JP2002305378A - 多層配線板およびその製造方法ならびに半導体装置 - Google Patents

多層配線板およびその製造方法ならびに半導体装置

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JP2002305378A JP2001205275A JP2001205275A JP2002305378A JP 2002305378 A JP2002305378 A JP 2002305378A JP 2001205275 A JP2001205275 A JP 2001205275A JP 2001205275 A JP2001205275 A JP 2001205275A JP 2002305378 A JP2002305378 A JP 2002305378A
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Kensuke Nakamura
謙介 中村
Yoshitaka Okugawa
良隆 奥川
Hitoshi Aoki
仁 青木
Takeshi Hozumi
猛 八月朔日
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 確実に層間接続でき、且つ信頼性の高い多層
配線板、およびその製造方法ならびに半導体装置を提供
する。 【解決手段】 層間接続用の導体ポスト104と、導体
ポスト104と接続するためのパッド106を有する配
線パターン107と、導体ポスト104と該パッド10
6とを接合するための接合用金属材料層105と、層間
に存在する絶縁層101とを具備した多層配線板におい
て、絶縁層101を金属接合接着剤(I)層108と、
層間絶縁材(II)層101とからなる2層構造にし、か
つ、層間接続が接合用金属材料層105による金属接合
にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体チップを搭
載する多層配線板に関し、層間の電気的接続と接着を同
時に行う多層配線板およびその製造方法ならびに半導体
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器の高機能化並びに軽薄短
小化の要求に伴い、電子部品の高密度集積化、さらには
高密度実装化が進んできており、これらの電子機器に使
用される半導体パッケージは、従来にも増して益々小型
化かつ多ピン化が進んできている。
【0003】従来の回路基板はプリント配線板と呼ば
れ、ガラス繊維の織布にエポキシ樹脂を含浸させた積層
板からなる、ガラスエポキシ板に貼り付けられた銅箔を
パターニングした後、複数枚重ねて積層接着し、ドリル
で貫通穴を開けて、この穴の壁面に銅めっきを行ってビ
アを形成し、層間の電気接続を行った配線基板の使用が
主流であった。しかし、搭載部品の小型化、高密度化が
進み、上記の配線基板では配線密度が不足して、部品の
搭載に問題が生じるようになってきている。
【0004】このような背景により、近年、ビルドアッ
プ多層配線板が採用されている。ビルドアップ多層配線
板は、樹脂のみで構成される絶縁層と、導体とを積み重
ねながら成形される。ビア形成方法としては、従来のド
リル加工に代わって、レーザ法、プラズマ法、フォト法
等多岐にわたり、小径のビアホールを自由に配置するこ
とで、高密度化を達成するものである。層間接続部とし
ては、ブライドビア(Blind Via)やバリード
ビア(Buried Via:ビアを導電体で充填した
構造)等があり、ビアの上にビアを形成するスタックド
ビアが可能な、バリードビアホールが特に注目されてい
る。バリードビアホールとしては、ビアホールをめっき
で充填する方法と、導電性ペースト等で充填する場合と
に分けられる。一方、配線パターンを形成する方法とし
て、銅箔をエッチングする方法(サブトラクティブ
法)、電解銅めっきによる方法(アディティブ法)等が
あり、配線密度の高密度化に対応可能なアディティブ法
が、特に注目され始めている。
【0005】特開平10−84186号公報では、「配
線層のパターンに対応した位置に設けた孔に、導電体を
埋め込んだ接着性絶縁体の表面に、離型性支持板の表面
に形成された導電性配線パターンを転写して、前記接着
性絶縁体の表面に配線層を形成すると同時に、バイア接
続を行う。かかる構成により、極めて微細な配線ピッチ
を有するファインパターンを安価に、かつ容易に形成す
ることができる。」と記載されている。この製造方法に
よると、ビア内を導電体(導電性ペースト)で充填する
(バリードビア)ため、ビアの上にビアを形成するスタ
ックドビアが可能なうえ、配線パターンを電解めっきな
どで形成する(アディティブ法)ため、微細な配線パタ
ーンを形成することができ、高密度化はもちろんのこと
配線設計も非常に簡易化することができる。しかしなが
ら、この方法では、層間の電気的接続を導電性ペースト
で行っているため、信頼性が十分ではない。また、微細
なビアに導電性ペーストを埋め込む高度な技術や、離型
性支持板の表面に形成された配線パターンと、接着性絶
縁体に形成されたビアと、もう一方の配線パターンとを
同時に位置合せ積層する高度な技術も必要となり、さら
なる微細化に対応することが困難である。
【0006】特開平11−251703号公報では、
「導電性組成物によって充填されたビアを有する絶縁体
層と、導電組成物の一方または両方の面の上に形成され
た導電性のバッファー層と、導電性のバッファー層上に
形成された配線パターンとを備え、導電性のバッファー
層は、導電性組成物、配線パターンのいずれか一方、ま
たは両方と合金または金属間化合物を形成している回路
基板」が記載されいる。この方法は、導電性ペーストと
配線パターンの接続信頼性向上を狙ったものである。し
かしながら、この方法においても、金属間化合物を形成
する導電性バッファー層、導電性組成物、配線パターン
の表面が、十分に清浄化されていないと、導電性バッフ
ァー層が濡れ拡がることができず、金属接合が不十分に
なり、信頼性の高い電気的接続が得られない。
【0007】特開平11−204939号公報では、
「絶縁シートの少なくとも片面に配線パターンを有し、
絶縁シートの表裏面を貫通して導電性のビアホールを有
し、そのビアホールと電気的に接続された表裏面の任意
の場所に、接続用電極を設けた回路基板どうしを、絶縁
層を介して複数枚積層した構造の多層回路基板であっ
て、前記複数の互いに隣接する回路基板どうしを結合す
る絶縁層を、100〜300℃の温度に加熱すると粘度
が1000ポアズ以下に低下し、前記温度域に10分放
置すると少なくとも70〜80%が硬化する、熱硬化性
接着剤の硬化層で構成してなる多層回路基板」が記載さ
れている。この多層回路基板によると、ビア内を導電体
(電解めっき銅)で充填する(バリードビア)ため、ビ
アの上にビアを形成するスタックドビアが可能で、層間
接続部の高密度化を図ることができる。しかしながら、
この方法においても、接続用電極として導電性接着剤を
用いたり、接続用電極表面にAuやSn等を形成し、A
u−Sn合金などで接続を試みたりしているが、導電性
接着剤では前述したように信頼性が低く、Au−Sn合
金での接続では、Sn表面を清浄化していないため、金
属間の濡れ性が悪く、接合が十分に形成されない。
【0008】実際に、「テープ状フィルムの一括積層方
式による多層配線板の開発」、エレクトロニクス実装学
会誌,vol.1,No.2(1998)の文献で示され
ているように、Au−Sn合金が全面にぬれ拡がらない
ため、Au−Snの間に熱硬化性接着剤を挟んだ部分的
な接合となり、信頼性が十分ではない。ここで、熱硬化
性接着剤の硬化層をエポキシ系接着剤で設けられている
が、具体的には、エポキシ樹脂としてビスフェノールA
型もしくはクレゾールノボラック型であり、硬化剤とし
て、フェノールノボラック樹脂とあるが、その機能は層
間接着のみであり、金属表面の酸化膜の除去や、還元と
いった金属表面の清浄化機能に関する記載はない。
【0009】また、特開平11−204939号公報で
は、「接続用電極として、Sn−Pbはんだ等、Snを
主成分とする合金を用いて300℃以下の温度で、電気
的な接続を行う方法」が記載されているが、接合表面を
清浄化しないと、半田接合することは不可能である。一
方、配線パターンは、銅箔をエッチングにより形成する
サブトラクティブ法であるため、さらなる配線パターン
の微細化に対応することが困難である。
【0010】特開平8−195560号公報では、「両
面又は片面に導電体回路層を有する絶縁体層と導電体回
路層を有しない絶縁体層とを所定数積み重ねた積層体と
を、加圧・成形し、同時に所定の少なくとも上下二つの
導電体回路層を電気的に接続させるプリント回路基板の
製造方法において、絶縁体層をいずれもガラス繊維を含
まないシート状の絶縁体樹脂層で形成し、導電体回路層
の所定場所上に導電体回路層間の電気的接続用の導電体
からなる突起(金属塊)を設けておき、積層体をプレス
治具板を用いて、プレスを行うものであり、プレス圧力
によって絶縁体樹脂層を突起が突き破り、対向する導電
体回路層に当接・圧着させる製造方法」が記載されてい
る。また、「さらに突起の先端部に、絶縁体樹脂層の樹
脂硬化温度より高い溶融温度を有する半田層を設けてお
き、熱及び圧力で絶縁体樹脂層を突起で突き破り半田層
を導電体回路層に接続させた後、この状態で温度を半田
の溶融温度まで上昇させ、半田層を溶融させて突起を導
電体回路層に接続させた後、冷却して半田層を固化させ
る製造方法」が記載されている。この製造方法による
と、導電体からなる突起(金属塊)により層間接続を行
うため、ビア(突起)の上にビア(突起)を形成するス
タックドビアが可能となり、層間接続部の高密度化を図
ることができる。また、絶縁体樹脂層にビアを形成して
おく必要がないため、生産性が向上するという利点もあ
る。しかしながら、上記の前者の方法では、電気的接続
が物理的接触だけであり、信頼性が低いことが予想され
る。後者の方法では、突起先端の半田層と導電体回路層
の表面が十分に清浄化、すなわち、表面酸化膜の除去や
還元がされていないと、半田が濡れ拡がることができな
いため、半田接合することは不可能である。
【0011】特開平9−23064号公報では、”従来
の技術”として、「下層導体回路と上層導体回路との電
気的接続をポスト(金属柱)により行なう構造のプリン
ト回路基板を製造する場合、一般には以下に説明する手
順がとられる。まず下層導体回路形成用の金属膜として
の銅薄膜が、下層導体回路の形状にパターニングされ
る。ここでこの銅薄膜は、絶縁性基板上に形成されたも
のである場合や、また3層以上のプリント回路基板の2
層目以上の場合なら層間絶縁膜上に形成されたものとな
る。次にこの銅薄膜上に、後にポスト形成のためなされ
る電解めっき時に用いる給電膜が、無電解めっきにより
形成される。次にこの給電膜上に、該給電膜のポスト形
成予定部分以外の部分を覆うマスクが、形成される。次
にポスト形成のための電解めっきが行なわれて目的のポ
ストが形成される。次に上記マスクが除去され、その
後、給電膜の、ポストで覆われていない部分が除去され
る。次にこの試料全面に層間絶縁膜形成用の樹脂が塗布
され、さらに硬化される。硬化された樹脂はポスト表面
が露出されるまで研磨され層間絶縁膜となる。この層間
絶縁膜上に上層導体回路形成用の金属膜(これは、さら
に多層にする場合は下層導体回路形成用の金属膜にも相
当する。)が形成され、次いで、この金属膜が所望の形
状にパターニングされて上層導体回路が得られる。」と
記載されている。この製造方法によると、ポストにより
層間接続を行うため、ビア(ポスト)の上にビア(ポス
ト)を形成するスタックドビアが可能となり、層間接続
部の高密度化を図ることができる。また、層間接続部に
導電性ペースト等が不要となるため、接続信頼性が高い
ことが予想される。しかしながら、配線パターン(導体
回路)は、金属膜をエッチングすることにより形成する
サブトラクティブ法であるため、さらなる配線パターン
の微細化に対応することが困難である。また、硬化され
た樹脂を研磨してポスト表面を露出させるため、層間絶
縁膜の厚みが各層によりばらつきやすく、近年注目され
ているインピーダンス整合に精度良く対応することが困
難である。
【0012】また、特開平9−23064号公報で
は、”課題を解決するための手段”として、「下層導体
回路と上層導体回路との電気的接続をポストにより行な
う構造のプリント回路基板を製造するに当たり、下層導
体回路形成用の金属膜上に、該金属膜を下層導体回路の
形状にパターニングする前に、ポストを形成する。そし
て、該ポストの形成が済んだ前記金属膜上に、前記金属
膜の下層導体回路として残存させたい部分表面および該
ポストを覆うためのマスクであって、前記金属膜をエッ
チングするための手段に対し耐性を有する材料から成る
マスクを形成し、その後、前記金属膜の前記マスクで覆
われていない部分をエッチングして、下層導体回路を形
成する。」と記載されているが、これは”従来の技術”
における「電解めっき時に用いる給電膜が、無電解めっ
きにより形成される」という課題を解決するための手段
である。したがって、金属膜をエッチングすることによ
り配線パターン(導体回路)を形成するサブトラクティ
ブ法であるため、さらなる配線パターンの微細化に対応
できないといった課題や、硬化された樹脂を研磨してポ
スト表面を露出させるため、層間絶縁膜の厚みが各層に
より、ばらつきやすいといった課題を解決するためのも
のではない。
【0013】特開昭62−222696号公報では、
「基板上に導体層と絶縁層とを交互に積層して多層配線
基板の導体配線を形成する多層配線基板の製造方法にお
いて、前記導体配線を形成する面に所望の配線パターン
形状と略同形状にパターニングされた下地金属層を形成
する工程と、少なくとも前記下地金属層以外に絶縁層を
形成する工程と、前記絶縁層をめっきレジストとして前
記下地金属層上に無電解めっきを行って前記導体配線を
形成する工程とからなる」と記載されている。この発明
の最大の特徴は、無電解めっきにより配線パターンを形
成するところにあり、これにより導体配線を均一な厚み
で形成することができるだけでなく、アディティブ法で
あるため、微細な導体配線を形成することができる。し
かしながら、無電解めっきによる導体配線形成では、導
体配線を所望の厚みに形成するまでに時間を要するた
め、生産性の向上が図れないという重大な課題がある。
さらに、下地金属層を所望の配線パターン形状と略同形
状にパターニングするが、絶縁層と導体配線との間に隙
間が形成されないようにするには下地金属層の寸法
(幅)を配線パターン形状よりも大きくする必要がある
ため、隣接する導体配線のスペースを狭くすることがで
きず、回路密度の向上に障害が生じるという重大な課題
もある。
【0014】一般に、半田接合のためには、半田表面と
相対する電極の、金属表面の酸化物などの汚れを除去す
ると共に、半田接合時の金属表面の再酸化を防止して、
半田の表面張力を低下させ、金属表面に溶融半田が濡れ
易くする、半田付け用フラックスが使用される。このフ
ラックスとしては、ロジンなどの熱可塑性樹脂系フラッ
クスに、酸化膜を除去、還元する活性剤等を加えたフラ
ックスが用いられている。しかしながら、このフラック
スが残存していると、高温、多湿時に熱可塑性樹脂が溶
融し、活性剤中の活性イオンも遊離するなど、電気絶縁
性の低下やプリント配線の腐食などの問題が生じる。そ
のため現在は、半田接合後の残存フラックスを洗浄除去
しなければならない。よって、前述の特開平8−195
560号公報、特開平11−251703号公報、特開
平11−204939号公報で記載された多層プリント
基板、回路基板、多層回路基板の金属接合のために、こ
の様な半田付け用のフラックスを用いても、確実に金属
接合はできるが、絶縁信頼性を得ることができない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、半導体チッ
プを搭載する多層配線板における、層間接続、配線パタ
ーン形成および信頼性のこのような現状の問題点に鑑
み、確実に層間接続でき、また、微細な配線パターンを
形成でき、且つ信頼性の高い多層配線板を提供すること
を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、層間接
続用の導体ポストと、該導体ポストと接続するためのパ
ッドを有する配線パターンと、該導体ポストと該パッド
とを接合するための接合用金属材料層と、層間に存在す
る絶縁層とを具備した多層配線板であって、該絶縁層が
金属接合接着剤(I)層と、層間絶縁材(II)層とからな
る2層構造であり、かつ、層間接続が接合用金属材料層
による金属接合であることを特徴とする多層配線板であ
る。
【0017】また、該絶縁層が金属接合接着剤(I)層
と、半硬化状態の層間絶縁材(II)層とを一体硬化させ
た2層構造であることを特徴とする多層配線板である。
【0018】本発明の多層配線板において、好ましい接
合用金属材料層としては、半田または電解めっきにより
形成された半田からなり、導体ポストは、銅からなるこ
とが好ましい。さらに、導体ポストは、接合用金属材料
層と同じ材料からなることが好ましい。
【0019】本発明の多層配線板において、好ましい金
属接合接着剤(I)としては、少なくとも1つ以上のフ
ェノール性水酸基を有する樹脂(A)と、その硬化剤と
して作用する樹脂(B)とを必須成分としてなり、さら
には、フェノール性水酸基を有する樹脂(A)が、フェ
ノールノボラック樹脂、アルキルフェノールノボラック
樹脂、レゾール樹脂、クレゾールノボラック樹脂、及
び、ポリビニルフェノール樹脂の群から選ばれる、少な
くとも1種であることが好ましく、フェノール性水酸基
を有する樹脂(A)が金属接合接着剤(I)中に、20
wt%以上80wt%以下でまれることが好ましい。
【0020】本発明の多層配線板において、もう一つの
好ましい金属接合接着剤(I)としては、エポキシ樹脂
(C)と、エポキシ樹脂(C)の硬化剤として作用する
イミダゾール環を有する化合物(D)とを、必須成分と
してなり、さらには、硬化剤として作用するイミダゾー
ル環を有する化合物(D)が、金属接合接着剤(I)中
に、1wt%以上10wt%以下で含まれることが好ま
しい。
【0021】本発明の多層配線板において、好ましい層
間絶縁材(II)としては、シアネート樹脂と熱可塑性樹
脂を必須成分としてなり、さらには、シアネート樹脂
は、60%以下の3量化率を有していることが好まし
く、更に、金属アルキルアセトネートを必須成分とする
ことが好ましく、更に、アルキルフェノールを必須成分
とすることが好ましく、熱可塑性樹脂がポリイミド樹
脂、ポリエーテルスルフォン樹脂の少なくとも一種以上
からなることが好ましい。
【0022】本発明の多層配線板の層間絶縁材(II)層
は、半硬化状態において、5〜80%の3量化率を有す
るシアネート樹脂を含んでなることが好ましい。
【0023】また、本発明は、導体ポストを形成する工
程と、該導体ポストと接続するためのパッドを有する配
線パターンを形成する工程と、該導体ポストと該パッド
の少なくとも一方に接合用金属材料層を形成する工程
と、金属接合接着剤(I)層を形成する工程と、層間絶縁
材(II)層を形成する工程と、該導体ポストが、該金属
接合接着剤(I)層を介して、該接合用金属材料層によ
り該パッドと接合する工程と、加熱により金属接合接着
剤(I)層を硬化させる工程と、を含んでなることを特
徴とする多層配線板の製造方法である。
【0024】本発明の多層配線板の製造方法は、層間絶
縁材(II)層を形成する工程において、半硬化状態の層
間絶縁材(II)層を形成し、加熱により金属接合接着剤
(I)層を硬化させる工程において、金属接合接着剤(I)
層と、半硬化状態の層間絶縁材(II)層とを一体硬化さ
せることが好ましい。
【0025】また、本発明は、金属板を電解めっき用リ
ードとして、配線パターンを電解めっきにより形成する
工程と、該配線パターン上に半硬化状態の層間絶縁材
(II)層を形成する工程と、配線パターンの一部が露出
するように半硬化状態の層間絶縁材(II)層にビアを形
成する工程と、金属板を電解めっき用リードとして、導
体ポストを電解めっきにより形成する工程と、該導体ポ
ストの表面または導体ポストと対向している被接合部の
表面の少なくとも一方に接合用金属材料層を形成する工
程と、半硬化状態の層間絶縁材(II)層の表面または被
接続層の表面の少なくとも一方に金属接合接着剤(I)
層を形成する工程と、該金属接合接着剤(I)層を介し
て対向している導体ポストと被接合部とを、接合用金属
材料層により接合し、かつ、半硬化状態の層間絶縁材
(II)層と被接続層とを金属接合接着剤(I)層により
接着する工程と、層間絶縁材(II)層と金属接合接着剤
(I)層を一体硬化する工程と、該金属板をエッチング
により除去する工程とを含んでなることを特徴とする多
層配線板の製造方法であり、該層間絶縁材(II)層の表
面または被接続層の表面の少なくとも一方に金属接合接
着剤(I)層を形成する工程において、金属接合接着剤
(I)層を部分的に形成することが好ましい。
【0026】また、本発明は、金属板を電解めっき用リ
ードとして、該金属板上に電解めっきにより配線パター
ンを形成する工程と、該配線パターン上に半硬化状態の
層間絶縁材(II)層を形成する工程と、該層間絶縁材
(II)層に配線パターンの一部が露出するようにビアを
形成する工程と、該金属板を電解めっき用リードとし
て、電解めっきにより導体ポストを形成する工程と、該
導体ポストの表面に接合用金属材料層を形成する工程
と、該接合用金属材料層を覆うように、該層間絶縁材
(II)層の表面に金属接合接着剤(I)層を形成する工
程と、該金属板をエッチングして除去し接続層を形成す
る工程と、該接続層を被接続層上に複数層重ね合せた
後、一括して加熱・加圧して、該金属接合接着剤(I)
層を介して対向している導体ポストと被接合部とを、接
合用金属材料層により接合し、かつ、半硬化状態の層間
絶縁材(II)層と被接続層とを金属接合接着剤(I)層
により接着する工程と、層間絶縁材(II)層と金属接合
接着剤(I)層を一体硬化する工程とを含んでなること
を特徴とする多層配線板の製造方法であり、該層間絶縁
材(II)層の表面に金属接合接着剤(I)層を形成する
工程において、金属接合接着剤(I)層を部分的に表面
に形成することが好ましい。
【0027】さらには、金属板を電解めっき用リードと
して、該金属板と該配線パターンとの間に、電解めっき
によりレジスト金属層を形成する工程を含んでなること
が好ましい。
【0028】本発明の多層配線板の製造方法において、
好ましい接合用金属材料層としては、半田または電解め
っきにより形成された半田からなり、さらには、導体ポ
ストは銅からなることが好ましい。さらに、導体ポスト
は、接合用金属材料層と同じ材料からなることが好まし
い。
【0029】本発明の多層配線板の製造方法において、
好ましい金属接合接着剤(I)としては、少なくとも1
つ以上のフェノール性水酸基を有する樹脂(A)と、そ
の硬化剤として作用する樹脂(B)とを必須成分として
なり、さらには、フェノール性水酸基を有する樹脂
(A)が、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノ
ールノボラック樹脂、レゾール樹脂、クレゾールノボラ
ック樹脂、及び、ポリビニルフェノール樹脂の群から選
ばれる、少なくとも1種であることが好ましく、フェノ
ール性水酸基を有する樹脂(A)が金属接合接着剤
(I)中に、20wt%以上80wt%以下で含まれる
ことが好ましい。
【0030】本発明の多層配線板の製造方法において、
好ましいもう一つの金属接合接着剤(I)としては、エ
ポキシ樹脂(C)と、エポキシ樹脂(C)の硬化剤とし
て作用するイミダゾール環を有する化合物(D)とを、
必須成分としてなり、さらには、硬化剤として作用する
イミダゾール環を有する化合物(D)が、金属接合接着
剤(I)中に、1wt%以上10wt%以下で含まれる
ことが好ましい。
【0031】本発明の多層配線板の製造方法において、
好ましい層間絶縁材(II)としては、シアネート樹脂と
熱可塑性樹脂を必須成分としてなり、さらには、シアネ
ート樹脂は、60%以下の3量化率を有していることが
好ましく、更に、金属アルキルアセトネートを必須成分
とすることが好ましく、更に、アルキルフェノールを必
須成分とすることが好ましく、熱可塑性樹脂がポリイミ
ド樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂の少なくとも一種
以上からなることが好ましい。
【0032】本発明の多層配線板の製造方法において、
層間絶縁材(II)は、半硬化状態において、5〜80%
の3量化率を有するシアネート樹脂を含んでなることが
好ましい。
【0033】また、本発明は、前記いずれかの製造方法
により得られる多層配線板である。
【0034】さらに、本発明は、前記いずれかの多層配
線板を用いた半導体装置である。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について説明するが、本発明はこれによって何ら
限定されるものではない。
【0036】図1は、本発明の第一の実施形態である多
層配線板の製造方法の例を説明するための図で、図1
(g)は得られる多層配線板の構造を示す断面図であ
る。多層配線板112は、層間接続用の導体ポスト10
4が、金属接合接着剤(I)層108を介して、導体ポス
ト104の先端に設けられた接合用金属材料層105に
より、被接続層111のパッド106aと金属接合し、
接続層110の非接合面側(図では上側)には、配線パ
ターン107とパッド106が形成された構造となって
いる。絶縁層109は、金属接合接着剤(I) 108と、
半硬化状態の層間絶縁材(II)層101を一体硬化させ
た二層構造であっても良い。
【0037】本発明の第一の多層配線板の製造方法は、
まず、導体箔102上に、層間絶縁材(II)用樹脂ワニ
スを印刷、カーテンコート、バーコート等の方法で直接
塗布したり、支持フィルム付きドライフィルムの層間絶
縁材(II)層を、該導体箔102上に、加熱加圧してラ
ミネートするなどして、半硬化状態の層間絶縁材(II)
層101付き導体箔102を用意する。支持フィルム付
きドライフィルムには、さらに保護フィルム層が形成さ
れていても良い。また、支持フィルムはラミネート後剥
離する。特に、支持フィルム付きドライフィルムを用い
る方法は、予め厚みが既知の層間絶縁材(II)層を用い
るため、厚みを確実に制御できる利点がある。層間絶縁
材(II)層101の半硬化状態は、使用する原料を予め
前硬化する、もしくは、導体箔102上に形成した層間
絶縁材(II)層を熱処理により前硬化することで制御可
能である。
【0038】層間絶縁材(II)層は半硬化状態であるた
め、図1(e)に示す金属接合接着剤(I)層108
と、一体硬化することができ、層間絶縁材(II)層10
1と金属接合接着剤(I)層108の界面の密着力と耐
熱性が著しく向上する。
【0039】次に、半硬化状態の層間絶縁材(II)層1
01にビア103を形成する(図1(a))。ビア10
3の形成方法は、この製造方法に適する方法であればど
のような方法でも良く、より好ましくは、レーザー法で
ある。
【0040】次いで、ビア103に層間接続用の導体ポ
スト104を形成する(図1(b))。導体ポストの形
成方法としては、無電解めっき及び/または電解めっき
等の方法が挙げられる。あるいは、導体箔をエッチング
により形成しても良い。導体箔をエッチングして形成す
る例としては、予め導体箔の片側をハーフエッチングし
て導体ポストを形成後、形成した導体ポストを被覆する
ように層間絶縁材(II)層を形成する方法等がある。導
体ポスト104の材質としては、この製造方法に適する
ものであればどのようなものでも良く、例えば、銅、ニ
ッケル、金、錫、銀、パラジウムが挙げられる。さらに
は、銅を用いることで、低抵抗で安定した導体ポスト1
04が得られる。さらには、導体ポスト104は、接合
用金属材料層105(図1(c))と同じ材料であって
も良い。導体ポスト104を接合用金属材料層105と
同じ材質にすることで、導体ポスト104と接合用金属
材料層105を同時形成することができ、加工工程を短
縮できる利点がある。接合用金属材料の材質について
は、後述する。
【0041】次に、導体ポスト104上に接合用金属材
料層105を施す(図1(c))。接合用金属材料層1
05を形成する方法としては、電解めっき、無電解めっ
き、接合用金属材料ペーストを印刷する方法等が挙げら
れる。接合用金属材料の材質としては、図1(f)に示
す被接続層111と金属接合可能な金属であればどのよ
うなものでもよく、例えば、半田が挙げられる。半田の
中でも、SnやIn、もしくはSn、Ag、Cu、Z
n、Bi、Pd、Sb、Pb、In、Auの少なくとも
二種からなる半田を使用することが好ましい。より好ま
しくは、環境に優しいPbフリー半田である。図1
(c)では、導体ポスト104の表面に接合用金属材料
層105を形成する例を示したが、接合用金属材料層1
05を形成する目的は、導体ポスト104と被接続層1
11のパッド106aとを接合させることであるため、
パッド106aに接合用金属材料層105を形成しても
構わない。もちろん、導体ポスト104とパッド106
aの両表面に形成しても構わない。
【0042】次に、半硬化状態の層間絶縁材(II)層1
01上の導体箔102に、層間接続用のパッド106を
有する配線パターン107を形成する(図1(d))。
配線パターン107を形成する方法は、導体箔102を
エッチングして形成する方法、もしくは、無電解銅めっ
きまたは/および電解銅めっき等のアディテブ工法で形
成しても良い。配線パターン107の材質としては、例
えば、銅、ニッケル、金、錫、銀、パラジウム等が挙げ
られる。さらには、銅を用いることで、低抵抗で安定し
た配線パターン107が得られる。
【0043】さらに、接合用金属材料層105が形成さ
れた面に金属接合接着剤(I)層108を形成して接続
層110を得る(図1(e))。金属接合接着剤(I)
層108の形成は、使用する樹脂に応じて適した方法で
良く、金属接合接着剤(I)ワニスを、印刷、カーテン
コート、バーコート等の方法で直接塗布したり、支持フ
ィルム付きドライフィルムの金属接合接着剤(I)層を
真空ラミネート、真空プレス等で形成する方法等があ
る。金属接合接着剤(I)層108の機能は、詳細には
後述の通りであるが、金属の表面清浄化機能と接着機能
の2つの機能である。前者は半田接合を実現するために
必要な機能であり、後者は層間絶縁材(II)層101と
被接続層111を接着するために必要な機能であり、両
者とも欠く事はできない。なお、図1(e)では、層間
絶縁材(II)層101の表面に金属接合接着剤(I)層
108を形成する例を示したが、被接続層111の表面
に金属接合接着剤(I)層108を形成しても構わな
い。もちろん、層間絶縁材(II)層101と被接続層1
11の両表面に形成しても構わない。
【0044】次に、上記で得た、接続層110と被接続
層111を位置合わせをする(図1(f))。位置合わ
せは、接続層110と被接続層111に、予め形成され
ている位置決めマークを、画像認識装置により読み取り
位置合わせする方法、位置合わせ用のピン等で位置合わ
せする方法等を用いることができる。なお、図1(f)
では、被接続層111は、上記で得た接続層110と同
様の方法で得られたものを一例として示したが、硬質板
に回路形成したものであっても構わない。
【0045】次に、接続層110および被接続層111
とを積層する。積層方法としては、例えば、真空プレス
を用いて、導体ポスト104が、金属接合接着剤(I)
108層を介して、接合用金属材料層105により被接
続層111のパッド106aと接合するまで加熱・加圧
し、導体ポスト104とパッド106aを金属接合させ
る。引き続き、更に加熱して層間絶縁材(II)層101
と金属接合接着剤(I)層108を一体硬化させて、接
続層110と被接続層111とを接着する(図1
(g))。なお、最終的な加熱温度は、接合用金属材料
の融点以上であることが必須である。
【0046】以上の工程により、各層の配線パターンと
導体ポストを接合用金属材料にて金属接合し、各層間を
金属接合接着剤(I)108と層間絶縁材(II)層10
1にて接着するとともに、層間絶縁材(II)層101に
よって確実に絶縁した多層配線板を製造することができ
る。
【0047】次に、図面を参照して本発明の第二の実施
形態について説明するが、本発明はこれによって何ら限
定されるものではない。図2〜図4は、本発明の第二の
実施形態である多層配線板の製造方法の一例を説明する
ための図で、図4(n)は得られる多層配線板の構造を
示す断面図である。
【0048】本発明の第二の多層配線板の製造方法のと
しては、まず、金属板201上にパターニングされため
っきレジスト202を形成する(図2(a))。このめ
っきレジスト202は、例えば、金属板201上に紫外
線感光性のドライフィルムレジストをラミネートし、ネ
ガフィルム等を用いて選択的に感光し、その後現像する
ことにより形成できる。金属板201の材質は、この製
造方法に適するものであればどのようなものでも良い
が、特に、使用される薬液に対して耐性を有するもので
あって、最終的にエッチングにより除去可能であること
が必要である。そのような金属板201の材質として
は、例えば、銅、銅合金、42合金、ニッケル等が挙げ
られる。
【0049】次に、金属板201を電解めっき用リード
(給電用電極)として、レジスト金属203を電解めっ
きにより形成する(図2(b))。この電解めっきによ
り、金属板201上のめっきレジスト202が形成され
ていない部分に、レジスト金属203が形成される。レ
ジスト金属203の材質は、この製造方法に適するもの
であればどのようなものでも良いが、特に、最終的に金
属板201をエッチングにより除去する際に使用する薬
液に対して耐性を有することが必要である。レジスト金
属203の材質としては、例えば、ニッケル、金、錫、
銀、半田、パラジウム等が挙げられる。なお、レジスト
金属203を形成する目的は、金属板201をエッチン
グする際に使用する薬液により、図2(c)に示す配線
パターン204が浸食・腐食されるのを防ぐことであ
る。したがって、金属板201をエッチングする際に使
用する薬液に対して、図2(c)に示す配線パターン2
04が耐性を有している場合は、このレジスト金属20
3は不要である。また、レジスト金属203は配線パタ
ーン204と同一のパターンである必要はなく、金属板
201上にめっきレジスト202を形成する前に、金属
板201の全面にレジスト金属203を形成しても良
い。
【0050】次に、金属板201を電解めっき用リード
(給電用電極)として、配線パターン204を電解めっ
きにより形成する(図2(c))。この電解めっきによ
り、金属板201上のめっきレジスト202が形成され
ていない部分に、配線パターン204が形成される。配
線パターン204の材質としては、この製造方法に適す
るものであればどのようなものでも良いが、特に、最終
的にレジスト金属203をエッチングにより除去する際
に使用する薬液に対して耐性を有することが必要であ
る。実際は、配線パターン204が最終的に多層配線板
213の内部に存在するため、配線パターン204を浸
食・腐食しない薬液でエッチング可能なレジスト金属2
03を選定するのが得策である。配線パターン203の
材質としては、例えば、銅、ニッケル、金、錫、銀、パ
ラジウム等が挙げられる。さらには、銅を用いること
で、低抵抗で安定した配線パターン204が得られる。
【0051】次に、めっきレジスト202を除去し(図
2(d))、続いて、形成した配線パターン204上に
半硬化状態の層間絶縁材(II)層205を形成する(図
2(e))。半硬化状態の層間絶縁材(II)層205の
形成は、樹脂ワニスを印刷、カーテンコート、バーコー
ト等の方法で直接塗布したり、支持フィルム付きドライ
フィルムの層間絶縁材(II)層を真空ラミネート、真空
プレス等の方法で積層する方法が挙げられる。支持フィ
ルム付きドライフィルムには、さらに保護フィルム層が
形成されていても良い。特に、支持フィルム付きドライ
フィルムを用いた真空ラミネート方法では、真空中で層
間絶縁材(II)層を配線パターン204上に仮圧着後、
大気中で熱処理することにより配線パターン204の凹
凸を埋め込み、且つ平坦化可能である。最後に支持フィ
ルムを剥離すれば、層間絶縁材(II)層205が、配線
パターン204の凹凸に影響されることなく非常に平滑
な表面が得られる。また、予め、厚みが既知のドライフ
ィルムを使用することで、層間絶縁材(II)層の厚みを
確実に制御できる。層間絶縁材(II)層205の半硬化
状態は、使用する原料を予め前硬化する、もしくは、配
線パターン204上に形成した層間絶縁材(II)層を熱
処理により前硬化することで制御可能である。層間絶縁
材(II)層205は、半硬化状態であるため、図3
(i)に示す金属接合接着剤(I)層209と、一体硬
化することができ、層間絶縁材(II)層205と金属接
合接着剤(I)層209の界面の密着力と耐熱性が著し
く向上する。
【0052】次に、形成した半硬化状態の層間絶縁材
(II)層205にビア206を形成する(図2
(f))。ビア206の形成方法は、この製造方法に適
する方法であればどのような方法でも良く、より好まし
くは、レーザー法である。
【0053】次に、金属板201を電解めっき用リード
(給電用電極)として、導体ポスト207を電解めっき
により形成する(図3(g))。この電解めっきによ
り、層間絶縁材(II)層205のビア206が形成され
ている部分に、導体ポスト207が形成される。電解め
っきにより導体ポスト207を形成すれば、導体ポスト
207の先端の形状を自由に制御することができる。導
体ポスト207の材質としては、この製造方法に適する
ものであればどのようなものでも良く、例えば、銅、ニ
ッケル、金、錫、銀、パラジウムが挙げられる。さらに
は、銅を用いることで、低抵抗で安定した導体ポスト2
07が得られる。さらには、導体ポスト207は、接合
用金属材料層208と同じ材料であっても良い。導体ポ
スト207を接合用金属材料層208と同じ材質にする
ことで、導体ポスト207と接合用金属材料層208を
同時形成することができ、加工工程を短縮できる利点が
ある。接合用金属材料の材質については、後述する。
【0054】次に、導体ポスト207の表面(先端)
に、接合用金属材料層208を形成する(図3
(h))。接合用金属材料層208の形成方法として
は、無電解めっきにより形成する方法、金属板201を
電解めっき用リード(給電用電極)として電解めっきに
より形成する方法、接合用金属材料を含有するペースト
を印刷する方法が挙げられる。印刷による方法では、印
刷用マスクを導体ポスト207に対して精度良く位置合
せする必要があるが、無電解めっきや電解めっきによる
方法では、導体ポスト207の表面以外に接合用金属材
料層208が形成されることがないため、導体ポスト2
07の微細化・高密度化にも対応しやすい。特に、電解
めっきによる方法では、無電解めっきによる方法より
も、めっき可能な金属が多種多様であり、また薬液の管
理も容易であるため、非常に好適である。接合用金属材
料の材質としては、図3(j)に示す被接合部212と
金属接合可能な金属であればどのようなものでもよく、
例えば、半田が挙げられる。半田の中でも、SnやI
n、もしくはSn、Ag、Cu、Zn、Bi、Pd、S
b、Pb、In、Auの少なくとも二種からなる半田を
使用することが好ましい。より好ましくは、環境に優し
いPbフリー半田である。なお、図3(h)では、導体
ポスト207の表面に接合用金属材料層208を形成す
る例を示したが、接合用金属材料層208を形成する目
的は、導体ポスト207と被接合部212とを接合させ
ることであるため、被接合部212に接合用金属材料層
208を形成しても構わない。もちろん、導体ポスト2
07と被接合部212の両表面に形成しても構わない。
【0055】次に、層間絶縁材(II)層205の表面
(先端)に、金属接合接着剤(I)層209を形成する
(図3(i))。金属接合接着剤(I)層209の形成
は、使用する樹脂に応じて適した方法で良く、金属接合
接着剤(I)ワニスを印刷、カーテンコート、バーコー
ト等の方法で直接塗布したり、支持フィルム付きドライ
フィルムの金属接合接着剤(I)層209を真空ラミネ
ート、真空プレス等の方法で積層する方法が挙げられ
る。金属接合接着剤(I)層209の機能は、詳細には
後述の通りであるが、金属の表面清浄化機能と接着機能
の2つの機能である。前者は半田接合を実現するために
必要な機能であり、後者は層間絶縁材(II)層205と
被接続層211を接着するために必要な機能であり、両
者とも欠く事はできない。なお、図3(i)では、層間
絶縁材(II)層205の表面に金属接合接着剤(I)層
209を形成する例を示したが、被接続層211の表面
に金属接合接着剤(I)層209を形成しても構わな
い。もちろん、層間絶縁材(II)層205被接続層21
1の両表面に形成しても構わない。
【0056】次に、上述の工程により得られた接続層2
10と被接続層211とを位置合わせをする(図3
(j))。位置合わせは、接続層210および被接続層
211に、予め形成されている位置決めマークを、画像
認識装置により読み取り位置合わせする方法、位置合わ
せ用のピン等で位置合わせする方法等を用いることがで
きる。なお、図3(j)では、被接続層211として、
図4(n)に示す多層配線板213にリジッド性を持た
せるために用いるFR−4等のコア基板を使用する例を
示したが、図2(d)に示す金属板201に配線パター
ン204を形成しただけのものを使用することもでき
る。さらには、図4(m)に示す多層配線板213の製
造途中のものを使用することもできる。
【0057】次に、接続層210および被接続層211
とを積層する(図3(k))。積層方法としては、例え
ば、真空プレスを用いて、導体ポスト207が、金属接
合接着剤(I)層209を排除して、接合用金属材料層
208により被接合部212と接合するまで加熱・加圧
し、導体ポスト207と被接合部212とを金属接合さ
せる。引き続き、更に、加熱して層間絶縁材(II)層2
05と金属接合接着剤(I)層209を一体硬化させ
て、接合層210と被接合層211とを接着する。な
お、最終的な加熱温度は、接合用金属材料の融点以上で
あることが必須である。
【0058】次に、金属板201をエッチングにより除
去する(図4(l))。金属板201と配線パターン2
04との間にレジスト金属203が形成されており、そ
のレジスト金属203は、金属板201をエッチングに
より除去する際に使用する薬液に対して耐性を有してい
るため、金属板201をエッチングしてもレジスト金属
203が浸食・腐食されることがなく、結果的に配線パ
ターン204が浸食・腐食されることはない。金属板2
01の材質が銅、レジスト金属の材質がニッケル、錫ま
たは半田の場合、市販のアンモニア系エッチング液を使
用することができる。金属板201の材質が銅、レジス
ト金属の材質が金の場合、塩化第二鉄溶液、塩化第二銅
溶液を含め、ほとんどのエッチング液を使用することが
できる。
【0059】次に、レジスト金属203をエッチングに
より除去する(図4(m))。配線パターン204は、
レジスト金属203をエッチングにより除去する際に使
用する薬液に対して耐性を有するため、配線パターン2
04は浸食・腐食されることはない。そのため、レジス
ト金属203が除去されることにより、配線パターン2
04が露出する。レジスト金属203は、必要に応じ
て、除去せずに残しても良い。配線パターン204の材
質が銅、レジスト金属の材質がニッケル、錫または半田
の場合、市販の半田・ニッケル剥離剤(例えば、三菱ガ
ス化学製・Pewtax:商品名)を使用することがで
きる。配線パターン204の材質が銅、レジスト金属2
03の材質が金の場合、配線パターン204を浸食・腐
食させることなく、レジスト金属203をエッチングす
ることは困難である。この場合には、レジスト金属20
3をエッチングする工程を省略しても良い。
【0060】最後に、上述の工程、すなわち図2(a)
〜図4(m)を繰り返して行うことにより、多層配線板
213を得る(図4(n))。すなわち、図4(m)に
示す多層配線板213の製造途中のものを被接続層とし
て、図2(j)に示す積層工程を行うことによりコア基
板の両面に接続層を形成し、さらに、これにより得られ
たものを被接続層として、図2(j)に示す積層工程を
行い、さらには、これらを繰り返すことにより、多層配
線板213を得ることができる。図4(n)は、コア基
板216の両面に各2層ずつ接続層を積層した多層配線
板213を示しており、多層配線板213の両表面に
は、ソルダーレジスト215が形成されている。ソルダ
ーレジスト215は、インナーパッド214aおよびア
ウターパッド214bの部分が開口されている。
【0061】以上の工程により、各層の配線パターン2
04と導体ポスト207とを接合用金属材料層208に
て金属接合し、半硬化状態の層間絶縁材(II)層205
と金属接合接着剤(I)層209を一体硬化して各層間
を接着した多層配線板を製造することができる。
【0062】次に、本発明の第三の実施形態である多層
配線板の製造方法を説明する。第三の実施形態である多
層配線板の製造方法としては、図2(a)〜図3(h)
の工程までは、第二の実施形態である多層配線板の製造
方法と同じである。次に、図3(h)の接合用金属材料
層208の表面(先端)に、金属接合接着剤(I)層2
09’を接合用金属材料層208を覆うように、部分的
に形成する(図5(i’))。金属接合接着剤(I)層
209’の形成領域は、少なくとも接合用金属材料層2
08を覆うことができれば良く、形成面積は特に制限さ
れない。なお、図5(i’)では、接合用金属材料層2
08の表面に金属接合接着剤(I)層209’を部分的
に形成する例を示したが、被接合部212の表面に金属
接合接着剤(I)層209’を部分的に形成しても構わ
ない。もちろん、接合用金属材料層208と被接合部層
212の両表面に部分的に形成しても構わない。金属接
合接着剤(I)層209’の形成は、使用する樹脂に応
じて適した方法で良く、金属接合接着剤(I)ワニスを
印刷したり、感光性の金属接合接着剤(I)を用い、イ
メージングして形成しても良い。金属接合接着剤(I)
層209’の機能は、詳細には後述の通りであるが、金
属の表面清浄化機能と接着機能の2機能である。以降の
工程は、層間絶縁材(II)層205により、接続層21
0と被接続層211を接着する以外は、第二の実施形態
である多層配線板の製造方法と同じである。第三の実施
形態である多層配線板の製造方法は、第二の実施形態で
ある多層配線板の製造方法と比較して、高い接着強度と
優れた物性を有する層間絶縁材(II)層により、接続層
210と被接続層211の接着を行うため、より信頼性
の高い多層配線板を得ることができる。
【0063】なお、上述の工程により得られた多層配線
板213のインナーパッド214a側に半導体チップ3
02を搭載し、アウターパッド214b側に半田ボール
を搭載することにより、半導体装置301を得ることが
できる(図6)。
【0064】次に、本発明の第四の多層配線板の製造方
法について説明する。第四の多層配線板の製造方法は、
図2(a)〜図3(i)の工程までは、第二の多層配線
板の製造方法と同じである。次に、図3(i)で得られ
た接続層210の金属板201をエッチングして除去し
(図7(j))、さらに、レジスト金属層203をエッ
チングして除去する(図7(k))。配線パターン20
4の材質が銅、レジスト金属層203の材質が金の場
合、配線パターン204を浸食・腐食させることなく、
レジスト金属層203をエッチングすることは困難であ
る。この場合には、レジスト金属層203をエッチング
する工程を省略しても良い。
【0065】なお、上述の製造方法では、金属接合接着
剤(I)層209を形成した後に、金属板201および
レジスト金属層203をエッチングして除去して、接続
層210aを得る例を示したが、金属板201およびレ
ジスト金属層203をエッチングして除去した後に、金
属接合接着剤(I)層209を形成しても良い。また、
図3(i)では、金属接合接着剤(I)層209を層間
絶縁材(II)層205の表面に形成する例を示したが、
金属板201およびレジスト金属層203をエッチング
して除去した後、露出した配線パターン204側に金属
接合接着剤(I)層209を形成しても構わない。
【0066】続いて、上述の工程により得られた接続層
210aおよび同様な工程により得られた接続層210
b〜210dと、被接続層211aとを位置合わせする
(図7(l))。位置合わせは、接続層210a〜21
0dおよび被接続層211aに予め形成されている位置
決めマークを、画像認識装置により読み取り位置合わせ
する方法、位置合わせ用のピン等で位置合わせする方法
等を用いることができる。なお、図7(l)では、被接
続層211aとして、図7(m)に示す多層配線板21
2aにリジッド性を持たせるために用いるFR−4等の
コア基板を使用する例を示したが、図1(d)に示す金
属板201に配線パターン204を形成しただけのもの
を使用して、その片側のみに接続層を積層しても構わな
い。
【0067】最後に、接続層210a〜210dおよび
被接続層211aを一括して加熱・加圧して、全層の接
合用金属材料層208を一括して溶融させて層間接続を
行い、多層配線板212aを得る(図7(m))。加熱
・加圧する方法としては、例えば真空プレスを用いて、
導体ポスト207が金属接合接着剤(I)層209を排
除して、相対する配線パターンと接合用金属材料により
接合するまで加熱・加圧し、引き続き、更に加熱して、
層間絶縁材(II)層205と金属接合接着剤(I)層2
09を一体硬化させて、接続層210a〜210dと被
接続層211aとを接着する。なお、最終的な加熱温度
は、接合用金属材料の融点以上であることが必須であ
る。
【0068】なお、図7(l)において、最外層に重ね
合わされた接続層210c、210dの金属板をエッチ
ングせず残しておき、加熱・加圧後に金属板をエッチン
グして除去しても構わない。最外層の金属板を残してお
くことにより、最外層の配線パターンが露出せず、加熱
・加圧の工程で配線パターンが損傷するということを回
避するすることができる。また、図3(i)において、
金属接合接着剤(I)層を接合用金属材料層を覆うよう
に部分的に形成しても良い。
【0069】以上の工程により、各層の配線パターンと
導体ポストとを接合用金属材料にて金属接合し、各層間
を層間絶縁材(II)層と金属接合接着剤(I)層を一体
硬化させて接着した多層配線板を製造することができ
る。
【0070】本発明による第一〜第四の実施形態である
多層配線板の製造方法の最大の特徴は、次に示す5点で
ある。 (1)半硬化状態の層間絶縁材(II)層205と金属接
合接着剤(I)層209を一体硬化することによって、
層間絶縁材(II)層205と金属接合接着剤(I)層2
09の界面の密着力と耐熱性が著しく向上する。 (2)絶縁層を研磨する必要が無く、絶縁層を安定した
厚みに形成することができる。 (3)第三と第四の実施形態である多層配線板の製造方
法において、配線パターン204と導体ポストを電解め
っきにより形成することができる。 (4)第三と第四の実施形態である多層配線板の製造方
法において、最終的には除去する金属板201を電解め
っき用リードとして使用するため、配線パターン204
に特別な電解めっき用リードを設けたり、配線パターン
204を形成後に無電解めっきやスパッタリングで電解
めっき用リードを形成する必要が無い。 (5)第四の実施形態である多層配線板の製造方法にお
いて、加熱・加圧が1回だけであるため、各層毎に加熱
・加圧を行う方法と比較して、製造時間の大幅な短縮が
達成できる。
【0071】本発明に用いる金属接合接着剤(I)は、
表面清浄化機能を有し、且つ絶縁信頼性の高い接着剤で
あることが好ましい。表面清浄化機能としては、例え
ば、接合用金属材料層表面や被接続金属表面に存在する
酸化膜の除去機能や、酸化膜の還元機能である。この金
属接合接着剤(I)の表面清浄化機能により、接合用金
属材料層と接続するための表面との濡れ性が十分に高ま
る。そのため、金属接合接着剤(I)は、金属表面を清
浄化するために、接合用金属材料層と接続するための表
面とに、必ず、接触している必要がある。両表面を清浄
化することで、接合用金属材料層が、被接合表面に対し
て濡れ拡がろうとする力が働き、その接合用金属材料層
の濡れ拡がりの力により、金属接合部における金属接合
接着剤(I)が排除される。これより、金属接合接着剤
(I)を用いた金属接合には、樹脂残りが発生しにく
く、且つその電気的接続信頼性は高いものとなる。
【0072】本発明に用いる第1の好ましい金属接合接
着剤(I)は、少なくとも1つ以上のフェノール性水酸
基を有する樹脂(A)と、その硬化剤として作用する樹
脂(B)とを必須成分としており、フェノール性水酸基
を有する樹脂(A)の、フェノール性水酸基は、その表
面清浄化機能により、接合用金属材料層および金属表面
の酸化物などの汚れの除去あるいは、酸化物を還元し、
金属接合のフラックスとして作用する。更に、その硬化
剤として作用する樹脂(B)により、良好な硬化物を得
ることができるため、金属接合後の洗浄除去が必要な
く、高温、多湿雰囲気でも電気絶縁性を保持し、接合強
度、信頼性の高い金属接合を可能とする。
【0073】本発明において第1の好ましい金属接合接
着剤(I)に用いる、少なくとも1つ以上のフェノール
性水酸基を有する樹脂(A)としては、フェノールノボ
ラック樹脂、アルキルフェノールノボラック樹脂、レゾ
ール樹脂、クレゾールノボラック樹脂および、ポリビニ
ルフェノール樹脂から選ばれるのが好ましく、これらの
1種以上を用いることができる。
【0074】本発明において第1の好ましい金属接着剤
に用いる、フェノール性水酸基を有する樹脂(A)の、
硬化剤として作用する樹脂(B)としては、エポキシ樹
脂やイソシアネート樹脂などが用いられる。具体的には
いずれも、ビスフェノール系、フェノールノボラック
系、アルキルフェノールノボラック系、ビフェノール
系、ナフトール系やレソルシノール系などのフェノール
ベースのものや、脂肪族、環状脂肪族や不飽和脂肪族な
どの骨格をベースとして変性されたエポキシ化合物やイ
ソシアネート化合物が挙げられる。
【0075】本発明において第1の好ましい金属接合接
着剤(I)に用いる、フェノール性水酸基を有する樹脂
(A)は、接着剤(I)中に、好ましい下限の割合が2
0wt%で、好ましい上限の割合が80wt%で含ま
れ、更に好ましい上限値は、60wt%である。前記下
限値未満であると、金属表面を清浄化する作用が低下す
る恐れがある。また、前記上限値より多いと、十分な硬
化物が得られなくなる恐れがあり、その場合、接合強度
と信頼性が低下する。一方、硬化剤として作用する樹脂
(B)は、接着剤(I)中に、20wt%以上80wt
%以下で含まれることが好ましい。また、金属接合接着
剤(I)に用いる樹脂に、着色料や、硬化触媒、無機充
填材、各種のカップリング剤、溶媒などを添加しても良
い。
【0076】本発明に用いる第2の好ましい金属接合接
着剤(I)は、エポキシ樹脂(C)と、イミダゾール環
を有し且つエポキシ樹脂(C)の硬化剤として作用する
化合物(D)とを、必須成分としており、化合物(D)
のイミダゾール環は、三級アミンの不対電子に起因する
表面清浄化機能により、接合用金属材料層および金属表
面の酸化物などの汚れの除去あるいは、酸化膜を還元
し、金属接合のフラックスとして作用する。更に、イミ
ダゾール環は、エポキシ樹脂(C)をアニオン重合する
際の硬化剤としても作用するため、良好な硬化物を得る
ことができ、半田接合後の洗浄除去が必要なく、高温、
多湿雰囲気でも電気絶縁性を保持し、接合強度、信頼性
の高い金属接合を可能とする。
【0077】本発明において第2の好ましい金属接合接
着剤(I)に用いる化合物(D)の添加量は、好ましい
下限の割合が1wt%で、好ましい上限の割合が10w
t%であり、より好ましい上限値としては5wt%であ
る。化合物(D)の添加量が前記下限値未満では表面清
浄化機能が低下する恐れがあるか、また、エポキシ樹脂
(C)を充分に硬化させることができなくなる恐れがあ
る。また、化合物(D)の添加量が前記上限値より多い
場合は、硬化反応が急激に進行し、金属接合時における
金属接合接着剤(I)層の流動性が低下し、金属接合を
阻害する恐れがある。さらに、得られる硬化物が脆くな
り、十分な強度の金属接合部が得られなくない場合があ
る。
【0078】本発明において第2の好ましい金属接合接
着剤(I)で、化合物(D)と組合わせて用いるエポキ
シ樹脂(C)としては、ビスフェノール系、フェノール
ノボラック系、アルキルフェノールノボラック系、ビフ
ェノール系、ナフトール系やレソルシノール系などの、
フェノールベースのエポキシ樹脂や、脂肪族、環状脂肪
族や不飽和脂肪族などの骨格をベースとして変性された
エポキシ化合物が挙げられる。
【0079】本発明において第2の好ましい金属接合接
着剤(I)で用いるイミダゾール環を有し且つエポキシ
樹脂(C)の硬化剤として作用する化合物(D)として
は、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチ
ル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾー
ル、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ウン
デシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダ
ゾール、ビス(2−エチル−4−メチル−イミダゾー
ル)、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチ
ルイミダゾール、2−フェニル−4、5−ジヒドロキシ
メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−
4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチ
ルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミ
ダゾール、あるいはトリアジン付加型イミダゾール等が
挙げられる。また、これらをエポキシアダクト化したも
のや、マイクロカプセル化したものも使用できる。これ
らは単独で使用しても2種類以上を併用しても良い。
【0080】本発明において第2の好ましい金属接合接
着剤(I)に用いるエポキシ樹脂(C)の配合量は、金
属接合接着剤(I)全体に対して、好ましい下限の割合
が30wt%で、好ましい上限の割合が99wt%であ
り、前記下限値未満であると、十分な硬化物が得られな
くなる恐れがある。エポキシ樹脂(C)とその硬化剤と
して作用する化合物(D)以外の成分としては、金属接
合接着剤(I)に用いる樹脂に、シアネート樹脂、アク
リル酸樹脂、メタクリル酸樹脂、マレイミド樹脂等の熱
硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を配合しても良い。また、金
属接合接着剤(I)に用いる樹脂に、着色料や、硬化触
媒、無機充填材、各種のカップリング剤、溶媒などを添
加しても良い。
【0081】金属接合接着剤(I)の調製方法は、例え
ば、固形のフェノール性水酸基を有する樹脂(A)と固
形の硬化剤として作用する樹脂(B)を溶媒に溶解して
調製する方法、固形のフェノール性水酸基を有する樹脂
(A)を液状の硬化剤として作用する樹脂(B)に溶解
して調製する方法、固形の硬化剤として作用する樹脂
(B)を液状のフェノール性水酸基を有する樹脂(A)
に溶解して調製する方法、固形のエポキシ樹脂(C)を
溶媒に溶解した溶液に、イミダゾール環を有し且つエポ
キシ樹脂(C)の硬化剤として作用する化合物(D)を
分散もしくは溶解する方法、液状のエポキシ樹脂(C)
にイミダゾール環を有し且つエポキシ樹脂(C)の硬化
剤として作用する化合物(D)を分散もしくは溶解する
方法等が挙げられる。使用する溶媒としては、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン、トルエン、メシチレン、キシレン、ヘ
キサン、イソブタノール、n−ブタノール、1−メトキ
シ,2−プロパノールアセテート、ブチルセルソルブ、
エチルセルソルブ、メチルセルソルブ、セルソルブアセ
テート、乳酸エチル、酢酸エチル、フタル酸ジメチル、
フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、ジエチレングリ
コール、安息香酸−n−ブチル、N−メチルピロリド
ン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラ
ン、γ−ブチルラクトン、アニソール等が挙げられる。
好ましくは、沸点が200℃以下の溶媒である。
【0082】本発明に用いる層間絶縁材(II)には、熱
可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれでも使用できる。
熱可塑性樹脂としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリ
アミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミ
ド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサル
フィド、ポリキノリン、ポリノルボルネン、ポリベンゾ
オキサゾール、ポリベンゾイミダゾールなどが使用でき
る。熱硬化性樹脂としては、エポキシ、フェノール、ビ
スマレイミド、ビスマレイミド・トリアジン、トリアゾ
ール、シアネート、イソシアネート、ベンゾシクロブテ
ン、などが使用できる。これらの樹脂は単独で使用して
もよく、複数を混合して使用しても良い。さらに、シリ
カフィラー等の無機フィラー、レベリング剤、カップリ
ング剤、消泡剤、硬化触媒等を添加しても良い。
【0083】また、前記層間絶縁材(II)に熱硬化性樹
脂を使用する場合、金属接合接着剤(I)層を硬化させ
る時に、層間絶縁材(II)層も同時に硬化させることに
よって、金属接合接着剤(I)層と層間絶縁材(II)層
の界面の密着力が高く、信頼性が著しく向上する。
【0084】本発明に用いる好ましい層間絶縁材(II)
としては、前記熱硬化性樹脂の内、シアネート樹脂と、
熱可塑性樹脂とを必須成分としてなる絶縁材が挙げられ
る。シアネート樹脂は、接着性、成形性(低温加工
性)、耐熱性、高温下の信頼性、電気特性を有してお
り、熱可塑性樹脂は、靱性、可撓性、接着性に優れてお
り、両成分を必須成分とすることでバランスのとれた材
料になる。シアネート樹脂と熱可塑性樹脂との配合量と
しては、シアネート樹脂100重量部に対して、熱可塑
性樹脂が、好ましい下限が10重量部で、好ましい上限
が300重量部の範囲で有り、より好ましくは、熱可塑
性樹脂の配合量の下限が15重量部で、上限が200重
量部であり、更に好ましくは、下限が20重量部で、上
限が100重量部である。熱可塑性樹脂の配合量が前記
下限値より少ない場合は、層間絶縁材(II)の靱性、可
撓性がなくなる恐れがあり、前記上限値より多い場合、
成形性(低温加工性)が低下する恐れがある。
【0085】層間絶縁材(II)に用いるシアネート樹脂
は、シアネート基が60%以下の3量化率を有し、一般
式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化
合物、または、これらの化合物の郡から選択された少な
くとも一種以上であることが好ましい。シアネート基が
60%より多く3量化されたシアネート樹脂は、溶媒へ
の溶解性が悪くなる恐れがある。具体的には、ビスフェ
ノール−Aジシアネート、エチリデンビス−4,1−フ
ェニレンジシアネート、テトラオルトメチルビスフェノ
ール−Fジシアネート、フェノールノボラックポリシア
ネート、クレゾールノボラックポリシアネート、ジシク
ロペンタジエニルビスフェノールジシアネート、ヘキサ
フルオロビスフェノールAジシアネート等、及びこれら
のシアネート基を上記の範囲で3量化した樹脂である。
【0086】
【化1】 (式(1)中、R1〜R6はそれぞれ独立して水素原子、
メチル基、フルオロアルキル基、ハロゲン原子のいずれ
かを表す。)
【0087】
【化2】 (式(2)中、R1〜R3はそれぞれ独立して水素原子、
メチル基、フルオロアルキル基、ハロゲン原子を示し、
nは1〜6の整数を表す。)
【0088】さらに、本発明に用いる層間絶縁材(II)
は、より好ましくは、更に、金属アルキルアセトネート
を必須成分とすることが好ましく、更に、アルキルフェ
ノールを必須成分とすることが好ましい。金属アセチル
アセトネートとアルキルフェノールは、シアネート樹脂
の硬化触媒として作用する。そのため、より低温かつ短
時間の熱処理で層間絶縁材(II)の3量化率を5〜80
%に制御できる。また、金属アセチルアセトネートとア
ルキルフェノールを添加することで、確実にシアネート
樹脂のシアネート基が反応し、トリアジン環を形成し、
良好な硬化物を得ることができる。
【0089】層間絶縁材(II)に用いる金属アセチルア
セトネートは、中心金属原子に2以上のアセチルアセト
ネート配位子が結合した金属キレートである。好まし
い、配位性金属の例は、二価状態をとる銅、マンガン、
ニッケル、コバルト、鉛、亜鉛および錫、三価状態をと
るアルミニウム、鉄、コバルトおよびマンガン、ならび
に四価状態のチタンである。この金属は、硬化させるシ
アネート樹脂の全重量に基づいて約10〜10000p
pmの範囲で添加することが、好ましく、更に好ましい
金属の範囲は、約30〜600ppmである。
【0090】層間絶縁材(II)に用いるアルキルフェノ
ールは、金属アセチルアセトネート粉末を溶解して安定
な溶液を形成する。このようなアルキルフェノールは、
一般にフェノール基に対して、パラもしくはオルト位に
位置するアルキル置換基を1個もしくは2個含有し、ア
ルキル置換基の炭素数の合計は、1〜22の範囲内であ
る。このようなアルキルフェノールは、疎水性且つ低揮
発性であり、比較的毒性が低い。好ましいアルキルフェ
ノールは、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、o
−クレゾール、2−sec−ブチルフェノールおよび
2,6−ジノニルフェノールである。最も好ましいアル
キルフェノールは、ノニルフェノールである。アルキル
フェノールの配合量は、シアネート樹脂のシアネート基
1当量に対して、活性水素量が、2〜100ミリ当量が
好ましく、より好ましくは、5〜60ミリ当量である。
【0091】層間絶縁材(II)に用いる熱可塑性樹脂
は、ポリイミド樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂の少
なくとも一種以上からなることが好ましい。前記ポリイ
ミド樹脂は、溶媒可溶性ポリイミド樹脂が、より好まし
い。ポリイミド樹脂は、さらに、シリコン変性されてい
ることが好ましい。シリコン変性ポリイミド樹脂は、高
耐熱、剛直性のポリイミド樹脂をシロキサン骨格で変性
した樹脂であり、靱性、可撓性、接着性に優れる。ま
た、シリコン骨格を付与したことで、シアネート樹脂と
の相溶性も極めて良好でり、得られた層間絶縁材(II)
は、優れた靱性、可撓性を有する。また、ポリエーテル
スルフォン樹脂は、靱性、可撓性、接着性に加え難燃性
も付与できるため好ましい。また、層間絶縁材(II)
に、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、マレイミド系樹
脂、フッ素系樹脂、ブロモ系樹脂、シリコーン系樹脂な
どの樹脂を、1種または、複数種配合して用いても良
い。さらに、シリカフィラー等の無機フィラー、レベリ
ング剤、カップリング剤、消泡剤、硬化触媒等を添加し
ても良い。
【0092】本発明において、シアネート樹脂を用いる
場合、層間絶縁材(II)層は、半硬化状態において、5
〜80%が3量化したシアネート樹脂を含むことが好ま
しく、より好ましくは、シアネート樹脂の3量化率の上
限は、15%以上70%以下である。半硬化状態での3
量化率が5%より低い場合、ビア形成時に、レーザーを
用いる場合、その熱によりビア周辺の層間絶縁材(II)
層の表面が溶融し、ビア形状不良となる恐れがある。一
方、3量化率が80%より高い場合、レーザーによるビ
ア形成、電解めっきによる導体ポスト形成は問題ない
が、導体ポスト形成後の接着、および金属接合接着剤
(I)と一体硬化ができない恐れがある。
【0093】本発明に用いる層間絶縁材(II)の溶媒と
しては、ポリイミド樹脂を溶解可能であれば種類を選ば
ない。具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、N,−メチル−2−ピ
ロリドン、アニソール、1,4−ジオキサン、ガンマ−
ブチルラクトン、ジグライム、シクロヘキサノン等であ
る。また、これらの溶媒を一種類のみ用いても良いし、
2種類以上を混合して用いても良い。
【0094】
【実施例】以下、実施例により更に具体的に説明する
が、本発明はこれによって何ら限定されるものではな
い。
【0095】本発明の多層配線板のおよび多層配線板の
製造方法の有効性を確認するため、下記に示す実施例1
〜13の多層配線板を製造し、金属接合部の断面観察、
温度サイクル試験、絶縁信頼性試験を行い、評価結果を
まとめて表1に示した。
【0096】[実施例1]m,p−クレゾールノボラック
樹脂(日本化薬(株)製PAS−1、OH基当量120)
100gと、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(日本化
薬(株)製RE−404S、エポキシ当量165)140
gを、シクロヘキサノン60gに溶解し、硬化触媒とし
てトリフェニルフォスフィン(北興化学工業(株)製)
0.2gを添加し、金属接合接着剤(I)ワニスを作製し
た。
【0097】次いで、ビスフェノール−Aジシアネート
(旭チバ(株)製AroCyB30、3量化率30%)
100gとN−メチルピロリドン(NMP)に溶解した
ガラス転移温度Tgが250℃のシリコン変性ポリイミ
ドワニス(樹脂の割合20重量%)250gと、予めコ
バルト(III)アセチルアセトネート(和光純薬)0.
06gと4−ノニルフェノール(キシダ化学製)2gを
混合溶解した溶液を、混合撹拌し、層間絶縁材(II)ワ
ニスを作製した。
【0098】表面を粗化処理した150μm厚の圧延銅
板(金属板201)(古川電気工業製、EFTEC−6
4T:商品名)に、ドライフィルムレジスト(旭化成
製、AQ−2058:商品名)をロールラミネートし、
所定のネガフィルムを用いて露光・現像し、配線パター
ン204の形成に必要なめっきレジスト(めっきレジス
ト202)を形成した。次に、圧延銅板を電解めっき用
リードとして、ニッケル(レジスト金属203)を電解
めっきにより形成し、さらに電解銅めっきすることによ
り配線パターン(配線パターン204)を形成した。配
線パターンは、線幅/線間/厚み=20μm/20μm
/10μmとした。上記で得た層間絶縁材(II)ワニス
をポリエステル(PET)フィルムに塗布後、80℃で
10分、130℃で10分乾燥し、25μm厚の層間絶
縁材(II)層を形成した。PETフィルム付き層間絶縁
材(II)層を真空ラミネートにより配線パターンの凹凸
を埋め込みながら成形し、PETフィルムを剥離して、
25μm厚の層間絶縁材(II)層(層間絶縁材(II)層
205)を形成した。層間絶縁材(II)層を形成後、熱
処理し、シアネート樹脂の3量化率を50%に制御し
た。
【0099】次に、50μm径のビア(ビア206)
を、UV−YAGレーザーにより形成した。続いて、圧
延銅板を電解めっき用リードとして、電解銅めっきする
ことによりビアを銅で充填し、銅ポスト(導体ポスト2
07)を形成した。次に、圧延銅板を電解めっき用リー
ドとして、銅ポスト上にSn−Pb共晶半田(接合用金
属材料層208)を電解めっきにより形成した。次に、
バーコートにより、上記で得た金属接合接着剤(I)ワ
ニスを、層間絶縁材(II)層の表面、すなわちSn−P
b共晶半田が形成された面に塗布後、80℃で20分乾
燥し、10μm厚の金属接合接着剤(I)層(金属接合
接着剤(I)層209)を形成した。これまでの工程に
より、接続層(接続層210)を得ることができた。
【0100】一方、コア基板として、12μm厚の銅箔
が形成されたFR−5相当のガラスエポキシ樹脂銅張積
層板(住友ベークライト製)を用い、銅箔をエッチング
して配線パターンおよびパッド(被接合部212)を形
成し、被接続層(被接続層211)を得ることができ
た。次に、上述の工程により得られた接続層と、被接続
層に予め形成されている位置決めマークを、画像認識装
置により読み取り、両者を位置合わせし、100℃の温
度で仮圧着した。さらに、上述の位置合せ・仮圧着を再
度行い、被接続層の両面に接続層を仮圧着したものを得
ることができた。これを、プレスにより220℃の温度
で加熱加圧して、銅ポストが、金属接合接着剤(I)層
を貫通してパッドと半田接合し、被接続層の両面に接続
層を接着した。次に、220℃、2時間ポストキュア
し、金属接合接着剤(I)層と層間絶縁材(II)層を一
体硬化させた。次に、アンモニア系エッチング液を用い
て圧延銅板をエッチングして除去し、さらに半田・ニッ
ケル剥離剤(三菱ガス化学製・Pewtax:商品名)
を用いて、ニッケルをエッチングして除去した。最後
に、ソルダーレジスト(ソルダーレジスト215)を形
成し、多層配線板(多層配線板213)を得た。
【0101】得られた多層配線板は、温度サイクル試験
用に両面に各々60個の金属接合部が直列につながるよ
うに回路設計されている。また、該多層配線板には、絶
縁抵抗試験用に線幅/線間=20μm/20μmのくし
形配線パターンが同時に形成されている。
【0102】得られた多層配線板の金属接合部の断面
を、電子顕微鏡(SEM)により観察し、金属接合状態
を評価し、表1に示した。
【0103】得られた多層配線板の導通を確認した後、
−55℃で10分、125℃で10分を1サイクルとす
る温度サイクル試験を実施した。サンプル数は10個と
した。温度サイクル試験1000サイクル後の、断線不
良数の結果をまとめて表1に示した。
【0104】得られた多層配線板の初期絶縁抵抗を測定
した後、85℃/85%RHの雰囲気中で、直流電圧
5.5Vを印加し、1000時間経過後の絶縁抵抗を測
定した。測定時の印加電圧は100Vで1分とし、初期
絶縁抵抗および処理後絶縁抵抗をまとめて表1に示し
た。
【0105】[実施例2]実施例1において、層間絶縁材
(II)層形成後、熱処理して、シアネート樹脂の3量化
率を70%とした以外は、多層配線板の実施例1と同様
にして多層配線板を得、評価した。
【0106】[実施例3]実施例1において、層間絶縁材
(II)ワニスの作製で用いた、ビスフェノール−Aジシ
アネート(旭チバ(株)製AroCyB30、3量化率
30%)100gに変えて、フェノールノボラックポリ
シアネート(ロンザ(株)製PrimasetPT1
5、3量化率0%)80gを用い、層間絶縁材(II)層
形成後にシアネート樹脂を加熱処理して3量化率を10
%とした以外は、多層配線板の実施例1と同様にして多
層配線板を得、評価した。
【0107】[実施例4]実施例1において、金属接合接
着剤(I)ワニスの作製で用いた、m,p−クレゾール
ノボラック樹脂100gに代えて、ビスフェノールA型
ノボラック樹脂(大日本インキ化学工業(株)製LF47
81、OH当量120)100gを用いた以外は、多層
配線板の実施例1と同様にして多層配線板を得、評価し
た。
【0108】[実施例5]実施例1において、金属接合接
着剤(I)ワニスの作製に用いた、m,p−クレゾール
ノボラック樹脂100gに代えて、ポリビニルフェノー
ル樹脂(丸善石油化学(株)製マルカリンカ−M、OH当
量120)100gを用いた以外は、多層配線板の実施
例1と同様にして多層配線板を得、評価した。
【0109】[実施例6]ビスフェノールA型ノボラック
樹脂(住友デュレズ(株)製LF4871、OH当量12
0)120gと、ジアリルビスフェノールA型エポキシ
樹脂(日本化薬(株)製RE−810NM、エポキシ当量
220)35gと、ジシクロペンタジエン型ノボラック
エポキシ樹脂(日本化薬(株)製XD−1000L、エポ
キシ当量250)210gを、メチルエチルケトン10
0gに溶解し、金属接合接着剤(I)ワニスを作製した
以外は、多層配線板の実施例1と同様にして多層配線板
を得、評価した。
【0110】[実施例7]m,p−クレゾールノボラック
樹脂(日本化薬(株)製PAS−1、OH当量120)1
00gと、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(日本化薬
(株)製RE−404S、エポキシ当量165)140g
を、シクロヘキサノン60gに溶解し、金属接合接着剤
(I)ワニスを作製した以外は、多層配線板の実施例1
と同様にして多層配線板を得、評価した。
【0111】[実施例8]フェノールノボラック樹脂(住
友デュレズ(株)製PR−HF−3、OH当量106)1
06gと、ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂
(日本化薬(株)製RE−810NM、エポキシ当量22
0)35gと、ジシクロペンタジエン型ノボラックエポ
キシ樹脂(日本化薬(株)製XD−1000L、エポキシ
当量250)210gを、メチルエチルケトン100g
に溶解し、金属接合接着剤(I)ワニスを作製した以外
は、多層配線板の実施例1と同様にして多層配線板を
得、評価した。
【0112】[実施例9]フェノールノボラック樹脂(住
友デュレズ(株)製PR−53647、OH当量106)
106gと、ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂
(日本化薬(株)製RE−810NM、エポキシ当量22
0)35gと、ジシクロペンタジエン型ノボラックエポ
キシ樹脂(日本化薬(株)製XD−1000L、エポキシ
当量250)210gを、メチルエチルケトン100g
に溶解し、金属接合接着剤(I)ワニスを作製した以外
は、多層配線板の実施例1と同様にして多層配線板を
得、評価した。
【0113】[実施例10]フェノールノボラック樹脂
(住友デュレズ(株)製PR−51470、OH当量10
5)100gと、ジアリルビスフェノールA型エポキシ
樹脂(日本化薬(株)製RE−810NM、エポキシ当量
220)210gを、シクロヘキサノン80gに溶解
し、硬化触媒として2−フェニル−4,5−ジヒドロキ
シメチルイミダゾール(四国化成工業(株)製2PHZ
−PW)0.3gを添加し、金属接合接着剤ワニスを作
製した以外は、多層配線板の実施例1と同様にして多層
配線板を得、評価した。
【0114】[実施例11]ビスフェノールF型エポキシ
樹脂(日本化薬(株)製RE−404S、エポキシ当量1
65)30gと、クレゾールノボラックエポキシ樹脂
(EOCN−1020−65、日本化薬(株)製、エポキ
シ当量200)70gを、シクロヘキサノン60gに溶
解し、硬化剤として2−フェニル−4−メチル−5−ヒ
ドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業(株)製2
P4MHZ−PW、融点192℃〜197℃)1.5g
添加し、金属接合接着剤(I)ワニスを作製した以外
は、多層配線板の実施例1と同様にして多層配線板を
得、評価した。
【0115】[実施例12]実施例11に用いた、2−フ
ェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾー
ル1.5gに代えて、2−フェニル−4−メチル−5−
ヒドロキシメチルイミダゾール3gを用いた以外は、多
層配線板の実施例11と同様にして多層配線板を得、評
価した。
【0116】[実施例13]実施例11に用いた、2−フ
ェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾー
ル1.5gに代えて、2−フェニル−4−メチル−5−
ヒドロキシメチルイミダゾール5gを用いた以外は、多
層配線板の実施例11と同様にして多層配線板を得、評
価した。
【0117】
【表1】
【0118】表1に示した評価結果から分かるように、
本発明の多層配線板、および本発明の多層配線板の製造
方法により製造された多層配線板は、確実に金属接合で
き、温度サイクル試験では、断線不良の発生はなく、絶
縁抵抗試験でも絶縁抵抗が低下しなかった。よって、本
発明の多層配線板およびその製造方法の効果が明白であ
る。
【0119】
【発明の効果】本発明は、層間絶縁層を、金属表面の清
浄化機能を有し、且つ絶縁信頼性の高い金属接着剤
(I)層と、樹脂物性に優れ、信頼性が高い層間絶縁材
(II)層の2層構造とすることによって、確実に層間接
続ができ、しかも接合部以外の層間絶縁信頼性が高く、
且つ層間接着強度も高い多層配線板およびその製造方法
ならびに半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態による多層配線板の製
造方法を示す断面図である。
【図2】本発明の第二の実施形態による多層配線板の製
造方法を示す断面図である。
【図3】本発明の第二の実施形態による多層配線板の製
造方法を示す断面図である(図2の続き)。
【図4】本発明の第二の実施形態による多層配線板の製
造方法を示す断面図である(図3の続き)。
【図5】本発明の第三の実施形態による多層配線板の製
造方法を示す断面図である。
【図6】本発明の実施形態による多層配線板を使用して
製造した、半導体装置を示す断面図である。
【図7】本発明の第四の実施形態による多層配線板の製
造方法を示す断面図である。
【符号の説明】
101、205 層間絶縁材(II)層 102 導体箔 103、206 ビア 104、207 導体ポスト 105、208 接合用金属材料層 106,106a パッド 107、204 配線パターン 108、209、209’ 金属接合接着剤(I)層 109 絶縁層 110、210、210a、210b、210c、21
0d 接続層 111、211、211a 被接続層 112、213、212a 多層配線板 201 金属板 202 めっきレジスト 203 レジスト金属 212 被接合部 214a インナーパッド 214b アウターパッド 215 ソルダーレジスト 216 コア基板 301 半導体装置 302 半導体チップ 303 バンプ 304 アンダーフィル 305 半田ボール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 23/14 H01L 23/14 R (72)発明者 八月朔日 猛 東京都品川区東品川2丁目5番8号 住友 ベークライト株式会社内 Fターム(参考) 5E346 AA12 AA15 AA16 AA22 AA32 AA43 AA51 BB11 BB16 CC02 CC08 CC32 CC52 CC54 DD02 DD22 DD32 DD33 DD44 DD46 DD47 EE06 EE12 EE18 EE31 EE33 EE35 EE38 FF04 FF06 FF07 FF14 FF24 FF35 GG17 GG18 GG19 GG22 GG25 GG28 HH11 HH26 HH31

Claims (39)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 層間接続用の導体ポストと、該導体ポス
    トと接続するためのパッドを有する配線パターンと、該
    導体ポストと該パッドとを接合するための接合用金属材
    料層と、層間に存在する絶縁層とを具備した多層配線板
    であって、該絶縁層が金属接合接着剤(I)層と、層間
    絶縁材(II)層とからなる2層構造であり、かつ、層間
    接続が接合用金属材料層による金属接合であることを特
    徴とする多層配線板。
  2. 【請求項2】 絶縁層が金属接合接着剤(I)層と、半硬
    化状態の層間絶縁材(II)層とを一体硬化させた2層構
    造であることを特徴とする請求項1記載の多層配線板。
  3. 【請求項3】 接合用金属材料層が半田または電解めっ
    きにより形成された半田からなることを特徴とする請求
    項1または請求項2記載の多層配線板。
  4. 【請求項4】 導体ポストが銅からなることを特徴とす
    る請求項1〜請求項3のいずれかに記載の多層配線板。
  5. 【請求項5】 導体ポストが、接合用金属材料層と同じ
    材料からなることを特徴とする請求項1〜請求項3のい
    ずれかに記載の多層配線板。
  6. 【請求項6】 金属接合接着剤(I)が、少なくとも1
    つ以上のフェノール性水酸基を有する樹脂(A)と、そ
    の硬化剤として作用する樹脂(B)とを必須成分とする
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載
    の多層配線板。
  7. 【請求項7】 フェノール性水酸基を有する樹脂(A)
    が、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールノ
    ボラック樹脂、レゾール樹脂、クレゾールノボラック樹
    脂、及び、ポリビニルフェノール樹脂の群から選ばれ
    る、少なくとも1種であることを特徴とする、請求項6
    記載の多層配線板。
  8. 【請求項8】 フェノール性水酸基を有する樹脂(A)
    が、金属接合接着剤(I)中に、20wt%以上80w
    t%以下で含むことを特徴とする、請求項6または請求
    項7記載の多層配線板。
  9. 【請求項9】 金属接合接着剤(I)が、エポキシ樹脂
    (C)と、エポキシ樹脂(C)の硬化剤として作用する
    イミダゾール環を有する化合物(D)とを、必須成分と
    することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに
    記載の多層配線板。
  10. 【請求項10】 硬化剤として作用するイミダゾール環
    を有する化合物(D)が、金属接合接着剤(I)中に、
    1wt%以上10wt%以下で含むことを特徴とする、
    請求項9記載の多層配線板。
  11. 【請求項11】 層間絶縁材(II)が、シアネート樹脂
    と熱可塑性樹脂を必須成分とすることを特徴とする、請
    求項1〜請求項10のいずれかに記載の多層配線板。
  12. 【請求項12】 シアネート樹脂が、60%以下の3量
    化率を有することを特徴とする請求項11記載の多層配
    線板。
  13. 【請求項13】 層間絶縁材(II)が、更に、金属アル
    キルアセトネートを必須成分とすることを特徴とする、
    請求項11または請求項12記載の多層配線板。
  14. 【請求項14】 層間絶縁材(II)が、更に、アルキル
    フェノールを必須成分とすることを特徴とする、請求項
    13記載の多層配線板。
  15. 【請求項15】 熱可塑性樹脂が、ポリイミド樹脂、ポ
    リエーテルスルフォン樹脂の少なくとも一種以上からな
    る請求項11〜請求項14のいずれかに記載の多層配線
    板。
  16. 【請求項16】 層間絶縁材(II)層が、半硬化状態に
    おいて、5〜80%の3量化率を有するシアネート樹脂
    を含んでなる請求項11〜請求項15のいずれかに記載
    の多層配線板。
  17. 【請求項17】 導体ポストを形成する工程と、該導体
    ポストと接続するためのパッドを有する配線パターンを
    形成する工程と、該導体ポストと該パッドの少なくとも
    一方に接合用金属材料層を形成する工程と、金属接合接
    着剤(I)層を形成する工程と、層間絶縁材(II)層を形
    成する工程と、該導体ポストが、該金属接合接着剤
    (I)層を介して、該接合用金属材料層により該パッド
    と接合する工程と、加熱により金属接合接着剤(I)層
    を硬化させる工程と、を含んでなることを特徴とする多
    層配線板の製造方法。
  18. 【請求項18】 層間絶縁材(II)層を形成する工程に
    おいて、半硬化状態の層間絶縁材(II)層を形成し、加
    熱により金属接合接着剤(I)層を硬化させる工程にお
    いて、金属接合接着剤(I)層と、半硬化状態の層間絶縁
    材(II)層とを一体硬化させることを特徴とする請求項
    17記載の多層配線板の製造方法。
  19. 【請求項19】 金属板を電解めっき用リードとして、
    配線パターンを電解めっきにより形成する工程と、該配
    線パターン上に半硬化状態の層間絶縁材(II)層を形成
    する工程と、配線パターンの一部が露出するように半硬
    化状態の層間絶縁材(II)層にビアを形成する工程と、
    金属板を電解めっき用リードとして、導体ポストを電解
    めっきにより形成する工程と、該導体ポストの表面また
    は導体ポストと対向している被接合部の表面の少なくと
    も一方に接合用金属材料層を形成する工程と、半硬化状
    態の層間絶縁材(II)層の表面または被接続層の表面の
    少なくとも一方に金属接合接着剤(I)層を形成する工
    程と、該金属接合接着剤(I)層を介して対向している
    導体ポストと被接合部とを、接合用金属材料層により接
    合し、かつ、半硬化状態の層間絶縁材(II)層と被接続
    層とを金属接合接着剤(I)層により接着する工程と、
    層間絶縁材(II)層と金属接合接着剤(I)層を一体硬
    化する工程と、該金属板をエッチングにより除去する工
    程と、を含んでなることを特徴とする多層配線板の製造
    方法。
  20. 【請求項20】 該層間絶縁材(II)層の表面または被
    接続層の表面の少なくとも一方に金属接合接着剤(I)
    層を形成する工程において、金属接合接着剤(I)層を
    部分的に形成することを特徴とする請求項19記載の多
    層配線板の製造方法。
  21. 【請求項21】 金属板を電解めっき用リードとして、
    該金属板上に電解めっきにより配線パターンを形成する
    工程と、該配線パターン上に半硬化状態の層間絶縁材
    (II)層を形成する工程と、該層間絶縁材(II)層に配
    線パターンの一部が露出するようにビアを形成する工程
    と、該金属板を電解めっき用リードとして、電解めっき
    により導体ポストを形成する工程と、該導体ポストの表
    面に接合用金属材料層を形成する工程と、該接合用金属
    材料層を覆うように、該層間絶縁材(II)層の表面に金
    属接合接着剤(I)層を形成する工程と、該金属板をエ
    ッチングして除去し接続層を形成する工程と、該接続層
    を被接続層上に複数層重ね合せた後、一括して加熱・加
    圧して、該金属接合接着剤(I)層を介して対向してい
    る導体ポストと被接合部とを、接合用金属材料層により
    接合し、かつ、半硬化状態の層間絶縁材(II)層と被接
    続層とを金属接合接着剤(I)層により接着する工程
    と、層間絶縁材(II)層と金属接合接着剤(I)層を一
    体硬化する工程と、を含んでなることを特徴とする多層
    配線板の製造方法。
  22. 【請求項22】 該層間絶縁材(I)層の表面に金属接
    合接着剤(I)層を形成する工程において、金属接合接
    着剤(I)層を部分的に表面に形成することを特徴とす
    る請求項21記載の多層配線板の製造方法。
  23. 【請求項23】 金属板を電解めっき用リードとして、
    該金属板と該配線パターンとの間に、電解めっきにより
    レジスト金属層を形成する工程を含んでなることを特徴
    とする請求項19〜請求項22のいずれかに記載の多層
    配線板の製造方法。
  24. 【請求項24】 接合用金属材料層が、半田または電解
    めっきにより形成された半田からなることを特徴とする
    請求項17〜請求項23のいずれかに記載の多層配線板
    の製造方法。
  25. 【請求項25】 導体ポストが、銅からなることを特徴
    とする、請求項17〜請求項24のいずれかに記載の多
    層配線板の製造方法。
  26. 【請求項26】 導体ポストが、接合用金属材料層と同
    じ材料からなることを特徴とする請求項17〜請求項2
    4のいずれかに記載の多層配線板。
  27. 【請求項27】 金属接合接着剤(I)が、少なくとも
    1つ以上のフェノール性水酸基を有する樹脂(A)と、
    その硬化剤として作用する樹脂(B)とを必須成分とす
    ることを特徴とする請求項17〜請求項26のいずれか
    に記載の多層配線板の製造方法。
  28. 【請求項28】 フェノール性水酸基を有する樹脂
    (A)が、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノ
    ールノボラック樹脂、レゾール樹脂、クレゾールノボラ
    ック樹脂、及び、ポリビニルフェノール樹脂の群から選
    ばれる、少なくとも1種であることを特徴とする、請求
    項27記載の多層配線板の製造方法。
  29. 【請求項29】 フェノール性水酸基を有する樹脂
    (A)が、金属接合接着剤(I)中に、20wt%以上
    80wt%以下で含むことを特徴とする、請求項27ま
    たは請求項28記載の多層配線板の製造方法。
  30. 【請求項30】 金属接合接着剤(I)が、エポキシ樹
    脂(C)と、エポキシ樹脂(C)の硬化剤として作用す
    るイミダゾール環を有する化合物(D)とを、必須成分
    とすることを特徴とする請求項17〜請求項26のいず
    れかに記載の多層配線板の製造方法。
  31. 【請求項31】 硬化剤として作用するイミダゾール環
    を有する化合物(D)が、金属接合接着剤(I)中に、
    1wt%以上10wt%以下で含むことを特徴とする、
    請求項30記載の多層配線板の製造方法。
  32. 【請求項32】 層間絶縁材(II)層が、シアネート樹
    脂と熱可塑性樹脂を必須成分とすることを特徴とする、
    請求項17〜請求項31のいずれかに記載の多層配線板
    の製造方法。
  33. 【請求項33】 シアネート樹脂が、60%以下の3量
    化率を有することを特徴とする請求項32記載の多層配
    線板。
  34. 【請求項34】 層間絶縁材(II)が、更に、金属アル
    キルアセトネートを必須成分とすることを特徴とする、
    請求項32または請求項33記載の多層配線板の製造方
    法。
  35. 【請求項35】 層間絶縁材(II)が、更に、アルキル
    フェノールを必須成分とすることを特徴とする、請求項
    34記載の多層配線板の製造方法。
  36. 【請求項36】 熱可塑性樹脂が、ポリイミド樹脂、ポ
    リエーテルスルフォン樹脂の少なくとも一種以上からな
    る請求項32〜請求項35のいずれかに記載の多層配線
    板の製造方法。
  37. 【請求項37】 層間絶縁材(II)が、半硬化状態にお
    いて、5〜80%の3量化率を有するシアネート樹脂を
    含んでなる請求項32〜請求項36のいずれかに記載の
    多層配線板。
  38. 【請求項38】 請求項17〜請求項37のいずれかに
    記載の製造方法により得られたことを特徴とする多層配
    線板。
  39. 【請求項39】 請求項38または、請求項1〜請求項
    16のいずれかに記載の多層配線板を用いたことを特徴
    とする半導体装置。
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