JP2002294312A - 金属粒子粉末の製造法 - Google Patents

金属粒子粉末の製造法

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Kazuyuki Hayashi
一之 林
Hiroko Morii
弘子 森井
Mineko Osugi
峰子 大杉
Kikuo Okuyama
喜久夫 奥山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、分散性に優れた緻密で純度が高い
球状金属粒子粉末を生産性よく得ることができる金属粒
子粉末の製造法に関するものである。 【解決手段】 ニッケル塩水溶液又は銅塩水溶液と該水
溶液中のニッケル塩又は銅塩に対してモル比で0.01
〜10の炭酸水素塩を含有する水溶液との混合水溶液を
噴霧熱分解溶液として用いて噴霧熱分解法によって球状
金属粒子粉末を得る金属粒子粉末の製造法において、前
記噴霧熱分解溶液を減圧して噴霧する金属粒子粉末の製
造法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分散性に優れた緻密で
純度が高い球状金属粒子粉末を生産性よく得ることがで
きる金属粒子粉末の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、各種電子機器の小型化、高性能化
及び軽量化に伴い、電子機器部品、例えば積層コンデン
サなどに対しても小型化、高容量化の要求が強まってい
る。
【0003】そして、前記積層コンデンサの主要部は、
複数の誘電体層と内部電極が交互に積層されたコンデン
サ本体と外部電極から構成されており、積層コンデンサ
の小型化及び高容量化を図るために、誘電体層と内部電
極を薄くして多層化する手法が知られている。
【0004】そして、前記積層コンデンサに供せられる
ニッケル粒子粉末や銅粒子粉末は、通常ペースト化して
用いられるため、薄く、均一な皮膜が形成できること、
デラミネーション(層間剥離現象)等の発生を抑制する
ために焼成時の収縮が小さいこと及び電気抵抗が小さい
こと等の理由から、凝集がなく分散性に優れ、しかも緻
密で純度が高いことが要求されている。
【0005】また、従来の内部電極層は通常1〜2μm
程度であったため、これに用いられるニッケル粒子粉末
や銅粒子粉末の粒子サイズは、0.1〜1μm程度の粒
子サイズのものが用いられていたが、近時における積層
コンデンサの小型化及び高容量化の要求から、内部電極
の薄層化による積層コンデンサの多層化が進んでおり、
それに伴いニッケル粒子粉末や銅粒子粉末の粒子サイズ
の微粒子化が望まれている。
【0006】上記のような特性を有する球状金属粒子粉
末の製造法としては、特開平5−105922号公報に
開示されている熱分解法又は特開平8−170112号
公報、特開平11−80818号公報及び特開平11−
236607号公報に開示されている噴霧熱分解法が知
られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前掲各公報記載の球状
ニッケル粒子粉末や球状銅粒子粉末を工業的に製造する
場合には、次のような問題点がある。
【0008】即ち、特開平5−105922号公報に
は、無水ギ酸ニッケルを非酸化性雰囲気下又は減圧下に
おいて160〜300℃で熱分解して0.05〜0.3
μmのニッケル微粒子粉末を得る方法が記載されている
が、得られるニッケル粒子は真球状を呈しておらず、ま
た、原料中に含まれる不純物を含んでいるため、純度が
要求される用途においては不利となる。
【0009】また、特開平8−170112号公報に
は、噴霧熱分解を特定の加熱温度領域で行う方法が記載
されているが、特定の加熱温度領域におけるキャリアガ
スの流速などの滞留時間が考慮されておらず、粒径の揃
った緻密な球状ニッケル粒子粉末や球状銅粒子粉末を工
業的に得ることは困難である。
【0010】また、特開平11−80818号公報記載
の噴霧熱分解法は、還元性ガスを1〜35vol%(実
施例では16.7vol%)含ませたキャリアガスを用
いているので、工業的に不利である。
【0011】また、特開平11−236607号公報記
載の噴霧熱分解法では、添加剤としてアンモニア又は過
酸化水素溶液を用いて錯体化することにより、還元性ガ
スを用いることなく金属粒子粉末を製造しているが、錯
体を形成する必要があることから工業的とは言い難いも
のである。
【0012】また、特開平8−170112号公報、特
開平11−80818号公報及び特開平11−2366
07号公報には、噴霧熱分解における噴霧方法として、
二流体ノズルや超音波噴霧が記載されているが、各公報
の実施例に示されている通り、これらの方法で得られる
球状金属粒子粉末は、粒子サイズが0.6〜1.3μm
と大きいものである。そのため、粒子サイズの小さい金
属粒子粉末を得るためには原料溶液濃度を薄くする等の
製造条件を制御することが必要となるため生産性が悪
く、微細化にも限度がある。
【0013】そこで、本発明は、分散性に優れた緻密で
純度が高い球状金属粒子粉末を噴霧熱分解法によって生
産性よく製造することを技術的課題とする。
【0014】
【課題を解決する為の手段】前記技術的課題は、次の通
りの本発明によって達成できる。
【0015】即ち、本発明は、ニッケル塩水溶液又は銅
塩水溶液と該水溶液中のニッケル塩又は銅塩に対してモ
ル比で0.01〜10の炭酸水素塩を含有する水溶液と
の混合水溶液を噴霧熱分解溶液として用いて噴霧熱分解
法によって球状金属粒子粉末を得る金属粒子粉末の製造
法において、前記噴霧熱分解溶液を減圧して噴霧するこ
とを特徴とする金属粒子粉末の製造法である。
【0016】本発明の構成を詳述すれば、次の通りであ
る。
【0017】本発明に用いる噴霧熱分解溶液は、ニッケ
ル塩水溶液又は銅塩水溶液と該水溶液中のニッケル塩又
は銅塩に対してモル比で0.01〜10の炭酸水素塩を
含有する水溶液からなり、当該各水溶液を減圧噴霧して
噴霧熱分解を行うことにより、還元性ガスを用いること
なく、且つ、生産性よく目的とする球状金属粒子粉末を
得ることができる。
【0018】ニッケル塩水溶液又は銅塩水溶液として
は、硝酸ニッケル水溶液、硝酸銅水溶液、硫酸ニッケル
水溶液、硫酸銅水溶液、塩化ニッケル水溶液、塩化銅水
溶液等を用いることができる。得られる金属粒子粉末の
高純度化を考慮すれば、硝酸ニッケル水溶液、硝酸銅水
溶液が好ましい。
【0019】炭酸水素塩としては、炭酸水素アンモニウ
ム((NH)HCO)、炭酸水素ナトリウム(Na
HCO)、炭酸水素カリウム(KHCO)等を用い
ることができる。得られる金属粒子粉末の純度を考慮す
れば、炭酸水素アンモニウムが好ましい。
【0020】炭酸水素塩の添加量が金属塩に対してモル
比で0.01未満の場合には、加熱炉中で十分な熱分解
が起こらず、得られる球状金属粒子粉末の結晶性が低下
したり、金属酸化物が混在したりする場合がある。10
を超える場合には、効果が飽和するので必要以上に添加
する意味がない。得られる球状金属粒子粉末の結晶性、
純度及び工業性、経済性を考慮すれば、0.05〜5が
好ましい。
【0021】噴霧熱分解溶液の濃度は、目的とする金属
粒子粉末の粒子サイズとマイクロフィルターの細孔径に
応じて決めればよく、0.001mol/l以上が好ま
しく、より好ましくは0.005mol/l以上であ
る。0.001mol/l未満の場合には、得られる球
状金属粒子粉末の収量が低く、生産性が低下するため好
ましくない。得られる球状金属粒子粉末の粒度分布を考
慮すれば、噴霧熱分解溶液の濃度の上限値は好ましくは
0.5mol/lであり、より好ましくは0.4mol
/lである。
【0022】本発明における噴霧熱分解法では、噴霧熱
分解溶液を減圧雰囲気下、マイクロフィルターを通すこ
とによって噴霧する。マイクロフィルターの細孔径は、
目的とする金属粒子粉末の粒子径に応じて決めればよい
が、1〜100μmが好ましい。また、系内の圧力は、
常に一定になるようコントロールする必要があり、1.
33〜93.1kPaの間が好ましい。
【0023】本発明においては還元性ガスを用いること
なく金属粒子粉末を得ることができるため、マイクロフ
ィルターを通して噴霧した液滴はキャリアガスのみによ
って加熱炉中に導入される。キャリアガスとしては不活
性ガスであれば特に限定されるものではないが、好まし
くは窒素である。キャリアガスの流速は1.0〜10c
m/secが好ましい。
【0024】加熱炉は、5段以上設けることが好まし
く、3段以降で最高温度に達するように温度勾配を持た
せることが好ましい。1段から高温で加熱した場合に
は、急激な反応が生じるため緻密な粒子粉末を得ること
が困難となる。
【0025】加熱炉の温度は、具体的には1段目が20
0〜400℃であり、2段目が450〜650℃、3段
目以降が750〜1000℃とすることが好ましい。
【0026】また、加熱炉の1段の長さLと炉芯管の直
径Dの比L/Dは5以上であることが好ましい。L/D
が5未満の場合には、1つの加熱炉に滞留する時間が短
くなるため得られる球状金属粒子粉末の粒度分布が悪く
なる。工業的な生産性を考慮した場合、L/Dの上限値
は50である。
【0027】熱分解が終了した金属粒子粉末は、常法に
従い、バグフィルター、電気集じん機などによって集め
る。
【0028】本発明によって得られるニッケル粒子粉末
は、球状を呈しており、平均粒子径が0.001〜0.
1μmであり(必要に応じて0.005〜0.08μm
にできる)、幾何標準偏差値が2.0以下(必要に応じ
て1.8以下にできる)、BET比表面積値が1〜10
0m/gであり(必要に応じて1.5〜80m/g
にできる)、密度比が0.75〜1.0であり(必要に
応じて0.8〜1.0にできる)、体積固有抵抗値が
1.0〜9.5×10Ω・cm(必要に応じて1.0
〜5.0×10Ω・cmにできる)である。また、結
晶性は4000以上である。
【0029】本発明によって得られる銅粒子粉末は、球
状を呈しており、平均粒子径が0.001〜0.1μm
であり(必要に応じて0.05〜0.8μmにでき
る)、幾何標準偏差値が2.0以下(必要に応じて1.
8以下にできる)、BET比表面積値が1〜100m
/gであり(必要に応じて1.5〜80m/gにでき
る)、密度比が0.75〜1.0であり(必要に応じて
0.8〜1.0にできる)、体積固有抵抗値が1.0〜
9.5×10Ω・cm(必要に応じて1.0〜5.0
×10Ω・cmにできる)である。また、結晶性は4
000以上である。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の代表的な実施の形態は、
次の通りである。
【0031】粒子粉末の平均粒子径は、電子顕微鏡写真
を縦方向及び横方向にそれぞれ4倍に拡大した写真に示
される粒子約350個について、粒子径を測定し、その
平均値で示した。
【0032】粒子粉末の粒子径の幾何標準偏差値は次の
方法により求めた値で示した。即ち、前記拡大写真に示
される粒子の粒子径を測定した値を、その測定値から計
算して求めた粒子の実際の粒子径と個数から、統計学的
手法に従って、対数正規確率紙上の横軸に粒子径を、縦
軸に所定の粒子径区間のそれぞれに属する粒子の累積個
数(積算フルイ下)を百分率でプロットした。そしてこ
のグラフから粒子の累積個数が50%及び84.13%
のそれぞれに相当する粒子径の値を読み取り、幾何標準
偏差値=(積算フルイ下84.13%における粒子径)
/(積算フルイ下50%における粒子径(幾何平均
径))に従って算出した値で示した。幾何標準偏差値が
1に近いほど、粒子の粒子径の粒度が優れていることを
意味する。
【0033】比表面積値はBET法により測定した値で
示した。
【0034】粉体の密度比は、「マルチボリューム 密
度計 1305型」(マイクロメリティクス社製)を用
いて各粉体の密度を測定し、各金属粉体の真密度(Ni
=8.845g/cm、Cu=8.92g/cm
との比によって求めた。
【0035】金属粒子粉末の結晶性は、「X線回折装置
RAD−IIA」(理学電機工業株式会社製)(管
球:Fe)を使用し、2θが3〜105°の範囲で測定
し、得られた最強線のピーク強度で示した。
【0036】金属粒子粉末の体積固有抵抗値は、先ず、
試料粒子粉末0.5gを秤り取り、KBr錠剤成形器
(株式会社島津製作所製)を用いて、1.372×10
Pa(140Kg/cm)の圧力で加圧成形を行
い、円柱状の被測定試料を作製した。
【0037】次に、被測定試料(円柱状)を25℃、相
対湿度60%の環境下に12時間以上曝露した後、この
被測定試料をステンレス電極の間にセットし、ホイート
ストンブリッジ(TYPE2768、横河北辰電機株式
会社製)で15Vの電圧を印加して抵抗値R(Ω)を測
定する。
【0038】次に、被測定試料の上面の面積A(c
)と厚みt(cm)を測定し、数1にそれぞれの
測定値を代入して、体積固有抵抗値(Ω・cm)を求め
た。
【0039】
【数1】 体積固有抵抗値(Ω・cm)=R×(A/t) 但し、Rは実測の抵抗値である。
【0040】<球状金属粒子粉末の製造>濃度が0.1
mol/lの硝酸ニッケル水溶液に、硝酸ニッケルに対
してモル比で0.1になるように炭酸水素アンモニウム
水溶液を混合して、噴霧熱分解用水溶液を作製した。
【0041】上記噴霧熱分解用水溶液を、系内圧力が6
6.5kPaの雰囲気下、細孔径3μmのマイクロフィ
ルターを通して噴霧すると共に、系内の圧力を常に6
6.5kPaとなるように制御した。なお、用いた加熱
炉のL/Dは30であった。
【0042】加熱炉の一段目から五段目までの加熱温度
をそれぞれ300℃、600℃、800℃、800℃、
800℃とし、エアロゾル中の溶剤を徐々に蒸発させた
後、熱処理を行って、エアロゾル中で熱分解反応を生じ
させた。加熱炉出口にバグフィルターを設置して粒子を
捕集した。
【0043】得られたニッケル粒子粉末は球状を呈して
おり、平均粒子径が0.023μm、幾何標準偏差値が
1.51、BET比表面積値が43.3m/g、密度
比が0.82、結晶性が8000、体積固有抵抗値が
4.4×10Ω・cmであった。得られた球状ニッケ
ル粒子粉末の電子顕微鏡観察の結果、ほぼ真球状粒子で
あることを確認した。
【0044】
【作用】本発明において最も重要な点は、噴霧熱分解の
噴霧方法として減圧噴霧法を用いることにより、従来の
二流体ノズルや超音波噴霧方法では非常に生産性の悪か
った0.1μm以下の微細な球状金属粒子粉末を生産性
よく得ることができるということ及び噴霧熱分解溶液中
に炭酸水素塩を含有させることによって、キャリアガス
中に還元性ガスを含有させることなく金属粒子粉末を得
ることができ、しかも、得られた金属粒子粉末は分散性
に優れ、且つ、緻密で球状を呈するという事実である。
【0045】減圧噴霧法を用いることによって0.1μ
m以下の微細な球状金属粒子粉末を生産性よく得ること
が可能となった理由について、本発明者は、従来の超音
波噴霧法等では、噴霧する液滴の大きさをコントロール
することができないため、液滴に含まれる原料成分の濃
度を低く抑えることによって微細な球状金属粒子粉末を
生成しているため、単位時間当たりの収量を上げること
がが困難であったが、本発明においては、マイクロフィ
ルターの細孔径を選択し、系内の圧力を一定にコントロ
ールすることによって、0.001〜0.1μmの微細
な球状金属粒子粉末を得ることができるため、原料溶液
の濃度を低く抑える必要がなく、そのため、単位時間当
たりの収量を上げることができたものと考えている。
【0046】従来、金属粒子粉末を噴霧熱分解法によっ
て得る場合には、キャリアガス中に還元性ガスを含ませ
ておかなければ金属粒子粉末を得ることはできなかった
が、本発明においては、噴霧熱分解溶液中に炭酸水素塩
を含有させることによって、キャリアガス中に還元性ガ
スを全く含有させることなく金属粒子粉末を得ることが
できる。この理由は未だ明らかではないが、加熱炉中で
金属塩と共に炭酸水素塩も熱分解されて水素ガス及びC
Oガスが発生することによって還元性雰囲気になるため
と推定している。
【0047】また、本発明においては、加熱炉の段数を
多くして温度調節をより厳密に行い、更に、加熱炉の3
段以降で最高温度になるように温度調節することによっ
て、球状粒子で粒度分布が優れ、しかも、中空粒子を含
まない緻密な粒子粉末を得ることができたものと推定し
ている。
【0048】
【実施例】次に、実施例並びに比較例を挙げる。
【0049】実施例1〜4、比較例1〜4、参考例1:
金属塩水溶液における金属塩の種類及び濃度、炭酸水素
塩の種類及び添加量(金属塩に対するモル比)、マイク
ロフィルターの細孔径、系内の圧力、キャリアガスの種
類及び流速、還元性ガスの種類及び濃度、加熱炉の温度
及び加熱炉のL/Dを種々変化させた以外は、前記発明
の実施の形態と同様にして球状金属粒子粉末を得た。
【0050】このときの製造条件を表1に、得られた球
状金属粒子粉末の諸特性を表2に示す。
【0051】参考例1 濃度が0.01mol/lの硫酸ニッケル水溶液に、硫
酸ニッケルに対してモル比で1.0になるように炭酸水
素ナトリウム水溶液を混合して、噴霧熱分解用水溶液を
作製した。
【0052】上記噴霧熱分解用水溶液500mlを分取
し、超音波型噴霧器に入れ、超音波強度を50mWと
し、該水溶液の液面から、エアロゾルが発生しているこ
とを確認した後、キャリアガスとして窒素を使用し、管
内の流速が10cm/secになるように、セラミック
製加熱炉に導入した。なお、用いた加熱炉のL/Dは5
0であった。
【0053】加熱炉の一段目から五段目までの加熱温度
をそれぞれ250℃、500℃、750℃、800℃、
800℃とし、エアロゾル中の溶剤を徐々に蒸発させた
後、熱処理を行って、エアロゾル中で熱分解反応を生じ
させた。加熱炉出口に電気集塵器を設置して粒子を捕集
した。このとき集塵機入口のエアロゾルに対し、直流5
000Vの電圧によるコロナ放電処理を行い、強制的に
荷電させて、電気集塵器での捕集効率を高めた。
【0054】このときの製造条件を表1に、得られた球
状金属粒子粉末の諸特性を表2に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、キャリアガス中に還元
性ガスを含有させることなく、分散性に優れた緻密で純
度の高い球状金属粒子粉末を生産性よく得ることができ
る。
フロントページの続き (72)発明者 奥山 喜久夫 広島県東広島市鏡山1丁目4番1号広島大 学工学部内 Fターム(参考) 4K017 AA03 BA03 BA05 CA01 DA08 EK05 FA11

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニッケル塩水溶液又は銅塩水溶液と該水
    溶液中のニッケル塩又は銅塩に対してモル比で0.01
    〜10の炭酸水素塩を含有する水溶液との混合水溶液を
    噴霧熱分解溶液として用いて噴霧熱分解法によって球状
    金属粒子粉末を得る金属粒子粉末の製造法において、前
    記噴霧熱分解溶液を減圧して噴霧することを特徴とする
    金属粒子粉末の製造法。
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