JP2002346792A - トランスファプレスの抜き絞り装置 - Google Patents

トランスファプレスの抜き絞り装置

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JP2002346792A JP2001161562A JP2001161562A JP2002346792A JP 2002346792 A JP2002346792 A JP 2002346792A JP 2001161562 A JP2001161562 A JP 2001161562A JP 2001161562 A JP2001161562 A JP 2001161562A JP 2002346792 A JP2002346792 A JP 2002346792A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 円筒溝カムの溝に当接するカムフォロアがス
リップする、逆転する結果、摩耗したり運転速度を上げ
ることができないという問題の解決。 【解決手段】 スライド5の上下動に同期して回転する
円筒リブカム17と、カム面17a,17bを挟持しカ
ム面変位に従動するカムフォロア21A、21Bを一方
端に軸着し他方端に初絞りパンチ14と係合する揺動レ
バー13とで構成したので、カムフォロア21A、21
Bは1方向のみの回転となった。また、カム面17a,
17bとカムフォロア21A、21Bとのどの接点にお
いても双方の周速が等しくなるようにしたので当接面で
の滑りがなくなった。また、カムフォロア21A、21
Bの取付軸はカムフォロア外径に対して偏芯し回動手段
を有するので、カム面に予圧を与えることが可能になり
滑ることなく転がり回転をし、カムの変位を忠実に絞り
パンチ14に伝達できるようになった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、第1工程の抜き絞
り工程でブランクを打ち抜いて絞りカップ状に成形した
後に多工程のプレス加工を順次連続的に行なうトランス
ファプレス機において、ブランクの打ち抜きと初絞りと
を同一工程内で加工する抜き絞り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、トランスファプレス機において、
例えば図8に示すような抜き絞り装置が知られている
(以下従来技術Aという)。以下図8をもとに従来技術
Aを説明する。図示しない駆動モータにより回転駆動さ
れる主軸104にはカム103Aおよび図示しないカム
103Bとが形成されており、これらカム103Aおよ
びカム103Bの回転に従動して上下動するスライド1
05がフレーム101内に設けられている。フレームの
左側面には、主軸104と同期して回転駆動される縦軸
107が軸支され円筒溝カム116が取着されている。
この円筒溝カム116に設けられた溝に遊挿して係合す
る外周が円筒である1個のカムフォロア120がフレー
ムに取着の支点軸に枢支された揺動レバー112の一方
端に軸着され、この揺動レバー112の他方端には初絞
りパンチ113が係合されている。この初絞りのパンチ
113は上台108の中で鉛直線上を上下動するように
案内されており、円筒溝カム116の回転に基づく揺動
レバー112の揺動運動に従って、初絞りパンチ113
はスライド105の動きとは別のタイミングで鉛直線上
を上下動するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来技術において、揺動レバー112に軸着されたカムフ
ォロア120は、回転する円筒溝カム116の溝に遊挿
されているため、カム溝の変位に応じて上下に2面ある
カム溝の壁のどちらか一方に当接し、円筒溝カム116
の溝の動きに応じて正転したり逆転したりまたは停止し
たりする。すなわち、円筒溝カム116に係合するカム
フォロア120が当接するカム溝の壁が、プレス運転時
の時間経過により慣性力あるいは初絞りの負荷の変化に
応じて反対側に移り変わるとき、それまでの回転方向が
逆転することになる。あるいは、そのとき当接圧力があ
るレベル以下に低下している場合にはカムフォロア12
0は回転しなくなる。
【0004】また、従来技術Aの場合、カムフォロア1
20の外周は円筒平面であるためカムフォロア120の
外周と円筒溝カム116の溝との係合は線接触となっ
て、円筒溝カム116の溝の回転半径方向位置によって
周速が異なる。そのため、カムフォロア120の外周と
円筒溝カムの溝の面との間で滑る領域が存在することに
なる。
【0005】以上のように、プレス運転中の時間経過と
共に、円筒溝カム116の溝に当接するカムフォロア1
20が回転しないままカム溝の反対側の壁に衝突し、そ
の後当接圧力が大きくなって回転を始めたり、このカム
フォロア120が当接するカム溝の壁の移り変わりに応
じて逆転するといった一様ではない運動を繰り返す結
果、プレスの運転速度をあるレベル以上に上げて使用す
ると、円筒溝カム116の溝表面や特にカムフォロア1
20の表面が早期に損傷するという問題があった。ま
た、回転半径方向位置によって周速が異なるため、カム
フォロア120の外周とカム溝面との間に滑りが発生
し、カムフォロア120の外周面またはカム溝面が磨耗
するという問題があった。そのためこの方式の抜き絞り
装置がプレスの高速生産を阻害する要因となっていた。
【0006】本発明は、従来技術Aが有するこのような
問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするとこ
ろは、円筒溝カムの溝やカムフォロアの表面が早期に損
傷することなく、さらなる高速運転が可能な生産性の高
い抜き絞り装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の請求項1に記載のトランスファプレス機における抜き
絞り装置は、直列する複数の加工工程が設けられ該加工
工程に向かってスライドが上下動し、機外から供給され
た材料からブランクを打抜き次いで初絞りを行う抜き絞
り工程から順次次工程へワークを移送してプレス加工す
るトランスファプレス機において、前記スライド下部の
前記抜き絞り工程対応位置に取着の打抜きパンチと、該
打抜きパンチの中心に穿孔された案内孔に沿って摺動可
能に設け上端部に枢着部を有する初絞りパンチと、前記
打抜きパンチと前記初絞りパンチのそれぞれに対向して
上下に重ねて下台に取着のブランキングダイおよび初絞
りダイと、前記スライドの上下動に同期して回転する円
筒リブカムと、該円筒リブカムのカム面を挟持し該円筒
リブカムの回転によるカム面変位に従動する1対のカム
フォロアを一方端に軸着し他方端には前記初絞りパンチ
の枢着部と係合する枢着部を有し前記フレームに設けら
れた支点軸に軸支され揺動する揺動レバーとで構成し、
前記スライドの下降により前記打抜きパンチとブランキ
ングダイとの協働で打抜かれたブランクを、前記スライ
ドに同期して回転する前記円筒リブカムで駆動される前
記揺動レバーと係合した前記初絞りパンチの下降により
前記初絞りダイとの協働で初絞りをするようにしたもの
である。
【0008】上記目的を達成するための請求項2に記載
のトランスファプレス機における抜き絞り装置は、前記
円筒リブカムのカム面と該カム面と当接するカムフォロ
アの外周面との接点のどの接点においても双方の周速が
等しくなる傾斜面をそれぞれが有するようにしたもので
ある。
【0009】上記目的を達成するための請求項3に記載
のトランスファプレス機における抜き絞り装置は、前記
1対のカムフォロアの少なくとも一方の取付軸はカムフ
ォロア外径に対して偏芯しかつ該取付軸を回動する回動
手段を有し、前記揺動レバーは該取付軸を回動固定する
固定手段を有するようにしたものである。
【0010】
【作用】請求項1に記載の発明によると、円筒リブカム
に係合する一対のカムフォロアはそれぞれが当接するカ
ム面が各々1面に決まっているので、1方向のみの回転
となり、円筒溝カムに係合するカムフォロアのようにカ
ム面に当接して回転する方向が正逆になることはない。
【0011】請求項2に記載の発明によると、請求項1
の作用に加え、カムフォロアが回転する円筒リブカムの
カム面に当接して回転するとき、このカム面の半径方向
の各位置における周速が、当接するカムフォロア外周面
の各位置の回転周速とどの位置においても一致するよう
な傾斜面をカムフォロアとカム面とがそれぞれ有してい
るので、円筒リブカムとカムフォロアとは互いに転がり
回転を行ないそのため当接面がすべることはない。
【0012】請求項3に記載の発明によると、請求項
1、2の作用に加え、1対のカムフォロアの少なくとも
一方の取付軸はカムフォロア外径に対して偏芯しかつこ
の取付軸を回動する回動手段を有し、揺動レバーはこの
取付軸を回動固定する固定手段を有するようにした。そ
の結果、円筒リブカムのカム面に対してカムフォロアに
よる予圧を与えることが可能になり、円筒リブカムのカ
ム面と一対のカムフォロアとは絶えず圧力を持って接し
ているため互いに滑ることなく転がり回転を続けること
ができると同時に、カムの変位を忠実にカムフォロアに
伝達することができるので、絞りパンチの上下動を正確
に制御できるようになる。
【0013】
【実施例】以下請求項1に係わる本発明の実施例の形態
を図1、図2に基づいて説明する。図1は、トランスフ
ァプレス機のダイセット、金型を含む機械上部の外観を
示す。図2は、第1工程における抜き絞り装置の詳細を
示す。
【0014】図1において、フレーム1の下部のボルス
ター面1a上に下台2が固着されている。フレーム1の
上部にはカム3A、3Bを形成する主軸4がフレーム1
に軸支され、図示しない駆動モータにより図示しないベ
ルト、プーリ、ギアを介して図1右方端から回転駆動さ
れる。この主軸4に形成のカム3A、3Bの回転に従動し
て上下するカムフォロア3Aa、3Ab、3Ba、3B
bが取着したスライド5は、主軸4の回転により図示し
ない案内手段で案内され上下動する。主軸4の左端部に
はベベルギア6Aが装着され、フレーム1の左側面に軸
支された縦軸7上部に装着されたベベルギア6Bと噛み
合っている。ベベルギア6Aと6Bとはそれぞれ同じ歯
数を有しており、そのため縦軸7は主軸4と同期して回
転する。スライド5の下部には上台8が固着され、下台
2と共にダイセットを構成し複数工程にわたる金型が装
着されている。
【0015】第1工程はダイセットの複数工程の最左端
に位置し、図2に示すように下台2の上面にダイホルダ
11が位置決めして固定されており、このダイホルダ1
1にブランキングダイ9とその直下に初絞りダイ10が
それぞれの中心を高精度に一致させて挿着されている。
ブランキングダイ9の真上には材料Wが通され、スライ
ド5の上下動に同期して間欠的に紙面に対して直角方向
へ定量送りされる。一方上台8前面にはパンチホルダ1
2Aが取着され、このパンチホルダ12Aにはブランキ
ングパンチ12が挿着され固定されている。さらに、こ
のブランキングパンチ12の中心に上下に貫通して穿孔
された案内孔に案内されて、このブランキングパンチ1
2の内部を上下に移動可能に初絞りパンチ14が嵌入さ
れている。初絞りパンチ14の上端部には凹形状の枢着
部分を持ったジョイントブロック15が取り着けられ、
右方に接した案内板15Aに案内されて上下に移動可能
となっている。
【0016】フレーム1左側面には、ベベルギヤ6A、
6Bが噛み合い主軸4に連動され回転駆動される縦軸7
が軸支されており、この縦軸7には円筒リブカム17が
取着されスライド5の上下動に同期して回転駆動され
る。この円筒リブカム17のカム面17a、17bを挟
持し、この円筒リブカムの回転によるカム面変位に従動
する1対のカムフォロア21A,21Bが、フレーム1
に固着のブラケット19に担持された支点軸18によっ
て軸支された揺動レバー13の一方端の二股部にそれぞ
れ取着されている。揺動レバー13の他方端には、初絞
りパンチ14の上端に取着されたジョイントブロック1
5の凹枢着部と係合する凸枢着部を有する連接爪16が
取着されている。
【0017】以下動作について図7に基づき説明する。
機械が運転され主軸4が回転すると、スライド5の下降
と共にスライドに取着されたブランキングパンチ12が
下降し、ブランキングダイ9との協働で材料Wから所定
の大きさのブランクを打ち抜き下降端に達し、カム3
A、3Bに設けられた停留部分(60°の範囲)の間
で、スライドは停留する。このとき、材料Wから打ち抜
かれたブランクはブランキングパンチ12の下端面で初
絞りダイ10の上面に押圧され保持され、次の初絞りの
時のしわ押さえの役目となる。
【0018】このスライドの停留している間に、以下に
述べるように抜き絞り装置によって初絞りが行なわれ
る。抜き絞り装置はブランキングパンチ12、ブランキ
ングダイ9、初絞りパンチ14、初絞りダイ10、揺動
レバー13、ジョイントブロック15、連接爪16、カ
ムフォロア21A、21Bおよび円筒リブカム17とで
構成される。前述のように、揺動レバー13の揺動支点
である支点軸18は、フレーム1に固着されたブラケッ
ト19に担持されている。揺動レバー13の第1工程側
には凸枢着部を持った連接爪16が固着され、初絞りパ
ンチ14の上部には連接爪16と係合する凹枢着部を持
ったジョイントブロック15が取着されている。初絞り
パンチ14はブランキングパンチ12に貫通して穿孔さ
れた案内孔12aと調整ネジ20に貫通して穿孔された
案内孔20aとによって案内されており、連接爪16と
ジョイントブロック15の係合によって揺動レバー13
の揺動運動が初絞りパンチ14の直線運動に変換され
る。
【0019】主軸4が回転し、スライド5の下部に取着
のブランキングパンチ12が下降端に達すると、主軸4
と同期して回転する縦軸7に取り着けられた円筒リブカ
ム17の回転に従いカム面17a、17bは上昇域に入
り、カム面17a、17bの変位に従動するカムフォロ
ア21A、21Bが取り着けられた揺動レバー13が時
計方向に揺動し、揺動レバー13の他方端に取り着けら
れた連接爪16と初絞りパンチ14の上部に取り着けら
れたジョイントブロック15の各枢着部の連繋作用で、
初絞りパンチ14は下降を始める。この初絞りパンチ1
4の下降により、ブランキングパンチ12の下端面で初
絞りダイ10の上面に押圧され保持されていたブランク
は、初絞りパンチ14と初絞りダイ10との協働によ
り、初絞りが行われカップ状のワークwに成形される。
初絞りによって成形されたワークwは搬送ラインまで下
降し順次次工程へ移送され連続した一連のプレス加工が
行われる。
【0020】さらに請求項1に係わる本発明の実施例の
形態を図2、図3、図4、図5に基づいて説明する。図
3は、2個のカムフォロア21A、21Bと円筒リブカ
ム17との係合関係を示す正面図で一部図5に示すC−
C矢視の断面を表している。図4は図3のD矢視図、図
5は図3のE矢視図である。
【0021】揺動レバー13の円筒リブカム17側端部
は二又形状をしており、2個のカムフォロア21A、2
1Bの軸部を挿入するための穴13a、13bがそれぞ
れ穿設され、カムフォロアが軸着されている。穴13a
の近傍には穴13aの軸心方向と直角な方向に別の穴1
3cが穴13aに一部かかる距離に穿設され、ボルト通
し孔が穿孔された締着駒24A、タップ孔加工がされた
締着駒24Bが挿入されている。締着駒24A、締着駒
24Bのそれぞれにはカムフォロア21A、21Bの軸
部外径に倣うようにR面切欠きが設けられている。ボル
ト25を締着駒24Bに締め込むことにより、締着駒2
4A、締着駒24Bのそれぞれに設けられたR面切欠き
が、カムフォロア21Aの軸を挟み締め上げて軸の回転
を固定する。
【0022】このように、2個のカムフォロア21A、
21Bはそれぞれ揺動レバー13に軸着され、縦軸7に
取着された円筒リブカム17のカム面17a、17bを
挟むことによって、カム面17a、17bの変位に伴い
上下する。また、円筒リブカム17のカム面17a、1
7bに接して従動するカムフォロア21A、21Bは、
それぞれ片面のみに絶えず接するため、カムフォロア2
1A、21Bは一方向のみに回転することになる。
【0023】つぎに、以下請求項2に係わる本発明の実
施例の形態を図6に基づいて説明する。円筒リブカム1
7のカム面17a、17bとこのカム面17a、17b
と当接するカムフォロア21A、21Bの外周面との接
点の、どの接点においても双方の周速が等しくなるよう
傾斜面17a、17bは形成されている。図6におい
て、傾斜面を持つカムフォロア21Aの小径側の直径を
Dr0、大径側の直径をDrmとする。一方、円筒リブ
カム17のカムフォロア21Aの小径及び大径側との当
接点P1、P2における回転直径をそれぞれD0、Dm
とする。また、円筒リブカム17の回転速度をN、カム
フォロア21Aの回転速度をNrとする。また、円周率
をπとする。
【0024】カムフォロア21Aの小径側の当接点P1
における、円筒リブカム17のカム面17aの周速V0
及びカムフォロア21Aの周速V0’は、数1におい
て、それぞれ式(1)、(2)で表される。ここで、V
0=V0’であるから(1)、(2)から式(3)を得
る。一方、カムフォロア21Aの大径側の当接点P2に
おける、円筒リブカム17のカム面17aの周速Vm及
びカムフォロア21Aの周速Vm’はそれぞれ式
(4)、(5)で表される。ここで、Vm=Vm’であ
るから(4)、(5)から式(6)を得る。式(3)、
式(6)より式(7)が得られる。
【0025】
【数1】
【0026】式(7)より、カムフォロア21Aの小径
側の直径Dr0、大径側の直径Drm、カム面17aの
カムフォロア21Aの小径との当接点P1における回転
直径D0、カムフォロア21Aの大径側との当接点P2
における回転直径Dmの各寸法は、それぞれ3つの寸法
を決めれば残りの寸法が求められる。双方の周速が等し
くなる傾斜面は、カムフォロア21Aの当接点P1、P
2の直径を決めれば、カム面17aの一方の寸法を決め
ることにより他方の寸法も決定される。
【0027】この実施例の場合は、D0=126mm、
Dm=166mm、Dr0=54mmであるので、Dr
mは式(7)よりDrm=71.143mmとなる。円
筒リブカムの回転速度Nが毎分100回転の場合、
(3)式によりカムフォロアの回転速度Nrは毎分23
3.333回転である。カムフォロアの小径側の当接点
P1における、カム面17aの周速V0及びカムフォロ
ア21Aの周速V0’はそれぞれ(1)、(2)式によ
り毎分39.58mとなり一致する。また、カムフォロ
ア21Aの大径側の当接点P2における、円筒リブカム
17のカム面17aの周速Vm及びカムフォロア21A
の周速Vm’はそれぞれ式(4)、(5)より、毎分5
2.15mとなり一致する。
【0028】このように、カムフォロア21A、21B
が回転する円筒リブカム17のカム面17a、17bに
それぞれ当接して回転するとき、このカム面17a、1
7bの半径方向の各位置における周速が、当接するカム
フォロア21A、21B外周面の各位置の回転周速と、
どの位置においても一致するような傾斜面をカムフォロ
ア21A、21Bとカム面17a、17bとがそれぞれ
有しているので、円筒リブカム17のカム面17a、1
7bとカムフォロア21A、21B外周面とは互いに転
がり回転を行ないどの位置においても当接面がすべるこ
とはない。そのため、当接面に滑りによる摩耗が生じな
い。
【0029】つぎに、以下請求項3に係わる本発明の実
施例の形態を図3、図5に基づいて説明する。2個のカ
ムフォロア21A、21Bの内21Aの取り付け軸部2
1aは、カムフォロア外径21bに対して偏芯してお
り、この取り付け軸部21aは揺動レバー13の穴13
aに挿入され、その軸端部には工具差込孔21cが設け
られている。工具を工具差込孔21cに挿入してカムフ
ォロア21Aの取り付け軸部21aを回動させることに
よりカムフォロア21bの外径の中心位置を調整するこ
とができる。取り付け軸部21aを回動調整後、カムフ
ォロア21Aの軸方向と直角方向に揺動レバー13に穴
13aに一部かかる距離に穿設された穴13cに挿入さ
れた2個の締着駒24A、24BBを、ボルト25で締
めつけてカムフォロア21Aの軸部を固着する。この取
り付け軸部21aの回動を固定する手段は、実施例の方
法に限らず他の方法に依ってもよい。例えば、止めネジ
による軸の固定方法や、孔のボス部にスリットを入れて
ボルトで締め上げる方法で取り付け軸部21aの回動を
固定することも可能である。
【0030】このようにして、2個のカムフォロア21
A、21Bの中心間距離を調整し固着することにより、
円筒リブカム17のカム面17a、17bに対して適正
な圧力をあらかじめ付勢することができ、円筒リブカム
17のカム面17a、17bに与圧を与えることが可能
となる。その結果、カム面の位置によってはカムフォロ
ア21A、21Bが接圧不足で空転や停止することがな
くなり一定方向に連続して回転するようになる。また、
カムフォロア21A、21Bはカム面17a、17bに
絶えず接しているので、カム曲線に従い正確に揺動レバ
ー13を揺動することができ、絞りパンチの正確な動作
を得ることができる。
【0031】本実施例では、2個のカムフォロア21
A、21Bの内21Aの取り付け軸部が、カムフォロア
外径に対して偏芯している場合であるが、両方のカムフ
ォロア21A、21Bの取り付け軸部をカムフォロア外
径に対して偏芯させ回動することによってカムフォロア
21A、21Bの位置調整を可能としてもよい。
【0032】
【発明の効果】本発明のトランスファプレス機の抜き絞
り装置は、上述の構成であるので次に記載する効果を奏
する。即ち請求項1の発明の場合、ブランキングパンチ
12、ブランキングダイ9、フレーム1の側面に軸支さ
れた縦軸に取着された円筒リブカム17、そのカム面1
7a、17bの両側を挟んで当接する2個のカムフォロ
ア21A、21Bを一方端に軸着し他方端に初絞りパン
チ14を係合する揺動レバー13および初絞りダイ10
とで構成し、2個のカムフォロア21A、21Bが縦軸
7に取着された円筒リブカム17のカム面17a、17
bを挟むことによって、カム面17a、17bの変位に
伴い揺動レバー13を揺動し、初絞りパンチ14を上下
させるようにしたものである。
【0033】その結果、円筒リブカム17のカム面17
a、17bに接して従動するカムフォロア21A、21
Bは、それぞれ片面のみに絶えず接するため、カムフォ
ロア21A、21Bは一方向のみに回転することにな
る。そのため、トランスファプレス機運転中に、カムフ
ォロア21A、21Bは、従来技術Aのように逆転した
り、停止したり、逆転する瞬間にスリップするなどの現
象がなくなり、滑らかな動作をするようになり、また、
カムフォロア21A、21Bおよびカム面17a、17
bの転動面の摩耗を防止できるようになった。その結
果、トランスファプレス機の高速回転が可能になり、ま
た部品の高寿命化がはかれるようになった。
【0034】次に、請求項2の発明の場合、請求項1の
発明の効果に加え、さらにカム面17a、17bの半径
方向の各位置における回転周速が、当接するカムフォロ
アの外周面の各位置の回転周速とどの位置においても一
致する傾斜面を、カムフォロア21A、21Bの外周面
とカム面17a、17bとがそれぞれ有するようにした
ものである。その結果、カムフォロアが回転する円筒リ
ブカムのカム面に当接して回転するとき、このカム面の
半径方向の各位置における周速が、当接するカムフォロ
ア外周面の各位置の回転周速とどの位置においても一致
するようになったので、円筒リブカムとカムフォロアと
は互いに転がり回転を行ない当接面がすべることがなく
なり、滑らかな動作をするようになった。そのため、当
接面に滑りによる摩耗が生じることがなく、カムフォロ
ア21A、21Bおよびカム面17a、17bの転動面
の摩耗を防止できるようになった。その結果、トランス
ファプレス機の高速回転が可能になり、また部品の高寿
命化がはかれるようになった。
【0035】次に、請求項3の発明の場合、請求項1、
2の発明の効果に加え、さらに円筒リブカム17のカム
面17a、17bとこのカム面17a、17bを挟む2
個のカムフォロア21A、21B間の適正な当接圧力を
付与する与圧手段を有するようにしたものである。すな
わち、1対のカムフォロア21A、21Bの少なくとも
一方の取付軸21aはカムフォロア外径に対して偏芯し
かつこの取付軸21aを回動する回動手段を有し、揺動
レバー13はこの取付軸21aを回動固定する固定手段
を有するようにしたので、円筒リブカム17のカム面1
7a、17bに対してカムフォロア21A、21Bによ
る予圧を与えることが可能になった。その結果、円筒リ
ブカム17のカム面17a、17bと一対のカムフォロ
ア21A、21Bとは絶えず圧力を持って接しているた
め、カムフォロア21A、21Bが接圧不足で空転また
は停止することがなくなり、円筒リブカム17のカム曲
線に従い正確にカムフォロア21A、21Bに伝達され
て揺動レバー13を揺動することができ、絞りパンチの
正確な動作を得ることができるようになった。
【0036】以上、カムフォロア21A、21Bは円筒
リブカム17に対して滑ることなくかつ回転方向が逆転
することなく常に一方向にころがり回転し、トランスフ
ァプレス機の高速運転に伴う慣性力の激しい変化やプレ
ス絞りに起因する衝撃も緩和される結果、耐久性が向上
し、トランスファプレス機の生産速度が上がるため生産
性が向上するといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 トランスファプレス機のダイセット、金型を
含む機械上部の外観図である。
【図2】 第1工程における抜き絞り装置の詳細図であ
る。
【図3】 1対のカムフォロアと円筒リブカムとの係合
関係を示す正面図である。
【図4】 円筒リブカムと揺動レバーとカムフォロアの
係合状態を示す側面図である。
【図5】 図3の上面図である。
【図6】 円筒リブカムとカムフォロアの当接傾斜面の
係合断面図である。
【図7】 ブランキングパンチ及び初絞りパンチの相関
を示すタイミング線図である。
【図8】 従来技術の抜き絞り装置の正面図である。
【符号の説明】
1 フレーム 2 下台 3A、3B カム 4 主軸 5 スライド 6A ベベルギア 6B ベベルギア 7 縦軸 8 上台 9 ブランキングダイ 10 初絞りダイ 11 ダイホルダ 12 ブランキングパンチ 13 揺動レバー 14 初絞りパンチ 15 ジョイントブロック 16 連接爪 17 円筒リブカム 17a、17b カム面 18 支点軸 21A,21B カムフォロア 24A、24B 締着駒

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フレーム中央に直列する複数の加工工程
    が設けられ該加工工程に向かってスライドが上下動し、
    機外から供給された材料からブランクを打抜き次いで初
    絞りを行う抜き絞り工程から順次次工程へワークを移送
    してプレス加工するトランスファプレス機において、前
    記スライド下部の前記抜き絞り工程対応位置に取着の打
    抜きパンチと、該打抜きパンチの中心に穿孔された案内
    孔に沿って摺動可能に設け上端部に枢着部を有する初絞
    りパンチと、前記打抜きパンチと前記初絞りパンチのそ
    れぞれに対向して上下に重ねて下台に取着のブランキン
    グダイおよび初絞りダイと、前記スライドの上下動に同
    期して回転する円筒リブカムと、該円筒リブカムのカム
    面を挟持し該円筒リブカムの回転によるカム面変位に従
    動する1対のカムフォロアを一方端に軸着し他方端には
    前記初絞りパンチの枢着部と係合する枢着部を有し前記
    フレームに設けられた支点軸に軸支され揺動する揺動レ
    バーとで構成し、前記スライドの下降により前記打抜き
    パンチとブランキングダイとの協働で打抜かれたブラン
    クを、前記スライドに同期して回転する前記円筒リブカ
    ムで駆動される前記揺動レバーと係合した前記初絞りパ
    ンチの下降により前記初絞りダイとの協働で初絞りをす
    ることを特徴とするトランスファプレスの抜き絞り装
    置。
  2. 【請求項2】 前記円筒リブカムのカム面と該カム面と
    当接するカムフォロアの外周面との接点のどの接点にお
    いても双方の周速が等しくなる傾斜面をそれぞれが有す
    ることを特徴とする請求項1に記載のトランスファプレ
    スの抜き絞り装置。
  3. 【請求項3】 前記1対のカムフォロアの少なくとも一
    方の取付軸はカムフォロア外径に対して偏芯しかつ該取
    付軸を回動する回動手段を有し、前記揺動レバーは該取
    付軸を回動固定する固定手段を有することを特徴とする
    請求項1または2に記載のトランスファプレスの抜き絞
    り装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008304704A (ja) * 2007-06-07 2008-12-18 Brother Ind Ltd 画像形成装置
CN107335720A (zh) * 2017-07-04 2017-11-10 浙江东雄重工有限公司 一种电磁壳冲压成型装置

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