JP2002353559A - 半導体レーザ及びその製造方法 - Google Patents

半導体レーザ及びその製造方法

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JP2002353559A
JP2002353559A JP2001160635A JP2001160635A JP2002353559A JP 2002353559 A JP2002353559 A JP 2002353559A JP 2001160635 A JP2001160635 A JP 2001160635A JP 2001160635 A JP2001160635 A JP 2001160635A JP 2002353559 A JP2002353559 A JP 2002353559A
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diffraction grating
active region
passive waveguide
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JP2001160635A
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English (en)
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Shotaro Kitamura
昌太郎 北村
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NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】大きな前方光出力と良好なサイドモード抑圧特
性を有する分布帰還型半導体レーザの歩留まりを向上す
る。 【解決手段】回折格子の一部にλ/4位相シフト構造を
有する対称λ/4分布帰還型半導体レーザの後方にパッ
シブグレーティング導波路を付設し、後方反射率を実効
的に大きくして前方出力を向上すると共に、サイドモー
ド抑圧比のばらつきを小さくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体レーザ、特
に、活性領域に回折格子を有する分布帰還型半導体レー
ザ(以下、「DFB−LD」と記す)に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザ共振器(以下、「共振器」と記
す)中に回折格子を備えたDFB−LDは、ブラッグ反
射を利用することにより、変調時においても単一波長の
レーザ発振動作が得られることから、長距離光ファイバ
通信に広く用いられている。この、現在広く用いられて
いるDFB−LDには回折格子のピッチが一定の均一グ
レーティングDFB−LDと、回折格子中に回折格子の
位相をπずらした領域を設けてλ/4位相シフト構造
(λは共振器内光波長)を形成したλ/4位相シフトD
FB−LDとがある。とりわけ、λ/4位相シフトDF
B−LDは、縦主モードの共振が支配的となり、均一グ
レーティングDFB-LDに比べ、単一の基本モード発
振が容易に実現できる利点がある。このため、λ/4位
相シフトDFB−LDは現在ではDFB−LDの主流に
なっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】λ/4位相シフトDF
B−LDは、回折格子の中央(共振器中央)にλ/4位
相シフト構造が形成(「対称λ/4位相シフト」と云
う)され、共振器の両端面に無反射膜(以下、「ARコ
ーティング」と記す)が施されて端面における回折格子
の位相の影響を受けることがない構造になっている(所
謂、対称λ/4DFB−LD)。このため、共振縦主モ
ードとその他の縦共振モードの閾値利得差が大きく、サ
イドモード抑圧比(以下、「SMSR」と記す)に優れ
た安定な単一モード動作が得られる。しかし、共振器の
両端面にARコーティングが施されて光の伝播方向に対
して対称な構造になっているから、レーザ光が両方の端
面からそれぞれ同量ずつ放射される。このため、片側端
面の光出力が半減し、大きな出力が得られない。この欠
点を解消するために、一方の端面にARコーティングを
施し、他方の端面に高反射膜(以下、「HRコーティン
グ」と記す)を施して前方出力(ARコーティング端面
側からの出力)を大きくする構造がある。しかし、HR
コーティングを形成するとHRコーティング端面におけ
る回折格子の位相の影響によって単一モード動作歩留ま
りが低下する。
【0004】端面は通常劈開で作製されるのでサブミク
ロンの精度で位置決めするのは殆ど不可能で、端面にお
ける回折格子の位相が個々のDFB−LDにより異な
る。即ち、端面における回折格子の位相に個体差が生じ
る。このため、HRコーティング端面を形成するとHR
コーティング端面における回折格子の位相の影響によっ
て単一モード発振するものの他に多モード発振するもの
も多数含まれると同時に、SMSRが十分でない個体も
発生してしまう。
【0005】本発明は、前方光出力が高く、良好なSM
SR特性のDFB−LDを歩留まり良く大量に得ること
を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、共振器中の回
折格子の中央にλ/4位相シフト構造を有するλ/4D
FB−LDの後方に分布ブラッグ反射器(DBR)の機
能を有するパッシブ導波路を付設し、後方反射率を実効
的に大きくして前方光出力を向上すると共に、レーザ特
性に及ぼす端面における回折格子の位相の影響を低減し
ている。
【0007】即ち、本発明の半導体レーザは、電流注入
によりレーザ光を発生する活性層を含む活性導波路層及
び回折格子を内包した多層半導体層を有するDFB−L
Dであって、多層半導体層は電流が注入されてレーザ発
振する活性領域と、電流が注入注入されないパッシブ導
波路領域とを有している。活性領域は、当該活性領域の
回折格子の一部にλ/4位相シフト構造を備えている。
パッシブ導波路領域は、分布ブラッグ反射器(DBR)
として機能する領域であって、活性導波路層の実効的バ
ンドギャップエネルギーが前記活性領域の活性導波路層
の実効的バンドギャップエネルギーよりも大きく、且
つ、当該パッシブ導波路領域における回折格子の光学的
ピッチが前記活性領域の回折格子の光学的ピッチに等し
くなっている。
【0008】回折格子の溝の深さは活性領域からパッシ
ブ導波路領域に渡る全領域(後述する遷移領域も含む)
で一様で結合係数が一定値になっている。または、パッ
シブ導波路領域における回折格子の溝の深さを活性領域
における回折格子の溝の深さと異なる深さとし、パッシ
ブ導波路領域における回折格子の結合係数が活性領域に
おける回折格子の結合係数よりも大きい構成になってい
る。
【0009】活性領域とパッシブ導波路領域の境には、
活性領域からパッシブ導波路領域に行くに従い活性導波
路層の組成が活性領域の組成からパッシブ導波路領域の
組成に徐々に変化し、且つ、回折格子のピッチが活性領
域における回折格子のピッチからパッシブ導波路領域に
おける回折格子のピッチに徐々に変化している遷移領域
を備えている。この遷移領域は無くてもよいが、活性領
域とパッシブ導波路領域の半導体層を同時に一括して製
造する場合、組成が徐々に変化する遷移領域が自然に形
成されるので、組成変化に合わせて回折格子のピッチも
予め変化させてこの領域における回折格子の光学的ピッ
チを活性領域における回折格子の光学的ピッチに合わせ
るのが望ましい。遷移領域を設けない場合は、活性領域
とパッシブ導波路領域を別々に選択成長して形成すれば
よい。
【0010】パッシブ導波路領域における回折格子の溝
の深さを活性領域における回折格子の溝の深さと異なる
深さとした場合は、遷移領域における回折格子の深さを
活性領域の回折格子深さ或いはパッシブ領域の回折格子
深さの何れかに合わせてもよいが、遷移領域においては
回折格子の深さは活性領域からパッシブ導波路領域に移
るに従い活性領域の深さからパッシブ導波路領域の深さ
にまで徐々に変化させて、回折格子の結合係数を徐々に
大きく変化させた構成にするのが望ましい。
【0011】端面は劈開面としたままでもよいが、端面
における回折格子の位相の影響を低減するためには、端
面での反射を可能な限り抑えるのが望ましい。このた
め、端面にはARコーティングを施すのが望ましい。
【0012】本発明の半導体レーザの製造方法は、電流
注入によりレーザ発振する活性領域となる部分と電流が
注入されないパッシブ導波路領域となる部分のピッチが
異なり、且つ、前記活性領域となる部分の一部にλ/4
位相シフト構造を有する回折格子を半導体基板に形成す
る工程と、開口幅が一様のストライプ状の開口を有する
誘電体膜で成り、且つ、前記活性領域となる部分と前記
パッシブ導波路領域となる部分で誘電体膜の幅が異なる
誘電体マスクを半導体基板上に形成する工程と、電流注
入によりレーザ光を発生する活性層を含む活性導波路層
を有する多層半導体層を前記誘電体マスク開口部に選択
成長することで活性領域となる多層半導体層とパッシブ
導波路領域となる多層半導体層を同時に一括して成長し
てメサストライプを形成する工程と、前記誘電体マスク
の前記メサストライプに隣接した部分を除去して前記メ
サストライプに隣接した開口を前記誘電体マスクに形成
する工程と、前記メサストライプに隣接した開口及び前
記メサストライプ上に半導体層を選択成長して前記メサ
ストライプを半導体層で埋め込む工程と、前記メサスト
ライプを埋め込んだ前記半導体層の前記活性領域に該当
する部分に電極を形成する工程とを含むことを特徴とし
ている。
【0013】上記の製造方法において、誘電体マスク形
成工程で形成される誘電体マスクを、開口幅が一様のス
トライプ状の開口を有する誘電体膜で成り、且つ、活性
領域となる部分と前記パッシブ導波路領域となる部分で
誘電体膜の幅が異なると共に、前記活性領域となる部分
と前記パッシブ導波路領域となる部分との境の誘電体膜
幅がテーパー状に徐々に変化している誘電体マスクとす
ると、このテーパー部の長さと幅変化率により活性領域
となる部分とパッシブ導波路領域となる部分との境界領
域(遷移領域)に成長した半導体層の組成変化と長さを
設計通りに制御できる利点がある。活性領域となる部分
とパッシブ導波路領域となる部分の境で誘電体膜幅を急
峻に変化させた誘電体マスクを用いて製造してもよい
が、遷移領域に形成された半導体層の組成制御性におい
て誘電体膜幅にテーパーを設けた上記の方法よりも劣る
ので、活性領域となる部分とパッシブ導波路領域となる
部分との境の誘電体膜幅をテーパー状に徐々に変化させ
た誘電体マスクを用いるのが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)図1
(a)、(b)に本発明における一実施形態のDFB−
LDの断面図を示す。ここで、(a)は縦断面図(光軸
に平行な断面)、(b)は前方端面側から眺めた正面図
である。
【0015】図1のDFB−LDは、活性導波路層4に
発振波長が1.55μmとなる多重量子井戸構造活性層
(以下、「MQW活性層」と記す)を有するDFB−L
Dである。活性導波路層4は1.5μm幅の7層のMQ
W活性層とSCH層からなっており、図1(b)に示す
ように、その周囲をInP埋め込み層6で埋め込まれて
いる。素子長は600μmで長さ300μmの活性領域
Aと、長さ50μmの遷移領域Bと、長さ250μmの
パッシブ導波路領域Cとに分かれ、パッシブ導波路領域
Cは分布ブラッグ反射領域として機能する。活性領域A
は電流注入によりレーザ光を発生する。活性領域AのM
QW活性層は発振波長1.55μm組成となっており、
パッシブ導波路領域Cはレーザ光の吸収損失がないよう
に1.40μm組成となっていて、実効的なバンドギャ
ップエネルギーを活性領域の実効的なバンドギャップエ
ネルギーよりも大きくしてレーザ光に対して透明な構造
になっている。遷移領域BはMQW活性層組成が活性領
域側からパッシブ導波路領域側に向かって1.55μm
から1.40μmに徐々に変化している。活性導波路層
下方のInP基板1には回折格子10が形成されてい
る。回折格子10のピッチΛは、光学的ピッチΛeff
1.55μm/2n(nは活性導波路層の実効屈折率)と
なるように活性層領域Aの部分で240nm、パッシブ
導波路領域Cでは245nmになっている。即ち、活性
領域Aとパッシブ導波路領域Cとで回折格子の光学的ピ
ッチを等しくし、パッシブ導波路領域Cでのブラッグ反
射波長を活性領域Aで発生したレーザ光の波長に等しく
して、パッシブ導波路領域Cで効率よくレーザ光を反射
できる構造になっている。遷移領域Bでは活性領域Aか
らパッシブ導波路領域Cに移るに従って、組成変化に合
わせて回折格子ピッチが240nmから245nmに徐
々に広くなっている。この遷移領域Bにおいても回折格
子ピッチの光学長が活性領域のそれと等しくなってい
る。回折格子の深さは活性領域Aからパッシブ導波路領
域Cに渡る全領域で一定でκ=0.003μm -1(κは
結合係数)である。活性領域Aの中央には回折格子の位
相がπずれたλ/4位相シフト構造10aが導入されて
いる。活性領域側端面が前方出射端となり、反射率0.
1%のARコーティング9を施してある。パッシブ導波
路領域側端面が後方端となり、後方端にも前方出射端と
同様にARコーティング9を施した。電極8aは活性領
域Aおよび遷移領域Bのみに電流注入されるように活性
領域上と遷移領域上のみに形成した。このような構造に
よれば、遷移領域がキャリア注入される活性領域となる
ことから、遷移領域にはキャリアが数多く存在する。こ
のため、パッシブ導波路領域からの光が入射してキャリ
ア量が変動しても、その変化による攪乱は小さく抑えら
れ、レーザ光の波長チャープが低く抑えられる。
【0016】遷移領域では活性導波路層の組成が徐々に
変化しているため、活性領域と遷移領域との境界での急
峻な屈折率の変化がない。このため、この境界でのレー
ザ光の反射が抑制され、活性領域端は実質的に無反射端
となるので、活性領域端の回折格子位相がSMSR等の
特性に及ぼす影響が減少する。前方端面はARコーティ
ングが施されているので、前方端面においても反射が抑
制され前方端面における回折格子位相がSMSR等の特
性に及ぼす影響はない。この結果、前方端面における回
折格子の位相及び活性領域後端(遷移領域との境)にお
ける回折格子の位相が個々のDFB−LDにより異なっ
ても、SMSR等の特性は個体差が小さい。遷移領域が
ない場合は、活性領域とパッシブ導波路領域の境界で組
成が急峻に変化するから、活性領域とパッシブ導波路領
域の屈折率差により活性領域とパッシブ導波路領域の境
界で反射が僅かに生じ、遷移領域を設けた場合よりも活
性領域端の回折格子位相の影響を受け易く特性のばらつ
きが大きくなるので遷移領域を設けるのが望ましい。
【0017】本発明のDFB−LDではパッシブ導波路
領域Cは共振器内での光学的共振に位相ずれを生じさせ
ない反射端として働き、200μmの長さで実効的にH
Rコーティング端面と同等の反射率となっている。
【0018】図1のDFB−LDは、図2の工程に従っ
て、組成の異なる活性層を一括で形成できる選択MOV
PE法により作製した。なお、図2(b)、(f)にハ
ッチングを施した部分(SiO2膜にハッチングを施し
た)があるが、これは理解しやすくするために施したも
ので、断面を示すものではない。
【0019】図2によれば、先ず、図2(a)(平面
図)に示すように、電子ビーム露光法によりn型InP
基板1に回折格子10を形成する。回折格子のピッチΛ
は、上述したように、電流注入によりレーザ光を発生す
る活性領域Aとなる部分で240nm、パッシブ導波路
領域Cとなる部分では245nm、活性領域Aとパッシ
ブ導波路領域Cとの間の遷移領域Bに該当する部分では
240nmから245nmに徐々に変化している。活性
領域Aの中央には回折格子の位相がπずれたλ/4位相
シフト構造10aが導入されている。
【0020】次に、図2(b)(平面図)に示すよう
に、回折格子を形成したn型InP基板上にCVDによ
りSiO2膜を堆積した後、フォトリソグラフィにより
パターン化して一対のSiO2膜11から成るSiO2
スクを形成する。SiO2膜11の幅Wは、図に示すよ
うに、活性領域Aとパッシブ導波路領域Cで異なってい
て、活性領域Aでは25μm、パッシブ導波路領域Cで
は5μmで、遷移領域では25μmから5μmまで徐々
に狹くなっている。SiO2膜間の間隔d、即ち、Si
2マスクのストライプ状開口の幅dは活性領域Aから
パッシブ導波路領域Cの全領域に渡って1.5μmと
し、一定である。このSiO2膜10を選択成長マスク
としてn型InP基板上ストライプ状開口部に、図2
(c)(活性領域側の正面図)及び(d)(斜視図)に
示すように、選択MOCVDによりn型InGaAsP
層2、n型InPバッファ層3、活性導波路層4、p型
InPクラッド層5を順次積層してメサストライプ20
を形成する。ここで、活性導波路層4は、InGaAs
Pガイド層とMQW活性層とInGaAsPガイド層と
を順次積層した多層構造である。MQW活性層はInG
aAsP井戸層(層厚10nm)とInGaAsP障壁
層(層厚10nm)を交互に6層積層した構造である。
【0021】次いで、図2(e)(活性領域側の正面
図)、(f)(平面図)に示すように、メサストライプ
20に接したSiO2膜11の一部を除去してSiO2
膜11に開口部11aを設け、再度選択MOCVDを行
うことによって、図2(g)(活性領域側の正面図)に
示すように、p型InP埋め込み層6、p型InGaA
sキャップ層7を順次積層形成して活性導波路層4の上
部及び側面をp型InP埋め込み層6で埋め込んだ埋め
込み構造を形成する。この後、SiO2マスクを除去
し、CVDにより再度全面にSiO2膜12(図1
(b))を形成した後、活性領域Aのメサストライプ上
部のSiO2膜12をストライプ状に除去してストライ
プ状の開口を形成し、この開口部及びInP基板裏面に
Au/Ti電極8a、8bを形成した後、劈開、ARコ
ーティング形成の各工程を経て図1(a)、(b)に示
すDFB−LDが完成する。
【0022】製造したDFB−LDに100mAの電流
を注入してレーザ発振させたところ、前方光出力が20
mW以上の高光出力を得、両端面をARコーティングし
た通常のDFB−LD(以下、「AR/AR端DFB−
LD」と記す)よりも前方光出力を大きくとることがで
きた。また、光出力の前方出力/後方出力比は10倍と
なり、前端面をARコーティングし後端面をHRコーテ
ィングした通常のDFB−LD(以下、「AR/HR端
DFB−LD」と記す)と同様に前方光出力を大きくと
れた。
【0023】(第2の実施の形態)本実施形態のDFB
−LDは、図3(基板及び回折格子の形状のみ図示、そ
の他の構成は省略)に示すように、遷移領域Bからパッ
シブ導波路領域Cへ行くに従って、回折格子10の深さ
が徐々に変化し、結合係数κがパッシブ導波路領域Cで
活性領域Aの約3倍で、κ=0.009μm-1となって
いる。この他の点、例えば、回折格子ピッチ、半導体層
の積層構造、組成、層厚、ストライブ構造等、は第1実
施形態と同じ構成とした。本実施形態のDFB−LD
は、パッシブ導波路領域の結合係数κが大きいので、パ
ッシブ導波路領域Cにおける反射効率が向上する。この
結果、パッシブ導波路領域Cの長さを短くすることが出
来る。本実施形態では、パッシブ導波路領域Cの長さが
100μmでHRコーティングを施した端面と同等の実
効的反射率となり、全素子長を500μmと第1実施形
態よりも短くできた。本実施形態においては、第1実施
形態と同様に、大きな前方光出力と良品歩留りを得ると
共に、素子長が短くなった分、1ウェハからの収量をさ
らに増加させることができた。
【0024】
【発明の効果】本発明は、対称λ/4DFB−LDの後
方に分布ブラッグ反射器として機能するパッシブ導波路
領域を付設し、後方反射率を実効的に大きくして前方光
出力を向上している。また、前方端面にARコーティン
グを施すと共に、後方端面にHRコーティングを施す替
わりにパッシブ導波路領域を付設して、パッシブ導波路
領域を分布ブラッグ反射器として機能させ、無反射端面
と等価な構造、即ち、実質的なAR/AR端対称λ/4
DFB−LD構造としているため、優れたSMSR特性
を有すると共に、実質的に、SMSRに関するレーザ特
性が端面の回折格子の位相に影響されない構造になって
いる。このため、端面における回折格子の位相が個々の
DFB−LDにより異なっても、共振縦主モードとその
他の縦共振モードとの閾値利得差、SMSR等のレーザ
特性は個体差が小さい。この結果、SMSRは個々のD
FB−LDにより種々ばらつくことがなく、1ウェハか
ら採れる、良好なSMSR特性を有するDFB−LDの
収量が増加し、SMSR歩留まりが向上する。因みに、
上記実施形態においては、2インチウェハから2000
個以上の良品を採ることが実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の縦断面図及び前方端面
正面図。
【図2】 本発明のDFB−LDの製造過程を示す
図。
【図3】 本発明の第2実施形態の回折格子形状を示
す縦断面図。
【符号の説明】
1 InP基板 2 InGaAsP層 3 InPバッファ層 4 活性導波路層 5 InPクラッド層 6 InP埋め込み層 7 InGaAsキャップ層 8a、8b 電極 9 ARコーティング 10 回折格子 10a λ/4位相シフト 11 SiO2膜 12 SiO2膜 20 メサストライプ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電流注入によりレーザ光を発生する活性
    層を含む活性導波路層及び回折格子を内包した多層半導
    体層を有し、前記多層半導体層は電流が注入される活性
    領域と、電流が注入注入されないパッシブ導波路領域と
    を有し、前記活性領域は、当該活性領域の回折格子の一
    部にλ/4位相シフト構造を有し、前記パッシブ導波路
    領域は、前記活性導波路層の実効的バンドギャップエネ
    ルギーが前記活性領域の活性導波路層の実効的バンドギ
    ャップエネルギーよりも大きく、且つ、当該パッシブ導
    波路領域における回折格子の光学的ピッチが前記活性領
    域の回折格子の光学的ピッチに等しいことを特徴とした
    半導体レーザ
  2. 【請求項2】 回折格子の結合係数が全領域で一様であ
    ることを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ。
  3. 【請求項3】 パッシブ導波路領域における回折格子の
    結合係数が活性領域における回折格子の結合係数よりも
    大きいことを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ。
  4. 【請求項4】 活性領域とパッシブ導波路領域の間に遷
    移領域を備え、前記遷移領域は、前記活性領域から前記
    パッシブ導波路領域に行くに従い活性導波路層の組成が
    前記活性領域の組成から前記パッシブ導波路領域の組成
    に徐々に変化し、且つ、回折格子のピッチが活性領域に
    おける回折格子のピッチからパッシブ導波路領域におけ
    る回折格子のピッチに徐々に変化していることを特徴と
    する請求項1〜3の何れかに記載の半導体レーザ。
  5. 【請求項5】 電流注入によりレーザ発振する活性領域
    となる部分と電流が注入されないパッシブ導波路領域と
    なる部分のピッチが異なり、且つ、前記活性領域となる
    部分の一部にλ/4位相シフト構造を有する回折格子を
    半導体基板に形成する工程と、開口幅が一様のストライ
    プ状の開口を有する誘電体膜で成り、且つ、前記活性領
    域となる部分と前記パッシブ導波路領域となる部分で誘
    電体膜の幅が異なる誘電体マスクを半導体基板上に形成
    する工程と、電流注入によりレーザ光を発生する活性層
    を含む活性導波路層を有する多層半導体層を前記誘電体
    マスク開口部に選択成長することで活性領域となる多層
    半導体層とパッシブ導波路領域となる多層半導体層を同
    時に一括して成長してメサストライプを形成する工程
    と、前記誘電体マスクの前記メサストライプに隣接した
    部分を除去して前記メサストライプに隣接した開口を前
    記誘電体マスクに形成する工程と、前記メサストライプ
    に隣接した開口及び前記メサストライプ上に半導体層を
    選択成長して前記メサストライプを半導体層で埋め込む
    工程と、前記メサストライプを埋め込んだ前記半導体層
    の前記活性領域に該当する部分に電極を形成する工程と
    を含むことを特徴とする半導体レーザの製造方法。
  6. 【請求項6】 誘電体マスク形成工程で形成される誘電
    体マスクが、開口幅が一様のストライプ状の開口を有す
    る誘電体膜で成り、且つ、活性領域となる部分と前記パ
    ッシブ導波路領域となる部分で誘電体膜の幅が異なると
    共に、前記活性領域となる部分と前記パッシブ導波路領
    域となる部分との境の誘電体膜幅がテーパー状に徐々に
    変化している誘電体マスクである請求項5記載の半導体
    レーザの製造方法。
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