JP2002249764A - フォトクロミック膜付き基体とその製造方法 - Google Patents

フォトクロミック膜付き基体とその製造方法

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JP2002249764A
JP2002249764A JP2001047196A JP2001047196A JP2002249764A JP 2002249764 A JP2002249764 A JP 2002249764A JP 2001047196 A JP2001047196 A JP 2001047196A JP 2001047196 A JP2001047196 A JP 2001047196A JP 2002249764 A JP2002249764 A JP 2002249764A
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Hiroteru Matsumoto
太輝 松本
Takeshi Morimoto
剛 森本
Hiroyuki Tomonaga
浩之 朝長
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有機フォトクロミック色素を含み良好な着褪色
特性を有し、かつ充分な耐擦傷性を有するフォトクロミ
ック膜が基体上に形成されたフォトクロミック膜付き基
体と、該フォトクロミック膜付き基体を簡便に製造でき
る製造方法の提供。 【解決手段】基体上に、特定のスピロ化合物からなるフ
ォトクロミック色素と、特定の4級アンモニウムカチオ
ンと、酸化ケイ素とを含むフォトクロミック膜が形成さ
れたフォトクロミック膜付き基体とその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフォトクロミック膜
被覆物とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】紫外線によって着色するフォトクロミッ
ク材料は、窓材への応用の他、ホログラム素子や光記録
素子等への応用も期待されている。フォトクロミック材
料としては、ハロゲン化銀や金属酸化物(例えば酸化チ
タン)等の無機系材料と、ジアリールエテン、スピロピ
ラン、スピロオキサジン等の有機系材料がある。有機系
材料は耐久性の面での問題はあるものの、多色性や着色
退色の応答速度という観点では優れている。
【0003】現在、有機系材料が実用化されている例と
しては、調光によってファッション性や視覚快適性が付
与された、眼鏡レンズやサングラスなどが挙げられる。
トランジトンズ・オプティカル(TRANSITONS
OPTICAL)社のフォトクロミックレンズはサー
マル・トランスファ・プロセスと呼ばれる方法で製造さ
れている。この方法は、フォトクロミック色素を含む紙
をプラスチックレンズ基体上に接触させ、加熱により色
素を基体中に拡散させることにより、フォトクロミック
レンズを得るものである。
【0004】しかし、前記方法は、プラスチックのよう
に色素が分散しないガラス基体に対しては適用できな
い。また、大面積化に際しては生産効率といった面から
も問題がある。また有機色素は熱により容易に分解する
ため、溶融ガラス中に分散させることもできない。この
ため、ガラス基体上に薄いフォトクロミック性を有する
被膜(以下、フォトクロミック膜という)を簡便に形成
できる製造方法が望まれている。
【0005】従来、有機色素系のフォトクロミック膜を
形成する方法としては、1)高分子ポリマー前駆体のモ
ノマーにフォトクロミック色素を溶解させ重合キャスト
する方法、2)シリコン系ハードコート液にフォトクロ
ミック色素を溶解させコーティングする方法、等が提案
されている。
【0006】しかし、1)の方法では、得られる膜が高
分子ポリマーであるため、強度、硬度の低いコーティン
グしか得られないうえに、重合開始剤によってフォトク
ロミック色素が分解される問題がある。また、2)の方
法では、緻密なシロキサンネットワーク中にフォトクロ
ミック色素が束縛され、着褪色反応が阻害されるため
に、充分な着褪色特性が得られない問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、有機フォト
クロミック色素を含み良好な着褪色特性を有し、かつ充
分な耐擦傷性を有するフォトクロミック膜が基体上に形
成されたフォトクロミック膜付き基体と、該フォトクロ
ミック膜付き基体を簡便に製造できる製造方法の提供を
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、基体上に、式
(1)で示されるスピロ化合物(式中XはNまたはCH
を示し、YはOまたはSを示す。環αは、スピロ炭素原
子に隣接する位置がNである環であり、環に結合する水
素原子は他の基で置換されてもよく、Rは有機基であ
る。環βは、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン
環、フェナントレン環、または前記環を構成する1つま
たは2つのCHがNに置換された環であり、環に結合す
る水素原子は他の基で置換されていてもよい。)からな
るフォトクロミック色素と、式(2)で示される4級ア
ンモニウムカチオン(式中R1、R2、R3およびR4は互
いに独立した有機基であって、かつR1〜R4のうち1種
以上が炭素数8以上のアルキル基または炭素数8以上の
アリール基である。)と、酸化ケイ素とを含むフォトク
ロミック膜が形成されたフォトクロミック膜付き基体を
提供する。
【0009】
【化4】
【0010】式(1)中の環αにおいて、スピロ炭素原
子に隣接する位置は2ヵ所あるがそのいずれかがNであ
ればよい。環αとしては、環を構成する元素が炭素と1
つのNとからなるものが挙げられ、具体的には、インド
リン環などが挙げられ、環に結合する水素は置換されて
いてもよい。式(1)中のRは、アルキル基(例えば炭
素数が1〜6のアルキル基)、アルコキシ基(例えば炭
素数が1〜6のアルコキシ基)、または−(CH)n
OOZ(nは1〜4の整数であり、Zは水素または炭素
数1〜6のアルキル基)であることが好ましい。
【0011】また、式(1)中の環βの具体例として
は、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェ
ナントレン環、ピリジン環、キノリン環、アントラセン
環を構成する1つのCHがNに置換された環、フェナン
トレン環を構成する1つのCHがNに置換された環など
が挙げられ、前記の環に結合する水素は置換されていて
もよい。
【0012】フォトクロミック膜中の酸化ケイ素はマト
リックス(母材)であり、シロキサンネットワークを形
成している。式(1)で示されるスピロ化合物からなる
フォトクロミック色素(以下、単にスピロ系色素とい
う)と式(2)で示される4級アンモニウムカチオン
(以下、単に4級アンモニウムカチオンという)は、該
シロキサンネットワーク中に分散している。
【0013】スピロ系色素は、分子構造中に2つのヘテ
ロ環状部を有し、2つのヘテロ環状部は共通の炭素原子
で結合した構造となっている。スピロ系色素としては、
式(1)中のXがC(炭素)で、YがO(酸素)である
スピロピラン類(例えば、式(4)で示される化合物)
や式(1)中のXがN(窒素)で、YがO(酸素)であ
るスピロオキサジン類等が挙げられる。着色強度および
耐久性の観点からは式(3)で示されるスピロオキサジ
ン類が好ましい。スピロオキサジン類の具体例として
は、式(5)、式(6)、式(7)等が挙げられる。
【0014】
【化5】
【0015】
【化6】
【0016】
【化7】
【0017】4級アンモニウムカチオンは窒素原子に4
つの官能基を有する化合物であり、フォトクロミック色
素の着褪色反応を円滑に進行させる着色増感剤として働
く。4級アンモニウムカチオンにおけるR1〜R4のうち
1種以上は炭素数8以上のアルキル基または炭素数8以
上のアリール基である。炭素鎖長が過少では増感作用が
充分でないおそれがあり、また炭素鎖長が過剰ではマト
リックス成分との相溶性に問題があることから、R1
4のうち1種以上は炭素数が12〜30のアルキル基
または炭素数が12〜30のアリール基であることが好
ましく、特に炭素数が14〜22のアルキル基または炭
素数が14〜22のアリール基であることが好ましい。
【0018】4級アンモニウムカチオンの具体例として
は、ジドデシルジメチルアンモニウムカチオン、n−ヘ
キサデシルトリメチルアンモニウムカチオン、n−テト
ラデシルトリメチルアンモニウムカチオン等が挙げられ
る。
【0019】シロキサンネットワークを有するマトリッ
クスは、厳密にSiO2の組成になっている必要はな
く、網目状Si−O−Si結合を有する非晶質であれば
よい。また、マトリックス成分として、網目形成原子で
あるB、Al、P、Zr、Tiなどが含まれていてもよ
く、修飾イオンであるアルカリ金属イオンやアルカリ土
類金属イオンなどが含まれていてもよい。
【0020】本発明において用いられる基体は特に限定
されず、1)ソーダライムガラス、ホウケイ酸塩ガラ
ス、無アルカリガラス、石英ガラス等のガラス基体、
2)ポリカーボネート、アクリル等の樹脂基体、3)セ
ラミックス基体、4)金属基体等が挙げられる。
【0021】本発明のフォトクロミック膜付き基体は例
えば以下のようにして製造できる。ケイ素化合物の加水
分解物中に、スピロ系色素と、4級アンモニウムカチオ
ンとを含む塗布液を、基体上に塗布、加熱して形成す
る。スピロ系色素は単独でも、2種以上混合しても用い
得る。スピロ系色素の好ましい例は前述したとおりであ
る。
【0022】塗布液中のスピロ系色素の含有割合は、過
少では着色強度が充分でないおそれがあり、過剰ではマ
トリックス成分との相溶性に問題があることから、全塗
布液に対して0.01〜10質量%、特に0.5〜5質
量%であることが好ましい。
【0023】4級アンモニウムカチオンは単独でも、2
種以上混合しても用い得る。4級アンモニウムカチオン
の好ましい例は前述したとおりである。4級アンモニウ
ムカチオンは例えば塩の形で塗布液中に導入する。該塩
としては、溶解性の高いことから、塩化物や臭化物が好
ましい。
【0024】4級アンモニウム塩の具体例としては、ジ
ドデシルジメチルアンモニウムブロミド、n−ヘキサデ
シルトリメチルアンモニウムブロミド、n−テトラデシ
ルトリメチルアンモニウムブロミド、ジドデシルジメチ
ルアンモニウムクロリド、n−ヘキサデシルトリメチル
アンモニウムクロリド、n−テトラデシルトリメチルア
ンモニウムクロリド等が挙げられる。
【0025】塗布液中の4級アンモニウムカチオンの含
有割合は、過少では着色増感剤としての効果が充分でな
いおそれがあり、過剰では膜の耐久性が低下するおそれ
があることから、スピロ系色素の1〜20倍モル、特に
3〜10倍モルであることが好ましい。
【0026】ケイ素化合物は、シロキサンネットワーク
を形成するための成分である。ケイ素化合物としては、
R’aSiX4-aで表されるシラン化合物(aは0、1ま
たは2であり、R’は置換されていてもよい有機基であ
り、aが2のとき2つのR’は互いに同一でも異なって
いてもよく、Xは加水分解性基であって、複数のXは互
いに同一でも異なっていてもよい。)であることが好ま
しく、特に、前記Xがアルコキシ基であるアルコキシシ
ラン化合物であることが好ましい。
【0027】アルコキシシラン化合物の具体例として
は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トラメトキシシランの縮合体(例えばメチルシリケート
51)、テトラエトキシシランの縮合体(例えばエチル
シリケート40)、メチルトリメトキシシラン、ビニル
トリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、3
−グリシジルオキシブロピルトリメトキシシラン、3−
グリシジルオキシブロピルメチルジメトキシシラン、3
−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラ
ン等が挙げられる。
【0028】ケイ素化合物は単独でも、2種以上混合し
ても用い得る。ケイ素化合物は、水と酸を添加して加水
分解させた形で塗布液中に存在していることが好まし
い。アルコキシシラン化合物はアルコキシ基が加水分解
されることでバインダ性が発現し、加水分解条件を制御
することで塗布液中で適度なネットワーク構造を形成す
る。
【0029】塗布液には、塗布性を高めるための親水性
有機溶媒(例えばアルコール)や界面活性剤、またはコ
ロイドの分散性を向上させる分散剤等を添加できる。ま
た、網目構造の形成成分となり得る、ジルコニウム、チ
タン、アルミニウム、ホウ素、リン等の化合物を塗布液
に添加できる。また、アルカリ金属の化合物やアルカリ
土類金属の化合物も塗布液に添加できる。また、より厚
い膜厚を得るため、平均粒径50nm以下のシリカやア
ルミナの超微粒子を塗布液中に分散させてもよい。
【0030】塗布方法としては公知の方法を用いること
ができ、例えば、ディップコート法、スピンコート法、
スプレーコート法、フローコート法、ダイコート法、ロ
ールコート法、転写印刷法、スクリーン印刷法等が挙げ
られる。
【0031】加熱温度は、低すぎると膜の硬化が充分で
ないおそれがあり、高すぎると酸化、熱分解によるスピ
ロ系色素の破壊や揮散を招くことから、80〜250
℃、特に100〜170℃であること好ましい。加熱雰
囲気は特に限定されず、大気雰囲気でよい。加熱時間は
短すぎると膜の硬化が充分でなく、長すぎると酸化、熱
分解によるスピロ系色素の破壊や揮散を招くことから、
10〜300分、特に30〜180分であることが好ま
しい。
【0032】加熱後の膜厚は、薄すぎると膜中の色素の
寿命が短く、透過率変化量も充分でない傾向にあり、厚
すぎるとクラックや剥離が生じやすいことから、5〜1
00μm、特に10〜50μmであることが好ましい。
【0033】
【実施例】以下に例を挙げて説明するが、本発明は以下
の例に限定されない。
【0034】(例1)シロキサンネットワークを形成す
るためのケイ素化合物であるテトラメトキシシラン10
g、pH3の硝酸水溶液を2.37gを混合し、室温で
2時間反応させ、その後4級アンモニウム塩であるn−
テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミドの30%
(質量百分率表示、以下も同様)水溶液10.24g混
合する。この液にスピロ系色素である前記式(5)の化
合物の10%酢酸ブチル溶液3gを添加し塗布液とす
る。このとき、全溶液中のスピロ系色素の濃度は約1質
量%である。また、4級アンモニウム塩はスピロ色素の
約10倍モルの量である。
【0035】この塗布液をスピンコート法によってガラ
ス基板上に塗布し、大気雰囲気で、120℃で30分間
加熱し、フォトクロミック膜が形成されたフォトクロミ
ック膜付きガラス基板を得た。膜厚は約20μm、フォ
トクロミック膜付きガラス基板の波長620nmでの透
過率は90%であった。得られた膜中のスピロ系色素と
4級アンモニウムカチオンとはシロキサンネットワーク
中に分散している。
【0036】得られたフォトクロミック膜付きガラス基
板のフォトクロミック膜に対して、1kg加重下、消し
ゴム(ライオン社製50−50)で30回往復し、耐擦
傷性試験を行ったところ、大きな傷、剥離ともに見られ
なかった。
【0037】得られたフォトクロミック膜付きガラス基
板の膜形成面に、150Wのキセノンランプを使用し、
シャープカットフィルタ(シグマ光機社製UTF−50
S−32U)を介して紫外線を30秒間照射するとフォ
トクロミック膜付きガラス基板は青色に着色し、波長6
20nmでの透過率は38%になった。またこのフォト
クロミック膜付きガラス基板を暗所に放置すると、1分
後にはもとの透過率まで回復した。
【0038】(例2)4級アンモニウム塩水溶液の濃度
を10%とした(4級アンモニウム塩はスピロ色素の約
3.3倍モルの量)以外は例1と同様にしてフォトクロ
ミック膜付きガラス基板を得た。膜厚は約20μmであ
った。得られた膜中のスピロ系色素と4級アンモニウム
カチオンとはシロキサンネットワーク中に分散してい
る。例1と同様の耐擦傷性試験を行ったところ、大きな
傷、剥離ともに見られなかった。
【0039】得られたフォトクロミック膜付きガラス基
板に例1と同様にして紫外線を照射し、照射前後の波長
620nmでの透過率および暗所に1分間放置後の透過
率を測定した(以下、単に紫外線照射試験という)。結
果を表1に示す。なお、表中の透過率変化量とは紫外線
照射前後の透過率の差である。
【0040】(例3)4級アンモニウム塩をn−ヘキサ
デシルトリメチルアンモニウムブロミドとし、その水溶
液の濃度を32.5%(4級アンモニウム塩のモル量と
しては例1と同じ)とした以外は例1と同様にしてフォ
トクロミック膜付きガラス基板を得た。膜厚は約20μ
mであった。得られた膜中のスピロ系色素と4級アンモ
ニウムカチオンとはシロキサンネットワーク中に分散し
ている。例1と同様の耐擦傷性試験を行ったところ、大
きな傷、剥離ともに見られなかった。得られたフォトク
ロミック膜付きガラス基板に例1と同様にして紫外線照
射試験を行った。結果を表1に示す。
【0041】(例4)4級アンモニウム塩をジドデシル
ジメチルアンモニウムブロミドとし、その水溶液の濃度
を41.3%(4級アンモニウム塩のモル量としては例
1と同じ)とした以外は例1と同様にしてフォトクロミ
ック膜付きガラス基板を得た。膜厚は約20μmであっ
た。得られた膜中のスピロ系色素と4級アンモニウムカ
チオンとはシロキサンネットワーク中に分散している。
例1と同様の耐擦傷性試験を行ったところ、大きな傷、
剥離ともに見られなかった。得られたフォトクロミック
膜付きガラス基板に例1と同様にして紫外線照射試験を
行った。結果を表1に示す。
【0042】(例5)スピロ系色素を前記式(7)の化
合物とし、その酢酸ブチル溶液の濃度を3%、添加量を
12.6g(4級アンモニウム塩のモル量としては例1
と同じ)とした以外は例1と同様にしてフォトクロミッ
ク膜付きガラス基板を得た。膜厚は約20μmであっ
た。得られた膜中のスピロ系色素と4級アンモニウムカ
チオンとはシロキサンネットワーク中に分散している。
例1と同様の耐擦傷性試験を行ったところ、大きな傷、
剥離ともに見られなかった。得られたフォトクロミック
膜付きガラス基板に例1と同様にして紫外線照射試験を
行った。結果を表1に示す。
【0043】(例6)スピロ系色素を前記式(4)の化
合物とし、その酢酸ブチル溶液の濃度を10%、添加量
を2.5g(4級アンモニウム塩のモル量としては例1
と同じ)とした以外は例1と同様にしてフォトクロミッ
ク膜付きガラス基板を得た。膜厚は約20μmであっ
た。得られた膜中のスピロ系色素と4級アンモニウムカ
チオンとはシロキサンネットワーク中に分散している。
例1と同様の耐擦傷性試験を行ったところ、大きな傷、
剥離ともに見られなかった。得られたフォトクロミック
膜付きガラス基板に例1と同様にして紫外線照射試験を
行った。結果を表1に示す。
【0044】(例7(比較例))4級アンモニウム塩水
溶液の濃度を0%とした以外は例1と同様にしてフォト
クロミック膜付きガラス基板を得た。膜厚は約20μm
であった。例1と同様の耐擦傷性試験を行ったところ、
大きな傷、剥離ともに見られなかった。得られたフォト
クロミック膜付きガラス基板に例1と同様にして紫外線
照射試験を行った。結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】本発明のフォトクロミック膜付き基体は
着褪色特性に優れ、フォトクロミック膜は充分な強度と
硬度を有している。また本発明の製造方法によれば、該
フォトクロミック膜付き基体を簡便に製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09B 57/00 C09B 57/00 Z Fターム(参考) 4D075 BB21Z CB03 CB40 DA06 DB13 DC02 DC24 DC27 DC38 EA05 EA19 EA45 EB42 EC60 4H056 DD03 DD24 EA13 FA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体上に、式(1)で示されるスピロ化合
    物(式中XはNまたはCHを示し、YはOまたはSを示
    す。環αは、スピロ炭素原子に隣接する位置がNである
    環であり、環に結合する水素原子は他の基で置換されて
    もよく、Rは有機基である。環βは、ベンゼン環、ナフ
    タレン環、アントラセン環、フェナントレン環、または
    前記環を構成する1つまたは2つのCHがNに置換され
    た環であり、環に結合する水素原子は他の基で置換され
    ていてもよい。)からなるフォトクロミック色素と、式
    (2)で示される4級アンモニウムカチオン(式中
    1、R2、R3およびR4は互いに独立した有機基であっ
    て、かつR1〜R4のうち1種以上が炭素数8以上のアル
    キル基または炭素数8以上のアリール基である。)と、
    酸化ケイ素とを含むフォトクロミック膜が形成されたフ
    ォトクロミック膜付き基体。 【化1】
  2. 【請求項2】前記スピロ化合物が、式(3)で示される
    スピロオキサジン類(式中環αは、スピロ炭素原子に隣
    接する位置がNである環であり、環に結合する水素原子
    は他の基で置換されてもよく、Rは有機基である。環β
    は、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェ
    ナントレン環、または前記環を構成する1つまたは2つ
    のCHがNに置換された環であり、環に結合する水素原
    子は他の基で置換されていてもよい。)である請求項1
    に記載のフォトクロミック膜付き基体。 【化2】
  3. 【請求項3】ケイ素化合物の加水分解物中に、式(1)
    で示されるスピロ化合物(式中XはNまたはCHを示
    し、YはOまたはSを示す。環αは、スピロ炭素原子に
    隣接する位置がNである環であり、環に結合する水素原
    子は他の基で置換されてもよく、Rは有機基である。環
    βは、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フ
    ェナントレン環、または前記環を構成する1つまたは2
    つのCHがNに置換された環であり、環に結合する水素
    原子は他の基で置換されていてもよい。)からなるフォ
    トクロミック色素と、式(2)で示される4級アンモニ
    ウムカチオン(式中R1、R2、R3およびR4は互いに独
    立した有機基であって、かつR1〜R4のうち1種以上が
    炭素数8以上のアルキル基または炭素数8以上のアリー
    ル基である。)とを含む塗布液を、基体上に塗布、加熱
    して形成するフォトクロミック膜付き基体の製造方法。 【化3】
  4. 【請求項4】ケイ素化合物としてR’aSiX4-aで表さ
    れるシラン化合物(aは0、1または2であり、R’は
    置換されていてもよい有機基であり、aが2のとき2つ
    のR’は互いに同一でも異なっていてもよく、Xは加水
    分解性基であって、複数のXは互いに同一でも異なって
    いてもよい。)を用いる請求項3に記載のフォトクロミ
    ック膜被覆物の製造方法。
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