JP2002273835A - アクリル樹脂積層フィルム、その製造方法、およびこれを用いた積層体 - Google Patents

アクリル樹脂積層フィルム、その製造方法、およびこれを用いた積層体

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  • Laminated Bodies (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な艶消し外観を有し、かつ印刷を施した
際の印刷抜けが少ないなど良好な印刷性を有するアクリ
ル樹脂積層フィルムを提供する。 【解決手段】 アクリル樹脂層(I)とアクリル樹脂層
(II)を積層して成り、アクリル樹脂層(I)側の60
°表面光沢度が100%以上であり、アクリル樹脂層
(II)側の60°表面光沢度が100%未満であり、3
00μm以下の厚みを有するアクリル樹脂積層フィル
ム;このアクリル樹脂積層フィルムを共押出し成形法や
熱ラミネート法により製造する方法;およびこのアクリ
ル樹脂積層フィルムのアクリル樹脂層(I)側を接する
ようにして、基材上に積層して成る積層体(表面にその
フィルムを積層した成形品)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材の表面加飾等
に有用であり、良好な艶消し外観と印刷性を有するアク
リル樹脂積層フィルムおよびその製造方法、ならびにこ
の積層フィルムを表面に有する積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】低コストで成形品に意匠性を付与する表
面加飾の方法として、インモールド成形法がある。この
方法は、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ア
クリル樹脂等のシートまたはフィルムの表面に印刷を施
し、これを真空成形法等によって所望の形状に成形した
後、または、成形せずにそのまま射出成形金型内に配置
し、基材となる樹脂を射出成形する方法である。このイ
ンモールド成形法によれば、シートまたはフィルムと基
材とを生産性良く一体化したり、印刷部のみを転写する
ことができる。
【0003】特開平9−263614号公報には、上述
の様なインモールド成形法において好適に使用でき、か
つ印刷性に優れたアクリル樹脂フィルムが開示されてい
る。すなわち、この公報には、所定の単量体混合物を所
定の方法により重合して得られる熱可塑性重合体および
ゴム含有重合体を所定量含有してなるアクリル系組成物
を用いて、直径が80μm以上で、異物が1個/m2
下で、厚みが300μm以下の印刷性に優れたアクリル
樹脂フィルムを製造できることが記載され、このアクリ
ル樹脂フィルムに印刷を施した場合、フィッシュアイに
起因する印刷抜けが抑制され、優れた印刷性が実現でき
ることが記載されている。
【0004】さらに、近年、印刷が施されたアクリル樹
脂フィルムの表面を艶消し状態として、高級感や深み感
等の意匠性や加飾性を付加することが求められてきてい
る。この様な要求は、艶消しアクリル樹脂フィルムに印
刷を施すことによって実現できる。
【0005】また、特開平10−237261号公報に
は、上述した特開平9−263614号公報記載のアク
リル樹脂組成物において粒径が特定範囲内に制御された
ゴム含有重合体を使用し、さらに艶消し剤として、無機
粒子、有機架橋粒子、水酸基含有直鎖状重合体等を添加
することにより、艶戻りが抑制された艶消しアクリル樹
脂フィルムを製造できることが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述の特開平10−2
37261号公報には、艶消しアクリル樹脂フィルムに
印刷を施した際の印刷抜け性に関して詳細には記載され
ていない。そこで本発明者らが、この公報記載の艶消し
アクリル樹脂フィルムを実際に製造し、印刷試験を行っ
たところ、印刷面の1m2当り10個を超える印刷抜け
が発生した。すなわち、このアクリル樹脂フィルムは、
艶消し性は優れているものの、印刷性においてまだ改善
の余地があると考えられる。
【0007】一般に、アクリル樹脂フィルムに印刷を施
す場合、印刷抜けが多数発生すると、意匠性、外観を損
なうばかりか、歩留まりの低下を招いてしまう。
【0008】すなわち本発明の目的は、良好な艶消し外
観を有し、かつ印刷を施した際の印刷抜けが少ないなど
良好な印刷性を有するアクリル樹脂積層フィルム、およ
びその製造方法、ならびにこの積層フィルムを表面に有
する積層体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の課
題を解決すべく鋭意検討した結果、互いに異なる特定の
表面光沢度を有する2種のアクリル樹脂層からなるアク
リル樹脂積層フィルムが非常に良好な効果を奏すること
を見い出し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち本発明は、アクリル樹脂層(I)
とアクリル樹脂層(II)を積層して成り、アクリル樹脂
層(I)側の60°表面光沢度が100%以上であり、
アクリル樹脂層(II)側の60°表面光沢度が100%
未満であり、300μm以下の厚みを有するアクリル樹
脂積層フィルムである。
【0011】さらに本発明は、上記アクリル樹脂積層フ
ィルムを製造する為の方法であって、フィードブロック
ダイまたはマルチマニホールドダイを介した共押出し成
形法で、アクリル樹脂層(I)およびアクリル樹脂層
(II)の積層構造を形成することを特徴とするアクリル
樹脂積層フィルムの製造方法である。
【0012】さらに本発明は、上記アクリル樹脂積層フ
ィルムを製造する為の方法であって、フィルム状のアク
リル樹脂層(I)と、フィルム状のアクリル樹脂層(I
I)とを、熱ラミネート法により積層することを特徴と
するアクリル樹脂積層フィルムの製造方法である。
【0013】さらに本発明は、上記アクリル樹脂積層フ
ィルムのアクリル樹脂層(I)側を接するようにして、
基材上に該アクリル樹脂積層フィルムを積層して成る積
層体である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のアクリル樹脂積層フィル
ムを構成する樹脂としては、従来より知られる各種のア
クリル樹脂を用いることができる。ただし、アクリル樹
脂層(I)には、以下に述べるアクリル樹脂組成物
(A)、以下に述べる多層構造重合体を含むアクリル樹
脂(B)を用いることが好ましい。また、アクリル樹脂
層(II)には、以下に述べる艶消し剤を含有するアクリ
ル樹脂組成物(C)を用いることが好ましい。
【0015】まず、アクリル樹脂層(I)に好適なアク
リル樹脂組成物(A)について説明する。アクリル樹脂
組成物(A)は、ゴム含有重合体(A−1)5.5〜9
9.9質量部、および、メタクリル酸アルキルエステル
を主成分として得た熱可塑性重合体(A−2)0.1〜
94.5質量部[成分(A−1)および成分(A−2)
の合計100質量部]から成る樹脂組成物である。
【0016】アクリル樹脂組成物(A)に用いるゴム含
有重合体(A−1)は、アクリル酸アルキルエステルを
主成分として得た1層または2層以上の構造を有する内
層としての弾性共重合体(a−1)の存在下に、メタク
リル酸アルキルエステルを主成分とする単量体をグラフ
ト重合して1層または2層以上の構造を有する外層とし
ての硬質重合体(a−2)を形成して成る、2層以上の
多層構造を有するゴム含有重合体である。
【0017】弾性共重合体(a−1)に用いるアクリル
酸アルキルエステルとしては、従来より知られる各種の
アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。特に、アク
リル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等が好ま
しい。このアクリル酸アルキルエステルは、弾性共重合
体(a−1)を構成する単量体のうちの主成分として用
いられるものである。具体的には、アクリル酸アルキル
エステルの使用量は、全単量体中35〜99.9質量%
が好ましい。この使用量が35質量%以上であると、フ
ィルムの成形性が良好となる。更に好ましい使用量は5
0質量%以上である。これら使用量の各範囲は、弾性共
重合体(a−1)が2層以上の構造を有する場合は、弾
性共重合体(a−1)の全体としてのアクリル酸アルキ
ルエステルの使用量を示すものである。例えば、弾性共
重合体(a−1)をハード芯構造にする場合、1層目
(芯部)のアクリル酸アルキルエステルの使用量を35
質量%未満にすることもできる。
【0018】弾性共重合体(a−1)を構成する単量体
として、アクリル酸アルキルエステルと共に、これと共
重合可能な他のビニル単量体を使用することもできる。
他のビニル単量体を使用する場合、その使用量は、全単
量体中64.9質量%以下が好ましい。他のビニル単量
体としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル等のメタクリル
酸アルキルエステル、スチレン、アクリロニトリルなど
が好ましい。これらは1種を単独でまたは2種以上を組
み合わせて使用できる。
【0019】弾性共重合体(a−1)を構成する単量体
の一部として、架橋性単量体を用いることが好ましい。
架橋性単量体としては、例えば、ジメタクリル酸エチレ
ングリコール、ジメタクリル酸ブタンジオール、アクリ
ル酸アリル、メタクリル酸アリル、フタル酸ジアリル、
トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレー
ト、ジビニルベンゼン、マレイン酸ジアリル、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、アリルシンナメート
等が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上
を組み合わせて使用できる。架橋性単量体の使用量は、
全単量体中0.1〜10質量%が好ましい。
【0020】ゴム含有重合体(A−1)は、以上説明し
た弾性共重合体(a−1)の存在下に、メタクリル酸ア
ルキルエステルを主成分とする単量体をグラフト重合し
て硬質重合体(a−2)を形成して成る2層以上の多層
構造のゴム含有重合体である。すなわち、弾性共重合体
(a−1)が内層を構成し、硬質重合体(a−2)が外
層を構成する。
【0021】硬質重合体(a−2)を得る為のグラフト
重合では、メタクリル酸アルキルエステルを主成分とし
て用いる。具体的には、メタクリル酸アルキルエステル
の使用量は、グラフト重合に用いる全単量体中50質量
%以上が好ましい。メタクリル酸アルキルエステルとし
ては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキ
シル、メタクリル酸シクロへキシル等が挙げられる。
【0022】硬質重合体(a−2)を得る為のグラフト
重合に用いる単量体として、メタクリル酸アルキルエス
テル共に、これと共重合可能な他のビニル単量体を使用
することもできる。他のビニル単量体を使用する場合、
その使用量は、全単量体中50質量%以下が好ましい。
他のビニル単量体としては、例えば、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル等の
アクリル酸アルキルエステル、スチレン、アクリロニト
リルなどが好ましい。これらは1種を単独でまたは2種
以上を組み合わせて使用できる。
【0023】これら各単量体を、弾性共重合体(a−
1)の存在下に1段以上でグラフト重合することによ
り、外層である硬質重合体(a−2)を形成して、ゴム
含有重合体(A−1)が得られる。ゴム含有重合体(A
−1)中の硬質重合体(a−2)の量は、弾性共重合体
(a−1)100質量部に対して、好ましくは10〜4
00質量部、より好ましくは20〜200質量部であ
る。
【0024】ゴム含有重合体(A−1)の粒子径は、
0.01〜0.5μmが好ましく、0.08〜0.3μmが
より好ましい。特に製膜性の観点では、その粒子径は、
0.08μm以上が好ましい。
【0025】ゴム含有重合体(A−1)の製造法、すな
わち弾性共重合体(a−1)を形成する為の重合法、お
よび硬質重合体(a−2)を形成する為の重合法として
は、例えば、従来より知られる乳化重合法を用いること
ができる。重合温度は、使用する重合開始剤の種類や量
によって最適値が異なるが、通常は40℃以上が好まし
く、60℃以上がより好ましく、95℃以下が好まし
く、120℃以下がより好ましい。
【0026】重合開始剤としては、従来より知られる各
種のものを使用できる。重合開始剤は、水相、単量体相
のいずれか片方、または双方に添加すればよい。
【0027】乳化重合に使用する乳化剤としては、アニ
オン系、カチオン系、ノニオン系の界面活性剤が挙げら
れるが、特にアニオン系界面活性剤が好ましい。アニオ
ン系界面活性剤としては、例えば、オレイン酸カリウ
ム、ステアリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウ
ム、N−ラウロイルザルコシン酸ナトリウム、アルケニ
ルコハク酸ジカリウム等のカルボン酸塩系界面活性剤;
ラウリル硫酸ナトリウム等の硫酸エステル塩系界面活性
剤;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエー
テルジスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸塩系界面活
性剤;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリ
ン酸ナトリウム等のリン酸エステル塩系界面活性剤;な
どが挙げられる。
【0028】乳化重合によって得たポリマーラテックス
は、例えば、目開きが100μm以下のフィルターで濾
過し、その後、酸凝固法、塩凝固法、凍結凝固法、噴霧
乾燥法等公知の凝固法により凝固させればよい。酸凝固
法には、硫酸、塩酸、リン酸等の無機酸、酢酸等の有機
酸を使用できる。塩凝固法には、硫酸ナトリウム、硫酸
マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化カルシウム等の
無機塩、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム等の有機塩
を使用できる。凝固させた重合体を、更に、洗浄、脱
水、乾燥する等して、ゴム含有重合体(A−1)が得ら
れる。
【0029】アクリル樹脂組成物(A)に用いる熱可塑
性重合体(A−2)は、メタクリル酸アルキルエステル
を主成分として得られる重合体であり、従来より知られ
る各種のものを用いることができる。
【0030】熱可塑性重合体(A−2)としては、炭素
数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエ
ステル50〜99.9質量部、アクリル酸アルキルエス
テル0.1〜50質量部、およびこれらと共重合可能な
他のビニル単量体0〜49.9質量部の合計100質量
部を重合して得たものであり、還元粘度(重合体0.1
gをクロロホルム100mlに溶解し、25℃で測定)
が0.1L/g以下である重合体であることが、製膜性
の観点から好ましい。
【0031】熱可塑性重合体(A−2)を得る為に用い
るメタクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
ブチル等が好ましく、なかでもメタクリル酸メチルが最
も好ましい。
【0032】熱可塑性重合体(A−2)を得る為に用い
る単量体として、メタクリル酸アルキルエステルと共
に、共重合可能な他のビニル単量体を使用することもで
きる。先に挙げた好ましい重合体においても使用してい
るように、他のビニル単量体としては、アクリル酸アル
キルエステルが好ましい。アクリル酸アルキルエステル
の具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル等が挙げられる。アクリル酸アル
キルエステルの使用量は、0.1〜50質量部が好まし
い。また、アクリル酸アルキルエステル以外のビニル単
量体も、共重合可能な他のビニル単量体として使用する
ことができ、そのビニル単量体の使用量は、49.9質
量部以下が好ましい。その具体例としては、スチレン等
の芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル等のシアン化
ビニル系単量体、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の
不飽和ジカルボン酸無水物、N−フェニルマレイミド、
N−シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。
【0033】熱可塑性重合体(A−2)の製造方法は、
特に限定されず、例えば、懸濁重合、乳化重合、塊状重
合等の各種重合法を用いることができる。重合時に、連
鎖移動剤、その他の重合助剤等を使用してもよい。連鎖
移動剤は各種のものが使用できるが、特にメルカプタン
類が好ましい。
【0034】熱可塑性重合体(A−2)の還元粘度は、
0.1L/g以下であることが、フィルム原料樹脂の溶
融時に適度の伸びが生じ、製膜性が良好となるので好ま
しい。また、その還元粘度は0.05L/g以上である
ことが、フィルムが脆くならない故にフィルム製膜時お
よび印刷時にフィルム切れを起こし難くなる点で好まし
い。
【0035】次に、アクリル樹脂層(I)に好適なアク
リル樹脂(B)について説明する。アクリル樹脂(B)
は、以下に示す最内層重合体(B−a)、以下に示す架
橋弾性重合体(B−b)ならびに以下に示す最外層重合
体(B−c)を基本構造として有し、さらに、架橋弾性
重合体(B−b)から成る層と最外層重合体(B−c)
から成る層の間に、以下に示す中間層(B−d)を少な
くとも一層有し、アクリル酸アルキルエステルの含有比
率が、架橋弾性重合体(B−b)、中間層(B−d)、
最外層重合体(B−c)の順で単調減少している多層構
造重合体を主成分としてなる樹脂である。
【0036】アクリル樹脂(B)に用いる最内層重合体
(B−a)は、炭素数1〜8のアルキル基を有するアク
リル酸アルキルエステルまたは炭素数1〜4のアルキル
基を有するメタクリル酸アルキルエステル(B−a1)
80〜100質量部、共重合可能な二重結合を有する他
の単量体(B−a2)0〜20質量部、および、多官能
性単量体(B−a3)0〜10質量部の合計100質量
部に対し、グラフト交叉剤0.1〜5質量部を添加した
単量体組成物を重合して得られる重合体である。
【0037】最内層重合体(B−a)に用いる(メタ)
アクリル酸アルキルエステル(B−a1)のうち、炭素
数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエス
テルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アク
リル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル等
が好ましく、特に、Tgの低いアクリル酸アルキルエス
テルが好ましい。これらは1種を単独でまたは2種以上
を組み合わせて使用できる。
【0038】(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B
−a1)のうち、炭素数1〜4のアルキル基を有するメ
タクリル酸アルキルエステルとしては、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メ
タクリル酸ブチルが挙げられる。これらは1種を単独で
または2種以上を組み合わせて使用できる。
【0039】(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B
−a1)は、その後、多段階に統一して用いる場合が最
も好ましいが、得ようとする最終品の目的によっては、
2種以上の単量体を混合したり、他種の(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルを用いることもできる。
【0040】共重合可能な2重結合を有する他の単量体
(B−a2)としては、例えば、アクリル酸高級アルキ
ルエステル、アクリル酸低級アルコキシエステル、アク
リル酸シアノエチルエステル、アクリルアミド、アクリ
ル酸、メタクリル酸等のアクリル性単量体が好ましい。
また、スチレン、アルキル置換スチレン、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル等も使用できる。
【0041】多官能性単量体(B−a3)としては、例
えば、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリ
ル酸1,3−ブチレングリコール、ジメタクリル酸1,4
−ブチレングリコール、ジメタクリル酸プロピレングリ
コール等のジメタクリル酸アルキレングリコールエステ
ルが好ましい。また、ジビニルベンゼン、トリビニルベ
ンゼン等のポリビニルベンゼン、ジアクリル酸アルキレ
ングリコールエステル等も使用可能である。これらの単
量体は、通常、それが含まれる層自体を橋架けするのに
有効に働き、他層との層間の結合には作用しない。ま
た、多官能性単量体(B−a3)が全く使用されなくて
も、グラフト交叉剤が存在する限りかなり安定な多層構
造体が得られる。例えば、熱間強度等が厳しく要求され
る場合などは、多官能性単量体(B−a3)をその目的
に応じて任意に使用すればよい。
【0042】上述のグラフト交叉剤としては、例えば、
共重合性のα,β−不飽和カルボン酸またはジカルボン
酸のアリル、メタリルまたはクロチルエステルが挙げら
れる。このうち、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、フマル酸等のアリルエステルが好ましく、特にメタ
クリル酸アリルが優れた効果を有する。また、トリアリ
ルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等も使用
できる。このようなグラフト交叉剤は、主としてそのエ
ステルの共役不飽和結合が、アリル基、メタリル基また
はクロチル基よりもはるかに早く反応し、化学的に結合
する。そして、遅く反応するアリル基、メタリル基また
はクロチル基の実質上かなりの部分は、次層重合体の重
合中に有効に働き、隣接二層間にグラフト結合を与え
る。
【0043】グラフト交叉剤の使用量は極めて重要であ
り、成分(B−a1)〜(B−a3)の合計量100質
量部に対して、0.1〜5質量部の範囲内で添加する。
この添加量が0.1質量部以上であれば、グラフト結合
の有効量が多くなる。また5質量部以下であれば、2段
目に重合形成される架橋弾性重合体(B−b)との反応
量が適度に抑えられ、2層弾性体構造からなる2層架橋
ゴム弾性体の弾性低下を防止できる。その添加量は、さ
らに0.5〜2質量部であることが好ましい。
【0044】アクリル樹脂(B)中の最内層重合体(B
−a)の含有量は、5〜35質量%が好ましく、5〜1
5質量%がより好ましい。また、架橋弾性重合体(B−
b)の含有量よりも低いことが好ましい。
【0045】アクリル樹脂(B)に用いる架橋弾性重合
体(B−b)は、多層構造重合体にゴム弾性を与える主
要な成分であり、炭素数1〜8のアルキル基を有するア
クリル酸アルキルエステル(B−b1)80〜100質
量部、共重合可能な二重結合を有する他の単量体(B−
b2)0〜20質量部、および、多官能性単量体(B−
b3)0〜10質量部の合計100質量部に対し、グラ
フト交叉剤0.1〜5質量部を添加した単量体組成物を
重合して得られる重合体(B−b)である。
【0046】架橋弾性体(B−b)に用いる成分(B−
b1)〜(B−b3)およびグラフト交叉剤等の具体例
としては、前述した最内層重合体(B−a)で説明した
各成分(B−a1)〜(B−a3)およびグラフト交叉
剤と同様のものが挙げられる。
【0047】アクリル樹脂(B)中の架橋弾性重合体
(B−b)の含有量は、10〜45質量%が好ましい。
また、最内層重合体(B−a)の含有量よりも高いこと
が好ましい。
【0048】アクリル樹脂(B)に用いる最外層重合体
(B−c)は、アクリル樹脂に製膜性、成形性を分配す
るのに有効な成分であり、炭素数1〜4のメタクリル酸
アルキルエステル(B−c1)51〜100質量部、お
よび、共重合可能な二重結合を有する他の単量体(B−
c2)0〜49質量部から成る単量体を重合して得られ
る、ガラス転移温度が60℃以上である重合体である。
【0049】最外層重合体(B−c)に用いるメタクリ
ル酸アルキルエステル(B−c1)および他の単量体
(B−c2)としては、最内層重合体(B−a)に用い
るメタクリル酸アルキルエステル(B−a1)および他
の単量体(B−a2)の例として挙げたものと同等のも
のを挙げることができる。
【0050】アクリル樹脂(B)中の最外層重合体(B
−c)の含有量は、10〜80質量%が好ましい。
【0051】アクリル樹脂(B)に用いる中間層(B−
d)は、炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸
アルキルエステル(B−d1)10〜90質量部、炭素
数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエ
ステル(B−d2)90〜10質量部、共重合可能な二
重結合を有する単量体(B−d3)0〜20質量部、お
よび、多官能性単量体(B−d4)0〜10質量部の合
計100質量部に対して、グラフト交叉剤0.1〜5質
量部を添加した単量体組成物を重合して得られる重合体
からなる層であって、アクリル酸アルキルエステル量が
架橋弾性重合体(B−b)から最外層(B−c)に向か
って単調減少する層である。
【0052】中間層(B−d)に用いる各成分(B−d
1)〜(B−d4)およびグラフト交叉剤としては、最
内層重合体(B−a)に用いる各成分(B−a1)〜
(B−a3)およびグラフト交叉剤の例として挙げたも
のと同等のものを挙げることができる。また、中間層
(B−d)におけるアクリル酸アルキルエステルの含有
比率(モノマー構成比率)は、架橋弾性重合体(B−
b)のアクリル酸アルキルエステルの含有比率よりも低
く設定し、最外層重合体(B−c)のアクリル酸アルキ
ルエステルの含有比率よりも高く設定する。
【0053】アクリル樹脂(B)中の中間層(B−d)
の含有量は、5〜35質量%が好ましい。この含有量が
5質量%以上であれば中間層としての機能を有効に発現
し、また35質量%以下であれば最終重合体のバランス
が良好になる。
【0054】アクリル樹脂(B)の製造方法としては、
乳化重合法による逐次多段重合法が最も適している。た
だし、特にこれに制限されることはなく、例えば、乳化
重合後最外層重合体(B−c)の重合時に、懸濁重合系
に転換させる乳化懸濁重合によっても製造できる。
【0055】乳化重合等によって得たポリマーラテック
スは、例えば、目開きが100μm以下のフィルターで
濾過し、その後、酸凝固法、塩凝固法、凍結凝固法、噴
霧乾燥法等公知の凝固法により凝固させればよい。酸凝
固法には、硫酸、塩酸、リン酸等の無機酸、酢酸等の有
機酸を使用できる。塩凝固法には、硫酸ナトリウム、硫
酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化カルシウム等
の無機塩、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム等の有機
塩を使用できる。凝固させた重合体を、更に、洗浄、脱
水、乾燥するとよい。
【0056】次に、アクリル樹脂層(II)に好適なアク
リル樹脂組成物(C)について説明する。アクリル樹脂
組成物(C)は、前述したアクリル樹脂組成物(A)ま
たはアクリル樹脂(B)100質量部に対し、さらに艶
消し剤0.1〜40質量部を添加して成る樹脂組成物で
ある。
【0057】アクリル樹脂組成物(C)に用いる艶消し
剤としては、有機系、無機系に関わらず従来より知られ
る各種の艶消し剤が挙げられる。特に、艶消し性、製膜
性、成形性の観点から、以下に示す水酸基を含有する重
合体(D)を、艶消し剤として用いることが好ましい。
【0058】水酸基を含有する重合体(D)は、炭素数
1〜8のアルキル基を有するアクリル酸ヒドロキシアル
キルエステルまたはメタクリル酸ヒドロキシアルキルエ
ステル1〜80質量部、炭素数1〜13のアルキル基を
有するメタクリル酸アルキルエステル10〜99質量
部、および、炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリ
ル酸アルキルエステル0〜79質量部の合計100質量
部からなる単量体を重合して得られる重合体である。
【0059】水酸基を含有する重合体(D)に用いる炭
素数1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸ヒ
ドロキシアルキルエステルとしては、例えば、メタクリ
ル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキ
シプロピル、メタクリル酸2,3−ジヒドロキシプロピ
ル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸4−
ヒドロキシブチル等が挙げられる。中でも、メタクリル
酸2−ヒドロキシエチルが好ましい。この(メタ)アク
リル酸ヒドロキシアルキルエステルの使用量は、1〜8
0質量部の範囲である。この使用量が1質量部以上であ
ると艶消し効果が十分となり、80質量部以下であると
粒子の分散性が良好となり、フィルムの製膜性が良好と
なる。艶消し性と製膜性の点からは、この使用量は5〜
50質量部が好ましく、20〜50質量部がより好まし
い。
【0060】水酸基を含有する重合体(D)に用いる炭
素数1〜13のアルキル基を有するメタクリル酸アルキ
ルエステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等の低級メタク
リル酸アルキルエステルが好ましく、中でもメタクリル
酸メチルが最適である。このメタクリル酸アルキルエス
テルの使用量は10〜99質量部であり、30〜90質
量部がより好ましい。
【0061】水酸基を含有する重合体(D)に用いる炭
素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエ
ステルは、具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル等の低級アクリル酸アルキルエステルが好適であ
る。このアクリル酸アルキルエステルの使用量は、0〜
79質量部であり、0.5〜40質量部が好ましく、5
〜25質量部がより好ましい。
【0062】水酸基を有する重合体(D)の固有粘度
は、0.05〜0.3L/gの範囲に調節することが、艶
消し発現性、外観の点から好ましい。また、分子量の調
節のために、メルカプタン等の重合調節剤を用いること
が好ましい。メルカプタンとしては、例えば、n−オク
チルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ド
デシルメルカプタン等を使用できる。ただし、これらの
ものに限定されず、従来より知られる各種のメルカプタ
ンを使用できる。
【0063】水酸基を有する重合体(D)の製造方法
は、特に限定されないが、懸濁重合、乳化重合等が好ま
しい。懸濁重合の開始剤としては、従来より知られる各
種のものが使用でき、具体的には、有機過酸化物、アゾ
化合物等が挙げられる。懸濁安定剤としては、従来より
知られる各種のものが使用でき、具体的には、有機コロ
イド性高分子物質、無機コロイド性高分子物質、無機微
粒子、およびこれらと界面活性剤との組み合わせ等が挙
げられる。懸濁重合は、通常、懸濁安定剤の存在下にモ
ノマー類を重合開始剤と共に水性懸濁して行う。それ以
外にも、モノマーに可溶な重合物をモノマーに溶かし込
んで使用し、懸濁重合を行うこともできる。
【0064】艶消し剤の添加量は、アクリル樹脂組成物
(A)またはアクリル樹脂(B)100質量部に対して
0.1〜40質量部である。0.1質量部以上の添加量で
十分な艶消し効果が発現する。さらに、良好な艶消し性
を得るためには2質量部以上添加することが好ましい。
【0065】特に、艶消し剤として水酸基を有する重合
体(D)を用いると、フィルムの伸度等の物性をほとん
ど悪化させない。従って、事前にフィルムの真空成形等
の必要なインモールド成形等でもフィルム切れ等が起こ
らず、良好に使用できる。
【0066】本発明では、アクリル樹脂組成物(A)ま
たはアクリル樹脂(B)100質量部に対して、以下に
示す熱可塑性重合体(E)を0.1〜20質量部を配合
して用いることも好ましい。
【0067】熱可塑性重合体(E)は、メタクリル酸メ
チル50〜100質量部と、これと共重合可能な他のビ
ニル単量体0〜50質量部の合計100質量部を重合し
てなり、重合体の還元粘度(重合体0.1gをクロロホ
ルム100mLに溶解し、25℃で測定)が0.2L/
gを超える熱可塑性重合体である。この熱可塑性重合体
(E)を使用することによって、フィルム製膜性が向上
するので、特に高いレベルの厚み精度や製膜速度が必要
となる場合に有効である。また、熱可塑性重合体(E)
の還元粘度が0.2L/gを超えるので、厚み精度が良
好なフィルムとなる。その還元粘度は、通常0.2L/
gを超えて2L/g以下、好ましくは1.2L/g以下
である。
【0068】熱可塑性重合体(E)において、メタクリ
ル酸メチルと共重合可能な他のビニル単量体としては、
例えば、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸メ
チル以外のメタクリル酸アルキルエステル、芳香族ビニ
ル化合物、ビニルシアン化合物等が挙げられる。
【0069】熱可塑性重合体(E)を製造する為の重合
法としては、乳化重合法が好ましい。熱可塑性重合体
(E)の製造方法においては、例えば、乳化重合法によ
って製造した重合体ラテックスを、各種凝固剤により分
離回収し、あるいはスプレードライにより固形分を分離
回収し、その重合体粉末を得る。
【0070】本発明において、必要に応じて用いる熱可
塑性重合体(E)の好ましい使用量は、アクリル樹脂組
成物(A)またはアクリル樹脂(B)100質量部に対
して、0.1〜20質量部である。この使用量が0.1質
量部以上であると、製膜性向上効果が発現し、一方、2
0質量部以下であると、樹脂組成物の粘度が適度とな
り、良好なフィルム製膜性が得られる。
【0071】本発明のアクリル樹脂積層フィルムは、必
要に応じて、一般の配合剤、例えば、安定剤、滑剤、加
工助剤、可塑剤、耐衝撃助剤、発泡剤、充填剤、着色
剤、紫外線吸収剤等を含むことができる。
【0072】特に基材の保護の点においては、耐候性を
付与するために紫外線吸収剤を添加することが好まし
い。この紫外線吸収剤の分子量は、300以上が好まし
く、400以上がより好ましい。この分子量が300以
上であれば、射出成形金型内で真空成形または圧空成形
を施す際に揮発し難く、金型汚れを発生し難い。紫外線
吸収剤の種類は、特に限定されないが、分子量400以
上のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、分子量400
以上のトリアジン系紫外線吸収剤が特に好ましい。前者
の市販品としては、例えば、チバガイギー社の商品名チ
ヌビン234、旭電化工業社の商品名アデカスタブLA
−31、後者の市販品としては、例えば、チバガイギー
社の商品名チヌビン1577等が挙げられる。
【0073】本発明のフィルムを構成する為に用いるア
クリル樹脂中において、クロロホルムに不溶なゲルの含
有率は5〜75質量%であることが好ましい。このゲル
含有率が5質量%以上であると、ゴム含有重合体のアク
リル樹脂中の含有量が実質的に5質量%以上になるため
に、フィルムが脆くならないので製膜性が良好となる。
また、75質量%以下であれば、製膜時に適度なメルト
テンションが得られ、製膜性が良好となる。このゲル含
有率は、10〜60質量%であることがより好ましい。
【0074】本発明のアクリル樹脂積層フイルムを製造
する為の方法としては、従来より知られる各種の方法を
用いることができる。特に、フィードブロックダイまた
はマルチマニホールドダイを介した共押出し成形法で層
(I)と層(II)の積層構造を形成する方法や、層
(I)と層(II)を夫々Tダイを用いた溶融押出し法等
によりフィルム状に成形して、その2種のフィルムを熱
ラミネート法により積層する方法等が好ましい。また、
一方のアクリル樹脂層をフィルム状にし、その後他方の
アクリル樹脂層を溶融押出し法により積層する押し出し
ラミネーション法等も好ましい。
【0075】また、溶融押出しをする場合は、印刷抜け
の原因となる核や異物を取り除く為に、200メッシュ
以上のスクリーンメッシュで溶融状態にあるアクリル樹
脂を濾過しながら押出しすることも好ましい。
【0076】上述の各方法等により、異物が少なく平滑
性が良好で60°表面光沢度が100%以上のアクリル
樹脂層(I)と、艶消し性を有し60°表面光沢度が1
00%未満のアクリル樹脂層(II)を形成することがで
きる。さらに、アクリル樹脂層(II)の60°表面光沢
度は50%以下が好ましく、30%以下がより好まし
い。この表面光沢度が低いほど、積層体にしたときの高
級感、落ち着き感が大幅に向上する。
【0077】本発明のアクリル樹脂積層フィルムは、適
当な印刷法により絵柄の印刷を施して使用することが特
に有用である。例えば、印刷を施したアクリル樹脂積層
フィルムを塗装代替フィルム等として所望の基材(成形
品等)上に積層することにより、意匠性が付与された積
層体(積層成形品)を簡易に得ることができる。
【0078】アクリル樹脂積層フィルムに印刷を施す場
合は、積層フィルムの片側に印刷処理を施すことが好ま
しく、特に、印刷抜けの原因となる異物が非常に少なく
フィルムの60゜表面光沢度が高いアクリル樹脂層
(I)の面に印刷処理を施すことが、印刷抜け低減の点
から好ましい。印刷を施したアクリル樹脂積層フィルム
を基材上に積層する場合は、フィルムの60゜表面光沢
度が高い方の面が基材と接するようにして積層すること
が、印刷面の保護や高級感の付与の点から好ましい。ま
た、アクリル樹脂積層フィルムを、熱ラミネーション
法、押出しラミネーション法等で製造する場合は、フィ
ルム状のアクリル樹脂層(I)に印刷処理を施した後
に、アクリル樹脂層(II)を積層することもできる。こ
の場合は、印刷面をアクリル樹脂層(I)とアクリル樹
脂層(II)の間に設けることも可能である。印刷法とし
ては、グラビア印刷法、フレキソグラフ印刷法、シルク
スクリーン印刷法など、従来より知られる各種の印刷法
を使用できる。また、必要に応じて着色加工を施すこと
もできる。
【0079】印刷を施した面における印刷抜けの個数
は、10個/m2以下であることが、意匠性、加飾性の
点から好ましい。印刷抜けの個数が10個/m2以下の
場合は、このフィルムの積層成形品の外観が良好とな
る。この印刷抜けの個数は、好ましくは5個/m2
下、より好ましくは1個/m2以下である。
【0080】従来から知られている艶消しフィルムで
は、印刷を施したときに印刷抜けの個数が10個/m2
を超える傾向にある。この様なフィルムに対して、例え
ば木目調の印刷を施した場合は、印刷抜けがあたかも木
目調での虫食いの穴に見えるので著しい外観の低下を招
くことはない。しかし、例えばメタリック調の印刷を施
した場合は、明らかな欠陥と分かるので意匠性、外観の
低下を招き、印刷抜けの有るものは不良品となり、製造
歩留まりが低下することになる。一方、本発明のアクリ
ル樹脂積層フィルムを用いれば、印刷抜けが低減でき
る。すなわち、その工業的利用価値は著しく高い。
【0081】アクリル樹脂積層フィルムの厚みは、30
0μm以下である。塗装代替フィルムとして用いる場合
は、その厚みは50μm〜300μmが好ましい。この
厚みが50μm以上であると、成形品外観において十分
な深みが得られる。また特に、複雑な形状に成形する場
合、延伸によって十分な厚みが得られる。一方、厚みが
300μm以下であると、適度な剛性を有することにな
るので、ラミネート性、二次加工性等が向上する。ま
た、単位面積あたりの質量の点で、経済的に有利にな
る。さらには、製膜性が安定してフィルムの製造が容易
になる。
【0082】アクリル樹脂層(II)の層厚みは、特に制
限無く設定することが可能である。ただし、艶消し剤と
してPMMA架橋粒子やマイカなどに代表される、アク
リル樹脂組成物(A)やアクリル樹脂(B)等とは屈折
率が異なる艶消し剤を用いる場合は、その透明性、ある
いはインモールド成形等の二次加工後の艶消し性の観点
から、アクリル樹脂層(II)の層厚みは重要である。通
常は、アクリル樹脂層(II)の層厚みは1〜150μm
程度が好ましい。透明性の観点からは、アクリル樹脂層
(II)の層厚みはできるだけ薄いことが好ましいが、二
次加工後の艶消し性の観点からはアクリル樹脂層(II)
の層厚みはできるだけ厚いことが好ましい。この透明性
および二次加工後の艶消し性の観点から、アクリル樹脂
層(II)の層厚みは5〜100μmがより好ましく、1
0〜50μmが特に好ましい。これら各範囲内の厚みと
することで、十分な透明性と、二次加工後の艶消し性を
確保することができる。この場合、アクリル樹脂層
(I)に印刷を施して積層フィルムとした場合にも、下
地の印刷がはっきりと見え、かつ二次加工後も十分な厚
みを有するので艶消し性を保持することができ、工業的
利用価値が非常に高いアクリル樹脂積層フィルムとな
る。
【0083】通常の塗装によって成形品表面に十分な厚
みの塗膜を形成するには、十数回の重ね塗りが必要であ
り、コストがかかり、生産性が極端に悪くなる。これに
対して本発明のアクリル樹脂積層フィルムを用いれば、
それ自体が塗膜となるので、非常に厚い塗膜を容易に形
成でき、工業的に非常に有利である。
【0084】アクリル樹脂積層フィルムを基材上に積層
する場合は、フィルムの60゜表面光沢度が高い方の面
(所望により印刷が施された面)が基材と接するように
して積層することが、印刷面の保護や高級感の付与の点
から好ましい。
【0085】基材としては、例えば樹脂成形品が挙げら
れる。この成形品を構成する樹脂としては、アクリル樹
脂積層フィルムと溶融接着可能なものであればよく、例
えば、ABS樹脂、AS樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポ
リエステル系樹脂、あるいはこれらを主成分とする樹脂
が挙げられる。中でも、接着性の点から、ABS樹脂、
AS樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、あ
るいはこれらを主成分とする樹脂が好ましく、特に、A
BS樹脂、ポリカーボネート樹脂、あるいはこれらを主
成分とする樹脂がより好ましい。ただし、ポリオレフィ
ン樹脂等の熱融着しない基材樹脂であっても、接着性の
層を介在させることで、アクリル樹脂積層フィルムと基
材を積層成形することは可能である。
【0086】本発明のアクリル樹脂積層フィルムを二次
元形状の基材上に積層する場合、熱融着できる基材に対
しては熱ラミネーション等の公知の方法を用いることが
できる。また、熱融着しない基材に対しては、接着剤を
介して貼り合わせることも可能である。三次元形状の基
材上に積層成形する場合は、インサート成形法やインモ
ールド成形法等の公知の成形方法を用いることができ
る。中でも、生産性の観点からインモールド成形法が特
に好ましい。
【0087】インモールド成形法では、アクリル樹脂積
層フィルムを加熱した後、真空引き機能を持つ型内で真
空成形を行う。このインモールド成形法によれば、フィ
ルムの成形と射出成形を一工程で行えるので、作業性、
経済性の点から好ましい。加熱温度は、アクリル樹脂積
層フィルムが軟化する温度以上であることが好ましい。
フィルムの熱的性質あるいは成形品の形状に左右される
が、通常、加熱温度は70℃以上である。ただし、あま
りに温度が高いと、艶戻りが発生し、艶消し性が損なわ
れる。艶戻り等が発生する温度もフィルムの熱的性質あ
るいは成形品の形状に左右されるが、通常、加熱温度は
170℃以下であることが好ましい。
【0088】一般に、真空成形によりフィルムに三次元
形状を付与する場合、金型コーナー部の白化が生じない
ことや、コーナー部への追従性が重要であるが、その点
において、真空成形法はアクリル樹脂積層フィルムの特
性を最大限に生かせる加工法である。すなわち、アクリ
ル樹脂積層フィルムは、高温時の伸度に富んでおり、真
空成形法において非常に有利である。
【0089】また、真空成形時にアクリル樹脂積層フィ
ルムが接する金型は、エンボス加工処理されていること
が好ましい。このエンボス加工処理により、インモール
ド成形時の艶戻りが軽減する。
【0090】インモールド成形法によれば、このように
真空成形で三次元形状を付与した後、射出成形によりア
クリル樹脂積層フィルムと基材樹脂を溶融一体化させる
ことで、表層にアクリル樹脂積層フィルム層を有するア
クリル積層成形品を得ることができる。
【0091】このアクリル積層成形品の用途としては、
特に限定されるのではないが、例えば、コンソールボッ
クス、シフトレバーボックス等の自動車内装部品、二輪
車のカウリング等の車輌外装部品、家電製品、家具、建
材など、従来より艶消し塗装を施していた各種の部材に
利用できる。
【0092】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例により制限されるもの
ではない。実施例中「部」とあるのは「質量部」を表
す。また、実施例中の略号は以下のとおりである。 メチルメタクリレート MMA メチルアクリレート MA ブチルアクリレート BA スチレン St ヒドロキシエチルメタクリレート HEMA アリルメタクリレート AMA 1,3−ブチレングリコールジメタクリレート 1,3BD t−ブチルハイドロパーオキサイド tBH t−ヘキシルハイドロパーオキサイド tHH ラウリルパーオキサイド LPO n−オクチルメルカプタン nOM。
【0093】実施例における各種物性の測定は、以下の
方法に従って実施した。
【0094】1)還元粘度、固有粘度:熱可塑性重合体
(A−2)および(E)の還元粘度と、水酸基を有する
重合体(D)の固有粘度は、サン電子工業製AVL−2
C自動粘度計を使用して、溶媒にクロロホルムを用い、
25℃で測定した。還元粘度の測定では、クロロホルム
100mlにサンプル0.1gを溶かしたものを使用し
た。
【0095】2)粒子径 ゴム含有重合体(A−1)および多層構造重合体[アク
リル樹脂(B)]の粒子径については、乳化重合で得た
それら重合体のポリマーラテックスの最終粒子径を、大
塚電子(株)製の光散乱光度計DLS−700を用い、
動的光散乱法で測定した。
【0096】3)60°表面光沢度 60゜表面光沢度は、グロスメーター(ムラカミカラー
リサーチラボラトリー製、GM−26D型)を用いて測
定した。
【0097】4)アクリル樹脂組成物のゲル含有率 フィルム状に成形する前のアクリル樹脂ペレットを、ク
ロロホルムに溶解させて1質量%クロロホルム溶液を調
製し、25℃にて一昼夜放置し、その後16000r.
p.m.で90分間遠心分離を施し、その上澄み液を除
き、乾燥した後の不溶分の質量%をゲル含有率とした。
【0098】5)印刷抜け個数 フィルムの鏡面冷却ロールに接していた側の面に、絵柄
をグラビア印刷し、5m2の目視検査を行い、印刷抜け
の個数を計測して1m2あたりに換算した。
【0099】6)アクリル樹脂層(II)の層厚み アクリル樹脂積層フィルムを適当な大きさに切り出し、
切片を0.5重量%四酸化ルテニウム水溶液に、室温で
15時間浸漬してゴム含有重合体(A−1)部分を染色
した。更に、ミクロトームを用いて断面層が観察できる
ように、約70nmの厚みにサンプルを切断し、透過型
電子顕微鏡で断面層を写真撮影した。この写真から艶消
し剤が存在する部分の層厚みを求めて、アクリル樹脂層
(II)の層厚みとした。
【0100】7)フィルム外観 アクリル樹脂積層フィルムに印刷を施して、印刷の見え
方で評価した。 ○−にごり感がない。 ×−にごり感がある。
【0101】<製造例1:ゴム含有重合体(A−1)の
製造>窒素雰囲気下、還流冷却器付き反応容器に脱イオ
ン水244部を入れ、80℃に昇温し、以下に示す成分
(イ)を添加し、撹拌を行いながら以下に示す原料
(ロ)[重合体(a−1)用原料の一部]の1/15を
仕込み15分保持した。次いで、残りの原料(ロ)を、
水に対する単量体混合物の増加率8%/時間で連続的に
添加した。その後1時間保持して重合を行い、重合体ラ
テックスを得た。続いて、そのラテックスにソジウムホ
ルムアルデヒドスルホキシレート0.6部を加え、その
後15分保持し、窒素雰囲気下80℃で撹拌を行いなが
ら、以下に示す原料(ハ)[重合体(a−1)用原料の
一部]を、水に対する単量体混合物の増加率4%/時間
で連続的に添加した。その後2時間保持して重合を行
い、弾性共重合体(a−1)のラテックスを得た。
【0102】この弾性共重合体(a−1)のラテックス
に、引き続いて、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシ
レート0.4部を加え、その後15分保持し、窒素雰囲
気下80℃で撹拌を行いながら、以下に示す原料(ニ)
[硬質重合体(a−2)用原料]を、水に対する単量体
混合物の増加率10%/時間で連続的に添加した。その
後1時間保持して重合を行い、ゴム含有重合体(A−
1)のラテックスを得た。ゴム含有重合体(A−1)の
粒子径は0.28μmであった。
【0103】このゴム含有重合体(A−1)のラテック
スを、目開き50μmのフィルターで濾過し、次いで、
酢酸カルシウムを用いて凝析、凝集、固化反応を行い、
ろ過、水洗し、乾燥してゴム含有重合体(A−1)を得
た。
【0104】 (イ) ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.6部 硫酸第一鉄 0.00012部 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.0003部 (ロ) MMA 22.0部 BA 15.0部 St 3.0部 AMA 0.4部 1,3BD 0.14部 tBH 0.18部 モノ(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)リン酸40%と ジ(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)リン酸60%の 水酸化ナトリウムの混合物の部分中和物 1.0部 (ハ) BA 50.0部 St 10.0部 AMA 0.4部 1,3BD 0.14部 tHH 0.2部 モノ(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)リン酸40%と ジ(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)リン酸60%の 水酸化ナトリウムの混合物の部分中和物 1.0部 (ニ) MMA 57.0部 MA 3.0部 nOM 0.3部 tBH 0.06部。
【0105】上記の様にして得たゴム含有重合体(A−
1)23部と、熱可塑性重合体(A−2)であるMMA
/MA共重合体(MMA/MA=99/1、還元粘度
0.06L/g)77部とを混合して、アクリル樹脂組
成物(A)を得た。
【0106】<製造例2:アクリル樹脂(B)の製造>
冷却器付き重合容器内にイオン交換水250部、スルホ
コハク酸のエステルソーダ塩2部、ソジウムホルムアル
デヒドスルホキシレート0.05部を仕込み、窒素下で
撹拌後、MMA1.6部、BA8部、1,3BD0.4
部、AMA0.1部およびクメンハイドロパーオキサイ
ド0.04部からなる混合物を仕込んだ。70℃に昇温
後、60分間反応を継続させ最内層重合体(B−a)の
重合を完結した。続いて、架橋弾性重合体(B−b)を
形成する為のMMA1.5部、BA22.5部、1,3B
D1.0部、AMA0.25部およびクメンハイドロパー
オキサイド0.05部からなる混合物を60分間で添加
し、重合して、最内層重合体(B−a)と架橋弾性重合
体(B−b)からなる2層架橋ゴム弾性体を得た。
【0107】続いて、この2層架橋ゴム弾性体の存在下
に、MMA5部、BA5部およびAMA0.1部の混合
物を反応させて、中間層(B−d)を形成し、最後に、
MMA52.25部とBA2.75部からなる混合物を反
応させて最外層重合体(B−c)を形成し、多層構造重
合体のラテックスを得た。
【0108】この多層構造重合体の粒子径は0.12μ
mであった。得られた重合体ラテックスを、目開き75
μmのフィルターで濾過した後、重合体100部に対し
て5部の酢酸カルシウムを用いて塩析し、洗浄し、乾燥
してアクリル樹脂(B)を得た。
【0109】<製造例3:アクリル樹脂組成物(C)の
製造>撹拌機、還流冷却器、窒素ガス導入口等の付いた
反応容器に、次の混合物を仕込んだ。
【0110】 MA 10部 MMA 60部 HEMA 30部 n−OM 0.08部 LPO 0.5部 メチルメタクリレート/メタクリル酸塩/ メタクリル酸エチルスルホン酸塩の共重合体 0.05部 硫酸ナトリウム 0.5部 イオン交換水 250部。
【0111】容器内を十分に窒素ガスで置換し、その後
撹拌しながら75℃まで加熱し、窒素ガス気流中で重合
を進めた。2時間後に90℃に昇温してさらに45分保
持して重合を完了した。得られた重合体ビーズを、脱
水、乾燥して水酸基を有する重合体(D)を得た。この
重合体(D)の固有粘度は、0.11L/gであった。
この水酸基を有する重合体(D)10部を艶消し剤とし
て、製造例1で得たアクリル樹脂組成物(A)100
部、または、製造例2で得たアクリル樹脂(B)100
部に混合することによって、2種のアクリル樹脂組成物
(C)を得た。
【0112】<製造例4:熱可塑性重合体(E)の製造
>反応容器に窒素置換したイオン交換水200部を仕込
み、乳化剤オレイン酸カリウム1部、過硫酸カリウム
0.3部を仕込んだ。続いてMMA40部、BA10
部、nOM0.005部を仕込み、窒素雰囲気下65℃
にて3時間撹拌し、重合を完結させた。引き続いて、M
MA48部およびBA2部からなる単量体混合物を2時
間にわたり滴下し、滴下終了後2時間保持し、重合を完
結させた。得られたラテックスを0.25%硫酸水溶液
に添加し、重合体を酸凝析し、その後脱水、水洗、乾燥
し、粉体状で重合体を回収した。得られた共重合体の還
元粘度ηsp/cは0.38L/gであった。
【0113】<実施例1>製造例1のアクリル樹脂組成
物(A)100部、製造例4の熱可塑性重合体(E)1
部、紫外線吸収剤であるチヌビン1577(チバガイギ
ー社製)1部、ホスファイト系抗酸化剤であるPEP8
F(旭電化(株)製)0.4部をヘンシェルミキサーを
用いて混合した。次いで、40mmφのスクリュー型2
軸押出機(L/D=26)を用いて、シリンダー温度2
00℃〜260℃、ダイ温度250℃の条件下で溶融混
練し、ペレット化して、アクリル樹脂層(I)用組成物
(ゲル含有率22%)を得た。
【0114】また、製造例2のアクリル樹脂(B)10
0部および水酸基を有する重合体(D)10部[すなわ
ち製造例3の一方のアクリル樹脂組成物(C)110
部]、製造例4の熱可塑性重合体(E)1部、チヌビン
1577を1部、PEP8F0.4部をヘンシェルミキ
サーを用いて混合した。次いで、40mmφのスクリュ
ー型2軸押出機(L/D=26)を用いて、シリンダー
温度200℃〜260℃、ダイ温度250℃の条件下で
溶融混練し、ペレット化して、アクリル樹脂層(II)用
組成物(ゲル含有率55%)を得た。
【0115】これら2種のペレットを80℃で一昼夜乾
燥し、シリンダー温度240℃に設定した25mmφの
押出し機でアクリル樹脂層(II)用組成物を可塑化し、
またシリンダー温度240℃に設定した400メッシュ
のスクリーンメッシュを設けた65mmφの押出し機で
アクリル樹脂層(I)用組成物を可塑化し、次いで、2
50℃に設定した2種2層用フィードブロックダイで、
アクリル樹脂層(I)側が鏡面冷却ロールに接する様にし
て、厚さ200μmのアクリル樹脂積層フィルムに製膜
した。このアクリル樹脂積層フィルムの断面観察を行っ
たところ、アクリル樹脂層(II)の層厚みは50μmであ
った。
【0116】更に、このアクリル樹脂積層フィルムのア
クリル樹脂層(I)面にグラビア印刷加工を施した。次
いで、このフィルムを140℃で1分間加熱し、真空引
き機能を持つ金型で真空成形を行った。成形加工したフ
ィルムを金型に配した状態で、ABS樹脂(三菱レイヨ
ン製、ダイヤペットABSバルクサムTM20)をフィ
ルムの印刷面側に射出成形し、積層成形品を得た。
【0117】<実施例2>アクリル樹脂層(II)用組成
物の成分のうち、アクリル樹脂(B)100部の代わり
に、アクリル樹脂組成物(A)100部を用いたこと
[すなわち製造例3のもう一方のアクリル樹脂組成物
(C)を用いたこと]以外は実施例1と同様に実施し
た。
【0118】<実施例3>アクリル樹脂層(I)用組成
物の成分のうち、アクリル樹脂組成物(A)100部の
代わりに、アクリル樹脂(B)100部を用いたこと以
外は実施例1と同様に実施した。
【0119】<実施例4>アクリル樹脂層(I)用組成
物の成分のうち、アクリル樹脂組成物(A)100部の
代わりにアクリル樹脂(B)100部を用い、アクリル
樹脂層(II)用組成物の成分のうち、アクリル樹脂
(B)100部の代わりにアクリル樹脂組成物(A)1
00部を用いたこと以外は、実施例1と同様に実施し
た。
【0120】<実施例5>アクリル樹脂層(II)の厚み
を3μm、アクリル樹脂層(I)の厚みを197μmと
したこと以外は実施例2と同様に実施した。
【0121】<実施例6>アクリル樹脂層(II)の厚み
を120μm、アクリル樹脂層(I)の厚みを80μm
としたこと以外は実施例2と同様に実施した。
【0122】<実施例7>艶消し剤として、水酸基を有
する重合体(D)10部の代わりに、平均粒径が約2μ
mのPMMA架橋粒子(MR−2G、綜研化学社製)1
0部を用いたこと以外は実施例2と同様に実施した。
【0123】<実施例8>アクリル樹脂層(II)の厚み
を3μm、アクリル樹脂層(I)の厚みを197μmと
したこと以外は実施例7と同様に実施した。
【0124】<実施例9>アクリル樹脂層(II)の厚み
を120μm、アクリル樹脂層(I)の厚みを80μm
としたこと以外は実施例7と同様に実施した。
【0125】<実施例10>艶消し剤として、水酸基を
有する重合体(D)10部の代わりに、平均粒径が約2
μmのタルク10部を用いたこと以外は実施例2と同様
に実施した。
【0126】<実施例11>アクリル樹脂層(II)の厚
みを3μm、アクリル樹脂層(I)の厚みを197μm
としたこと以外は実施例10と同様に実施した。
【0127】<実施例12>アクリル樹脂層(II)の厚
みを120μm、アクリル樹脂層(I)の厚みを80μ
mとしたこと以外は実施例10と同様に実施した。
【0128】<実施例13>実施例2で用いたアクリル
樹脂層(I)用組成物を、300mmTダイを取り付
け、400メッシュのスクリーンメッシュを設けた40
mmφのノンベントスクリュー型押出機(L/D=2
6)を用いて、シリンダー温度200℃〜240℃、T
ダイ温度250℃の条件下で、厚さ150μmのアクリ
ル樹脂層(I)用フィルムを得た。
【0129】また、実施例2で用いたアクリル樹脂層
(II)用組成物を、300mmTダイを取り付けた40
mmφのノンベントスクリュー型押出機(L/D=2
6)を用いて、シリンダー温度200℃〜240℃、T
ダイを介して溶融押出を行ない、厚さ50μmのアクリ
ル樹脂層(II)用フィルムを得た。
【0130】最後に、エンボスロールを用いて、アクリ
ル樹脂層(II)用フィルムを150℃に加熱して、アク
リル樹脂層(I)用フィルムに熱ラミネートして、アク
リル樹脂積層フィルムを得た。そして実施例1と同様に
して、このアクリル樹脂積層フィルムに対して、印刷、
成形加工を施し、積層成形品を作製した。
【0131】<比較例1>実施例1で用いたアクリル樹
脂層(I)用組成物を、300mmTダイを取り付け
た、400メッシュのスクリーンメッシュを設けた40
mmφのノンベントスクリュー型押出機(L/D=2
6)を用いて、シリンダー温度200℃〜240℃、T
ダイ温度250℃の条件下で、厚さ200μmのフィル
ムに製膜した。この単層のアクリル樹脂フィルムに対し
て、実施例1と同様にして、印刷、成形加工を施し、積
層成形品を作製した。
【0132】<比較例2>実施例3で用いたアクリル樹
脂層(I)用組成物を用いたこと以外は、比較例1と同
様にして厚さ200μmの単層のアクリル樹脂フィルム
を作製し、印刷、成形加工を施し、積層成形品を作製し
た。
【0133】<比較例3>実施例1のアクリル樹脂層
(II)用組成物を、300mmTダイを取り付けた、4
0mmφのノンベントスクリュー型押出機(L/D=2
6)を用いて、シリンダー温度200℃〜240℃、T
ダイ温度250℃の条件下で、厚さ200μmの単層の
アクリル樹脂フィルムに製膜した。そして、実施例1と
同様にして、印刷、成形加工を施し、積層成形品を作製
した。
【0134】<比較例4>実施例2のアクリル樹脂層
(II)用組成物を用いたこと以外は、比較例3と同様に
して厚さ200μmの単層のアクリル樹脂フィルムを作
製し、印刷、成形加工を施し、積層成形品を作製した。
【0135】<評価>実施例および比較例の評価結果を
下記表1に示す。
【0136】
【表1】
【0137】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
良好な艶消し外観を有し、かつ印刷を施した際の印刷抜
けが少ないなど良好な印刷性を有するアクリル樹脂積層
フィルム、およびその製造方法、ならびにこの積層フィ
ルムを表面に有する積層体を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 7:00 B29L 7:00 9:00 9:00 Fターム(参考) 4F100 AH02B AH02H AK01A AK25A AK25B AK25K AL04A AL05A AN02A AR00B AR00H AT00C BA02 BA03 BA07 BA26 CA30B EC03 EH17 HB31 JB16A JN21A JN21B JN26B JN26H YY00A YY00B 4F207 AA21 AG01 AG03 KA01 KA17 KB22 KL63 KL84 KW50 4J002 BG05X BG06X BN12W GF00

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル樹脂層(I)とアクリル樹脂層
    (II)を積層して成り、アクリル樹脂層(I)側の60
    °表面光沢度が100%以上であり、アクリル樹脂層
    (II)側の60°表面光沢度が100%未満であり、3
    00μm以下の厚みを有するアクリル樹脂積層フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 アクリル樹脂層(II)の層厚が、1〜1
    50μmである請求項1記載のアクリル樹脂積層フィル
    ム。
  3. 【請求項3】 アクリル樹脂層(I)が、以下に示すア
    クリル樹脂組成物(A)を構成成分とする請求項1記載
    のアクリル樹脂積層フィルム。 アクリル樹脂組成物(A) 以下に示すゴム含有重合体(A−1)5.5〜99.9重
    量部、および、メタクリル酸アルキルエステルを主成分
    として得た熱可塑性重合体(A−2)0.1〜94.5重
    量部[成分(A−1)および成分(A−2)の合計10
    0質量部]から成るアクリル樹脂組成物。 ゴム含有重合体(A−1) アクリル酸アルキルエステルを主成分として得た1層ま
    たは2層以上の構造を有する内層としての弾性共重合体
    (a−1)の存在下に、メタクリル酸アルキルエステル
    を主成分とする単量体をグラフト重合して1層または2
    層以上の構造を有する外層としての硬質重合体(a−
    2)を形成して成る、2層以上の多層構造を有するゴム
    含有重合体。
  4. 【請求項4】 アクリル樹脂層(I)が、以下に示アク
    リル樹脂(B)を構成成分とする請求項1記載のアクリ
    ル樹脂積層フィルム。 アクリル樹脂(B) 炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキル
    エステルまたは炭素数1〜4のアルキル基を有するメタ
    クリル酸アルキルエステル(B−a1)80〜100質
    量部、共重合可能な二重結合を有する他の単量体(B−
    a2)0〜20質量部、および、多官能性単量体(B−
    a3)0〜10質量部の合計100質量部に対し、グラ
    フト交叉剤0.1〜5質量部を添加した単量体組成物を
    重合して得られる最内層重合体(B−a)、炭素数1〜
    8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル
    (B−b1)80〜100質量部、共重合可能な二重結
    合を有する他の単量体(B−b2)0〜20質量部、お
    よび、多官能性単量体(B−b3)0〜10質量部の合
    計100質量部に対し、グラフト交叉剤0.1〜5質量
    部を添加した単量体組成物を重合して得られる架橋弾性
    重合体(B−b)、ならびに、炭素数1〜4のメタクリ
    ル酸アルキルエステル(B−c1)51〜100質量
    部、および、共重合可能な二重結合を有する他の単量体
    (B−c2)0〜49質量部から成る単量体を重合して
    得られる、ガラス転移温度が60℃以上である最外層重
    合体(B−c)、の三種の重合体(B−a)〜(B−
    c)を基本構造として有し、さらに、架橋弾性重合体
    (B−b)から成る層と最外層重合体(B−c)から成
    る層の間に中間層として、炭素数1〜8のアルキル基を
    有するアクリル酸アルキルエステル(B−d1)10〜
    90質量部、炭素数1〜4のアルキル基を有するメタク
    リル酸アルキルエステル(B−d2)90〜10質量
    部、共重合可能な二重結合を有する単量体(B−d3)
    0〜20質量部、および、多官能性単量体(B−d4)
    0〜10質量部の合計100質量部に対して、グラフト
    交叉剤0.1〜5質量部を添加した単量体組成物を重合
    して得られる重合体からなる中間層(B−d)を少なく
    とも一層有し、アクリル酸アルキルエステルの含有比率
    が、架橋弾性重合体(B−b)、中間層(B−d)、最
    外層重合体(B−c)の順で単調減少している多層構造
    重合体を主成分としてなるアクリル樹脂。
  5. 【請求項5】 アクリル樹脂層(II)が、請求項3記載
    のアクリル樹脂組成物(A)または請求項4記載のアク
    リル樹脂(B)100質量部に対し、さらに艶消し剤
    0.1〜40質量部を添加して成るアクリル樹脂組成物
    (C)を構成成分とする請求項1記載のアクリル樹脂積
    層フィルム。
  6. 【請求項6】 艶消し剤が、以下に示す水酸基を含有す
    る重合体(D)である請求項5記載のアクリル樹脂積層
    フィルム。炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル
    酸ヒドロキシアルキルエステルまたはメタクリル酸ヒド
    ロキシアルキルエステル1〜80質量部、炭素数1〜1
    3のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル
    10〜99質量部、および、炭素数1〜8のアルキル基
    を有するアクリル酸アルキルエステル0〜79質量部の
    合計100質量部からなる単量体組成物を重合して得ら
    れる水酸基を含有する重合体。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のアクリル樹脂積層フィル
    ムを製造する為の方法であって、フィードブロックダイ
    またはマルチマニホールドダイを介した共押出し成形法
    で、アクリル樹脂層(I)およびアクリル樹脂層(II)
    の積層構造を形成することを特徴とするアクリル樹脂積
    層フィルムの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のアクリル樹脂積層フィル
    ムを製造する為の方法であって、フィルム状のアクリル
    樹脂層(I)と、フィルム状のアクリル樹脂層(II)と
    を、熱ラミネート法により積層することを特徴とするア
    クリル樹脂積層フィルムの製造方法。
  9. 【請求項9】 アクリル樹脂層(I)側の面に絵柄の印
    刷を施した請求項1記載のアクリル樹脂積層フィルム。
  10. 【請求項10】 印刷を施した面における印刷抜けの個
    数が、10個/m2以下である請求項9記載のアクリル
    樹脂積層フィルム。
  11. 【請求項11】 請求項1記載のアクリル樹脂積層フィ
    ルムのアクリル樹脂層(I)側を接するようにして、基
    材上に該アクリル樹脂積層フィルムを積層して成る積層
    体。
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