JP2002300981A - 浴 槽 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 浴槽本体の側方に移乗台を安価に付設する。 【解決手段】 蓋体３の強度を人間の体重に十分に耐え
られるような強度にする。蓋体３をほぼ水平にし、その
一端部を浴槽本体２の一側部２ａの上面に載置して支持
させる。一側部２ａには、係合凹部２１を形成し、蓋体
３の一端部下面には、係合凹部２１に係合する係止突条
３１を形成する。蓋体３の残りの部分は、支持台５によ
って支持させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、移乗台を安価に
設置することができる浴槽に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、高齢者や身体障害者用の浴槽に
は、高齢者等が浴槽に形成された凹窪状の水槽部に安全
に入ることができるようにするために移乗台が付設され
ている。この種の移乗台としては、例えば実開平７−１
２０６号公報、実用新案登録公報第３０３５５０８号等
に記載されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の移乗台は、浴槽
とは別に専用に設けられている。このため、移乗台の設
置に費用が嵩むという問題があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
めに、この発明は、上部が開口した凹窪状の水槽部を有
する浴槽本体と、両端部が上記浴槽本体水槽部に沿う両
側部に載置されることによって水槽部の上面開口部を遮
蔽する蓋体とを備えた浴槽において、上記蓋体を上記浴
槽本体の側方にほぼ水平に配置し、上記蓋体の一端部を
浴槽の一方の側部に載置するとともに、上記蓋体の少な
くとも他端部に脚部を着脱可能に取り付けることによ
り、上記蓋体を移乗台として使用可能にしたことを特徴
としている。この場合、上記浴槽本体の一方の側部とこ
の一方の側部に載置される上記蓋体の一端部との間に
は、上記蓋体を上記浴槽本体に対し接近、離間する方向
へ移動不能に係止する係止機構が設けられていることが
望ましい。上記係止機構は、上記浴槽本体の一側部上面
に設けられた係止凹部と、上記蓋体の下面に設けられ、
上記係止凹部に係合する係止凸部とによって構成されて
いることが望ましい。上記浴槽本体の上面に載置された
蓋体の係止凸部と上記移乗台として使用される蓋体の係
止凸部との二つの係止凸部を上記係止凹部に同時に挿入
可能し得るよう、上記係止凹部の幅が上記係止凸部の幅
のほぼ２倍に設定されていることが望ましい。上記蓋体
が複数用いられ、そのうちの２以上の蓋体を移乗台とし
て用いることができるよう、上記２以上の蓋体が上記浴
槽本体に沿って互いにほぼ接して配置されていることが
望ましい。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図１〜図１０を参照して説明する。図４は、この発
明に係る浴槽１を示すものであり、浴槽１は、浴槽本体
２と蓋体３とを備えている。浴槽本体２は、図５に示す
ように、略直方体状をなしており、その上面部には凹部
が形成されている。この凹部が湯を張るための水槽部２
１になっている。水槽部２１を囲む浴槽本体２の側壁の
上面のうち、浴槽本体２の長手方向に延びる一側部２ａ
及び他側部２ｂには、それらの長手方向に沿って延びる
係止凹部２２、２３がそれぞれ形成されている。係止凹
部２２，２３は、互いに同一形状、同一寸法に形成され
ているが、異なる形状、寸法に形成してもよい。

【０００６】一方、蓋体３は、水槽部２１の上端開口部
を開閉するためのものであり、図４及び図６に示すよう
に、長方形の板状に形成され、長手方向を浴槽本体２の
短手幅方向に向けて配置されている。そして、長手方向
の一端部と他端部とが浴槽本体２の一側部２ａと他側部
２ｂとに載置されることにより、水槽部２１の上端開口
部を閉じている。蓋体３は、長手方向の両端部が支持さ
れた状態でその上に人間が乗っても十分に耐えられるよ
うな強度を有している。

【０００７】蓋体３は、この実施の形態の場合、複数用
いられているが、１枚だけ用い、１枚の蓋体によって水
槽部２１を開閉するようにしてもよい。ただし、蓋体３
を１枚だけ用いた場合には、水槽部２１が大きいと、そ
れに応じて蓋体３も大きくなり、大重量化して取り扱い
にくくなる。そこで、この実施の形態のように複数の蓋
体３を用いるのが望ましい。勿論、蓋体３の枚数は、こ
の実施の形態のように４枚に限定されるものでなく、２
枚、３枚、あるいは５枚以上用いてもよい。

【０００８】蓋体３の長手方向の一端部と他端部とに
は、その幅方向（浴槽本体２の長手方向）に延びる係止
突条（係止凸部）３１，３２がそれぞれ形成されてい
る。係止突条３１は、蓋体２の長手方向の一端縁に配置
されている。係止突条３２は、蓋体２の長手方向の他端
縁から若干一端側へ向かった位置に配置されている。二
つの係止突条３１，３２は、互いに同一形状、同一寸法
に形成されているが、異なる形状、寸法に形成してもよ
い。その場合には、係止突条３１，３２を係止凹部２
２，２３にそれぞれ嵌まり込むことができるように形成
する。

【０００９】図３に示すように、蓋体３の一端部と他端
部とを浴槽本体２の一側部２ａと他側部２ｂとの適宜の
位置にそれぞれ載置すると、二つの係止突条３１，３２
が係止凹部部２２，２３にそれぞれ入り込んで係合する
ようになっている。ここで、係止突条３１，３１の間隔
は、係止凹部２２，２３の間隔とほぼ同一になってい
る。したがって、係止突条３１，３２が係止凹部２２，
２３にそれぞれ嵌まり込むと、蓋体３はその長手方向
（浴槽本体２の短手幅方向）に対しては浴槽本体２に移
動不能に係止される。しかも、洗い場に隣接する係止凹
部２２の幅は、係止突条３１の幅のほぼ２倍に設定され
ている。したがって、係止突条３１を係止凹部２２に嵌
め込むと、係止凹部２２の外側の部分に空間が形成さ
れ、その空間にも他の係止突条３１を嵌め込むことがで
きる。そして、２つの蓋体３を洗い場と水槽部２１の上
に、短手方向を付き合わせて並べることができる。ここ
で、係止凹部２２は一つであるが、係止突条３１と同幅
の係止凹部を二つ設けてもよい。ただし、製造のしやす
さ、掃除のしやすさから、係止凹部は１つの方が好まし
い。蓋体３の下面には、断面円形の嵌合凹部３３が４つ
形成されている。各嵌合凹部３３は、蓋体３の下面の４
隅部にそれぞれ配置されている。

【００１０】次に、上記構成の浴槽１に用いられる移乗
台について説明すると、図１〜図３に示すように、この
実施の形態の移乗台４においては、２枚の蓋体３が用い
られている。一方の蓋体３は、浴槽本体２の長手方向の
一端部上面に載置されており、係止突条３１，３２が係
止凹部２２，２３に嵌め込まれている。したがって、こ
の蓋体３は、水槽部２１の上端開口部のうち、長手方向
の一端部を遮蔽する蓋として使用される場合と同様の状
況を呈している。この一方の蓋体３については、必ずし
も設置する必要はなく、他方の蓋体３だけを移乗台４と
して用いてもよい。

【００１１】他方の蓋体３は、その長手方向を浴槽本体
２の長手方向と直交する方向に向けた状態で浴槽本体２
の側方に配置されており、一方の蓋体３と同一高さに、
かつ浴槽本体２の長手方向において同一位置に配置され
ている。しかも、他方の蓋体３は、図３に示すように、
一端部が浴槽本体２の一側部２ａ上に載置され、係止突
条３１が係止凹部２２の外側の部分に嵌め込まれてい
る。これにより、他方の蓋体３は、一端部が側部２ａに
支持されるとともに、浴槽本体２にその短手方向へ移動
不能に連結されている。しかも、他方の蓋体３の係止突
条３１が形成された端部の端面は、一方の蓋体３の係止
突条３１が形成された端部の端面に突き当たっている。

【００１２】他方の蓋体３の側部２ａによって支持され
た一端部以外の部分は、支持部５によって支持されてい
る。支持部５は、洗い場の床面Ｆ（図３参照）上に設置
されており、ほぼ鉛直に立設された４本の脚部５１を有
している。４本の脚部５１のうち、浴槽本体２から離れ
た側に位置し、かつ蓋体３の短手方向に離れた一組の脚
部５１，５１の上端部間には、蓋受け部材５２が設けら
れている。この蓋受け部材５２の上面には、係止突条３
２が係脱可能に係合する係止凹部５２ａが形成されてい
る。蓋体３の長手方向に離れた一組の脚部５１，５１間
には、連結部材５３が設けられている。連結部材５３
は、蓋体３の長手方向に離れた他方の一組の脚部５１，
５１間にも設けられている。連結部材４３は、蓋受け部
材４２より若干下側に配置されている。

【００１３】上記のように構成された支持部５の４本の
脚部５１の上端部は、他方の蓋体３の下面に形成された
嵌合凹部３３に嵌合されている。しかも、他方の蓋体３
の浴槽本体２から離れた端部は、蓋受け部材５２上に載
置されている。これにより、他方の蓋体３が支持部５に
よって支持されている。この場合、蓋体３は、水平に支
持するよりも、浴槽本体２側から洗い場側へ向かって若
干の下り傾斜をなすように支持するのが望ましい。その
ようにすれば、蓋体３の上に湯水が溜まるのを防止する
ことができるからである。また、蓋受け部材５２の係止
凹部５２ａには、蓋体３の係止突条３２が係合してい
る。これにより、他方の蓋体３と支持部５とが浴槽本体
２の短手方向へ移動不能に連結されている。

【００１４】上記の浴槽１においては、蓋体３を移乗台
４の一部として用いているので、少なくとも蓋体３の分
だけ移乗台４の部品点数を減らすことができる。よっ
て、移乗台４の設置費用を低減することができる。

【００１５】次に、この発明の他の実施の形態について
説明する。なお、以下の実施の形態については、上記実
施の形態と異なる構成部分についてのみ説明することと
し、同様な部分には同一符号を付してその説明を省略す
る。

【００１６】図７はこの発明の第２の実施の形態を示し
ている。この実施の形態においては、移乗台４の支持部
５の脚部５１に代えて浴場の側壁Ｗの一部が脚部として
用いられている。すなわち、側壁Ｗには、支持凹部Ｗａ
が形成されている。この支持凹部Ｗａは、浴槽本体２の
上面とほぼ同一高さに配置されている。しかも、蓋体３
の係止突条３２が形成された端部を挿入することができ
るような形状、寸法に形成されている。そして、蓋体３
は、係止突条３１が形成された一端部を浴槽本体体２の
一側部２ａに載置するとともに、他端部を支持凹部Ｗａ
の下面に載置することにより、ほぼ水平に（実際には上
記のように若干傾斜している。）支持されている。これ
から明かなように、側壁Ｗのうちの支持凹部Ｗａから洗
い場の床面Ｆまでの間の部分が蓋体３の他端部を支持す
る脚部として兼用されている。したがって、脚部は必ず
しも４本必要ではなく、上記の実施の形態の支持部５に
おける脚部５１のうちの浴槽本体２側の２本については
省き、浴槽本体２から離れた２本の脚部５１，５１だけ
を用いてもよい。

【００１７】この実施の形態においては、浴場の側壁Ｗ
に支持凹部Ｗａを形成するだけでよく、移乗台４Ａを構
成するのに、新たな部材を一切必要としない。したがっ
て、移乗台４Ａの設置費用をさらに低減することができ
る。

【００１８】図８〜図１０はこの発明の第３の実施の形
態を示している。この実施の形態においては、移乗台４
に３つの蓋体３が用いられている。３つの蓋体３は、短
手方向を浴槽本体２の長手方向に向け、長手方向に沿っ
て延びる側面どうしを互いに接触させた状態で配置され
ている。その結果、浴槽本体２の長手方向に沿う支持部
５の長さが上記実施の形態の支持部５における同方向の
長さのほぼ３倍になり、支持部５が大型化している。そ
こで、支持部５を容易に収納することができるようにす
るために、蓋受け部材５２が設けられた二つの脚部５１
は、蓋受け部材５２が設けられた箇所と連結部材５３が
設けられた箇所との間において下部５１Ａと上部５１Ｂ
とに二分されている。図１０に示すように、下部５１Ａ
の上端面には突起５１ａが形成され、上部５１Ｂの下端
面には孔部５１ｂが形成されている。そして、孔部５１
ｂに突起５１ａを回動可能に嵌合させることにより下部
５１Ａと上部５１Ｂとが回動可能に連結されている。そ
して、下部５１Ａを上部５１Ｂに対して回動させること
により、連結部材５３を蓋受け部材５２とほぼ同一平面
上に位置させることができ、それによって支持部５の容
積を小さくすることができる。したがって、移乗台４の
不使用時にはそれを容易に収納することができる。

【００１９】なお、この発明は、上記の実施の形態に限
定されるものでなく、適宜変更可能である。例えば、上
記の実施の形態においては、係止凸部として直線状をな
す係止突条３１，３２を形成し、これに対応して係止凹
部２２，２３も直線状に形成しているが、係止凸部及び
係止凹部については円形、四角形、その他の形状にして
もよい。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、移乗台の設置費用を低減することができるという効
果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１の実施の形態を示す斜視図であ
る。

【図２】図１のＸ矢視図である。

【図３】図１のＹ−Ｙ線に沿う拡大断面図である。

【図４】同実施の形態の浴槽を、浴槽本体に蓋体で蓋を
した状態を示す斜視図である。

【図５】同実施の形態の浴槽本体を示す斜視図である。

【図６】蓋体を示す図であって、図６（Ａ）はその平面
図、図６（Ｂ）、（Ｃ）はそれぞれ図６（Ａ）のＢ矢
視、Ｃ矢視図、図６（Ｄ）は図６（Ｂ）のＤ矢視図であ
る。

【図７】この発明の第２の実施の形態を示す図３と同様
の断面図である。

【図８】この発明の第３の実施の形態を示す平面図であ
る。

【図９】図８のＸ矢視図である。

【図１０】図９のＸ円部の拡大断面図である。

【符号の説明】

１ 浴槽 ２ 浴槽本体 ３ 蓋体 ４ 移乗台 ５ 支持部 ２１ 係止凹部 ３１ 係止突条（係止凸部） ５１ 脚部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 2D005 CA01 DA00 2D032 AA11 DA01 DA07 4C094 AA01 BB01 BB14 BB20 GG03

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部が開口した凹窪状の水槽部を有する
   浴槽本体と、両端部が上記浴槽本体水槽部に沿う両側部
   に載置されることによって水槽部の上面開口部を遮蔽す
   る蓋体とを備えた浴槽において、 上記蓋体を上記浴槽本体の側方にほぼ水平に配置し、上
   記蓋体の一端部を浴槽の一方の側部に載置するととも
   に、上記蓋体の少なくとも他端部に脚部を着脱可能に取
   り付けることにより、上記蓋体を移乗台として使用可能
   にしたことを特徴とする浴槽。
2. 【請求項２】 上記浴槽本体の一方の側部とこの一方の
   側部に載置される上記蓋体の一端部との間には、上記蓋
   体を上記浴槽本体に対し接近、離間する方向へ移動不能
   に係止する係止機構が設けられていることを特徴とする
   請求項１に記載の浴槽。
3. 【請求項３】 上記係止機構が、上記浴槽本体の一側部
   上面に設けられた係止凹部と、上記蓋体の下面に設けら
   れ、上記係止凹部に係合する係止凸部とによって構成さ
   れていることを特徴とする請求項２に記載の浴槽。
4. 【請求項４】 上記浴槽本体の上面に載置された蓋体の
   係止凸部と上記移乗台として使用される蓋体の係止凸部
   との二つの係止凸部を上記係止凹部に同時に挿入可能し
   得るよう、上記係止凹部の幅が上記係止凸部の幅のほぼ
   ２倍に設定されていることを特徴とする請求項３に記載
   の浴槽。
5. 【請求項５】 上記蓋体が複数用いられており、そのう
   ちの２以上の蓋体を移乗台として用いることができるよ
   う、上記２以上の蓋体が上記浴槽本体に沿って互いにほ
   ぼ接して配置されていることを特徴とする請求項１〜４
   のいずれかに記載の浴槽。