JP2003343158A - 防汚性を付与した木質系キッチン収納扉 - Google Patents

防汚性を付与した木質系キッチン収納扉

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JP2003343158A
JP2003343158A JP2002157847A JP2002157847A JP2003343158A JP 2003343158 A JP2003343158 A JP 2003343158A JP 2002157847 A JP2002157847 A JP 2002157847A JP 2002157847 A JP2002157847 A JP 2002157847A JP 2003343158 A JP2003343158 A JP 2003343158A
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storage door
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silicone
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JP2002157847A
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Narukuni Hirata
成邦 平田
Yuichi Ishino
裕一 石野
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、汚れが付着しにくくかつ取れやす
い防汚機能を付与した木質系キッチン収納扉を提供する
ことを目的とするものである。 【解決手段】 木質系キッチン収納扉の表面に、ベース
ポリマーとしてシリコーン変性ウレタン樹脂を含み、当
該シリコーン変性ウレタン樹脂は、ウレタン樹脂を構成
するイソシアネートとポリオールとの少な<とも一方が
シリコーン変性されているウレタン樹脂である塗膜層を
形成したことを特徴とする木質系キッチン収納扉であ
り、好ましくは、シリコーン変性ウレタン樹脂が分子構
造に2重結合を含み、紫外線硬化又は電子線硬化可能で
ある木質系キッチン収納扉。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技衝分野】本発明は、システムキッチン
などの木質系収納扉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】システムキッチンなとの収納扉は、清掃
しやすくかつ清潔性を保たなくてはならず、又、黴など
の汚れが付着することを避けなければならない。しかる
に、従来より、キッチン収納扉は木質系のものが多く使
用されており、その表面塗装にはポリエステル系の∪∨
(紫外線)硬化樹脂や、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、
メラミン樹脂、アクリルメラミン樹脂などの塗料が用い
られていたが、表面のつや付けや着色といった美観付与
と共に、水、熱水及び紫外線などに対する保護層として
機能するが、表面に汚れが付着した場合、汚れが取れに
くいため、修復できない汚れとして残つてしまうケース
が多々あつた。
【0003】特にキッチン収納扉は油、調味料、野菜や
魚からの汁などが付着することから汚れやすいが、上記
保護層ではこれらの汚れに対してはほとんど効果がな
く、防汚機能の高い収納扉の開発が待たれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたもので、汚れが付着しにくくかつ取
れやすい防汚機能を付与した木質系キッチン収納扉を提
供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1発明は、木質系キッ
チン収納扉の表面に、ベースポリマーとしてシリコーン
変性ウレタン樹脂を含み、当該シリコーン変性ウレタン
樹脂は、ウレタン樹脂を構成するイソシアネートとポリ
オールとの少なくとも一方がシリコーン変性されている
ウレタン樹脂である塗膜層を形成したものである。
【0006】第2発明は、木質系キッチン収納扉の表面
に、ベースポリマーとして分子構造に2重結合を有し紫
外線硬化又は電子線硬化可能な樹脂を含み、更にこれに
有機珪素化合物を含有する塗膜層を形成したものであ
る。
【0007】第3発明は、木質系キッチン収納扉の表面
に、ベースポリマーとしてウレタン樹脂、アクリル樹
脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂及び不
飽和ポリエステル樹脂よりなる群から1種又は2種以上
が選択され、更にこれに有機珪素化合物を含有する塗膜
層を形成したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】第1発明における塗膜層は、ベー
スポリマーがシリコーン変性ウレタン樹脂であるため、
シリコーンによる撥水性が発現され、塗膜の耐汚染性、
耐傷付き性、耐久性にすぐれるものである。
【0009】このシリコーン変性ウレタン樹脂は、有機
珪素化合物とポリオールとを反応して得られたシリコー
ン変性ポリオール及び/又は有機珪素化合物とイリシア
ネートとを反応して得られたシリコーン変性イソシアネ
ート(又はシリコーン変性ポリイソシアネートプレポリ
マー)で得られることが好ましい。この有機珪素化合物
としては、ポリオルガノシロキサンであつて、少なくと
も1個の活性水素基又はアルコキシ基を有するポリオル
ガノシロキサンであるもの、また主鎖がポリジメチルシ
ロキサンであるものが好ましい。
【0010】本発明におけるベースポリマーのシリコー
ン変性ウレタン樹脂は塗工の前にポリオール成分とイソ
シアネート成分を混合し、硬化させる2液タイプのもの
でもよいが、製造の段階でポリオール成分とイソシアネ
ート成分を反応させ、ウレタン構造を形成した1液タイ
プのものでもよい。ただし、1液タイプのものは塗工
後、紫外線硬化又は電子線硬化が必要なため、シリコー
ン変性ウレタン樹脂の分子構造に2重結合を含むことが
必要で、シリコーン変性ウレタン樹脂が主鎖末端及び/
又は側鎖末端にアクリロキシ基及び/又はメタクリロキ
シ基を持つことが好ましい。
【0011】また、シリコーン変性ウレタン樹脂中のシ
リコーン残基の含有量で表した変性割合は0.1〜50
重量%であることが好ましい。
【0012】以下に、第1発明の塗膜層のベースポリマ
ーとしてのシリコーン変性ウレタン樹脂について説明す
る。
【0013】第1発明に係るシリコーン変性ウレタン樹
脂は、ウレタン樹脂を構成するイソシアネートとポリオ
ールとの少なくとも一方がシリコーン変性されているも
のである。即ち、有機珪素化合物とポリオールとを反応
させて得られるシリコーン変性ポリオール及び/又は有
機珪素化合物とイソシアネートとを反応して得られるシ
リコーン変性イソシアネート(シリコーン変性ポリイソ
シアネートプレポリマーであってもよい)を用い、次の
ような組み合わせで反応させて得られたものである。 (1)シリコーン変性ポリオールとイソシアネート (2)ポリオールとシリコーン変性イソシアネート (3)シリコーン変性ポリオールとシリコーン変性イソ
シアネート
【0014】ここでシリコーン変性に用いる有機珪素化
合物としては、ポリオルガノシロキサンであつて、少な
くとも1個の活性水素基又はアルコキシ基を有するポリ
オルガノシロキサンで主鎖がポリジメチルシロキサンで
あるものか好ましい。好ましい有機珪素化合物として
は、次のようなものが挙げられる。 (1)Rー(Si(CH32 ーO)n ーSi(CH
32 ーR・Xで示されるような末端が活性水素であ
り、主鎖がポリジメチルシロキサンである変性シリコ−
ンオイル (2)RーSi(CH32 ーOー(Si(CH32
ーO)m ー(SiR’CH3 ーO)n ーSi(CH3
2 ーRで示されるような、側鎖が活水水素であり、主鎖
がポリジメチルシロキサンである変性シリコーンオイル (3)Rー(Si(CH32 ーO)n ーSi(CH
32 ーR”で示されるような、アルコキシ基を持つシ
リコーンオイル (4)CH3 SiCH3n ーOー(SiCH3 OY
nm ーSiCH3 YCH3 でされるような、アルコキ
シシラン化合物 (式中、Rはメチル基、ブチル基等の非反応性のアルキ
ル基、R’は炭素数1〜6のアルケニル基、R”はメト
キシ、エトキシ、ブトキシ等のアルコキシ基、XはO
H、SH、SH2 、NHR等の活性水素基、YはーOS
i(CH32 ーR”である)
【0015】特に、ポリオールのシリコーン変性には上
記(3)、(4)などを用いるのが好ましく、イソシア
ネートのシリコーン変性には上記(1)、(2)などを
用いるのが好ましい。これらの有機珪素化合物は1種を
単独で用いても2種以上を併用して用いてもよい。
【0016】なお、ポリオール及びイソシアネートとし
ては、通常のウレタン系塗料に使用されるものを用いる
ことができ、例えば、次のようなものが例示される。
【0017】〔ポリオール〕脂肪族、脂環族、脂肪芳香
族多価アルコールであり、具体的には、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、
シクロヘキサンジメタノール、グリセロール、トリメチ
ロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリ
トール、ソルビトールなど。またこれらのアルコールを
開始剤としてオキシラン基を有する炭化水素基、即ちエ
チレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどで変性し
たポリマー(ポリエーテル)ポリオール、及びアルキル
アミン、アルカノールアミンを開始剤としてオキシラン
基を有する炭化水素で変性したアミルポリマーポリオー
ル、オキシラン基を含有するエポキシ樹脂やエポキシ化
油を水又はアルカノールアミンにて開環させたポリマー
ポリオール。その他、上記アルコールを開始剤としてε
ーカプロラクトンのラクトン類を開環重合反応させて得
られるラクトンポリオール、上記多価アルコールと公知
の1種又はそれ以上の多価カルボン酸、例えば、シュウ
酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバチン酸、
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シクロヘキサンジ
カルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸又
はこれらの酸無水物と反応させて得られるポリエステル
ポリオールなど、及び公知の油、ヒマシ油、又は各種脂
肪酸を用い、多価アルコールとのエステル交換又はエス
テル化と前記多塩基酸とのエステル化により合成される
アルキドポリオールなどがある。ポリオールとしては、
いずれも分子内に水酸基を2個以上有するものが好まし
い。
【0018】〔イソシアネート〕脂肪族系、脂環族系、
脂肪芳香族系の各ポリイソシアネートであり、脂肪族系
のポリイソシアネートとしては、1、6ーへキサメチレ
ンジイソシアネート、1、4−テトラメチレンジイソシ
アネート、2、2、4ー又は2、4、4ートリメチルヘ
キサメチレンジイソシアネート、2、6ージイソシアネ
ートメチルカプロエート(リジンイソシアネート)など
が挙げられ、脂肪族ポリイソシアネートとしては、1、
3ー又は1、4ージイソシアネートシクロヘキサン、
1、3ー又は1、4ービス(イソシアネートメチル)シ
クロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンー4、4′ージ
イソシアネート、イソプロピリジルービス(4ーシクロ
ヘキシルイソシアネート)、3ーイソシアネートメチル
ー3、5、5ートリメチルシクロヘキシルイソシアネー
ト(イソホロンジイソシアネート)、ノルボルネンジイ
ソシアネートなどが挙げられ、脂肪芳香族系としては、
キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレン
ジイリシアネート、4、4′ービス(イソシアネートメ
チル)ジフェニルメタンなどが挙げられる。その他、上
記ジイソシアネートとポリオールとの付加反応化合物、
ジイソシアネートとビュレツト又はイソシアヌレート環
構造を有する3量体化合物、多量体化合物などが挙げら
れる。
【0019】上記ポリオールと有機珪素化合物との反応
でシリコーン変性ポリオールを製造するには、例えば、
次のようにして反応を行えばよい。即ち、HOー(ポリ
オール)ーOH+CH2 Oー(有機珪素化合物)→OH
ー(ポリオ一ル)ーOー(有機珪素化合物)+CH3
【0020】また、上記イソシアネートと有機珪素化合
物との反応でシリコーン変性イソシアネートを製造する
には、例えば、次のようにして反応を行えばよい。即
ち、NCOー(イソシアネート)ーNCO+H2 Nー
(有機珪素化合物)→NCOー(イソシアネート)ーN
HCONHー(有機珪素化合物)
【0021】第1発明における塗膜層は、例えば、次の
ような組成のA液とB液とを混合して常法に従つて収納
扉の表面に塗布して乾燥すればよい。なお、溶剤として
は、シンナー、酢酸エチルなどを用いることができる。 〔A液(重量部)〕ポリオール又はシリコーン変性ポリ
オール:100(溶剤:0〜500)、〔B液(重量
部)〕イソシアネート又はシリコーン変性イソシアネー
ト:100(溶剤:0〜500)(上記イソシアネート
はポリイソシアネートプレポリマーであつてもよい)。
なお、ポリオールについてもイソシアネートについて
も、その少なくとも一部がシリコーン変性されているも
のであつてもよく、全部がシリコーン変性されているも
のであつてもよい。上記A液とB液とは、NCO/OH
比が0.5〜1.5となるように反応させるのが好まし
い。なお、上記A液及びB液のうちの一方又は双方に
は、必要に応じて触媒、顔料、その他の添加剤が適宜配
合される。
【0022】触媒としては、有機金属化合物が挙げら
れ、特に有機錫化合物や有機チタン化合物が好ましい。
有機錫化合物、有機チタン化合物としては、例えばジブ
チルチンジラウレート、ジブチルチンジオクトエート、
ジブチルチンジアセテート、テトライソプロピルチタネ
ートなどが挙げられる。特にジブチルチンジラウレー
ト、ジブチルチンジアセテートが好ましい。
【0023】また、顔料としては、酸化チタン、ベンガ
ラ、黄鉛、亜鉛華、カーボンブラック、フタロシアニン
ブルーなどの有機又は無機系の青色顔料、鉛丹、鉛酸カ
ルシウム、クロム酸亜鉛、塩基性クロム酸鉛、モリブデ
ン酸亜鉛などの防錆顔料、シリカ、バライト、炭酸カル
シウム、クレー、タルク、マイカなどの体質顔料を挙げ
ることができる。その他の添加剤としては、各種の平滑
剤、吸湿剤、抗菌剤、防黴剤、シラン又はチタン系カッ
プリング剤などを挙げることができる(各発明に共通す
る)。
【0024】本発明におけるベースポリマーのシリコー
ン変性ウレタン樹脂は上記のように塗工の前にポリオー
ル成分とイソシアネート成分を混合し、硬化させる2液
タイプのものでもよいが、製造の段階でポリオール成分
とイソシアネート成分を反応させ、ウレタン構造を形成
した1液タイプのものでもよい。ただし、1液タイプの
ものは塗工後、紫外線硬化又は電子線硬化が必要なた
め、シリコーン変性ウレタン樹脂の分子構造に2重結合
を含むことが必要で、シリコーン変性ウレタン樹脂が主
鎖末端及び/又は側鎖末端にアクリロキシ基及び/又は
メタクリロキシ基を持つことが好ましい。この場合のシ
リコーン変性ウレタン樹脂の構造は、CH 2 CHCOO
〜〜OCONHーポリウレタンー(OCOCHCH2
2 のようなアクリル化ポリウレタン樹脂であることが好
ましい。
【0025】なお、第1発明において、形成される塗膜
に良好な撥水性を付与する点から、ベースポリマーとし
てのシリコーン変性ウレタン樹脂中のシリコーン残基の
含有量で表した変性割合は0.1〜50重量%であるこ
とが好ましい。この割合が0.1重量%未満では十分な
撥水性が得られず、50重量%を越えると下地との接着
性が悪くなる。
【0026】このような第1発明の塗膜層を得る塗布方
法としては、特に制限はなく、ローラー塗膜、刷毛塗
り、エアスプレー、エアレススプレーなどによる塗布方
法を用いることができる(各発明に共通する)。
【0027】形成される塗膜の厚さは、乾燥後の厚さで
1〜100μm程度であることか好ましい。この厚さが
1μm未満では、十分な撥水性が得られず、100μm
を越えるとロービンクなどの外観不良が発生する(各発
明に共通する)。
【0028】なお、この撥水性の塗膜層を形成するに先
立って、下塗り用の塗料を収納扉の表面に塗布して下地
膜を形成してもよい。下塗り用の塗料としては、ウレタ
ン、エポキシ、ポリエステルなどを用いることができ
る。又、形成した下地膜を更に研磨して粗面化処理を行
ってもよい(各発明に共通する)。
【0029】第2発明の塗膜層のベースポリマーとして
は、分子構造に2重結合を含み、紫外線硬化又は電子線
硬化可能な樹脂であり、不飽和ポリエステル樹脂、アク
リル化アルキド樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、
ポリエーテルアクリレート樹脂、アクリル化エポキシ樹
脂、アクリル化ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂及びア
クリル化スビラン樹脂よりなる群から選ばれる1種又は
2種以上が挙げられ、これらのうち、特に、活性基とし
てアクリル基を持つものが反応性が高く、安定な塗膜を
形成するので好ましい。
【0030】このようなベースポリマーは、通常の場
合、開始剤と共に使用され、紫外線硬化の場合の開始剤
としては、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノ
ン、ジメチルアミノエチルメタクリレートなどが用いら
れる。なお、電子線硬化の場合は、エネルギーが高いた
め、開始剤は用いられない。これらの開始剤はそれぞれ
1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いて
もよい。
【0031】有機珪素化合物としては、ポリオルガノシ
ロキサン、特に末端及び/又は側鎖にアクリル基及び/
又はメタクリル基を有するポリオルガノシロキサン、よ
り好ましくは、前記した(1)にて示されるような片末
端がアクリル基及び/又はメタクリル基であり、主鎖が
ポリジメチルシロキサンである変性シリコーンオイル、
(2)で示されるような、側鎖にアクリル基及び/又は
メタクリル基を持ち、主鎖がポリジメチルシロキサンで
ある変性シリコーンオイルか好ましい。
【0032】このような変性シリコーンオイルなどの有
機珪素化合物の分子量が過度に大きいと粘度が高く塗工
性が悪くなり、一方、分子量が過度に小さいと揮発性物
質が多くなることから、数平均分子量500〜50,0
00程度であることが好ましい。これらの有機珪素化合
物は1種を単独で用いても2種以上を併用して用いても
よい。
【0033】第2発明の塗膜層には、ベースポリマーと
しての紫外線硬化樹脂又は電子線硬化樹脂と、その開始
剤と、有機珪素化合物と、更に必要に応じて、顔料、そ
の他の添加和が適宜配合され、これらが溶剤に溶解され
て使用される。
【0034】また、溶剤としては、一般にトルエン、キ
シレン、酢酸ブチルなどの有機溶剤が用いられ、或いは
水溶性の樹脂であれば水などが用いられる。
【0035】第2発明の塗膜層は、通常の場合、次のよ
うな配合で調整される。なお、ここで反応性モノマーと
はスチレンや各種アクリルモノマーである。即ち、ベー
スポリマー:100重量部、有機珪素化合物:0.01
〜20重量部、開始剤:0.5〜10重量部、反応性モ
ノマ−:1〜15重量部、溶剤:15〜55重量部であ
る。なお、塗膜層中のベースポリマーに対する有機珪素
化合物が0.01重量%未満では、形成される塗膜に十
分な撥水性を付与することができす、20重量%を越え
ると、下地との接着が悪化することから、有機珪素化合
物はベースポリマーに対して0.01〜20重量%とす
るのが好ましい。
【0036】かかる塗膜層は、分子構造に2重結合を含
み、紫外線硬化又は電子線硬化可能な樹脂をベースポリ
マーとするため、常温で硬化が可能で、生産性が高く、
揮発成分も少なく工業的に有利である。また、有機珪素
化合物を含むため、有機珪素化合物による撥水性が発現
され、塗膜の耐汚染性、耐傷付き性、耐久性に優れる。
特に、ベースポリマーが2重結合を含むため、2重結合
を含む有機珪素化合物との反応によりベースポリマーと
有機珪素化合物が化学的に結合するため、耐熱性、耐久
性が高く撥水性が長期に維持されるという効果が奏され
る。
【0037】第3発明の塗膜層のベースポリマーは、ウ
レタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹
脂、アルキド樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂よりなる
1種又は2種以上であり、これらのうち、特に、ポリウ
レタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂が透明性及び塗膜
の安定性で好ましい。
【0038】有機珪素化合物、ベースポリマー中への配
合も第2発明と同様であり、省略するが、有機珪素化合
物の含有量は、ベースポリマーに対して0.01〜20
重量%であることが好ましい。
【0039】第3発明の塗膜層用塗料は、通常の場合、
次のような配合で調整される。ベースポリマー:100
重量部、有機珪素化合物:0.01〜20重量部、溶
剤:0〜400重量部、硬化剤が必要な場合は、ベース
ポリマー100重量部に対して0.1〜20重量部用い
られる。
【0040】第3発明の塗膜層は、第2発明と同様に有
機珪素化合物を含むため、有機珪素化合物による撥水性
が発現され、塗膜の耐汚染性、耐傷付き性、耐久性に優
れるものとなり、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキ
シ樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂及び不飽和ポリエ
ステル樹脂の1種又ほ2種以上をベースポリマーとする
ため、木質材料に最適な常温で乾燥、固化ができるとい
う効果が奏される。これらのうち、特に、ポリウレタン
樹脂、不飽和ポリエステル樹脂が透明性及び塗膜の安定
性で好ましい。
【0041】いずれの発明における塗膜層は木質系キッ
チン収納扉の最表面に塗布形成してなるもので、かかる
塗膜層を形成するのみで汚れが付きにくく、また、汚れ
が付いた場合でも容易に拭き取りやすく、しかも傷の付
きにくい、耐久性にすぐれた収納扉が安価に提供され
る。
【0042】
【実施例】(第1発明・実施例1)まず、木質系キッチ
ン収納扉の表面に下塗り用の塗料(ウレタン樹脂)をス
プレー塗布し、乾燥させて厚さ40μmの下地膜を形成
した。この表面を研磨紙で研磨した後、表1に示すウレ
タン樹脂をベースポリマーとする塗料をスプレー塗布
し、乾燥させて厚さ30μmの撥水性塗膜を形成した。
【0043】このようにして塗膜を形成した各試料につ
いて、表面の水の接触角を測定し、結果を表1に示し
た。水の接触角は協和界面科学製接触角測定装置によっ
て測定し、3回の測定結果の平均値を記した。また、油
性のマジックインクを表面に塗布、乾燥後、拭き取るマ
ジックインキ拭き取りテストを行った。結果を表1に併
記した。
【0044】(第1発明・比較例1)実施1において、
ウレタン系塗料の代りにポリエステル系の∪∨硬化型塗
料を塗布したこと以外は同様にして試料を作製し、同様
に裏面の水の接触角の測定及びマジックインキ拭き取リ
テストを行った。結果を表1に示した。
【0045】(第1発明・実施例2)実施例1と同様な
木質系キッチン収納扉の表面に表1に示すシリコーン変
性ウレタンアクリレート樹脂をベースポリマーとする塗
料と酢酸エチル、開始剤との混合物をロールコーターに
より塗装し、紫外線硬化して厚さ35μmの撥水性皮膜
を形成した。この試料について、実施例1と同様に表面
の水の接触角の測定及びマジックインキ拭き取りテスト
を行って結果を表1に示した。
【0046】
【表1】
【0047】表1より明らかなように、第1発明に基づ
いて配合された塗料を用いて形成した塗膜層(実施例1
〜3)にあっては、表面の水の接触角が90度以上とな
つており、十分な撥水性を示し、しかもマジックインキ
を簡単に拭き取ることができ、また、傷も付きにくい。
これに対してシリコーン変性されていない∪∨硬化樹脂
をベースポリマーとする塗料で形成された塗膜(比較例
1)では、水の接触角は90度未満であり、マジックイ
ンキを簡単に拭き取ることはできない。
【0048】(第2発明・実施例1〜2、比較例1〜
2)第1発明の実施例1に用いたと同様の木質系キッチ
ン収納扉の表面に表2に示す配合の塗料を塗布し、これ
を硬化させて、厚さ約25μmの撥水性塗膜を形成し
た。
【0049】このようにして塗膜を形成した各試料につ
いて、表面の水の接触角を測定し、結果を表2に示し
た。マジックインキ拭き取りテストを行い、結果を表2
に併記した。
【0050】
【表2】
【0051】表2より明らかなように、有機珪素化合物
を配合した塗料で形成された塗膜(実施例1〜2)は、
表面の水の接触角は90度以上となっており、十分な撥
水性を示しており、マジックインキを簡単に拭き取るこ
とができ、又、傷も付きにくい。これに対して有機珪素
化合物が配合されていない塗料で形成された塗膜(比較
例1〜2)では、水の接触角は90度未満であり、マジ
ックインキを簡単に拭き取ることはできない。
【0052】(第3発明・実施例1〜3、比較例1〜
3)第1発明の実施例1に用いたと同様の木質系キッチ
ン収納扉の表面に表3に示す配合の塗料を原液10重量
部に対して表3に示す硬化剤とシンナーとを各々10重
量部添加したものをスプレー塗布し、硬化させて、厚さ
約25μmの撥水性塗膜を形成した。
【0053】このようにして塗膜を形成した各試料こつ
いて、表面の水の接触角を測定し、結果を表3に示し
た。マジックインキ拭き取りテストを行い、結果を表3
に併記した。
【0054】
【図3】
【0055】表3より明らかなように、有機珪素化合物
を配合した塗料で形成された塗膜(実施例1〜3)は、
表面の水の接触角が90度以上となつており、十分な撥
水性を示しており、マジックインキを簡単に抜き取るこ
とができ、また、傷も付きにくい。これに対して有機珪
素化合物が配合されていない塗料で形成された塗膜(比
較例1〜3)では、水の接触角は90度未満であり、マ
ジックインキを簡単に拭き取ることはできなかった。
【0056】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、汚
れが付きにくく、また、汚れか付いた場合でも容易に拭
き取りやすく、しかも傷の付きにくい、耐久性にすぐれ
た木質系キツチン収納扉が安価に提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E014 AA05 BA05 BB06 BC10 4F100 AH06B AH10B AK25B AK32B AK36B AK44B AK51B AK53B AK54B AL08B AP00A BA02 EH462 EH56 EJ532 EJ542 GB08 YY00B

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木質系キッチン収納扉の表面に、ベース
    ポリマーとしてシリコーン変性ウレタン樹脂を含み、当
    該シリコーン変性ウレタン樹脂は、ウレタン樹脂を構成
    するイソシアネートとポリオールとの少な<とも一方が
    シリコーン変性されているウレタン樹脂である塗膜層を
    形成したことを特徴とする木質系キッチン収納扉。
  2. 【請求項2】 シリコーン変性ウレタン樹脂が分子構造
    に2重結合を含み、紫外線硬化又は電子線硬化可能であ
    る請求項1記載の木質系キッチン収納扉。
  3. 【請求項3】 シリコーン変性ウレタン樹脂が主鎖末端
    及び/又は側鎖末端にアクリロキシ基及び/又はメタク
    リロキシ基を有する請求項1記載の木質系キッチン収納
    扉。
  4. 【請求項4】 ウレタン樹脂を構成するポリオールが、
    有機珪素化合物とポリオールとを反応させて得られたシ
    リコーン変性ポリオールである請求項1乃至3記載の木
    質系キッチン収納扉。
  5. 【請求項5】 ウレタン樹脂を構成するイソシアネート
    が有機珪素化合物とイソシアネートとを反応させて得ら
    れたシリコーン変性イソシアネート又はシリコーン変性
    ポリイソシアネートプレポリマーである請求項1乃至4
    記載の木質系キッチン収納扉。
  6. 【請求項6】 有機珪素化合物がポリオルガノシロキサ
    ンである請求項4又は5記載の木質系キッチンの収納
    扉。
  7. 【請求項7】 ポリオルガノシロキサンは少なくとも1
    個の活性水素基又はアルコキシ基を有する請求項6記載
    の木質系キッチン収納扉。
  8. 【請求項8】 ポリオルガノシロキサンの主鎖がポリジ
    メチルシロキサンである請求項6又は7記載の木質系キ
    ッチン収納扉。
  9. 【請求項9】 シリコーン変性ウレタン樹脂中のシリコ
    ーン残基の含有量で表した変性割合が0.1〜50重量
    %である請求項1乃至8記載の木質系キッチン収納扉。
  10. 【請求項10】 木質系キッチン収納扉の表面に、ベー
    スポリマーとして分子構造に2重結合を有し紫外線硬化
    又は電子線硬化可能な樹脂を含み、更にこれに有機珪素
    化合物を含有する塗膜層を形成したことを特徴とする木
    質系キッチン収納扉。
  11. 【請求項11】 ベースポリマーが、不飽和ポリエステ
    ル樹脂、アクリル化アルキド樹脂、ポリエステルアクリ
    レート樹脂、ポリエーテルアクリレート樹脂、アクリル
    化エポキシ樹脂、アクリル化ポリウレタン樹脂、アクリ
    ル樹脂及びアクリル化スビラン樹脂よりなる群から選ば
    れる1種又は2種以上である請求項1記載の木質系キッ
    チン収納扉。
  12. 【請求項12】 木質系キッチン収納扉の表面に、ベー
    スポリマーとしてウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキ
    シ樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂及び不飽和ポリエ
    ステル樹脂よりなる群から1種又は2種以上が選択さ
    れ、更にこれに有機珪素化合物を含有する塗膜層を形成
    したことを特徴とする木質系キッチン収納扉。
  13. 【請求項13】 有機珪素化合物がポリオルガノシロキ
    サンである請求項10又は12記載の木質系キッチン収
    納扉。
  14. 【請求項14】 ポリオルガノシロキサンは末端及び/
    又は側鎖にアクリル基及び/又はメタクリル基を有する
    請求項10又は12記載の木質系キッチン収納扉。
  15. 【請求項15】 ポリオルガノシロキサンの主鎖がポリ
    ジメチルシロキサンである請求項10又は12記載の木
    質系キッチン収納扉。
  16. 【請求項16】 塗膜層中の有機珪素化合物の含有量が
    ベースポリマーに対して0.01〜20重量%である請
    求項10又は12記載の木質系キッチン収納扉。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005319589A (ja) * 2004-05-06 2005-11-17 Toppan Printing Co Ltd オーバーラミネート用フィルム
CN100348637C (zh) * 2004-10-22 2007-11-14 同济大学 一种高光泽耐高温硅丙聚氨酯涂料及其制备方法
JP2008169305A (ja) * 2007-01-11 2008-07-24 Fuji Seal International Inc プラスチックラベル用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物及びプラスチックラベル

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