JP2002226819A - 接着剤用球形ポリエステル樹脂粒子分散液 - Google Patents

接着剤用球形ポリエステル樹脂粒子分散液

Info

Publication number
JP2002226819A
JP2002226819A JP2001021753A JP2001021753A JP2002226819A JP 2002226819 A JP2002226819 A JP 2002226819A JP 2001021753 A JP2001021753 A JP 2001021753A JP 2001021753 A JP2001021753 A JP 2001021753A JP 2002226819 A JP2002226819 A JP 2002226819A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester resin
dispersion
spherical
particle dispersion
adhesive according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001021753A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeki Matsui
茂樹 松井
Yoichi Abe
庸一 阿部
Nobuyoshi Shirai
伸佳 白井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP2001021753A priority Critical patent/JP2002226819A/ja
Publication of JP2002226819A publication Critical patent/JP2002226819A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シャープな加熱溶融性を示し、被着体に
対する濡れ性が良好で、接着力が高く、かつ耐熱性、耐
水性等の耐久性、さらには貯蔵安定性にも優れる接着剤
用球形ポリエステル樹脂粒子分散液を提供すること。 【解決手段】 親水性基及び疎水性基を併せ有し、かつ
重量平均分子量が10,000〜500,000である
ポリエステル樹脂(A)を含有する樹脂溶融体(I)
を、該樹脂(A)の溶融状態を維持しつつ水性媒体(I
I)中に分散させて得られた球形ポリエステル樹脂粒子
の分散液であって、かつ、沈降防止剤(B)を含有する
接着剤用球形ポリエステル樹脂粒子分散液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホットメルト接着
剤等に好適な接着剤用球形ポリエステル樹脂粒子分散液
に関する。さらに詳しくは、ポリエチレンテレフタレ−
ト(PET)、ポリ塩化ビニル等のプラスチック類や、
金属、ガラス等の無機物類の同種物又は異種物を接着さ
せる際、優れた初期接着力と耐久性を有し、かつ短時間
または低温での加圧により高い接着性を示す、種々の加
工法に対応できるし、しかも貯蔵安定性にも優れる接着
剤用球形ポリエステル樹脂粒子分散液に関する。
【0002】
【従来の技術】ホットメルト接着剤は、有機溶剤を実質
的に含まないため環境衛生上好ましく、また短時間で接
着できるので生産性が良い等、種々の長所を有してい
る。かかるホットメルト接着剤に使用される樹脂バイン
ダ−に要求される性能としては、〔1〕加熱により容易
に溶融し、被着体に対し良好な濡れ性を有し、〔2〕接
着力が高く、〔3〕耐熱性、耐水性等の耐久性に優れる
こと、等が挙げられる。ポリエステル樹脂はPET等へ
の接着性が良好であるため、かかるホットメルト接着剤
用に使用されているが、十分な接着力を得るためにはそ
の分子量を高くする必要がある。従って、分子量を下げ
ずに加熱溶融性を良好にするためには樹脂のガラス転移
温度(Tg)を下げざるを得ず、その結果耐熱性や耐加
水分解性に劣るものとなっている。
【0003】また、ポリエステル樹脂バインダ−をホッ
トメルト接着剤として実用に供するためには、凍結粉砕
等の機械的製造方法によって粉体とする必要があり、コ
スト面での不利がある。さらに、凍結粉砕等の機械的製
造方法により粉体として微細な粒子を得ることには限界
があるうえ、粉体粒子は形状が不定形となり、粒径分布
も広くなるため、シャープな加熱溶融性が得られず、被
着体への濡れ性が十分でなく、接着性が劣るものであっ
た。
【0004】他方、ホットメルト接着剤として実用に供
する際の形態は様々であるが、例えば、粒子状、チップ
状、テープ状、ひも状、フイルム状、不織布状等の形態
に成形し、被着体に圧着して加熱溶融する方法や、接着
アプリケーターを用いて被着体に溶融状態で塗布する方
法、粒子を水性媒体中に分散した分散液の状態で被着体
に塗布する方法など、種々の方法があるが、なかでも、
粒子を水性媒体中に分散した分散液の形態の場合、長期
保存後には、容器等の底に堅い凝集物やハードケーキが
沈降して粒子分散液が不均一状態となり、再度使用する
際には凝集物やハードケーキを機械的に解砕するなどの
作業が必要で、そのための設備が必要となるなどしてコ
スト面で不利であったし、また生産性が低下するなどの
問題もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、シャ
ープな加熱溶融性を示し、被着体に対する濡れ性が良好
で、接着力が高く、かつ耐熱性、耐水性等の耐久性、さ
らには貯蔵安定性にも優れる接着剤用球形ポリエステル
樹脂粒子分散液を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑みて鋭意検討した結果、親水性基及び疎水性基を併
せ有し、かつGPC(ゲルパ−ミエ−ションクロマトグ
ラフィ−)法による重量平均分子量が10,000〜5
00,000であるポリエステル樹脂(A)を必須の成
分として含有する樹脂溶融体(I)を、該ポリエステル
樹脂(A)の溶融状態を維持しつつ水性媒体(II)中に
分散させて得られた球形ポリエステル樹脂粒子の分散液
であって、かつ、沈降防止剤(B)を含有する分散液
は、球形ポリエステル樹脂粒子の分散液であることか
ら、シャープな加熱溶融性を示し、被着体に対する濡れ
性が良好で、接着力が高く、かつ、耐久性や貯蔵安定性
に優れ、接着剤用として好適であることを見い出し、本
発明を完成させるに至った。
【0007】すなわち、本発明は、親水性基及び疎水性
基を併せ有し、かつGPC法による重量平均分子量が1
0,000〜500,000であるポリエステル樹脂
(A)を必須の成分として含有する樹脂溶融体(I)
を、該ポリエステル樹脂(A)の溶融状態を維持しつつ
水性媒体(II)中に分散させて得られた球形ポリエステ
ル樹脂粒子の分散液であって、かつ、沈降防止剤(B)
を含有する分散液であることを特徴とする、接着剤用球
形ポリエステル樹脂粒子分散液を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明に係る接着剤用球形ポリエステル樹脂粒子
の必須成分であ親水性基及び疎水性基を併せ有し、かつ
GPC法による重量平均分子量が10,000〜50
0,000であるポリエステル樹脂(A)としては、例
えば、公知慣用の原料および製造方法により調製される
ものが挙げられる。その際に使用される原料としてはポ
リエステル樹脂を構成する公知慣用の原料が、特に制限
なく使用することができる。使用される原料で代表的な
ものは、ジカルボン酸等の多塩基酸およびその無水物あ
るいはその低級アルキルエステルの如き反応性誘導体
(以下、これらをまとめて「多塩基酸類」という。)
と、ジオ−ル等の多価アルコ−ル類が挙げられ、以下の
ものが好適に用いられる。
【0009】多塩基酸類として用いるジカルボン酸とし
ては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマ−ル
酸、イタコン酸、無水イタコン酸、修酸、マロン酸、コ
ハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セ
バチン酸、デカン−1,10−ジカルボン酸等の脂肪族
二塩基酸;フタル酸、無水フタル酸、テトラヒドロフタ
ル酸およびその無水物、ヘキサヒドロフタル酸およびそ
の無水物、テトラブロムフタル酸およびその無水物、テ
トラクロルフタル酸およびその無水物、ヘット酸および
その無水物、ハイミック酸およびその無水物、イソフタ
ル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族または脂環
族の二塩基酸類;等が挙げられる。
【0010】さらに、3官能以上の多塩基酸類の一つと
して、1分子中に3個以上のカルボキシル基を有するカ
ルボン酸およびその反応性誘導体も使用することができ
る。これらの代表的なものを挙げると、トリメリット
酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカ
ルボン酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水
物、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸等がある。
【0011】これらの多塩基酸類はそれぞれ単独で使用
してもよいし、2種以上のものを併用してもよい。
【0012】さらに、上記した多塩基酸類は、そのカル
ボキシル基の一部または全部がアルキルエステル、アル
ケニルエステルまたはアリールエステルとなっているも
のも使用できる。
【0013】また、ポリエステル樹脂(A)を調製する
際に原料成分として、例えばジメチロ−ルプロピオン酸
あるいはジメチロ−ルブタン酸の如き3官能の原料成分
としてのヒドロキシ酸あるいは6−ヒドロキシヘキサン
酸のような、1分子中に水酸基とカルボキシル基を併有
する化合物あるいはそれらの反応性誘導体も使用でき
る。
【0014】さらに、安息香酸、p−tert−ブチル
安息香酸のような一塩基酸も本発明の効果を損なわない
範囲内で併用することができる。
【0015】次に、多価アルコ−ル類として用いるジオ
ールとしては、例えば、エチレングリコ−ル、1,2−
プロピレングリコ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,
5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、ジ
エチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、トリエ
チレングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル等の脂肪族
ジオ−ル類;ビスフェノ−ルA、ビスフェノ−ルF等の
ビスフェノ−ル類;ビスフェノ−ルAのエチレンオキサ
イド付加物、ビスフェノ−ルAのプロピレンオキサイド
付加物等のビスフェノ−ルAのアルキレンオキサイド付
加物;キシリレンジグリコ−ル、シクロヘキサンジメタ
ノ−ル、水添ビスフェノ−ルA等のアラルキレングリコ
−ルまたは脂環族のジオ−ル類;等が挙げられる。
【0016】また、フェニルグリシジルエ−テル、「カ
−ジュラE10」[シェルケミカル社製分岐脂肪酸のモ
ノグリシジルエステル]等のモノエポキシ化合物もかか
るジオ−ル類として使用することができる。
【0017】3官能以上の多価アルコール類の一つとし
て、3個以上の水酸基を有する化合物も使用することが
でき、その代表的なものとして、グリセリン、トリメチ
ロ−ルエタン、トリメチロ−ルプロパン、ソルビト−
ル、1,2,3,6−ヘキサンテトロ−ル、1,4−ソ
ルビタン、ペンタエリスリト−ル、ジペンタエリスリト
−ル、2−メチルプロパントリオ−ル、1,3,5−ト
リヒドロキシベンゼン、トリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌレ−ト等がある。
【0018】また、下記に示すようなポリエポキシ化合
物も3官能以上の原料成分としての多価アルコ−ル類と
して使用することができる。例えば、エチレングリコー
ル、ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコール、トリ
メチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリ
ン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、水添ビスフ
ェノールA等の如き、各種の脂肪族ないしは脂環式ポリ
オールのポリグリシジルエーテル類;
【0019】ヒドロキノン、カテコール、レゾルシン、
ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノール
F等の如き、各種のフェノ−ル性水酸基の2個を含有す
る化合物のポリグリシジルエーテル類;上記したフェノ
−ル性水酸基の2個を含有する化合物のエチレンオキシ
ドもしくはプロピレンオキシド付加体等の如き誘導体の
ジグリシジルエーテル類;
【0020】ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリテトラメチレングリコール等」の如
き、各種のポリエーテルポリオールのポリグリシジルエ
ーテル類;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌ
レ−トのポリグリシジルエーテル類;アジピン酸、ブタ
ンテトラカルボン酸、プロパントリカルボン酸、フタル
酸、テレフタル酸、トリメリット酸等の如き、各種の脂
肪族ないしは芳香族ポリカルボン酸のポリグリシジルエ
ステル類;
【0021】ブタジエン、ヘキサジエン、オクタジエ
ン、ドデカジエン、シクロオクタジエン、α−ピネン、
ビニルシクロヘキセン等の如き、各種の炭化水素系ジエ
ンのビスエポキシド類;ビス(3,4−エポキシシクロ
ヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシシクロ
ヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカル
ボキシレート等の如き、各種の脂環式ポリエポキシ化合
物;ポリブタジエン、ポリイソプレン等の如き、各種の
ジエンポリマーのエポキシ化物;
【0022】「EGM−400」[東レ・ダウコーニン
グ・シリコーン(株)製の3−グリシドキシプロピル基
を有する環状のポリシロキサン];等のポリエポキシ化
合物などが挙げられる。
【0023】これら上記した多価アルコ−ル類は、単独
で使用してもよいし2種以上のものを併用することもで
きる。さらに、これらの多価アルコ−ル類の他、ステア
リルアルコ−ルなどの1価の高級アルコ−ル等も本発明
の特徴を損なわない範囲で併用することができる。
【0024】ポリエステル樹脂(A)を調製する方法と
しては、特に限定されないが、ジカルボン酸を必須成分
とする多塩基酸類と、ジオールを必須成分とする多価ア
ルコ−ル類とを窒素雰囲気中で加熱下に脱水縮合させて
ポリエステル樹脂を調製する方法が一般的である。この
際使用される装置としては、窒素導入口、温度計、攪拌
装置、精留塔等を備えた反応容器の如き回分式の製造装
置が好適に使用できるほか、脱気口を備えた押し出し機
や連続式の反応装置、混練機等も使用できる。また、上
記脱水縮合の際、必要に応じて反応系を減圧することに
よって、エステル化反応を促進することもできる。さら
に、エステル化反応の促進のために、公知慣用の触媒を
添加することもできる。
【0025】次に、ポリエステル樹脂(A)の性状につ
いて説明する。ポリエステル樹脂(A)は親水性基と疎
水性基を併せ有するため、このポリエステル樹脂(A)
を必須成分として含有する樹脂溶融体を水性媒体中に分
散する際、その分散状態が良好となり、その結果、球形
でかつ狭い粒度分布の微粒子を得ることができる。
【0026】また、ポリエステル樹脂(A)は、高い接
着力、優れた耐久性等を得るため、GPC法による重量
平均分子量(Mw)が10,000〜500,000の
範囲にある必要があり、さらに、30,000〜30
0,000の範囲であることが好ましい。
【0027】ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量
(Mn)と重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)
は分子量分布の広さの程度を表すが、微粒子の製造容易
性及び接着強度の観点から、この値は5.0〜70.0
の範囲にあることが好ましく、さらに10.0〜70.
0の範囲にあることが好ましい。
【0028】本発明の製造方法に使用するポリエステル
樹脂(A)は、親水性基を必須の官能基として含むが、
かかる親水性基のうち代表的なものを例示すると、水酸
基、カルボキシル基、アミノ基、スルホン酸基、リン酸
基などが挙げられ、なかでも水酸基、カルボキシル基が
好ましく、特にカルボキシル基が好ましい。
【0029】かかる親水性基をポリエステル樹脂(A)
に導入する方法としては、上記のポリエステル樹脂
(A)を調製する際に使用される原料、例えばジカルボ
ン酸とジオールをそのまま使用する方法でも良いし、か
かる原料に親水性基を導入したものを使用してポリエス
テル樹脂(A)を調製する方法でも良い。
【0030】また、本発明の製造方法に使用するポリエ
ステル樹脂(A)は、必須の官能基として疎水性基をも
含む。かかる疎水性基のうち代表的なものを例示する
と、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、te
rt−ブチル基、ドデシル基、ドデセニル基等のアルキ
ル基ないしアルケニル基が挙げられるが、炭素数が4〜
20のアルキル基または炭素数が4〜20のアルケニル
基が好ましい。これらのアルキル基またはアルケニル基
は直鎖状でもよく、分岐状のものでもよい。
【0031】さらに、接着性を良好にする観点より、ポ
リエステル樹脂(A)は、前記した3官能以上の原料成
分を併用して調製されるものであることが好ましい。か
かる3官能以上の原料成分の使用量は、ポリエステル樹
脂粒子の製造容易性と接着強度を考慮すると、ポリエス
テル樹脂(A)を製造する際の仕込み重量を基準として
その0.5〜20重量%の範囲にあることが好ましく、
特に2.0〜10.0重量%の範囲にあることが好まし
い。
【0032】さらに、ポリエステル樹脂(A)として
は、低温接着性および耐熱性の観点から、その溶融粘度
が1×104Pa・s となる温度(以下「T4」と表記
する。)が、80〜160℃の範囲であるものが好まし
く、なかでも90〜140℃の範囲であるものが特に好
ましい。また、同様の理由により示差熱測定(以下「D
SC」と略記する。)によるガラス転移温度(以下「T
g」と略記する。)が、40〜100℃の範囲であるも
のが好ましく、なかでも50〜80℃の範囲であるもの
が特に好ましい。
【0033】本発明では、ポリエステル樹脂(A)と共
に、他の樹脂成分、例えば、ポリエステル樹脂(A)以
外のポリエステル樹脂、フェノ−ル樹脂、エポキシ樹
脂、石油樹脂、ケトン樹脂、クマロン樹脂、ロジン、ロ
ジンフェノ−ル樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、シ
リコ−ン樹脂、フッ素樹脂、ポリオレフィン、ポリ塩化
ビニル等の成分を本発明の効果を損なわない範囲で併用
することもできる。
【0034】次に、本発明の接着剤用球形ポリエステル
樹脂粒子分散液の必須成分である沈降防止剤(B)につ
いて説明する。沈降防止剤(B)としては、例えば、従
来より水系塗料等で使用されている水溶性樹脂が挙げら
れ、特に代表的なもののみを例示すれば、非イオン性水
溶性樹脂としては、メチルセルロース、エチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース等のセルロース誘導体、ポリビニールアルコ
ール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポ
リエチレングリコールエーテル、ポリエチレンオキサイ
ドなどのような非イオン性水溶性樹脂;カルボキシメチ
ルセルロース等のセルロース誘導体や、アクリル酸系重
合体のアミン塩、ナトリウム塩、リチウム塩、アンモニ
ウム塩などのようなイオン性水溶性樹脂;メチルビニル
エーテル無水マレイン酸共重合体、エチレン無水マレイ
ン酸共重合体、スチレン無水マレイン酸共重合体などの
ような無水マレイン酸共重合体系水溶性樹脂;カゼイ
ン、ゼラチンなどのような水溶性天然高分子等が挙げら
れ、この中でも非イオン性水溶性樹脂であるセルロース
誘導体がポリエステル樹脂粒子分散液中のポリエステル
樹脂粒子との相互作用が少なく、しかも広範囲のpH領
域(水素イオン濃度域)で使用できるなど、作業性が極
めて良いため好ましく、その中でも特にヒドロキシエチ
ルセルロースが最適である。
【0035】そして、沈降防止剤(B)の使用量として
は、貯蔵安定性が良好で耐水性の低下がないことから、
ポリエステル樹脂(A)100重量部に対して0.01
〜30重量部の範囲が好ましく、なかでも0.1〜15
重量部が特に好ましい。
【0036】また、本発明の接着剤用球形ポリエステル
樹脂粒子分散液には、沈降防止剤(B)と共に、必要に
応じて、アニオン性、カチオン性、両イオン性や、非イ
オン性の界面活性剤をも併用することができる。例え
ば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキル燐酸
塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ジア
ルキルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリ
ールエーテル硫酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩等の
アニオン性界面活性剤;アルキルアミン塩、4級アンモ
ニウム塩等のカチオン性界面活性剤;アルキルベタイ
ン、アルキルアミンオキサイド等の両イオン性界面活性
剤;グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂
肪酸エステル、シリコン、フッソ系等の非イオン性界面
活性剤等を挙げることができる。これら界面活性剤の添
加方法は特に限定されないが、沈降防止剤(B)として
上記したような各種の水溶性樹脂の水溶液を用いる場
合、該水溶液中に水溶性樹脂と共に添加して用いるのが
通常である。
【0037】次に、本発明の製造方法について詳細に説
明する。本発明の接着剤用球形ポリエステル樹脂粒子分
散液は、例えば、以下に説明する製造方法によって製造
される。
【0038】すなわち、 工程(1);親水性基及び疎水性基を併せ有し、かつG
PC法による重量平均分子量が10,000〜500,
000であるポリエステル樹脂(A)、好ましくは親水
性基としてカルボキシル基を有するポリエステル樹脂
と、その他必要に応じて添加剤、例えば保水剤、分散助
剤などを加圧ニーダー、加熱3本ロール、2軸押出混練
機などを用いて溶融混練し、樹脂溶融体(I)を製造
し、 工程(2);次に、この樹脂溶融体(I)を、ポリエス
テル樹脂(A)の溶融温度以上の温度に加熱し、水性媒
体(II)、好ましくはポリエステル樹脂(A)中の親水
性基を中和する物質〔例えば、ポリエステル樹脂(A)
としてカルボキシル基等の酸基を有するポリエステル樹
脂を用いた場合は塩基性化合物〕を含有させた水性媒体
中に、ポリエステル樹脂(A)の溶融状態を維持しなが
ら、必要に応じて加圧下で、機械的手段により分散さ
せ、 工程(3);その後、好ましくは直ちに急速冷却するこ
とによりポリエステル樹脂粒子分散液とする製造方法で
あって、しかも、以下に示すように、このポリエステル
樹脂粒子分散液の製造時および/または製造後に沈降防
止剤(B)を添加する製造方法である。
【0039】ポリエステル樹脂粒子分散液の製造時に沈
降防止剤(B)を添加する方法としては、例えば、
(イ)上記工程(2)で用いる水性媒体(II)中に沈降
防止剤(B)を予め含有させておく方法や、(ロ)上記
工程(1)で用いるポリエステル樹脂(A)を必須成分
とする樹脂溶融体(I)に沈降防止剤(B)を予め含有
させておく方法などが挙げられる。
【0040】また、ポリエステル樹脂粒子分散液の製造
後に沈降防止剤(B)を添加する方法としては、例え
ば、(ハ)上記工程(3)で得られたポリエステル樹脂
粒子分散液に、沈降防止剤(B)を後で添加する方法
や、(ニ)上記工程(3)で得られたポリエステル樹脂
粒子分散液から樹脂粒子を分離し、分離した樹脂粒子を
乾燥して樹脂粒子パウダーとしておき、再び水性媒体中
に樹脂粒子パウダーと沈降防止剤(B)と、好ましくは
更にポリエステル樹脂(A)の親水性基を中和する物質
を添加して、ポリエステル樹脂粒子を分散させるなどの
方法を挙げることができるが、(ハ)の製造方法が最も
簡便であり、推奨される。
【0041】ポリエステル樹脂(A)中の親水性基を中
和する物質としては、例えば、親水性基がカルボキシル
基等の酸基である場合、各種の塩基性化合物を用いるこ
とができ、その具体例としては、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ化合物、
それらの炭酸塩、それらの酢酸塩など、更には、アンモ
ニア水、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルア
ミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミ
ンなどのアルキルアミン類、ジエタノールアミンなどの
アルカノールアミン類などが挙げられる。これら塩基性
化合物は単独使用でもよいし、2種類以上の併用でも構
わない。
【0042】前記工程(2)の樹脂溶融体(I)を水性
媒体(II)中に機械的手段により微分散させるための装
置としては、特に限定されるものではないが、例えば、
マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社)、連
続式超音波ホモジナイザー(日本精機株式会社)、ナノ
マイザー(ナノマイザー社)、マイクロフルイダイザー
(みずほ工業株式会社)、ハレル型ホモジナイザー、ス
ラッシャ(三井鉱山株式会社)、キャビトロン(株式会
社ユーロテック)などが挙げられ、なかでも、回転型連
続分散装置であるキャビトロンが分散能力が高く、粒子
の製造が容易なことから特に好ましい。
【0043】回転型連続分散装置であるキャビトロン
は、スリットを有するリング状の突起を備えた固定子と
スリットを有するリング状の突起を備えた回転子とが間
隔を保って相互に咬み合うように同軸上に設けられた構
造を有し、この分散機の固定子と回転子の中心部分に樹
脂溶融体(I)と水性媒体(II)とを供給して、回転子
を回転させながら該スリットと該間隔とを通して中心部
分から外周の方向に流動させることにより、水性媒体
(II)中に樹脂溶融体(I)を分散させることを特徴と
する分散装置である。
【0044】以下図面により、上記回転型連続式分散装
置を用いた製造方法について詳しく説明する。
【0045】図1は本発明の製造方法に用いられる回転
型連続式分散装置の固定子の一例を示す斜視図、図2は
本発明の製造方法に用いられる回転型連続式分散装置の
回転子の一例を示す斜視図、図3は本発明に用いる回転
型連続式分散装置の要部の一例を表した断面図、図4は
図3のA−A’断面を側面から見たときの固定子突起と
回転子突起の組み合わせ状態を表した図である。
【0046】図1〜図4に示すように、回転型連続式分
散装置の固定子1は、中心に設置され、その中心に液入
り口2を備えている。固定子1の円形状の面上には、固
定子と同心円でリング状に並べられた突起3が1段又は
2段以上の多段状に備えられており、従って、突起同士
の間隙には、円周溝4が形成されている。そして、突起
同士の間には複数のスリット5が形成されている。
【0047】この分散装置内の固定子1に対向する内壁
の中心には駆動軸6が設置され、駆動装置に接続され
て、回転される。回転子7は、固定子1と平行で且つ中
心が揃うように、駆動軸の先端に固定されている。固定
子1に対向する回転子7の面上には、回転子と同心円で
リング状に並べられた突起8が一段または2段以上の多
段状に備わっている。従って、突起同士の間隙には、固
定子と同様に、環状の溝9が形成されている。そして、
突起同士の間には複数のスリット10が形成されてい
る。
【0048】この固定子1と回転子7とは、固定子1の
突起3と回転子7の突起8が僅かな間隙を保つように、
咬み合わされた状態で使用に供される。
【0049】この分散装置の液入り口2に、樹脂溶融体
(I)と加熱された水性媒体(II)が供給され、それら
からなる混合物は回転子7が回転すると、最も内側に位
置する回転子7の突起8のスリット10に入り、遠心力
により該回転子7の突起8の外側から環状の溝9に吐出
され、次いで最も内側に位置する固定子1の突起3のス
リット5に入る。さらに、このスリット5に流入した混
合物は、固定子1の環状の溝4に押し出される。
【0050】このようにして当該混合物は、回転子7の
回転により遠心力を受け、スリット内を液入口から吐出
口へと流動する。一方回転子7と固定子1のスリットの
ずれにより混合物の遠心流れの封じ込めと開放を繰り返
して差圧が発生する。さらに回転子7と固定子1の微少
隙間で混合液に対し剪断力が働く。この中心から外周方
向への流れと円周方向流れが直角に衝突し、それによっ
て、強力な撹拌・破砕効果が発生し、これにより樹脂溶
融体(I)が加熱された水性媒体(II)中に粒子状に分
散した粒子分散液が得られる。
【0051】この分散装置の回転子7の回転数は駆動軸
に接続された駆動モーターで制御される。回転数が大き
く周速が大きいほど大きい遠心力と剪断力を受けて、水
性媒体(II)中に分散した樹脂溶融体(I)の粒子径が
小さくなる。直径10cmの回転子を使用して平均粒子
径が10μm以下の球形粒子を製造する場合、好ましい
回転数は3,000〜10,000rpmである。
【0052】次に、接着剤用球形ポリエステル樹脂粒子
について説明する。本発明の接着剤用球形ポリエステル
樹脂粒子は、親水性基及び疎水性基を併せ有し、かつG
PC法による重量平均分子量が10,000〜500,
000であるポリエステル樹脂(A)を必須の成分とし
てなることを特徴とする。ポリエステル樹脂(A)の組
成内容は前述したとおりである。
【0053】さらに、接着剤用球形ポリエステル樹脂粒
子は、その形状が球形であることに特徴を有する。すな
わち、接着剤用球形ポリエステル樹脂粒子は球形である
ことにより粉体としての流動性に優れ、被着体への濡れ
性が著しく向上する。本発明にいう「球形」は、真球状
はもちろん、楕円状、繭状等を含む広い概念であるが形
状中に鋭利な尖点部分を含まないものをいう。
【0054】また接着剤用球形ポリエステル樹脂粒子の
粒子径は、体積平均粒子径で通常0.1〜20μmであ
るが、接着性向上の観点より0.1〜10μmが好まし
く、より好ましくは1.0〜5.0μmである。本発明
にいう平均粒子径とは、粒度分布測定機であるコールタ
ーマルチサイザ−2(ベックマン・コールター社製)で
測定した50%体積平均粒子径の値をいう。
【0055】接着剤用球形ポリエステル樹脂粒子の粒度
分布とは、コールターマルチサイザー2を用いた体積粒
子径の分布測定において、16%径と84%径の比の平
方根で表される値「√(D16/D84)」をいうが、
ここで16%径とは体積粒子径の大きい側から粒子の重
量を積算したときの重量が全重量の16%となる位置に
ある粒子の体積粒子径であり、同様に84%径は粒子の
重量を積算したときの重量が全重量の84%となる位置
にある粒子の体積粒子径をいう。この数値が大きいほど
粒度分布の広がりが大きく、小さいほど粒度分布の広が
りは小さいことを示す。この数値が1.36以下である
ことは、接着剤用球形ポリエステル樹脂粒子として極め
て粒度分布が狭く、従来の機械的粉砕法によるホットメ
ルト接着剤と比較して被着体への濡れ性が格段に向上す
ることにより接着強度が高く、かつ低温で接着できる等
作業性にも優れることを表す。
【0056】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし、本発明の技術的な範囲は以下の実施例に限
定されるものではない。例中「部」及び「%」は、特に
ことわりがない限り重量基準である。
【0057】合成例1〔ポリエステル樹脂(A)の合
成〕 攪拌装置、窒素導入管、温度センサ−及び精留塔を備え
た内容量5リットルのフラスコにエチレングリコ−ル4
78部、ネオペンチルグリコ−ル1012部及びトリメ
チロ−ルプロパン186部を仕込み、温度を140℃ま
で上げて撹拌を行いながらテレフタル酸3,014部を
仕込み、さらに1時間を要して温度を190℃まで上
げ、反応系内が均一に攪拌されていることを確認した
後、ジブチル錫オキサイド2.0部を投入した。さらに
生成する水を留去しながら同温度から240℃まで6時
間を要して温度を上げ、240℃でさらに3時間脱水縮
合反応を継続し、酸価が10.5mgKOH/g、環球
法による軟化点が112℃になったときにドデセニル無
水コハク酸167部を投入した。同温度でさらに30分
間反応を続け、最終的に酸価が18.3mgKOH/g
で、GPC法による重量平均分子量が36,000、分
散比(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が1
0.2、溶融粘度が1×104Pa・s となる温度(T
4)が113℃であるポリエステル樹脂を得た。これを
ポリエステル樹脂(A−1)と略記する。
【0058】合成例2(比較対照用ポリエステル樹脂の
合成) 合成例1で使用した反応装置に、1,4−ブタンジオ−
ル1,666部、テレフタル酸2,429部、イソフタ
ル酸649部及びテトラブチルチタネ−ト2.0部を仕
込み、窒素ガス導入下に150〜220℃で脱水縮合反
応させた。次いで酸化防止剤4.0部を加え、撹拌しな
がら250℃まで3時間を要して昇温し、さらに系内を
13.3Paまで減圧し、同温度で1時間縮合反応を行
い、最終的に酸価が1.4mgKOH/gで、GPC法
による重量平均分子量が29,000、分散比(Mw/
Mn)が4.3、Tgが19℃である線状ポリエステル
樹脂を得た。これをポリエステル樹脂(A′)と略記す
る。
【0059】実施例1 ポリエステル樹脂(A−1)を150℃に加熱して樹脂
溶融体とし、キャビトロンCD1010(株式会社ユ−
ロテック製)に毎分100gの速度で移送した。別途準
備した水性媒体タンクには試薬アンモニア水をイオン交
換水で希釈した1.15%濃度の希アンモニア水を入
れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リッ
トル〔ポリエステル樹脂(A−1)中のカルボキシル基
の理論中和量の2倍量〕の速度で、上記樹脂溶融体と同
時にキャビトロンに移送した。回転子の回転速度が75
00rpm、圧力が5Kg/cm2 の運転条件でポリエ
ステル樹脂(A−1)を分散させて温度135℃の分散
液を製造し、10秒間で温度を35℃まで冷却して出口
から取り出した。この分散液中のポリエステル樹脂粒子
は球形であり、不揮発分の濃度は51%であった。コー
ルターマルチサイザー2による測定により、ポリエステ
ル樹脂粒子の平均粒子径は2.5μmであり、その粒度
分布は1.35であった。この分散液100gに、沈降
防止剤(B)であるCELLOSIZE HEC QP−4400H
(ユニオン・カーバイド日本株式会社製のヒドロキシエ
チルセルロース系水性樹脂)の3%水溶液17gを添加
し、不揮発分が44%の球形ポリエステル樹脂粒子分散
液を得た。これを分散液(C−1)と略記する。また、
沈降防止剤(B)投入前の分散液を濾別した後に水洗を
行い、乾燥した粉体のポリエステル樹脂粒子の溶融粘度
は1×104Pa・sとなる温度(T4)は113℃
で、DSC法によるガラス転移温度(Tg)は58℃で
あった。
【0060】比較例1(沈降防止剤不含の球形ポリエス
テル樹脂粒子分散液の調製) 実施例1で得られた沈降防止剤(B)を添加していない
不揮発分が51%の分散液をイオン交換水で希釈して不
揮発分が44%の球形ポリエステル樹脂粒子分散液を得
た。これを分散液(C−2)と略記する。
【0061】比較例2〔乾式粉砕法による比較対照用ポ
リエステル樹脂粒子分散液の調製〕 ポリエステル樹脂(A−1)を粗粉砕し、さらにハンマ
−ミルで微粉砕して平均粒径が41μmのポリエステル
粒子を調製した。この粒子は80μm以上の粗大粒子を
7%含むものであり、形状は不規則なものであった。こ
のポリエステル微粒子51gを3%のアンモニア水49
gに分散し、その後、この粒子分散液100gに実施例
1で用いたCELLOSIZE HEC QP−4400Hの3%水溶
液17gを良く撹拌しながら添加し、不揮発分が44%
の不定形ポリエステル樹脂粒子分散液を得た。これを分
散液(C−3)と略記する。
【0062】比較例3(同上) ポリエステル樹脂(A′)を凍結粉砕法により平均粒径
が48μmのポリエステル粒子を調製した。この粒子は
75μm以上の粗大粒子を20%含むものであり、形状
は不規則なものであった。このポリエステル樹脂粒子5
1gを3%のアンモニア水49gに分散し、その後、こ
の粒子分散液100gに実施例1で用いたCELLOSIZE HE
C QP−4400Hの3%水溶液17gを良く撹拌しな
がら添加し、不揮発分が44%の不定形ポリエステル樹
脂粒子分散液を得た。これを分散液(C−4)と略記す
る。
【0063】なお、GPC法による重量平均分子量の測
定は、Shodex GPC SYSTEM−21〔昭和
電工(株)製〕を使用して行なった。
【0064】また、樹脂または微粒子の溶融粘度は、高
化式フロ−テスタ−〔島津製作所(株)製、CFT−5
00〕を使用して測定した。測定条件は、昇温速度6℃
/分、荷重10Kg、ダイス1mmφ×1mmである。
【0065】示差熱測定はDSC法により昇温速度10
℃/分で行なった。
【0066】応用例1および比較応用例1〜3 実施例1および比較例1〜3で得られた分散液(C−
1)、(C−2)、(C−3)、および(C−4)を使
用し、接着強度の測定ならびに貯蔵安定性の評価を以下
のように行った。結果をまとめて表−1に示す。
【0067】≪接着強度≫ポリエステル樹脂粒子分散液
を膜厚が80μmとなるように、厚さ200μmの銅箔
に均一に散布しながら水分を揮発させ、次いで、片面コ
ロナ処理2軸延伸PETフィルム(厚さ100μm)の
処理面がポリエステル樹脂粒子の散布された面に接する
ように該PETフィルムを重ね合わせ、該PETフィル
ム側から加熱ヒ−トシ−ラ−により加熱して、接着を行
った。接着条件は、圧力3Kg/cm2 で140℃/8
秒間である。剥離接着力は、テンシロン引張り試験機を
使用し、JIS K−6854(接着剤の剥離試験方
法)の180゜剥離で評価した。測定条件は、温度20
℃、相対湿度60%である。また、耐湿性は、圧着後の
試験片を温度50℃、相対湿度95%以上の恒温恒湿条
件下に10日間保持した後の剥離接着力で評価した。
【0068】≪貯蔵安定性≫調製した分散液を、気密性
の高いガラス容器に入れ、40℃の高温器に1ヶ月間放
置し、樹脂粒子の沈降の程度を目視確認するとともに、
スパチュラで沈降物の堅さを確認し、以下の基準で評価
した。 ○:沈降がなく、分散液に流動性がある。 ×:沈降が著しくガラス容器の底にハードケーキとして
沈降しており、機械的解砕を必要とした。
【0069】
【表1】
【0070】
【発明の効果】本発明の球形ポリエステル樹脂粒子分散
液は、接着剤として使用した場合、高い初期接着力が得
られると共に、耐久性、貯蔵安定性にも優れており、極
めて実用性が高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で用いる回転型連続式分散装置の固定
子の一例を示す斜視図である。
【図2】 本発明で用いる回転型連続式分散装置の回転
子の一例を示す斜視図である。
【図3】 本発明で用いる回転型連続式分散装置の要部
の一例を表した断面図である。
【図4】 図3のA−A’部を側面から見たときの固定
子突起と回転子突起の組み合わせ状態を表した図であ
る。
【符号の説明】
1 固定子 2 液入口 3 固定子の突起 4 固定子の円周溝 5 固定子突起のスリット 6 回転子の駆動軸 7 回転子 8 回転子の突起 9 回転子の円周溝 10 回転子突起のスリット 11 回転型連続式分散装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白井 伸佳 神奈川県川崎市麻生区虹ヶ丘3−1−9− 501 Fターム(参考) 4D077 AA10 AC05 BA15 DC12X DC19X DC42X DD65X 4F070 AA47 AC72 AE14 CB03 4J040 BA012 BA152 DD022 DF012 DF092 DH032 ED031 EE022 GA05 GA07 GA13 GA25 GA27 GA32 JA03 JB01 KA38 LA01 LA02 LA07 LA08 QA08 QB03

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性基及び疎水性基を併せ有し、かつ
    GPC(ゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフィ−)法
    による重量平均分子量が10,000〜500,000
    であるポリエステル樹脂(A)を必須の成分として含有
    する樹脂溶融体(I)を、該ポリエステル樹脂(A)の
    溶融状態を維持しつつ水性媒体(II)中に分散させて得
    られた球形ポリエステル樹脂粒子の分散液であって、か
    つ、沈降防止剤(B)を含有する分散液であることを特
    徴とする、接着剤用球形ポリエステル樹脂粒子分散液。
  2. 【請求項2】 ポリエステル樹脂(A)の親水性基がカ
    ルボキシル基であり、かつ、その疎水性基が炭素数4〜
    20のアルキル基または炭素数4〜20のアルケニル基
    である、請求項1記載の接着剤用球形ポリエステル樹脂
    粒子分散液。
  3. 【請求項3】 水性媒体(II)が、塩基性化合物を含有
    する水性媒体である、請求項2記載の接着剤用球形ポリ
    エステル樹脂粒子分散液。
  4. 【請求項4】 ポリエステル樹脂(A)が、分岐状ポリ
    エステル樹脂である、請求項1、2または3記載の接着
    剤用球形ポリエステル樹脂粒子分散液。
  5. 【請求項5】 ポリエステル樹脂(A)の重量平均分子
    量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)
    が、5.0〜70.0である請求項1〜4のいずれか1
    項記載の接着剤用球形ポリエステル樹脂粒子分散液。
  6. 【請求項6】 沈降防止剤(B)が、非イオン性水溶性
    樹脂である、請求項1〜5のいずれか1項記載の接着剤
    用球形ポリエステル樹脂粒子分散液。
  7. 【請求項7】 非イオン性水溶性樹脂が、セルロース誘
    導体である、請求項6記載の接着剤用球形ポリエステル
    樹脂粒子分散液。
  8. 【請求項8】 スリットを有するリング状の突起を備え
    た固定子と、スリットを有するリング状の突起を備えた
    回転子とが、間隔を保って相互に咬み合うように同軸上
    に設けられた構造を有する回転型連続分散装置を用い、
    この分散機の固定子と回転子の中心部分に、樹脂溶融体
    (I)と水性媒体(II)とを供給して、回転子を回転さ
    せながら該スリットと該間隙とを通して中心部分から外
    周の方向に流動させることにより、水性媒体(II)中に
    樹脂溶融体(I)を球状で分散させて得られた分散液で
    ある、請求項1〜7のいずれか1項記載の接着剤用球形
    ポリエステル樹脂粒子分散液。
  9. 【請求項9】 ポリエステル樹脂粒子分散液の製造時お
    よび/または製造後に沈降防止剤(B)を添加する、請
    求項8に記載の接着剤用球形ポリエステル樹脂粒子分散
    液。
  10. 【請求項10】 粒子の体積平均粒子径が、0.1〜1
    0.0μmである、請求項1〜9のいずれか1項記載の
    接着剤用球形ポリエステル粒子分散液。
  11. 【請求項11】 粒子の粒度分布が、1.36以下であ
    る、請求項1〜10のいずれか1項記載の接着剤用球形
    ポリエステル樹脂粒子分散液。
JP2001021753A 2001-01-30 2001-01-30 接着剤用球形ポリエステル樹脂粒子分散液 Pending JP2002226819A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001021753A JP2002226819A (ja) 2001-01-30 2001-01-30 接着剤用球形ポリエステル樹脂粒子分散液

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001021753A JP2002226819A (ja) 2001-01-30 2001-01-30 接着剤用球形ポリエステル樹脂粒子分散液

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002226819A true JP2002226819A (ja) 2002-08-14

Family

ID=18887260

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001021753A Pending JP2002226819A (ja) 2001-01-30 2001-01-30 接着剤用球形ポリエステル樹脂粒子分散液

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002226819A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008266450A (ja) * 2007-04-20 2008-11-06 Kao Corp 樹脂乳化液の製造方法
JP2010065155A (ja) * 2008-09-11 2010-03-25 Unitika Ltd 水性分散体混合物、およびその製造方法、ならびにそれから得られる樹脂被膜
US10329424B2 (en) 2014-12-25 2019-06-25 Polymatech Japan Co., Ltd. Silicone composition

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000128966A (ja) * 1998-10-26 2000-05-09 Toyobo Co Ltd 接着用ポリエステル樹脂
JP2001019937A (ja) * 1999-07-12 2001-01-23 Sumitomo Seika Chem Co Ltd 熱融着用接着剤および接着布

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000128966A (ja) * 1998-10-26 2000-05-09 Toyobo Co Ltd 接着用ポリエステル樹脂
JP2001019937A (ja) * 1999-07-12 2001-01-23 Sumitomo Seika Chem Co Ltd 熱融着用接着剤および接着布

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008266450A (ja) * 2007-04-20 2008-11-06 Kao Corp 樹脂乳化液の製造方法
WO2008133166A1 (ja) * 2007-04-20 2008-11-06 Kao Corporation 樹脂乳化液の製造方法
US8211608B2 (en) 2007-04-20 2012-07-03 Kao Corporation Method for production of resin emulsion
JP2010065155A (ja) * 2008-09-11 2010-03-25 Unitika Ltd 水性分散体混合物、およびその製造方法、ならびにそれから得られる樹脂被膜
US10329424B2 (en) 2014-12-25 2019-06-25 Polymatech Japan Co., Ltd. Silicone composition
DE112014007281B4 (de) 2014-12-25 2022-07-07 Sekisui Polymatech Co., Ltd. Silikonzusammensetzung

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5148292B2 (ja) マイクロカプセル型エポキシ樹脂用硬化剤、マスタ−バッチ型エポキシ樹脂用硬化剤組成物、一液性エポキシ樹脂組成物、および加工品
EP1316578B1 (en) Method for producing aqueous dispersion of thermoplastic resin microparticles and toner for electrophotography
JP5258018B2 (ja) 高安定性マイクロカプセル型エポキシ樹脂用硬化剤及びエポキシ樹脂組成物
US6821703B2 (en) Method for producing polyester resin particle dispersion material, method for producing polyester resin particles, and method for producing electrophotographic spherical toner
JP6426340B2 (ja) エポキシ樹脂用硬化剤、及びエポキシ樹脂組成物
CN112654675A (zh) 一种单组份环氧树脂组合物及其制备方法
JP2000191892A (ja) ポリエステル系水分散体及びその製造方法
JP2002226819A (ja) 接着剤用球形ポリエステル樹脂粒子分散液
CN1176994C (zh) 从环氧化单羟基化二烯聚合物制备紫外线可固化粘合剂和密封剂的无非水溶剂方法
JP2002037891A (ja) 接着剤用球形ポリエステル微粒子の製造方法および接着剤用球形ポリエステル微粒子
JP3741099B2 (ja) 接着剤用球形ポリエステル樹脂粒子分散体とその製造方法、および接着剤用球形ポリエステル樹脂粒子とその製造方法
JP4241029B2 (ja) 熱可塑性樹脂微粒子水性分散体の製造方法および電子写真用トナー
JP2003041228A (ja) 接着剤用球形ポリエステル樹脂粒子分散体とその製造方法、および、接着剤用球形ポリエステル樹脂粒子とその製造方法
JP2005187515A (ja) 不織布接着用球形ポリエステル樹脂粒子分散体及び不織布接着用球形ポリエステル樹脂粒子
JP4277254B2 (ja) 熱可塑性樹脂微粒子水性分散体の製造方法および電子写真用トナー
JP2003012808A (ja) 接着剤用球形ポリエステル樹脂粒子分散体の製造方法、及び接着剤用球形ポリエステル樹脂粒子の製造方法。
JP2005239868A (ja) 接着剤用球形ポリエステル樹脂粒子水分散体
JP2003192886A (ja) 熱硬化型水性樹脂組成物
JP3975818B2 (ja) インクジェット受理コ−ティング剤用樹脂粒子水性分散体、インクジェット受理コ−ティング剤、インクジェット記録紙およびインクジェット受理コ−ティング剤用樹脂粒子水性分散体の製造方法
JP2003221492A (ja) ポリエステル樹脂粒子水性分散体、電子写真受像紙用コ−ティング剤、電子写真受像紙およびポリエステル樹脂粒子水性分散体の製造方法
JP2004059839A (ja) 接着剤用樹脂粒子分散体および接着剤用樹脂粒子
JP4793609B2 (ja) 熱可塑性樹脂粒子分散体の製造方法
JP2005239869A (ja) 接着剤用球形ポリエステル樹脂粒子水分散体
JP2005281547A (ja) 接着剤用球形ポリエステル樹脂微粒子水性分散体の製造方法
JP2001330989A (ja) 電子写真用球形トナ−及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20050809

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101207

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110414