JP2002326325A - 低汚染性に優れた化粧板 - Google Patents

低汚染性に優れた化粧板

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JP2002326325A
JP2002326325A JP2001135418A JP2001135418A JP2002326325A JP 2002326325 A JP2002326325 A JP 2002326325A JP 2001135418 A JP2001135418 A JP 2001135418A JP 2001135418 A JP2001135418 A JP 2001135418A JP 2002326325 A JP2002326325 A JP 2002326325A
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Motohiro Nokita
北 基 弘 野
Shinji Yasugi
杉 伸 二 八
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Chugoku Marine Paints Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 基材表面が、(A)フッ素含有オレフィ
ン成分単位(a1)、少なくとも1個の重合性不飽和結
合を含有する有機珪素化合物から誘導される有機珪素化
合物成分単位(a2)、および、水酸基またはエポキシ
基を含有していてもよいビニルエーテル成分単位(a
3)を含有するフッ素含有共重合体と、(B)メラミン
樹脂、尿素樹脂、多塩基性有機酸および多価イソシアネ
ート類のうちから選択される1種または2種以上の硬化
剤と、を含有する硬化性塗料組成物から形成された塗膜
で被覆されている化粧板。上記成分単位(a2)が、少
なくとも1個の重合性のビニル基または(メタ)アクリ
ロイルオキシ基を有する有機珪素化合物であって、か
つ、オルガノシラン、オルガノ(ポリ)シロキサンおよ
びシリコーンからなる群から選ばれた少なくとも1種の
重合性有機珪素化合物から誘導されたものであることが
好ましい。 【効果】 基材表面へのより低温での焼き付け塗装など
により得られ、撥水性、撥油性に優れ、耐汚染性に優
れ、汚染除去性に優れ、基材表面への密着性に優れてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、化粧板に関し、さらに詳
しくは撥水性、撥油性に優れ、耐汚染性に優れ、汚染除
去性に優れ、基材表面への密着性に優れた化粧板に関す
る。
【0002】
【発明の技術的背景】近年、自宅で容易にカラーリング
ができるヘアカラー、ヘアマニキュアなどが沢山市場に
出回るようになってきており、それに伴い、カラーリン
グが自宅の浴室や洗面所などでも行われるようになって
きている。しかしながら、カラーリングを行う浴室、洗
面所などの水回りの無機質建築資材の表面にもヘアカラ
ー等は簡単に付着し、一旦付着したヘアカラー等による
汚れは、洗浄しても容易に汚染除去できず、浴室等水回
りの美観が損なわれるという問題点がある。
【0003】そこで、本発明者らは、このような問題点
を解決すべく鋭意研究を重ねたところ、(特定の成分単
位を含有する)フッ素含有共重合体と、メラミン樹脂、
尿素樹脂、多塩基性有機酸および多価イソシアネート類
のうちから選択される何れか1種以上の硬化剤とを含有
し、さらに必要により、(メタ)アクリル樹脂、ポリエ
ステル樹脂、アルキッド樹脂などのうちから選択される
何れか1種以上の樹脂をも含有する硬化性塗料組成物か
ら形成された塗膜で被覆された化粧板を上記水回り部材
などに使用すると、ヘアカラー、ヘアマニキュア、口紅
などによる汚れが付きにくく耐汚染性に優れ、又一旦付
着した汚れも乾拭きで容易に除去でき汚染除去性にも優
れ、無機質化粧板、FRP化粧板などの製造に際し、基
材に塗料を塗布し、加熱硬化させる場合、従来より低い
加熱温度で従来と同様の加熱保持時間で加熱硬化(焼き
付け乾燥)させることができるなど低温硬化性に優れ、
また基材表面への密着性に優れることなどを見出して本
発明を完成するに至った。
【0004】なお、:特開平11−171933号公
報には、(A)一般式CF2=CXY(i)(式中、X
はFまたはH、YはH、Cl、F、CF3である)で表
されるフルオロオレフィン40〜90モル%、(B)一
般式CH2=C(R1)COOC65(ii)(式中、R
1は水素またはメチル基である)で表されるアクリル酸
シクロヘキシルエステル1〜30モル%、及び(C)一
般式CH2=C(H)O−R2OH(iii)(式中、R
2は炭素数2〜5のアルキレン基、又はシクロヘキシル
基を示す)で表される水酸基含有ビニルエーテル1〜3
0モル%を必須の構成成分とし、他の共重合性単量体0
〜20モル%からなる数平均分子量1,000〜50,
000の含フッ素共重合体が開示されている。また、該
含フッ素共重合体は、(メタ)アクリル樹脂、ポリエス
テル系樹脂、アルキッド樹脂などと共に、メラミン硬化
剤、尿素樹脂硬化剤、長鎖脂肪族ジカルボン酸などの多
基塩基硬化剤などを用いて加熱硬化させ、あるいは多価
イソシアネート類を用いて常温硬化させることができ、
その結果、得られる硬化塗膜は、耐アルカリ性、耐酸性
などに優れ、耐マジック除去性に優れていることが記載
されている。
【0005】しかしながら、この公報に記載の共重合
体を用いてなる塗膜では、金属部材に対する付着性が若
干乏しく、また塗装後、比較的低温で焼き付け硬化を行
った場合、得られた塗膜は、飛散した汚染物質をはじき
やすいものの、若干痕跡が残るなど耐汚染性、耐汚染除
去性などの点でさらなる改良の余地があった。なお、該
公報には、少なくとも基材表面が金属以外の無機質基
材、FRPなどで構成された化粧板などについては、何
ら記載されていない。
【0006】また、:特開2000−313725号
公報には、重合単位として、フルオロオレフィンを15
〜85モル%、下記一般式(1)、(2)、(3)及び
(4)の内から選択される1種以上の有機珪素化合物を
0.001〜50モル%の量でそれぞれ含む含フッ素共
重合体が開示されている。また、該含フッ素共重合体
は、多価イソシアネート類を用いた常温硬化あるいは、
メラミン硬化剤、尿素樹脂硬化剤等を用いた加熱硬化が
可能であり、該含フッ素共重合体を主成分とするフッ素
樹脂塗料には、溶剤や必要に応じてアクリル樹脂、エポ
キシ樹脂などを添加できる旨記載されている。また、該
共重合体は、塗料原料として適切な溶解特性を示すと共
に塗膜として長期耐久性を示す旨記載されている。
【0007】
【化5】
【0008】(ここで、R1〜R3は、同一でも異なって
いてもよく、H、メチル基、エチル基、ブチル基、フェ
ニル基、−CF3、−C24CF3、−C(CH33また
は−OSi(CH33を示す。)
【0009】
【化6】
【0010】
【化7】
【0011】(ここで、R4は、Hまたはメチル基、R5
はエステル基、エーテル基またはO、R6は、Hまたは
炭素数1〜6のアルキル基、nは0〜10の整数、mは
0〜160の整数。)
【0012】
【化8】
【0013】(ここで、R7は、Hまたはメチル基、R8
〜R10は、H、メチル基、エチル基、ブチル基または−
OSi(CH33、pは0〜10の整数。) さらにこの公報では、具体的には、その実施例に、該
公報に記載の含フッ素共重合体の1種である水酸基含
有含フッ素共重合体にイソシアネート系硬化剤のみを添
加し、鋼板に塗布し常温硬化させてなる塗膜、あるい
は、含フッ素共重合体(エポキシ基含有含フッ素共重合
体)にカルボキル基含有硬化剤のみを添加して鋼板に塗
布し加熱硬化してなる塗膜が示され、これら塗膜では、
鋼板との密着性、鉛筆硬度、油性マジック繰り返し除去
性などが良好である旨記載されている。
【0014】しかしながら、この公報の実施例に具体
的に示されているような、含フッ素共重合体に硬化剤の
みを添加し硬化してなる塗膜では、基材鋼板との付着
性、耐汚染性、耐薬品性(耐酸性、耐アルカリ性な
ど)、汚染除去性、耐候性、耐溶剤性、低温硬化性、基
材表面への密着性、あるいはこれら特性のバランスなど
の点でさらなる改良の余地があった。
【0015】なお、該公報には、少なくとも基材表面
が金属以外の無機質基材、FRPなどの複合基材で構成
された化粧板などについては、何ら記載されていない。
【0016】
【発明の目的】本発明は上記のような問題点を解決しよ
うとするものであって、基材、特に金属以外の無機質系
基材や複合基材等の表面に従来より低温での焼き付け塗
装を行うことにより得られ、撥水性、撥油性に優れ、耐
汚染性に優れ、汚染除去性に優れ、基材表面への密着性
に優れ、これら特性がバランス良く優れた化粧板を提供
することを目的としている。
【0017】本発明は、建築基材、特に、浴室、洗面所
などの水回り用の無機質建築資材や複合基材に使用する
と、ヘアカラー、ヘアマニキュア、口紅等が付きにくく
低汚染性(耐汚染性)に優れ、しかも、一旦付着してし
まったヘアカラーなどの汚れは乾拭きで容易に除去でき
るなど汚染除去性に優れ、基材表面への密着性に優れ、
これら特性バランスの良好な化粧板を提供することを目
的としている。
【0018】
【発明の概要】本発明に係る化粧板は、基材表面が、
(A)フッ素含有オレフィン成分単位(a1)、少なく
とも1個の重合性不飽和結合を含有する有機珪素化合物
から誘導される有機珪素化合物成分単位(a2)、およ
び水酸基またはエポキシ基を含有していてもよいビニル
エーテル成分単位(a3)を含有するフッ素含有共重合
体と、(B)メラミン樹脂、尿素樹脂、多塩基性有機酸
および多価イソシアネート類のうちから選択される1種
または2種以上の硬化剤と、を含有する硬化性塗料組成
物から形成された塗膜で被覆されていることを特徴とし
ている。
【0019】本発明では、上記有機珪素化合物成分単位
(a2)が、少なくとも1個の重合性のビニル基または
(メタ)アクリロイルオキシ基を有する有機珪素化合物
であって、かつ、オルガノシラン、オルガノ(ポリ)シ
ロキサンおよびシリコーンからなる群から選ばれた少な
くとも1種の重合性有機珪素化合物から誘導されたもの
であることが好ましい。
【0020】本発明では、上記有機珪素化合物が、下記
式(1)または(2)で表されることが好ましい。
【0021】
【化9】
【0022】{式(1)中、R11は、CH2=CH−ま
たはCH2=C(R12)−COO−(CH2p−[R12
は、水素原子またはメチル基を示し、pは0〜10の整
数を示す。]を示し、R1、R2、R3は、互いに同一で
も異なっていてもよく、それぞれ独立に、水素原子、炭
素数1〜6のアルキル基(該アルキル基に含まれる水素
原子の一部がフッ素置換されていてもよい。)、フェニ
ル基または−OSi(CH33を示す。}
【0023】
【化10】
【0024】{式(2)中、R11は、水素原子、炭素数
1〜6のアルキル基(該アルキル基に含まれる水素原子
の一部がフッ素置換されていてもよい。)、−OSi
(CH33、CH2=CH−またはCH2=C(R7)−
8−(CH2p−[R7は、水素原子またはメチル基を
示し、R8は、エステル結合、エーテル結合または酸素
原子(O)を示し、pは0〜10の整数を示す。]を示
し、R12は、CH2=CH−またはCH2=C(R7)−
8−(CH2p−[R7は、水素原子またはメチル基を
示し、R8は、エステル結合、エーテル結合または酸素
原子(O)を示し、pは0〜10の整数を示す。]を示
し、nは1〜420の整数を示す。} 本発明においては、上記重合性有機珪素化合物が、上記
式(1)で表されるもののうちでも、特に、下記式(1
a)で示される重合性有機珪素化合物であることが好ま
しい。また上記式(2)で表されるもののうちでも、下
記式(2a)で示される重合性有機珪素化合物(反応性
シリコーンオイル)であることが好ましい。
【0025】
【化11】
【0026】{式(1a)中、R11は、CH2=CH−
またはCH2=C(R12)−COO−(CH2p−[R
12は、水素原子またはメチル基を示し、pは1〜6の整
数を示す。]を示し、R1、R2、R3は、−OSi(C
33を示す。}
【0027】
【化12】
【0028】{式(2a)中、R11は、炭素数1〜6の
アルキル基(該アルキル基は、分岐を有していてもよ
く、含まれる水素原子の一部がフッ素置換されていても
よい。)、CH2=CH−またはCH2=C(CH3)−
COO−(CH2p−(pは1〜6の整数)を示し、R
12は、CH2=CH−またはCH2=C(CH3)−CO
O−(CH2p−(pは1〜6の整数)を示し、nは1
〜420の整数を示す。} 本発明においては、上記フッ素含有共重合体(A)が、
さらに、重合性不飽和カルボン酸から誘導される重合性
不飽和カルボン酸成分単位(a4)を含有することが好
ましい。
【0029】本発明においては、上記フッ素含有共重合
体(A)が、さらに、鎖状アルキル(メタ)アクリレー
トまたはシクロアルキル(メタ)アクリレートから誘導
される成分単位(a5)を含有することが好ましい。本
発明においては、上記硬化性塗料組成物には、上記成分
(A)および、成分(B)に加えて、さらに、(C)
(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド
樹脂、上記(A)以外のフッ素樹脂およびエポキシ樹脂
のうちから選択される1種または2種以上の樹脂を含有
することが好ましい。
【0030】本発明においては、硬化性塗料組成物中に
含まれる上記(A)成分、(B)成分および(C)成分
の合計100重量部に対して、(A)成分が3〜95重
量部、(B)成分が5〜60重量部、および(C)成分
が0〜90重量部の範囲にあることが好ましい。本発明
においては、上記フッ素含有共重合体(A)が、フッ素
含有オレフィン成分単位(a1)を15〜85モル%、
好ましくは30〜80モル%の量で、上記少なくとも1
個の重合性不飽和結合を含有する有機珪素化合物から誘
導される有機珪素化合物成分単位(a2)を0.1〜5
0モル%、好ましくは0.5〜25モル%の量で、上記
水酸基またはエポキシ基を含有していてもよいビニルエ
ーテル成分単位(a3)を1〜50モル%、好ましくは
10〜40モル%の量で、必要により用いられる上記重
合性不飽和カルボン酸から誘導される重合性不飽和カル
ボン酸成分単位(a4)を0〜30モル%、好ましくは
0〜20モル%の量で、および必要により用いられる、
上記鎖状アルキル(メタ)アクリレートまたはシクロア
ルキル(メタ)アクリレートから誘導される成分単位
(a5)を0〜30モル%、好ましくは0〜20モル%
(共重合体中に含まれる全成分単位の合計を100モル
%とする。)の量で含有することが望ましい。
【0031】本発明に係る化粧板は、上記硬化性塗料組
成物が、さらに硬化触媒を含有することも可能で、上記
硬化触媒は、金属化合物または酸であることが望まし
い。本発明に係る第1の化粧板は、基材の表面上に、紫
外線硬化型塗料からなる塗膜と、上記の何れかに記載さ
れた硬化性塗料組成物から形成された塗膜とが順次積層
してなることを特徴としている。
【0032】本発明に係る第2の化粧板は、基材の表面
上に、ウレタン系シーラーからなる塗膜と、紫外線硬化
型塗料からなる塗膜と、上記の何れかに記載された硬化
性塗料組成物から形成された塗膜とが順次積層してなる
ことを特徴としている。本発明に係る第3の化粧板は、
基材の表面上に、ウレタン系シーラーからなる塗膜と、
ウレタン系下塗り塗料からなる塗膜と、紫外線硬化型塗
料からなる塗膜と、上記の何れかに記載された硬化性塗
料組成物から形成された塗膜とが順次積層してなること
を特徴としている。
【0033】本発明では、これら基材としては、少なく
ともその基材表面が金属以外の無機質基材、好ましくは
珪酸カルシウム板で構成されていることが望ましい。本
発明によれば、基材、特に金属以外の無機質系基材や複
合基材の表面に、従来より低温での焼き付け塗装を行う
ことにより得られ、撥水性、撥油性に優れ、耐汚染性に
優れ、汚染除去性に優れ、基材表面への密着性に優れ、
特に、浴室、洗面所などの水回りの無機質建築資材や複
合基材に使用すると、ヘアカラー、ヘアマニキュア、口
紅等が付きにくく低汚染性(耐汚染性)に優れ、しか
も、一旦付着してしまったヘアカラーなどの汚れは乾拭
きで容易に除去できるなど汚染除去性に優れ、基材表面
への密着性に優れ、これら特性バランスの良好な化粧板
が提供される。
【0034】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る化粧板につい
て、具体的に説明する。<化粧板> 本発明に係る化粧板は、基材表面が、下記に
詳説する特定の硬化性塗料組成物から形成された塗膜で
被覆されてなっている。
【0035】上記化粧板用の基材としては、アルミ板、
鉄板、ステンレス板、ブリキ板等の各種金属板;ケイ酸
カルシウム板(珪カル板)、石膏ボード、コンクリー
ト、石材など、金属以外の無機質基材で少なくとも基材
表面が構成されたもの;あるいはこれらの複合板(特に
基材表面が上記金属以外の無機質基材で構成されたも
の);FRP板、ガラス強化エポキシ板、各種プラスチ
ックボードなどの有機系基材あるいは有機・無機複合基
材;等が挙げられる。
【0036】本発明では、特に、金属以外の無機質基
材、好ましくは、ケイ酸カルシウム板等のように、各種
材質からなる基材の表面が金属以外の無機質基材(例:
珪酸カルシウムなど)で覆われたものが好ましい。ま
た、該基材の表面には、直接、下記硬化性塗料組成物か
らなる塗膜が形成されていてもよいが、該基材の表面
に、必要により下塗り層などを設けた後、予め紫外線硬
化型層を形成し、その表面に硬化性塗料組成物からなる
塗膜が積層形成されていてもよく、このような化粧板で
は、肉持ち感、高級感も生ずる。
【0037】また、該基材の表面に、予め、シーラー、
下塗り層(下塗塗膜)、中塗り層(中塗塗膜)、上塗り
層(上塗塗膜)等が必要により設けられ、その表面すな
わち上塗り層などの表面に、この硬化性塗料組成物から
なる層が設けられていてもよい。この場合、硬化性塗料
組成物層の下にある、上塗り層を紫外線硬化型層などと
することができる。
【0038】例えば、基材が珪酸カルシウム製のボード
の場合には、ボード面の上に、シーラー、中塗り層、下
記硬化性塗料組成物層が順次設けられていてもよい。こ
の場合、中塗り層を紫外線硬化型層としてもよい。例え
ば、基材がコンクリートの場合には、このコンクリート
面の上に、シーラー、中塗り層、バインダー的役割を果
たす上塗り層、下記硬化性塗料組成物層が順次設けられ
ていてもよい。この場合、中塗り層、上塗り層などを紫
外線硬化型層としてもよい。
【0039】これら各層の厚さは、基材の種類、化粧板
の用途などに応じて適宜設定され、一概に決定されない
が、中塗り層、上塗り層、硬化性塗料組成物層では、そ
れぞれ、例えば、0.1〜150μm厚程度であり、基
材表面に設けられる各種塗膜の厚さは、全体で、1〜4
00μm厚程度である。このような塗膜を有する本発明
に係る化粧板は、撥水性、撥油性に優れ、耐汚染性に優
れ、しかも汚染除去性に優れ、特に、浴室、洗面所など
の水回りの無機質建築資材に使用すると、ヘアカラー、
ヘアマニキュア、口紅等が付きにくく低汚染性(耐汚染
性)に優れ、基材表面への密着性に優れ、しかも、一旦
付着してしまったヘアカラーなどの汚れは乾拭きなどで
容易に洗浄・除去でき汚染除去性に優れている。特に紫
外線硬化型層の上に上記硬化性塗料組成物層が存在して
いると、肉持ち感、高級感も付与される。
【0040】次に、本発明で用いられる上記硬化性塗料
組成物について詳述する。<硬化性塗料組成物> 本発明で用いられる硬化性塗料組
成物は、(A)フッ素含有オレフィン成分単位(a
1)、少なくとも1個の重合性不飽和結合を含有する有
機珪素化合物から誘導される有機珪素化合物成分単位
(a2)、および水酸基またはエポキシ基を含有してい
てもよいビニルエーテル成分単位(a3)を含有するフ
ッ素含有共重合体(フッ素ポリオール樹脂等とも言
う。)と、(B)メラミン樹脂、尿素樹脂、多塩基性有
機酸および多価イソシアネート類のうちから選択される
1種または2種以上の硬化剤と、を含有しており、必要
により、上記(A)成分および(B)成分に加えて、さ
らに、(C)(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、アルキッド樹脂、上記(A)以外のフッ素樹脂およ
びエポキシ樹脂のうちから選択される1種または2種以
上の樹脂などを含有している。
【0041】本発明においては、上記硬化性塗料組成物
中に含まれる上記(A)成分、(B)成分および(C)
成分の合計100重量部に対して、(A)成分が3〜9
5重量部、(B)成分が5〜60重量部、および(C)
成分が0〜90重量部の範囲にあることが好ましく、さ
らには、(A)成分が50〜90重量部、(B)成分が
10〜30重量部、および(C)成分が0〜40重量部
の範囲にあることが望ましく、特に(A)成分が50〜
80重量部、(B)成分が10〜30重量部、(C)成
分が5〜40重量部であることが望ましい。
【0042】この(A)成分が上記範囲にあると、得ら
れる化粧板は、撥油、撥水性が良好で、低汚染性、耐薬
品性が良好となる傾向があり、(B)成分が上記範囲に
あると、撥油、撥水性が良好で、低汚染性(耐汚染
性)、耐薬品性が良好となる傾向があり、また、上記
(C)成分が上記範囲にあると、撥油、撥水性が良好
で、低汚染性、耐薬品性が良好となる傾向があり、低価
格となり経済性に優れる傾向がある。
【0043】<フッ素含有共重合体(A)>上記硬化性
組成物中に含まれる上記フッ素含有共重合体(A)につ
いて、はじめに詳述する。このフッ素含有共重合体
(A)には、フッ素含有オレフィン成分単位(a1)、
少なくとも1個の重合性不飽和結合を含有する有機珪素
化合物(マクロモノマーを含む)から誘導される有機珪
素化合物成分単位(a2)、および水酸基またはエポキ
シ基を含有していてもよいビニルエーテルから誘導され
るビニルエーテル成分単位(a3)が含有されるが、こ
れらの成分単位のうちで、上記成分単位(a1)、(a
2)、(a3)としては、それぞれ特開2000−31
3725号公報のフルオロオレフィン、有機珪素化合
物、アルキルビニルエーテルから誘導されるものを含め
て下記のようなものが挙げられる。<フッ素含有オレフィン成分単位(a1)> すなわち、
フッ素含有オレフィン成分単位(a1)は、 式[I]:−[CF2−C(X)(Y)]−・・・・・[I] (式[I]中、Xは、FまたはHを示し、Yは、H、C
l、F、CF3の何れかを示す。)で表され、このよう
なフッ素含有オレフィン成分単位(a1)は、 式[Ia]:CF2=CXY・・・・・[Ia] (式[Ia]中、X、Yは式[I]の場合と同様。)で表され
るフルオロオレフィンから誘導される。
【0044】このフルオロオレフィン[Ia]としては、
分子中に少なくとも2個のフッ素原子を有するオレフィ
ンであって、例えばフッ化ビニリデン、テトラフルオロ
エチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオ
ロプロペン等が挙げられる。これらのフルオロオレフィ
ンは、1種単独で用いてよく、2種以上を組み合わせて
用いてもよい。<有機珪素化合物成分単位(a2)> 有機珪素化合物成
分単位(a2)は、少なくとも1個の重合性不飽和結合
を含有する有機珪素化合物(マクロモノマーを含む)か
ら誘導されたものであって、上記有機珪素化合物として
は、少なくとも1個の重合性のビニル基または(メタ)
アクリロイルオキシ基を有し、さらに他の置換基を有し
ていてもよい、オルガノシラン、オルガノ(ポリ)シロ
キサン、あるいはシリコーンなどの重合性有機珪素化合
物が挙げられる。
【0045】このような少なくとも1個の重合性不飽和
結合を含有する有機珪素化合物(重合性有機珪素化合
物)としては、下記式(1)〜(2)で表されるものが
挙げられ、これらのうちの何れか1種または2種以上を
組み合わせて用いることができる。
【0046】
【化13】
【0047】式(1)中、R11は、CH2=CH−また
はCH2=C(R12)−COO−(CH2p [R
12は、水素原子またはメチル基、好ましくはメチル基を
示し、pは0〜10、好ましくは1〜6の整数を示
す。]を示す。またR1、R2、R3は、互いに同一でも
異なっていてもよく、それぞれ独立に、水素原子
(H)、炭素数1〜6のアルキル基(該アルキル基は、
脂環状、鎖状、好ましくは鎖状のものであり、鎖状アル
キル基では、分岐を有していてもよい。また該アルキル
基に含まれる水素原子の一部がフッ素置換されていても
よい。)、フェニル基または−OSi(CH33を示
し、これらのうちでは、R1、R2、R3は何れも−OS
i(CH33であることが好ましい。
【0048】上記アルキル基としては、具体的には、例
えば、メチル基、エチル基、n−,i−プロピル基、n
−,i−,t−ブチル基、ペンチル基、n−ヘキシル
基、−CF3、−C24CF3等が挙げられ、これらのう
ちでは、メチル基、エチル基、n−,t−ブチル基、−
CF3、−C24CF3等が好ましい。式(1)中、好ま
しい態様の有機珪素化合物は、下記式(1a)、換言す
れば下記式(1a-3)、(1a-4)で示される重合性有
機珪素化合物である。
【0049】上記式(1)で表される重合性有機珪素化
合物としては、特開2000−313725号公報[0
005]〜[0008]段に記載の有機珪素化合物を含
めて、より具体的には、下記式(1a-1)、(1a-2)
で示すようなものが挙げられる。
【0050】
【化14】
【0051】{式(1a-1)、(1a-2)中、R12は、
水素原子またはメチル基を示し、pは1〜6の整数を示
す。]を示し、R1、R2、R3は、互いに同一でも異な
っていてもよく、それぞれ、水素原子、メチル基、エチ
ル基、ブチル基、フェニル基、−CF3、−C24
3、−C(CH33または−OSi(CH33を示
す。} これらのうちで、さらに好ましくは、式(1a):
【0052】
【化15】
【0053】{式(1a)中、R11は、CH2=CH−
またはCH2=C(R12)−COO−(CH2p−[R
12は、水素原子またはメチル基を示し、pは1〜6の整
数を示す。]を示し、R1、R2、R3は、−OSi(C
33を示す。}が挙げられる。この重合性有機珪素化
合物(1a)は、すなわち、下記式(1a-3)、(1a
-4)で示される。
【0054】
【化16】
【0055】(式(1a-3)、(1a-4)中、pは1〜
6の整数を示す。) このような重合性有機珪素化合物のうちでも、上記式
(1)、特に上記式(1a-1)で表されるものとして、
具体的には、例えば、(3−アクリロキシプロピル)メ
チルビス(トリメチルシロキシ)シラン、3−メタクリ
ロキシプロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラ
ン、(3−アクリロキシプルピル)トリス(トリメチル
シロキシ)シラン、メタクリロキシプロピルトリス(ト
リメチルシロキシ)シラン、メタクリロキシメチルトリ
メチルシラン等が挙げられる。
【0056】また、上記式(1a-2)で表されるものと
しては、具体的には、例えば、ビニルペンタメチルジシ
ロキサン、ビニルフェニルジメチルシラン、ビニルメチ
ルビス(トリメチルシロキシ)シラン、ビニルトリエチ
ルシラン、ビニル(トリフルオロメチル)ジメチルシラ
ン、ビニル(3,3,3−トリフルオロプロピル)ジメ
チルシラン、ビニルトリメチルシラン、ビニルトリス
(トリメチルシロキシ)シラン、ビニル−t−ブチルジ
メチルシラン、ビニルジエチルメチルシラン等が挙げら
れる。
【0057】また、上記少なくとも1個の重合性不飽和
結合を含有する有機珪素化合物(重合性有機珪素化合
物)としては、上記式(1)で表されるものの他に、下
記式(2)で表されるものが挙げられる。
【0058】
【化17】
【0059】式(2)中、R11は、水素原子、炭素数1
〜6のアルキル基(該アルキル基は、分岐を有していて
もよく、含まれる水素原子の一部がフッ素置換されてい
てもよい。)、「−OSi(CH33」、「CH2=C
H−」または「CH2=C(R7)−R8−(CH2
p−」[R7は、水素原子またはメチル基、好ましくはメ
チル基を示し、R8は、エステル結合、エーテル結合ま
たは酸素原子(O)、好ましくはエステル結合を示し、
pは0〜10、好ましくは1〜6の整数を示す。]を示
す。
【0060】上記式(2)中のR11がアルキル基の場
合、このようなアルキル基としては、具体的には、例え
ば、メチル基、エチル基、n−,i−プロピル基、n
−,i−,t−ブチル基、ペンチル基、n−ヘキシル
基、−CF3、−C24CF3等が挙げられ、これらのう
ちでは、メチル基、エチル基、n−,t−ブチル基、−
CF 3、−C24CF3等が好ましい。
【0061】また上記式(2)中、R12は、「CH2
CH−」または「CH2=C(R7)−R8−(CH2p
−」[R7は、水素原子またはメチル基、好ましくはメ
チル基を示し、R8は、エステル結合、エーテル結合ま
たは酸素原子(O)、好ましくはエステル結合を示し、
pは0〜10、好ましくは1〜6の整数を示す。]を示
す。
【0062】nは1〜420の整数を示す。上記式
(2)で表される重合性有機珪素化合物としては、特開
2000−313725号公報[0005]〜[000
8]段に記載の有機珪素化合物を含めて、下記式(2
a)、(2b)で示すようなものが挙げられる。
【0063】
【化18】
【0064】式(2a)中、R11は、炭素数1〜6のア
ルキル基(該アルキル基は、分岐鎖状、直鎖状、脂環状
のうちで鎖状のものが好ましく、また含まれる水素原子
の一部がフッ素置換されていてもよい。)、CH2=C
H−または「CH2=C(CH3)−COO−(CH2p
−(pは1〜6の整数)」を示し、R12は、CH2=C
H−または「CH2=C(CH3)−COO−(CH2p
−(pは1〜6の整数)」を示し、nは1〜420の整
数を示す。
【0065】
【化19】
【0066】上記式(2b)中、R7は、水素原子また
はメチル基、好ましくはメチル基を示し、R8は、エス
テル結合、エーテル結合または酸素原子(O)、好まし
くはエステル結合を示し、pは0〜10の整数を示し、
nは0〜160の整数を示す。但し、式(2b)中で前
記式(2a)と重複するもの、すなわち、R7がメチル
基を示し、R8が、エステル結合を示し、pは0〜10
の整数を示し、nは0〜160の整数を示すものは、式
(2a)に含める。
【0067】これらの重合性有機珪素化合物(2)のう
ちでは下記式(2a-1)〜(2a-3)で示すもの、ある
いは下記式(2b-1)で示すもののうちの何れか1種ま
たは2種以上が好ましい。すなわち、上記式(2)で表
される重合性有機珪素化合物としては、片末端あるいは
両末端が(メタ)アクリル変性された反応性シリコーン
オイル等が挙げられる。片末端あるいは両末端が(メ
タ)アクリル変性された反応性シリコーンオイルのうち
では、下記式(2a-1)〜(2a-3)、(2b-1)で示
すような反応性シリコーンオイルが好ましく、特に下記
式(2a-1)〜(2a-2)で示すような反応性シリコー
ンオイルが好ましい。
【0068】
【化20】
【0069】上記式(2a-1)中、R11は、炭素数1〜
6のアルキル基を示し、nは1〜250、好ましくは5
〜100、特に10〜80の整数を示す。
【0070】
【化21】
【0071】上記式(2a-2)中、R11は、炭素数1〜
6のアルキル基を示し、nは1〜250、好ましくは1
〜100、特に10〜80の整数を示す。
【0072】
【化22】
【0073】上記式(2a-3)中、R11は、-OOC-C
(CH3)=CH2 を示し、nは1〜250、好ましくは
5〜100、特に10〜80の整数を示す。
【0074】
【化23】
【0075】上記式(2b-1)中、R7は、水素原子ま
たはメチル基、好ましくはメチル基を示し、R11は、水
素原子(H)または上記と同様の炭素数1〜6のアルキ
ル基を示し、pは0〜10の整数を示し、nは0〜16
0の整数を示す。但し、式(2b-1)中で、前記式(2
a-1)〜(2a-3)と重複するものは、前記式(2a-
1)〜(2a-3)に含める。
【0076】本発明では、上記のような重合性有機珪素
化合物(1)、(2)を1種または2種以上組み合わせ
て用いることができる。これらの有機珪素化合物は、そ
れぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合せても
よい。これらの有機珪素化合物の分子量は、100〜6
000が好ましく、さらには1000〜4000が望ま
しい。
【0077】このような有機珪素化合物(2)は、特開
2000−313725号公報等に記載の方法を適宜利
用することにより製造できる。<水酸基またはエポキシ基を含有していてもよいビニル
エーテル成分単位(a3)> 水酸基またはエポキシ基を
含有していてもよいビニルエーテル成分単位(a3)と
しては、アルキルビニルエーテル、アルキルアリルエー
テル等のビニルエーテルから誘導され、特開2000−
313725号公報[0011]〜[0012]段等に記載
のものが挙げられる。
【0078】これらのビニルエーテルに含まれるアルキ
ル基は、その炭素数が1〜20で、該アルキル基は、直
鎖状、分岐鎖状あるいは脂環状でもよく、該アルキル基
中の水素原子の一部は、炭素数1〜10のアルキル基、
グリシジル基、グリシジルオキシ基、ヒドロキシ基等の
置換基で、置換されていてもよい。上記アルキルビニル
エーテルとして、具体的には、例えば、エチルビニルエ
ーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−プロピルビ
ニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチル
ビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、オク
タデシルビニルエーテル、グリシジルビニルエーテル、
グリシジルオキシメチルビニルエーテル、グリシジルオ
キシエチルビニルエーテル、グリシジルオキシブチルビ
ニルエーテル、グリシジルオキシぺンチルビニルエーテ
ル、グリシジルオキシシクロヘキシルビニルエーテル、
ヒドロキシメチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビ
ニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒ
ドロキシブチルビニルエーテル、エチレングリコールモ
ノアリルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、4
−ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル等が挙げら
れる。
【0079】アルキルアリルエーテルとして、具体的に
は、例えば、エチルアリルエーテル、ブチルアリルエー
テル、シクロヘキシルアリルエーテル、イソブチルアリ
ルエーテル、n−プロピルアリルエーテル、アリルグリ
シジルエーテル、3−アリルオキシ−1,2−プロパン
ジオール、グリセロール−α−モノアリルエーテル等が
挙げられる。
【0080】これらのビニルエーテルは、1種または2
種以上組み合わせて用いられる。これらのビニルエーテ
ルのうちでは、水酸基またはエポキシ基を含有している
ビニルエーテルを含む組み合わせが好ましく、さらには
水酸基および/またはエポキシ基を含有したビニルエー
テルを用いることが好ましい。<重合性不飽和カルボン酸成分単位(a4)> 本発明に
おいては、上記フッ素含有共重合体(A)は、さらに、
重合性不飽和カルボン酸から誘導される成分単位(a
4)を含有していてもよい。
【0081】このような重合性不飽和カルボン酸成分単
位(a4)を誘導しうる重合性不飽和カルボン酸として
は、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイ
ン酸、クロトン酸、3−ブテン酸、4−ペンテン酸、イ
タコン酸、2−ヘキセン酸、3−ヘキセン酸、5−ヘキ
セン酸等が挙げられる。これらの重合性不飽和カルボン
酸は1種または2種以上組み合わせて用いられる。<鎖状アルキル(メタ)アクリレートまたはシクロアル
キル(メタ)アクリレートから誘導される成分単位(a
5)> 本発明においては、上記フッ素含有共重合体
(A)は、さらに、重合性不飽和カルボン酸エステルの
1種である、鎖状アルキル(メタ)アクリレートまたは
シクロアルキル(メタ)アクリレートから誘導される成
分単位(a5)を含有していてもよい。
【0082】但し、該鎖状アルキル基は、その炭素数が
1〜20、好ましくは1〜10で、該アルキル基は、直
鎖状あるいは、分岐鎖状でもよく、該鎖状アルキル基中
の水素原子の一部は、炭素数1〜10のアルキル基、グ
リシジル基、グリシジルオキシ基、ヒドロキシ基等の置
換基で、置換されていてもよい。このような成分単位
(a5)を誘導しうる鎖状アルキル(メタ)アクリレー
トまたはシクロアルキル(メタ)アクリレートとして
は、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プ
ロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)ア
クリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、
(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸シ
クロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル等が挙げられる。
【0083】これらのアルキル(メタ)アクリレートま
たはシクロアルキル(メタ)アクリレートは、1種また
は2種以上組み合わせて用いられる。なお、本発明にお
いては、フッ素含有共重合体(A)中に含まれる各成分
単位には、用いられた共重合性モノマーに複数個の共重
合可能な炭素−炭素二重結合部位(C=C)がある場合
には、炭素−炭素二重結合が全て解裂し、他の成分単位
と結合していてもよいが、本発明では、1つの成分単位
に複数個の共重合可能な炭素−炭素二重結合部位がある
場合には、その一部二重結合は残存していてもよい。<その他の成分単位(a6)> 本発明においては、上記
フッ素含有共重合体(A)には、必要によりさらに、他
の重合性不飽和単量体から誘導される成分単位(a6)
が、本発明の目的に反しない範囲で少量含有されていて
もよい。
【0084】このようなその他の成分単位(a6)を誘
導しうる他の不飽和単量体としては、例えばエチレン、
プロピレン等のオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリ
デン等のハロオレフィン類;酢酸ビニル、n−酪酸ビニ
ル、イソ酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のアルカン
カルボン酸とビニルアルコールとのエステル類(ビニル
エステル類);等が挙げられる。
【0085】このようなフッ素含有共重合体(A)中に
は、フッ素含有オレフィン成分単位(a1)が15〜8
5モル%、好ましくは30〜80モル%の量で、上記少
なくとも1個の重合性不飽和結合を含有する有機珪素化
合物(マクロモノマーを含む)から誘導される有機珪素
化合物成分単位(a2)が0.1〜50モル%、好まし
くは0.5〜25モル%の量で、上記水酸基またはエポ
キシ基を含有していてもよいビニルエーテル成分単位
(a3)が1〜50モル%、好ましくは10〜40モル
%の量で、必要により用いられる上記重合性不飽和カル
ボン酸から誘導される重合性不飽和カルボン酸成分単位
(a4)が0〜30モル%、好ましくは0〜20モル%
の量で、および必要により用いられる、上記アルキル
(メタ)アクリレートまたはシクロアルキル(メタ)ア
クリレートから誘導される成分単位(a5)が0〜30
モル%、好ましくは0〜20モル%(但し、共重合体
(A)中に含まれるこれら全成分単位の合計を100モ
ル%とする。)の量で含有されていることが望ましい。
【0086】換言すれば、フッ素含有共重合体(A)中
には、フッ素含有オレフィン成分単位(a1)が20〜
80重量%、好ましくは30〜70重量%の量で、上記
少なくとも1個の重合性不飽和結合を含有する有機珪素
化合物(マクロモノマーを含む)から誘導される有機珪
素化合物成分単位(a2)が1〜40重量%、好ましく
は2〜20重量%の量で、上記水酸基またはエポキシ基
を含有していてもよいビニルエーテル成分単位(a3)
が1〜40重量%、好ましくは5〜25重量%の量で、
必要により用いられる上記重合性不飽和カルボン酸から
誘導される重合性不飽和カルボン酸成分単位(a4)が
0〜20重量%、好ましくは0〜15重量%の量で、お
よび必要により用いられる、上記アルキル(メタ)アク
リレートまたはシクロアルキル(メタ)アクリレートか
ら誘導される成分単位(a5)が0〜30重量%、好ま
しくは0〜20重量%(但し、該共重合体(A)中に含
まれるこれら全成分単位の合計を100重量%とす
る。)の量で含有されていることが望ましい。
【0087】このフッ素含有共重合体(A)中に、フッ
素含有オレフィン成分単位(a1)が上記量で含まれて
いると、耐汚染性、耐薬品性、耐候性に優れた化粧板が
得られ、またフッ素含有共重合体(A)は、各種溶剤に
対する溶解性にも優れる傾向があり、また、有機珪素化
合物成分単位(a2)が上記量で含まれていると、耐溶
剤性、耐薬品性が優れた化粧板が得られる傾向があり、
上記ビニルエーテル成分単位(a3)が上記量で含まれ
ていると、耐溶剤性、耐薬品性が優れた化粧板が得られ
る傾向がある。
【0088】なお、上記フッ素含有共重合体(A)に含
まれる各成文単位(a1)〜(a6)などは、該フッ素
含有共重合体(A)中において、各成分単位毎にそれぞ
れブロックを形成して任意の順序で配列していてもよ
く、ブロックを形成した各成分単位がランダムに配列し
ていてもよく、また各成分単位が1個ずつランダムに配
列していてもよいが、通常、ランダムに配列している。
【0089】このようなフッ素含有共重合体(A)の数
平均分子量(GPCにて測定)は、通常、1,000〜
70,000、好ましくは10,000〜50,000
である。 <フッ素含有共重合体(A)の合成>このようなフッ素
含有共重合体(A)を合成するには、上記各成分単位
(a1)〜(a3)形成用の上記モノマー、さらには必
要により上記成分単位(a4)〜(a6)形成用の上記
モノマーなどを、上記共重合体中における各成分単位量
に対応する量でそれぞれ用いて、重合開始剤および、必
要により溶剤などの存在下に、ランダムあるいはブロッ
ク共重合させればよい。
【0090】重合条件としては、特開平11−1719
33号公報の第[0014]〜[0020]段に記載の
方法、特開2000−313725号公報等に記載の方
法等を採用でき、重合開始剤としては、重合形式、溶媒
の種類等により、水溶性あるいは油溶性のものが適宜用
いられる。すなわち、水溶性重合開始剤としては、例え
ば過硫酸カリウム等の過硫酸塩、過酸化水素、あるいは
これらと亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムな
どの還元剤との組み合わせからなるレドックス還元剤、
さらには、これらに少量の鉄、第一鉄塩、硝酸銀、等を
共存させた無機系開始剤やコハク酸パーオキサイド、ジ
グルタル酸パーオキサイド、モノコハク酸パーオキサイ
ドなどの二塩基酸塩などの有機系開始剤等が用いられ
る。
【0091】また油溶性開始剤としては、例えばt−ブ
チルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ
アセテート等のパーオキシエステル型過酸化物、ジイソ
プロピルパーオキシジカーボネート、ジノルマルプロピ
ルパーオキシジカーボネート、などのジアルキルパーオ
キシジカーボネート、ベンゾイルパーオキサイド、アゾ
ビスイソブチロニトリルなどが用いられる。
【0092】これらの重合開始剤の使用量は、その種
類、共重合反応条件などに応じて適宜選択でき、単量体
全量に対して、通常、0.005〜5重量%、好ましく
は0.1〜1%の量で用いられる。また、重合方法につ
いては特に制限はなく、例えば塊状重合法、懸濁重合
法、乳化重合法、溶液重合法等を採用できる。例えば、
溶液重合法では、溶媒としてメチルエチルケトン等のケ
トン類、酢酸エチル等のエステル類、t−ブタノール等
のアルコール類、フッ素原子1個以上有する飽和ハロゲ
ン化炭化水素類等を用いて行うことが望ましく、さらに
は、アルコール類、特に1価アルコールを全溶媒中5重
量%以上の量で含有した有機溶媒を使用することがゲル
化を防止して所望の含フッ素共重合体を得る上で望まし
い。また乳化重合法では、水性媒体中で行うことが望ま
しい。
【0093】一価アルコールとしては、具体的には、例
えば、メタノール、エタノール、n−,i−プロパノー
ル、n−,i−,t−ブタノール、n−ペンチルアルコ
ール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、n−ヘキ
サノール、2−ヘプタノール等が挙げられる。これらの
アルコールは、1種または2種以上組み合わせて用いら
れる。
【0094】水性媒体中で共重合させる場合には、通常
分散安定剤として懸濁剤や乳化剤を用い、かつ塩基性緩
衝剤を添加して、重合中の反応液のpH値を4以上、好
ましくは6以上に設定することが望ましい。該共重合反
応における反応温度は、通常−30℃〜150℃での範
囲内で、重合開始剤、重合用媒体の種類に応じて適宜設
定でき、例えば水性媒体等の溶媒中で共重合を行う場合
には、通常0〜100℃、好ましくは10〜90℃の温
度範囲で行えばよい。また、反応圧力については特に制
限はないが、通常1〜100kg/cm2、好ましくは
1〜60kg/cm2の範囲で選択される。
【0095】さらに、該共重合反応は、適当な連鎖移動
剤を添加して行うことができる。<硬化剤(B)> 硬化剤(B)としては、メラミン樹脂
(メラミン硬化剤)、尿素樹脂(尿素樹脂硬化剤)、多
塩基性有機酸および多価イソシアネート類等が挙げられ
る。本発明では、これら硬化剤は、1種または2種以上
組み合わせて用いられる。
【0096】これら硬化剤(B)としては、特開平11
−171933号公報の第[0023]〜[0027]
段に記載のものなどを使用できる。すなわち、メラミン
樹脂(メラミン硬化剤)としては、例えばブチル化メラ
ミン、メチル化メラミン、エポキシ変成メラミンなどが
挙げられ、用途に応じて各種変成度のものが適宜用いら
れ、また自己縮合度も適宜選ぶことができる。
【0097】尿素樹脂(尿素樹脂硬化剤)としては、例
えばメチル化尿素樹脂やブチル化尿素樹脂等が挙げられ
る。多塩基性有機酸としては、例えば、長鎖脂肪族ジカ
ルボン酸類、芳香族多価カルボン酸類およびこれらの酸
無水物などが挙げられる。該多価イソシアネート類とし
ては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネートなどの無黄変性ジイソシアネー
トやその付加物、イソシアヌレート類から導かれる基を
有する多価イソシアネートなどが挙げられ、これらの中
でイソシアヌレート類から導かれる基を有する多価イソ
シアネートが特に好ましい。これら多価イソシアネート
類は、常温硬化により好適である。
【0098】その他、ブロック化多価イソシアネート類
も硬化剤、主として加熱硬化型用の硬化剤として好まし
く使用できる。<樹脂成分(C)> 樹脂成分(C)としては、得られる
硬化性組成物の常温硬化または焼き付け硬化に寄与でき
る(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッ
ド樹脂、上記フッ素含有共重合体(A)以外のフッ素樹
脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。なかでも(メタ)
アクリル樹脂、エポキシ樹脂が、付着性の点からは好ま
しい。本発明では、これら樹脂成分(C)は、1種また
は2種以上組み合わせて用いられる。
【0099】これら樹脂成分(C)としては、特開平1
1−171933号公報の第[0021]〜[002
3]段に記載のものなどを使用できる。この(メタ)ア
クリル系樹脂について詳述すると、(メタ)アクリル樹
脂としては、従来より塗料用に使用されているものが挙
げられるが、側鎖および/または主鎖末端に水酸基、カ
ルボキシル基、エポキシ基、アミノ基などの硬化性官能
基を有する(メタ)アクリル酸エステル成分単位含有共
重合体が好ましい。このような(メタ)アクリル酸エス
テル成分単位含有共重合体としては、例えばヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルビ
ニルエーテル、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メ
タ)アクリレート、2−アミノエチルプロピ(メタ)ア
クリレートなどから誘導される成分単位を含む共重合体
が挙げられる。
【0100】このような(メタ)アクリル酸エステル成
分単位含有共重合体として市販されているものでは、
「アクリディックA−430、アクリディックA−81
0−45」(大日本インキ化学工業(株)製)、「テス
ロイド4211−46、テスロイド4212−46」
(日立化成ポリマー(株)製)、「ダイヤナールLR−
620、ダイヤナールHR−656」(三菱レイヨン
(株)製)、「ヒタロイド3046C、ヒタロイド30
18」(日立化成工業(株)製)などがある。
【0101】(メタ)アクリル樹脂の数平均分子量は、
GPCにて測定して1,000〜15,000好ましく
は5,000〜10,000であり、それより大きくな
ると溶剤への溶解性が低下する傾向にあり、小さくなる
と得られる化粧板の耐候性が低下する傾向にある。<硬化触媒(D)> 本発明においては、上記硬化性組成
物が、さらに硬化触媒(D)を含有することも可能であ
り、上記硬化触媒(D)は、金属化合物または酸である
ことが望ましい。
【0102】該金属化合物としては、例えば、錫化合物
等が挙げられ、酸としては、例えば、リン酸、スルホン
酸等が挙げられる。多価イソシアネート類を用いて常温
硬化を行わせる場合には、金属化合物例えば、ジブチル
錫ジラウレート等の公知触媒の添加によって硬化を促進
させることも可能である。
【0103】またメラミン硬化剤または尿素樹脂硬化剤
の使用に際しては、リン酸系またはスルホン酸系の酸性
触媒の添加によって硬化を促進することもできる。 <その他の配合成分>本発明で用いられる硬化性塗料組
成物には、上記成分(A)〜(C)などの他にさらに、
下記のような「その他の成分」が含まれていてもよい。
【0104】このようなその他の成分としては、例え
ば、溶媒の他に、可塑剤、安定剤、タレ止め・沈降防止
剤、酸化チタン(チタン白)等の着色料、粘度調節剤、
レベリング剤、消泡剤、紫外線吸収剤、上記以外の塗膜
形成成分などの各種成分が挙げられる。 <溶媒>硬化性塗料組成物を調製する場合には、種々の
溶媒を使用でき、キシレン、トルエンなどの芳香族炭化
水素類;n−ブタノールなどのアルコール類;酢酸ブチ
ル、酢酸エチルなどのエステル類;メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;エチルセ
ロソルブなどのグリコールエーテル類;市販の各種シン
ナー類;等が使用可能であるが、酢酸エチル、メチルエ
チルケトン、トルエン、キシレン、n−ブタノール等が
好ましい。
【0105】このような溶媒は、硬化性塗料組成物(塗
料)中に含まれるフッ素含有共重合体(A)量が5〜8
0重量%、好ましくは10〜60重量%となるような量
で用いることが望ましい。 <タレ止め・沈降防止剤(搖変剤)>タレ止め・沈降防
止剤(搖変剤)としては、有機粘度系Al、Ca、Zn
のステアレート塩、レシチン塩、アルキルスルホン酸塩
などの塩類、ポリエチレンワックス、アマイドワック
ス、水添ヒマシ油ワックス系、ポリアマイドワックス系
および両者の混合物、合成微粉シリカ、酸化ポリエチレ
ン系ワックス等が挙げられ、好ましくは、ポリアマイド
ワックス、合成微粉シリカ、酸化ポリエチレン系ワック
ス、有機粘度系が用いられる。このようなタレ止め・沈
降防止剤としては、楠本化成(株)製の「ディスパロン
305」、「ディスパロン4200-20」等の他、「ディスパロ
ンA630-20X」等の商品名で上市されているものが挙げら
れる。
【0106】<着色剤>着色剤には、顔料、染料などが
挙げられる。顔料としては、従来公知の有機系、無機系
の各種顔料を用いることができる。有機系顔料として
は、カーボンブラック、フタロシアニンブルー等があげ
られる。無機系顔料としては、例えば、チタン白、ベン
ガラ、バライト粉、シリカ、タンカル、タルク、白亜、
酸化鉄粉等のように中性で非反応性のもの;亜鉛華(Z
nO、酸化亜鉛)、鉛白、鉛丹、亜鉛末、亜酸化鉛粉等
のように塩基性で塗料中の酸性物質と反応性のもの(活
性顔料)等があげられる。
【0107】<硬化性塗料組成物の製造>上記のような
硬化性塗料組成物を製造するには、上記フッ素含有共重
合体(A)と、硬化剤成分(B)と、必要により用いら
れる樹脂成分(C)とに加えて、硬化触媒(D)、溶
媒、可塑剤、無機脱水剤(安定剤)、タレ止め・沈降防
止剤、酸化チタン(チタン白)等の着色剤、粘度調節
剤、レベリング剤、消泡剤、紫外線吸収剤、上記以外の
塗膜形成成分、充填剤、難燃剤などを所定の割合で一度
にあるいは任意の順序で加えて撹拌・混合し、溶媒に溶
解・分散等すればよい。
【0108】この際には、ボールミル、ペイントシェー
カー、サンドミル、3本ロールミル、ニーダー等の通常
の塗料化に用いられる種々の混合・攪拌装置を用いるこ
とができる。硬化剤成分(B)として非ブロック多価イ
ソシアナート類を用いると、常温硬化型の硬化性塗料組
成物を得ることができる。このような硬化性塗料組成物
では、硬化剤成分は別個に調合され、二液型の硬化性塗
料組成物とされる。
【0109】この場合、イソシアネートおよび触媒の種
類および添加量、さらには共重合体(A)の濃度、共重
合体(A)中のヒドロキシアルキルまたはヒドロキシシ
クロアルキルビニルエーテル成分単位(a3)の含有率
を調節することによって、1〜10時間程度の可使時間
を有し、数時間〜数日で室温硬化して良好な物性を有す
る塗膜を形成可能な硬化性塗料組成物(塗料)とするこ
とができる。
【0110】なお、硬化剤成分(B)としてメラミン樹
脂、尿素樹脂、ブロック多価イソシアネート類を用いる
と、加熱硬化型で、しかも一液型の硬化性塗料組成物
(塗料)を得ることができる。<化粧板の製造> 本発明に係る化粧板を得るには、前記
金属板、合板、珪カル板、FRP板など各種基材の表面
上にこの硬化性塗料組成物からなる塗膜を形成してもよ
い。あるいは基材表面に、必要により、予め、紫外線硬
化型塗料を塗布、硬化させ塗膜を形成した後、上記の硬
化性塗料組成物を塗布硬化させてもよい。
【0111】あるいは基材表面に、その材質に応じて、
必要により、予め、ケイ酸カルシウム板用のシーラー、
鉄面防錆用の下塗り層(下塗塗膜)等を設け、さらにそ
の表面に中塗り層(中塗塗膜)、上塗り層(上塗塗膜)
等を塗設した後、その表面に、上記硬化性塗料組成物を
塗布、硬化させて、この硬化性塗料組成物からなる塗膜
を形成してもよい。
【0112】また、既存の各種塗装面に、適宜下塗りを
施した後、補修用として上記硬化性塗料組成物を上塗り
してもよい。このような各種塗料の塗布(塗装)の際に
は、刷毛、ローラー、ロールコーター、スプレー(例:
エアスプレー、エア霧化型またはベル型静電スプレ
ー)、浸漬、電着など、公知の塗装手段を採用すればよ
い。特に、基材表面に、上記各種塗装を施した後、その
表面に低温硬化性に優れた上記硬化性塗料組成物をロー
ルコータを用いて塗装すれば、速乾性に優れ、薄膜化で
き、低コストの仕上げが可能となる。
【0113】また、基材表面に上記各層用の各種塗料を
塗布した後、硬化させるには、例えば、加熱乾燥法、常
温乾燥法、焼き付けなど、配合成分に応じて従来より公
知の種々の硬化方法を採用しうるが、加熱乾燥、常温乾
燥では、含まれる溶剤を蒸発させ、乾燥させればよく、
このように溶剤を揮散・除去することにより実用に供す
ることができる。
【0114】このようにして得られる化粧板では、塗膜
全体の厚さは、例えば、0.1〜400μm程度であ
り、特に上記硬化性塗料組成物からなる塗膜(層)の厚
さは、0.1〜50μm程度であることが多い。このよ
うにして得られた本発明の化粧板は、撥水性、撥油性に
優れ、耐汚染性に優れ、汚染除去性に優れ、基材表面へ
の密着性に優れ、特に、浴室、洗面所などの水回りの建
築資材、特に無機質建築資材に使用すると、ヘアカラ
ー、ヘアマニキュア、口紅等が付きにくく低汚染性(耐
汚染性)に優れ、しかも、一旦付着してしまったヘアカ
ラーなどの汚れは乾拭き等の方法で容易に洗浄・除去で
き汚染除去性に優れ、さらに基材表面への密着性に優れ
ている。
【0115】
【発明の効果】本発明に係る化粧板は、基材、特にケイ
カル板等の金属以外の無機質基材あるいは、FRP板等
の複合基材の表面に、従来の加熱乾燥条件より低い温度
(例:120〜140℃)で、従来と同様の時間(10
〜20分間)の加熱で硬化させることができるなど、上
記低温硬化性に優れた上記硬化性塗料組成物を塗布硬化
して得られ、撥水性、撥油性に優れ、耐汚染性に優れ、
汚染除去性に優れ、基材表面への密着性に優れ、しかも
これら特性バランスにも優れている。
【0116】特に、本発明に係る化粧板を、浴室、洗面
所などの水回りの金属以外の無機質建築資材あるいは複
合基材に使用すると、ヘアカラー、ヘアマニキュア、口
紅、ヨードチンキ等が付きにくく低汚染性(耐汚染性)
に優れ、しかも、一旦付着してしまったヘアカラー、ヨ
ードチンキなどの汚れは乾拭き等の方法で容易に洗浄あ
るいは除去でき汚染除去性に優れ、基材表面への密着性
に優れ、その上これら特性にバランス良く優れている。
【0117】
【実施例】以下、本発明に係る化粧板ついて、実施例に
よりさらに具体的に説明するが、本発明はこのような実
施例により何ら限定されるものではない。
【0118】
【実施例1】材質が珪酸カルシウム製のフレキシブルボ
ード板(縦60cm×横30cm×厚さ0.6cm、市
販のフラットタイプ、アサノ社製)の表面に下記要領に
て塗装を行った。 工程−1:シーラー塗装 1液ウレタン塗料(商品名:「アルカリシーラーNY−
2」、中国塗料(株)製)1に対して、シンナー1の重
量比で混合したものを、スポンジロールコーターで30
〜40g/m2厚で塗装したのち、80℃の温度の熱風
を当てて10分間加熱乾燥を行った(乾燥膜厚:7.5
μm)。
【0119】工程−2:下塗塗装 2液ウレタン塗料(商品名:「EP−コートNo.10
0K−2」、中国塗料(株)製)を用いて下塗塗装を行
った。下塗塗装に際しては、2液ウレタン塗料の主剤
と、硬化剤と、シンナーとを、主剤/硬化剤/シンナー
=16/1/2(重量比)で混合したものを、ロールコ
ーターとフローコーターとを用いて、150g/m2
で塗装した後、80℃の温度の熱風を当てて10分間加
熱乾燥を行った(乾燥膜厚:30μm)。
【0120】工程−3:中塗塗装 紫外線硬化型塗料(商品名「オーレックスNo.230
−5」、中国塗料(株)製)を、ロールコーターとフロ
ーコーターとを用いて、100g/m2厚で塗装した
後、80W/cm高圧水銀ランプを2灯を移動速度5m
/分で約2秒間照射し、紫外線硬化させた(乾燥膜厚:
90μm)。
【0121】工程−4:上塗塗装 硬化性塗料組成物(フッ素系ポリオール樹脂:主剤、イ
ソシアネート樹脂:硬化剤)からなる上塗塗料とシンナ
ーとを、上塗り塗料の主剤/上塗塗料の硬化剤/シンナ
ー=100/6.8/200(重量比)で混合したもの
を、ロールコーターを用いて、10〜20g/m2厚で
塗装した後、80℃の温度の熱風を当てて40分間加熱
乾燥を行った(乾燥膜厚:1.5μm)。
【0122】なお、硬化性塗料組成物用に用いたフッ素
系ポリオール樹脂(フッ素含有共重合体)、イソシアネ
ート樹脂はそれぞれ以下の通り。 (イ)フッ素系ポリオール樹脂(フッ素含有共重合体); 商品名:「KD−270」、関東電化工業(株)製。「KD−270」: フッ素樹脂ワニス、関東電化工業
(株)製、 共重合体成分組成:フルオロオレフィン単位50モル
%、反応性シリコーンオイル単位10モル%、水酸基含
有ビニルエーテル単位30モル%、シクロヘキシル基含
有アクリル酸エステル単位10モル%。 燃焼法によるフッ素含量:45%、 GPCで測定した数平均分子量:82700(実測
値)、 固形分濃度:30%、 溶剤:70%。
【0123】(ロ)イソシアネート樹脂; 商品名:「KD−270」の硬化剤、関東電化工業
(株)製。 LTI(リジントリイソシアナート)、化合物名:2−
イソシアナートエチル−2,6−ジイソシアナートカプ
ロエート、NCO含有量:46%以上。 化学式:C111335
【0124】
【化24】
【0125】この化粧板について、「JIS K 540
0(8.10)」に準拠(但し静置時間は18時間)して
ヘアーカラー、ヘアーマニキュア、ヨードチンキおよび
マジックインキによる耐汚染性試験を行った。ヘアーカ
ラー、ヘアーマニキュア、ヨードチンキをそれぞれ化粧
板の表面に滴下して24時間経過後に拭き取り、耐汚染
性試験を行ったところ、その評価はヘアーカラーおよび
ヘアーマニキュアでは、何れも「○」(塗膜表面の色・
艶の変化および膨れが認められない。)となり、ヨード
チンキでは、「○△」(塗膜表面の色・艶の変化が大き
くなく、また膨れが認められない。)となった。
【0126】また、マジックインキにて落書き後、5秒
間経過した後に拭き取ったところ、「○」(塗膜表面の
色・艶の変化および膨れが認められない。)となった。
結果を併せて表1に示す。
【0127】
【実施例2】実施例1において、「工程−1」〜「工程
−3」を実施例1と同様に行った後、「工程−4」を下
記のように変更した。 「工程−4」:上塗塗装 フッ素系ポリオール樹脂(ハ)+(メタ)アクリル樹脂
(ニ):主剤と、実施例1で用いたイソシアネート樹脂
(ロ):硬化剤と、シンナーとを、主剤/硬化剤/シンナ
ー=100/6.8/50(重量比)で混合したもの
を、ロールコーターを用いて、10〜20g/m2厚で
塗装した後、80℃の温度の熱風をあてて40分間加熱
乾燥を行った(乾燥膜厚:3.5μm)。
【0128】(ハ)フッ素系ポリオール樹脂 商品名:「KD−270X」、関東電化(株)製。「KD−270X」 : 共重合体成分組成:フルオロオレフィン単位50モル
%、反応性シリコーンオイル単位10モル%、水酸基含
有ビニルエーテル単位30モル%、シクロヘキサン基含
有アクリル酸エステル単位10モル%、 燃焼法によるフッ素含量:40%、 GPCで測定した数平均分子量:32600(実測
値)、 固形分濃度:25%、 溶剤:75%。 (ニ)(メタ)アクリル樹脂 (メタ)アクリル樹脂として、商品名:「ダイヤナール
SS−1822」(三菱レーヨン(株)製)を使用。塗
料主剤100重量部に対して40重量部配合する。
【0129】この化粧板について、上記と同様に耐汚染
性試験を行った。結果を表1に示す。
【0130】
【実施例3】実施例1において、「工程−1」〜「工程
−3」を実施例1と同様に行った後、「工程−4」を下
記のように変更した。 「工程−4」:上塗塗装 フッ素系ポリオール樹脂(ホ)+(メタ)アクリル樹脂
(ヘ):主剤と、メラミン樹脂(ト):硬化剤とを、主
剤/シンナー=100/30(重量比)で混合したもの
を、ロールコーターを用いて、10〜20g/m2厚で
塗装した後、170℃の温度の熱風をあてて10分間加
熱乾燥を行った(乾燥膜厚:3.5μm)。
【0131】(ホ)フッ素系ポリオール樹脂:商品名
「KD−270C」(関東電化工業(株)製)を、塗料
主剤100重量部中に15重量部配合する。「KD−270C」: フッ素樹脂ワニス、関東電化工業
(株)製、 共重合体成分組成:フルオロオレフィン単位50モル
%、反応性シリコーンオイル単位10モル%、水酸基含
有ビニルエーテル単位30モル%、不飽和カルボン酸単
位10モル%、 燃焼法によるフッ素含量:40%、 GPCで測定した数平均分子量:40,000(4
万、推測値)、 固形分濃度:25%、 溶剤:75%。
【0132】(ヘ)(メタ)アクリル樹脂:(メタ)ア
クリル樹脂として、商品名「ダイヤナールSS−182
2」(三菱レーヨン(株)製)を使用。塗料主剤100
重量部中に30重量部配合する。 (ト)メラミン樹脂: 商品名:「ユーバン225」(三井サイテック(株)
製)を使用。塗料主剤100重量部中に15重量部配合
する。
【0133】この化粧板について、低汚染性試験を行っ
た。結果を表1に示す。
【0134】
【比較例1】実施例1において、「工程−4」を行なわ
なかった点以外は、実施例1と同様にして化粧板を得
た。この化粧板について、低汚染性試験を行った。結果
を表1に示す。
【0135】
【比較例2】実施例1において、「工程―1」〜「工程
―3」までを行い、「工程―4」にアクリルシリコーン
系塗料(商品名:「ケイソルNo.25クリヤ」、中国
塗料(株)製))を用いて上塗塗装を行った。上塗塗装
に際しては、2液塗料の主剤と、硬化剤と、シンナーと
を、主剤/硬化剤/シンナー=10/1/2(重量比)
で混合したものを、スプレーを用いて、80g/m2
で塗装した後、80℃の温度の熱風をあてて10分間加
熱乾燥を行った(乾燥膜厚:30μm)。
【0136】この化粧板について、低汚染性試験を行っ
た。結果を表1に示す。
【0137】
【表1】
【0138】なお、実施例、比較例における評価方法お
よび評価基準は以下の通り。 <耐汚染性>・評価方法 JIS 5400(8.10)に準拠。但し、静置時間
は、18時間とする。 ・評価基準 「○」 :塗膜表面の色・艶の変化および膨れが認めら
れない。
【0139】 「○△」 :塗膜表面の色・艶の変化が大きくなく、膨
れが認められない。 「△」 :塗膜表面の色・艶の変化がやや大きいが、膨
れが認められない。 「×」 :塗膜表面の色・艶の変化が大きいか、または
膨れが認められる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 220/18 C08F 220/18 222/02 222/02 230/08 230/08 C09D 127/10 C09D 127/10 127/12 127/12 143/04 143/04 161/24 161/24 161/28 161/28 175/04 175/04 183/07 183/07 201/00 201/00 Fターム(参考) 4F100 AA01A AA01H AE09 AK03B AK17B AK17J AK23B AK23J AK24B AK24J AK25B AK25J AK36H AK41B AK51D AK51G AK51H AK51J AK52B AK53B AK53J AL01B AL05B AL08B AT00A BA02 BA03 BA04 BA07 BA10A BA10B CA02B CB00 CC00B CC00C CC00D GB08 JB06 JB07 JB12B JB14C JL06 JL11 JM02D 4J038 CD091 CD092 CD111 CD121 CD131 CG002 DA142 DA162 DB002 DD002 DG262 GA03 GA06 GA07 GA15 KA03 KA04 KA06 NA05 NA07 NA12 NA23 PB03 PB05 PC06 4J100 AC24P AC26P AC27P AC31P AE02R AE09R AE13R AE19R AJ01S AJ09S AL03T AL08Q AL08T AP16Q BA02R BA71Q BA72Q BA81Q BA82Q BB17Q BC04R BC04T BC54R CA03 CA05 CA06 JA01

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材表面が、(A)フッ素含有オレフィン
    成分単位(a1)、 少なくとも1個の重合性不飽和結合を含有する有機珪素
    化合物から誘導される有機珪素化合物成分単位(a
    2)、および水酸基またはエポキシ基を含有していても
    よいビニルエーテル成分単位(a3)を含有するフッ素
    含有共重合体と、(B)メラミン樹脂、尿素樹脂、多塩
    基性有機酸および多価イソシアネート類のうちから選択
    される1種または2種以上の硬化剤と、を含有する硬化
    性塗料組成物から形成された塗膜で被覆されていること
    を特徴とする化粧板。
  2. 【請求項2】上記有機珪素化合物成分単位(a2)が、
    少なくとも1個の重合性のビニル基または(メタ)アク
    リロイルオキシ基を有する有機珪素化合物であって、か
    つ、オルガノシラン、オルガノ(ポリ)シロキサンおよ
    びシリコーンからなる群から選ばれた少なくとも1種の
    重合性有機珪素化合物から誘導されたものであることを
    特徴とする請求項1に記載の化粧板。
  3. 【請求項3】上記有機珪素化合物が、下記式(1)また
    は(2)で表されることを特徴とする請求項1〜2の何
    れかに記載の化粧板: 【化1】 {式(1)中、R11は、CH2=CH−またはCH2=C
    (R12)−COO−(CH2p−[R12は、水素原子ま
    たはメチル基を示し、pは0〜10の整数を示す。]を
    示し、R1、R2、R3は、互いに同一でも異なっていて
    もよく、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のア
    ルキル基(該アルキル基に含まれる水素原子の一部がフ
    ッ素置換されていてもよい。)、フェニル基または−O
    Si(CH33を示す。} 【化2】 {式(2)中、R11は、水素原子、炭素数1〜6のアル
    キル基(該アルキル基に含まれる水素原子の一部がフッ
    素置換されていてもよい。)、−OSi(CH33、C
    2=CH−またはCH2=C(R7)−R8−(CH2p
    −[R7は、水素原子またはメチル基を示し、R8は、エ
    ステル結合、エーテル結合または酸素原子(O)を示
    し、pは0〜10の整数を示す。]を示し、R12は、C
    2=CH−またはCH2=C(R7)−R8−(CH2p
    −[R7は、水素原子またはメチル基を示し、R8は、エ
    ステル結合、エーテル結合または酸素原子(O)を示
    し、pは0〜10の整数を示す。]を示し、nは1〜4
    20の整数を示す。}
  4. 【請求項4】上記重合性有機珪素化合物が、下記式(1
    a)で示される重合性有機珪素化合物および、下記式
    (2a)で示される重合性有機珪素化合物のうちの何れ
    か1種または2種以上である請求項1〜2の何れかに記
    載の化粧板: 【化3】 {式(1a)中、R11は、CH2=CH−またはCH2
    C(R12)−COO−(CH2p−[R12は、水素原子
    またはメチル基を示し、pは1〜6の整数を示す。]を
    示し、R1、R2、R3は、−OSi(CH33を示
    す。} 【化4】 {式(2a)中、R11は、炭素数1〜6のアルキル基
    (該アルキル基は、分岐を有していてもよく、含まれる
    水素原子の一部がフッ素置換されていてもよい。)、C
    2=CH−またはCH2=C(CH3)−COO−(C
    2p−(pは1〜6の整数)を示し、R12は、CH2
    =CH−またはCH2=C(CH3)−COO−(C
    2p−(pは1〜6の整数)を示し、nは1〜420
    の整数を示す。}
  5. 【請求項5】上記硬化性塗料組成物は、上記成分(A)
    および、成分(B)に加えて、さらに、(C)(メタ)
    アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、上
    記(A)以外のフッ素樹脂およびエポキシ樹脂のうちか
    ら選択される1種または2種以上の樹脂を含有すること
    を特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の化粧板。
  6. 【請求項6】上記フッ素含有共重合体(A)が、さら
    に、重合性不飽和カルボン酸から誘導される重合性不飽
    和カルボン酸成分単位(a4)を含有する請求項1〜5
    の何れかに記載の化粧板。
  7. 【請求項7】上記フッ素含有共重合体(A)が、さら
    に、鎖状アルキル(メタ)アクリレートまたはシクロア
    ルキル(メタ)アクリレートから誘導される成分単位
    (a5)を含有する請求項1〜6の何れかに記載の化粧
    板。
  8. 【請求項8】硬化性塗料組成物中に含まれる上記(A)
    成分、(B)成分および(C)成分の合計100重量部
    に対して、(A)成分が3〜95重量部、(B)成分が
    5〜60重量部、および(C)成分が0〜90重量部の
    範囲にある請求項1〜7の何れかに記載の化粧板。
  9. 【請求項9】上記フッ素含有共重合体(A)が、 フッ素含有オレフィン成分単位(a1)を15〜85モ
    ル%、 上記少なくとも1個の重合性不飽和結合を含有する有機
    珪素化合物から誘導される有機珪素化合物成分単位(a
    2)を0.1〜50モル%、 上記水酸基またはエポキシ基を含有していてもよいビニ
    ルエーテル成分単位(a3)を1〜50モル%、 必要により用いられる上記重合性不飽和カルボン酸から
    誘導される重合性不飽和カルボン酸成分単位(a4)を
    0〜30モル%、および必要により用いられる、上記鎖
    状アルキル(メタ)アクリレートまたはシクロアルキル
    (メタ)アクリレートから誘導される成分単位(a5)
    を0〜30モル%(共重合体中に含まれる全成分単位の
    合計を100モル%とする。)の量で含有する請求項1
    〜8の何れかに記載の化粧板。
  10. 【請求項10】上記フッ素含有共重合体(A)が、 フッ素含有オレフィン成分単位(a1)を30〜80モ
    ル%、 上記少なくとも1個の重合性不飽和結合を含有する有機
    珪素化合物から誘導される有機珪素化合物成分単位(a
    2)を0.5〜25モル%、 上記水酸基またはエポキシ基を含有していてもよいビニ
    ルエーテル成分単位(a3)を1〜50モル%、 必要により用いられる上記重合性不飽和カルボン酸から
    誘導される重合性不飽和カルボン酸成分単位(a4)を
    0〜20モル%、および必要により用いられる、上記鎖
    状アルキル(メタ)アクリレートまたはシクロアルキル
    (メタ)アクリレートから誘導される成分単位(a5)
    を0〜20モル%(共重合体中に含まれる全成分単位の
    合計を100モル%とする。)の量でそれぞれ含有する
    請求項1〜8の何れかに記載の化粧板。
  11. 【請求項11】上記硬化性塗料組成物が、さらに硬化触
    媒(D)を含有する請求項1〜10の何れかに記載の化
    粧板。
  12. 【請求項12】上記硬化触媒(D)が、金属化合物また
    は酸である請求項11に記載の化粧板。
  13. 【請求項13】基材の表面上に、紫外線硬化型塗料から
    なる塗膜と、請求項1〜12の何れかに記載された硬化
    性塗料組成物から形成された塗膜とが順次積層してなる
    化粧板。
  14. 【請求項14】基材の表面上に、ウレタン系シーラーか
    らなる塗膜と、紫外線硬化型塗料からなる塗膜と、請求
    項1〜12の何れかに記載された硬化性塗料組成物から
    形成された塗膜とが順次積層してなる化粧板。
  15. 【請求項15】基材の表面上に、ウレタン系シーラーか
    らなる塗膜と、ウレタン系下塗り塗料からなる塗膜と、
    紫外線硬化型塗料からなる塗膜と、請求項1〜12の何
    れかに記載された硬化性塗料組成物から形成された塗膜
    とが順次積層してなる化粧板。
  16. 【請求項16】上記基材の表面が、金属以外の無機質基
    材、あるいは複合基材で構成されていることを特徴とす
    る請求項1〜15の何れかに記載の化粧板。
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