JP4376408B2 - 繊維構造体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱接着性複合短繊維及びポリエステル系短繊維からなる繊維構造体に関する。更に詳しくは、本発明は、ポリエステル系エラストマーを熱接着性成分とする熱接着性複合短繊維とポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステル短繊維とからなる、風合、弾力性、耐久性等に優れた繊維構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、寝装具や家具、衣料等の詰め物素材としてポリエステル短繊維、とりわけポリエチレンテレフタレート(以降、PETと略すことがある)系短繊維が幅広く使用されている。なかでも、ポリエステル短繊維と低融点成分にエラストマーを使用した熱接着性複合繊維とを混綿し熱処理することにより得られる繊維構造体は、ウレタン代替素材として、クッション材や蒲団芯地、自動車シート、ベットマットなど多岐にわたって利用されている。また、かかる繊維構造体は、高い通気性により蒸れ感が少ないこと、製造過程で溶剤などを必要としないため作業環境が良いこと、焼却処分の際、ウレタン素材では有害ガスを発生するがそうした問題のないこと、ポリエステル100%であるためリサイクルが可能であること、などの利点がある。
【0003】
上記のような、熱可塑性エラストマーとポリエステルからなる熱接着性複合繊維は、例えば、特公昭60−1404号公報、特開平3−185116号公報、特開平3−220316号公報等に提案されている。また、これら熱可塑性エラストマーが繊維表面に配された熱接着性複合繊維を使用して得られる繊維構造体も、国際公開特許WO91/19032号、特開平4−240219号公報、特開平4−316629号公報、特開平5−98516号公報、特開平5−163654号公報、特開平5−177065号公報、特開平5−261184号公報、特開平5−302255号公報、特開平5−321033号公報、特開平5−337258号公報、特開平6−272111号公報、特開平6−306708号公報、国際公開特許WO97/23670号等に提案されている。
【0004】
上記に提案されている繊維構造体は、確かに従来のものに比べ弾力性、耐久性、風合等の点で向上してはいる。しかしながら、用途によっては、よりソフトな風合を呈しながら、更に高い耐久性を有する繊維構造体が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術を背景になされたもので、その目的は、風合が良好で、弾力性、耐久性が更に改善された繊維構造体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、熱可塑性ポリエステル系エラストマーを低融点成分とする熱接着性複合繊維と特定のポリエステル繊維とを組合せて繊維構造体としたとき、弾力性及び耐久性が従来提案されている繊維構造体に比べて格段に向上し、なお且つ風合もソフトであることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明によれば、熱接着性複合短繊維とポリエステル系短繊維とからなり、該熱接着性複合短繊維と該ポリエステル系短繊維とが重量比で5:95〜70:30である繊維構造体であって、該熱接着性複合短繊維が、熱可塑性ポリエステル系エラストマー(E)と、該エラストマーよりも融点が10℃以上高いポリエステル(P)とを、繊維横断面においてE:P=20:80〜80:20の面積比率で、且つ該エラストマー(E)の少なくとも一部が繊維表面に露出するように配してなるポリエステル系複合繊維であり、該ポリエステル系短繊維がポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステル繊維又はポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステルを少なくとも一成分とする複合繊維であり、且つ該熱接着性複合短繊維と該ポリエステル系短繊維との接触点及び/又は熱接着性複合短繊維同士の接触点の少なくとも一部に熱固着点が形成されていることを特徴とする繊維構造体が提案される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の繊維構造体は、熱接着性複合短繊維とポリエステル系短繊維とからなる繊維構造体である。
【0009】
上記の熱接着性複合短繊維は、熱可塑性ポリエステル系エラストマー(E)と、該エラストマーよりも融点が10℃以上高いポリエステル(P)とからなるポリエステル系複合繊維である。
【0010】
本発明の熱可塑性ポリエステル系エラストマー(E)としては、ポリエステルをハードセグメントとし、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステル系ブロック共重合体が好ましい。上記ハードセグメントとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−スルフォイソフタル酸ナトリウム等の芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸等から選ばれたジカルボン酸の少なくとも一種類と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール等の脂肪族ジオール、あるいは1,1−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール等の脂環式ジオール等から選ばれたジオール成分の少なくとも一種から構成されるポリエステルが例示される。また、ソフトセグメントとしては、平均分子量が400〜5000程度の、ポリエチレングリコール、ポリ(1,2−プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(トリメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランとの共重合体等のポリ(アルキレンオキシド)グリコールをあげることができる。
【0011】
特に、ハードセグメントが、主たる酸成分を40〜100モル%のテレフタル酸と0〜50モル%のイソフタル酸とし、主たるグリコール成分を1,4−ブタンジオールからなるポリエステルとし、主たるソフトセグメント成分が平均分子量400〜5000のポリ(アルキレンオキシド)グリコールとし、且つ該ハードセグメント成分と該ソフトセグメント成分との共重合割合(重量比)が95:5〜20:80重量%であるポリエーテルエステル系ブロック共重合体であることが好ましい。
【0012】
また、上記の熱可塑性ポリエステル系エラストマー(E)は、融点が100〜210℃の範囲、より好ましくは130〜180℃の範囲であり、融点がこの範囲内にあるときには、該熱接着性複合繊維を製造する際の繊維同士の融着や圧着の発生が更に抑制されると共に、繊維構造体を製造する際における接着斑も更に抑制される。更に、上記エラストマー(E)の固有粘度は紡糸性などの点から0.6〜1.7が好ましい。
【0013】
一方、ポリエステル(P)としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリピバロラクトン、またはこれらの共重合体等のいずれであってもよいが、得られる繊維構造体の弾性回復性の点から、ポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート系ポリエステル、又は、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート系ポリエステルが好ましい。
【0014】
上記ポリエステル(P)は、前記ポリエステル系エラストマー(E)よりも、融点が10℃以上高い必要があるが、この要件を満足する限りであれば、前掲のポリエーテルエステル系ブロック共重合体におけるハードセグメント成分を構成するポリエステルと同様の種々の共重合成分を共重合することができる。
【0015】
本発明の熱接着性複合繊維は、繊維横断面において、上記の熱可塑性ポリエステル系エラストマー(E)とポリエステル(P)とが、E:P=20:80〜80:20の面積比率となるように複合化されている必要がある。この際、E,P両成分の複合状態は、芯鞘型の他、偏心芯鞘型、並列(サイドバイサイド)型、海島型複合紡糸繊維あるいは海島型混合紡糸繊維、蜜柑の房型配位(分割)繊維等、公知の複合状態のいずれであってもよいが、該エラストマー(E)の一部が繊維表面に露出して、好ましくは繊維断面においてその円周の30%以上が該エラストマーが占めるように、配されていることが必要である。なかでも並列型、偏心芯鞘型の場合、繊維構造体を成型する際の熱処理時に微細な捲縮が顕在化するような潜在捲縮能を容易に付与できるため、繊維同士の絡まり合いが増し接着性を向上させることができるため特に好ましい。
【0016】
本発明の熱接着性複合繊維の単繊維繊度は、0.5〜200デシテックスの範囲が好ましく、より好ましくは2〜100デシテックスの範囲である。上記の範囲内とすることにより、繊維構造体とするために熱接着処理した際に、該繊維構造体中に形成される熱固着点の数が適度なものとなり、十分な強度が得られると共に、該熱接着性複合繊維を製造する際の膠着現象も極度に抑制することができる点で好ましい。
【0017】
また、繊維横断面の形状は、真円である必要はなく、多角形やフィン付、団子型等をとっても構わないが、短繊維を形成してカード工程を通過させる場合を勘案すれば、真円形状であることが好ましい。さらに1個以上の中空部を有していてもかまわない。
【0018】
なお、本発明の熱接着性複合繊維を製造するには、従来公知の方法により製造することができる。
【0019】
上記の熱接着性複合繊維をカットして短繊維とする際、カット長としては10〜100mmの範囲内であることが好ましく、特に15〜95mmの範囲であることが望ましい。この範囲ではカード性や繊維構造体の接着性が特に良好である。
【0020】
また、上記の熱接着性複合短繊維には、工程上問題が発生しない程度であれば捲縮が付与されていてもよく、その際、捲縮数は8〜20山/25mmの範囲、捲縮率は6〜18%の範囲が望ましい。
【0021】
本発明において、上記熱接着性複合短繊維とともに繊維構造体を構成するポリエステル系短繊維としては、ポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステル繊維又はポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステルを少なくとも一成分とする複合繊維であることが肝要である。かかる繊維と、前述の熱接着性複合短繊維との組合せとすることによって、繊維構造体は、優れた弾力性を有するだけでなく、従来のエラストマー短繊維単独あるいはエラストマー系複合短繊維とポリエチレンテレフタレート系ポリエステル短繊維とからなる繊維構造体よりも、風合がよりソフトで、且つ耐久性が格段に改善されたものとすることができるのである。
【0022】
上記ポリエステル系短繊維を構成するポリエチレンテレフタレート系ポリエステルは、紡糸性、繊維構造体の成形性等の点から、固有粘度が0.6〜1.2、融点が200℃以上であることが好ましい。
【0023】
また、前述のポリエステル系短繊維が複合繊維である場合、上記ポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステルと複合化できるポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリピバロラクトン、又はこれらに第3成分を共重合したポリエステル、あるいは、該ポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステルと固有粘度の異なるポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステル、該ポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステルと共重合成分の異なるポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステル等があげられる。なかでも、ポリエチレンテレフタレート系ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート系ポリエステル、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート系ポリエステルが繊維構造体の弾力性、耐久性をより向上できる上で特に好ましい。
【0024】
上記複合繊維としては、例えば並列(サイドバイサイド)型、芯鞘型、または偏心芯鞘型の複合繊維があげられるが、なかでも並列型、偏心芯鞘型複合繊維は、繊維構造体を成型する際の熱処理で微細な捲縮を顕在化するような潜在捲縮能を容易に付与することができ、その結果、繊維同士の絡まり合いが増し接着性を向上できるため特に好ましい。
【0025】
上記のポリエステル系短繊維の単繊維繊度は、繊維構造体の嵩高性、クッション性、及び反発性と、風合との両方の観点から、0.5〜150デシテックスの範囲が好ましく、より好ましくは2〜50デシテックスの範囲である。また、繊維構造体の嵩高性、クッション性等の点から、ポリエステル系短繊維の、捲縮数は好ましくは、3〜30山/25mmの範囲内、より好ましくは5〜20山/25mmの範囲であり、捲縮率は好ましくは6〜50%の範囲、より好ましくは12〜40%の範囲である。またカット長は10〜100mmの範囲内にあることが好ましく、特には15〜90mmの範囲にあることが好ましい。
【0026】
更に、該ポリエステル系短繊維には、本発明の目的を阻害しない範囲内で、必要に応じて各種の添加剤、例えば、艶消し剤、熱安定剤、消泡剤、整色剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、蛍光増白剤、着色顔料等を添加することができる。
【0027】
また、該ポリエステル系短繊維の断面形状は、円形、偏平、三角形、六角形、中空等用途に応じて適宜選択すればよい。
【0028】
上記のポリエステル系短繊維を製造するに際しては、従来公知の単一成分からなる繊維又は2以上の成分を複合化する複合繊維の製糸、製綿方法を用いることができる。上記短繊維を複合繊維とはせずに、ポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステルのみで構成される繊維とする場合は、紡糸の際に異方冷却を施す方法が、製綿工程の弛緩熱処理及び/又は繊維構造体成形時の熱処理によって該繊維に螺旋状やオメガ型の三次元捲縮を発現させて繊維構造体に嵩高性を付与できる点から、好ましく採用される。その際、捲縮を発現させ易くできる点で、該繊維を5〜40%の中空率を有する中空断面繊維とすることが好ましい。
【0029】
本発明の繊維構造体は、以上に説明した熱接着性複合短繊維とポリエステル系短繊維とからなり、これら両方の繊維の接触点及び/又は熱接着性複合短繊維同士の接触点の少なくとも一部に熱固着点が形成されている繊維構造体である。
【0030】
上記繊維構造体を構成する両短繊維の混綿比率としては、重量比で、熱接着性複合短繊維:ポリエステル系短繊維=5:95〜70:30の範囲、好ましくは10:90〜60:40の範囲であることが必要である。該熱接着性複合短繊維の混率が高すぎると、繊維構造体中に形成される熱固着点の数が多すぎて構造体が硬くなりすぎ、逆に少なすぎると熱固着点の数が少なくなり構造体の弾力性、耐久性に劣る。
【0031】
繊維構造体の製造方法は、該繊維構造体内部に、熱接着性複合短繊維とポリエステル系短繊維との接触点及び/又は熱接着性複合短繊維同士の接触点の少なくとも一部に熱固着点を形成できる方法であれば、公知の方法を採用することができ、例えば、特定の型に吹き込み成型した後熱処理する方法等が好ましく採用できる。
【0032】
なお、上記成形時の熱処理条件としては、熱可塑性ポリエステル系エラストマー(E)だけが溶融する温度及び時間を採用すればよく、具体的には、熱処理温度としては100〜215℃程度、熱処理時間としては10〜30分間程度が好ましい。
【0033】
【実施例】
以下に、本発明の構成及び効果をより具体的に説明するため、実施例等をあげるが、本発明はこれら実施例に何等限定を受けるものではない。なお、実施例中の各値は以下の方法に従って求めた。
【0034】
1)固有粘度:
オルトクロロフェノール溶液に、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)の場合は、1.2g/デシリットルで溶解し、ポリブチレンテレフタレート(PBT)の場合は、0.8g/デシリットルで溶解し、それぞれ35℃で常法に従って求めた。
【0035】
2)繊度、繊維長、捲縮数、捲縮率:
JIS−L1015に記載の方法により測定した。
【0036】
3)硬さ(弾力性):
JIS−K6401(5.4)に記載の方法により測定した。130〜200Nが良好である。
【0037】
4)繰返し圧縮残留歪(耐久性):
JIS−K6401(5.6)に記載の方法により測定した。10%以下が良好である。
【0038】
5)硬さ斑:
熟練者10名を無作為に選び、繊維構造体の表面を手で触れ、硬さ斑、ソフト性について、下記判定基準に基づいて官能評価を行った。
5:極めて良好(極めて均一で斑が分からない)
4:やや良好(ほとんど斑なく大部分は均一)
3:良好(部分的に斑はあるが気にならない)
2:やや不良(斑がわかる)
1:極めて不良(明らかに斑が多い)
【0039】
[実施例1]
テレフタル酸ジメチル75重量部、イソフタル酸ジメチル25重量部、テトラメチレングリコール59重量部、ポリテトラメチレングリコール(分子量1500)71重量部、触媒としてテトラブトキシチタネート0.2重量部を蒸留装置を備えた反応容器に仕込み、常法に従い210℃でエステル交換反応を行い、引き続いて240℃で重縮合反応を行い、重縮合反応終了直前に酸化防止剤として住友化学製スミライザーGA−80を1重量部、住友化学製スミライザーTP−Dを1重量部を添加し溶融攪拌後、常法に従いチップ化してソフトセグメントを40重量%含有するポリエーテルエステルブロック共重合体エラストマーを得た。この熱可塑性エラストマーの融点は155℃、固有粘度は1.15であった。
【0040】
得られた熱可塑性エラストマーを鞘成分、ポリブチレンテレフタレート(PBT;固有粘度0.85、融点232℃)を芯成分とし、繊維断面積比が芯/鞘=60/40となるように、公知の偏心芯鞘複合繊維用口金(260ホール)を用い吐出量720g/分で紡糸し、1100m/分で巻き取り未延伸糸を得た。ついで、得られた未延伸糸を50万デシテックスのトウにした後、70℃×90℃の2段温水延伸法にて4.4倍に延伸した。この延伸糸を押込み型捲縮機で捲縮を付与した後、50℃で熱処理を施してから51mmの繊維長に切断し、熱接着性複合短繊維を得た。得られた繊維は、単繊維繊度6デシテックス、捲縮数11山/25mm、捲縮率8%であった。
【0041】
一方、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT;固有粘度0.85、融点225℃)を用い290℃で溶融し、公知の中空丸断面紡糸口金(150ホール)を用い、異方冷却方式で1200m/分の巻取速度で未延伸糸を得た。次いで、得られた未延伸糸を50万デシテックスのトウにした後、70℃×90℃の二段温水延伸法にて2.46倍に延伸した。この延伸糸を押込み型捲縮機で捲縮を付与した後、64mmの繊維長に切断し、135℃で弛緩熱収縮処理を施して、3次元クリンプを有するポリトリメチレンテレフタレート短繊維を得た。得られた繊維は、単繊維繊度12デシテックス、捲縮数8山/25mm、捲縮率30%であった。
【0042】
上記の熱接着性複合短繊維とポリトリメチレンテレフタレート短繊維とを表1記載の割合で混綿し、ローラーカード機に2回通過させて混綿ウェブを得た。このウェブを一定の密度になるように型枠に入れ、循環式熱風乾燥機で180℃×15分間の熱処理を行い、密度0.04g/cm3、厚さ5cmの繊維構造体を得た。得られた繊維構造体はソフトで風合は良好であった。該繊維構造体の特性を評価した結果を表1に示す。
【0043】
[実施例2、3、比較例1、2]
熱接着性複合繊維における成分E(鞘)/成分P(芯)の断面積比率、又は、繊維構造体における熱接着性複合短繊維とポリトリメチレンテレフタレート短繊維との混率を表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして繊維構造体を得た。該繊維構造体の特性を評価した結果を表1に示す。
【0044】
[実施例4]
熱接着性複合繊維の芯成分(P)を、ポリブチレンテレフタレートからポリエチレンテレフタレート(PET;固有粘度0.64、融点256℃)に代えて、実施例1と同様の製造条件により、熱接着性複合短繊維を得た。該短繊維は、単繊維繊度12デシテックス、捲縮数11山/25mm、捲縮率9%であった。
実施例1において、ポリブチレンテレフタレートを芯成分(P)とする熱接着性複合短繊維に代えて、上記熱接着性複合短繊維を用いた以外は、実施例1と同様にして、繊維構造体を得た。得られた繊維構造体はソフトで風合は良好であった。該繊維構造体の特性を評価した結果を表1に示す。
【0045】
[実施例5]
ポリエチレンテレフタレート(PET;固有粘度0.64、融点256℃)とポリトリメチレンテレフタレート(PTT;固有粘度0.85、融点225℃)とを公知のサイドバイサイド型複合繊維(260ホール)を用い吐出量比1:1、吐出量720g/分で紡糸し、800m/分で巻き取り未延伸糸を得た。ついで、得られた未延伸糸を50万デシテックスのトウにした後、70℃×90℃の2段温水延伸法にて2.8倍に延伸した。この延伸糸を押込み型捲縮機で捲縮を付与した後、120℃で弛緩熱収縮処理を施してから64mmの繊維長に切断し、3次元捲縮を有する立体捲縮綿繊維を得た。得られた繊維は、単繊維繊度10デシテックス、捲縮数10山/25mm、捲縮率7%であった。
実施例1において、ポリトリメチレンテレフタレート短繊維の代わりに、上記複合繊維を用いた以外は、実施例1と同様にして繊維構造体を得た。得られた繊維構造体はソフトで風合は良好であった。該繊維構造体の特性を評価した結果を表1に示す。
【0046】
[実施例6]
ポリトリメチレンテレフタレート(固有粘度0.85、融点225℃)とポリトリメチレンテレフタレート(固有粘度0.66、融点222℃)とを公知のサイドバイサイド型複合繊維(260ホール)を用い吐出量比1:1、吐出量720g/分で紡糸し、800m/分で巻き取り未延伸糸を得た。ついで、得られた未延伸糸を50万デシテックスのトウにした後、70℃×90℃の2段温水延伸法にて2.8倍に延伸した。この延伸糸を押込み型捲縮機で捲縮を付与した後、120℃で弛緩熱収縮処理を施してから64mmの繊維長に切断し、3次元捲縮を有する立体捲縮綿繊維を得た。得られた繊維は、単繊維繊度10デシテックス、捲縮数11山/25mm、捲縮率25%であった。
実施例1において、ポリトリメチレンテレフタレート短繊維の代わりに、上記複合繊維を用いた以外は、実施例1と同様にして繊維構造体を得た。得られた繊維構造体はソフトで風合は良好であった。得られた繊維構造体は、比較例2は若干かためであったが、それ以外はソフトで風合が良好であった。該繊維構造体の特性を評価した結果を表1に示す。
【0047】
[比較例3]
ポリエチレンテレフタレート(PET;固有粘度0.64、融点256℃)から、実施例1のポリトリメチレンテレフタレート短繊維と同様の製造条件により、3次元クリンプを有するポリエチレンテレフタレート短繊維を得た。該短繊維は、単繊維繊度12デシテックス、捲縮数10山/25mm、捲縮率31%であった。
実施例1において、トリメチレンテレフタレート短繊維の代わりに、上記ポリエチレンテレフタレート短繊維を用いた以外は、実施例1と同様にして、繊維構造体を得た。得られた繊維構造体は実施例1のものより風合は固めであった。該繊維構造体の特性を評価した結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
Figure 0004376408
【0049】
【発明の効果】
本発明の繊維構造体は、熱可塑性ポリエステル系エラストマー及びポリエステルからなる熱接着性複合短繊維と、ポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステル短繊維又はこれを少なくとも一成分とする複合短繊維とを組み合わせているため、風合が良好で、弾力性が高く、且つ繰り返し応力に対する耐久性も著しく改善されている。
このため、本発明の繊維構造体は、寝装具、家具、車輌資材(クッション材、天井材、防護材)、衣料、フィルター材、建築/土木資材、農業資材、衛生材料などに好適に用いることができる。

Claims (2)

  1. 熱接着性複合短繊維とポリエステル系短繊維とからなり、該熱接着性複合短繊維と該ポリエステル系短繊維とが重量比で5:95〜70:30である繊維構造体であって、該熱接着性複合短繊維が、熱可塑性ポリエステル系エラストマー(E)と、該エラストマーよりも融点が10℃以上高いポリエステル(P)とを、繊維横断面においてE:P=20:80〜80:20の面積比率で、且つ該エラストマー(E)の少なくとも一部が繊維表面に露出するように配してなるポリエステル系複合繊維であり、該ポリエステル系短繊維がポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステル繊維又はポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステルを少なくとも一成分とする複合繊維であり、且つ該熱接着性複合短繊維と該ポリエステル系短繊維との接触点及び/又は熱接着性複合短繊維同士の接触点の少なくとも一部に熱固着点が形成されていることを特徴とする繊維構造体。
  2. 熱可塑性ポリエステル系エラストマー(E)が、ハードセグメント成分とソフトセグメント成分との共重合割合(重量比)を95:5〜20:80とするポリエーテルエステル系ブロック共重合体であり、該ハードセグメント成分が、主たる酸成分を40〜100モル%のテレフタル酸及び0〜50モル%のイソフタル酸とし、主たるグリコール成分を1,4−ブタンジオールとするポリエステルであり、該ソフトセグメント成分が、平均分子量400〜5000のポリ(アルキレンオキシド)グリコールである請求項1記載の繊維構造体。
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