JP2019091806A - 半導体レーザ - Google Patents

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絵理奈 菅野
Erina Sugano
絵理奈 菅野
浩司 武田
Koji Takeda
浩司 武田
硴塚 孝明
Takaaki Kakizuka
孝明 硴塚
松尾 慎治
Shinji Matsuo
慎治 松尾
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Abstract

【課題】安定した単一モード発振が可能な両側に分布ブラッグ反射鏡領域を設けた位相シフト分布帰還型レーザにおけるしきい値利得の上昇を抑制する。【解決手段】分布帰還活性領域131と、分布帰還活性領域131に連続して配置された2つ分布ブラッグ反射鏡領域132a,132bとを備える。分布帰還活性領域131は、第1回折格子121が形成された活性層103を備える。分布ブラッグ反射鏡領域132a,132bは、第2回折格子122a,122bが形成されたコア層113a,113bを備える。第2回折格子122aおよび第2回折格子122bの凹凸の段差を、第1回折格子121の凹凸の段差より大きくしている。【選択図】 図1

Description

本発明は、光送信器用光源などに利用される半導体レーザに関する。
現在、波長分割多重(Wavelength Division Multiplexing:WDM)方式による光ファイバ通信の高速化、大容量化の要求に対し、様々な波長多重光源が開発されている。この要求の実現には、光源となるレーザの単一モード発振や、発振波長制御などが重要となる。例えば、単一モード発振を実現する技術としては、位相シフト分布帰還型(Distributed Feedback:DFB)レーザがある(非特許文献1参照)。
位相シフトDFBレーザは、回折格子が位相を途中で反転させる(位相シフト)構造となっており、回折格子のブラッグ波長で発振させることができる。ブラッグ波長は、回折格子の周期で決定される。回折格子は、電子線リソグラフィー技術を用いて作製することにより、周期が精度よく制御できる。
しかしながら、上述した位相シフトDFBレーザでは、発振光が素子の両端から出射するため、リングフィルタなどによる集積を行う場合、一方の端部から出射する光は使われないことになり、光を半分損失することになる。
上述した問題を解消するために、位相シフトDFBレーザの一方の端部に、高反射率の分布ブラッグ反射(Distributed Bragg Reflector;DBR)を接続し、他方の端部から光を出射する構成とした分布反射型( Distributed Reflector;DR)レーザが提案されている(非特許文献2参照)。
また、位相シフトDFBレーザの両方の端部に各々DBRを設け、一方のDBRに対して他方のDBRの反射率を低くし、他方のDBRから光を出射させるDRレーザも提案されている(非特許文献3参照)。片側のみにDBRを設けた構成に比較し、両側にDBRを設ける構成では、発振しきい値利得を下げることができ、損失が大きい短共振器レーザの発振に有利となる。
K. Utaka et al., "l/4-Shifted InGaAsP/InP DFB Lasers", IEEE Journal of Quantum Electrons, Vol. QE-22, No. 7, pp. 1042-1051, 1986. K. Ohira et al., "GaInAsP/InP distributed reflector laser with phase-shifted DFB and quantum-wire DBR sections", IEEE Electronic Express, Vol. 2, No. 11, pp. 356-361, 2005. K. Otsubo et al., "Low-Driving-Current High-Speed Direct Modulation up to 40 Gb/s Using 1.3-um Semi-Insulating Buried-Heterostructure AlGaInAs-MQW Distributed Reflector (DR) Lasers", OSA/OFC/NFOEC, OThT6, 2009.
ところで、上述した半導体レーザの技術を用いた波長多重光源によるWDMを、メトロネットワークだけではなく、チップ間のような短距離通信の光インターコネクトへ導入する試みが検討されている。
しかしながら、この技術においては、チップ間光インターコネクトに適するような光源が現在報告されていないことが、課題の1つとなっている。このため、現在、両側にDBRを設けた位相シフトDFBレーザ(両側DRレーザ)において、消費電力を低くするために、DFBの活性領域(活性層)の、導波方向の長さを短くした構成が期待されている。
ただし、活性層を短くすると、光の出射による損失(ミラー損)が増加し、両端のDBRにおける反射率が大きくなければ発振条件を満たさなくなる。回折格子における反射率は、結合係数と長さの積によって決まり、この値が大きくなるほど反射率は大きくなる。しかし、回折格子に位相シフトを備える位相シフトDFBレーザでは、反射率を大きくすると位相シフト部に電場が局在し(空間的ホールバーニング)、発振モードが不安定になり、変調特性の劣化を招くという問題がある。このため、回折格子の結合係数が同じであれば、DFBレーザや片側DRレーザよりも発振しきい値利得を低くすることができる両側DRレーザが、活性層長が短い位相シフトDFBレーザの発振に有利である。
しかしながら、両側DRレーザは、両側に回折格子を配置するため、他の形態より回折格子の数が増えることになる。回折格子においては、反射面における乱反射などによる光学的な損失がある。回折格子の数が多い両側DRレーザでは、共振器における回折格子による損失が多くなるため、しきい値利得が上昇しやすいという問題がある。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、安定した単一モード発振が可能な両側に分布ブラッグ反射鏡領域を設けた位相シフト分布帰還型レーザにおけるしきい値利得の上昇が抑制できるようにすることを目的とする。
本発明に係る半導体レーザは、基板の上に形成された活性層と、活性層に形成されて位相シフト部を備える第1回折格子とを有する分布帰還活性領域と、活性層を導波方向に挟んで活性層に連続して形成されて、活性層とは異なる屈折率の2つのコア層と、各々のコア層に形成された第2回折格子とを有して導波方向に分布帰還活性領域を挟んで分布帰還活性領域に連続して配置された2つの分布ブラッグ反射鏡領域とを備え、第2回折格子の結合係数は、第1回折格子の結合係数より高い。
上記半導体レーザにおいて、第1回折格子は、活性層の側面に形成され、第2回折格子は、コア層の側面に形成されているようにしてもよい。
上記半導体レーザにおいて、第2回折格子の凹凸の段差を、第1回折格子の凹凸の段差より大きくすることで、第2回折格子の結合係数を、第1回折格子の結合係数より高くする。
上記半導体レーザにおいて、第1回折格子の凹部を埋める第1充填層と、第2回折格子の凹部を埋める第2充填層とを備え、第1充填層の屈折率と第2充填層の屈折率とは異なるものとすることで、第2回折格子の結合係数を、第1回折格子の結合係数より高くする。
上記半導体レーザにおいて、第1回折格子の凹凸のデューティー比の0.5からのずれは、第2回折格子の凹凸のデューティー比の0.5からのずれより大きいものとすることで、第2回折格子の結合係数を、第1回折格子の結合係数より高くする。
以上説明したように、本発明によれば、第2回折格子の結合係数を第1回折格子の結合係数より高くしたので、安定した単一モード発振が可能な両側にDBRを設けた位相シフト分布帰還型レーザにおけるしきい値利得の上昇が抑制できるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態1における半導体レーザの構成を示す構成図である。 図2Aは、本発明の実施の形態1における半導体レーザのより詳細な構成を示す斜視図である。 図2Bは、本発明の実施の形態1における半導体レーザの構成を示す断面図である。 図2Cは、本発明の実施の形態1における半導体レーザの構成を示す断面図である。 図3Aは、本発明の実施の形態1における半導体レーザの製造途中の状態を示す構成図である。 図3Bは、本発明の実施の形態1における半導体レーザの製造途中の状態を示す構成図である。 図3Cは、本発明の実施の形態1における半導体レーザの製造途中の状態を示す構成図である。 図3Dは、本発明の実施の形態1における半導体レーザの製造途中の状態を示す構成図である。 図3Eは、本発明の実施の形態1における半導体レーザの製造途中の状態を示す構成図である。 図3Fは、本発明の実施の形態1における半導体レーザの製造途中の状態を示す構成図である。 図4Aは、回折格子の損失としきい値利得(Γgth)の関係を示す特性図である。 図4Bは、回折格子の損失と長さを10μmとした分布ブラッグ反射鏡領域における透過率との関係を示す特性図である。 図5Aは、本発明の実施の形態2における半導体レーザの構成を示す断面図である。 図5Bは、本発明の実施の形態2における半導体レーザの構成を示す断面図である。 図6は、本発明の実施の形態3における半導体レーザの構成を示す構成図である。 図7は、本発明の実施の形態4における半導体レーザの構成を示す構成図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1における半導体レーザについて、図1を参照して説明する。この半導体レーザは、分布帰還活性領域131と、分布帰還活性領域131に連続して配置された2つ分布ブラッグ反射鏡領域132a,132bとを備える。この半導体レーザは、いわゆるDRレーザである。分布ブラッグ反射鏡領域132aおよび分布ブラッグ反射鏡領域132bは、導波方向に分布帰還活性領域131を挟んで分布帰還活性領域131に連続して配置されている。
分布帰還活性領域131は、第1回折格子121が形成された活性層103を備える。第1回折格子121は、位相シフト(λ/4シフト)部121aを備える。位相シフト部121aは、第1回折格子121のブラッグ波長が均一となるように設定する。なお、この例では、活性層103の上に第1回折格子121が形成されている。また、分布ブラッグ反射鏡領域132aは、第2回折格子122aが形成されたコア層113aを備える。同様に、分布ブラッグ反射鏡領域132bは、第2回折格子122bが形成されたコア層113bを備える。
加えて、本発明の半導体レーザは、第2回折格子122aおよび第2回折格子122bの結合係数が、第1回折格子121の結合係数より高いものとされている。実施の形態1では、第2回折格子122aおよび第2回折格子122bの凹凸の段差を、第1回折格子121の凹凸の段差より大きくすることで、上述した結合係数の関係としている。なお、実施の形態1において、位相シフト部121aは、第1回折格子121の中央部に配置されている。
以下、実施の形態における半導体レーザについて、図2A,図2B,図2Cを参照してより詳細に説明する。
分布帰還活性領域131、分布ブラッグ反射鏡領域132a,132bは、同一の基板101の上に形成されている。分布帰還活性領域131は、活性層103に接して形成されたn型半導体層105およびp型半導体層106を備える。この例では、基板101の平面方向に、n型半導体層105およびp型半導体層106が配置され、これらは、活性層103の側面に接して形成されている。また、n型半導体層105に電気的に接続するn型電極107と、p型半導体層106に電気的に接続するp型電極108とを備える。この例では、基板101の平面方向(横方向)に電流が注入される。なお、n型半導体層105の上に、より高濃度にn型不純物が導入されたn型コンタクト層を介してn型電極107を形成してもよい。同様に、p型半導体層106の上に、より高濃度にp型不純物が導入されたp型コンタクト層を介してp型電極108を形成してもよい。
分布ブラッグ反射鏡領域132aにおいて、コア層113aは、活性層103に連続して形成されている。また、分布ブラッグ反射鏡領域132bにおいて、コア層113bは、活性層103に連続して形成されている。また、この例では、コア層113aの上に第2回折格子122aが形成され、コア層113bの上に第2回折格子122bが形成されている。
なお、基板101の上には、下部クラッド層102が形成され、この上に、活性層103が形成されている。コア層113a,113bも下部クラッド層102の上に形成されている。また、活性層103は、基板101から見て上下の方向に、半導体層104a,半導体層104bに挾まれている。また、半導体層104a,活性層103,半導体層104bの積層構造が、n型半導体層105およびp型半導体層106に挾まれている。p型半導体層106およびn型半導体層105は、基板101の平面に平行な方向で活性層103を挾んで形成されている。
ここでは、半導体層104aの上に接して活性層103が形成され、活性層103の上に接して半導体層104bが形成されている。また、半導体層104a,活性層103,半導体層104bの積層構造の側部に接し、n型半導体層105およびp型半導体層106が形成されている。なお、分布ブラッグ反射鏡領域132aにおいて、n型半導体層105およびp型半導体層106は形成していない。
実施の形態における分布帰還活性領域131において、活性層103には、基板101の平面に平行な方向で電流が注入される。なお、分布ブラッグ反射鏡領域132a,132bにおいて、n型電極107およびp型電極108は形成していない。
また、活性層103は、光出射方向に所定の長さで延在し、この延在方向の分布帰還活性領域131において、活性層103の上に第1回折格子121が形成されている。なお、ここでは、半導体層104bの上面に第1回折格子121を形成している。また、このように延在している活性層103に連続してコア層113a,113bが形成されている。第2回折格子122aは、コア層113aの上面に形成し、第2回折格子122bは、コア層113bの上面に形成している。実施の形態1において、第2回折格子122aおよび第2回折格子122bの凹凸の段差は、第1回折格子121の凹凸の段差より大きくする。
また、図2Aでは省略しているが、半導体レーザは、出力端面に、図示しない無反射膜が形成されている。
基板101は、例えば、シリコンから構成されている。下部クラッド層102は、例えば、酸化シリコン(SiO2)から構成され、厚さ2μmとされている。また、活性層103は、例えば、InGaAsPからなる井戸層とバリア層が交互に積層された厚さ150nmの量子井戸構造とされている。また、活性層103は、幅0.7μm程度とされている。また、半導体層104a,活性層103,半導体層104bを合わせた厚さは、250nmとされている。なお、n型半導体層105およびp型半導体層106も、各々厚さ250nmとされている。量子井戸構造とされている活性層103の発光波長は、1.55μmである。また、第1回折格子121は、ブラッグ波長が1.55μmとされている。
また、例えば、半導体層104a,半導体層104bは、アンドープのInP(i−InP)から構成されている。また、活性層103を挾む、一方のn型半導体層105は、Siが1×1018cm-3程度ドープされたn型のInP(n−InP)から構成され、他方のp型半導体層106は、Znが1×1018cm-3程度ドープされたp型のInP(p−InP)から構成されている。
また、コア層113a,113bは、アンドープのInP(i−InP)から構成され、幅1.5μm程度とされ、厚さは、250nmとされている。なお、図示していないが、n型コンタクト層、p型コンタクト層は、例えば、InGaAsから構成すればよい。
上述した半導体レーザは、高屈折率なInPの層の下部は、低屈折率な酸化シリコンからなる下部クラッド層102が形成され、上部は、低屈折率な空気とされている。この結果、活性層103、コア層113a,113bへの強い光閉じ込めが実現され、レーザの低電力動作に有利である。また、回折格子がInPの層と空気の層と高い屈折率差により形成されるため、1000cm-1を超える高い結合係数を実現することができる。
以下、実施の形態における半導体レーザの製造方法について、図3A〜図3Fを用いて簡単に説明する。図3A〜図3Fは、実施の形態における半導体レーザの製造途中の状態を示す構成図であり、分布帰還活性領域131の断面を模式的に示している。
例えば、まず、酸化シリコンから構成された下部クラッド層102を備える基板(シリコン基板)101を用意する。例えば、基板101の主表面を熱酸化することで、下部クラッド層102を形成する。
一方で、InP基板の上に、InGaAsからなる犠牲層、半導体層104bとなる化合物半導体層154、活性層103となる化合物半導体層153、コア層113a,コア層113bとなる化合物半導体層をエピタキシャル成長させる。例えば、よく知られた有機金属気相成長法により、各層を成長させれば良い。
次いで、このエピタキシャル成長した基板の最上面と、前述した基板101の下部クラッド層102の表面とを公知のウエハ接合技術により直接接合し、この後、InP基板と犠牲層を除去する。この結果、図3Aに示すように、分布帰還活性領域131においては、基板101の上に、下部クラッド層102、化合物半導体層154、化合物半導体層153が形成された状態となる。
次いで、公知のフォトリソグラフィー技術により作製したレジストパタンをマスクとしたウエットエッチングおよびドライエッチングなどにより、成長させた化合物半導体層154,化合物半導体層153などをパターニングし、図3Bに示すように、半導体層104a、活性層103からなる分布帰還活性領域131のストライプ構造を形成する。分布ブラッグ反射鏡領域132a,132bは、図3Cに示すように、活性層103がない状態とする。なお、各パタンを形成した後は、レジストパタンを除去する。
次に、図3Dに示すように、形成した半導体層104a、活性層103の周囲より、アンドープのInPからなる化合物半導体層155を再成長させる。分布ブラッグ反射鏡領域132a,132bは、図3Eに示すように、化合物半導体層155が下部クラッド層102の上に形成された状態となる。
次いで、例えば、イオン注入法により、活性層103の両脇の領域に選択的にn型の不純物およびp型の不純物を導入することで、分布帰還活性領域131では、図3Fに示すように、n型半導体層105およびp型半導体層106を形成し、また、半導体層104bを形成する。この段階において、図示しない分布帰還活性領域131を挾む導波方向の領域には、化合物半導体層155が残っている。
次に、半導体層104bの表面に、第1回折格子121を形成する。例えば、電子ビーム露光によるリソグラフィーで形成したレジストパタンをマスクとし、所定のエッチングによりパターニングすることで、第1回折格子121を形成すれば良い。同様に、図示しない分布帰還活性領域131を挾む導波方向の領域の化合物半導体層155の、分布ブラッグ反射鏡領域132a,132bの領域において、第2回折格子122a,122bを形成する。
例えば、第1回折格子121の形成と、第2回折格子122a,122bの形成とは、異なる工程とすることで、第2回折格子122a,122bの凹凸の段差を、第1回折格子121の凹凸の段差より大きくなるように形成すればよい。なお、この段階では、コア層113a、コア層113bは形成されていない。
次に、分布帰還活性領域131を挾む導波方向の領域の化合物半導体層155を、前述同様にパターニングすることで、第2回折格子122a,122bを形成した部分にコア層113a、コア層113bを形成する。この構成によれば、電流注入のためのn型半導体層105およびp型半導体層106の形成に用いた化合物半導体層155で、分布ブラッグ反射鏡領域132a,132bのコア層113a、コア層113bを形成するので、工程が簡略化できる。この後、n型半導体層105の上にn型電極107を形成し、p型半導体層106の上にp型電極108を形成する。
上述した実施の形態における半導体レーザによれば、第2回折格子122a,122bの凹凸の段差を、第1回折格子121の凹凸の段差より大きくし、第2回折格子122a,122bの結合係数が、第1回折格子121の結合係数より高くなるようにしたので、回折格子の損失によるしきい値利得の上昇を抑えることができる。なお、分布帰還活性領域を挟む2つ分布ブラッグ反射鏡領域の導波方向の長さは、各々異なるものとしてもよい。この構成とすることで、短くした分布ブラッグ反射鏡領域の側からのみ光を取り出すことができる。
以下、実施の形態1における半導体レーザの、第1回折格子121で損失がある場合と、第2回折格子122a,122bで損失がある場合とについて、比較した結果について説明する。以下では、分布ブラッグ反射鏡領域132aの導波方向の長さを10μmとし、分布帰還活性領域131の導波方向の長さを20μmとし、分布ブラッグ反射鏡領域132bの導波方向の長さを50μmとする。
図4Aに、回折格子の損失としきい値利得(Γgth)の関係を示す。図4Aにおいて、(a)は、第1回折格子121で損失がある場合を示し、(b)は、第2回折格子122a,122bで損失がある場合を示している。回折格子の損失は、結合波理論において各回折格子領域に負の利得を与えることにより求めている。(b)は、第2回折格子122a,122bの結合係数は1100cm-1とし、第1回折格子121の結合係数は1000cm-1とした。また、図4Bに、回折格子の損失と長さを10μmとした分布ブラッグ反射鏡領域132aにおける透過率との関係を示す。
分布帰還活性領域131の第1回折格子121のみに損失を与えた場合[図4Aの(a)]、与えた損失の大きさに応じてしきい値利得は上昇する。これに対し、分布ブラッグ反射鏡領域132a,132bの第2回折格子122a,122bのみに損失を与えた場合[図4Aの(b)]、与えた損失の変化に対してしきい値利得に与える影響が少ない。また、分布ブラッグ反射鏡領域132a,132bに損失があっても透過率はほとんど変わらないため、光の取り出しに与える影響が少なく、レーザとして問題なく動作することが分かる。
以上の結果より、分布ブラッグ反射鏡領域132a,132bに損失があっても、しきい値利得への影響が少ないため、分布帰還活性領域131における結合係数を下げて損失を抑え、この代わりに同じ反射率を得るために分布ブラッグ反射鏡領域132a,132bにおける結合係数を上げた方が、両者における結合係数が同じ構造よりもしきい値利得の上昇を抑えることができるということが分かる。
[実施の形態2]
上述した実施の形態1では、分布帰還活性領域の活性層の上、分布ブラッグ反射鏡領域のコア層の上に回折格子を形成したが、これに限るものではなく、これらの導波方向側面に回折格子が形成されていてもよい。以下、導波方向側面に回折格子を形成した本発明の実施の形態2における半導体レーザについて、図5A、図5Bを用いて説明する。
まず、分布帰還活性領域231では、n型の半導体からなる基板201の上に、活性層202が形成されている。また、活性層202の上には、p型半導体層203が形成されている。また、活性層202およびp型半導体層203の導波方向側面には、第1回折格子221が形成されている。図示していないが、第1回折格子221に位相シフト部が設けられている。また、基板201の裏面には、n型電極204が形成され、p型半導体層203の上には、p型電極205が形成されている。
また、図5Bに示すように、分布ブラッグ反射鏡領域232aでは、基板201の上に、アンドープの半導体からなるコア層212aが形成されている。また、コア層212aの導波方向側面には、第2回折格子222aが形成されている。
上述したように、導波方向側面に回折格子を設けることで、p型半導体層203および基板(n型半導体層)201で活性層202の上下を挟み、基板201の平面に垂直な方向に電流注入する構成とすることができる。
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3における半導体レーザついて図6を参照して説明する。この半導体レーザは、分布帰還活性領域331と、分布帰還活性領域331に連続して配置された2つ分布ブラッグ反射鏡領域332a,332bとを備える。これらは、基板301の上に形成されている。この半導体レーザは、いわゆるDRレーザである。分布ブラッグ反射鏡領域332aおよび分布ブラッグ反射鏡領域332bは、導波方向に分布帰還活性領域331を挟んで分布帰還活性領域331に連続して配置されている。
分布帰還活性領域331は、第1回折格子321が形成された活性層303を備える。第1回折格子321は、位相シフト部321aを備える。位相シフト部321aは、第1回折格子321のブラッグ波長が均一となるように設定する。なお、この例では、活性層303の上に第1回折格子321が形成されている。また、分布ブラッグ反射鏡領域332aは、第2回折格子322aが形成されたコア層313aを備える。同様に、分布ブラッグ反射鏡領域332bは、第2回折格子322bが形成されたコア層313bを備える。
加えて、実施の形態3では、第2回折格子322a,322bの結合係数を、第1回折格子321の結合係数より高いものとするために、第1回折格子321の凹部を埋める第1充填層309aと、第2回折格子322a,322bの凹部を埋める第2充填層309bとを備えるようにしている。また、第1充填層309aの屈折率と第2充填層309bの屈折率とは異なるものとしている。
実施の形態3では、第2回折格子322a,322bの凹凸の段差と、第1回折格子321の凹凸の段差とを等しくしているが、第1充填層309aの屈折率と第2充填層309bの屈折率とは異なるものとしている。この構成とすることで、第2回折格子322aおよび第2回折格子322bの結合係数を、第1回折格子321の結合係数より高いものとしている。
[実施の形態4]
次に、本発明の実施の形態4における半導体レーザについて図7を参照して説明する。この半導体レーザは、分布帰還活性領域431と、分布帰還活性領域431に連続して配置された2つ分布ブラッグ反射鏡領域432a,432bとを備える。これらは、基板401の上に形成されている。この半導体レーザは、いわゆるDRレーザである。分布ブラッグ反射鏡領域432aおよび分布ブラッグ反射鏡領域432bは、導波方向に分布帰還活性領域431を挟んで分布帰還活性領域431に連続して配置されている。
分布帰還活性領域431は、第1回折格子421が形成された活性層403を備える。第1回折格子421は、位相シフト部421aを備える。位相シフト部421aは、第1回折格子421のブラッグ波長が均一となるように設定する。なお、この例では、活性層403の上に第1回折格子421が形成されている。また、分布ブラッグ反射鏡領域432aは、第2回折格子422aが形成されたコア層413aを備える。同様に、分布ブラッグ反射鏡領域432bは、第2回折格子422bが形成されたコア層413bを備える。
加えて、実施の形態3では、第2回折格子422a.422bの結合係数を、第1回折格子421の結合係数より高いものとするために、第1回折格子421の凹凸のデューティー比の0.5からのずれを、第2回折格子422a.422bの凹凸のデューティー比の0.5からのずれより大きいものとしている。回折格子のデューティー比が0.5からずれるほど、結合係数は小さくなる。上述したように構成することで、第1充填層309aの屈折率と第2充填層309bの屈折率とは異なるものとすることで、第2回折格子422aおよび第2回折格子422bの結合係数を、第1回折格子421の結合係数より高いものとすることができる。
以上に説明したように、本発明によれば、分布ブラッグ反射鏡領域の第2回折格子の結合係数を、分布帰還活性領域の第1回折格子の結合係数より高くしたので、安定した単一モード発振が可能な両側にDBRを設けた位相シフト分布帰還型レーザにおける、回折格子の損失によるしきい値利得の上昇が抑制できるようになる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。例えば、導波路構造はリッジ型、ハイメサ型の導波路構造に適用可能である。また、上述では、基板をInPから構成したが、これに限らず、GaAs、GaNなどの半導体から構成してもよい。また、活性層は、InGaAsPに限らず、InGaAlAsやAlGaAs、InGaNなどの半導体から構成してもよいことは言うまでもない。
101…基板、102…下部クラッド層、103…活性層、104a…半導体層、104b…半導体層、105…n型半導体層、106…p型半導体層、107…n型電極、108…p型電極、113a,113b…コア層、121…第1回折格子、121a…位相シフト部、122a,122b…第2回折格子、131…分布帰還活性領域、132a,132b…分布ブラッグ反射鏡領域。

Claims (5)

  1. 基板の上に形成された活性層と、
    前記活性層に形成されて位相シフト部を備える第1回折格子と
    を有する分布帰還活性領域と、
    前記活性層を導波方向に挟んで前記活性層に連続して形成されて、前記活性層とは異なる屈折率の2つのコア層と、
    各々の前記コア層に形成された第2回折格子と
    を有して導波方向に前記分布帰還活性領域を挟んで前記分布帰還活性領域に連続して配置された2つの分布ブラッグ反射鏡領域と
    を備え、
    前記第2回折格子の結合係数は、前記第1回折格子の結合係数より高い
    ことを特徴とする半導体レーザ。
  2. 請求項1記載の半導体レーザにおいて、
    前記第1回折格子は、前記活性層の側面に形成され、
    前記第2回折格子は、前記コア層の側面に形成されている
    ことを特徴とする半導体レーザ。
  3. 請求項1または2記載の半導体レーザにおいて、
    前記第2回折格子の凹凸の段差は、前記第1回折格子の凹凸の段差より大きくされている
    ことを特徴とする半導体レーザ。
  4. 請求項1または2記載の半導体レーザにおいて、
    前記第1回折格子の凹部を埋める第1充填層と、
    前記第2回折格子の凹部を埋める第2充填層と
    を備え、
    前記第1充填層の屈折率と前記第2充填層の屈折率とは異なる
    ことを特徴とする半導体レーザ。
  5. 請求項1または2記載の半導体レーザにおいて、
    前記第1回折格子の凹凸のデューティー比の0.5からのずれは、前記第2回折格子の凹凸のデューティー比の0.5からのずれより大きい
    ことを特徴とする半導体レーザ。
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