JPH09324060A - プリプレグおよびその製造方法、並びにそれを使用するプリント回路用基材およびプリント回路用積層板 - Google Patents
プリプレグおよびその製造方法、並びにそれを使用するプリント回路用基材およびプリント回路用積層板Info
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- JPH09324060A JPH09324060A JP8256033A JP25603396A JPH09324060A JP H09324060 A JPH09324060 A JP H09324060A JP 8256033 A JP8256033 A JP 8256033A JP 25603396 A JP25603396 A JP 25603396A JP H09324060 A JPH09324060 A JP H09324060A
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Abstract
性樹脂および/または熱硬化性樹脂を含浸してなるプリ
プレグ、並びに該プリプレグを使用したプリント回路用
基材および積層板。 【解決手段】 パラ配向芳香族ポリアミドを1〜10重
量%、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩化物を1
〜10重量%を含む溶液から膜状物を形成する。該膜状
物を20℃以上又は−5℃以下の温度に保持し、膜状物
からパラ配向芳香族ポリアミドを析出させる。前記工程
で得られた膜状物を水系溶液又はアルコール系溶液に浸
漬し、溶媒と塩化物を溶出させ、次いで乾燥させパラア
ラミド多孔質フィルムを得る。熱可塑性樹脂および/ま
たは熱硬化性樹脂を含浸させてプリプレグを製造する。
Description
製造方法、並びにそれを使用する回路用基材および回路
用積層板に関する。詳しくは、多孔質パラ配向芳香族ポ
リアミドフィルムに熱可塑性樹脂および/または熱硬化
性樹脂を含浸してなるプリプレグ、その製造方法並びに
かかるプリプレグを使用する用途としてのプリント回路
用基材および積層板に関するものである。
ための高速信号処理化、デジタル化への要求が一層高ま
っている。芳香族ポリアミド(以下、アラミドというこ
とがある。)の不織布を基体とした積層板は、低誘電
率、軽量、低熱線膨張率という特徴を有しており、かか
る分野での用途開発が進められている。
明細書には、メタ配向芳香族ポリアミド(以下、メタア
ラミドということがある。)からなるフィブリルとパラ
配向芳香族ポリアミド(以下、パラアラミドということ
がある。)・フロックとからなる不織布が、低熱線膨張
率を有する積層板の基体として有用であると記載されて
いる。また、特開平5−327148号公報には、パラ
アラミド繊維を50%以上含有するクロス、紙、不織布
を基体とすることで、面方向の熱線膨張係数を低減でき
ることが記載されている。しかし、不織布の場合には、
製法上の特質として均質な物が得られにくいという欠点
があり、改善が望まれていた。
使用されるマトリックス樹脂としては、ガラスエポキシ
基板のように熱硬化性樹脂を用いたものが従来より主体
であったが、特開平6−252555号公報記載のよう
にマトリックス樹脂として熱可塑性樹脂を使用すること
が提案されている。該公報には、繊維織物の芯材に熱可
塑性樹脂を含浸被覆させた複合体を多層積層板として使
用するときの改良構造が記載されている。また、熱可塑
性樹脂と熱硬化性樹脂とを所定の割合で配合したマトリ
ックス樹脂についても、例えば特開平57−16545
1号公報、米国特許第3,530,087号明細書に記
載されている。前者では、シアン酸エステル系樹脂組成
物とポリエーテルスルフォンとからなる組成物が、後者
では、エポキシ系樹脂とポリエーテルスルフォンとから
なる組成物が明示されている。
の電子機器の小型軽量化に伴い、従来の積層板を使用し
ないで回路基板を製造するという新しい方法が実用化さ
れてきている。例えば、特開平7−147464号公報
には、耐熱性合成繊維製不織布に未硬化状態の熱硬化性
樹脂を含浸させたプリプレグから連続的に、高密度な配
線を有する回路基板を製造する方法が記載されている。
この様な製造方式の革新に伴い、積層板メーカーで実施
されているような煩雑な製造工程が不必要となれば、大
幅な合理化が期待できる。そのためには、地合が均一で
軽量であり、熱線膨張率が低く、機械的強度が良好なプ
リプレグの出現が期待されている。
本発明の課題は、地合が均一で軽量であり、熱線膨張率
が低く、機械的強度が良好な多孔質パラ配向芳香族ポリ
アミドフィルムに熱可塑性樹脂および/または熱硬化性
樹脂(以下、単に樹脂ということがある。)を含浸して
なるプリプレグを提供することにある。また、本発明
は、かかるプリプレグの製法を提供することにある。更
に、本発明はかかるプリプレグを使用したプリント回路
用基材および積層板を提供することにある。
解決の為に鋭意研究し本発明に到達した。即ち、本発明
は、先ず、多孔質パラ配向芳香族ポリアミドフィルムに
熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂を含浸してな
るプリプレグに係るものである。即ち、本発明は、多孔
質パラ配向芳香族ポリアミドフィルムに熱可塑性樹脂又
は熱硬化性樹脂を含浸してなるプリプレグ、及び多孔質
パラ配向芳香族ポリアミドフィルムに熱可塑性樹脂及び
熱硬化性樹脂を含浸してなるプリプレグに係るものであ
る。
以下のフィブリルから構成され、フィブリルが網目状ま
たは不織布状に平面に配置されかつ層状に重なっている
構造を有し、さらに該フィルムの200〜300℃での
熱線膨張係数が±50×10 -6/℃以内であり、空隙率
が30〜95%である多孔質パラ配向芳香族ポリアミド
フィルムを使用するプリプレグに係るものである。
程を有する、多孔質パラ配向芳香族ポリアミドフィルム
に熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂を含浸して
なるプリプレグの製造方法に係るものである。 (a)極性アミド系溶媒又は極性尿素系溶媒中に、固有
粘度が1.0〜2.8dl/gであるパラ配向芳香族ポ
リアミドを1〜10重量%、アルカリ金属又はアルカリ
土類金属の塩化物を1〜10重量%を含む溶液から膜状
物を形成する工程。 (b)該膜状物を20℃以上又は−5℃以下の温度に保
持し、膜状物からパラ配向芳香族ポリアミドを析出させ
る工程。 (c)工程(b)で得られた膜状物を水系溶液又はアル
コール系溶液に浸漬し、溶媒とアルカリ金属又はアルカ
リ土類金属の塩化物を溶出させ、次いで乾燥させ多孔質
パラ配向性ポリアミドフィルムを得る工程。 (d)工程(c)で得られた多孔質フィルムを基体とし
て、熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂を含浸さ
せてプリプレグを製造する工程。
プリント回路用基材に係るものである。また本発明は、
上記プリント回路用基材からなる絶縁層と金属箔とから
なる導電層を有するプリント回路用積層板に係るもので
ある。
する。本発明においてパラ配向芳香族ポリアミドとは、
パラ配向芳香族ジアミンとパラ配向芳香族ジカルボン酸
ハライドの縮合重合により得られるものであり、アミド
結合が芳香族環のパラ位又はそれに準じた配向位(例え
ば、4,4’−ビフェニレン、1,5−ナフタレン、
2、6−ナフタレン等のような反対方向に同軸又は平行
に延びる配向位)で結合される繰り返し単位から実質的
になるものである。
タルアミド)、ポリ(パラベンズアミド)、ポリ(4、
4’−ベンズアニリドテレフタルアミド)、ポリ(パラ
フェニレン−4、4’−ビフェニレンジカルボン酸アミ
ド)、ポリ(パラフェニレン−2、6−ナフタレンジカ
ルボン酸アミド)、ポリ(2−クロロ−パラフェニレン
テレフタルアミド)、パラフェニレンジアミン/2、6
−ジクロロパラフェニレンジアミン/テレフタル酸ジク
ロライドからなる共重合体等のパラ配向型又はパラ配向
型に準じた構造を有するパラアラミドが例示される。
ミドフィルム(以下、多孔質フィルムということもあ
る。)とは、上記パラ配向芳香族ポリアミドから得られ
た多孔質のフィルムであり、該フィルムはパラアラミド
のフィブリルからなり、微視的に見ると不織布状の形態
を有している。即ち、本発明の多孔質フィルムは、パラ
アラミドからなる径が1μm以下のフィブリルが網目状
または不織布状に平面に配置され、かつ層状に重なって
いる構造を有する。ここで、平面に配置されたとは、フ
ィブリルがフィルム面に平行に配置されていることをい
う。また、本発明にいう多孔質フィルムは、フィブリル
から構成され、多くの空隙を有しており、その空隙率が
30〜95%、好ましくは35〜90%のものである。
空隙率が30%未満では、実質的に多孔質とはいえず、
熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂を溶剤に溶解
したワニスの含浸量が不十分となる。一方、95%を越
えると多孔質フィルムの強度が不足して取扱いが困難と
なる。また、本発明の多孔質フィルムは、200〜30
0℃での熱線膨張係数(平面方向)が±50×10-6/
℃以内、好ましくは、±25×10-6/℃以内である。
この熱線膨張係数が小さいことは、平面方向の寸法安定
性が良いことを示している。
ド紙の場合は、その列断長度が5〜12kmである。一
方、従来知られているパラアラミド紙の場合には、メタ
アラミド紙のようにフィブリル間での膠着が得られない
ので、その列断長度は約0.1km程度であり実用的で
はない。本発明における多孔質フィルムはパラアラミド
からなり、形態的には径が1M以下、通常は約1μm以
下のパラアラミドのフィブリルから構成されており、微
視的には不織布状であるにもかかわらず、メタアラミド
紙と同等以上の列断長度を有するという優れた特徴を有
する。
は、熱可塑性を有する樹脂であれば特に限定されない
が、融点が150℃以上の熱可塑性樹脂が好ましい。本
発明に係るプリプレグの主用途と考えられるプリント回
路用積層板を目的とした場合には電子回路を形成する材
料との接着性が充分であるものが好ましい。かかる熱可
塑性樹脂としては、ポリエーテルスルフォン、ポリスル
フォン、ポリエーテルイミド、ポリスルフィドスルフォ
ン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミドイミ
ド、ポリエーテルケトンから選ばれる少なくとも一種の
熱可塑性樹脂を例示することができる。これらは、単独
又は適宜組み合わせて使用することができる。
しては、特に限定されないが、エポキシ樹脂、ビスマレ
イミド−トリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、ジアリルフ
タレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シアネート樹
脂、アリール変成ポリフェニレンエーテル樹脂から選ば
れる少なくとも一種の熱硬化性樹脂を例示することがで
きる。これらは、単独又は適宜組み合わせて使用するこ
とができる。
単に樹脂ということがある。)の添加量はパラアラミド
に対し、樹脂/パラアラミド比(重量比)として1/9
〜7/3、好ましくは2/8〜6/4である。樹脂が1
/9重量比未満であると、パラアラミドからなる多孔質
フィルムの空孔を樹脂で十分に埋めることができない。
また7/3重量比を越えると、プリプレグの熱線膨張係
数が大きくなり積層板として不適となる。
樹脂と熱硬化性樹脂をそれぞれ単独に使用することがで
きるが、これらを組成物として同時にあるいはプリプレ
グの製造工程で別々に使用することも可能である。後述
のように、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂をそれぞれ単独
に使用する場合に比べ、これらを両方使用したほうが、
硬化物の靱性に優れ、またB−ステージの柔軟性の点よ
り好ましい。
添加量は、上記樹脂の場合と同様に、パラアラミドに対
し、組成物/パラアラミド比(重量比)として1/9〜
7/3、好ましくは2/8〜6/4である。組成物が1
/9重量比未満であると、パラアラミドからなる多孔質
フィルムの空隙を組成物で十分に埋めることができな
い。また7/3重量比を越えると、プリプレグの熱線膨
張係数が大きくなり積層板として不適となる。尚、熱可
塑性樹脂と熱硬化性樹脂と配合割合は、後述のように一
般的には、熱可塑性樹脂/熱硬化性樹脂の重量比は7/
3〜3/7の範囲である。
アラミドフィルムからなる多孔質フィルムに熱可塑性樹
脂および/または熱硬化性樹脂が含浸された形態であ
る。さらに詳しくは、パラアラミドからなる径が1μm
以下のフィブリルが網目状または不織布状に平面に配置
され、かつ層状に重なっている構造を有し、フィブリル
がフィルム面に平行に配置されている多孔質フィルムに
おいて、空隙が樹脂で埋められた、すなわち含浸された
形態である。この様に、本発明でいうプレプリグの形態
は、不織布状の多孔質フィルムに樹脂が含浸されたもの
であるので、プリプレグの熱線膨張係数においてはパラ
アラミド多孔質フィルムの熱線膨張係数が支配的とな
る。この結果、本発明のプリプレグを硬化したシートの
200〜300℃での熱線膨張係数(平面方向)は、±
70×10-6/℃以内、好ましくは、±35×10-6/
℃以内となる。この様に熱線膨張係数が小さいことは、
平面方向の寸法安定性が良いことを示しており、プリン
ト回路用積層板として最適の性質である。
からなる組成物を加熱硬化したシートの形態としては、
熱可塑性樹脂が海部で熱硬化性樹脂が島部となっている
状態が好ましい。この形態の硬化物は靭性に優れるとい
う特徴をを有する。また、通常プリプレグは部分硬化状
態(ゲル状態または通称B−ステージ状態)でプリント
回路基板としての加工が施される。熱硬化性樹脂の場合
には、このB−ステージ状態では強度が十分発現されず
脆いが、本発明の組成物ではB−ステージでも柔軟性が
あるので、プリント回路基板を製造する工程で取り扱い
が容易となる利点を有する。
は、硬化物が上記の形態をとるような割合であることが
好ましい。この配合割合は熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂
それぞれの種類と組み合わせに依存するので、一概には
数値限定しにくい。一般的には、熱可塑性樹脂/熱硬化
性樹脂の重量比は7/3〜3/7の範囲が一応の目安と
なる。重量比が7/3を越えると熱可塑性樹脂のみをマ
トッリクスとする系と差がなくなり、熱硬化性樹脂を使
用する意味がなくなる。また、熱硬化性樹脂を使用する
利点としては、プリント回路基板の導電層である銅泊と
プリプレグの接着力の向上があるが、この効果が減少す
る。重量比が3/7より小さいと海部が熱硬化性樹脂と
なり、硬化物での靭性とB−ステージでの柔軟性が得ら
れない。
みを薄くして薄葉化が可能である。しかし、フィルム厚
みが10μm未満では皺ができやすく取り扱いが難し
い。具体的には、パラアラミドフィルムの厚みとして1
0〜150μmが好ましい。さらに、好ましくは30〜
100μmである。特に上限は規定しないが、150μ
mを越えると積層板において重要な軽くて薄いという特
徴が失われる。
を詳しく説明する。これらは、単なる例示であり本願発
明を何ら制限するものではない。本発明のプリプレグの
製造方法の代表例としては下記の(a)〜(d)の工程
が挙げられる。 (a)極性アミド系溶媒又は極性尿素系溶媒中に、固有
粘度が1.0〜2.8dl/gであるパラ配向芳香族ポ
リアミドを1〜10重量%、アルカリ金属又はアルカリ
土類金属の塩化物を1〜10重量%を含む溶液から膜状
物を形成する工程。 (b)該膜状物を20℃以上又は−5℃以下の温度に保
持し、膜状物からパラ配向芳香族ポリアミドを析出させ
る工程。 (c)工程(b)で得られた膜状物を水系溶液又はアル
コール系溶液に浸漬し、溶媒とアルカリ金属又はアルカ
リ土類金属の塩化物を溶出させ、次いで乾燥させ多孔質
パラ配向芳香族ポリアミドフィルムを得る工程。 (d)工程(c)で得られた多孔質フィルムを基体とし
て、熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂を含浸さ
せてプリプレグを製造する工程。
は、例えば、以下に記すような操作により好適に製造で
きる。すなわち、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の
塩化物を1〜10重量%溶解した極性アミド系溶媒又は
極性尿素系溶媒中で、パラ配向芳香族ジアミン1.0モ
ルに対して、パラ配向芳香族ジカルボン酸ハライド0.
94〜0.99モルを添加して、温度−20℃〜50℃
で縮合重合して、パラアラミド濃度が1〜10重量%で
あるパラアラミド溶液を製造する。
ルカリ土類金属の塩化物の量は、1〜10重量%、より
好ましくは2〜8重量%である。一般には、アルカリ金
属又はアルカリ土類金属の塩化物が1重量%未満では、
パラアラミドの溶解性が不十分であり、10重量%を越
えてはアルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩化物は極
性アミド系溶媒又は極性尿素系溶媒に溶解しない。より
正確には、パラアラミド溶液中のアルカリ金属又はアル
カリ土類金属の塩化物の量は、パラアラミド量(パラア
ラミド中のアミド基)に対して範囲が決められる。即
ち、上記塩化物の重合系への添加量は縮合重合で生成す
るアミド基1.0モル当たり0.5〜6.0モルの範囲
が好ましく、1.0〜4.0モルの範囲がより好まし
い。塩化物が0.5モル未満では生成するパラアラミド
の溶解性が不十分となる。6.0モルを越えると実質的
に塩化物の溶媒への溶解量を越えるので好ましくない。
1〜10重量%、より好ましくは2〜8重量%である。
パラアラミド濃度が1重量%未満では、生産性が著しく
低下し工業的に不利となる。パラアラミドが10重量%
を越えるとパラアラミドが析出し安定なパラアラミド溶
液とならない。
(本発明において固有粘度とは、後に定義するものをい
う。)で表して、1.0〜2.8dl/g、好ましくは
1.5〜2.6dl/gの値を示すパラアラミドをい
う。固有粘度が1.0dl/g未満では十分なフィルム
強度が得られない。固有粘度が2.8dl/gを越える
と安定なパラアラミド溶液となりにくく、パラアラミド
が析出しフィルム化が困難となる。
合に用いられるパラ配向芳香族ジアミンを例示すると、
パラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノビフェニ
ル、2−メチル−パラフェニレンジアミン、2−クロロ
−パラフェニレンジアミン、2,6−ジクロロ−パラフ
ェニレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、1,
5−ナフタレンジアミン、4,4’−ジアミノベンズア
ニリド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル等を挙
げることができる。パラ配向芳香族ジアミンは1種又は
2種を混合して縮合重合に供することができる。
合に用いられるパラ配向芳香族ジカルボン酸ハライドを
例示すると、テレフタル酸ジクロライド、ビフェニル−
4,4’−ジカルボン酸クロライド、2−クロロテレフ
タル酸ジクロライド、2,5−ジクロロテレフタル酸ジ
クロライド、2−メチルテレフタル酸ジクロライド、
2,6−ナフタレンジカルボン酸クロライド、1,5−
ナフタレンジカルボン酸クロライド等を挙げることがで
きる。パラ配向芳香族ジカルボン酸ハライドは1種又は
2種を混合して縮合重合に供することができる。
合は、極性アミド系溶媒又は極性尿素系溶媒において行
われる。これらの溶媒の例としては、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メ
チル−2−ピロリドン、又はN,N,N’,N’−テト
ラメチルウレアが挙げられ、特に好ましくはN−メチル
−2−ピロリドンであるが、これらに限定されるもので
はない。
への溶解性を改善する目的で、アルカリ金属又はアルカ
リ土類金属の塩化物が好適に使用される。具体例として
は、塩化リチウム又は塩化カルシウムが挙げられるが、
これらに限定されるものではない。
く縮合重合で生成するアミド基1.0モル当たり0.5
〜6.0モルの範囲が好ましく、1.0〜4.0モルの
範囲がより好ましい。
する方法は特に限定されない。例えば、ガラス板等の基
板の上に該溶液を流延して膜状物を形成することができ
る。また、バーコーターによりガラス板等の基板の上に
該溶液を目的とする厚みになるよう制御して膜状に形成
することもできる。
アラミド溶液から膜状物を形成した後、凝固する前に、
パラアラミドを析出させる。本発明の方法は、パラアラ
ミド溶液を膜状に形成した後、凝固する前に、パラアラ
ミドを析出させることにより、多孔質フィルムを製造す
るところに優れた特徴を有する。即ち、20℃以上また
は−5℃以下の温度にて一定時間保持する方法である。
(以下、それぞれ高温析出法および低温析出法と呼ぶこ
とがある。)。この方法によると、最終的に得られる多
孔質フィルムが厚み方向に均一な構造を有するものとす
ることができる。最終的に得られる多孔質フィルムの空
隙率、フィブリルの径などの形態因子は、該析出温度お
よび保持時間によっても制御することができる。
いて得られた膜状物を凝固液に浸漬して直接多孔質パラ
アラミドを凝固・析出させることができる(凝固析出法
ということがある。)。使用できる凝固液は、パラアラ
ミドを溶解しない溶媒で、極性アミド系溶媒または極性
尿素系溶媒と相溶するものである。具体的には水やメタ
ノールのような水系溶液またはアルコール系溶液が使用
される。但し、凝固析出法の場合には、厚み方向の均一
性が高温析出法や低温析出法に比し劣る。
本高温析出法にて多孔質のフィルムを作製するために
は、パラアラミド溶液を20℃以上の温度、好ましくは
30℃以上の温度で所定時間保持し、パラアラミドを析
出させる。パラアラミドの析出が始まる時間はパラアラ
ミド溶液の組成(塩化物量、パラアラミド濃度、水分量
など)および保持する温度に依存するので必ずしも限定
されない。 例えば、パラアラミド濃度が6重量%で、
塩化カルシウム量がアミド基に対し等モルのときには、
パラアラミド溶液は、20℃では1週間以上安定で析出
が起こらないが、60℃では約5分間でパラアラミドが
析出する。また、パラアラミド濃度が6重量%で、塩化
カルシウム量がアミド基1モルに対し0.7モルのとき
には、20℃では約半日後、30℃では約1時間後には
パラアラミドが析出する。尚、析出時間を更に早める為
には、析出温度に加え湿度をコントロールすることが好
ましい。この場合、湿度は相対湿度で40〜100%が
特に好適に使用される。
ラミドの析出が始まる時間は短かくてよいが、多孔質フ
ィルムの空隙率、フィブリルの径などの形態因子は析出
させる温度にも依存するので、析出させる温度は目的に
応じて総合的に判断して決められる。
温析出法にて多孔質のフィルムを作製するためには、パ
ラアラミド溶液を−5℃以下の温度、好ましくは−10
℃以下の温度で所定時間保持し、パラアラミドを析出さ
せてフィルムにする。パラアラミドの析出が始まる時間
はパラアラミド溶液の組成(塩化物量、パラアラミド濃
度、水分量など)および保持する温度に依存するので必
ずしも限定されない。 例えば、パラアラミド濃度が6
重量%で、塩化カルシウム量がアミド基に対し等モルの
ときには、パラアラミド溶液は、−5℃では1週間以上
安定で析出が起こらないが、−20℃では約30分間で
パラアラミドが析出する。また、パラアラミド濃度が6
重量%で、塩化カルシウム量がアミド基1モルに対し
0.7モルのときには、−5℃では約半日後、−10℃
では約1時間後にはパラアラミドが析出する。
ラミドの析出が始まる時間は短かくてよいが、多孔質フ
ィルムの空隙率、フィブリルの径などの形態因子は析出
させる温度にも依存するので、析出させる温度は目的に
応じて総合的に判断して決められる。
状物より、溶媒とアルカリ金属またはアルカリ土類金属
の塩化物を除去する。除去方法には、例えば、膜状物を
溶液に浸漬して溶媒と塩化物を溶出させる方法がある。
膜状物から溶媒を蒸発で除いた場合には、再度水などの
溶液に浸漬して塩化物を溶出させる方法などを採用する
こともできる。溶媒または塩化物を溶出させるときの溶
液としては、水系溶液またはアルコール系溶液が溶媒と
塩化物を共に溶解できるので好ましい。水系溶液として
は、水を用いてもよい。溶媒と塩化物が除去された膜状
物は、ついで乾燥され目的とする多孔質フィルムが製造
される。乾燥方法は特に限定されず、公知の種々の方法
を用いることができる。尚、本発明において膜状物と
は、最終生成物である多孔質フィルムになる前の中間の
形態をいう。
脂および/または熱硬化性樹脂を含浸させる方法は特に
限定されず、従来知られている紙またはガラスクロスへ
熱硬化性樹脂を含浸させる方法などを適用することがで
きる。例えば、本発明の熱可塑性樹脂および熱硬化性樹
脂からなる組成物を溶剤に溶解したワニスを調製し、該
多孔質フィルムに塗布して含浸させた後、溶剤を蒸発さ
せてプリプレグを製造することができる。
するプリプレグまたは熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂を使
用するプリプレグにおいては熱可塑性樹脂の全部又は一
部を上記工程(a)で添加することもできる。即ち、次
の工程(a’)〜(d’)の工程によりプリプレグを得
ることができる。 (a’)極性アミド系溶媒又は極性尿素系溶媒中に、固
有粘度が1.0〜2.8dl/gであるパラ配向芳香族
ポリアミドを1〜10重量%、アルカリ金属又はアルカ
リ土類金属の塩化物を1〜10重量%、及び熱可塑性樹
脂を熱可塑性樹脂/パラ配向芳香族ポリアミド比(重量
比)として1/9〜7/3含む溶液から膜状物を形成す
る工程。 (b’)該膜状物を20℃以上又は−5℃以下の温度に
保持して、膜状物から主としてパラ配向芳香族ポリアミ
ドを析出させ、熱可塑性樹脂を含む溶液で膨潤した多孔
質パラ配向芳香族ポリアミドの膜状物を得る工程。 (c’)該多孔質パラ配向芳香族ポリアミドの膜状物を
水系溶液又はアルコール系溶液に浸漬、凝固して、多孔
質の膜状物の内部に熱可塑性樹脂を析出させた膜状物を
得た後、膜状物から溶媒とアルカリ金属又はアルカリ土
類金属の塩化物を溶出させ、次いで得られた膜状物を乾
燥させて、多孔質パラ配向芳香族ポリアミドフィルムに
熱可塑性樹脂が含浸したプリプレグを得る工程。更に、
必要により、 (d’)工程(c’)で得られた多孔質フィルムを基体
として、熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂を含
浸させてプリプレグを得る工程。
(d)の工程と基本的には同じ操作が行われる。但し、
熱可塑性樹脂のみを含浸してなるプリプレグの場合は既
に(a’)で熱可塑性樹脂が添加されているので、工程
(c’)で得られた膜状物を乾燥させることにより最終
目的である熱可塑性樹脂含浸プリプレグを容易に得るこ
とができる。一方、更に熱可塑性樹脂の含浸量を増加さ
せたい場合や熱硬化性樹脂を含浸させたい場合は、
(d)工程と同様にかかる工程(c’)で得られた多孔
質フィルムを基体として、熱可塑性樹脂および/または
熱硬化性樹脂を含浸させてプリプレグを得る工程(工程
(d’))を追加することができる。
ラアラミド溶液に熱可塑性樹脂を熱可塑性樹脂/パラ配
向芳香族ポリアミド比(重量比)で1/9〜7/3にな
るように混合して溶液として、該溶液の膜状物を形成す
る。
機械的強度に優れ、また金属箔との接着性も良好なこと
からプリント回路用基材及び積層板として好適に使用で
きる。かかるプリント回路用基材や積層板は一般に行わ
れている方法(例えば「プリント配線板のすべて」電子
技術86年度版6月別冊)により作製することができ
る。即ち、本発明のプリプレグを絶縁層として用い、さ
らに金属箔からなる導線層を積層してプリント回路用積
層板を作製する。金属箔としては、金、銀、銅、ニッケ
ル、アルミニウム等を用いることができる。
及び比較例における試験、評価方法又は判定基準は次に
示すとおりである。
5gを溶解した溶液及び96〜98%硫酸について、そ
れぞれ毛細管粘度計により30℃にて流動時間を測定
し、求められた流動時間の比から次式により固有粘度を
求めた。 固有粘度=ln(T/T0 )/C 〔単位:dl/g〕 ここでT及びTO はそれぞれパラアラミド硫酸溶液及び
硫酸の流動時間であり、Cはパラアラミド硫酸溶液中の
パラアラミド濃度(g/dl)を示す。
m)、重量(W:g)、厚み(D:cm)を測定した。
パラアラミドの真比重を1.45g/cm3 と仮定し
て、次式により空隙率( 体積%)を求めた。 空隙率( 体積%)=100−100×(W/1.45)
/(L2 ×D)
せたシートからダンベル社製ダンベルカッターにて試験
片を打ち抜き、インストロンジャパン社製インストロン
万能引張試験機モデル4301を用い、JIS K−7
127に準じて引張強度を求めた。
析装置TMA120を用いて測定し、以下の式によって
算出した。 α1=ΔL/L0 ・ΔT ここで、α1:熱線膨張係数(/℃) ΔL:試験片の変化長 L0 :試験前の試験片長 ΔT:温度差(℃)
パッカード(株)製のマルチフレクエンシーメーター4
275A(Multi frequency meter 4275A)を用いて測定
した。試験片は多孔質フィルムに熱硬化性樹脂を含浸さ
せたプリプレグを硬化したシートを10mm角に切り出
し、両面に金蒸着したものを用いた。
試験片とし、これを120℃で2時間乾燥後、25℃、
相対湿度65%の条件下で、24時間静置し、重量変化
を測定した。
リットル(l)のセパラブルフラスコを使用してポリ
(パラフェニレンテレフタルアミド)(以下、PPTA
と略す。)の重合を行った。フラスコを十分乾燥し,N
−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略す。)4
200gを仕込み、200℃で2時間乾燥した塩化カル
シウム272.7gを添加して100℃に昇温した。塩
化カルシウムが完全に溶解した後室温に戻して、パラフ
ェニレンジアミン(以下、PPDと略す。)132.9
gを添加し完全に溶解させた。この溶液を20±2℃に
保ったまま、テレフタル酸ジクロライド(以下、TPC
と略す。)243.3gを10分割して約5分おきに添
加した。その後溶液を20±2℃に保ったまま1時間熟
成し、気泡を抜くため減圧下30分撹拌した。得られた
重合液(重合体ドープ)は光学的異方性を示した。一部
をサンプリングして水で再沈してポリマーとして取り出
し、得られたPPTAの固有粘度を測定したところ1.
96dl/gであった。
張係数 PPTAからなる多孔質フィルムを上記項1)の重合液
から作製した。即ち項1)の重合液100gを、攪拌
翼、温度計、窒素注入管及び液体添加口を有する500
mlのセパラブルフラスコに秤取し、NMP150gで
希釈した。得られた溶液はPPTA濃度が2.4重量%
で塩化カルシウムはPPTAのアミド基1モルに対し2
モルの割合であった。次に、テスター産業株式会社製バ
ーコーター(膜厚0.8mm)により、ガラス板上に当
該溶液の膜状物を作製し、直ちに、80℃の加熱オーブ
ンに約20分間保持した。この間に、PPTAが析出
し、多孔質の膜状物が得られた。この多孔質の膜状物を
イオン交換水に浸漬した。3分後に、多孔質の膜状物を
ガラス板から剥離した。イオン交換水を流しながら十分
に水洗した後、水中より多孔質の膜状物を取り出し、遊
離水をふき取った。この多孔質の膜状物を濾紙に挟み、
さらにガラスクロスにはさんだ。多孔質の膜状物を濾紙
とガラスクロスではさんだ状態で、アルミ板を乗せ、そ
の上にナイロンフィルムを被せ、ナイロンフィルムとア
ルミ板とをガムでシールして、減圧のための導管をつけ
た。全体を熱オーブンに入れ120℃で減圧しながら多
孔質の膜状物を乾燥した。得られた多孔質フィルムは厚
みが32μmで空隙率が60%であった。また、200
〜300℃における熱線膨張係数は−6.5×10-6/
℃であった。
エクセルPES3600を用いた。以下、PESとい
う。)60gを、撹拌翼及び液体添加口を有する500
mlのセパラブルフラスコに秤取し、NMP260gを
添加した。室温で撹拌しておくと、完全に溶解して淡黄
色の液体となった。以下、これをPES溶液という。
gを、撹拌翼、窒素流入管及び液体添加口を有する50
0mlのセパラブルフラスコに秤取し、NMPを徐々に
285g添加した。最終的に、PPTA濃度が2.3重
量%、PES濃度が1.5重量%の溶液を調製した。こ
れをA液と称する。
m)により、ガラス板上にA液の膜状物を作製し、直ち
に、この膜状物を80℃の加熱オーブンに約20分間保
持した。この間にPPTAが析出して膜状物は黄白色に
濁った。この膜状物をイオン交換水に浸漬しPESを凝
固させた膜状物を得た。3分後に、膜状物をガラス板か
ら剥離した。イオン交換水を流しながら十分に水洗した
後、水中より膜状物を取り出し、遊離水をふき取った。
ついで、この膜状物を20重量%NMP水溶液に浸漬し
超音波洗浄器にかけた後遊離水をふき取った。この膜状
物を濾紙に挟み、さらにガラスクロスに挟んだ。膜状物
を濾紙とガラスクロスで挟んだ状態で、アルミ板に乗せ
その上にナイロンフィルムを被せ、ナイロンフィルムと
アルミ板とをガムでシールして、減圧のための導管をつ
けた。全体を熱オーブンに入れ、120℃で減圧しなが
ら膜状物を乾燥し、プリプレグを得た。
31μmの軽量なプリプレグであった。走査型電子顕微
鏡でプリプレグを観察したところ、パラアラミドからな
るフィブリル状のPPTAが均質に分散し網状に広がっ
ていた。また、熱可塑性樹脂は大部分の空孔を埋め、フ
ィブリルを被覆していた。このプリプレグの熱線膨張係
数を測定したところ、100℃〜200℃の領域で7.
95×10-6/℃であり、また200℃〜300℃の領
域で22.8×10-6/℃であった。このプリプレグは
回路用基材あるいはそれを使用する回路用積層板として
好適な性質を備えている。
翼、窒素流入管及び液体添加口を有する500mlのセ
パラブルフラスコに秤取し、NMP67gを徐々に添加
した。最終的に、PPTA濃度が3.2重量%,PES
濃度が2.2重量%の溶液を調製した。これをB液と称
する。
は55μmであった。 3)銅箔とプリプレグの積層 上記項2)で作製したプリプレグを厚さ35μmの銅箔
にはさみ、(株)大東製作所製の小型圧延機で熱圧カレ
ンダー加工した。銅箔との接着力は0.55kg/cm
であった。
翼、窒素流入管及び液体添加口を有する500mlのセ
パラブルフラスコに秤取し、NMP70gを徐々に添加
した。最終的に、PPTA濃度が3.0重量%,PES
濃度が3.0重量%の溶液を調製した。これをC液と称
する。
は72μmであった。 3)銅箔とプリプレグの積層 上記項2)で作製したプリプレグを厚さ35μmの銅箔
にはさみ、(株)大東製作所製の小型圧延機で熱圧カレ
ンダー加工した。銅箔との接着力は0.73kg/cm
であった。
重量%、PES濃度0.7重量%の溶液を調整した。膜
厚が0.6mmのバーコーターで塗膜し、実施例1に準
じて、プリプレグを作製した。このプリプレグの厚みは
24μmで引張強度は9.3kg/mm2 、伸びは7.
3%であった。
翼、窒素流入管及び液体添加口を有する500mlのセ
パラブルフラスコに秤取し、NMPを徐々に66g添加
した。最終的に、PPTA濃度が3.2重量%でPES
濃度が2.2重量%の溶液を調製した。これをD液と称
する。
D液の膜状物を作製し、この膜状物をイオン交換水に浸
漬しPPTAとPESを同時に凝固させた。5分後に、
得られた膜状物をガラス板から剥離した。イオン交換水
を流しながら膜状物を十分に水洗した後、水中より膜状
物を取り出し、遊離水をふき取った。次に、この膜状物
を20重量%NMP水溶液に浸漬し超音波洗浄器にかけ
た後遊離水をふき取った。この膜状物を濾紙にはさみ、
さらにガラスクロスにはさんだ。膜状物を濾紙とガラス
クロスではさんだ状態で、アルミ板に乗せその上にナイ
ロンフィルムを被せ、ナイロンフィルムとアルミ板とを
ガムでシールして、減圧のための導管をつけた。全体を
熱オーブンに入れ120℃で減圧しながら膜状物を乾燥
し、プリプレグを得た。得られたプリプレグは不透明で
厚みが65μmであった。
よび液体添加口を有する500mlのセパラブルフラス
コに秤取し、NMPを徐々に添加して最終的に、PPT
A濃度が3.0重量%のPPTA溶液を調製し、E液と
した。 また、E液をNMPで希釈してPPTA濃度が
2.0重量%のPPTA溶液を調製し、F液とした。
m)を用い、ガラス板上にE液の膜状物を形成した。こ
の膜状物を、直ちに、60℃の加熱オーブンに約20分
間保持したところPPTAが析出して白濁したフィルム
となった。このフィルムをイオン交換水に浸漬した。数
分後にフィルムはガラス板から剥離した。イオン交換水
を流しながら、このフィルムを約1時間浸漬した。水中
よりフィルムを取り出し、遊離水をふき取ったあと濾紙
に挟み、さらにガラスクロスに挟んだ。フィルムを濾紙
とガラスクロスで挟んだ状態で、アルミ板に乗せその上
にナイロンフィルムを被せ、ナイロンフィルムとアルミ
板とをガムでシールして、減圧のための導管をつけた。
全体を熱オーブンに入れ120℃で減圧しながらフィル
ムを乾燥した。
均一で、厚みは14μm、空隙率は46%であった。走
査型電子顕微鏡でフィルムを観察したところ、約0.1
μm以下のフィブリル状PPTA繊維が均質に分散し網
状に広がっており、孔径が0.05〜0.2μmの空孔
がフィルム全体に均一に分散している均質な多孔質フィ
ルムであった。得られた多孔質フィルムの引張強度と熱
線膨張係数を測定した。塗工方向の引張強度は9.0k
g/mm2 で、伸びは6.7%、熱線膨張係数は−6.
2×10-6/℃であった。また、塗工方向と直角の方向
の引張強度は8.8kg/mm 2 で、伸びは6.3%、
熱線膨張係数は−6.5×10-6/℃であった。
び積層板の作製 (1)ワニスの調製 下記の組成の混合物に溶媒(メチルエチルケトン、以
下、MEKと略す。)を加え、還流管を付けた300m
lの三角フラスコ中、マグネチックスターラーで撹拌し
ながら90分間加熱還流しワニスを得た。 ワニス配合組成: (重量部) 主剤:スミエポキシLDX−4120(住友化学工業製) 100.0 硬化剤:ジシアンジアミド(DICY、東京化成製) 2.7 触媒:2−メチル−4−エチルイミダゾール(四国化成製) 0.2
したワニスを両面に塗布した。ワニスが含浸する間、溶
媒が揮発しないようにフッ素フィルム(商品名:トヨフ
ロン50F、東レ(株)製)に挟み、さらに押し付け、
一様にワニスを広げた。10分間放置し、ワニスを多孔
質フィルムに均一に含浸させた後、ガラスクロス(製品
記号:YES−2101、日本板硝子繊維(株)製)上
に移して150℃で3分間加熱して溶媒を除去し、エポ
キシ樹脂を半硬化させてプリプレグを作製した。
せ、10kg/cm2 の圧力下170℃にて2時間プレ
スし、エポキシ樹脂を完全に硬化させて、0.34mm
厚みのプリント回路用基材を作製した。得られたプリン
ト回路用基材の誘電率は3.8(1MHz)であり、1
00℃から200℃の温度範囲での厚み(Z)方向の熱
線膨張係数は5.51×10-5/℃であった。熱線膨張
係数の測定に際して、プローブは膨張圧縮型を用い、測
定条件は、押し付け荷重3g、昇温速度10℃/分、温
度範囲は25℃〜300℃で行なった。
せ、さらに銅箔(TTAI処理、35μm厚、古河サー
キットホイル(株)製)を重ね合わせ、10kg/cm
2 の圧力下170℃にて2時間プレスし、エポキシ樹脂
を完全に硬化させて、0.37mm厚みのプリント回路
用積層板を作製した。作製したプリント回路用積層板の
銅箔剥離強度を測定したところ、1.3kg/cmであ
った。
m)により、ガラス板上に実施例6のF液の膜状物を形
成した。直ちに、60℃の加熱オーブンに約20分間保
持したところ、PPTAが析出して白濁したフィルムと
なった。このフィルムをイオン交換水に浸漬した。数分
後にフィルムはガラス板から剥離した。イオン交換水を
流しながら、このフィルムを約1時間浸漬した。水中よ
りフィルムを取り出し、遊離水をふき取ったあと濾紙に
挟み、さらにガラスクロスに挟んだ。アラミドフィルム
を濾紙とガラスクロスで挟んだ状態で、アルミ板に乗せ
その上にナイロンフィルムを被せ、ナイロンフィルムと
アルミ板とをガムでシールして、減圧のための導管をつ
けた。全体を熱オーブンに入れ120℃で減圧しながら
フィルムを乾燥した。
隙率は43%であった。走査型電子顕微鏡でフィルムを
観察したところ、約0.1μm以下のフィブリル状のP
PTA繊維からなり、孔径0.05〜0.2μmの空孔
を有する多孔質フィルムであった。
び積層板の作製 このようにして得られたパラアラミド系多孔質フィルム
を用いて、実施例6と同様にして、エポキシ樹脂を含浸
したプリプレグ、プリント回路用基材および該プリント
回路用基材を絶縁層とするプリント回路用積層板を作製
した。
m)により、ガラス板上に実施例6のF液を膜状に形成
した。直ちに、80℃の加熱オーブンに約20分間保持
したところ、PPTAが析出して白濁したフィルムとな
った。このフィルムをイオン交換水に浸漬した。数分後
にフィルムはガラス板から剥離した。イオン交換水を流
しながら、このフィルムを約1時間浸漬した。水中より
フィルムを取り出し、遊離水をふき取ったあと濾紙に挟
み、さらにガラスクロスに挟んだ。アラミドフィルムを
濾紙とガラスクロスで挟んだ状態で、アルミ板に乗せそ
の上にナイロンフィルムを被せ、ナイロンフィルムとア
ルミ板とをガムでシールして、減圧のための導管をつけ
た。全体を熱オーブンに入れ120℃で減圧しながらフ
ィルムを乾燥した。
で、空隙率が36.9%の、フィブリル状のPPTA繊
維からなる多孔質フィルムであった。この多孔質フィル
ム(G)を厚さ0.5mmのガラス板2枚で挟み、加熱
オーブン中、空気雰囲気下で、25℃から300℃まで
昇温し、300℃で30分間熱処理した。熱処理後のフ
ィルムの平面(XまたはY)方向の熱線膨張係数を測定
した。測定に際し、治具は(プローブ)は引張り型のも
のを用いた。測定条件は、荷重2g、昇温速度10℃/
分、昇温の温度範囲は25〜350℃とし、同一サンプ
ルで昇温、降温を3回繰り返し、サンプルの変化長を測
定し、前記の式より、低温領域(25〜70℃)および
高温領域(200〜300℃)における熱線膨張係数を
求めた。最初にサンプルをセットしたときだけ0点調整
し、その後の昇温、降温の間は調整しなかった。X方向
とY方向の熱線膨張係数には有意差がないことを予め確
認した。
果より明らかなように、300℃で熱処理した多孔質フ
ィルム(G)は、低い熱線膨張係数を示す。また、20
0〜300℃で特に低い熱線膨張係数を示し、高温領域
の寸法安定性に優れていることがわかった。これらの結
果から、本発明の、パラアラミド系多孔質フィルムから
作製されるプリント回路用基材およびプリント回路用積
層板は、実用的には、260℃での半田リフロー試験で
優れた性能を発揮することが期待される。
び積層板の作製 このようにして得られたパラアラミド系多孔質フィルム
を用いて、実施例6と同様にして、エポキシ樹脂を含浸
したプリプレグ、プリント回路用基材および該プリント
回路用基材を絶縁層とするプリント回路用積層板を作製
した。該プリント回路用積層板の銅箔剥離強度を測定し
たところ、1.2kg/cmであった。
エポキシESB−500、(住友化学製)90g、スミ
ーエポキシESCN−195−6(住友化学製)10g、
硬化剤としてジシアンジアミド(東京化成製)の10w
t%メチルセルソルブ溶液25g、2−メチル−4−エ
チルイミダゾール(四国化成製)のMEK溶液1.0g
を加えた。さらに希釈用溶媒MEKを加え、固形分濃度
を60重量%になるように調整し、マグネチックスター
ラーで撹拌しながら120分間、加熱環流し該エポキシ
組成物を得た。
ド)ドープの調整 撹拌翼、温度計、窒素流入管及び粉体添加口を有する5
リットルの反応器を使用してポリ(パラフェニレンテレ
フタルアミド)の重合を行った。重合反応器を十分乾燥
してからNMPを2300gと148gの乾燥した塩化
カルシウムを添加し、内温85℃で完全に溶解した。次
に内温が室温になるまで冷却した後、73.1gのPP
Dを加えて溶解し、内温を18〜22℃に保ちながら1
33.2gのTPCを徐々に加えた。TPCの添加終了
後、温度18〜22℃にて1時間熟成して安定な重合液
(以下PPTAドープと略称す。)を得た。固有粘度は
1.97dl/gであった。
で希釈し塗工用ドープを得た。該ドープをテスター産業
社製バーコーターにより、塗工速度0.2m/min、
厚み0.1mmのPETのフィルム上に、膜厚1.2m
mで塗工した。その後イオン交換水中で凝固させた後、
イオン交換水の流水中で4時間洗浄した。得られた湿潤
状態の膜状物を両面からメタ・アラミド製のフェルトで
挟み、厚さ3mmのアルミ板上に置き、真空バックに包
んでその周りをシーリング材でシールし、真空に引きな
がら、120℃で4時間乾燥し、多孔質フィルムを得
た。空隙率は43.0%であり、熱線膨張係数は−6.
4×10-6/℃であった。
40μmであった。含浸用ワニスとして、ポリエーテル
スルフォン(住友化学製、スミカエクセルPES500
3P、以下PESと略す。)の30%NMP溶液を1
0.5gと上記(1)項のエポキシ組成物の固形分40
%MEK溶液10.5gを混合し、MEK5gで希釈し
た。この時、白いPESと思われるポリマー状の物が析
出したが、スパチュラで撹拌すると容易に溶解して、透
明なワニスとなった。多孔質フィルムをポリエチレン製
フィルムの上に置き、含浸用ワニスをニス用の刷毛で多
孔質フィルム上に塗った。もう一枚のポリエチレン製フ
ィルムをこの上に被せ、数分すると反対側までワニスが
浸透した。全体を反転し、ポリエチレン製フィルムをは
ぎ取り、含浸用ワニスを薄く塗り、再度ポリエチレン製
フィルムを被せた。数分後、ワニスが含浸された多孔質
フィルムを取り出し、120℃で20分間乾燥した。得
られたプリプレグはしなやかであった。なお、プリプレ
グ中に占めるマトリックス樹脂(PESとエポキシ組成
物(固形分のみ)の総量)は47%であった。
に置き、テフロン製シートで挟み、175℃でプレス硬
化した。また、厚み35μmの銅箔でこのプリプレグを
挟んだものを、115μmのスペーサーの隙間に置き、
175℃でプレス硬化した。物性測定の結果を表2に示
す。
アナートフェニル)プロパンを加熱し一部3量化したプ
レポリマー50g、スミーエポキシESB−400、
(住友化学製)25g、スミーエポキシESCN−19
5XL(住友化学製)25g、触媒としてナフテン酸亜
鉛0.1gを加えた。さらに希釈用溶媒MEKとを加
え、固形分濃度を60重量%になるように調整し、マグ
ネチックスターラーで撹拌しながら120分間、撹拌し
該シアネート組成物を得た。
含浸用ワニスとしては、PESの25%NMP溶液を3
6gとシアネート組成物の固形分25%MEK溶液36
gを混合したものを使用した。プリプレグ中に占めるマ
トリックス樹脂(PESとシアネート組成物(固形分の
み)の総量)は45%であった。
測定の結果を表2に示す。
0%NMP溶液、11.7gを加え、NMP455gで
希釈した。得られたドープをテスター産業社製バーコー
ターにより、塗工速度0.2m/min、厚み0.1m
mのPETのフィルム上に、膜厚1.2mmで塗工し
た。得られた膜状物をイオン交換水中で凝固させた後、
イオン交換水の流水中で4時間洗浄した。得られた湿潤
状態の膜状物を両面からメタ・アラミド製のフェルトで
挟み、厚さ3mmのアルミ板上に置き、真空バックに包
んでその周りをシーリング材でシールし、真空に引きな
がら、120℃で4時間乾燥し、フィルムを得た。
0の2)と同様にしてプリプレグを作製した。プリプレ
グ中に占めるマトリックス樹脂(PESとシアネート組
成物(固形分のみ)の総量)は58%であった。
測定の結果を表2に示す。
張率という多孔質パラ配向芳香族ポリアミドフィルムの
優れた特性を有し、機械的性質が良好で、しかも、地合
が均一であるという不織布を用いたものでは得られない
特性を持っている。特に、マトリックス樹脂として耐熱
性、接着性、靭性の良好な熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂
との組成物を組み合わせることによりプリント回路用積
層板として有用なプリプレグを提供する。
Claims (9)
- 【請求項1】 多孔質パラ配向芳香族ポリアミドフィル
ムに熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂を含浸し
てなることを特徴とするプリプレグ。 - 【請求項2】 多孔質パラ配向芳香族ポリアミドフィル
ムに熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂を含浸してなるこ
とを特徴とする請求項1記載のプリプレグ。 - 【請求項3】 多孔質パラ配向芳香族ポリアミドフィル
ムが、フィブリルの径が1μm以下のフィブリルから構
成され、フィブリルが網目状または不織布状に平面に配
置されかつ層状に重なっている構造を有し、さらに該フ
ィルムの200〜300℃での熱線膨張係数が±50×
10-6/℃以内であり、空隙率が30〜95%であるこ
とを特徴とする請求項1または2記載のプリプレグ。 - 【請求項4】 パラ配向芳香族ポリアミドがポリ(パラ
フェニレンテレフタルアミド)、ポリ(パラベンズアミ
ド) 、ポリ(4、4’−ベンズアニリドテレフタルアミ
ド)、ポリ(パラフェニレン−4、4’−ビフェニレン
ジカルボン酸アミド)、ポリ(パラフェニレン−2、6
−ナフタレンジカルボン酸アミド)、ポリ(2−クロロ
−パラフェニレンテレフタルアミド)又はパラフェニレ
ンジアミン/2、6−ジクロロパラフェニレンジアミン
/テレフタル酸ジクロライドからなる共重合体であるこ
とを特徴とする請求項1または2記載のプリプレグ。 - 【請求項5】 熱可塑性樹脂がポリエーテルスルフォ
ン、ポリスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリスルフ
ィドスルフォン又はポリカーボネートであることを特徴
とする請求項1または2記載のプリプレグ。 - 【請求項6】 熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂、ビスマレ
イミド−トリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、ジアリルフ
タレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シアネート樹
脂またはアリール変成ポリフェニレンエーテル樹脂であ
ることを特徴とする請求項1または2記載のプリプレ
グ。 - 【請求項7】 下記(a)〜(d)の工程を有すること
を特徴とする、多孔質パラ配向芳香族ポリアミドフィル
ムに熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂を含浸し
てなるプリプレグの製造方法。 (a)極性アミド系溶媒又は極性尿素系溶媒中に、固有
粘度が1.0〜2.8dl/gであるパラ配向芳香族ポ
リアミドを1〜10重量%、アルカリ金属又はアルカリ
土類金属の塩化物を1〜10重量%を含む溶液から膜状
物を形成する工程。 (b)該膜状物を20℃以上又は−5℃以下の温度に保
持し、膜状物からパラ配向芳香族ポリアミドを析出させ
る工程。 (c)工程(b)で得られた膜状物を水系溶液又はアル
コール系溶液に浸漬し、溶媒とアルカリ金属又はアルカ
リ土類金属の塩化物を溶出させ、次いで乾燥させ多孔質
パラ配向芳香族ポリアミドフィルムを得る工程。 (d)工程(c)で得られた多孔質フィルムを基体とし
て、熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂を含浸さ
せてプリプレグを製造する工程。 - 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載のプリプ
レグからなることを特徴とするプリント回路用基材。 - 【請求項9】 請求項8記載のプリント回路用基材から
なる絶縁層と金属箔からなる導電層とを有することを特
徴とするプリント回路用積層板。
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