JP4645199B2 - 印刷用塗工紙の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、白紙光沢度が高く、白紙面感に優れ、印刷適性に優れ、操業性に優れた印刷用塗工紙を効率よく製造することに関する。
近年、印刷物に対し、写真や図案を多用し、更にカラー化するなどにより、視覚的に内容を強力に伝達しようとする要望が高い。一般に塗工紙は、高光沢塗工紙と艶消し塗工紙に大別される。高光沢塗工紙は、従来高級印刷に用いられてきたアート紙、スーパーアート紙、コート紙などであり、印刷仕上がりは、白紙光沢も印刷光沢も高いグロス調である。艶消し塗工紙は白紙光沢と印刷光沢によりダル調、マット調がある。マット調は、白紙面、印刷面共に光沢が低くフラットで落ち着いた感じの印刷物で、ダル調は、白紙光沢度は低いが、印刷光沢度は高いという、グロス調とマット調の中間のものである。グロス調は、白紙光沢度および印刷光沢度が高く、近年高級感のある雑誌を中心に需要が増えている。グロス調塗工紙は、高級感のある印刷が必要とされる場合に多く利用されるため、塗工紙の面感は重要な課題のひとつとなっている。
特に白紙光沢度が90 %を超える分野では、キャスト塗工紙、印刷した上にポリラミ加工を施すことで強光沢面を形成するポリラミ加工品が主として使用されている。キャスト塗工紙の表面は、湿潤状態の塗工層を加熱された鏡面ドラム面に圧接して、表面加工するため、通常のコート紙よりも強光沢を有し、ポスター、紙バック、雑誌の表紙等、人目をひく広告性の強い用途で使用されている。ポリラミ加工品は、近年、環境意識の向上から古紙の回収率が高くなっているが、ポリラミは再生行程において分離しにくいため、ポリラミ加工しないキャストコート紙は環境に優しい製品となっている。
キャスト塗工紙と呼ばれる強光沢塗工紙は、原紙の表面に顔料および接着剤を主成分とする水性塗料を塗工して塗工層を設け、、塗工層が湿潤状態にある段階で、塗工層を加熱された金属製の鏡面ドラムに圧接、乾燥することにより製造されている。
このキャスト塗工紙の製造方法としては、湿潤状態の塗工層を直接加熱された鏡面ドラムに圧接して光沢仕上げする(以下、キャスト加工とする)ウエットキャスト法、湿潤状態の塗工層をゲル状にして加熱された鏡面に圧接してキャスト加工するゲル化キャスト法、湿潤状態の塗工層を一旦乾燥させた後、再湿潤により可塑化して加熱された鏡面ドラムに圧接してキャスト加工するリウエットキャスト法などが知られている。
これらのキャスト塗工紙製造法はいずれもキャスト塗工層が湿潤または可塑状態にあるうちに加熱された鏡面ドラム面に圧接、乾燥させることで共通している。ただし、キャスト塗工層の可塑状態の違いにより操業性および得られるキャストコート紙の品質において、それぞれ以下のような欠点がある。
ウェットキャスト法では、キャスト塗工層の粘性が低く、鏡面ドラム面の温度を100℃以上にすると塗工液が沸騰し塗工層が破壊されるため、鏡面ドラム面の温度を100℃以上とすることができない。キャスト加工前の乾燥工程がなく、乾燥負荷も大きいため、低速度での操業を余儀なくされているのが現状である。
ゲル化キャスト法ではキャスト塗工層がゲル化されているため、鏡面ドラム面の温度を100℃以上とすることが可能である。しかしながら、やはりキャスト加工前の乾燥工程がなく、乾燥負荷が大きいため、キャスト塗工層中に含まれる多量の水分を、鏡面ドラム接触時にスムーズに原紙層中に移行させて蒸発除去する必要があり、また塗工層のゲル化の度合いを調節することも難しく、このためあまり高速でキャスト加工を行うと白紙光沢等の品質が低下する。
リウェットキャスト法ではキャスト加工前にキャスト塗工層が一旦乾燥されるため、鏡面ドラム面の温度を90〜180℃まで上げることが可能である。しかし、ウェットキャスト法、ゲル化キャスト法と比較して、キャスト塗工層の可塑性が低いため、高速でキャスト加工した場合、キャスト塗工層表面のピンホール、密着ムラ等のいわゆるキャスト面の不良が発生しやすくなる欠点がある。
このような問題点を解決するために種々の方法が提案されている。例えば、キャスト塗工層中にプラスチックピグメントと最低増膜温度が0℃未満のラテックスを配合する方法が提案されている(特許文献1参照)。この方法で得られたキャストコート紙は白紙光沢に優れるものの紙の透気性が十分ではなく、生産効率が低い。また、キャスト下塗り層に中空プラスチックピグメントを配合する方法が提案されている(特許文献2参照)。この方法で得られたキャストコート紙の生産効率は従来品と比較して改善されているが、処理速度100m/min前後と十分に満足できるものではない。
キャスト加工を行わずに高光沢塗工紙を効率よく得る方法として、スーパーカレンダー処理線圧強化等の対策がある。カレンダー処理線圧を強化することにより、表面の平滑性は向上し、白紙光沢度は高くなるが、反面、紙の不均一性に起因すると思われる密度ムラが顕著になり、高級感のある印刷に用いるのに十分な印刷面感を得ることは困難である。
近年、従来のスーパーカレンダーに代わり使用される様になった、高温カレンダーによる方法が多数提案されており、仕上げ速度の高速化、印刷光沢度、不透明度、剛度等が相対的に向上されることが報告されている。但し、この手法のみを用いた場合は効率的に光沢度を高くすることができるが、高温で処理するため紙中水分の影響を受けやすく、幅方向の水分プロファイルが揃っていない場合、白紙光沢度の微少ムラが生じ、外観的に好ましくない。また、高温でカレンダー処理される前の塗工紙の表面性が劣る場合、同様に白紙光沢度の微少ムラが生じ、高級感のある印刷に十分対応できるものではない。
この様な対策として、例えば特許文献3によると、高温カレンダーで処理する直前または直後に繊維を植え付けたブラシロールと金属ロールで処理し、表面の坪量ムラ、塗被量ムラ等を研磨し微少光沢度ムラを解決するとあるが、本手法のみでは紙粉が発生し操業的に好ましくなく、水分ムラを調整することができず完全な解決には至っていない。
この様に、従来の技術においては、白紙光沢度が高く、白紙面感に優れ、所望の印刷適性を持った印刷用塗工紙を効率よく得ることは困難であった。
特開平4−146294号公報 特開平9−268493号公報 特開平9−228289号公報
この様な状況を鑑みて、本発明の課題は、白紙光沢度が高く、白紙面感に優れ、高印刷光沢度などの印刷適性にも優れる塗工紙を効率よく製造することに関する。
本発明者等は、上記課題に鋭意検討を行った結果、原紙上に、顔料及び接着剤を含有する塗工液を塗工した印刷用塗工紙の製造方法において、プラスチックピグメントを無機顔料100重量部に対して2〜30重量部含有した塗工液を塗工した後、弾性ロールと40℃以上100℃未満に加熱された金属ロールからなるカレンダーに通紙した後に、塗工紙水分が5〜8%の塗工紙を、弾性ロールと100℃以上かつ前記ロール温度と比較して20℃以上高い温度に加熱された金属ロールからなるカレンダーに通紙し、かつ、該カレンダー処理の処理速度が400m/分以上で仕上げることにより得られることを見出した。
本発明においては、原紙上に無機顔料100重量部に対してプラスチックピグメントを2〜30重量部含有し、塗工後、弾性ロールと40℃以上100℃未満に加熱された金属ロールからなるカレンダーに通紙した後に、塗工紙水分が5〜8%の塗工紙を、弾性ロールと100℃以上かつ前記ロール温度と比較して20℃以上高い温度に加熱された金属ロールからなるカレンダーに通紙し、かつ、該カレンダー処理の処理速度が400m/分以上で仕上げることが重要である。高温に加熱されたカレンダーを用いて白紙光沢度高くする効率を高めるため、ロール表面温度より低いガラス転移温度を有するプラスチックピグメントと併用する方が好ましい。また、塗工後、40℃以上100℃未満に加温されたカレンダーに一旦通紙することにより、塗工紙中の水分プロファイルはより均一になり、塗工紙表面も平滑になるが、白紙光沢度発現性は低く、この時点で光沢度ムラは発生しない。その後、前記ロール温度より20℃以上高く、かつ100℃以上に加熱されたカレンダーを通す事により、白色度は高く、白紙光沢度は高く、光沢度ムラが少ない塗工紙が得られる。
本発明により、白紙光沢度が高く、白紙面感に優れ、高印刷光沢度などの印刷適性に優れ、操業性も良好な印刷用塗工紙を効率よく得ることができる。
本発明においては、高温に加熱されたカレンダーを用いて白紙光沢度高くする効率を高めるために、プラスチックピグメントを無機顔料100重量部に対して2〜30重量部、より好ましくは2〜20重量部、更に好ましくは3〜15重量部配合することが重要である。2重量部未満配合した場合、光沢度発現性は十分ではなく、30重量部より多く配合すると、高温に加熱されたカレンダーを通紙する際にプラスチックピグメントが溶融し、金属ロールに貼り付き、裂け、断紙トラブル等が発生する。塗工後、弾性ロールと40℃以上100℃未満に加熱された金属ロールからなるカレンダーに一旦通紙することは、塗工紙中の水分プロファイルがより均一になり、塗工紙表面も平滑になるため、高温でカレンダー処理時の金属ロールへの紙の貼り付きの軽減にもつながる。
本発明に用いるプラスチックピグメントは、密実型、中空型、または、コア−シェル型等を必要に応じて単独または2種類以上混合して使用することができる。プラスチックピグメントの構成重合体成分としては、好ましくは、スチレン及び/または、メチルメタアクリレート等のモノマーを主成分として、必要に応じてこれらと共重合可能な他のモノマーが用いられる。この共重合可能なモノマーとしては、例えば、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ジメチルスチレン等のオレフィン系芳香族系モノマー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリルニトリル等のモノオレフィン系モノマー及び酢酸ビニル等のモノマーがある。また、必要に応じて、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸等のオレフィン系不飽和カルボン酸モノマー類、ヒドロキシエチル、メタアクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸ヒドロキシプロピル等のオレフィン系不飽和ヒドロキシモノマー類、アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N―メチロールメタアクリルアミド、N―メトキシメチルアクリルアミド等のオレフィン系不飽和アミドモノマー類、ジビニルベンゼン等の二量体ビニルモノマー等を一種または二種以上の組み合わせで用いることができる。これらのモノマーは例であり、このほかにも共重合可能なモノマーがあれば使用してもよい。
また、本発明で使用する無機顔料に特に制限はなく、本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。一般的な無機顔料としては、クレー、カオリン、エンジアードカオリン、デラミネーテッドクレー、、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、硫酸カルシウム、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイト等があげられる。
本発明においては、塗工層は1〜3層設けることが好ましく、2層以上設ける場合は最も外側の層にプラスチックピグメントを配合することが好ましい。
本発明において用いる接着剤は、塗工紙用に従来から用いられている、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体、あるいはポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成接着剤、カゼイン、大豆タンパク、合成タンパクなどのタンパク質類、酸化澱粉、カチオン化澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などの澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体などのから、1種以上を適宜選択して使用することができる。これらの接着剤は、顔料100重量部に対して、5〜35重量部の範囲で使用される事が好ましく、より好ましくは7〜25重量部である。35重量部を超える場合は、塗料の粘度が高くなり、配管やスクリーンを通過しづらくなるといった操業性の問題が生じる等のデメリットが生じ好ましくない。また、5重量部未満の場合は、十分な表面強度がえられず好ましくない。
本発明の塗工液には、助剤として分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、染料、蛍光染料等の通常使用される各種助剤を使用することができる。特に、白色度を高めるために蛍光染料を添加する方が好ましい。
本発明における原紙は、パルプ、填料と各種助剤からなる。パルプとしては、化学パルプ、半化学パルプ、機械パルプ、古紙パルプ等を用いることができるが、白色度の点より化学パルプ、反化学パルプを用いることが好ましい。最も好ましいのは、化学パルプを100重量%含有させることである。
原紙に用いる填料は、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、カオリン、クレー、シリカ、ゼオライト、酸化チタン、合成樹脂填料等の公知の填料を使用することができる。配合量は、3〜20重量%程度である。これら填料は、紙料スラリーの抄紙適性や強度特性を調節する目的で、単独又は2種以上を混合使用してもよい。
これらの紙料に必要に応じ通常抄紙工程で使用される薬品類、例えば紙力増強剤、サイズ剤、消泡剤、着色剤、嵩高剤、柔軟化剤などを、本発明の効果を阻害しない範囲で添加し抄紙することができる。
原紙の抄紙方法については、特に限定される物ではなく、トップワイヤー等を含む長網マシン、丸網マシン等を用いて、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ抄紙方式で抄紙した原紙のいずれであってもよい。また、サイズプレス、ゲートロールコーター、ビルブレード等を用いて、澱粉、ポリビニルアルコールなどを予備塗工した原紙等も使用可能である。塗工原紙としては、一般の塗工紙に用いられる坪量が25〜400g/m程度であり、好ましくは30〜200g/mである。
本発明において、調整された塗工液を原紙に塗工する方法については、特に限定される物ではなく、公知の塗工装置を用いる事ができる。例えばブレードコーター、バーコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、リバースロールコーター、カーテンコーターサイズプレスコーター、ゲートロールコーター等が挙げられる。これらを用いて、原紙上に片面あるいは両面に1層以上塗工する。片面当たりの塗工量は3g/m〜35g/mであることが好ましく、より好ましくは10g/m〜25g/mである。片面当たりの塗工量が3g/mより少ない場合、十分な原紙被覆性が得られず、インキ着肉性に劣る。本発明においては、塗工速度が500m/分以上、より好ましくは、塗工速度が1000m/分を超える高速でも操業性が優れる物である。
湿潤塗工層を乾燥させる手法としては、例えば、蒸気加熱ヒーター、ガスヒーター、赤外線ヒーター、電気ヒータ、熱風加熱ヒーター、マイクロウェーブ、シリンダードライヤー等の通常の方法が用いられる。
本発明における、このようにして得られた塗工紙は、弾性ロールと40℃以上100℃未満に加熱された金属ロールからなるカレンダーに通紙した後に、弾性ロールと100℃以上かつ前記ロール温度と比較して20℃以上、好ましくは40℃以上の高い温度に加熱された金属ロールからなるカレンダーに通紙して仕上げるものである。
本発明では、最初に比較的低い温度で処理を行うが、高温で処理を行う前に低温処理を行うことにより、塗工紙中の水分プロファイルをより均一にし、かつ塗工紙表面も平滑にし、その後、前記ロール温度より20℃以上高く、かつ100℃以上に加熱する際に発生する光沢度ムラを抑制することができる。このため、40℃より低い場合は均一にする効果に乏しく、100℃より高い場合は水分ムラがあるまま高温処理を行うのと同じ事となり光沢ムラが発生しどちらも好ましくない。より好ましい範囲としては40℃〜80℃であり、更に好ましくは50℃〜80℃である。
低温処理後に行う高温処理の金属ロールの表面温度は、好ましくは120℃以上、300℃以下である。塗工紙の含有水分が適当であれば、100℃以上に加熱された金属ロールを用いることにより、原紙あるいは塗工層を平滑化することができ、高光沢の塗工紙を得ることができる。高温処理前の塗工紙の水分は、5〜8%が好ましい。
また、本発明におけるカレンダーの処理線圧は、弾性ロールと40℃以上100℃未満に加熱された金属ロールからなるカレンダーに通紙する際の線圧の平均に対して、弾性ロールと100℃以上かつ前記ロール温度と比較して20℃以上高い温度に加熱された金属ロールからなるカレンダーに通紙する際の線圧の平均が、20Kg/cm以上高いことが好ましい。これは、最初に行う相対的に低温で実施するカレンダー処理は、後に行う高温カレンダー処理と比較して、水分プロファイル、塗工紙の表面性を整えることが目的であるため比較的低い線圧で行う方が密度ムラ発生防止、低密度化の点で好ましい。好ましい線圧の範囲は10〜250Kg/cmであり、より好ましくは10〜210Kg/cm、更に好ましくは10〜180Kg/cmである。また、高温カレンダーの処理線圧は、白紙光沢度、印刷光沢度、微小光沢ムラの抑制を向上させるために、低温カレンダー処理よりも線圧の平均を20Kg/cm以上高くすることが好ましく、より好ましくは40Kg/cm以上200Kg/cm以下である。低温カレンダー処理よりも線圧の平均を20Kg/cm以上高くするとは、低温処理、高温処理が多段の場合、それぞれのニップでの線圧を平均した値の比較である。高温カレンダーの好ましい線圧の範囲は30〜500kg/cmであり、より好ましくは120〜500kg/m、更に好ましくは180〜500kg/cmである。また、高温カレンダー処理として、高温ソフトニップカレンダーを用いる場合の好ましい条件としては、例えば、弾性ロールのショアーD硬度80〜100、好ましくは85〜95であって、通紙速度400〜3000m/分、線圧30〜500Kg/cm、カレンダー前塗工紙水分5〜8%が好ましい。低温処理と高温処理のニップ回数は、好ましくは低温処理で1ニップ以上、より好ましくは1〜4ニップ、高温処理で2ニップ以上、より好ましくは2〜5ニップで行うことが好ましい。本発明においては複数のカレンダーロールで処理を行うことになるが、その形態としては、弾性ロールと金属ロールをひとつの組としたカレンダーを複数組設置した形態の物、カレンダーロールが垂直あるいは斜めに並べられた多段式の形態の物どちらでもよい。但し、本発明におけるカレンダーの形態として最も好ましいのは、多段式の形態であり、尚かつ、上段のロールの重さを下段のロールに加えることを抑制する機構を備えていない物である。この形態を取ることにより、上段部にて比較的低温、低線圧処理を行い、下段部にて高温、高線圧処理を合理的に行うことが可能となり、設備的にもスペースを取らない利点がある。
さらに、本発明における最も好ましいカレンダー形態について述べる。カレンダーロールが垂直に並べられ、ロール本数は10本もしくは12本である。この時、ロールの種類は上から、金属ロール(A)、弾性ロール(B)、金属ロール(C)、弾性ロール(D)、金属ロール(E)、弾性ロール(F)、金属ロール(G)、弾性ロール(H)、弾性ロール(I)、金属ロール(J)、弾性ロール(K)、金属ロール(L)の順である(9本の場合はE、Fを除く)。この時、金属ロール(G)、金属ロール(J)が100℃以上に加温され、他の金属ロールは40℃〜100℃に加温される。この形態を取ることにより、金属ロール(A)〜金属ロール(E)によって比較的低線圧処理によって水分プロファイルをより均一にし、かつ塗工紙表面を適度に平滑になり、金属ロール(G)により塗工紙の一方の面の高温処理を行い、金属ロール(J)によりもう一方の面の高温処理を行うことができる。この際、金属ロール(G)にて処理した面(A面)より、金属ロール(J)で処理した面(B面)の方が高い線圧で処理されることになるが、A面はB面と異なり低温・低線圧処理を受ける回数が多いため光沢度の表裏差は発生しにくい。また、カレンダー処理速度が好ましくは400m/分以上、より好ましくは500m/分以上においてもキャスト塗工紙並の高光沢が得られるものである。
本発明においては、特に好ましくは白紙光沢度が85%以上、より好ましくは90%以上の強光沢塗工紙で、密度が0.90〜1.50g/cm、より好ましくは0.95〜1.35g/cmにおいて、より優れた効果を発揮することができる。また、本発明においては、特にカレンダー処理速度が400m/分以上であっても、キャスト塗工紙並の白紙光沢度が得ることができ、キャストの塗工方法と比べて、処理速度が速く、操業性に優れる。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、もちろんこれらの例に限定される物ではない。なお、特に断らない限り、例中の部および%は、それぞれ重量部、重量%を示し、固形分換算の値である。なお、塗工液及び得られた印刷用塗工紙について以下に示す様な評価法に基づいて試験を行った。
(評価方法)
(1)白紙光沢度:JIS P 8142に基づいて測定した。
(2)印刷光沢度:オフセット輪転印刷機(4色)にて、オフセット印刷用インキ(東洋インキ性 レオエコーSOY Y)を用いて印刷速度500rpmで4色重ね印刷部のインキ着肉濃度が墨:1.80、藍:1.55、紅:1.50、黄:1.15(X−Rite社製 X−Rite408にて測定)となる様に印刷した後、紙面温度が110℃となるようにして乾燥し、得られた印刷物(4色ベタ印刷部)の表面をJIS P 8142に基づいて測定した。
(3)微小光沢度ムラ:光沢度のムラを以下の4段階で目視評価した。
◎:きわめて良好、○:良好、△:やや劣る、×:劣る
(4)カレンダ走行性:カレンダロールへのはり付きの程度をを以下の4段階で目視評価した。
◎:きわめて良好、○:良好、△:やや劣る、×:劣る
[実施例1]
顔料としてブラジル産カオリン(商品名:アマゾンプラス/CADAM社製、平均粒子径0.40μm)100部なる顔料に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.1部を配合、分散し、固形分濃度70%のカオリンスラリーを調製した。このカオリンスラリー50部(固形分)、重質炭酸カルシウムスラリー(ファイマテック社製 FMT−97、平均粒子径 0.58μm)50部(固形分)に、、密実型プラスチックピグメント(旭化成社製 L8920)14部を添加して、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移点温度−2℃、ゲル含量85%)12部、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉(ペンフォード社製 PG295)4部、蛍光染料(ランクセス社製 ブランコファUWリキッド)を加え、さらに水を加えて固形分濃度64%の塗工液1を得た。
塗工原紙は、填料として軽質炭酸カルシウムを原紙重量あたり7%含有し、製紙用パルプとし化学パルプを100%含有する坪量92g/m、密度0.75g/cmの上質紙を用いた。
上記の原紙に、前述の塗工液を片面当たりの塗工量が16g/mになる様に、500m/分の塗工速度でブレードコーターを用いて両面塗工を行い、塗工紙水分が5.5%となる様に乾燥した。
乾燥後、図1、表1−(1)に示すロール配置、金属ロール温度、ニップ圧にてカレンダー処理を行い印刷用塗工紙を得た。この時、弾性ロール(樹脂ロール)ショアD硬度92、通紙速度600m/分である。
[実施例2]
実施例1において、密実型プラスチックピグメント(旭化成社製 L8920)14部を5部に変更した以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[比較例1]
実施例1において、密実型プラスチックピグメント(旭化成社製 L8920)14部を1部に変更した以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[比較例2]
実施例1において、密実型プラスチックピグメント(旭化成社製 L8920)14部を35部に変更した以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[比較例3]
実施例1において、カレンダー処理を表1−(2)に変更した以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[比較例4]
実施例1において、カレンダー処理を表1−(3)に変更した以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[比較例5]
実施例1において、塗工後、乾燥し、この後、スーパーカレンダによる表面処理を行い、リウェット液(ヘキサメタリン酸ナトリウム0.5%濃度)によって塗工層表面を再湿潤した後、フォーミングロールとキャストドラムによって形成されるプレスニップに通紙し、速度150m/min、表面温度115℃のキャストドラムに圧接、乾燥した後、ストリップオフロールでキャストドラムから離型することによってリウェットキャスト方式によるキャスト塗工紙を得た以外は、実施例1と同様の方法で製造した。
表1にカレンダー処理条件、表2に評価結果を示した。
Figure 0004645199
Figure 0004645199
カレンダー処理方法を示した説明図である。
符号の説明

1 金属ロール
2 弾性ロール
3 高温金属ロール

Claims (2)

  1. 原紙上に、顔料及び接着剤を含有する塗工液を塗工する印刷用塗工紙の製造方法において、プラスチックピグメントを無機顔料100重量部に対して2〜30重量部含有した塗工液を塗工した後、弾性ロールと40℃以上100℃未満に加熱された金属ロールからなるカレンダーに通紙し、塗工紙水分が5〜8%の塗工紙を、更に弾性ロールと100℃以上かつ前記ロール温度と比較して20℃以上高い温度に加熱された金属ロールからなるカレンダーに通紙し、かつ、該カレンダー処理の処理速度が400m/分以上で仕上げることを特徴とする印刷用塗工紙の製造方法。
  2. 塗工後のカレンダー処理において、弾性ロールと40℃以上100℃未満に加熱された金属ロールからなるカレンダーに通紙する際の線圧の平均に対して、弾性ロールと100℃以上かつ前記ロール温度と比較して20℃以上高い温度に加熱された金属ロールからなるカレンダーに通紙する際の線圧の平均が、20Kg/cm以上高いことを特徴とする請求項1記載の印刷用塗工紙の製造方法。
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