JP4211417B2 - 車輌用制動制御装置の異常検出装置 - Google Patents

車輌用制動制御装置の異常検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輌の制動制御装置に係り、更に詳細には制動制御装置の異常検出装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車輌に搭載される制動制御装置の異常検出装置の一つとして、例えば本願出願人の出願にかかる下記の特許文献1に記載されている如く、制動制御装置に組み込まれたセンサや配管の異常を検出する異常検出装置が従来より知られている。
【0003】
尚、下記の特許文献2には電子制御式制動制御装置の基本構造が記載され、下記の特許文献3にはホイールシリンダの液漏れ検出の技術が記載され、下記の特許文献4にはポンプ停止後のアキュムレータ圧降下勾配が所定値以上の場合に液漏れ異常と判定する技術が記載され、下記の特許文献5にはポンプ吸い込み弁の漏れ異常判定の技術が記載されている。
【特許文献1】
特開平10−100884号公報
【特許文献2】
特開2002−187537号公報
【特許文献3】
特開2000−168536号公報
【特許文献4】
特開平11−34860号公報
【特許文献5】
特開平10−81213号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、電子制御式の制動制御装置は、マスタシリンダと、高圧の液圧供給源と、各輪に対応して設けられたホイールシリンダと、マスタシリンダとホイールシリンダとの連通を制御する遮断弁と、液圧供給源よりホイールシリンダへの作動液体の供給を制御する増圧弁(保持弁)と、ホイールシリンダよりリザーバへの作動液体の排出を制御する減圧弁とを有し、遮断弁が開弁された状態にて運転者の制動操作に応じて増圧弁及び減圧弁を制御することによってホイールシリンダ内の圧力を制御し制動力を制御するよう構成されている。
【0005】
かかる制動制御装置に於いて増圧弁や減圧弁の異常を検出する場合には、これらの弁を順次作動させてホイールシリンダ内の圧力等を積極的に変化させ、その変化を検出することにより行われる。そのため制動制御装置による制動力の制御に影響しない制動制御装置の作動開始時にしか異常を検出することができず、従って異常検出の頻度を高くすることができず、また増圧弁が異常であるか否か及び減圧弁が異常であるか否かを同時に判定することができない。
【0006】
本発明は、車輌用制動制御装置の増圧弁や減圧弁の異常検出に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、制動制御装置の作動時に於ける増減圧制御弁の作動状況とホイールシリンダ内の圧力の変化との関係に着目して増減圧制御弁の異常を検出することにより、制動制御装置の作動時に於ける増減圧制御弁の異常検出を可能にして異常検出の頻度を高くすると共に、増減圧制御弁の増圧異常及び減圧異常の同時判定を可能にして異常検出を能率よく行うことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の主要な課題は、本発明によれば、請求項1の構成、即ち運転者の制動操作に応じて高圧の液圧供給源よりの液圧を使用して増減圧制御弁によりホイールシリンダ内の圧力を制御する車輌用制動制御装置の異常検出装置にして、車輌が停止状態にあり且つ前記ホイールシリンダ内の圧力が所定値以上の圧力である状況に於いて前記増減圧制御弁を閉弁状態に維持し、前記増減圧制御弁が閉弁状態に維持された直後の前記ホイールシリンダ内の圧力及びその後の前記ホイールシリンダ内の圧力に基づき増減圧制御弁を通過する作動液体の流速を演算し、該作動液体の流速に基づき前記増減圧制御弁の異常を判定することを特徴とする車輌用制動制御装置の異常検出装置によって達成される。
【0008】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前記制動制御装置は運転者の制動操作量を検出する手段を有し、前記異常検出装置は運転者の制動操作量が基準値以上であるときにホイールシリンダ内の圧力が所定値以上の圧力であると判定するよう構成される(請求項2の構成)。
【0009】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1又は2の構成に於いて、前記ホイールシリンダ内の圧力の変化が増圧であり、前記作動液体の流速が基準値以上であるときに、前記増減圧制御弁の増圧異常であると判定するよう構成される(請求項3の構成)。
【0010】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1又は2の構成に於いて、前記ホイールシリンダ内の圧力の変化が減圧であり、前記作動液体の流速が基準値以上であるときに、前記増減圧制御弁の減圧異常であると判定するよう構成される(請求項4の構成)。
【0011】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1又は2の構成に於いて、前記増減圧制御弁は増圧弁と減圧弁とよりなり、前記ホイールシリンダ内の圧力の変化が増圧であり、前記作動液体の流速が基準値以上であるときに、前記増圧弁の異常であると判定するよう構成される(請求項5の構成)。
【0012】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1又は2の構成に於いて、前記増減圧制御弁は増圧弁と減圧弁とよりなり、前記ホイールシリンダ内の圧力の変化が減圧であり、前記作動液体の流速が基準値以上であるときに、前記減圧弁の異常であると判定するよう構成される(請求項6の構成)。
【0013】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項乃至6の何れか一つの構成に於いて、前記作動液体の流速が基準値以上である状況が所定の時間以上継続したときに、異常であると判定するよう構成される(請求項7の構成)。
【0014】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1乃至7の何れか一つの構成に於いて、車輌が停止状態にあり且つ運転者による制動操作が行われ前記ホイールシリンダ内の圧力が車輌を停止状態に維持し得る圧力である状況に於いて前記増減圧制御弁を閉弁状態に維持するよう構成される(請求項8の構成)。
【0015】
また上述の主要な課題は、本発明によれば、請求項9の構成、即ち運転者の制動操作に応じて高圧の液圧供給源よりの液圧を使用して増減圧制御弁によりホイールシリンダ内の圧力を制御する車輌用制動制御装置の異常検出装置にして、車輌が走行状態にあり且つ前記増減圧制御弁により前記ホイールシリンダ内の圧力を制御している状況に於いて前記増減圧制御弁により前記ホイールシリンダに対し給排される作動液体の量を推定すると共に、推定された前記作動液体の量と前記ホイールシリンダ内の圧力の変化量との関係に基づき前記増減圧制御弁の異常を判定することを特徴とする車輌用制動制御装置の異常検出装置によっても達成される(請求項9の構成)。
【0016】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項9の構成に於いて、前記増減圧制御弁による前記ホイールシリンダ内の圧力の制御が増圧又は減圧より保持へ移行した時点より前記増減圧制御弁により前記ホイールシリンダに対し給排される作動液体の量を推定するよう構成される(請求項10の構成)。
【0017】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項9の構成に於いて、前記ホイールシリンダ内の圧力の変化量に基づき前記ホイールシリンダ内の作動液体の変化量を演算し、前記推定された作動液体の量と前記演算された作動液体の変化量との関係に基づき前記増減圧制御弁の異常を判定するよう構成される(請求項11の構成)。
【0018】
【発明の作用及び効果】
上記請求項1の構成によれば、車輌が停止状態にあり且つホイールシリンダ内の圧力が所定値以上の圧力である状況に於いて増減圧制御弁が閉弁状態に維持され、増減圧制御弁が閉弁状態に維持された直後のホイールシリンダ内の圧力及びその後のホイールシリンダ内の圧力に基づき増減圧制御弁を通過する作動液体の流速が演算され、該作動液体の流速に基づき増減圧制御弁の異常が判定されるので、車輌が停止状態にあり且つホイールシリンダ内の圧力が所定値以上の圧力である限り、制動制御装置の作動開始時以外の作動状況に於いても増減圧制御弁の異常を検出することができ、これにより異常検出の頻度を高くすることができ、またホイールシリンダ内の圧力増加する作動液体の流速により増減圧制御弁の増圧異常と判定し、ホイールシリンダ内の圧力減少する作動液体の流速により増減圧制御弁の減圧異常と判定することができ、従って増減圧制御弁が増圧異常であるか減圧異常であるかを同時に判定して異常検出を能率よく正確に行うことができる。
【0019】
また上記請求項2の構成によれば、制動制御装置は運転者の制動操作量を検出する手段を有し、異常検出装置は運転者の制動操作量が基準値以上であるときにホイールシリンダ内の圧力が所定値以上の圧力であると判定るので、ホイールシリンダ内の圧力を検出することなくホイールシリンダ内の圧力が所定値以上の圧力であるか否かを判定することができる。
【0020】
また上記請求項3の構成によれば、ホイールシリンダ内の圧力の変化が増圧であり、作動液体の流速が基準値以上であるときに、増減圧制御弁の増圧異常であると判定され、また上記請求項4の構成によれば、ホイールシリンダ内の圧力の変化が減圧であり、作動液体の流速が基準値以上であるときに、増減圧制御弁の減圧異常であると判定されるので、これらの構成によれば、増減圧制御弁の増圧異常及び増減圧制御弁の減圧異常を確実に検出することができる。
【0021】
また上記請求項5の構成によれば、増減圧制御弁は増圧弁と減圧弁とよりなり、ホイールシリンダ内の圧力の変化が増圧であり、作動液体の流速が基準値以上であるときに、増圧弁の異常であると判定され、また上記請求項6の構成によれば、増減圧制御弁は増圧弁と減圧弁とよりなり、ホイールシリンダ内の圧力の変化が減圧であり、作動液体の流速が基準値以上であるときに、減圧弁の異常であると判定されるので、これらの構成によれば、増圧弁の増圧異常及び減圧弁の減圧異常を確実に検出することができる。
【0022】
また上記請求項7の構成によれば、作動液体の流速が基準値以上である状況が所定の時間以上継続したときに、異常であると判定されるので、作動液体の流速が基準値以上であると判定された場合に異常であると断定される場合に比して、異常の誤判定を確実に防止することができる。
【0023】
また上記請求項8の構成によれば、車輌が停止状態にあり且つ運転者による制動操作が行われホイールシリンダ内の圧力が車輌を停止状態に維持し得る圧力である状況に於いて増減圧制御弁が閉弁状態に維持されるので、運転者の車輌を停止状態に維持する意思に反して増減圧制御弁の異常検出時に車輌が移動することを防止することができると共に、車輌が停止状態にあっても運転者による制動操作が行われておらず、運転者が例えばクリープ走行を希望するような状況に於いて、運転者の希望に反して増減圧制御弁の異常検出により車輌が停止状態に維持されることを防止することができる。
【0024】
また上記請求項9の構成によれば、車輌が走行状態にあり且つ増減圧制御弁によりホイールシリンダ内の圧力が制御されている状況に於いて増減圧制御弁によりホイールシリンダに対し給排される作動液体の量が推定されると共に、推定された作動液体の量とホイールシリンダ内の圧力の変化量との関係に基づき増減圧制御弁の異常が判定されるので、車輌の走行状態にあるときに増減圧制御弁の異常を確実に検出することができる。
【0025】
また上記請求項10の構成によれば、増減圧制御弁によるホイールシリンダ内の圧力の制御が増圧又は減圧より保持へ移行した時点より増減圧制御弁によりホイールシリンダに対し給排される作動液体の量が推定されるので、増減圧制御弁によりホイールシリンダに対し給排される作動液体の量を正確に推定し、これにより増減圧制御弁の異常判定を正確に行うことができる。
【0026】
また上記請求項11の構成によれば、ホイールシリンダ内の圧力の変化量に基づきホイールシリンダ内の作動液体の変化量が演算され、推定された作動液体の量と演算された作動液体の変化量との関係に基づき増減圧制御弁の異常が判定されるので、作動液体の流量を検出することなく増減圧制御弁の異常を判定することができる。
【0029】
[課題解決手段の好ましい態様]
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項2の構成に於いて、制動制御装置は運転者の制動操作量を検出する複数の検出手段を有し、異常検出装置は複数の検出手段により検出された運転者の制動操作量に基づき演算される運転者の要求減速度が基準値以上であるときにホイールシリンダ内の圧力が所定値以上の圧力であると判定するよう構成される(好ましい態様)。
【0030】
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項8の構成に於いて、増減圧制御弁の異常検出中であっても、運転者による制動操作が行われなくなったときには、増減圧制御弁の異常検出を中断し、運転者の制動操作量に基づく制動圧の制御を行う通常の制動制御へ移行するよう構成される(好ましい態様)。
【0031】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項11の構成に於いて、前記推定された作動液体の量と前記演算された作動液体の変化量とに基づき増減圧制御弁を通過する作動液体の流速を演算し、該作動液体の流速に基づき増減圧制御弁の異常を判定するよう構成される(好ましい態様)。
【0032】
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様の構成に於いて、増減圧制御弁によるホイールシリンダ内の圧力の制御が減圧又は保持であり、作動液体の流速が増圧側の基準値以上であるときに、増減圧制御弁の増圧異常であると判定するよう構成される(好ましい態様)。
【0033】
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様の構成に於いて、増減圧制御弁によるホイールシリンダ内の圧力の制御が増圧又は保持であり、作動液体の流速が減圧側の基準値以上であるときに、増減圧制御弁の減圧異常であると判定するよう構成される(好ましい態様)。
【0034】
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様の構成に於いて、増減圧制御弁は増圧弁と減圧弁とよりなり、増減圧制御弁によるホイールシリンダ内の圧力の制御が減圧又は保持であり、作動液体の流速が増圧側の基準値以上であるときに、増圧弁の異常であると判定するよう構成される(好ましい態様)。
【0035】
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様の構成に於いて、増減圧制御弁は増圧弁と減圧弁とよりなり、増減圧制御弁によるホイールシリンダ内の圧力の制御が増圧又は保持であり、作動液体の流速が減圧側の基準値以上であるときに、減圧弁の異常であると判定するよう構成される(好ましい態様)。
【0036】
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様乃至7の何れか一つの構成に於いて、作動液体の流速が基準値以上である状況が所定の時間以上継続したときに、異常であると判定するよう構成される(好ましい態様)。
【0037】
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項11の構成に於いて、増減圧制御弁によるホイールシリンダ内の圧力の制御が減圧又は保持であり、前記演算された作動液体の変化量と前記推定された作動液体の量との偏差が基準値以上であるときに、増減圧制御弁の増圧異常であると判定するよう構成される(好ましい態様)。
【0038】
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項11の構成に於いて、増減圧制御弁によるホイールシリンダ内の圧力の制御が増圧又は保持であり、前記推定された作動液体の量と前記演算された作動液体の変化量との偏差が基準値以上であるときに、増減圧制御弁の減圧異常であると判定するよう構成される(好ましい態様1)。
【0039】
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項11の構成に於いて、増減圧制御弁は増圧弁と減圧弁とよりなり、増減圧制御弁によるホイールシリンダ内の圧力の制御が減圧又は保持であり、前記演算された作動液体の変化量と前記推定された作動液体の量との偏差基準値以上であるときに、増圧弁の異常であると判定するよう構成される(好ましい態様1)。
【0040】
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項11の構成に於いて、増減圧制御弁は増圧弁と減圧弁とよりなり、増減圧制御弁によるホイールシリンダ内の圧力の制御が増圧又は保持であり、前記推定された作動液体の量と前記演算された作動液体の変化量との偏差が基準値以上であるときに、減圧弁の異常であると判定するよう構成される(好ましい態様1)。
【0041】
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様乃至12の何れか一つの構成に於いて、前記基準値は異常検出時間の経過につれて漸次増大され、前記偏差が基準値以上である状況が所定の時間以上継続したときに、異常であると判定するよう構成される(好ましい態様1)。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施の形態(以下単に実施形態という)について詳細に説明する。
【0043】
第一の実施形態
図1は本発明による車輌用制動制御装置の第一の実施形態の油圧回路を示す概略構成図、図2は図1に示された実施形態の制御系を示すブロック図である。尚図1に於いては、簡略化の目的で各弁のソレノイドの図示は省略されている。
【0044】
図1に於て、10は電気的に制御される油圧式のブレーキ装置を示しており、ブレーキ装置10は運転者によるブレーキペダル12の踏み込み操作に応答してブレーキオイルを圧送するマスタシリンダ14を有している。ブレーキペダル12とマスタシリンダ14との間にはドライストロークシミュレータ16が設けられている。
【0045】
マスタシリンダ14は第一のマスタシリンダ室14Aと第二のマスタシリンダ室14Bとを有し、これらのマスタシリンダ室にはそれぞれ左前輪用のブレーキ油圧供給導管18及び右前輪用のブレーキ油圧制御導管20の一端が接続されている。ブレーキ油圧制御導管18及び20の他端にはそれぞれ左前輪及び右前輪の制動力を制御するホイールシリンダ22FL及び22FRが接続されている。
【0046】
ブレーキ油圧供給導管18及び20の途中にはそれぞれ常開型の電磁開閉弁(マスタカット弁)24L及び24Rが設けられ、電磁開閉弁24L及び24Rはそれぞれ第一のマスタシリンダ室14A及び第二のマスタシリンダ室14Bと対応するホイールシリンダ22FL及び22FRとの連通を制御する遮断弁として機能する。またマスタシリンダ14と電磁開閉弁24FLとの間のブレーキ油圧供給導管18には常閉型の電磁開閉弁26を介してウェットストロークシミュレータ28が接続されている。
【0047】
マスタシリンダ14にはリザーバ30が接続されており、リザーバ30には油圧供給導管32の一端が接続されている。油圧供給導管32の途中には電動機34により駆動されるオイルポンプ36が設けられており、オイルポンプ36の吐出側の油圧供給導管32には高圧の油圧を蓄圧するアキュムレータ38が接続されている。リザーバ30とオイルポンプ36との間の油圧供給導管32には油圧排出導管40の一端が接続されている。
【0048】
尚図1には示されていないが、オイルポンプ36の吸入側の油圧供給導管32と吐出側の油圧供給導管32とを連通接続する導管が設けられ、該導管の途中にはアキュムレータ38内の圧力が基準値を越えた場合に開弁し吐出側の油圧供給導管32より吸入側の油圧供給導管32へオイルを戻すリリーフ弁が設けられている。
【0049】
オイルポンプ36の吐出側の油圧供給導管32は、油圧制御導管42により電磁開閉弁24Lとホイールシリンダ22FLとの間のブレーキ油圧供給導管18に接続され、油圧制御導管44により電磁開閉弁24Rとホイールシリンダ22FRとの間のブレーキ油圧供給導管20に接続され、油圧制御導管46により左後輪用のホイールシリンダ22RLに接続され、油圧制御導管48により右後輪用のホイールシリンダ22RRに接続されている。
【0050】
油圧制御導管42、44、46、48の途中にはそれぞれ常閉型の電磁式のリニア弁50FL、50FR、50RL、50RRが設けられている。リニア弁50FL、50FR、50RL、50RRに対しホイールシリンダ22FL、22FR、22RL、22RRの側の油圧制御導管42、44、46、48はそれぞれ油圧制御導管52、54、56、58により油圧排出導管40に接続されており、油圧制御導管52、54、56、58の途中にはそれぞれ常閉型の電磁式のリニア弁60FL、60FR、60RL、60RRが設けられている。
【0051】
リニア弁50FL、50FR、50RL、50RRはそれぞれホイールシリンダ22FL、22FR、22RL、22RRに対する増圧弁(保持弁)として機能し、リニア弁60FL、60FR、60RL、60RRはそれぞれホイールシリンダ22FL、22FR、22RL、22RRに対する減圧弁として機能し、従ってこれらのリニア弁は互いに共働してアキュムレータ38内より各ホイールシリンダに対する高圧のオイルの給排を制御する増減圧制御弁を構成している。
【0052】
図1に示されている如く、第一のマスタシリンダ室14Aと電磁開閉弁24Lとの間のブレーキ油圧制御導管18には該制御導管内の圧力を第一のマスタシリンダ圧力Pm1として検出する第一の圧力センサ66が設けられている。同様に第二のマスタシリンダ室14Bと電磁開閉弁24Rとの間のブレーキ油圧制御導管20には該制御導管内の圧力を第二のマスタシリンダ圧力Pm2として検出する第二の圧力センサ68が設けられている。ブレーキペダル12には運転者によるブレーキペダルの踏み込みストロークStを検出するストロークセンサ70が設けられ、オイルポンプ34の吐出側の油圧供給導管32には該導管内の圧力をアキュムレータ圧力Paとして検出する圧力センサ72が設けられている。
【0053】
それぞれ電磁開閉弁24L及び24Rとホイールシリンダ22FL及び22FRとの間のブレーキ油圧供給導管18及び20には、対応する導管内の圧力をホイールシリンダ22FL及び22FR内の圧力Pfl、Pfrとして検出する圧力センサ74FL及び74FRが設けられている。またそれぞれ電磁開閉弁50RL及び50RRとホイールシリンダ22RL及び22RRとの間の油圧制御導管46及び48には、対応する導管内の圧力をホイールシリンダ22RL及び22RR内の圧力Prl、Prrとして検出する圧力センサ74RL及び74RRが設けられている。
【0054】
電磁開閉弁24L及び24R、電磁開閉弁26、電動機34、リニア弁50FL、50FR、50RL、50RR、リニア弁60FL、60FR、60RL、60RRは、後に詳細に説明する如く制動制御用電子制御装置78により制御される。電子制御装置78はマイクロコンピュータ80と駆動回路82とよりなっている。
【0055】
尚マイクロコンピュータ80は図1には詳細に示されていないが例えば中央処理ユニット(CPU)と、リードオンリメモリ(ROM)と、ランダムアクセスメモリ(RAM)と、入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続された一般的な構成のものであってよい。
【0056】
マイクロコンピュータ80には、圧力センサ66及び68よりそれぞれ第一のマスタシリンダ圧力Pm1及び第二のマスタシリンダ圧力Pm2を示す信号、ストロークセンサ70よりブレーキペダル12の踏み込みストロークStを示す信号、圧力センサ72よりアキュムレータ圧力Paを示す信号、圧力センサ74FL〜74RRよりそれぞれホイールシリンダ22FL〜22RR内の圧力Pi(i=fl、fr、rl、rr)を示す信号、車輪速度センサ76FL〜76RRよりそれぞれ左右前輪及び左右後輪の車輪速度Vwi(i=fl、fr、rl、rr)を示す信号が入力される。
【0057】
また各電磁開閉弁、各リニア弁及び電動機34に駆動電流が供給されない非制御時には電磁開閉弁24L及び24Rは開弁状態に維持され、電磁開閉弁26、リニア弁50FL、50FR、50RL、50RR、リニア弁60FL、60FR、60RL、60RRは閉弁状態に維持される(非制御モード)。
【0058】
マイクロコンピュータ80は、通常の制動制御時には、例えば上述の特許文献2の特開2002−187537号公報に記載されている如く、圧力センサ66及び68により検出されたマスタシリンダ圧力Pm1及びPm2の平均値Pmに基づき図11に示されたグラフに対応するマップより車輌の目標減速度Gptを演算し、ストロークセンサ70より検出された踏み込みストロークStに基づき図12に示されたグラフに対応するマップより車輌の目標減速度Gstを演算し、運転者の要求減速度を示す車輌の最終目標減速度Gtとして目標減速度Gpt及びGstの線形和を演算する。
【0059】
そしてマイクロコンピュータ80は、目標減速度Gptに基づき図13に示されたグラフに対応するマップより目標減速度Gstに対する重みα(0≦α≦0.6)を演算し、目標減速度Gpt及び目標減速度Gstの重み付け和として最終目標減速度(運転者の要求減速度)Gtを演算し、最終目標減速度Gtに基づき各輪の目標ホイールシリンダ圧力Pti(i=fl、fr、rl、rr)を演算し、目標ホイールシリンダ圧力Ptiと実際のホイールシリンダ圧力Piとの偏差に基づきリニア弁50FL〜50RR又は60FL〜60RRに対する目標駆動電流Itを演算し、目標駆動電流Itに基づき各リニア弁に駆動電流を通電することにより各車輪のホイールシリンダ圧力が目標ホイールシリンダ圧力Ptiになるよう制御することによって各車輪の制動力を制御する。
【0060】
この場合、マイクロコンピュータ80は、制動制御モードが増圧モードであるときにはリニア弁50FL、50FR、50RL、50RRの開弁量を目標ホイールシリンダ圧力Ptiに応じて制御し、制動制御モードが減圧モードであるときにはリニア弁60FL、60FR、60RL、60RRの開弁量を目標ホイールシリンダ圧力Ptiに応じて制御し、制動制御モードが保持モードであるときにはリニア弁50FL〜50RR及び60FL〜60RRを閉弁状態に維持する。
【0061】
またマイクロコンピュータ80は後述の如く図2乃至図6に示されたフローチャートによる制御ルーチンを記憶しており、図2及び図3に示されたフローチャートに従って運転者による制動操作状況を判定し、図4に示されたフローチャートに従って各増圧弁及び減圧弁(リニア弁)の漏れ検出が許可される状況であるか否かを判定し、図5及び図6に示されたフローチャートに従って各増圧弁及び減圧弁に漏れ異常があるか否かの漏れ検出を行う。
【0062】
特に図示の実施形態に於いては、電子制御装置78は、車輌が走行状態にあるときに運転者により制動操作が行われ、車輌が停止し制動操作が継続されている状況に於いて、各増圧弁及び減圧弁を閉弁状態に維持し、各車輪のホイールシリンダ圧力(各車輪の油圧)Piを保持する。そして電子制御装置78は、漏れ検出が許可される状況に於いて各車輪の油圧Piの変化量に基づき各増圧弁の増圧漏れ流速ΔQai及び減圧弁の減圧漏れ流速ΔQriを演算し、増圧漏れ流速ΔQaiが基準値以上である状況が所定の時間以上継続したときに当該車輪の増圧弁が増圧漏れ異常であると断定し、減圧漏れ流速ΔQriが基準値以上である状況が所定の時間以上継続したときに当該車輪の減圧弁が減圧漏れ異常であると断定する。
【0063】
また電子制御装置78は、各増圧弁及び減圧弁の漏れ異常の検出中であり車輌が停止状態にあっても、運転者による制動操作が解除されると、運転者に車輌走行再開の意志がある場合があるので、漏れ異常の検出が完了しているか否かに拘わらず漏れ異常の検出処理を中断し、通常の制動制御の状態へ移行する。
【0064】
また電子制御装置78は、漏れ異常の検出継続時間が所定の時間以上になると、異常検出が長時間に亘り継続され誤差が蓄積することに起因する誤判定が行われないよう、漏れ異常の検出処理を一旦終了し、異常検出許可条件が成立しているときには再度漏れ異常の検出処理を開始する。
【0065】
次に図2及び図3に示されたフローチャートを参照して第一の実施形態に於ける制動操作の判定ルーチンについて説明する。尚図2及び図3に示されたフローチャートによる処理は図には示されていないイグニッションスイッチの閉成により開始され、所定の時間毎に繰返し実行される(このことは後述の図4乃至図6に示された他のフローチャートによる処理についても同様である)。
【0066】
まずステップ10に於いては各センサの検出値を示す信号等の読み込みが行われ、ステップ20に於いては例えば左右前輪の車輪速度Vwfl及びVwfrが基準値以下であり且つ左右後輪の車輪速度Vwrl及びVwrrが基準値以下であるか否かの判別により、車輌が停止状態にあるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ30に於いて図2及び図3に示されたフローチャートのサイクルタイムをΔTaとして車輌停止状態タイマ1のカウント値Ts1がΔTaインクリメントされ、否定判別が行なわれたときにはステップ40に於いて車輌停止状態タイマ1のカウント値Ts1及び車輌停止状態タイマ2のカウント値Ts2がそれぞれ0にリセットされる。
【0067】
ステップ50に於いては例えば運転者の要求減速度Gtが0であるか否かの判別により、運転者による制動操作が行われていない所謂非制動操作状態であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ70へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ60に於いて車輌停止状態タイマ2のカウント値Ts2がΔTaインクリメントされる。
【0068】
ステップ70に於いては車輌停止状態タイマ2のカウント値Ts2が基準値Ts2c(正の定数)未満であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ80に於いて車輌停止状態タイマ2のカウント値Ts2が0にリセットされ、否定判別が行われたときにはそのままステップ90へ進む。
【0069】
ステップ90に於いては例えば後述の車輌停止時制動操作フラグFbrksが0であり且つ制動操作状態(例えば運転者の要求減速度Gtが基準値(正の定数)以上)であり且つ「車輌停止状態タイマ1のカウント値Ts1が基準値Ts1c(正の定数)以上又は車輌停止状態タイマ2のカウント値Ts2が基準値Ts2c(正の定数)が以上」であるか否かの判別により、車輌停止時の制動操作状態であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ110へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ100に於いて車輌停止時制動操作フラグFbrksが1にセットされる。
【0070】
ステップ110に於いては車輌の非停止状態又は運転者による制動操作が行われていない状態であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ120に於いて車輌停止時制動操作フラグFbrksが0にリセットされた後ステップ130へ進み、否定判別が行われたときにはそのままステップ130へ進む。
【0071】
ステップ130に於いては例えば何れかの車輪の車輪速度Vwiが基準値(正の定数)以上であるか否かの判別により何れかの車輪が走行状態にあるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ140に於いて車輌走行状態タイマのカウント値TrunがΔTaインクリメントされた後ステップ150へ進み、否定判別が行われたときにはそのままステップ150へ進む。
【0072】
ステップ150に於いては何れかの車輪が停止時漏れ検出許可状態であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときには車輌走行状態タイマのカウント値Trunが0にリセットされた後ステップ170へ進み、否定判別が行われたときにはそのままステップ170へ進む。
【0073】
ステップ170に於いては例えば車輌走行時制動フラグFbrkrが0であり且つ車輌走行状態タイマのカウント値Trunが基準値(正の定数)以上であり且つ何れかの車輪の車輪速度Vwiが基準値(正の定数)以上であるか否かの判別により、車輌走行時の制動操作状態であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ190へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ180に於いて車輌走行時制動操作フラグFbrkrが1にセットされた後ステップ10へ戻る。
【0074】
ステップ190に於いては運転者による制動操作が行われていない非制動操作状態であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ200に於いて車輌走行時制動操作フラグFbrkrが0にリセットされた後ステップ10へ戻り、否定判別が行われたときにはそのままステップ10へ戻る。
【0075】
次に図4に示されたフローチャートを参照して第一の実施形態に於ける漏れ検出許可判定ルーチンについて説明する。尚図4に示されたフローチャートによる処理は例えば左前輪、右前輪、左後輪、右後輪の順に各車輪について実行される(このことは後述の図5乃至図6に示されたフローチャートによる処理についても同様である)。
【0076】
まずステップ310に於いては下記の(1)〜(7)の全ての漏れ検出許可条件が成立しているか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ320に於いて漏れ検出禁止判定が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ330へ進む。
(1)車輌停止時制動操作フラグFbrksが1である
(2)車輌走行時制動操作フラグFbrkrが1である
(3)運転者の要求減速度Gtが基準値Gtlc(正の定数)以上である
(4)運転者の要求減速度Gtが基準値Gthc(Gtlcよりも大きい正の定数)以下である
(5)当該車輪が油圧制御可能状態である
(6)当該車輪が停止状態である
(7)当該車輪の漏れ検出許可継続時間Tdri(i=fl、fr、rl、rr)が基準値Tdrc(正の定数)以下である
【0077】
尚上記(3)の条件はホイールシリンダ内の圧力が車輌を停止状態に維持し得る所定値以上である状況を確保するための条件であり、上記(4)の条件はホイールシリンダ内の圧力が過剰な状況にて漏れ検出が行われることを排除するための条件である。
【0078】
ステップ330に於いては漏れ検出禁止状態であり且つ漏れ検出許可継続時間Tdriが0であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ340に於いて漏れ検出許可判定が行われた後ステップ350へ進み、否定判別が行われたときにはそのままステップ350へ進む。
【0079】
ステップ350に於いては漏れ検出許可状態であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ360に於いて図4に示されたフローチャートのサイクルタイムをΔTbとして漏れ検出許可継続時間TdriがΔTbインクリメントされた後ステップ370へ進み、否定判別が行われたときにはそのままステップ370へ進む。
【0080】
ステップ370に於いては運転者による制動操作が行われていない所謂非制動操作状態であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ380に於いて漏れ検出許可継続時間Tdriが0にリセットされた後ステップ310へ戻り、肯定判別が行われたときにはそのままステップ310へ戻る。
【0081】
次に図5及び図6に示されたフローチャートを参照して第一の実施形態に於ける漏れ検出処理ルーチンについて説明する。
【0082】
ステップ410に於いては漏れ検出許可状態であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ440へ進み、否定判別が行われたときにはステップ420に於いて油圧制御が継続されることによって通常制御の状態が維持され、ステップ430に於いて当該車輪の漏れ検出継続時間Tholdi、増圧弁の漏れ継続時間Taleaki、減圧弁の漏れ継続時間Trleaki(i=fl、fr、rl、rr)がそれぞれ0にリセットされる。
【0083】
ステップ440に於いては該車輪の油圧制御が禁止されることによって該車輪の油圧が保持され、ステップ450に於いては図5に示されたフローチャートのサイクルタイムをΔTcとして当該車輪の漏れ検出継続時間TholdiがΔTcインクリメントされる。
【0084】
ステップ460に於いては前回は漏れ検出禁止状態であったか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ470に於いて当該車輪の制動油圧Piが検出されると共に、制動油圧Piに基づき図には示されていないマップより漏れ検出開始時の当該車輪のホイールシリンダ内の油量Qstri(i=fl、fr、rl、rr)が演算される。
【0085】
ステップ480に於いては当該車輪の制動油圧Pwiを示す信号が読み込まれると共に、制動油圧Piに基づき当該車輪の現在のホイールシリンダ内の油量Qni(i=fl、fr、rl、rr)が図には示されていないマップより演算される。
【0086】
ステップ490に於いてはLcを正の定数として当該車輪の増圧弁の増圧漏れ流速ΔQai(i=fl、fr、rl、rr)が下記の式1に従って演算される。
ΔQai={Qni−(Qstri+Lc)}/Tholdi ……(1)
【0087】
ステップ500に於いては当該車輪の増圧漏れ流速ΔQaiが基準値Qac(正の定数)以上であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ510に於いて増圧弁の漏れ継続時間TaleakiがΔTcインクリメントされ、否定判別が行われたときにはステップ515に於いて増圧弁の漏れ継続時間Taleakiが0にリセットされる。
【0088】
ステップ520に於いては当該車輪の減圧弁の減圧漏れ流速ΔQri(i=fl、fr、rl、rr)が下記の式2に従って演算される。
ΔQri={(Qstri−Lc)−Qni}/Tholdi ……(2)
【0089】
尚上記式1及び2に於ける定数Lcは制動油圧Piの検出誤差等に起因して漏れ流速ΔQai、ΔQriが高い値に演算され、これに起因して増圧弁や減圧弁が漏れ故障していると判定されることを防止するためのものである。
【0090】
ステップ530に於いては当該車輪の減圧漏れ流速ΔQriが基準値Qrc(正の定数)以上であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ540に於いて減圧弁の漏れ継続時間TrleakiがΔTcインクリメントされ、否定判別が行われたときにはステップ545に於いて減圧弁の漏れ継続時間Trleakiが0にリセットされる。
【0091】
ステップ550に於いては増圧弁の漏れ継続時間Taleakiが基準値Taleakc(正の定数)以上であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのままステップ570へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ560に於いて当該車輪の増圧弁が漏れ故障していると断定される。
【0092】
ステップ570に於いては減圧弁の漏れ継続時間Trleakiが基準値Trleakc(正の定数)以上であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのまま図5及び図6に示されたルーチンによる制御を終了し、肯定判別が行われたときにはステップ580に於いて当該車輪の減圧弁が漏れ故障していると断定される。
【0093】
かくして図示の第一の実施形態によれば、図2及び図3に示されたフローチャートに従って車輌が停止状態にあり且つ運転者により制動操作が行われている状況が所定の時間以上継続したか否かが判定され、図4に示されたフローチャートに従って車輌停車中の増圧弁及び減圧弁の漏れ検出が許可される状況であるか否かが判定され、漏れ検出が許可される状況であるときには図5及び図6に示されたフローチャートのステップ440以降のルーチンにより増圧弁及び減圧弁に漏れ異常があるか否かが判定される。
【0094】
従ってこの第一の実施形態によれば、車輌が停止状態にあり且つ運転者により制動操作が行われている状況に於いて増圧弁及び減圧弁に異常があるか否かが判定されるので、制動制御装置の作動開始時にのみ異常検出が行われる従来の異常検出装置の場合に比して、異常検出の頻度を高くすることができ、また運転者の車輌を走行させたいという意思に反して異常検出のために各車輪に制動力が付与された状況が維持されることを防止することができる。
【0095】
また増圧弁及び減圧弁が閉弁状態に維持され、本来ホイールシリンダ内の圧力が増減しない状況が確保され、その状況に於いてホイールシリンダ内の圧力が増加しホイールシリンダ内の油量が増加したときには増圧弁の異常と判定され、ホイールシリンダ内の圧力が減少しホイールシリンダ内の油量が減少したときには減圧弁の異常と判定されるので、増圧弁が異常であるか減圧弁が異常であるかを同時に判定することができる。
【0096】
また車輌が停止状態にあり且つ運転者により制動操作が行われている状況に於いて各車輪の増圧弁及び減圧弁が閉弁状態に維持されるだけでよく、各車輪の増圧弁及び減圧弁を所定の順序にて開閉制御すると共にその開閉操作に対応させて所定の位置の圧力を検出する必要がないので、各車輪の増圧弁及び減圧弁が所定の順序にて作動され、その制御及び圧力の検出が厳密に行われることを要する従来の異常検出装置の場合に比して、増圧弁及び減圧弁の異常検出を能率よく実行することができる。
【0097】
特に図示の第一の実施形態によれば、ステップ460〜480に於いて漏れ検出開始時のホイールシリンダ内の油量Qstri及び現在のホイールシリンダ内の油量Qniが演算され、ステップ490に於いて漏れ検出開始時のホイールシリンダ内の油量Qstri及び現在のホイールシリンダ内の油量Qniに基づきステップ490に於いて増圧漏れ流速ΔQaiが演算され、ステップ520に於いて減圧漏れ流速ΔQriが演算され、漏れ流速が基準値以上であるか否かの判別により増圧弁及び減圧弁の異常が判定されるので、漏れ検出開始時と現在のホイールシリンダ内の圧力との関係に基づいて異常判定が行われる場合に比して、ホイールシリンダ内の圧力の如何に拘らず増圧弁及び減圧弁の漏れ異常を正確に検出することができる。
【0098】
また図示の第一の実施形態によれば、増圧漏れ流速ΔQai及び減圧漏れ流速ΔQriが演算され、ステップ500、510、550、560に於いて増圧漏れ流速ΔQaiが基準値以上である状況が所定の時間以上継続した場合に増圧弁又は減圧弁が異常であると断定され、ステップ530、540、570、580に於いて減圧漏れ流速ΔQriが基準値以上である状況が所定の時間以上継続した場合に減圧弁が異常であると断定されるので、漏れ流速が基準値以上であるときに即座に増圧弁又は減圧弁が異常であると断定される場合に比して、増圧弁や減圧弁の異常を誤判定なく正確に検出することができる。
【0099】
また図示の第一の実施形態によれば、運転者により制動操作量であるマスタシリンダ圧力Pm1、Pm2の平均値Pm及びブレーキペダル12の踏み込みストロークStに基づき運転者の要求減速度Gtが演算され、ステップ310に於いて車輌が停止状態にあり且つ運転者の要求減速度Gtが基準値Gtlc以上であることを必須の異常検出許可条件として異常検出が行われてよいか否かが判定され、基準値Gtlcはホイールシリンダ内の圧力が車輌を停止状態に維持し得る所定値以上である状況を確保するための基準値であるので、例えば車輌が坂道にて停車している状況に於いても、異常検出時に車輌が不用意に移動することを効果的に防止することができる。
【0100】
また図示の第一の実施形態によれば、異常検出許可条件が成立し、異常検出が行われているときにも、運転者による制動操作が行われなくなると、ステップ410に於いて否定判別が行われることにより異常検出が中断され、ステップ4320に於いて通常の制動制御の状態に戻されるので、運転者の車輌走行再開の意思に反して異常検出のために車輪に制動力が付与された状態が継続されることを確実に防止することができる。
【0101】
また図示の第一の実施形態によれば、異常検出許可状態が継続し、異常検出許可継続時間Tdrが基準値Tdrcを越えると、ステップ310に於いて否定判別が行われ、ステップ320に於いて異常検出の禁止判定が行われるので、検出誤差等が長時間に亘り蓄積されることに起因して異常検出の誤判定が行われることを効果的に防止することができる。
【0102】
更に図示の第一の実施形態によれば、車輌が停止状態にあり且つ運転者により制動操作が行われていても運転者の要求減速度Gtが上限基準値Gthcを越えているときにはステップ310に於いて否定判別が行われ、ステップ320に於いて異常検出の禁止判定が行われるので、ホイールシリンダ内の圧力が過大であることに起因して減圧漏れ流速ΔQriが基準値以上になり、減圧弁が異常であるとはいえない状況に於いて減圧弁が異常であると断定されることを防止することができる。
【0103】
第二の実施形態
図7及び図8は本発明による異常検出装置の第二の実施形態に於ける増圧弁の漏れ検出処理ルーチンを示すフローチャート、図9及び図10は本発明による異常検出装置の第二の実施形態に於ける減圧弁の漏れ検出処理ルーチンを示すフローチャートである。
【0104】
この実施形態に於いては、電子制御装置78は、車輌が走行状態にあり且つ制動圧の制御が行われている状況に於いて増圧弁又は減圧弁によりホイールシリンダに対し給排される油量を推定すると共に、ホイールシリンダ内の圧力の変化量に基づきホイールシリンダ内の油量の変化量を演算し、前記推定された作動液体の量と前記演算された油量の変化量とに基づき増圧弁及び減圧弁の異常を判定する。
【0105】
特に電子制御装置78は、後述の図7及び図8のフローチャートに示されたルーチンに従い、ホイールシリンダ内の圧力の制御が減圧又は保持である状況に於いて、推定された油量と演算された油量の変化量とに基づき増圧弁を通過するオイルの流速を演算し、オイルの流速が基準値以上である状況が所定の時間以上継続したときに、増圧弁の異常であると判定する。
【0106】
また電子制御装置78は、後述の図9及び図10のフローチャートに示されたルーチンに従い、ホイールシリンダ内の圧力の制御が増圧又は保持である状況に於いて、推定された油量と演算された油量の変化量とに基づき減圧弁を通過するオイルの流速を演算し、オイルの流速が基準値以上である状況が所定の時間以上継続したときに、減圧弁の異常であると判定する。
【0107】
尚図には示されていないが、この第二の実施形態に於いても、車輌が停止状態にあり且つ運転者により制動操作が行われているときには、上述の第一の実施形態の場合と同様の要領にて車輌が停止状態にある場合に於ける増圧弁及び減圧弁の異常検出が行われ、従って図7乃至図10に示されたフローチャートによる異常検出は前述の図2乃至図6に示されたフローチャートによる異常検出に加えて実行される。
【0108】
次に図7及び図8に示されたフローチャートを参照して第二の実施形態に於ける増圧弁の漏れ故障判定ルーチンについて説明する。尚図7及び図8に示されたフローチャートによる処理は図には示されていないイグニッションスイッチの閉成により開始され、例えば左前輪、右前輪、左後輪、右後輪の順に各車輪について所定の時間毎に繰返し実行される(このことは後述の図9乃至図10に示されたフローチャートによる処理についても同様である)。
【0109】
ステップ610に於いては各センサの検出値を示す信号等の読み込みが行われ、ステップ620に於いては例えば当該車輪の増圧弁の漏れ検出禁止状態にあり且つ「当該車輪が減圧状態又は保持状態にある」か否かの判別により、当該車輪の増圧弁の漏れ検出が許可されてよいか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのままステップ640へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ630に於いて当該車輪の増圧弁の漏れ検出が許可に設定された後ステップ640へ進む。
【0110】
ステップ640に於いては例えば当該車輪の増圧弁の漏れ検出許可状態であり且つ「当該車輪が増圧状態又は当該車輪の油圧が制御されていない」状況であるか、又は当該車輪の増圧弁の漏れ検出継続時間Taholdi(i=fl、fr、rl、rr)が基準値(正の定数)以上であるか否かの判別により、当該車輪の増圧弁の漏れ検出が禁止されるべきであるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのままステップ660へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ650に於いて当該車輪の増圧弁の漏れ検出が禁止に設定される。
【0111】
ステップ660に於いては当該車輪の増圧弁の漏れ検出が許可状態にあるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ670に於いて増圧弁の漏れ検出継続時間Taholdi、増圧弁の漏れ継続時間Taleaki、減圧弁の制御電流積算時間Tasumi、減圧弁通過油量Qasumi(i=fl、fr、rl、rr)がそれぞれ0にリセットされ、肯定判別が行われたときにはステップ680に於いて図7及び図8に示されたフローチャートのサイクルタイムをΔTdとして増圧弁の漏れ検出継続時間TaholdiがΔTdインクリメントされる。
【0112】
ステップ690に於いては前回当該車輪の増圧弁の漏れ検出が禁止状態にあったか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのままステップ710へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ700に於いて当該車輪の制動油圧Piが検出されると共に、制動油圧Piに基づき図には示されていないマップより増圧弁の漏れ検出開始時の当該車輪のホイールシリンダ内の油量Qastri(i=fl、fr、rl、rr)が演算される。
【0113】
ステップ710に於いては当該車輪が減圧状態にあるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのままステップ730へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ720に於いてIasumfiを当該車輪の減圧弁の制御電流積算値Iasumiの前回値とし、当該車輪の減圧弁に対する現在の制御電流をIaiとして、当該車輪の減圧弁の制御電流積算値Iasumiが下記の式3に従って演算される。
Iasumi=Iasumfi+IaiΔTd ……(3)
【0114】
ステップ730に於いては減圧弁の制御電流積算値Iasumiに基づきKaqを正の係数として下記の式4に従って当該車輪の減圧弁通過油量Qasumiが演算される。
Qasumi=KaqIasumi ……(4)
【0115】
ステップ740に於いては当該車輪の制動油圧Piを示す信号が読み込まれると共に、制動油圧Piに基づき現在のホイールシリンダ内の油量Qani(i=fl、fr、rl、rr)が図には示されていないマップより演算される。
【0116】
ステップ750に於いてはLccを正の定数として当該車輪の増圧弁の増圧漏れ流速ΔQai(i=fl、fr、rl、rr)が下記の式5に従って演算される。
ΔQai={Qani−(Qstri+Lcc)−Qasumi}/Taholdi ……(5)
【0117】
ステップ760に於いては当該車輪の漏れ流速ΔQaiが基準値Qarc(正の定数)以上であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ770に於いて増圧弁の漏れ継続時間TaleakiがΔTdインクリメントされ、否定判別が行われたときにはステップ775に於いて増圧弁の漏れ継続時間Taleakiが0にリセットされる。
【0118】
ステップ780に於いては増圧弁の漏れ継続時間Taleakiが基準値Taleakc(正の定数)以上であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのまま図7及び図8に示されたルーチンによる制御を終了し、肯定判別が行われたときにはステップ790に於いて当該車輪の増圧弁が漏れ故障していると断定される。
【0119】
次に図9及び図10に示されたフローチャートを参照して第二の実施形態に於ける減圧弁の漏れ故障判定ルーチンについて説明する。
【0120】
ステップ810に於いては各センサの検出値を示す信号等の読み込みが行われ、ステップ820に於いては例えば当該車輪の減圧弁の漏れ検出禁止状態にあり且つ「当該車輪が増圧状態又は保持状態にある」か否かの判別により、当該車輪の減圧弁の漏れ検出が許可されてよいか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのままステップ840へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ830に於いて当該車輪の減圧弁の漏れ検出が許可に設定された後ステップ840へ進む。
【0121】
ステップ840に於いては例えば当該車輪の減圧弁の漏れ検出許可状態であり且つ「当該車輪が減圧状態又は当該車輪の油圧が制御されていない」状況であるか、又は当該車輪の減圧弁の漏れ検出継続時間Trholdi(i=fl、fr、rl、rr)が基準値(正の定数)以上であるか否かの判別により、当該車輪の減圧弁の漏れ検出が禁止されるべきであるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのままステップ860へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ850に於いて当該車輪の減圧弁の漏れ検出が禁止に設定される。
【0122】
ステップ860に於いては当該車輪の減圧弁の漏れ検出が許可状態にあるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ870に於いて減圧弁の漏れ検出継続時間Trholdi、減圧弁の漏れ継続時間Trleaki、増圧弁の制御電流積算時間Trsumi、増圧弁通過油量Qrsumi(i=fl、fr、rl、rr)がそれぞれ0にリセットされ、肯定判別が行われたときにはステップ880に於いて図9及び図10に示されたフローチャートのサイクルタイムをΔTeとして減圧弁の漏れ検出継続時間TrholdiがΔTeインクリメントされる。
【0123】
ステップ890に於いては前回当該車輪の減圧弁の漏れ検出が禁止状態にあったか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのままステップ910へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ900に於いて当該車輪の制動油圧Piが検出されると共に、制動油圧Piに基づき図には示されていないマップより減圧弁の漏れ検出開始時の当該車輪のホイールシリンダ内の油量Qrstri(i=fl、fr、rl、rr)が演算される。
【0124】
ステップ910に於いては当該車輪が増圧状態にあるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのままステップ930へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ920に於いてIrsumfiを当該車輪の増圧弁の制御電流積算値Irsumiの前回値とし、当該車輪の増圧弁に対する現在の制御電流をIriとして、当該車輪の増圧弁の制御電流積算値Irsumiが下記の式6に従って演算される。
Irsumi=Irsumfi+IriΔTe ……(6)
【0125】
ステップ930に於いては増圧弁の制御電流積算時間値Irsumiに基づきKrqを正の係数として下記の式7に従って当該車輪の増圧弁通過油量Qrsumiが演算される。
Qrsumi=KrqIrsumi ……(7)
【0126】
ステップ940に於いては当該車輪の制動油圧Piを示す信号が読み込まれると共に、制動油圧Piに基づき現在のホイールシリンダ内の油量Qrni(i=fl、fr、rl、rr)が図には示されていないマップより演算される。
【0127】
ステップ950に於いてはLccを正の定数として当該車輪の減圧弁の減圧漏れ流速ΔQri(i=fl、fr、rl、rr)が下記の式8に従って演算される。
ΔQri={(Qrstri−Lcc)+Qrsumi−Qrni}/Trholdi ……(8)
【0128】
尚上記式5及び8に於ける定数Lccは制動油圧Piの検出誤差や通過油量Qasumi、Qrsumiの推定誤差等に起因して漏れ流速ΔQai、ΔQriが高い値に演算され、これに起因して増圧弁や減圧弁が漏れ故障していると判定されることを防止するためのものである。
【0129】
ステップ960に於いては当該車輪の漏れ流速ΔQriが基準値Qrrc(正の定数)以上であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ970に於いて減圧弁の漏れ継続時間TrleakiがΔTeインクリメントされ、否定判別が行われたときにはステップ975に於いて減圧弁の漏れ継続時間Trleakiが0にリセットされる。
【0130】
尚この第二の実施形態に於いては、通過油量Qasumi、Qrsumiはそれぞれ減圧弁の制御電流積算値Iasumi及び増圧弁の制御電流積算値Irsumiに基づいて推定されるので、推定誤差に起因して異常の誤判定が行われないよう、ステップ760の判別に於ける基準値Qarc及びステップ960の判別に於ける基準値Qrrcはそれぞれ第一の実施形態のステップ500及び530の判別に於ける基準値Qac及びQrcよりも大きい値であることが好ましい。
【0131】
ステップ980に於いては減圧弁の漏れ継続時間Trleakiが基準値Trleakc(正の定数)以上であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのまま図9及び図10に示されたルーチンによる制御を終了し、肯定判別が行われたときにはステップ990に於いて当該車輪の減圧弁が漏れ故障していると断定される。
【0132】
かくしてこの第二の実施形態によれば、ステップ620〜660に於いて増圧弁の漏れ検出が許可されるか否かの判別が行われ、増圧弁の漏れ検出が禁止後の最初に許可されるときにはステップ700に於いて増圧弁の漏れ検出開始時の当該車輪のホイールシリンダ内の油量Qastriが演算され、ステップ710、720に於いて当該車輪が減圧状態にあるときに増圧弁の制御電流積算値Iasumiが演算され、ステップ730に於いて制御電流積算値Iasumiに基づき減圧弁通過油量Qasumiが演算され、ステップ740に於いて現在のホイールシリンダ内の油量Qaniが演算される。
【0133】
そしてステップ750に於いて油量Qastri、Qasumi、Qaniに基づいて増圧弁の増圧漏れ流速ΔQaiが演算され、ステップ760に於いて漏れ流速ΔQaiが基準値Qarc以上であるか否かの判別が行われ、ステップ770及び780に於いて漏れ流速ΔQaiが基準値Qarc以上である状況が基準時間以上継続したと判定されると、ステップ790に於いて当該車輪の増圧弁が漏れ故障していると断定される。
【0134】
同様に、ステップ820〜860に於いて減圧弁の漏れ検出が許可されるか否かの判別が行われ、減圧弁の漏れ検出が禁止後の最初に許可されるときにはステップ900に於いて減圧弁の漏れ検出開始時の当該車輪のホイールシリンダ内の油量Qrstriが演算され、ステップ910、920に於いて当該車輪が増圧状態にあるときに増圧弁の制御電流積算値Irsumiが演算され、ステップ930に於いて制御電流積算値Irsumiに基づき増圧弁通過油量Qrsumiが演算され、ステップ940に於いて現在のホイールシリンダ内の油量Qrniが演算される。
【0135】
そしてステップ950に於いて油量Qrstri、Qrsumi、Qrniに基づいて減圧弁の減圧漏れ流速ΔQriが演算され、ステップ960に於いて漏れ流速ΔQriが基準値Qrrc以上であるか否かの判別が行われ、ステップ970及び980に於いて漏れ流速ΔQriが基準値Qrrc以上である状況が基準時間以上継続したと判定されると、ステップ990に於いて当該車輪の減圧弁が漏れ故障していると断定される。
【0136】
かくしてこの第二の実施形態によれば、前述の図2乃至図6に示されたフローチャートによる制御が実行されることによって上述の第一の実施形態の場合と同様の作用効果を得ることができると共に、車輌が走行状態にあり且つ制動圧の制御が行われている状況に於いて制動圧の制御による増圧弁及び減圧弁の開閉操作を利用して増圧弁及び減圧弁の漏れ異常が検出されるので、車輌が走行状態にあり且つ制動圧の制御が行われている状況に於いて増圧弁及び減圧弁を特別に開閉操作することなく増圧弁及び減圧弁の漏れ異常を検出することができる。
【0137】
特に図示の第二の実施形態によれば、ステップ610〜660に於いて増圧弁の漏れ検出が許可されるか否かが判別され、増圧弁の漏れ検出が許可されるときにはステップ680〜750に於いて増圧弁の漏れ検出開始時のホイールシリンダ内の油量Qastri、減圧制御時の減圧弁通過油量Qasumi、現在のホイールシリンダ内の油量Qaniに基づき増圧漏れ流速ΔQaiが演算され、ステップ760に於いて増圧漏れ流速が基準値以上であるか否かの判別により増圧弁の異常が判定される。
【0138】
同様に、ステップ810〜860に於いて減圧弁の漏れ検出が許可されるか否かが判別され、減圧弁の漏れ検出が許可されるときにはステップ880〜950に於いて減圧弁の漏れ検出開始時のホイールシリンダ内の油量Qrstri、増圧制御時の増圧弁通過油量Qrsumi、現在のホイールシリンダ内の油量Qrniに基づき減圧漏れ流速ΔQriが演算され、ステップ760に於いて減圧漏れ流速が基準値以上であるか否かの判別により減圧弁の異常が判定される。
【0139】
従って上述の第一の実施形態の場合と同様、漏れ検出開始時と現在のホイールシリンダ内の圧力との関係に基づいて異常判定が行われる場合に比して、ホイールシリンダ内の圧力の如何に拘らず増圧弁及び減圧弁の漏れ異常を正確に検出することができる。
【0140】
また図示の第二の実施形態によれば、増圧漏れ流速ΔQai及び減圧漏れ流速ΔQriが演算され、ステップ760〜790に於いて増圧漏れ流速が基準値以上である状況が所定の時間以上継続した場合に増圧弁が異常であると断定され、ステップ960〜990に於いて減圧漏れ流速が基準値以上である状況が所定の時間以上継続した場合に減圧弁が異常であると断定されるので、漏れ流速が基準値以上であるときに即座に増圧弁又は減圧弁が異常であると断定される場合に比して、増圧弁や減圧弁の異常を誤判定なく正確に検出することができる。
【0141】
更に図示の第二の実施形態によれば、増圧弁の漏れ異常検出継続時間Taholdが基準値Taholdcを越えると、ステップ640に於いて肯定判別が行われ、ステップ650に於いて増圧弁の漏れ異常検出が禁止され、減圧弁の漏れ異常検出継続時間Trholdが基準値Trholdcを越えると、ステップ840に於いて肯定判別が行われ、ステップ850に於いて減圧弁の漏れ異常検出が禁止されるので、異常検出が長時間に亘り継続され検出誤差や減圧弁通過油量Qasumi、増圧弁通過油量Qrsumiの推定誤差等が長時間に亘り蓄積されることに起因して異常検出の誤判定が行われることを効果的に防止することができる。
【0142】
以上に於いては本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0143】
例えば上述の各実施形態に於いては、増圧漏れ流速及び減圧漏れ流が演算され、漏れ流が対応する基準値以上であるか否かの判別により増圧弁及び減圧弁の異常が判別されるようになっているが、例えば上記式1、2、5、8の分子の値として増圧漏れ流及び減圧漏れ流量が演算され、例えば基準値ΔQacとTholdiとの積、基準値ΔQrcとTholdiとの積、基準値ΔQarcとTaholdiとの積、基準値ΔQrrcとTrholdiとの積の如く、異常検出継続時間の増大につれて漸次増大する基準値を演算し、漏れ流がその基準値以上であるか否かの判別により増圧弁及び減圧弁の異常が判別されるよう修正されてもよい。
【0144】
また上述の各実施形態に於いては、増圧漏れ流速及び減圧漏れ流が演算され、漏れ流が対応する基準値以上であるか否かの判別により増圧弁及び減圧弁の異常が判別されるようになっているが、特に第二の実施形態に於いては、ホイールシリンダに対し給排される油量の推定値である減圧弁通過油量Q asumi 及び増圧弁通過油量Q rsumi ホイールシリンダ内の圧力の変化量との関係に基づいて増圧弁及び減圧弁の異常が判別されるよう修正されてもよく、その場合にも基準値は異常検出継続時間の増大につれて漸次増大するよう演算されることが好ましい。
【0145】
また上述の各実施形態に於いては、各車輪のホイールシリンダ圧力Piを制御する弁は増減圧制御弁としてのリニア弁50FL、50FR、50RL、50RR及び減圧制御弁としてのリニア弁60FL、60FR、60RL、60RRよりなっているが、これらの弁は増減圧及び保持の機能を備えた制御弁に置き換えられてもよい。
【0146】
また上述の各実施形態に於いては、制動力の通常制御時には各車輪の目標制動圧Ptiは運転者の制動操作量を示す値としてのマスタシリンダ圧力Pm1、Pm2の平均値Pma及びブレーキペダルの踏み込み量Stに基づいて運転者の要求減速度Gtが演算され、各車輪の目標制動圧Ptiは運転者の要求減速度Gtに基づいて演算されるようになっているが、通常の制動制御自体は本発明の要旨をなすものではなく、当技術分野に於いて公知の任意の要領にて実行されてよい。
【0147】
更に上述の各実施形態に於いては、運転者により制動操作が行われているか否かの判別は運転者の要求減速度Gtに基づいて判定されるようになっているが、運転者による制動操作量が基準値以上であり運転者により制動操作が行われているか否かの判別は、例えばマスタシリンダ圧力Pmが基準値以上であるか否かの判別、ブレーキペダル12のストロークStが基準値以上であるか否かの判別、又は踏力センサにより検出されるブレーキペダル12に対する踏力が基準値以上であるか否かの判別により行われてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による異常検出装置の第一の実施形態が適用された車輌用制動制御装置の油圧回路及び制御系を示す概略構成図である。
【図2】第一の実施形態に於ける制動操作の判定ルーチンの前半を示すフローチャートである。
【図3】第一の実施形態に於ける制動操作の判定ルーチンの後半を示すフローチャートである。
【図4】第一の実施形態に於ける漏れ検出許可判定ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】第一の実施形態に於ける漏れ検出処理ルーチンの前半を示すフローチャートである。
【図6】第一の実施形態に於ける漏れ検出処理ルーチンの後半を示すフローチャートである。
【図7】本発明による異常検出装置の第二の実施形態に於ける増圧弁の漏れ検出処理ルーチンの前半を示すフローチャートである。
【図8】第二の実施形態に於ける増圧弁の漏れ検出処理ルーチンの後半を示すフローチャートである。
【図9】第二の実施形態に於ける減圧弁の漏れ検出処理ルーチンの前半を示すフローチャートである。
【図10】第二の実施形態に於ける減圧弁の漏れ検出処理ルーチンの後半を示すフローチャートである。
【図11】マスタシリンダ圧力の平均値Pmaと目標減速度Gptとの関係を示すグラフである。
【図12】ブレーキペダルの踏み込みストロークStと目標減速度Gstとの関係を示すグラフである。
【図13】目標減速度Gptと目標減速度Gstに対する重みαとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10…ブレーキ装置
12…ブレーキペダル
14…マスタシリンダ
22FL〜22RR…ホイールシリンダ
24F、24R、26…電磁開閉弁
50FL〜50RR…リニア弁
60FL〜60RR…リニア弁
66、68…圧力センサ
70…ストロークセンサ
72、74FL〜74RR…圧力センサ
76FL〜76RR…車輪速度センサ
78…電子制御装置

Claims (11)

  1. 運転者の制動操作に応じて高圧の液圧供給源よりの液圧を使用して増減圧制御弁によりホイールシリンダ内の圧力を制御する車輌用制動制御装置の異常検出装置にして、車輌が停止状態にあり且つ前記ホイールシリンダ内の圧力が所定値以上の圧力である状況に於いて前記増減圧制御弁を閉弁状態に維持し、前記増減圧制御弁が閉弁状態に維持された直後の前記ホイールシリンダ内の圧力及びその後の前記ホイールシリンダ内の圧力に基づき増減圧制御弁を通過する作動液体の流速を演算し、該作動液体の流速に基づき前記増減圧制御弁の異常を判定することを特徴とする車輌用制動制御装置の異常検出装置。
  2. 前記制動制御装置は運転者の制動操作量を検出する手段を有し、前記異常検出装置は運転者の制動操作量が基準値以上であるときにホイールシリンダ内の圧力が所定値以上の圧力であると判定することを特徴とする請求項1に記載の車輌用制動制御装置。
  3. 前記ホイールシリンダ内の圧力の変化が増圧であり、前記作動液体の流速が基準値以上であるときに、前記増減圧制御弁の増圧異常であると判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の車輌用制動制御装置。
  4. 前記ホイールシリンダ内の圧力の変化が減圧であり、前記作動液体の流速が基準値以上であるときに、前記増減圧制御弁の減圧異常であると判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の車輌用制動制御装置。
  5. 前記増減圧制御弁は増圧弁と減圧弁とよりなり、前記ホイールシリンダ内の圧力の変化が増圧であり、前記作動液体の流速が基準値以上であるときに、前記増圧弁の異常であると判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の車輌用制動制御装置。
  6. 前記増減圧制御弁は増圧弁と減圧弁とよりなり、前記ホイールシリンダ内の圧力の変化が減圧であり、前記作動液体の流速が基準値以上であるときに、前記減圧弁の異常であると判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の車輌用制動制御装置。
  7. 前記作動液体の流速が基準値以上である状況が所定の時間以上継続したときに、異常であると判定することを特徴とする請求項乃至6の何れか一つに記載の車輌用制動制御装置。
  8. 車輌が停止状態にあり且つ運転者による制動操作が行われ前記ホイールシリンダ内の圧力が車輌を停止状態に維持し得る圧力である状況に於いて前記増減圧制御弁を閉弁状態に維持することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一つに記載の車輌用制動制御装置。
  9. 運転者の制動操作に応じて高圧の液圧供給源よりの液圧を使用して増減圧制御弁によりホイールシリンダ内の圧力を制御する車輌用制動制御装置の異常検出装置にして、車輌が走行状態にあり且つ前記増減圧制御弁により前記ホイールシリンダ内の圧力を制御している状況に於いて前記増減圧制御弁により前記ホイールシリンダに対し給排される作動液体の量を推定すると共に、推定された前記作動液体の量と前記ホイールシリンダ内の圧力の変化量との関係に基づき前記増減圧制御弁の異常を判定することを特徴とする車輌用制動制御装置の異常検出装置。
  10. 前記増減圧制御弁による前記ホイールシリンダ内の圧力の制御が増圧又は減圧より保持へ移行した時点より前記増減圧制御弁により前記ホイールシリンダに対し給排される作動液体の量を推定することを特徴とする請求項9に記載の車輌用制動制御装置。
  11. 前記ホイールシリンダ内の圧力の変化量に基づき前記ホイールシリンダ内の作動液体の変化量を演算し、前記推定された作動液体の量と前記演算された作動液体の変化量との関係に基づき前記増減圧制御弁の異常を判定することを特徴とする請求項9に記載の車輌用制動制御装置。
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