JP2002347596A - 車輌用制動制御装置 - Google Patents
車輌用制動制御装置Info
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Abstract
りホイールシリンダ圧力を正確に制御する。 【解決手段】 運転者の制動操作量に応じて各車輪の目
標ホイールシリンダ圧力Ptiが演算され(S20)、ア
ンチスキッド制御が必要であるときにはスリップを低減
するための目標ホイールシリンダ圧力Ptiが演算され
(S30〜80)、目標ホイールシリンダ圧力Ptiと実
際のホイールシリンダ圧力Piとの偏差に基づきリニア
弁に対する目標駆動電流Itが演算され(S100)、
リニア弁に通電される実駆動電流Imに対する目標駆動
電流Itの比RoがNサイクル演算され、それらの平均値
が特性ずれを補償するための補正係数Rrとして演算さ
れ、目標駆動電流Itが補正係数Rrにて補正され、補正
後の目標駆動電流Itaに基づきリニア弁が制御される
(S130、160)。
Description
置に係り、更に詳細にはリニア弁によりホイールシリン
ダ圧力を増減制御することにより制動制御を行う車輌の
制動制御装置に係る。
して、例えば本願出願人の一方の出願にかかる特開平4
−63755号公報に記載されている如く、差圧制御弁
によりホイールシリンダ圧力を増減制御することにより
アンチスキッド制御を行うよう構成された制動制御装置
が従来より知られている。
に対する制御電流を制御することによりホイールシリン
ダ圧力をリニアに増減制御することができるので、増減
圧制御弁が開閉弁であり開閉弁が断続的に開閉制御され
る場合に比して、制動制御時に発生する異音を低減する
ことができ、またキックバックを低減することができ
る。
ンダ圧力をリニアに増減制御する制御弁、特にリニア弁
は開閉弁に比して温度変化等による特性の変化、例えば
制御弁への指令駆動電流に対する開弁特性の変化が大き
いため、ホイールシリンダ圧力を正確に制御するために
は制御弁の特性のずれが補償されなければならない。し
かるに上述の従来の制動制御装置に於いては、制御弁の
特性ずれの補償については考慮されておらず、従ってホ
イールシリンダ圧力を正確に制御してアンチスキッド制
御の如き車輌の制動制御性能を向上させるためには、こ
の点に於いて改善の余地がある。
に増減制御するよう構成された従来の車輌の制動制御装
置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであ
り、本発明の主要な課題は、ホイールシリンダ圧力をリ
ニアに増減する制御弁としてリニア弁が使用される場合
に於いて、リニア弁の特性ずれを補償することにより、
リニア弁の特性ずれに拘わらずリニア弁によりホイール
シリンダ圧力を正確に制御することである。
発明によれば、請求項1の構成、即ち各車輪に対応して
設けられたホイールシリンダに対する作動液体の給排を
制御することによりホイールシリンダ圧力を増減するリ
ニア弁と、車輌の状態に応じて前記リニア弁に対する駆
動電流を制御することによりホイールシリンダ圧力を制
御する制御手段とを有する車輌用制動制御装置に於い
て、前記リニア弁に対する目標駆動電流と実駆動電流と
の偏差に基づき前記リニア弁の特性ずれの補償を行う補
償手段を有し、前記補償手段は前記偏差が所定の許容範
囲外であるときには前記補償手段による補償に対する前
記偏差の寄与度合を低減する寄与度合低減手段を有する
ことを特徴とする車輌用制動制御装置によって達成され
る。
対する目標駆動電流と実駆動電流との偏差に基づきリニ
ア弁の特性ずれの補償が行われるので、リニア弁の特性
ずれに拘わらずリニア弁を正確に制御することが可能に
なり、また目標駆動電流と実駆動電流との偏差が所定の
許容範囲外であるときには特性ずれの補償に対する前記
偏差の寄与度合が低減されるので、ノイズ等に起因する
不適切な偏差に基づきリニア弁の特性ずれが不適切に補
償されることが確実に防止される。
効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前
記補償手段は推定される前記リニア弁の温度変化に応じ
て前記所定の許容範囲を可変設定するよう構成される
(請求項2の構成)。
は推定されるリニア弁の温度変化に応じて可変設定され
るので、所定の許容範囲が一定である場合に比してリニ
ア弁の特性ずれの補償が正確に行われる。
効果的に達成すべく、上記請求項1又は2の構成に於い
て、前記補償手段は前記偏差を所定の時間毎に演算し、
複数の前記偏差の平均値に基づき目標駆動電流を補正す
ることにより前記リニア弁の特性ずれの補償を行うよう
構成される(請求項3の構成)。
流と実駆動電流との偏差が所定の時間毎に演算され、複
数の前記偏差の平均値に基づき目標駆動電流が補正され
ることによりリニア弁の特性ずれの補償が行われるの
で、目標駆動電流と実駆動電流との一つの偏差に基づき
目標駆動電流が補正される場合に比して、リニア弁の特
性ずれの補償が適切に行われる。
効果的に達成すべく、上記請求項1乃至4の構成に於い
て、前記寄与度合低減手段は前記偏差が所定の許容範囲
外であるときには前記補償手段による補償に対する前記
偏差の寄与度合を0に低減するよう構成される(請求項
4の構成)。
流と実駆動電流との偏差が所定の許容範囲外であるとき
には特性ずれの補償に対する前記偏差の寄与度合が0に
低減されるので、所定の許容範囲外の偏差に基づきリニ
ア弁の特性ずれの補償が不適切に行われることが確実に
防止される。
い態様によれば、上記請求項1の構成に於いて、目標駆
動電流と実駆動電流との偏差は実駆動電流に対する目標
駆動電流の比であるよう構成される(好ましい態様
1)。
ば、上記好ましい態様1の構成に於いて、補償手段は実
駆動電流に対する目標駆動電流の比を所定の時間毎に演
算し、複数の前記比の平均値を補償係数として演算し、
補償係数により目標駆動電流を補正するよう構成される
(好ましい態様2)。
ば、上記好ましい態様2の構成に於いて、寄与度合低減
手段は実駆動電流に対する目標駆動電流の比が所定の許
容範囲外であるときには当該比を除外して前記平均値を
演算することにより、特性ずれの補償に対する当該比の
寄与度合を0に低減するよう構成される(好ましい態様
3)。
ば、上記請求項1乃至4又は上記好ましい態様1乃至3
の構成に於いて、リニア弁は各車輪に対応して設けら
れ、特性ずれの補償は全てのリニア弁について行われる
よう構成される(好ましい態様4)。
ば、上記好ましい態様4の構成に於いて、各車輪のリニ
ア弁は増圧用のリニア弁と減圧用のリニア弁とよりなる
よう構成される(好ましい態様5)。
発明を好ましい実施形態について詳細に説明する。
一つの実施形態の油圧回路及び電子制御装置を示す概略
構成図である。尚図1に於いては、簡略化の目的で各弁
のソレノイドの図示は省略されている。
圧式のブレーキ装置を示しており、ブレーキ装置10は
運転者によるブレーキペダル12の踏み込み操作に応答
してブレーキオイルを圧送するマスタシリンダ14を有
している。ブレーキペダル12とマスタシリンダ14と
の間にはドライストロークシミュレータ16が設けられ
ている。
ダ室14Aと第二のマスタシリンダ室14Bとを有し、
これらのマスタシリンダ室にはそれぞれ前輪用のブレー
キ油圧供給導管18及び後輪用のブレーキ油圧制御導管
20の一端が接続されている。ブレーキ油圧制御導管1
8及び20の他端にはそれぞれ左前輪及び左後輪の制動
力を制御するホイールシリンダ22FL及び22RLが接続
されている。
にはそれぞれ常開型の電磁開閉弁(マスタカット弁)2
4F及び24Rが設けられ、電磁開閉弁24F及び24Rは
それぞれ第一のマスタシリンダ室14A及び第二のマス
タシリンダ室14Bと対応するホイールシリンダとの連
通を制御する遮断装置として機能する。またマスタシリ
ンダ14と電磁開閉弁24RLとの間のブレーキ油圧供給
導管20には常閉型の電磁開閉弁26を介してウェット
ストロークシミュレータ28が接続されている。
続されており、リザーバ30には油圧供給導管32の一
端が接続されている。油圧供給導管32の途中には電動
機34により駆動されるオイルポンプ36が設けられて
おり、オイルポンプ36の吐出側の油圧供給導管32に
は高圧の油圧を蓄圧するアキュムレータ38が接続され
ている。リザーバ30とオイルポンプ36との間の油圧
供給導管32には油圧排出導管40の一端が接続されて
いる。
32は、油圧制御導管42により電磁開閉弁24Fとホ
イールシリンダ22FLとの間のブレーキ油圧供給導管1
8に接続され、油圧制御導管44により右前輪用のホイ
ールシリンダ22FRに接続され、油圧制御導管46によ
り電磁開閉弁24Rとホイールシリンダ22RLとの間の
ブレーキ油圧供給導管20に接続され、油圧制御導管4
8により右後輪用のホイールシリンダ22RRに接続され
ている。
中にはそれぞれ常閉型の電磁式のリニア弁50FL、50
FR、50RL、50RRが設けられている。リニア弁50F
L、50FR、50RL、50RRに対しホイールシリンダ2
2FL、22FR、22RL、22RRの側の油圧制御導管4
2、44、46、48はそれぞれ油圧制御導管52、5
4、56、58により油圧排出導管40に接続されてお
り、油圧制御導管52、54、56、58の途中にはそ
れぞれ常閉型の電磁式のリニア弁60FL、60FR、60
RL、60RRが設けられている。
はそれぞれホイールシリンダ22FL、22FR、22RL、
22RRに対する増圧制御弁として機能し、リニア弁60
FL、60FR、60RL、60RRはそれぞれホイールシリン
ダ22FL、22FR、22RL、22RRに対する減圧制御弁
として機能し、従ってこれらのリニア弁は互いに共働し
てアキュムレータ38内より各ホイールシリンダに対す
る高圧のオイルの給排を制御する増減圧制御弁を構成し
ている。
制御導管44はそれぞれ対応するホイールシリンダ22
FL、22FRに近接した位置に於いて接続導管62Fによ
り互いに接続されている。接続導管62Fの途中には常
閉型の電磁開閉弁64Fが設けられ、電磁開閉弁64Fは
ホイールシリンダ22FLと22FRとの連通を制御する連
通制御弁として機能する。
輪の油圧制御導管48はそれぞれ対応するホイールシリ
ンダ22RL、22RRに近接した位置に於いて接続導管6
2Rにより互いに接続されている。接続導管62Rの途中
には常閉型の電磁開閉弁64Rが設けられ、電磁開閉弁
64Rはホイールシリンダ22RLと22RRとの連通を制
御する連通制御弁として機能する。
リンダ室14Aと電磁開閉弁24Fとの間のブレーキ油
圧制御導管18には該制御導管内の圧力を第一のマスタ
シリンダ圧力Pm1として検出する第一の圧力センサ66
が設けられている。同様に第二のマスタシリンダ室14
Bと電磁開閉弁24Rとの間のブレーキ油圧制御導管2
0には該制御導管内の圧力を第二のマスタシリンダ圧力
Pm2として検出する第二の圧力センサ68が設けられて
いる。第一及び第二のマスタシリンダ圧力Pm1、Pm2は
ブレーキペダル12に対する運転者の制動操作力に対応
する値として検出される。
変位量としてその踏み込みストロークStを検出するス
トロークセンサ70が設けられ、オイルポンプ34の吐
出側の油圧供給導管32には該導管内の圧力をアキュム
レータ圧力Paとして検出する圧力センサ72が設けら
れている。
ールシリンダ22FL及び22RLとの間のブレーキ油圧供
給導管18及び20には、対応する導管内の圧力をホイ
ールシリンダ22FL及び22RL内の圧力Pfl、Prlとし
て検出する圧力センサ74FL及び74RLが設けられてい
る。またそれぞれ電磁開閉弁50FR及び50RRとホイー
ルシリンダ22FR及び22RRとの間の油圧制御導管44
及び48には、対応する導管内の圧力をホイールシリン
ダ22FR及び22RR内の圧力Pfr、Prrとして検出する
圧力センサ74FR及び74RRが設けられている。
6、電動機34、リニア弁50FL、50FR、50RL、5
0RR、リニア弁60FL、60FR、60RL、60RR、電磁
開閉弁64F及び64Rは、後に詳細に説明する如く電子
制御装置76により制御される。電子制御装置76はマ
イクロコンピュータ78と駆動回路80とよりなってい
る。
には図1には示されていないバッテリより駆動回路80
を経て駆動電流が供給され、特に各電磁開閉弁、各リニ
ア弁及び電動機34に駆動電流が供給されない非制御時
には電磁開閉弁24F及び24R、電磁開閉弁64F及び
64Rは開弁状態に維持され、電磁開閉弁26、リニア
弁50FL、50FR、50RL、50RR、リニア弁60FL、
60FR、60RL、60RRは閉弁状態に維持される(非制
御モード)。
細に示されていないが例えば中央処理ユニット(CP
U)と、リードオンリメモリ(ROM)と、ランダムア
クセスメモリ(RAM)と、入出力ポート装置とを有
し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続さ
れた一般的な構成のものであってよい。
サ66及び68よりそれぞれ第一のマスタシリンダ圧力
Pm1及び第二のマスタシリンダ圧力Pm2を示す信号、ス
トロークセンサ70よりブレーキペダル12の踏み込み
ストロークStを示す信号、圧力センサ72よりアキュ
ムレータ圧力Paを示す信号、圧力センサ74FL〜74R
Rよりそれぞれホイールシリンダ22FL〜22RR内の圧
力Pi(i=fl、fr、rl、rr)を示す信号が入力される
ようになっている。
は示されていない車輪速度センサ82FL〜82RRより左
右前輪及び左右後輪の車輪速度Vwi(i=fl、fr、rl、
rr)を示す信号、前後加速度センサ84より車輌の前後
加速度Gxを示す信号、電流計86より各リニア弁に対
し通電される実際の駆動電流Imが入力されるようにな
っている。
4に示された制動力制御フローを記憶しており、上述の
圧力センサ66、68により検出されたマスタシリンダ
圧力Pm1、Pm2及びストロークセンサ70より検出され
た踏み込みストロークStに基づき運転者の制動要求量
を推定し、推定された制動要求量に基づき車輌の最終目
標減速度Gtを演算し、最終目標減速度Gtに基づき各車
輪の目標ホイールシリンダ圧力(図に於いては目標WC
圧力という)Pti(i=fl、fr、rl、rr)を演算し、目
標ホイールシリンダ圧力Ptiと実際のホイールシリンダ
圧力Piとの偏差に基づきリニア弁50FL〜50RR又は
60FL〜60RRに対する目標駆動電流Itを演算し、目
標駆動電流Itに基づき各リニア弁に駆動電流を通電す
ることにより各車輪のホイールシリンダ圧力が目標ホイ
ールシリンダ圧力Ptiになるよう制御する。
動制御モードが増圧モードであるときにはリニア弁50
FL、50FR、50RL、50RRの開弁量を目標ホイールシ
リンダ圧力Ptiに応じて制御し、制動制御モードが減圧
モードであるときにはリニア弁60FL、60FR、60R
L、60RRの開弁量を目標ホイールシリンダ圧力Ptiに
応じて制御し、制動制御モードが保持モードであるとき
にはリニア弁50FL〜50RR及び60FL〜60RRを閉弁
状態に維持する。
く各車輪速度Vwiに基づき当技術分野に於いて公知の要
領にて車体速度Vbを推定すると共に、各車輪について
推定車体速度Vbと車輪速度Vwiとの偏差として制動ス
リップ量SLi(i=fl、fr、rl、rr)を演算し、制動
スリップ量SLi等に基づき各車輪毎にアンチスキッド
制御(図に於いてはABS制御という)が必要であるか
否かを判定し、アンチスキッド制御が必要であるときに
は車輌の前後加速度に基づく車輌の減速度Gxb及び制動
スリップ量SLiに基づき当該車輪について目標ホイー
ルシリンダ圧力Ptiを演算する。
車輪について目標ホイールシリンダ圧力Ptiと実際のホ
イールシリンダ圧力Piとの偏差に基づき対応するリニ
ア弁に対する目標駆動電流Itを演算し、リニア弁を目
標駆動電流Itに基づき制御することによって各車輪の
ホイールシリンダ圧力が目標ホイールシリンダ圧力Pti
になるよう制御し、これによりアンチスキッド制御を行
って制動スリップ量を低減する。
コンピュータ78は車輌の減速度Gxb若しくは制動スリ
ップ量SLiが大きいほどホイールシリンダ圧力の目標
増減圧勾配ΔPti(i=fl、fr、rl、rr)の大きさが大
きくなるよう車輌の減速度Gxb及び制動スリップ量SL
iに基づきホイールシリンダ圧力の目標増減圧勾配ΔPt
iを演算し、前回の目標ホイールシリンダ圧力をPtfiと
し図2に示されたルーチンのサイクルタイムをΔTとし
て、アンチスキッド制御の開始時には下記の式1に従っ
て、またアンチスキッド制御の開始時以降はアンチスキ
ッド制御の終了条件が成立するまで下記の式2に従って
当該車輪の目標ホイールシリンダ圧力Ptiを演算する。 Pti=Pi+ΔPtiΔT……(1) Pti=Ptfi+ΔPtiΔT……(2)
細に説明する如く、各リニア弁についてリニア弁に対す
る目標駆動電流It及び実駆動電流Imに基づきリニア弁
の温度変化などに起因するリニア弁の特性ずれを補償す
るための補償係数Rrを演算し、目標駆動電流Itを補償
係数Rrにて補正することにより補正後の目標駆動電流
Itaを演算し、リニア弁のソレノイドのデフォルトの抵
抗値をRsとし、図には示されていない電源の電圧をEb
とし、スイッチング周波数をFsとして下記の式3に従
ってデューティオン時間Donを演算し(図4参照)、デ
ューティオン時間Donを示す信号を駆動回路80のFE
TMOSSへ出力することにより、対応するリニア弁を
補正後の目標駆動電流Itaに基づき駆動する。 Don={Ita/(Eb/Rs)}/Fs ……(3)
の圧力が予め設定された下限値以上であって上限値以下
の圧力に維持されるよう、圧力センサ72により検出さ
れたアキュムレータ圧力Paに基づき必要に応じて電動
機34を駆動してオイルポンプ36を作動させる。
して図示の実施形態に於ける制動制御ルーチンについて
説明する。図2に示されたフローチャートによる制御は
図には示されていないイグニッションスイッチの閉成に
より開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。
センサ66及び68により検出された第一のマスタシリ
ンダ圧力Pm1及び第二のマスタシリンダ圧力Pm2を示す
信号等の読み込みが行われ、ステップ20に於いては例
えば踏み込みストロークStに基づき目標減速度Gstが
演算され、第一のマスタシリンダ圧力Pm1及び第二のマ
スタシリンダ圧力Pm2の平均値Pmaに基づき目標減速度
Gptが演算され、目標減速度Gst及びGptに基づき車輌
の最終目標減速度Gtが演算され、最終目標減速度Gtに
基づき各車輪の目標ホイールシリンダ圧力Ptiが演算さ
れる。尚図2には示されていないが、制御の開始時には
電磁開閉弁26が開弁され、電磁開閉弁24F、24
R、64F、64Rが閉弁され、電動機34によるオイ
ルポンプ36の駆動が開始される。
前輪、左後輪、右後輪の順に各車輪について時系列的に
実行され、ステップ30に於いては当技術分野に於いて
公知の要領にてアンチスキッド制御が必要であるか否か
の判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ
100へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ4
0へ進む。
及び車輪速度Vwiに基づき車輪の制動スリップ量SLi
が演算されると共に、車輪加速度、例えば車輪速度Vwi
の時間微分値Vwdiと車輪の制動スリップ量SLiとに基
づき当技術分野に於いて公知の要領にて制動制御モード
が増圧モード、保持モード、減圧モードの何れかに決定
される。
Gxに基づき演算される車輌の減速度Gxbに基づいて図
には示されていないマップ群より目標増減圧勾配ΔPti
演算用マップが選択されると共に、選択されたマップよ
り制動制御モード及び車輪の制動スリップ量SLiに基
づきホイールシリンダ圧力の目標増減圧勾配ΔPtiが演
算される。
御モードが増圧モードであるときには、車輌の減速度G
xb若しくは車輪の制動スリップ量SLiが大きいほど正
の大きい値に演算され、制動制御モードが減圧モードで
あるときには、車輌の減速度Gxb若しくは車輪の制動ス
リップ量SLiが大きいほど負の小さい値に演算され、
制動制御モードが保持モードであるときには、0に設定
される。
御の開始時であるか又は制動制御モードが例えば減圧モ
ードより増圧モードの如く変化したか否かの判別が行わ
れ、肯定判別が行われたときにはステップ70に於いて
目標ホイールシリンダ圧力Ptiが上記式1に従って演算
され、否定判別が行われたときにはステップ80に於い
て目標ホイールシリンダ圧力Ptiが上記式2に従って演
算され、ステップ90に於いては上記ステップ110又
は120に於いて演算された目標ホイールシリンダ圧力
PtiがRAMの如きメモリに記憶される。
リンダ圧力Ptiと実際のホイールシリンダ圧力Piとの
偏差に基づき駆動制御が必要なリニア弁50FL〜50RR
又は60FL〜60RRに対する目標駆動電流Itが演算さ
れる。
フローチャートに従って各リニア弁について特性ずれの
補償処理が行われることにより、補正後の目標駆動電流
Itaが演算され、ステップ160に於いては補正後の目
標駆動電流Itaに基づき対応するリニア弁に駆動電流が
通電されることにより、ホイールシリンダ圧力Piが目
標ホイールシリンダ圧力Ptiになるようリニア弁50FL
〜50RR及び60FL〜60RRが制御され、しかる後ステ
ップ10へ戻る。
して図示の実施形態に於けるリニア弁の特性ずれ補償制
御ルーチンについて説明する。尚この特性ずれ補償制御
はリニア弁50FL〜50RR及び60FL〜60RRの全てに
ついて実行される。
0FL〜50RR等にて構成された図1に示された油圧回路
や圧力センサ74FL〜74RR等のセンサが正常であるか
否かの判別、例えばリニア弁等に断線やショートの如き
電気的故障が生じていないか否かの判別や、油圧回路に
リークや栓塞の如き異常が生じてはいないか否かの判別
が行われ、否定判別が行われたときにはステップ150
へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ134へ
進む。
正常であるか否かの判別、例えば検出された駆動電流I
mが所定の設計公差内にあり電流計86に断線や抵抗変
化の如き異常が生じてはいないか否かの判別が行われ、
否定判別が行われたときにはステップ152へ進み、肯
定判別が行われたときにはステップ236へ進む。
後述のステップ150又は152に於いて演算された補
正後の目標駆動電流をIta(n-3)とし、現サイクルの実
駆動電流ImをIm(n)として、目標駆動電流Ita(n-3)が
0を越えており且つ実駆動電流Im(n)が0を越えている
か否かの判別、即ちリニア弁に駆動電流が通電されてい
る状況であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われ
たときにはステップ152へ進み、肯定判別が行われた
ときにはステップ138へ進む。
って現サイクルの実駆動電流Im(n)に対する3サイクル
前の目標駆動電流Ita(n-3)の比として駆動電流比Roが
演算される。尚ステップ136及び138に於いて3サ
イクル前の目標駆動電流Ita(n-3)が使用されるのは電
流計86により検出される実駆動電流Imのフィルタ処
理により演算遅れを考慮したことによる。 Ro=Ita(n-3)/Im(n) ……(4)
アソレノイド弁に対する通電時間等に基づき特性ずれ補
償制御対象のリニア弁のソレノイドの温度変化が推定さ
れ、推定された温度変化に基づき駆動電流比Roの許容
範囲が決定されると共に、上記式3に従って演算された
駆動電流比Roが許容範囲内にあるか否かの判別が行わ
れ、否定判別が行われたときにはステップ152へ進
み、肯定判別が行われたときにはステップ142に於い
てステップ140に於ける肯定判別の回数CTが1イン
クリメントされる。
の回数N(例えば100〜200程度の正の一定の整
数)以上であるか否かの判別が行われ、否定判別が行わ
れたときにはステップ152へ進み、肯定判別が行われ
たときにはステップ146に於いて最新のN回分の駆動
電流比Roの和Rsumが演算され、ステップ148に於い
て下記の式5に従って駆動電流に対する補償係数Rrが
演算され、RAMの如きメモリーに記憶される。 Rr=Rsum/N ……(5)
の和Rsumが0にリセットされると共に、回数CTが0
にリセットされ、ステップ152に於いては補正後の目
標駆動電流Itaが下記の式6に従って現サイクルの目標
駆動電流It(n)と補償係数Rrとの積として演算され、
しかる後ステップ160へ進む。 Ita(n)=It(n)・Rr ……(6)
プ20に於いて運転者の制動操作量に応じて各車輪の目
標ホイールシリンダ圧力Ptiが演算され、アンチスキッ
ド制御が必要であるときにはステップ30に於いて肯定
判別が行われることにより、ステップ40に於いて制動
制御モードが増圧モード、減圧モード、保持モードの何
れかに決定される。
Gxb、制動制御モード及び車輪の制動スリップ量SLi
に基づきホイールシリンダ圧力の目標増減圧勾配ΔPti
が演算され、アンチスキッド制御の開始時である又は制
動制御モードが変化したときにはステップ60に於いて
肯定判別が行われることによりステップ70に於いて目
標ホイールシリンダ圧力Ptiが上記式1に従って演算さ
れ、アンチスキッド制御の開始時以降であり制動制御モ
ードも変化していないときにはステップ60に於いて否
定判別が行われることにより、ステップ80に於いて目
標ホイールシリンダ圧力Ptiが上記式2に従って演算さ
れる。
駆動制御に先立って図3に示されている如くリニア弁の
特性ずれ補償制御が行われ、ステップ132〜136に
於いて肯定判別が行われることにより特性ずれ補償制御
が可能であるときには、ステップ138〜148に於い
て最新のN回の現サイクルの実駆動電流Im(n)に対する
3サイクル前の目標駆動電流Ita(n-3)の比の平均値と
して駆動電流に対する補償係数Rrが演算され、ステッ
プ152に於いて目標駆動電流Itが補償係数Rrにて補
正された目標駆動電流Itaが演算され、図2のステップ
160に於いて補正後の目標駆動電流Itaに基づき対応
するリニア弁が駆動される。
化等に起因する特性ずれが生じても、その特性ずれを吸
収するよう目標駆動電流Itaが補正されるので、リニア
弁の特性ずれに拘わらず各車輪のホイールシリンダ圧力
Piを正確に目標ホイールシリンダ圧力Ptiに制御する
ことができ、これにより各車輪の制動力を運転者の制動
操作量や車輪スリップの低減に必要な所定の制動力に正
確に制御することができる。
対する補償係数Rrはステップ138に於いて現サイク
ルの実駆動電流Im(n)に対する3サイクル前の目標駆動
電流Ita(n-3)の比Roが演算され、ステップ140〜1
48に於いて最新のN回分の比Roの平均値として演算
されるので、例えば駆動電流に対する補償係数Rrがス
テップ138に於いて演算される比Roに設定される場
合に比して、補償係数Rrが不適切な値に演算される虞
れを低減し、これによりリニア弁の特性ずれに応じて目
標駆動電流を正確に補正することができる。
40に於いて周囲温度やリニアソレノイド弁に対する通
電時間等に基づき特性ずれ補償制御対象のリニア弁のソ
レノイドの温度変化が推定され、推定された温度変化に
基づき駆動電流比Roの許容範囲が決定されると共に、
ステップ138に於いて演算された駆動電流比Roが許
容範囲内にないときには、その駆動電流比Roはステッ
プ146及び148に於ける補償係数Rrの演算には使
用されないので、ステップ140の判定が行われない場
合に比して、リニア弁の特性ずれに正確に対応する補償
係数Rrを演算することができる。
実駆動電流Imのフィルタ処理により演算遅れを考慮
し、ステップ136及び138に於いて3サイクル前の
目標駆動電流Ita(n-3)が使用されるので、これらのス
テップに於いて実駆動電流Imのフィルタ処理により演
算遅れが考慮されない場合に比して、リニア弁に駆動電
流が通電されている状況であるか否かの判別や駆動電流
比Roの演算を正確に行うことができる。
ド制御の開始時には目標ホイールシリンダ圧力Ptiが必
ず実際のホイールシリンダ圧力Piをベースにして演算
され、その後の目標ホイールシリンダ圧力Ptiは前回の
目標ホイールシリンダ圧力Ptfiベースにして演算され
るので、アンチスキッド制御開始時の目標ホイールシリ
ンダ圧力Ptiを必ず実際のホイールシリンダ圧力Piよ
りも低く且つ車輪のスリップ状態に応じた適正な値に設
定することができ、これによりアンチスキッド制御開始
時の減圧を遅れなく適正に実行することができ、またそ
の後の目標ホイールシリンダ圧力Ptiを車輪のスリップ
状態に応じた適正な値に設定することができ、これによ
り実際のホイールシリンダ圧力Piを車輪のスリップ状
態に応じて適正に且つ高精度に制御し、アンチスキッド
制御を適正に且つ効果的に実行することができる。
ッド制御中に制動制御モードが変化したときにも、目標
ホイールシリンダ圧力Ptiが必ず実際のホイールシリン
ダ圧力Piをベースにして演算されるので、制動制御モ
ードが変化したときにも目標ホイールシリンダ圧力Pti
が前回の目標ホイールシリンダ圧力Ptfiベースにして
演算される場合に比して、目標ホイールシリンダ圧力P
tiを車輪のスリップ状態に応じて適正に設定することが
でき、これによりホイールシリンダ圧力を車輪のスリッ
プ状態に応じて遅れなく適正に制御することができる。
いて詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実
施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろ
う。
プ140に於いて周囲温度やリニアソレノイド弁に対す
る通電時間等に基づき特性ずれ補償制御対象のリニア弁
のソレノイドの温度変化が推定され、推定された温度変
化に基づき駆動電流比Roの許容範囲が決定されるよう
になっているが、この判別の許容範囲は一定の範囲に設
定されれてもよい。
148に於いて駆動電流に対する補償係数Rrは最新の
N回分の比Roの平均値として演算されるようになって
いるが、補償係数Rrは最新のN回分の比Roの平均値に
ついて移動平均処理の如き平滑化処理が施されることに
より演算されてもよい。
目標ホイールシリンダ圧力Ptiは運転者の制動操作量又
はアンチスキッド制御の目標ホイールシリンダ圧力とし
て演算されるようになっているが、目標ホイールシリン
ダ圧力Ptiは当技術分野に於いて公知の任意の要領にて
演算されてよい。
明の請求項1の構成によればリニア弁の特性ずれに拘わ
らずリニア弁を正確に制御することができ、また目標駆
動電流と実駆動電流との偏差が所定の許容範囲外である
ときには特性ずれの補償に対する前記偏差の寄与度合が
低減されるので、ノイズ等に起因する不適切な偏差に基
づきリニア弁の特性ずれが不適切に補償されることを確
実に防止し、これによりリニア弁の特性ずれに応じて目
標駆動電流を正確に補正することができる。
定の許容範囲は推定されるリニア弁の温度変化に応じて
可変設定されるので、所定の許容範囲が一定である場合
に比してリニア弁の特性ずれの補償を正確に行うことが
でき、また請求項3の構成によれば、複数の前記偏差の
平均値に基づき目標駆動電流が補正されることによりリ
ニア弁の特性ずれの補償が行われるので、目標駆動電流
と実駆動電流との一つの偏差に基づき目標駆動電流が補
正される場合に比して、リニア弁の特性ずれの補償を適
切に行うことができる。
標駆動電流と実駆動電流との偏差が所定の許容範囲外で
あるときには特性ずれの補償に対する前記偏差の寄与度
合が0に低減されるので、所定の許容範囲外の偏差に基
づきリニア弁の特性ずれの補償が不適切に行われること
を確実に防止することができる。
形態の油圧回路及び電子制御装置を示す概略構成図であ
る。
すフローチャートである。
ずれ補償制御ルーチンを示すフローチャートである。
Fsとデューティオン時間Donとの関係を示す説明図で
ある。
Claims (4)
- 【請求項1】各車輪に対応して設けられたホイールシリ
ンダに対する作動液体の給排を制御することによりホイ
ールシリンダ圧力を増減するリニア弁と、車輌の状態に
応じて前記リニア弁に対する駆動電流を制御することに
よりホイールシリンダ圧力を制御する制御手段とを有す
る車輌用制動制御装置に於いて、前記リニア弁に対する
目標駆動電流と実駆動電流との偏差に基づき前記リニア
弁の特性ずれの補償を行う補償手段を有し、前記補償手
段は前記偏差が所定の許容範囲外であるときには前記補
償手段による補償に対する前記偏差の寄与度合を低減す
る寄与度合低減手段を有することを特徴とする車輌用制
動制御装置。 - 【請求項2】前記補償手段は推定される前記リニア弁の
温度変化に応じて前記所定の許容範囲を可変設定するこ
とを特徴とする請求項1に記載の車輌用制動制御装置。 - 【請求項3】前記補償手段は前記偏差を所定の時間毎に
演算し、複数の前記偏差の平均値に基づき目標駆動電流
を補正することにより前記リニア弁の特性ずれの補償を
行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の車輌用制
動制御装置。 - 【請求項4】前記寄与度合低減手段は前記偏差が所定の
許容範囲外であるときには前記補償手段による補償に対
する前記偏差の寄与度合を0に低減することを特徴とす
る請求項1乃至3に記載の車輌用制動制御装置。
Priority Applications (1)
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JP2001161834A JP4220686B2 (ja) | 2001-05-30 | 2001-05-30 | 車輌用制動制御装置 |
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