JP2002308940A - 粘着剤用ポリマーの重合方法および粘着剤組成物並びに粘着製品 - Google Patents

粘着剤用ポリマーの重合方法および粘着剤組成物並びに粘着製品

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JP2002308940A
JP2002308940A JP2001113166A JP2001113166A JP2002308940A JP 2002308940 A JP2002308940 A JP 2002308940A JP 2001113166 A JP2001113166 A JP 2001113166A JP 2001113166 A JP2001113166 A JP 2001113166A JP 2002308940 A JP2002308940 A JP 2002308940A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酢酸ビニルを用いて粘着剤用ポリマーを重合
する際に、臭気や刺激性のある酢酸ビニル残存モノマー
や、粘着特性に悪影響を及ぼす低分子量物を低減するこ
とのできる重合方法を見出して、粘着力と凝集力とのバ
ランスが優れた粘着製品を提供する。 【解決手段】 1種以上の(メタ)アクリル酸アルキル
エステルと酢酸ビニルを必須的に含むモノマー成分をラ
ジカル重合して粘着剤用ポリマーを製造する方法であっ
て、使用される酢酸ビニルのうちの70〜100質量%
と、酢酸ビニル以外のモノマーの一部とを、反応器に先
に仕込んで重合を開始させた後に、残りのモノマー成分
を反応器へ投入して重合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(メタ)アクリル
酸アルキルエステルと酢酸ビニルを必須構成モノマーと
する粘着剤用ポリマーを、残存酢酸ビニルが少なくなる
ように高重合率で重合する方法に関する。また、この粘
着剤用ポリマーを含む粘着剤組成物、この粘着剤組成物
から得られる粘着剤層を備える粘着製品に関する。
【0002】
【従来の技術】(メタ)アクリル酸アルキルエステルを
主たる構成成分とするアクリル系粘着剤は、タック、粘
着力、凝集力等の基本物性に加え、耐熱性、耐候性、耐
水性、耐油性等に優れていることから、粘着ラベル、シ
ート、テープ等の粘着製品に幅広く使用されている。
【0003】上記粘着剤の基本3物性のうち、粘着力と
凝集力は相反する物性として知られている。すなわち、
粘着力を向上させると凝集力が低下し、凝集力を上げよ
うとすると粘着力が低下するため、両者のバランスを採
りながら、両方の物性を向上させることは、なかなか困
難である。
【0004】高い粘着力を維持しながら凝集力を向上さ
せるためには、粘着剤を構成するポリマーを安易に3次
元架橋させるのではなく、ポリマー自体を高分子量化し
て高い粘着力を確保すると共に、ポリマー鎖の絡み合い
を多くすることが有用であることがわかってきた。
【0005】加納、秋山等は、アクリル酸2−エチルヘ
キシルと酢酸ビニルとアクリル酸からなるターポリマー
(三元共重合体)において、酢酸ビニルユニットはアク
リル酸の自己凝集力(水素結合)を緩和し、異種高分子
との分子間相互作用(分子鎖の絡み合い)を促進させる
ことを報告している(日本接着学会誌;Vol.29,P560,19
93)。
【0006】上記報告から、アクリル酸2−エチルヘキ
シルとアクリル酸からなるコポリマーとアクリル酸2−
エチルヘキシルと酢酸ビニルとアクリル酸からなるター
ポリマーで、ガラス転移温度(Tg)が同温になるよう
にポリマー設計した場合、酢酸ビニルが含まれていない
コポリマーはポリマー鎖同士の絡み合いが少ないのに対
して、酢酸ビニルを構成モノマーとするターポリマーで
はポリマー鎖同士の絡み合いが大きいと考えられる。ポ
リマー鎖同士の絡み合いが大きくなって、分子鎖がほぐ
れ難いことで凝集力が高まれば、架橋密度を高くして凝
集力を高める場合に比べて、粘着力の低下を避けること
ができ、凝集力と粘着力のバランスが優れた粘着剤用ポ
リマーが得られるものと考えられる。また、架橋密度を
高くする必要がないため、応力緩和性に優れていると思
われ、例えば曲面貼り付け性(対エッジリフト性)にも
良好な特性を示すと考えられる。
【0007】そこで、本発明者等は、(メタ)アクリル
酸アルキルエステルと酢酸ビニルを必須構成モノマーと
する粘着剤用ポリマーの検討を行ったが、(メタ)アク
リル酸アルキルエステルと酢酸ビニルは共重合しにく
く、溶液重合で均一組成のモノマー混合物を滴下する重
合方法を採用すると、重合率があまり高くならず、さら
に、残存モノマーがほとんど酢酸ビニルであることが見
出された。
【0008】残存モノマーは、粘着製品の異臭の原因と
なり、特に酢酸ビニルのような臭気や刺激性のある化合
物をポリマー中に混入させておくことは好ましくない
が、実操業上、微量な残存モノマーをポリマーから分別
することはエネルギー的にもコスト的にも見合わず、ほ
とんど無理である。
【0009】こういった観点から、通常は、ブースター
と呼ばれる後添加重合開始剤を重合終了間際に系内に添
加して、この残存モノマーを強制的に重合することによ
り低減する手法が採用される。この場合、残存モノマー
と開始剤が出会う確率と、残存モノマーを確実に重合さ
せる必要性等を考慮して、残存モノマーに対するブース
ターの量は、重合反応初期におけるモノマーに対する開
始剤量よりも、かなり多く添加しているのが現状であ
る。しかし、重合終了間際に系内に残存している少量の
モノマーに対して、多量の開始剤が存在することとなる
ので、結局、ブースター添加後に生成するポリマーは、
ほとんどが非常に低い分子量のものとなる。そして、こ
の低分子量物が粘着剤の凝集力を低下させる原因とな
る。
【0010】さらに、酢酸ビニルを必須構成モノマーと
する重合反応の場合、同じモノマー組成物を滴下する通
常の方法で重合すると、残存モノマーのほとんどが酢酸
ビニルとなるため、上記ブースターを添加する残存モノ
マー低減法を採用したとしても、ブースター添加後に生
成する低分子量物が粘着性の低いポリ酢酸ビニルとなっ
て、粘着特性に悪影響を及ぼすのである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明では、酢
酸ビニルを用いて粘着剤用ポリマーを重合する際に、臭
気や刺激性のある酢酸ビニルの残存モノマー量を低減
し、また、粘着特性に悪影響を及ぼす低分子量物を低減
することのできる重合方法を見出して、粘着力と凝集力
とのバランスが優れた粘着製品を提供することを課題と
して掲げた。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明の重合方法は、1種以上の(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルと酢酸ビニルを必須的に含むモノマー成分を
ラジカル重合して粘着剤用ポリマーを製造する方法であ
って、使用される酢酸ビニルのうちの70〜100質量
%と、酢酸ビニル以外のモノマーの一部とを、反応器に
先に仕込んで重合を開始させた後に、残りのモノマー成
分を反応器へ投入して重合することを特徴としている。
酢酸ビニル全量のうちの70〜100質量%を初期仕込
みしておくことにより、重合率を高めることができ、残
存する酢酸ビニル量や、低分子量物、特に粘着物性に悪
影響を与える酢酸ビニルを主体とする低分子物量を低減
させることができた。
【0013】上記モノマー成分には、さらに、架橋剤の
官能基と反応することのできる官能基を有する官能基含
有モノマーが含まれていることが好ましい。粘着剤用ポ
リマーに官能基を導入することで、架橋剤で架橋するこ
とができるので、凝集力等の粘着特性を高めることがで
きる。
【0014】本発明には、上記重合方法で得られた粘着
剤用ポリマーを含む粘着剤組成物ならびにこの粘着剤組
成物から得られる粘着剤層を備える粘着製品も含まれ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は前記したように、酢酸ビ
ニルを用いて粘着剤用ポリマーを重合する際に、酢酸ビ
ニルが(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合
性が小さいので、均一組成のモノマー混合物を滴下しな
がら行う通常の溶液重合法では、臭気や刺激性のある酢
酸ビニルモノマーの残存量が多くなるという課題を解決
するものである。以下本発明を詳細に説明する。なお、
「ホモポリマー」と特に断る場合以外の「ポリマー」と
いう言葉は、コポリマーやターポリマー以上の多元共重
合体を代表するものとする。
【0016】本発明の重合方法は、溶液重合によるラジ
カル重合であって、使用される酢酸ビニルのうちの70
〜100質量%と、酢酸ビニル以外のモノマーの一部
(初期仕込みモノマー成分という)とを、反応器に先に
仕込んで重合を開始させた後に、残りのモノマー成分
(投入用モノマー成分という)を反応器へ投入して重合
するところに最大のポイントを有する。この方法によれ
ば、酢酸ビニルが(メタ)アクリル酸アルキルエステル
と共重合を行いやすく、重合率が向上する。
【0017】初期仕込みモノマー成分は、使用される酢
酸ビニルの70〜100質量%と、酢酸ビニル以外のモ
ノマー少量とからなる。酢酸ビニルが70質量%以上、
初期仕込みされれば、残存モノマー量の低減および重合
率の向上に効果的なためである。好ましい酢酸ビニルの
初期仕込量の下限は80質量%、より好ましくは90質
量%、さらに好ましくは95質量%である。酢酸ビニル
の全量、すなわち100質量%を初期仕込みすることが
最も好ましい。なお、初期仕込みモノマーの全てが酢酸
ビニルのみの場合ポリ酢酸ビニルのホモポリマーが生成
してしまう可能性があるため、酢酸ビニル以外のモノマ
ーを酢酸ビニルの初期仕込み量と同量〜3倍(質量比)
程度、初期仕込みすることが好ましい。
【0018】反応器内の初期仕込みモノマー成分の濃度
(重合前における溶媒との初期仕込みモノマー成分との
混合物中の初期仕込みモノマー成分の濃度)は、30〜
80質量%が好ましい。30質量%より少ないとポリマ
ーの分子量が上がりにくく、80質量%以上では、重合
時の発熱量が大きくなって、除熱等の温度制御が難しい
ため好ましくない。より好ましい初期仕込みモノマー成
分の濃度は40〜70質量%である。
【0019】また、初期仕込みモノマー成分の濃度は重
合溶媒に応じて適宜設定変更可能である。例えば、連鎖
移動が起こりやすいトルエン等を重合溶媒として用いる
場合には、分子量を上げるためには、初期仕込みモノマ
ー成分の濃度を上げることが好ましい。ただし、発熱量
が上がって温度制御が難しいため、重合初期の溶剤とし
ては連鎖移動の発生が少ない酢酸エチルを用いることが
推奨される。
【0020】投入用モノマー成分は、初期仕込みされな
かったモノマーの混合物である。投入用モノマー成分の
最初の投入は、反応器に仕込まれた初期仕込みモノマー
成分の重合開始後であって、かつ、重合率が50%を超
えない時点で行うことが好ましい。初期仕込みモノマー
成分の重合率が50%を超えてしまうと、酢酸ビニルリ
ッチなポリマーが反応器の中に既にかなりの量生成し
て、バランスのとれた粘着剤用ポリマーが得られず、感
温性を小さくできない恐れがある。この意味で、投入用
モノマー成分の最初の投入は、初期仕込みモノマー成分
の重合率が低い段階で行うことが推奨され、重合率が2
0%以下の段階で行うことがより好ましく、10%以下
がさらに好ましく、初期仕込みモノマー成分の重合開始
直後が最も好ましい。なお、重合の開始時点は、重合容
器の内温を測定することにより、重合による発熱が開始
した時点として計測することができる。また、還流温度
で重合する場合は、重合溶媒の揮発が激しくなった時点
として捉えることができる。
【0021】投入用モノマー成分は、3分割以上に分割
投入することが好ましく、滴下が最も好ましい。重合開
始剤は、初期仕込みモノマー成分用と投入用モノマー成
分用が必要であり、初期仕込みモノマー成分用のものは
反応器に仕込み、投入用モノマー成分用のものは投入用
モノマー成分を添加する際に一緒に添加する。重合後期
に、ブースター(後添加用開始剤)を添加してもよい。
本発明法では、重合後期の酢酸ビニル残存モノマーが少
なく、ブースターを使用しても酢酸ビニルのホモポリマ
ーの生成等の不都合が無いからである。
【0022】重合時の重合熱の除去が容易であり、操業
性が良いことから、本発明法では、溶液重合法を採用し
ている。溶媒の具体例としては、トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の脂肪
族エステル類;シクロヘキサン等の脂環族炭化水素類;
ヘキサン、ペンタン等の脂肪族炭化水素類等が挙げられ
るが、上記重合反応を阻害しなければ、特に限定されな
い。これらの溶媒は、1種類のみを用いてもよく、2種
類以上を便宜混合して用いてもよい。
【0023】重合開始剤としては、メチルエチルケトン
パーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミル
パーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、
クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ
オクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ラ
ウロイルパーオキサイド、商品名「ナイパーBMT−K
40」(日本油脂社製;m−トルオイルパーオキサイド
とベンゾイルパーオキサイドの混合物)等の有機過酸化
物や、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、商品
名「ABN−E」[日本ヒドラジン工業;2,2’−ア
ゾビス(2−メチルブチロニトリル)]、商品名「AB
N−V」[日本ヒドラジン工業社製;2,2’−アゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)]等のアゾ系化
合物等の公知のラジカル重合開始剤を利用することがで
きる。開始剤量はモノマー質量に対して、0.01〜1
質量%となるように使用することが好ましい。重合温度
や重合時間等の重合条件は、例えば、重合溶媒、重合開
始剤の種類等に応じて適宜設定すればよく、特に限定さ
れない。また、反応圧力も特に限定されるものではな
く、常圧(大気圧)、減圧、加圧のいずれであってもよ
い。なお、重合反応は、窒素ガス等の不活性ガスの雰囲
気下で行うことが望ましい。
【0024】粘着特性の点からは、粘着剤用ポリマー全
体としての重量平均分子量Mwは20万以上が好まし
く、30万以上がより好ましい。上限は特に限定されな
いが、溶液重合では200万を超えるポリマー合成は難
しいため、200万以下が好ましく、100万以下がよ
り好ましい。
【0025】次に、粘着剤用モノマーとして用いること
のできるモノマーについて説明する。本発明では、前記
した分子鎖の絡み合いによる凝集力向上効果を得るため
と、粘着剤の感温性を小さくするために、酢酸ビニルを
必須成分とする。感温性とは、低温雰囲気下で粘着剤が
硬くなって、被着体に濡れることができず、充分な粘着
力が発現しない性質、あるいは、粘着剤が硬くなって被
着体から剥離してしまう性質、また、高温雰囲気下で粘
着剤が柔らかくなって凝集破壊を起こしてしまう性質
等、温度の高低によって粘着剤の特性が変化してしまう
度合いをいう。酢酸ビニルは(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルとの共重合性があまり高くないことから、得
られる粘着剤ポリマーが、酢酸ビニルの共重合比が異な
る種々の組成のポリマーの集合体となるため、感温性が
小さくなるのではないかと考えられる。この感温性低減
効果を得るには、酢酸ビニルを粘着剤用モノマー成分
(全体)中2〜35質量%使用することが好ましい。2
質量%より少ないと効果が充分発現せず、35質量%を
超えて使用すると、粘着力や粘着特性が低下していくた
め好ましくない。より好ましい酢酸ビニル使用量の下限
は4質量%、上限は30質量%である。
【0026】第2の必須成分である(メタ)アクリル酸
アルキルエステルは、粘着力を発揮させるための主成分
である。具体的には、アルキル基の炭素数が1〜12の
(メタ)アクリレートが好ましく、例えば、(メタ)ア
クリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)
アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、
(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル
酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチ
ル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリ
ル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げ
られる。これらは1種または2種以上を用いることがで
きる。
【0027】酢酸ビニルと(メタ)アクリル酸アルキル
エステルのみで粘着剤用ポリマーを形成する場合は、酢
酸ビニル2〜35質量%、1種以上の(メタ)アクリル
酸アルキルエステルを98〜65質量%使用することが
好ましい。
【0028】粘着特性を考慮すれば、粘着剤用モノマー
成分には、さらに、官能基含有モノマーが含まれている
ことが好ましい。官能基含有モノマーとしては、粘着剤
ポリマー用架橋剤の有する官能基と反応し得る官能基を
有するモノマーであれば、特に限定されないが、カルボ
キシル基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマー等
の使用が好ましい。架橋反応が速やかに進行するからで
ある。
【0029】カルボキシル基含有モノマーとしては、
(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マ
レイン酸等が挙げられ、ヒドロキシル基含有モノマーと
しては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、
(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)
アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル
酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒド
ロキシエチルのポリカプロラクトン変性物である「プラ
クセルF」シリーズ(ダイセル化学工業社製)等が挙げ
られ、これらの1種または2種以上を用いることができ
る。
【0030】官能基含有モノマーは、0.1〜15質量
%用いることが好ましい。0.1質量%より少ないと、
架橋が不充分となって架橋密度が低く、凝集力不足とな
ることがある。しかし、15質量%を超えて用いると粘
着剤が硬くなりすぎるため好ましくない。より好ましい
使用量の下限は0.2質量%、上限は10質量%であ
る。官能基含有モノマーが粘着剤用モノマー成分に含ま
れているときには、粘着剤用モノマー成分100質量%
中における(メタ)アクリル酸アルキルエステル類の含
有量を50〜97.9質量%とすることが好ましい。こ
の範囲をはずれると、粘着力が低下する傾向にある。
【0031】粘着剤用モノマー成分には、その他のモノ
マーが含まれていてもよい。具体的には、2−(メタ)
アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート等の酸
性リン酸エステル系モノマー;(メタ)アクリルアミ
ド、N,N'−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレ
ート、イミド(メタ)アクリレート、N−メチロール
(メタ)アクリルアミド等の含窒素モノマー;(メタ)
アクリロニトリル等のニトリル基含有モノマー;エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート等の多官能モノマ
ー;塩化ビニル等のハロゲン含有モノマー;スチレン、
α−メチルスチレン等の芳香族系モノマー;ビニルエー
テル;プロピオン酸ビニル等が挙げられ、これらの1種
または2種以上を用いることができる。これらの「その
他のモノマー」を用いるときは、粘着剤用モノマー成分
中0〜20質量%とし、(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルの使用量を50〜77.9質量%とすることが好
ましい。その他のモノマーが20質量%を超えると、
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの使用量が少なく
なったり、粘着剤のTgが高くなって粘着力等の特性が
低下するため好ましくない。
【0032】以上の説明による粘着剤用モノマーを適宜
組み合わせて粘着剤用ポリマーとするのであるが、目安
として、ポリマーのTgが−60℃〜+30℃となるよ
うに組み合わせることが好ましい。ポリマーのTgは、
DSC(示差走査熱量測定装置)、DTA(示差熱分析
装置)、TMA(熱機械測定装置)によって求めること
ができる。また、ホモポリマーのTgは各種文献に記載
されているので、共重合体のTgを、各種ホモポリマー
のTgn(K)と、モノマーの質量分率(Wn)とから
下記式によって求めることもできる。
【0033】
【数1】
【0034】なお、主要ホモポリマーのTgを示せば、
ポリアクリル酸は106℃、ポリアクリル酸メチルは8
℃、ポリアクリル酸エチルは22℃、ポリアクリル酸n
−ブチルは−54℃、ポリアクリル酸2−エチルヘキシ
ルは−70℃、ポリアクリル酸2−ヒドロキシエチルは
−15℃、ポリメタクリル酸2−ヒドロキシエチルは5
5℃、ポリメタクリル酸メチルは105℃、ポリ酢酸ビ
ニルは32℃、ポリアクリロニトリルは125℃、ポリ
スチレンは100℃、ポリマレイン酸は130℃であ
る。
【0035】本発明の重合方法で得られる粘着剤用ポリ
マーは、所定量の架橋剤で架橋した形で、粘着製品の粘
着剤層を形成することが好ましい。架橋剤で架橋させる
と、凝集力等の諸物性が向上するためである。架橋剤と
しては、前記官能基含有モノマーの有する官能基であっ
て粘着剤用ポリマーに導入された官能基との反応性を有
する官能基を1分子中に2個以上有する化合物を用いる
ことができる。このような官能基としては、イソシアネ
ート基、エポキシ基、アミノ基、メチロール基、アルコ
キシメチル基、イミノ基、金属キレート基、アジリジニ
ル基等が挙げられる。具体的な化合物としては、多官能
イソシアネート化合物、多官能エポキシ化合物、多官能
メラミン化合物、金属架橋剤、アジリジン化合物等が挙
げられる。
【0036】イソシアネート基を2個以上有する多官能
イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネ
ート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシ
アネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイ
ソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、
水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化トリ
レンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネー
ト化合物;「スミジュールN」(住友バイエルウレタン
社製)等のビュレットポリイソシアネート化合物;「デ
スモジュールIL」、「デスモジュールHL」(いずれ
もバイエルA.G.社製)、「コロネートEH」(日本
ポリウレタン工業社製)等として知られるイソシアヌレ
ート環を有するポリイソシアネート化合物;「スミジュ
ールL」(住友バイエルウレタン社製)等のアダクトポ
リイソシアネート化合物;「コロネートL」および「コ
ロネートL−55E」(いずれも日本ポリウレタン社
製)等のアダクトポリイソシアネート化合物等を挙げる
ことができる。これらは、単独で使用し得るほか、2種
以上を併用することもできる。また、これらの化合物の
イソシアネート基を活性水素を有するマスク剤と反応さ
せて不活性化したいわゆるブロックイソシアネートも使
用可能である。
【0037】多官能エポキシ化合物としては、1分子当
たりエポキシ基を2個以上有する化合物であれば特に限
定されるものではない。具体例としては、エチレングリ
コールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール
ジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグ
リシジルエーテル、ビスフェノールA・エピクロルヒド
リン型エポキシ樹脂、N,N,N',N'−テトラグリシジル−
m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシ
ジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N−ジグリシジ
ルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン等が挙げら
れる。
【0038】多官能メラミン化合物としては、メチロー
ル基またはアルコキシメチル基またはイミノ基を合計で
1分子当たり2個以上有する化合物であれば、特に限定
されるものではない。具体例としては、ヘキサメトキシ
メチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキ
サプロポキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメ
ラミン、ヘキサペンチルオキシメチルメラミン等が挙げ
られる。
【0039】金属架橋剤としては、特に限定されるもの
ではない。具体例としては、アルミニウム、亜鉛、カド
ミウム、ニッケル、コバルト、銅、カルシウム、バリウ
ム、チタン、マンガン、鉄、鉛、ジルコニウム、クロ
ム、錫等の金属に、アセチルアセトン、アセト酢酸メチ
ル、アセト酢酸エチル、乳酸エチル、サリチル酸メチル
等が配位した金属キレート化合物等が挙げられる。
【0040】アジリジン化合物としては、N,N'−ヘキサ
メチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシア
ミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジ
ニルプロピオネート、ビスイソフタロイル−1−(2−
メチルアジリジン)、トリ−1−アジリジニルホスフォ
ンオキサイド、N,N'−ジフェニルエタン−4,4’−ビ
ス(1−アジリジンカルボキシアミド)等が挙げられ
る。
【0041】官能基含有モノマーをカルボキシル基含有
モノマーとし、架橋剤として多官能エポキシ化合物を用
いる架橋システムが、最も好ましい。架橋剤の使用量は
特に限定されないが、粘着剤用ポリマー(不揮発分)に
対し、架橋剤を0.05〜15質量%とすることが好ま
しい。0.05質量%よりも少ないと、架橋が不充分と
なって架橋密度が低く、凝集力不足となることがある。
15質量%を超えると、架橋密度が高くなり過ぎて、粘
着力が低くなることがある。より好ましい下限は0.1
質量%、上限は10質量%である。
【0042】上記粘着剤用ポリマーと架橋剤を含む粘着
剤組成物には、必要により、粘着付与剤が配合されてい
てもよい。粘着付与剤としては、(重合)ロジン系、
(重合)ロジンエステル系、テルペン系、テルペンフェ
ノール系、クマロン系、クマロンインデン系、スチレン
樹脂系、キシレン樹脂系、フェノール樹脂系、石油樹脂
系等が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合
わせて使用できる。
【0043】粘着付与剤の量は、特に限定されないが、
粘着剤用ポリマー100質量部に対して、通常、5〜1
00質量部とするのが好ましい。粘着付与剤の添加量が
5質量部より少ないと、粘着付与剤による粘着力向上効
果が発揮されないことがある。一方、上記粘着付与剤の
添加量が100質量部より多いと、逆にタックが減少し
て粘着力が低下するおそれがある。10〜50質量部の
範囲内がさらに好ましい。
【0044】粘着剤組成物には、さらに、必要に応じ
て、通常配合される充填剤、顔料、希釈剤、老化防止
剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤等の従来公知の添加剤
を添加してもよい。これらの添加剤は、1種類または2
種以上、使用可能である。これらの添加剤の添加量は、
所望する物性が得られるように適宜設定すればよい。
【0045】粘着剤用ポリマー、架橋剤、必要により、
上記各種添加剤、溶剤等を混合して調製された粘着剤組
成物は、例えば、粘着シート、粘着ラベル、粘着テー
プ、両面テープ等の各種粘着製品の製造に好適に用いる
ことができる。このような粘着製品は、基材レスで、ま
たは基材に粘着剤組成物の層を形成し、架橋反応させる
ことにより製造される。
【0046】基材としては、上質紙、クラフト紙、クレ
ープ紙、グラシン紙等の従来公知の紙類;ポリプロピレ
ン等と無機充填剤から形成される合成紙;ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポ
リエチレンテレフテレート、ポリ塩化ビニル、セロファ
ン等のプラスチック;織布、不織布等の繊維製品等を利
用できる。基材の形状は、例えば、フィルム状、シート
状、テープ状、板状、発泡体等が挙げられるが、特に限
定されるものではない。
【0047】基材の片面に粘着剤組成物を公知の方法で
塗布することによって、粘着シート、粘着テープ、粘着
ラベル等を得ることができる。また、紙、合成紙、プラ
スチックフィルム等のシート状物に離型剤が塗布されて
いる離型紙等に粘着剤組成物を塗布することにより、基
材レス(単層構造)の粘着層が得られ、基材レスの両面
テープとして使用することができる。また、上記基材の
両面に同種または異種の粘着剤組成物を塗布して、両面
テープとしてもよい。
【0048】粘着剤組成物を基材に塗布する方法は、特
に限定されるものではなく、ロールコーティング法、ス
プレーコーティング法、ディッピング法等の公知の方法
を採用することができる。この場合、粘着剤組成物を基
材に直接塗布する方法、離型紙等に粘着剤組成物を塗布
した後、この塗布物を基材上に転写する方法等いずれも
採用可能である。
【0049】粘着剤組成物を塗布した後、乾燥させるこ
とにより、基材上に粘着剤層が形成される。乾燥温度
は、特に限定されるものではないが、加熱乾燥時に架橋
反応が進行するので、架橋剤の種類に応じて架橋反応が
速やかに進行する温度で乾燥することが好ましい。な
お、用途によっては、粘着剤組成物を被着体に直接、塗
布してもよい。
【0050】基材上に形成された粘着剤層の表面には、
例えば、離型紙を貼着してもよい。粘着剤層表面を好適
に保護・保存することができる。剥離紙は、粘着製品を
使用する際に、粘着剤層表面から引き剥がされる。な
お、シート状やテープ状等の基材の片面に粘着剤層が形
成されている場合は、この基材の背面に公知の離型剤を
塗布して離型剤層を形成しておけば、粘着剤層を内側に
して、粘着シート(テープ)をロール状に巻くことによ
り、粘着剤層は、基材背面の離型剤層と当接することと
なるので、粘着剤層表面が保護・保存される。
【0051】
【実施例】以下実施例によって本発明を詳細に説明する
が、本発明の範囲はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。なお以下特にことわりのない場合、「%」は
「質量%」を、「部」は「質量部」をそれぞれ示すもの
とする。
【0052】実施例1 粘着剤用ポリマー合成のために、温度計、撹拌機、不活
性ガス導入管、還流冷却器および滴下ロートを備えた4
つ口フラスコに、アクリル酸ブチル219部、アクリル
酸2−エチルヘキシル219部、アクリル酸30部、ア
クリル酸2−ヒドロキシエチル12部からなる混合物4
80部のうちの180部と酢酸ビニル120部および酢
酸エチル600部を仕込み、窒素ガス気流下で昇温して
80℃になったところでアゾビスイソブチロニトリル
(AIBN)を0.27部添加して初期仕込み分の重合
を開始した。重合開始から30分経過後に、残りのモノ
マー420部と、AIBN0.63部と酢酸エチル20
部とを1.5時間かけて添加し、添加終了時に酢酸エチ
ルを100部を反応器へ添加した。さらに90分反応さ
せたところで、ブースターとしてAIBN1.8部と酢
酸エチル50部からなる混合物を30分ごとに5回に分
割して添加し、さらに2時間反応を続けた。重合終了時
に酢酸エチル230部を加えて冷却した。
【0053】得られた粘着剤用ポリマー溶液No.1の
不揮発分は39.1%、粘度4200mPa・s(25
℃、B型粘度計、以下同様)であった。ポリマーの重量
平均分子量(Mw)は50.9×104(GPC測定:
標準ポリスチレン換算)であった。また、反応器から反
応液をサンプリングして、重合率の時間変化をGC−M
S(ガスクロマトグラフマススペクトロスコピー)で調
べ、表1に示した。
【0054】なお、GPCによる分子量測定条件は以下
の通りである。試料濃度は0.2%、注入量は200マ
イクロリットル/回とした。 GPC測定装置:Liquid Chromatography Model 510
(Waters社製) 検出器:M410示差屈折計 カラム:Ultra Styragel Linear(7.8mm×30c
m) Ultra Styragel 100A (7.8mm×30cm) Ultra Styragel 500A (7.8mm×30cm) 溶媒:THF(テトラヒドロフラン) 比較例1 均一組成のモノマーを滴下する方法で、比較用粘着剤用
ポリマーの合成を行った。温度計、撹拌機、不活性ガス
導入管、還流冷却器および滴下ロートを備えた4つ口フ
ラスコに、アクリル酸ブチル219部、アクリル酸2−
エチルヘキシル219部、アクリル酸30部、アクリル
酸2−ヒドロキシエチル12部と酢酸ビニル120部か
らなるモノマー混合物600部のうちの180部と、酢
酸エチル420部を仕込み、窒素ガス気流下で昇温して
80℃になったところでアゾビスイソブチロニトリル
(AIBN)を0.27部添加して初期仕込み分の重合
を開始した。重合開始から30分経過後に、残りのモノ
マー420部と、AIBN0.63部と酢酸エチル18
0部とを1.5時間かけて添加し、添加終了時に酢酸エ
チルを100部を反応器へ添加した。さらに90分反応
させたところで、ブースターとしてAIBN1.8部と
酢酸エチル50部からなる混合物を30分ごとに5回に
分割して添加し、さらに2時間反応を続けた。重合終了
時に酢酸エチル150部を加えて冷却した。
【0055】得られた比較用粘着剤用ポリマー溶液N
o.2の不揮発分は36.8%、粘度5200mPa・
sであった。ポリマーの重量平均分子量(Mw)は5
6.1×104(GPC測定:標準ポリスチレン換算)
であった。また、実施例と同様に重合率の時間変化をG
C−MSで調べ、表1に示した。
【0056】
【表1】
【0057】表1における熟成90分後に残存している
モノマーは、実施例1・比較例1ともほとんどが酢酸ビ
ニルであり、実施例1では、残存酢酸ビニルが1.8%
(使用モノマーの全量を100%としたときの値)、比
較例1では7.2%であった。実施例1では酢酸ビニル
を初期仕込みしているためその量を低減させることがで
きたと考えられ、最終重合率も97.8%にまで高める
ことができた。
【0058】実施例2 粘着剤用ポリマー合成のために、温度計、撹拌機、不活
性ガス導入管、還流冷却器および滴下ロートを備えた4
つ口フラスコに、アクリル酸ブチル343.8部、メタ
クリル酸メチル136.2部、無水マレイン酸24部お
よびアクリル酸36部からなる混合物540部のうちの
180部と、酢酸ビニル60部、酢酸エチル315部、
トルエン45部を仕込み、窒素ガス気流下で昇温して8
0℃になったところで過酸化物系開始剤(商品名「ナイ
パーBMT−K40」:日本油脂社製)を0.48部添
加して初期仕込み分の重合を開始した。重合開始から1
5分経過後に、残りのモノマー360部と0.72部の
ナイパーBMT−K40と酢酸エチル20部とからなる
混合物を1.5時間かけて滴下し、滴下終了時に酢酸エ
チル85部を反応器へ添加した。さらに90分反応させ
たところで内容物の粘度が上昇してきたので、希釈溶剤
としてトルエン248.2部と酢酸エチル45.4部を
添加し、ブースターとしてアゾ系重合開始剤(商品名
「ABN−E」:日本ヒドラジン工業社製)1.8部と
トルエン41.7部からなる混合物を30分ごとに5回
に分割して添加し、4時間反応を続けた。重合終了時に
トルエン28部を加えてから冷却した。
【0059】重合率は95.4%であった。得られた粘
着剤用ポリマー溶液No.3の不揮発分は39.4%、
粘度4050mPa・s(25℃、B型粘度計、以下同
様)であった。ポリマーの重量平均分子量(Mw)は
1.1×104(GPC測定:標準ポリスチレン換算)
であった。
【0060】この粘着剤用ポリマー溶液No.3の10
0部(有り姿)に対して、架橋剤として多官能エポキシ
化合物(商品名「TETRAD−C」:三菱ガス化学社
製:有効成分100%)の3%酢酸エチル溶液を2.7
5部混合し、粘着剤組成物No.1を調製した。
【0061】基材としてポリエチレンテレフタレート
(PET)フィルム(東レ株式会社製、厚さ25μm)
を用い、粘着剤組成物No.1を乾燥後の厚さが25μ
mとなるように塗布した後、100℃で3分間乾燥させ
た。その後、粘着剤表面に離型紙(サンエー化研株式会
社製、商品名K−80HS)を貼着して保護した後、温
度23℃、相対湿度65%の雰囲気下で7日間養生し、
粘着フィルム(粘着製品)を得た。この粘着製品を所定
の大きさに切断して、試験片を作製した。なお、離型紙
は各種測定試験を実施する際に引き剥がした。
【0062】比較例2 粘着剤用ポリマーの組成を表2に示したように変えた以
外は、実施例2と同様にして、粘着フィルムを製造し
た。
【0063】比較例3 粘着剤用ポリマーの組成を表2に示したように変え、全
てのモノマーの混合物を1.5時間かけて滴下した以外
は、実施例2と同様にして、粘着フィルムを製造した。
【0064】実施例2および比較例2〜3で得られた粘
着フィルムをABS板(厚さ3mm)に、140℃の加
熱ロールでラミネートした。冷却後、以下の特性評価を
行った。
【0065】[冷熱サイクル]恒温恒湿器(PL−2
F:タバイエスペック社製)を用い、ラミネート品を、
−20℃で4時間放置した後、80℃で4時間放置する
のを1サイクルとして、10サイクル繰り返した。AB
S板と粘着フィルムの密着状態を観察した。フィルムに
剥離等の異常がないものを○、一部剥離が生じたものを
△、かなり剥離が生じたものを×とした。結果を表2に
示した。
【0066】
【表2】
【0067】
【発明の効果】酢酸ビニルの70質量%以上を初期仕込
みしておくことにより、重合率を高めて、酢酸ビニルの
残存モノマー量や低分子量物の量を低減させることがで
きた。その結果、粘着力と凝集力のバランスに優れ、感
温性の小さい粘着製品を提供することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 157/00 C09J 157/00 Fターム(参考) 4J011 AA02 BB07 4J040 DE022 DF01 DF041 DF051 DF06 DG02 EB13 EC00 EF28 EH01 GA05 GA07 HA066 HD43 JB09 LA01 LA06 MA09 MA10 MA16 MB02 MB03 MB05 QA02 4J100 AG04Q AJ01R AJ02R AJ08R AK32R AL03P AL04P AL05P AL08P AL09R BC04P CA04 CA05 FA34 JA05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1種以上の(メタ)アクリル酸アルキル
    エステルと酢酸ビニルを必須的に含むモノマー成分をラ
    ジカル重合して粘着剤用ポリマーを製造する方法であっ
    て、使用される酢酸ビニルのうちの70〜100質量%
    と、酢酸ビニル以外のモノマーの一部とを反応器に先に
    仕込んで重合を開始させた後に、残りのモノマー成分を
    反応器へ投入して重合することを特徴とする粘着剤用ポ
    リマーの重合方法。
  2. 【請求項2】 上記モノマー成分には、さらに、架橋剤
    の官能基と反応することのできる官能基を有する官能基
    含有モノマーが含まれている請求項1に記載の重合方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の重合方法で得られた粘
    着剤用ポリマーを含むことを特徴とする粘着剤組成物。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の粘着剤組成物から得ら
    れる粘着剤層を備えることを特徴とする粘着製品。
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