発明においては、特に
密度が1.05g/cm以下の時に効果が顕著に現れ
るものである。
【0028】
【実施例】以下に、実施例をあげて本発明を具体的に説
明するが、本発明は実施例によって何ら制限されるもの
ではない。尚、実施例中に示される部および%は、特に
断りのない限り全て固形分重量部および固形分重量%を
意味する。 〈評価方法〉 (1)ガラス転移温度 20℃、65%(相対湿度)でフィルムを作成し、その
20mgを示差走査熱量測定装置(DSC6200R:セ
イコーインスツルメンツ(株)製)で昇温速度5℃/mi
n、測定温度0〜100℃で得られる特性曲線から算出
した。 (2)密度 JIS P 8118:1998に従った。 (3)白紙光沢度…村上式グロスメターを使用し、75゜
反射方式にて測定した。 (4)インキ乾燥性…RI−II型印刷試験機を用いて印刷
を行い、印刷後の印刷面に白紙を押し当てて、白紙への
インキ転移を目視評価した。評価基準は白紙へのインキ
転移が少ない場合を○、インキ転移がやや少なくない場
合を△、インキ転移が著しく生じた場合を×とした。 (5)着肉むら…オフセット4色枚葉印刷機(MAN ROLA
ND社製、R304)にて、インキにハイエコーM(東洋イン
キ社製)を用いて、墨→藍→紅→黄の順に速度8000
枚/時で印刷を行い、藍ベタ部の着肉むらを目視評価し
た。評価基準は着肉むらがない場合を○、着肉むらが少
し生じた場合を△、着肉むらが著しく生じた場合を×と
した。 (熱可塑性重合体Aの製造)撹拌機、温度計、冷却器、
滴下ロート、窒素ガス導入管のついた四ツ口フラスコに
水300部とドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ9部、
ポリオキシエチレンフェノールエーテル(エチレンオキ
シド付加10モル)4部を仕込み混合した中に、スチレ
ン80部、αメチルスチレン10部、メタクリル酸メチ
ル100部、メタクリル酸10部のモノマー混合物の内
60部を仕込み、窒素置換しながら昇温し60 ℃とし
て、20 %過硫酸アンモニウム水溶液7.2部と20
%無水重亜硫酸ソーダ水溶液4.8部を加え60分重合
した。次に20%過硫酸アンモニウム水溶液10部を加
えた後、モノマー混合物の残り140部を1時間かけて
滴下した。90 ℃で4時間保ち重合を終了し、熱可塑
性共重合体Aのエマルジョンを得た。エマルジョンの固
形分は39%であり、熱可塑性共重合体Aのガラス転移
温度は107 ℃、平均粒径は75nmであった。 (熱可塑性共重合体B) 攪拌機、温度計、冷却器、
窒素ガス導入管のついた四つ口フラスコに水310部と
ハイテノールN−08(第一工業製薬(株)製ポリオキ
シエチレンノニルフェノールエーテルの硫酸塩)5.6
部、およびスチレン48部、メタクリル酸メチル19
部、メタクリル酸エチル8部、ジビニルベンゼン2.5
部メタクリル酸2.5部を仕込み、窒素置換しながら
70℃まで昇温し16%過硫酸カリウム水溶液5部を加
え85℃で4時間保ち重合を終了し、熱可塑性共重合体
Bのエマルジョンを得た。エマルジョンの固形分は21
%であり、熱可塑性共重合体Bのガラス転移温度は85
℃、平均粒径は75nmであった。 (熱可塑性共重合体C) 熱可塑性共重合体Aで使用
したモノマーをスチレン88部、メタクリル酸メチル3
8部、メタクリル酸n−ブチル70部、メタクリル酸4
部と変更する以外は、熱可塑性重合体Aを得るのと同じ
操作を行い、熱可塑性共重合体Cのエマルジョンを得
た。エマルジョンの固形分は39%であり、ガラス転移
温度は72℃であった。 (表面サイズ剤A) スチレン・アクリル系サイズ剤
(溶液タイプ):ポリマロン−NS−15−2 荒川化
学工業社製 (表面サイズ剤B) オレフィン系サイズ剤(溶液タイ
プ):ポリマロン482荒川化学工業社製 (表面サイズ剤C) スチレン・マレイン酸系サイズ
剤:K−4 ハリマ化成社製 [実施例1]製紙用パルプとして化学パルプを100
部、填料として軽質炭酸カルシウムを12部、柔軟化剤
として多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物(KB
−110、花王株式会社製)を0.3部含有する坪量6
4g/mの原紙に、顔料として重質炭酸カルシウムを
80部、2級カオリンを10部、微粒カオリンを10
部、分散剤としてポリアクリル酸ソーダを0.05部、
バインダーとしてカルボキシ変性スチレンブタジエンラ
テックスを11部、燐酸エステル化澱粉を4部を加え、
さらに水を加えて65重量%濃度に調整した塗工液を、
塗工量が片面あたり14g/mとなるように、塗工速
度800m/分のブレードコーターで両面塗工を行い、
顔料塗工紙を得た。
【0029】次にガラス転移温度107℃、平均粒径7
5nmの熱可塑性共重合体A100部に対してスチレン
・アクリル系サイズ剤A10部、ポリエチレンワックス
エマルジョン系離型剤5部よりなる固形分30%の表面
層用塗工液を前記顔料塗工紙に片面の乾燥重量が1.0
g/mとなるように塗工速度500m/分のブレード
コータで両面塗工、乾燥して、水分6.5%の上塗り塗
工紙を得た後、金属ロール表面温度180℃、弾性ロー
ルよりなるソフトカレンダーにて、ニップ圧40kg/
cm、速度270m/minで、2ニップ通紙して印刷
用塗工紙を得た。 [実施例2]実施例1の熱可塑性重合体Aを熱可塑性重
合体Bに変更した以外は、実施例1と同様にして印刷用
塗工紙を得た。 [実施例3]実施例1の表面サイズ剤Aをオレフィン系
表面サイズ剤Bに変更した以外は、実施例1と同様にし
て印刷用塗工紙を得た。 [実施例4]実施例1の表面サイズ剤Aをスチレン・マ
レイン酸系表面サイズ剤Cに変更した以外は、実施例1
と同様にして印刷用塗工紙を得た。 [比較例1]実施例1の熱可塑性重合体Aを熱可塑性重
合体Cに変更した以外は、実施例1と同様にして印刷用
塗工紙を得た。 [比較例2]実施例1の表面層を表面サイズ剤A100
部のみとした以外は、実施例1と同様にして印刷用塗工
紙を得た。 [比較例3]実施例1の表面層を熱可塑性重合体A10
0部のみとした以外は、実施例1と同様にして印刷用塗
工紙を得た。 [比較例4]実施例1において、原紙に多価アルコール
と脂肪酸のエステル化合物を含有しなかった以外は実施
例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。 [比較例5]坪量104.7g/mのNPiコート
(日本製紙(株)製)を用いた。
【0030】表1に結果を示した。
【0031】
【表1】 表1から明らかなように、本願発明の印刷用塗工紙は低
密度で、白紙光沢度が高く、着肉むら、インキ乾燥性な
どの印刷適性も良好である。これに対し、比較例のもの
はいずれも光沢度が不十分、あるいは着肉むらが発生、
インキ乾燥性が遅いなどの問題点が有る。
【0032】
【発明の効果】本発明により、嵩高(低密度)でありな
がら、白紙光沢度が高く、インキ吸収性等に優れ、特に
枚葉印刷において、インキ着肉むらが発生せず、インキ
乾燥性も良好で印刷適性に優れた印刷用塗工紙を得るこ
とができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米重 誠樹 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社技術研究所内 (72)発明者 森井 博一 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4L055 AG11 AG12 AG27 AG34 AG48 AG51 AG63 AG71 AG76 AG89 AG97 AH01 AH02 AH13 AH37 AH48 AH50 AJ04 BE09 EA20 FA15 FA16 GA19

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原紙上に顔料と接着剤を含有する塗工層
    を設けた顔料塗工層上に、ガラス転移温度が80℃以上
    の熱可塑性重合体と表面サイズ剤を有する表面層を設け
    た印刷用塗工紙であって、原紙中に多価アルコールと脂
    肪酸のエステル化合物を含有することを特徴とする印刷
    用塗工紙。
  2. 【請求項2】 前記表面サイズ剤がスチレン・アクリル
    系、オレフィン系、またはスチレン・マレイン酸系の共
    重合体の少なくとも一つから選択されたものであること
    を特徴とする請求項1に記載の印刷用塗工紙。
JP2002094045A 2001-03-30 2002-03-29 印刷用塗工紙 Expired - Fee Related JP4758049B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002094045A JP4758049B2 (ja) 2001-03-30 2002-03-29 印刷用塗工紙

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001102689 2001-03-30
JP2001102689 2001-03-30
JP2001-102689 2001-03-30
JP2002094045A JP4758049B2 (ja) 2001-03-30 2002-03-29 印刷用塗工紙

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002363889A true JP2002363889A (ja) 2002-12-18
JP4758049B2 JP4758049B2 (ja) 2011-08-24

Family

ID=26612923

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002094045A Expired - Fee Related JP4758049B2 (ja) 2001-03-30 2002-03-29 印刷用塗工紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4758049B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003083213A1 (fr) * 2002-03-28 2003-10-09 Nippon Paper Industries, Co., Ltd. Feuille enduite pour impression rotative offset
US7829182B2 (en) 2001-03-29 2010-11-09 Nippon Paper Industries, Co., Ltd. Coated paper for printing
JP2013500185A (ja) * 2010-01-31 2013-01-07 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. 表面処理された紙
CN104480783A (zh) * 2014-11-13 2015-04-01 常熟市常隆包装有限公司 一种具有香味的包装纸的制备方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106290807B (zh) * 2016-08-11 2018-10-16 玖龙纸业(东莞)有限公司 一种胶粘物涂布测试纸及其制备方法和用途

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7829182B2 (en) 2001-03-29 2010-11-09 Nippon Paper Industries, Co., Ltd. Coated paper for printing
WO2003083213A1 (fr) * 2002-03-28 2003-10-09 Nippon Paper Industries, Co., Ltd. Feuille enduite pour impression rotative offset
US7828933B2 (en) 2002-03-28 2010-11-09 Nippon Paper Industries Co., Ltd. Coated sheet for rotary offset printing
JP2013500185A (ja) * 2010-01-31 2013-01-07 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. 表面処理された紙
CN104480783A (zh) * 2014-11-13 2015-04-01 常熟市常隆包装有限公司 一种具有香味的包装纸的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4758049B2 (ja) 2011-08-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3371422B2 (ja) 艶消し塗工紙
US7829182B2 (en) Coated paper for printing
JP4645199B2 (ja) 印刷用塗工紙の製造方法
WO2003083213A1 (fr) Feuille enduite pour impression rotative offset
JP4333026B2 (ja) オフセット印刷用艶消し塗工紙
JP2004256958A (ja) 印刷用塗工紙
JP2007101917A (ja) 電子写真用転写紙
JP4758049B2 (ja) 印刷用塗工紙
JP4747405B2 (ja) グラビア印刷用塗工紙
AU2011235701A1 (en) Processes for preparing coated printing paper
CN100560866C (zh) 照相凹版印刷用涂布纸
JPH09296394A (ja) グラビア印刷用塗工紙
JP4120338B2 (ja) 印刷用塗工紙
JP3867643B2 (ja) オフセット輪転印刷用塗工紙
JP4193454B2 (ja) 印刷用塗工紙
JP4385629B2 (ja) 印刷用塗工紙
JP2005089868A (ja) オフセット印刷用塗工紙の製造方法及び塗工紙
JP3867620B2 (ja) オフセット輪転印刷用塗工紙
JP2004124289A (ja) 微塗工紙
JP4873973B2 (ja) グラビア印刷用塗工紙の製造方法及びその塗工紙
JP4918747B2 (ja) グラビア印刷用塗工紙及びその製造方法
JP2005154951A (ja) 印刷用艶消し塗工紙
JP3867608B2 (ja) 印刷用塗工紙
JP2004143624A (ja) 印刷用嵩高塗工紙
JP2007154330A (ja) 印刷用塗工紙

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050328

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070726

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070731

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071001

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20080314

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080610

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080811

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20081016

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20090410

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080811

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110602

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140610

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees