JP2002249070A - 自動車用構造体 - Google Patents

自動車用構造体

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JP2002249070A
JP2002249070A JP2001047154A JP2001047154A JP2002249070A JP 2002249070 A JP2002249070 A JP 2002249070A JP 2001047154 A JP2001047154 A JP 2001047154A JP 2001047154 A JP2001047154 A JP 2001047154A JP 2002249070 A JP2002249070 A JP 2002249070A
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Japan
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pillar
structural member
cover
opening
automobile
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JP2001047154A
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English (en)
Inventor
Mitsuo Tsuge
光雄 柘植
Eiji Anzai
英司 安在
Harumichi Hino
治道 樋野
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Nippon Light Metal Co Ltd
Original Assignee
Nippon Light Metal Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的大きくて複雑な形状のものであっても
容易に製作することができる自動車用構造体を提供す
る。 【解決手段】 センターピラー4をピラー構造部材10
とピラーカバー12とで構成する。ピラー構造部材10
は、ダイキャスト製で、1つの面が開放する箱型に形成
され、この開口11をピラーカバー12によって覆うこ
とにより、中空の閉塞断面構造体からなるセンターピラ
ー4とする。ピラー構造部材10とピラーカバー12
は、摩擦撹拌接合等によって一体的に結合される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用構造体に
関し、特に電気自動車等のセンターピラー、フロントク
ロスメンバー、リアクロスメンバー、サスペンションフ
レーム、サイドシルおよびまたはこれらを接続するため
の部材等の比較的大きくて複雑な形状の構造体に適用し
て好適な自動車用構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の車体構造体、例えばピラー(車
体の柱)、フロントクロスメンバー、リアクロスメンバ
ー、サスペンションフレーム等の車体構造体は、通常、
アルミニウム材の押出形材や金属板のプレス成形等によ
って製作されている。また、十分な機械的強度を確保す
るために一般に中空の閉鎖断面構造体としている。例え
ば、特開平08−026055公報、特開平09−24
0385号公報に記載された自動車用ピラー構造は、機
械的強度を高めるために断面形状が凸状(台形状)に形
成した2つの柱状枠体を、その開口面どうしを互いに密
接させて配置し、突き合わせ部(フランジ)をスポット
溶接によって接合することにより、中空の閉鎖断面構造
体からなるピラーとしている。
【0003】また、特開2000−118441号公報
に記載された自動車用ピラーは、アルミニウムの押出形
材によって中空の閉塞断面構造体とし、中央部の断面形
状を日の字状とし、上下両端部の断面形状をロの字状と
している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したように従来の
自動車用ピラーは、押出形材またはプレス成形によって
中空の閉塞断面構造体に製作されていた。しかしなが
ら、押出形材によって製作した場合は、形状が複雑なも
のや大きいものは技術的に製作することが難しく、特に
押出成形時に車体の曲面形状と一致した曲面に形成する
ことが難しく、後加工によって所望の形状に折り曲げる
必要があるため、形状が制約されるという問題がある。
一方、金属板をプレス成形してなる構造体は、機械的強
度が弱く、補強材によって補強すると、それだけ部品点
数や溶接作業の工数が増加するという問題があった。ま
た、押出形材、金属板によるプレス成形品のいずれもボ
ルト等の機械的接合手段によって部材どうしを接合した
場合、接合部の板厚が薄いと、接合部に大きな荷重が集
中して破損するという問題もあった。
【0005】本発明は上記した従来の問題を解決するた
めになされたもので、その目的とするところは、比較的
大きくて複雑な形状のものであっても容易に製作するこ
とができる自動車用構造体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第1の発明は、少なくとも1つの面が開放する箱型の
構造部材と、この構造部材の開口の全体もしくは一部を
覆うカバーとで中空の閉塞断面を形成する自動車用構造
体であって、前記構造部材はダイキャスト製で内部にリ
ブを一体に有し、前記カバーは前記構造部材の開口部に
一体的に接合されているものである。
【0007】第2の発明は、上記第1の発明において、
リブは、構造部材の開口からカバーの板厚相当分だけ内
側に位置するように形成され、前記カバーは前記リブに
よって支持され構造部材の開口面と同一面を形成するも
のである。
【0008】第3の発明は、上記第1または第2の発明
において、構造部材とカバーのいずれか一方に位置決め
用突起を設け、他方に位置決め用穴を設け、これらの係
合によって前記構造部材と前記カバーを位置決めするも
のである。
【0009】第4の発明は、上記第1、第2または第3
の発明において、構造部材の表面で開口側端縁にカバー
と同一面を形成するフランジを一体に設けたものであ
る。
【0010】第5の発明は、上記第1、第2、第3また
は第4の発明において、構造部材は、接合部直下のリブ
またはウエブ板厚が1.0mm以上で、カバーが摩擦攪
拌接合によって一体的に接合されているものである。
【0011】第6の発明は、上記第1〜第4のうちのい
ずれか1つの発明において、構造部材とカバーを機械的
接合手段によって一体的に接合したものである。
【0012】第7の発明は、上記第1〜6のうちのいず
れか1つの発明において、構造部材をVOダイキャスト
鋳造によって製作したものである。
【0013】本発明において、構造部材はダイキャスト
の鋳物製であるため、寸法精度が高くて後加工を必要と
せず所望の形状のものが得られる。カバーは構造部材の
開口の全体またはその一部を覆い、構造部材とともに中
空の閉塞断面を有する構造体を形成する。位置決め用突
起と位置決め用穴は構造部材とカバーを位置決めする。
摩擦攪拌接合は、摩擦熱によって2つの被接合部材の接
合部を可塑可能な状態に軟化させ、固相接合する接合方
法であるため、歪みや酸化皮膜の発生が少なく、従来の
溶接よりも簡便でかつ迅速に行え、接合強度が高く、ま
た接合面が平滑で美しい表面が得られる。機械的接合手
段としては、ボルト、リベット、接着剤、またはこれら
を併用したものが用いられる。VOダイキャスト鋳造法
は、ダイキャスト鋳造方法の一種で、キャビティ内を真
空に排気した後、酸素を一定量供給して置換し、しかる
後溶融金属をキャビティ内に加圧注入して鋳造する方法
である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明を自動車
のセンターピラーに適用した第1の実施の形態を示すモ
ノコックボディの斜視図、図2(a)、(b)は同セン
ターピラーの分解斜視図および断面図である。これらの
図において、符号1で示すものはフロントピラー、2は
アンダーボディ(サイドシル)、3はルーフ、4はセン
ターピラー、5はリアピラー、6はフロントクロスメン
バー、7はリアクロスメンバーで、これらによって自動
車のモノコックボディ8を構成している。
【0015】図2において、前記センターピラー4は、
車体の前後方向と平行な一つの面が開放する縦長の箱型
に形成されたピラー構造部材10と、このピラー構造部
材10の開口11を閉塞するカバー12の2部材によっ
て中空の閉鎖断面構造体、すなわち内部が密閉された中
空体に形成され、上端が前記ルーフ3に、下端が前記ア
ンダーボディ2に溶接等によってそれぞれ接合されてい
る。また、センターピラー4は、下端が車体前後方向お
よび車幅方向の幅が最も大きく、上端に至るにしたがっ
て漸次減少する細長い台形状であって、車体の側面と同
一の曲面を形成するように外側に凸状に湾曲している。
【0016】前記ピラー構造部材10は、ダイキャスト
鋳造法によって製作されたアルミニウム合金の鋳物品か
らなり、車体の前後方向に対向する前板部13および後
板部14と、上下に対向する上板部15および底板部1
6(以下、これらをウエブともいう)と、車体の内面を
形成する内側板部17とを一体に形成することにより外
側面が開放した箱型を呈しており、また内部にはピラー
構造部材10を補強するジグザグ状を呈するリブ18が
一体に形成されている。リブ18は、ピラー構造部材1
0の開口11から前記カバー12の板厚相当分だけ内側
に位置するように形成されている。前板部13と後板部
14の表面の開口側端縁には、サイドフランジ19,2
0がそれぞれ一体に突設されている。サイドフランジ1
9,20の表面は、ピラー構造部材10の開口11と同
一面を形成している。ピラー構造部材10、リブ18お
よびフランジ19,20の板厚は1〜5mmである。
【0017】前記ピラーカバー12は、ダイキャスト鋳
造によって製作されたアルミニウム合金の鋳物品または
金属板のプレス成形品等からなり、前記ピラー構造部材
10の開口11に嵌合されることにより、裏面が前記リ
ブ18の先端面18aに当接し、表面がサイドフランジ
19,20の表面と同一面を形成し、溶接等によって一
体的に接合される。
【0018】本実施の形態においては、車体側方に開放
するピラー構造部材10を示したが、これに限らず図3
に示すように車体の内部側に開放するピラー構造部材1
0’を製作し、このピラー構造部材10’の開口11’
をピラーカバー12’によって覆い、これらを溶接等に
よって一体的に接合することにより中空の閉塞断面構造
体からなるセンターピラーとしてもよい。
【0019】ピラー構造部材10(10’)とピラーカ
バー11(11’)を接合する方法としては、MIG溶
接、レーザー溶接、摩擦撹拌接合方法(以下、FSWと
いう:Friction Stir Weldin
g)、ボルト、リベット、接着剤等によって接合するこ
とができる。
【0020】ピラーカバー12をピラー構造部材10に
接合するに当たって、TIG溶接、MIG溶接等によっ
て接合すると、アルミニウムの場合は熱膨張係数が大き
いことから、歪みが大きく、また酸化皮膜が発生する。
このような歪みや酸化皮膜を後工程で取り除くことが不
可欠な場合は、それだけ工数が増加し、また熟練した技
術が要求されるため好ましくない。
【0021】FSWは、摩擦熱を利用して2つの被接合
部材を突き合わせまたは重ね合わせて接合する方法で、
被接合部材よりも硬質で耐熱性に優れた鋼等の材料によ
って形成した摩擦撹拌用プローブを高速回転させ、その
先端に一体に設けたピンを被接合部材に押し込み、被接
合部材とプローブを接合線に沿って相対的に移動させる
ことにより、接合部に摩擦熱を発生させ、この摩擦熱に
よって突き合わせ部または重ね合わせ部を塑性加工可能
な状態にまで軟化させ、ピンの高速回転による撹拌作用
により塑性流動させ、もって固相接合し一体化する接合
方法である(特許登録第2712838号公報、特許登
録第2792233号公報)。
【0022】FSWによってピラー構造部材10とピラ
ー12を接合する場合は、図4に示すようにピラーカバ
ー12をピラー構造部材10の開口に嵌合してリブ18
に重ね合わせ、摩擦攪拌用プローブ21を高速回転させ
てその先端に一体に設けたピン22をピラーカバー12
のリブ18との接合部23に押し込んで摩擦熱を発生さ
せ、接合線に沿ってプローブ21を移動させればよい。
ピラー構造体10のウエブ(前板部13、後板部14
と、上板部15および底板部16)に対しては、ウエブ
の内面にピラーカバー12の端面を突き合わて接合せ、
その接合部23aに押し込んで摩擦熱を発生させ、接合
線に沿ってプローブ21を移動させればよい。
【0023】FSWによって接合する場合は、TIG溶
接、MIG溶接によって溶接する場合と異なり、溶接
棒、不活性ガス等を必要とせず、簡便で迅速に接合する
ことができ、また歪みや酸化皮膜の発生が少ないため、
歪みの修正や酸化皮膜の除去といった後工程を必要とし
ない。また、溶融接合ではなく固相接合であるため、そ
の周りの組織変化が少ないという利点もある。
【0024】このようにピラー構造部材10とピラーカ
バー12とで中空の閉塞断面構造体からなるセンターピ
ラー4を製作すると、曲げ剛性、捩り剛性、曲げ強度、
捩り強度等が大きく、衝突の際のエネルギー吸収性能を
高めることができる。また、ピラー構造部材10は、ダ
イキャスト製の鋳物品であるため、相対的に高い寸法精
度が得られ、また車体の側面形状が曲面であってもこれ
と一致する形状に形成することができるため、後工程で
車体側面と一致するように曲げたりする必要がなく、特
に大型で形状が複雑なものを製作する場合に好適であ
る。また、ダイキャスト製の鋳造品の場合は、接合部の
肉厚を厚く設計することが容易であるため、ボルト等の
機械的接合手段によってサイドシル2やルーフ3に接合
したとき、接合部に大きな荷重が集中せず押出形材や板
金製のものに比べて強度的に有利である。さらに、ピラ
ー構造部材10の開口11にピラーカバー12を嵌合
し、これら両部材の表面を同一面に形成すると、FSW
等によって一体的に接合したとき、接合面に大きな段差
や凹みが生じず、外観を損なうことがない。
【0025】図5は本発明の第3の実施の形態を示す分
解斜視図、図6は図5のVI−VI線断面図である。こ
の実施の形態は、ピラー構造部材25を車体側方に開放
した箱体に形成してその表面の開口側端縁にフランジ2
7を全周にわたって一体に突設し、内部にリブ28をジ
グザグ状を呈するように形成して補強するとともに、フ
ランジ27の表面とリブ28の先端面28aに位置決め
用突起30を一体に突設している。リブ28の先端面2
8aは、フランジ27の表面と同一面を形成している。
言い換えれば、ピラー構造部材25の開口面と、フラン
ジ27の表面およびリブ28の先端面28aは、同一面
を形成している。
【0026】ピラーカバー31は、前記フランジ27と
略同一の大きさの板体からなり、前記位置決め用突起3
0が嵌合する複数の位置決め用穴32を有している。こ
のようなピラーカバー31は位置決め用突起30と位置
決め用穴32の嵌合によってフランジ27の表面に位置
決めされて重ね合わされることにより、ピラー構造部材
25の開口26を覆い、フランジ27の表面とリブ28
の先端面28aに上記した第1、第2の実施の形態と同
様に、MIG溶接、レーザー溶接、FSW等によって一
体的に接合される。
【0027】このような構造においては、位置決め用突
起30と位置決め用穴32を備えているので、ピラー構
造部材25とピラーカバー31を正確に位置決めするこ
とができる。
【0028】図7は本発明の第4の実施の形態を示す分
解斜視図、図8は図7のVIII−VIII線断面図である。こ
の実施の形態は、ピラー構造部材35を車体側方に開放
した箱体に形成してその表面35aの開口側端縁にフラ
ンジ37を全周にわたって一体に突設し、内部にリブ3
8をジグザグ状を呈するように形成するとともに、3つ
の位置決め用突起40をピラー構造部材35の長手方向
に離間させ、かつリブ38と一体に突設している。この
突起40の先端面はフランジ37の表面と同一面を形成
している。また、フランジ37はL字型に形成されるこ
とにより、表面37aがピラー構造部材35の開口面3
5bより前方に位置し、内側面37bがピラー構造部材
35の表面35aと同一面を形成しており、この内側面
37bと前記開口面35bとでピラーカバー41が嵌合
する嵌合凹部44を形成している。
【0029】前記ピラーカバー41は、前記フランジ3
7の内側面形状より若干小さい板体からなり、前記位置
決め用突起40が嵌合する複数の位置決め用穴42を有
している。このようなピラーカバー41は位置決め用突
起40と位置決め用穴42の嵌合によりピラー構造部材
35の開口面35bとピラーカバー37の内側面37b
とで形成される嵌合凹部44に位置決めされて嵌合され
ることにより、ピラー構造部材35の開口36を閉塞す
る。そして、ピラー構造部材35とピラーカバー41を
上記した第1、第2、第3の実施の形態と同様に、MI
G溶接、レーザー溶接、FSW等によって一体的に接合
することにより、中空の閉塞断面構造体からなるセンタ
ーピラー45が製作される。
【0030】このような構造においても、位置決め用突
起40と位置決め用穴42を備えているので、ピラー構
造部材35とピラーカバー41を確実に位置決めするこ
とができる。また、フランジ37の表面37aとピラー
カバー41の表面が同一面になるように嵌合凹部44の
深さをピラーカバー41の板厚と等しくすると、摩擦攪
拌接合等によって接合したときに段差が生じず外観を損
なうことがない。
【0031】図9は(a)、(b)、(c)は本発明の
第5の実施の形態を示す分解斜視図、ピラーカバーで覆
った要部の斜視図および重ね合わせ接合を行っている状
態を示す断面図である。この実施の形態は、ピラー構造
部材25を車体側方に開放した箱体に形成してその表面
の開口側端縁にフランジ27を全周にわたって一体に突
設し、内部にリブ28をジグザグ状を呈するように形成
して補強するとともに、フランジ27とリブ28の上に
ピラーカバー31を重ね合わせ、フランジ27とピラー
カバー31およびリブ28とピラーカバー31をFSW
によって重ね合わせ接合したものである。
【0032】このような構造においては、図5に示した
実施の形態に比べて位置決め用の突起や穴を設ける必要
がなく、ピラー構造体25とピラーカバー31の製作が
容易である。
【0033】図10は本発明の第6の実施の形態を示す
センターピラーの外観斜視図、図11はピラーカバーを
取り外したピラー構造部材の斜視図、図12は図10の
A−A線断面図、図13は図10のB−B線断面図であ
る。この実施の形態は、ピラー構造部材45とピラーカ
バー46をダイキャスト鋳造によって同一形状の箱体に
形成し、4つの位置決め用穴47と位置決め用ピン(突
起)48とで位置決めし、2本のボルト49およびナッ
ト50によって機械的に接合することにより、中空の閉
塞断面構造体からなるセンターピラー51を製作したも
のである。
【0034】ピラー構造部材45は、車体側方に開放し
た箱体に形成され、内部にはリブ52がジグザグ状を呈
するように一体に形成されている。このリブ52の先端
面52aは、ピラー構造部材45の開口面45aと同一
面を形成している。また、リブ52の2箇所には、前記
ボルト49が挿通されるボルト取付部55が設けられて
いる。このボルト取付部55は、両端が開放する異径の
筒体に形成されることにより大径筒部55aと小径筒部
55bとからなり、大径筒部55aの内部が前記ナット
50を収納するナット収納部56を形成し、小径筒部5
5bにボルト49のねじ部が貫通している。
【0035】前記位置決め用穴47は円形の非貫通穴か
らなり、ピラー構造部材45の内側四隅部にそれぞれ設
けられている。
【0036】前記ピラーカバー46は、外形状が前記ピ
ラー構造部材45と同一の箱体に形成され、内部にリブ
が設けられていない点が異なっているだけでその他の構
造は全く同一である。ただし、リブ52を有するピラー
構造部材45をピラーカバーとして用いてもよい。ま
た、ピラーカバー46の内部には、2つのボルト取付部
60がピラー構造部材45の各ボルト取付部55に対応
して設けられている。このボルト取付部60は、両端が
開放する異径の筒体に形成されることにより大径筒部6
0aと小径筒部60bとからなり、大径筒部60aの内
部が前記ボルト49の頭部49aを収納する収納部61
を形成し、小径筒部60bにボルト49のねじ部が貫通
している。また、ピラーカバー46の内側四隅部には円
形の不貫通穴62がそれぞれ形成されており、これらの
穴62には前記位置決め用ピン48が圧入され、その先
端部がピラーカバー46の開口面より突出し、前記位置
決め用穴47に嵌合されるようになっている。
【0037】このような構造において、ピラー構造部材
45とピラーカバー46は位置決め用ピン48と位置決
め用穴47が嵌合することにより、互いに位置決めされ
て重ね合わされ、ボルト49をボルト取付部55,60
に挿通してナット50を締結することにより一体的に接
合され、中空の閉塞断面構造体からなるセンターピラー
51を構成する。
【0038】このような構造においては、ボルト49に
よって締結しているので、溶接またはFSWによる接合
工程を必要とせず、製作工程を簡素化することができ
る。
【0039】図14は本発明の第7の実施の形態を示す
センターピラーの外観斜視図である。この実施の形態
は、表面(または裏面)と上下端が開放するピラー構造
部材70と、平板からなるピラーカバー71をダイキャ
スト鋳造によって形成し、ピラーカバー71によってピ
ラー構造体70の表面側開口部を覆うことにより、一部
が開放する中空の閉塞断面構造体からなるセンターピラ
ー72を製作したものである。その他の構造は、図9に
示した第5の実施の形態と略同一である。このような構
造のセンターピラー72においても、第5の実施の形態
と同様な効果が得られることは明らかであろう。
【0040】なお、上記した実施の形態においては、い
ずれも車体構造体としてのセンターピラーに適用した例
を示したが、本発明はこれに何等限定されるものでな
く、図1に示したフロントクロスメンバー6、リアクロ
スメンバー7、サスペンションフレーム等の車体構造体
にも適用することができる。
【0041】また、ピラー構造部材をダイキャスト鋳造
によって製作した例を示したが、これに限らず他の製造
方法、例えばVOダイキャスト鋳造法によって製作して
もよい。VOダイキャスト鋳造法は、キャビティ内を真
空排気した後、酸素を所定量注入して還元させ、この後
溶融金属を加圧注入する鋳造方法であり、材料内部の欠
陥を著しく減少させることが可能であり、このため構造
部材各部の板厚を薄肉化させて軽量構造部材を製作でき
る。
【0042】また、第6の実施の形態においては、機械
的接合手段としてボルト49を用いたが、これに限ら
ず、リベットまたは接着剤を用いたり、あるいはこれら
を併用するなど種々の変更、変形が可能である。また、
上記した実施の形態においては、ピラー構造部材を1つ
の面が開放する箱体に形成したが、型抜きの都合上2つ
以上の面が開放する箱型に形成し、その開口をカバーで
覆って中空の閉塞断面構造体としてもよい。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る自動車
用構造体は、少なくとも1つの面が開放する箱型の構造
部材と、この構造部材の開口の全部もしくはその一部を
覆うカバーとで中空の閉塞断面を形成する自動車用構造
体であって、前記構造部材はダイキャスト製で内部にリ
ブを一体に有し、前記カバーを前記構造部材の開口部に
一体的に接合したので、曲げ剛性、捩り剛性、曲げ強
度、捩り強度等が大きい構造体を得ることができる。ま
た、ダイキャスト製であるため、相対的に寸法精度が高
く、また車体の形状が曲面であってもこれと一致する形
状に形成することができるため、後工程で車体形状と一
致するように曲げたりする必要がなく、大型で形状が複
雑なものを量産する場合に好適である。また、鋳造品は
接合部のみを厚肉に形成することが容易であるため、ボ
ルト等の締結手段を用いて他の部材に接合する際、接合
部に大きな荷重が集中せず押出形材や板金製のものに比
べて強度的に有利である。
【0044】また、本発明は位置決め用突起と位置決め
用穴によって構造部材とカバーを位置決めするように構
成したので、確実に位置決めすることができる。
【0045】また、摩擦攪拌接合によって構造部材とカ
バーを一体的に接合すると、通常の溶接に比べて簡便で
迅速に接合でき、歪みや酸化皮膜の発生を防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を自動車のセンターピラーに適用した
第1の実施の形態を示すモノコックボディの斜視図であ
る。
【図2】 (a)、(b)は同センターピラーの分解斜
視図および断面図である。
【図3】 センターピラーの第2の実施の形態を示す分
解斜視図である。
【図4】 FSWによる接合を説明するための図であ
る。
【図5】 本発明の第3の実施の形態を示す分解斜視図
である。
【図6】 図5のVI−VI線断面図である。
【図7】 本発明の第4の実施の形態を示す分解斜視図
である。
【図8】 図7のVIII−VIII線断面図である。
【図9】 (a)、(b)、(c)は本発明の第5の実
施の形態を示す分解斜視図、ピラーカバーで覆った要部
の斜視図および重ね合わせ接合を行っている状態を示す
断面図である。
【図10】 本発明の第6の実施の形態を示すセンター
ピラーの外観斜視図である。
【図11】 ピラーカバーを取り外したピラー構造部材
の斜視図である。
【図12】 図10のA−A線断面図である。
【図13】 図10のB−B線断面図である。
【図14】 本発明の第7の実施の形態を示す分解斜視
図である。
【符号の説明】
4…センターピラー、10…ピラー構造部材、11…開
口、12…ピラーカバー、18…リブ、19,20…フ
ランジ、25…ピラー構造部材、26…フランジ、30
…位置決め用突起、31…ピラーカバー、32…位置決
め用穴。
フロントページの続き (72)発明者 樋野 治道 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1−34−1 日本 軽金属株式会社グループ技術センター内 Fターム(参考) 3D003 AA01 AA12 BB16 CA09 CA17 CA34 CA48 4E067 AA05 BG00 EA07 EB00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの面が開放する箱型の構
    造部材と、この構造部材の開口の全体もしくは一部を覆
    うカバーとで中空の閉塞断面を形成する自動車用構造体
    であって、 前記構造部材はダイキャスト製で内部にリブを一体に有
    し、前記カバーは前記構造部材の開口部に一体的に接合
    されていることを特徴とする自動車用構造体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自動車用構造体におい
    て、 リブは、構造部材の開口からカバーの板厚相当分だけ内
    側に位置するように形成され、前記カバーは前記リブに
    よって支持され構造部材の開口面と同一面を形成するこ
    とを特徴とする自動車用構造体。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の自動車用構造体
    において、 構造部材とカバーのいずれか一方に位置決め用突起を設
    け、他方に位置決め用穴を設け、これらの係合によって
    前記構造部材と前記カバーを位置決めすることを特徴と
    する自動車用構造体。
  4. 【請求項4】 請求項1,2または3記載の自動車用構
    造体において、 構造部材の表面で開口側端縁にカバーと同一面を形成す
    るフランジを一体に設けたことを特徴とする自動車用構
    造体。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3または4記載の自動車
    用構造体において、 構造部材は、接合部直下のリブまたはウエブ板厚が1.
    0mm以上で、カバーが摩擦攪拌接合によって一体的に
    接合されていることを特徴とする自動車用構造体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のうちのいずれか1つに記
    載の自動車用構造体において、 構造部材とカバーを機械的接合手段によって一体的に接
    合したことを特徴とする自動車用構造体。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のうちのいずれか1つに記
    載の自動車用構造体において、 構造部材をVOダイキャスト鋳造によって製作したこと
    を特徴とする自動車用構造体。
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