JP2002223807A - 靴中敷用繊維構造体およびその製造方法 - Google Patents

靴中敷用繊維構造体およびその製造方法

Info

Publication number
JP2002223807A
JP2002223807A JP2001030768A JP2001030768A JP2002223807A JP 2002223807 A JP2002223807 A JP 2002223807A JP 2001030768 A JP2001030768 A JP 2001030768A JP 2001030768 A JP2001030768 A JP 2001030768A JP 2002223807 A JP2002223807 A JP 2002223807A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
layer
present
insole
shoe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001030768A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4647111B2 (ja
Inventor
Toshiaki Yamaguchi
俊朗 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP2001030768A priority Critical patent/JP4647111B2/ja
Publication of JP2002223807A publication Critical patent/JP2002223807A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4647111B2 publication Critical patent/JP4647111B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)
  • Knitting Of Fabric (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Treatment Of Fiber Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 既成品でありながら、履いている最中に個々
人にあったフィット感が得られる靴中敷を提供する。 【解決手段】 支持層とその一表面に立設した繊維層か
らなる靴中敷用繊維構造体であって、該靴中敷用繊維構
造体は、捲縮率5%以上の接着性捲縮繊維を20質量%
以上含み、かつ繊維層が該接着性捲縮繊維間の熱接着に
よる融着層と該融着層よりも表面側に存在してバルキー
性の高い嵩高層から形成されていることを特徴とする靴
中敷用繊維構造体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、靴中敷用繊維構造
体および靴中敷に関するものであり、さらに詳しくは着
用後すぐに個人の足型にフィットする靴中敷に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】靴中敷に必要な機能としては、靴の内部
において足裏に接し、足のズレを防止して力のロスを防
ぐ機能の他に、足への衝撃を吸収する衝撃吸収機能など
が挙げられる。これらの機能等を発揮させるために、綿
布などの上層の下に、比較的柔軟な中層を積層し、更
に、比較的硬い下層を積層した積層靴中敷が知られてい
る。
【0003】また、靴中敷には平な平中敷の他に、フィ
ット感の向上を目的として、中敷における踏まず部の表
面が足裏にの形状に沿って盛り上がった成形中敷が知ら
れている。しかしながら、上記したような靴中敷は、統
計的に算出された標準的な足の形状であり、かかる既成
品は、個々人の歩行の癖等までは十分に考慮されておら
ず、一応のフィット感は得られるものの、決して十分と
は言い難いものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の課題
を解決しようとするものであり、既成品でありながら、
履いている最中に個々人にあったフィット感が得られる
靴中敷を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、支持
層とその一表面に立設した繊維層からなる靴中敷用繊維
構造体であって、該靴中敷用繊維構造体は、捲縮率5%
以上の接着性捲縮繊維を20質量%以上含み、かつ繊維
層が該接着性捲縮繊維間の熱接着による融着層と該融着
層よりも表面側に存在してバルキー性の高い嵩高層から
形成されていることを特徴とする靴中敷用繊維構造体で
ある。
【0006】さらに本発明は、捲縮率が5%以上の接着
性捲縮繊維を20質量%以上含み、かつ支持層とその一
表面に立設した繊維層とからなる繊維構造体の支持層面
より水をスプレーした後、熱処理することにより融着層
を形成せしめることを特徴とする靴中敷用繊維構造体の
製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】まず、本発明を構成する靴中敷用
繊維構造体について説明する。該繊維構造体は、支持層
に立設されて繊維層が存在し、かかる繊維層は融着層と
バルキー性の高い嵩高層によって構成される。本発明に
いう支持層とは、本質的に変形し難い層であり、かかる
層としては、繊維からなる層、フィルム、シートなどが
挙げられる。繊維からなる層としては、織編布、各種の
不織布、立毛布帛のグランド部などが挙げられる。
【0008】また、本発明の靴中敷用繊維構造体は、接
着性捲縮繊維を含有する。本発明でいう接着性捲縮繊維
とは、110〜190℃の乾熱処理下で自己接着または
他の繊維に接着するポリマー成分を含有する繊維、また
は湿熱無緊張処理下で約95℃以上の熱水により軟化し
て、自己接着または他の繊維に接着するポリマー成分を
含有する捲縮繊維である。該捲縮繊維の捲縮形態は、平
面的なジグザグ状の捲縮や、仮撚による立体捲縮、サイ
ドバイサイド型複合繊維、偏心芯鞘型複合繊維、非対称
冷却繊維などによって発現するコイル状の立体捲縮等、
特に限定されるものではないが、該繊維構造体の嵩高
性、柔軟性の観点から立体捲縮を有している繊維である
ことが好ましく、特に仮撚捲縮繊維が好ましく用いられ
る。一方、生糸のようなストレートヤーンでは上記の三
次元ランダムコイルの発現は得られず、接着部が点では
なくて塊状となり、風合も硬くなる。また、接着性を有
していても、熱処理で捲縮が消失するような接着性捲縮
繊維は、本発明の効果が得られない結果となり好ましく
ない。また、接着性捲縮繊維が接着成分100質量%か
らなる単独糸(いわゆるホモフィラメント)をレギュラ
ー捲縮加工糸と混合しても目標とする構造体を得ること
は困難である。
【0009】かかる接着性捲縮繊維は、5%以上の捲縮
率を有していることが必要であり、好ましくは10〜2
0%の捲縮率を有する繊維である。捲縮率が5%未満で
あると、融着層の形成が不十分となり、本発明の目的と
する足型にあったフィット感が得られる靴敷用繊維構造
体が得られない。
【0010】該接着性捲縮繊維を構成するポリマーとし
ては、例えば、ナイロン12またはアクリルアミドを一
成分とする共重合体、ポリ乳酸、エチレン−ビニルアル
コール系共重合体などを挙げることができるが、中でも
エチレン−ビニルアルコール系共重合体が好ましく用い
られる。エチレン−ビニルアルコール系共重合体として
は、ポリビニルアルコールにエチレン残基が10〜60
モル%共重合されたものが好ましく、特にエチレン残基
が30〜50モル%共重合されたものが、接着性の点で
好ましい。また、ビニルアルコール部分は95モル%以
上の鹸化度をもつものが好ましい。エチレン残基が多い
ことにより、接着性を有するが熱水には溶解しにくいと
いう、特異な性質を有する。重合度は特に限定されない
が、400〜1500程度が好ましい。本発明において
は、目的とする繊維構造体とした後に、染色性付与また
は繊維改質などの後加工のため、エチレン−ビニルアル
コール系共重合体を部分架橋処理することができる。
【0011】本発明で使用される接着性捲縮繊維は、上
記のポリマー単独からなる繊維でもよいし、 他の熱可
塑性重合体との複合繊維や、他の熱可塑性重合体からな
る繊維の表面に該ポリマーを被覆した繊維でもよい。他
の熱可塑性重合体としては、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリプロピレン等を挙げることができるが、耐熱
性、寸法安定性等の点でエチレン−ビニルアルコール系
共重合体より高い融点をもつポリエステル、ポリアミド
等が好ましく用いられる。
【0012】ポリエステルとしてはテレフタル酸、イソ
フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、フタル
酸、α,β−(4−カルボキシフェノキシ)エタン、
4,4’−ジカルボキシジフェニル、5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、アゼライン
酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸ま
たはこれらのエステル類、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−
ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペン
チルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノー
ル、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリ
コール等のジオールからなる繊維形成性のポリエステル
を挙げることができ、構成単位の80モル%以上がエチ
レンテレフタレート単位であることが好ましい。
【0013】ポリアミドとしてはナイロン6、ナイロン
66、ナイロン12を主成分とする脂肪族ポリアミド、
半芳香族ポリアミドなどを挙げることができ、少量の第
三成分を含有するポリアミドでもよい。
【0014】本発明において、該繊維構造体を構成する
繊維として、エチレン−ビニルアルコール系共重合体と
他の熱可塑性重合体からなる複合繊維を用いる場合は、
複合比は前者:後者(質量比)=10:90〜90:1
0、特に30:70〜70:30であることが紡糸性の
点から好ましい。また、複合形態については特に限定さ
れず、従来公知の複合形態を採用することができるが、
エチレン−ビニルアルコール系共重合体が繊維表面の少
なくとも一部に存在していることが必要であり、50%
以上露出していることが好ましい。具体的な複合形態と
しては、例えば、芯鞘型、偏心芯鞘型、多層貼合型、サ
イドバイサイド型、ランダム複合型、放射状貼合型、微
細繊維発生型等を挙げることができる。これらの繊維の
断面形状は中実断面形状である丸断面や異型断面形状に
限らず、中空断面形状等、種々の断面形状とすることが
できる。
【0015】また、他の繊維の表面にエチレン−ビニル
アルコール系共重合体を被覆した繊維においては、該共
重合体が他の繊維の表面を1/3以上被覆していること
が好ましく、さらに好ましくは1/2以上である。
【0016】本発明の靴中敷用繊維構造体は、接着性捲
縮繊維を20質量以上%含むことが必要であり、好まし
くは50〜100質量%であり、さらに好ましくは80
〜100質量%である。接着性捲縮繊維が20質量%を
下回ると繊維間の接着が不十分となり、融着層の形成が
不十分となる。接着性捲縮繊維は融着層に含まれること
は必須であるが、必要に応じて支持層に含まれてもよ
い。支持層に含まれる接着性捲縮繊維は、該融着層との
接着成分として作用すると同時に、層間の分離もしくは
パイル抜けの防止となる。
【0017】該支持層に接着性捲縮繊維を用いる場合に
は、10質量%以上含有させるのが好ましく、より好ま
しくは20〜100質量%である。支持層に該接着性捲
縮繊維を用いることで、支持層と融着層の接着がより強
固となる。
【0018】本発明の靴中敷用繊維構造体は、支持層に
立設する繊維層が接着性捲縮繊維間の接着により形成さ
れる融着層とバルキー性の高い嵩高層から構成される点
に特徴を有する。かかる繊維構造体からなる靴中敷は、
着用時に部分的な荷重が掛かることにより、融着層が変
形し、高密度化が生じることで、結果的に厚みが減少す
る部分と維持される部分とが同時に形成されるため、個
々人の足の負荷状況に応じた厚み変化が生じて優れたフ
ィット感を与えるものである。
【0019】また、本発明においては、融着層の表面側
にバルキー性の高い嵩高層が存在することで上述のフィ
ット感に加えて、良好な風合を有する靴中敷用繊維構造
体とすることが可能となる。該嵩高層は、本発明の靴中
敷とした場合に、着用後も良好な風合が保持されるので
ある。なお本発明にいうバルキー性の高い嵩高層(以
下、単に嵩高層と称する場合がある。)とは、接着性捲
縮繊維により熱接着されていない部分を示すものであ
り、該嵩高層を構成する繊維は、接着性捲縮繊維であっ
てもよいし、他の繊維であってもよい。
【0020】さらに、着用時の発汗による水分は嵩高層
から融着層を経て構造体の裏面側へ移行するため、足裏
と接触する部分は常に乾燥しているために蒸れ感防止に
も効果的である。また、融着層と嵩高層を構成する繊維
種が同一である必要はなく、それぞれ異なる捲縮繊維を
使用してもよい。
【0021】以下、図によって本発明の靴中敷用繊維構
造体の構造をさらに詳細に説明する。図1は本発明の靴
中敷用繊維構造体の一例を示す断面模式図であり、接着
性捲縮繊維を100質量%用いたものである。支持層1
に立設して繊維層2が存在し、該繊維層に接着性捲縮繊
維3が存在する。該接着性捲縮繊維3が熱接着すること
で融着層4が形成されており、さらにその上に嵩高層5
が存在している。なお、本断面図は丸編地により得られ
るものであるが、支持層の構造はこれに限定されない。
【0022】次に、本発明の靴中敷用繊維構造体の製造
方法について説明する。本発明の繊維構造体は、編織法
では、シングル丸編地、ダブルラッセル編地、多重織
物、不織布等を用いることができる。一例として、シン
グル丸編地の中でも、編成中にカットパイルが形成さ
れ、また長いカットパイルが確保できるシール編地の例
を用いて、本発明の構造体を製造する方法について述べ
る。シール編地は、例えば口径20インチ、18ゲージ
のシール編機を使用して得ることができる。支持層とな
る組織は2本の地糸から構成され、カットパイル糸とし
て接着性捲縮繊維を給糸し、パイル編地を得ることがで
きる。
【0023】本発明において、パイル編地を用いる場合
は、そのパイル長を2〜20mmとすることが好まし
く、より好ましくは3〜15mmである。なお、本発明
にいうパイル長とは、編地のグランド部からパイル先端
までの長さを示す。
【0024】また、本発明においては、パイル長の異な
る繊維を用いてもよい。パイル長の異なる繊維を用いる
ことで、パイル長の短い部分が熱接着されることにより
融着層が形成され、パイル長の長い部分が嵩高層として
形成されるのである。
【0025】得られた編地のカットパイル糸を毛割機を
用いて開繊したのち、支持層側よりスプレー装置により
水を噴霧して、含水生地とした後、乾燥熱処理を行う。
熱処理後、乾燥機の出口で冷却して本発明の靴中敷用繊
維構造体を得ることができる。特に本発明では、熱処理
により、支持層に立設する繊維層において融着層と嵩高
層が同時に形成される点に特徴を有するものであり、優
れたフィット感と良好な風合を併せもつ繊維構造体が容
易に得られるという利点がある。
【0026】本発明は、水を噴霧した後熱処理を行う必
要がある。含水生地を熱処理することにより、接着性捲
縮繊維が熱接着され本発明の融着層が得られるのであ
る。単なる乾熱処理においては、本発明の目的とする融
着層が形成されない場合がある。
【0027】該生地に水を噴霧する際、その含水量は、
該生地に対して10〜50質量%が好ましく、より好ま
しくは、20〜40質量%である。含水量が10質量%
未満であると、融着層の形成が不十分となる場合があ
る。一方、含水量が、50質量%を超えると、嵩高層が
形成されない場合があり、本発明の目的とする構造体が
得られない場合がある。
【0028】また、本発明においては、水の噴霧を支持
層側から行うことが極めて重要である。水の噴霧を支持
層側から行うことにより、本発明の目的とする柔軟な融
着層が形成されるのである。水の噴霧を支持層の反対側
より行うと、本発明の目的とする繊維構造体とした場合
に、風合が悪くなる場合がある。
【0029】本発明において、熱処理温度は、接着性捲
縮繊維を構成する接着性ポリマーに応じて適宜設定すれ
ばよいが、110〜200℃とするのが好ましく、特に
接着性捲縮繊維を構成する接着性ポリマーの融点−50
℃以上で行うのが好ましい。処理温度が、110℃未満
の場合は、本発明の目的とする融着層が得られない場合
があり、一方、200℃を超える温度で処理を行うと、
該構造体を構成する繊維が膠着し、風合が悪くなる場合
がある。また、熱処理時間は、目的に応じて設定すれば
よいが、得られる繊維構造体の風合の点から、2〜10
分とするのが好ましい。
【0030】本発明による靴中敷用繊維構造体は、その
融着層を利用して着用時の部分的な荷重により変形する
ことで優れた足へのフィット感を達成することが可能で
あり、さらには表面の存在する嵩高層により優れた風合
を有する。なお、靴中敷の製造に際しては、本発明の繊
維構造体を単独で使用することもできるが、裏面にウレ
タン樹脂等のシートを積層した形態でも使用することが
できる。さらに、本発明品へのさらなる機能性付与とし
て、支持層部分に抗菌・消臭製を備えた繊維を編み込ん
だりすることも可能である。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではな
い。尚、実施例中の各物性は以下の方法により求めた。 (1)捲縮率 カセ取機で5500dtexのカセとなるまで糸条を巻
き取った後、カセの下端中央に10gの荷重を吊るし、
上部でこのカセを固定し、0.009cN/dtexの
荷重が掛かった状態で90℃にて30分間熱水処理を行
なう。次いで、無荷重状態で室温に放置して乾燥した
後、再び10gの荷重をかけて5分間放置後の糸長を測
定し、これをL1(mm)とする。次に1kgの荷重を
掛け、30秒間放置後の糸長を測定し、これをL2(m
m)とするとき、下記式により算出される。 捲縮率(%)={(L2−L1)/L2}×100 (2)厚み分布 コンパスを用いて測定部分を挟み込み、厚み相当の間隔
を1mm目盛りのメジャーを用いて測定した。
【0032】実施例1 (1)繊維製造 微粒子シリカを3質量%含有したポリエチレンテレフタ
レート[フェノール/テトラクロロエタン等質量混合溶
媒中、30℃で測定した固有粘度=0.68dl/g]
を芯成分とし、鞘成分としてエチレン含有量40モル
%、MI=10のエチレン−ビニルアルコール系共重合
体を用い、紡糸温度260℃にて紡糸し、芯鞘複合繊維
を得た。(芯/鞘比率=50/50、167dtex/
48フィラメント)。この繊維を用いて仮撚数2350
T/M、1段ヒーター温度120℃、2段ヒーター温度
135℃により仮撚加工を施して仮撚加工糸を得た。得
られた仮撚加工糸の捲縮率は17%であった。 (2)丸編シール編地の製造 上記した芯鞘型複合仮撚加工糸とポリエチレンテレフタ
レート仮撚加工糸(167dtex/48フィラメン
ト)を3本引き揃えてカットパイルとし、ポリエチレン
テレフタレート仮撚加工糸(167dtex/48フィ
ラメント)を地糸として、20インチ、18ゲージのシ
ール編機を用いて編立し、厚みが7mm、目付が440
g/m2のシ−ル編地を得た。 (3)靴中敷用繊維構造体の製造 前記のシール編地を精練した後、該編地裏面より水をス
プレー方式により噴霧して、含水率を30質量%とし、
乾燥機で170℃の熱風処理を2分間実施した。得られ
た繊維構造体(編地)はパイル高さが5mm、また地糸
部(支持層)から概ね4mmの厚み分が繊維接着による
融着層を形成し、該融着層の表面にはバルキー性の高い
嵩高層が形成されていた。
【0033】得られた靴中敷用繊維構造体を市販の中敷
用型枠により所定の足型に裁断して靴中敷を得た。得ら
れた靴中敷を26cmサイズのビジネスシューズ内に装
着して、体重76kgのパネラーにより着用試験を行
い、着用後の靴中敷の厚み変化の分布を調査した。着用
後における本発明の靴中敷の厚み分布を示す模式図を図
2に示す。図2において、靴中敷6には歩行中に体重が
掛かり厚み減少した部分7とこれよりも厚み変化の少な
い部分8が観察された。厚み減少した部分7の厚さは2
〜2.7mmの範囲にあり、厚い部分8については4.
3〜4.9mmの範囲であった。また、歩行性について
も本発明の靴中敷を装着した場合の方が、フィット感が
得られ、さらに従来のクッション性を重視したものに比
べて快適な歩行性が得られた。
【0034】
【発明の効果】本発明による靴中敷用繊維構造体は接着
性捲縮繊維どうしが複雑に絡んで融着した融着層と表面
近くの嵩高層の作用により着用時の部分的な荷重により
負荷部分の融着層が変形することにより個々人の足型に
フィットした履き心地感が得られる靴中敷用繊維構造体
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の繊維構造体の一例を示す断面模式
図。
【図2】 着用後における本発明の靴中敷の厚み分布を
示す模式図。
【符号の説明】
1:支持層 2:繊維層 3:接着性捲縮繊維 4:融着層 5:嵩高層 6:靴中敷 7:厚み減少した部分 8:厚み減少の少ない部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06C 27/00 A43B 10/00 101Z Fターム(参考) 3B154 AA07 AA09 AA17 AA18 AA20 AB24 AB31 BA32 BB12 BB34 BB62 BE01 BE04 BF12 DA30 4F050 AA01 AA06 EA05 EA11 EA27 HA20 HA28 HA58 HA60 4L002 AA07 AB04 AB05 AC01 AC05 BB04 DA01 DA02 EA00 FA06 4L036 MA04 MA05 MA17 MA33 PA05 PA47 RA04 RA10 UA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持層とその一表面に立設した繊維層か
    らなる靴中敷用繊維構造体であって、該靴中敷用繊維構
    造体は、捲縮率5%以上の接着性捲縮繊維を20質量%
    以上含み、かつ繊維層が該接着性捲縮繊維間の熱接着に
    よる融着層と該融着層よりも表面側に存在してバルキー
    性の高い嵩高層から形成されていることを特徴とする靴
    中敷用繊維構造体。
  2. 【請求項2】 捲縮が立体捲縮である請求項1に記載の
    靴中敷用繊維構造体。
  3. 【請求項3】 捲縮が仮撚捲縮である請求項1または2
    に記載の靴中敷用繊維構造体。
  4. 【請求項4】 該接着性捲縮繊維が、繊維表面の少なく
    とも一部にエチレン−ビニルアルコール系共重合体が存
    在する繊維である請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    靴中敷用繊維構造体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4に記載の繊維構造体からな
    る靴中敷。
  6. 【請求項6】 捲縮率が5%以上の接着性捲縮繊維を2
    0質量%以上含み、かつ支持層とその一表面に立設した
    繊維層とからなる繊維構造体の支持層面より水をスプレ
    ーした後、熱処理することにより融着層を形成せしめる
    ことを特徴とする靴中敷用繊維構造体の製造方法。
JP2001030768A 2001-02-07 2001-02-07 靴中敷用繊維構造体およびその製造方法 Expired - Fee Related JP4647111B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001030768A JP4647111B2 (ja) 2001-02-07 2001-02-07 靴中敷用繊維構造体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001030768A JP4647111B2 (ja) 2001-02-07 2001-02-07 靴中敷用繊維構造体およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002223807A true JP2002223807A (ja) 2002-08-13
JP4647111B2 JP4647111B2 (ja) 2011-03-09

Family

ID=18894937

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001030768A Expired - Fee Related JP4647111B2 (ja) 2001-02-07 2001-02-07 靴中敷用繊維構造体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4647111B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004074012A (ja) * 2002-08-19 2004-03-11 Kuraray Co Ltd 塗装用ローラーブラシ構造体
WO2009028564A1 (ja) 2007-08-31 2009-03-05 Kuraray Kuraflex Co., Ltd. 緩衝材用基材及びその用途
CN113876074A (zh) * 2021-08-22 2022-01-04 茂泰(福建)鞋材有限公司 一种足丝纤维透气鞋底及其制备方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000070104A (ja) * 1998-08-26 2000-03-07 Hotta Carpet Kk カーペット
JP2000096372A (ja) * 1998-09-29 2000-04-04 Kuraray Co Ltd 嵩高糸およびその製造方法
JP2000210102A (ja) * 1999-01-20 2000-08-02 Kobayashi Pharmaceut Co Ltd インソ―ル

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000070104A (ja) * 1998-08-26 2000-03-07 Hotta Carpet Kk カーペット
JP2000096372A (ja) * 1998-09-29 2000-04-04 Kuraray Co Ltd 嵩高糸およびその製造方法
JP2000210102A (ja) * 1999-01-20 2000-08-02 Kobayashi Pharmaceut Co Ltd インソ―ル

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004074012A (ja) * 2002-08-19 2004-03-11 Kuraray Co Ltd 塗装用ローラーブラシ構造体
WO2009028564A1 (ja) 2007-08-31 2009-03-05 Kuraray Kuraflex Co., Ltd. 緩衝材用基材及びその用途
US9200390B2 (en) 2007-08-31 2015-12-01 Kuraray Co., Ltd. Buffer substrate and use thereof
CN113876074A (zh) * 2021-08-22 2022-01-04 茂泰(福建)鞋材有限公司 一种足丝纤维透气鞋底及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4647111B2 (ja) 2011-03-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2001049909A1 (fr) Fibres polyester frisees et structure fibreuse les comprenant
TW200413588A (en) Three-dimensional fabric and method for producing the same
TW200306365A (en) Stretchable core in sheath type composite yarn and stretchable woven or knitted fabric
JP2009024272A (ja) 冷感に優れた編地および繊維製品
JP2006207053A (ja) 三層構造織編物および繊維製品
JP2000239927A (ja) ストレッチ性織編物用ポリエステル複合繊維
JP4376408B2 (ja) 繊維構造体
JP4647111B2 (ja) 靴中敷用繊維構造体およびその製造方法
JPH11269747A (ja) 立体編物
JP5275654B2 (ja) 三層構造織編物および繊維製品
JP4330750B2 (ja) 熱接着性複合繊維およびそれからなる繊維構造体
JP2017179653A (ja) 海島複合繊維
JP4298110B2 (ja) 熱接着性複合繊維及びそれからなる繊維構造体
JP2020070530A (ja) 中空異形捲縮長繊維
JP4924004B2 (ja) 皮革様シート状物、およびその製造方法
JP4073238B2 (ja) 衣料
JP2005344225A (ja) 立体編物
JP3665171B2 (ja) 複合分割フィラメントおよびそれからなる集合体
US20230323569A1 (en) Composite fiber, hollow fiber and multifilament
JP2002194678A (ja) 人工皮革用繊維シート
JPH08246310A (ja) 形状記憶性成形体
JP2004076225A (ja) 皮革様繊維シート
JPH0357973B2 (ja)
JP2002143028A (ja) ボディスポンジ
JPS62149939A (ja) 軽量保温性合成繊維構造物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070903

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100520

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100601

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100622

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101116

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101208

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131217

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees