JP4073238B2 - 衣料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、胸部、臀部等人体の凸部が熱成型された衣料及びその製造方法に関する。すなわち、着用時に身体のシルエットが美しく、衣料としての縫い目による肌刺激がなく、使用後の洗濯による形態保持性に優れ、着用時の着圧のばらつきの少ない快適な衣料に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種の衣料における部位の中で、ブラジャー、ロングラインブラジャー、ボディスーツ、スリーインワン、ボディテディ、キャミソール、ブラスリップ、ショーツ、ガードル、水着等、胸部や臀部等の人体の凸部を被う部位は、振動防止、補形、着圧の緩和、ダーツ等、縫製部の肌刺激の緩和、アウターに響かないこと、縫製にかかる費用の削減等を目的として、熱成型によって形成されるようになりつつある。このような熱成型された衣料は、賦型性が重要な要因であることから、熱可塑性繊維(特に、ポリエステル繊維)を主成分とする編地によって構成されていることが多い。その際、熱成型には、成型温度で、ある一定レベル以上の引張伸度を必要とすることから、熱可塑性繊維とポリウレタン弾性繊維とを混用した編地を用いることもある。
【0003】
しかしながら、成型するために必要、十分な熱を加えると生地にテカリ等の生地の損傷を起こしたり、バストトップ部のような成型凸部の中央部分では生地ヤセが生じることがあり、衣料としての美観や品位に劣るという問題があった。このような問題を回避するため、加える熱量を低減すると十分な賦型性が得られず、着用後の繰り返しの洗濯により型が保持できない等の問題があった。さらに、このような成型衣料に快適性を付与するために、非熱可塑性繊維(例えば、セルロース繊維等)を混用させた編地については十分な賦型性が得られず、洗濯による型崩れも大きく、熱成型はできないとされていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記の従来技術の問題点を解決し、成型に伴う生地ヤセが無く、繰り返し洗濯を行っても形態を保持することである。更に、本発明の目的は着用時のシルエットが美しく、着用美観に優れ、成型部位に縫い目がなく、肌触りが良く優れた着用感を有する熱成型された部位を有する衣料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するために、鋭意検討した結果、成型部に潜在捲縮発現性ポリエステル繊維を20質量%以上含有する編地を使用した成型衣料は、成型に必要な伸度と良好なセット性を有しているため、シルエットが美しい賦型性が得られ、生地ヤセが無く、美観に優れ、繰り返し洗濯を行っても形状を保持することを見出した。
【0006】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)熱成型された部位を有する衣料であって、熱成型部位は、少なくとも一成分がポリトリメチレンテレフタレートで構成された潜在捲縮発現型ポリエステル繊維を20質量%以上含み、ポリウレタン繊維を含まない編地からなり、熱成型部位の曲率が0.02〜0.5の範囲であることを特徴とする衣料。
(2)編地の厚さが0.3〜2.0mm、目付が100〜350g/m2である(1)に記載の成型衣料。
(3)潜在捲縮発現型ポリエステル繊維は二成分からなり、一成分がポリトリメチレンテレフタレート、他成分がポリエチレンテレフタレート又は第一成分とは異なるポリトリメチレンテレフタレートからなることを特徴とする(1)又は(2)に記載の成型衣料。
(4)熱成型された部位を有する衣料を製造するに際して、熱成型部位に、少なくとも一成分がポリトリメチレンテレフタレートで構成された潜在捲縮発現型ポリエステル繊維を20質量%以上含み、ポリウレタン繊維を含まない編地を用いて、曲率0.02〜0.5の部分を含む金型により、170〜210℃で熱成型部の成型を行うことを特徴とする衣料の製造方法。
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における熱成型とは、編地に熱で凹凸部等の形を形成することを意味する。衣料の中で、このような熱成型が行われる部位としては、胸部、臀部等がある。熱成型は、任意の方法で行うことができるが、例えば、加熱された金型(上型と下型)に生地をはさみ押圧して成型する方法等がある。
本発明における潜在捲縮発現性ポリエステル繊維とは、少なくとも二種のポリエステル成分で構成(具体的には、サイドバイサイド型又は偏心鞘芯型に接合されたものが多い)されているものであり、熱処理によって捲縮を発現するものである。少なくとも二種のポリエステル成分の複合比(二成分の場合は、一般的に、質量%で70/30〜30/70の範囲内のものが多い)、繊維横断面の接合面形状(直線又は曲線形状のものがある)は限定されない。本発明は、この潜在捲縮発現性ポリエステル繊維において、少なくとも一成分がポリトリメチレンテレフタレートであることに特徴がある。(以下、この繊維を、単に、潜在捲縮発現性ポリエステル繊維、という。)
【0008】
潜在捲縮発現性ポリエステルの繊度は、総繊度が20〜300dtex、単糸繊度は0.1〜20dtexが好ましく用いられるが、これに限定されるものではない。潜在捲縮発現性ポリエステル繊維が肌に接触するような部位に使用する場合には、単糸繊度が細いほうが好ましい。
潜在捲縮発現性ポリエステル繊維の一例は、特開2001−40537号公報に開示されている。具体的には、二種のポリエステルポリマーがサイドバイサイド型又は偏心鞘芯型に接合された複合繊維であり、サイドバイサイド型の場合、二種のポリエステルポリマーの溶融粘度比は1.00〜2.00が好ましく、偏心鞘芯型の場合は、鞘ポリマーと芯ポリマーのアルカリ減量速度比は3倍以上、鞘ポリマーが速いことが好ましい。
【0009】
ポリマーの組み合わせの例としては、ポリトリメチレンテレフタレート(テレフタル酸を主たるジカルボン酸とし、1.3−プロパンジオールを主たるグリコール成分とするポリエステルであり、エチレングリコール、ブタンジオール等のグリコール類やイソフタル酸、2.6−ナフタレンジカルボン酸等のジカルボン酸等を共重合してもよい。又、他ポリマー、艶消剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料等の添加剤を含有してもよい。)とポリエチレンテレフタレート(テレフタル酸を主たるジカルボン酸とし、エチレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエステルであり、ブタンジオール等のグリコール類やイソフタル酸、2.6−ナフタレンジカルボン酸等のジカルボン酸等を共重合してもよい。又、他ポリマー、艶消剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料等の添加剤を含有してもよい。)との組み合せ、及びポリトリメチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレート(テレフタル酸を主たるジカルボン酸とし、1.4−ブタンジオールを主たるグリコール成分とするポリエステルであり、エチレングリコール等のグリコール類やイソフタル酸、2.6−ナフタレンジカルボン酸等のジカルボン酸等を共重合してもよい。また、他ポリマー、艶消剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料等の添加剤を含有してもよい。)との組み合せが好ましく、特に、捲縮の内側にポリトリメチレンテレフタレートが配置されると好ましい。
【0010】
潜在捲縮発現性ポリエステル繊維の仮撚糸は、編組織や加工方法の制限が少なく、熱成型に必要な伸度を持つ生地が得られやすく、セット性も高いことから好ましく用いられる。
本発明において、潜在捲縮発現性ポリエステル繊維の初期引張抵抗度は、好ましくは10〜30cN/dtex、より好ましくは20〜30cN/dtex、最も好ましくは20〜27cN/dtexである。初期引張抵抗度が10cN/dtex未満のものは製造が困難である。潜在捲縮発現性ポリエステル繊維の顕在捲縮の伸縮伸長率は10〜100%であることが好ましく、より好ましくは、10〜80%、最も好ましくは、10〜60%である。更に、顕在捲縮の伸縮弾性率は80〜100%であることが好ましく、より好ましくは85〜100%、最も好ましくは85〜97%である。
【0011】
潜在捲縮発現性ポリエステル繊維の100℃における熱収縮応力は0.1〜0.5cN/dtexであることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.4cN/dtex、最も好ましくは0.1〜0.3cN/dtexである。100℃における熱収縮応力は、布帛の精錬、染色工程において捲縮を発現させるための重要な要件である。すなわち、布帛の拘束力に打ち勝って捲縮が発現するためには、100℃における熱収縮応力が0.1cN/dtex以上であることが好ましい。
【0012】
本発明の潜在捲縮発現性ポリエステル繊維の熱水処理後の伸縮伸長率は100〜250%であることが好ましく、より好ましくは150〜250%、最も好ましくは180〜250%である。熱水処理後の伸縮弾性率は90〜100%であることが好ましく、より好ましくは95〜100%である。
このような特性を有する潜在捲縮発現性ポリエステル繊維としては、固有粘度の異なる2種類のポリトリメチレンテレフタレートが互いにサイドバイサイド型に複合された単糸から構成された複合繊維があげられる。
【0013】
2種類のポリエステルの固有粘度差は0.05〜0.4(dl/g)であることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.35(dl/g)、最も好ましくは0.15〜0.35(dl/g)である。例えば、高粘度側の固有粘度を0.7〜1.3(dl/g)から選択した場合には、低粘度側の固有粘度は0.5〜1.1(dl/g)から選択するのが好ましい。低粘度側の固有粘度は0.8(dl/g)以上が好ましく、より好ましくは0.85〜1.0(dl/g)、最も好ましくは0.9〜1.0(dl/g)である。
この複合繊維の平均固有粘度は、0.7〜1.2(dl/g)が好ましく、0.8〜1.2(dl/g)がより好ましく、最も好ましくは0.85〜1.15(dl/g)、さらに好ましくは0.9〜1.1(dl/g)である。
【0014】
なお、本発明における固有粘度の値は、使用するポリマーではなく、紡糸されている糸の粘度をいう。この理由は、ポリトリメチレンテレフタレート特有の欠点として、ポリエチレンテレフタレート等と比較して熱分解が生じ易く、高い固有粘度のポリマーを使用しても熱分解によって固有粘度が著しく低下し、複合マルチフィラメントにおいては両者の固有粘度差を大きく維持することが困難であるためである。
【0015】
ポリトリメチレンテレフタレートは、トリメチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とするポリエステルであり、トリメチレンテレフタレート単位を50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、最も好ましくは90モル%以上含むのものをいう。したがって、第三成分として他の酸成分及び/又はグリコール成分の合計量が50モル%以下、好ましくは30モル%以下、より好ましくは20モル%以下、最も好ましくは10モル%以下の範囲で含有されたポリトリメチレンテレフタレートを包含する。
【0016】
ポリトリメチレンテレフタレートは、テレフタル酸又はその機能的誘導体と、トリメチレングリコール又はその機能的誘導体とを、触媒の存在下で、適当な反応条件下に結合せしめることにより合成される。この合成過程において、適当な一種又は二種以上の第三成分を添加して共重合ポリエステルとしてもよいし、又、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリトリメチレンテレフタレート以外のポリエステルとポリトリメチレンテレフタレートを別個に合成した後、ブレンドしたりしてもよい。
【0017】
添加する第三成分としては、脂肪族ジカルボン酸(シュウ酸、アジピン酸等)、脂環族ジカルボン酸(シクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(イソフタル酸、ソジウムスルホイソフタル酸等)、脂肪族グリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、テトラメチレングリコール等)、脂環族グリコール(シクロヘキサンジメタノール等)、芳香族を含む脂肪族グリコール(1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等)、ポリエーテルグリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)、脂肪族オキシカルボン酸(ω−オキシカプロン酸等)、芳香族オキシカルボン酸(P−オキシ安息香酸等)等がある。又、1個又は3個以上のエステル形成性官能基を有する化合物(安息香酸等又はグリセリン等)も重合体が実質的に線状である範囲内で使用できる。
【0018】
さらに二酸化チタン等の艶消剤、リン酸等の安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤、タルク等の結晶化核剤、アエロジル等の易滑剤、ヒンダードフェノール誘導体等の抗酸化剤、難燃剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤等が含有されていてもよい。
本発明において潜在捲縮発現性ポリエステル繊維の紡糸法は、上記の各種特開に開示されており、例えば、3000m/分以下の巻取り速度で未延伸糸を得た後、2〜3.5倍程度で延撚する方法が好ましいが、紡糸−延伸工程を直結したスピンドロー法、巻取り速度5000m/分以上の高速紡糸法を採用してもよい。
【0019】
繊維は、長繊維でも短繊維でもよく、長さ方向に均一なものや太細のあるものでもよい。断面形態は、丸型、三角、L型、T型、Y型、W型、八葉型、偏平(扁平度1.3〜4程度のもので、W型、I型、ブ−メラン型、波型、串団子型、まゆ型、直方体型等がある)、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形なものでもよい。
繊維の形態としては、リング紡績糸、オープンエンド紡績糸等の紡績糸、マルチフィラメント原糸(極細糸を含む)、甘撚糸〜強撚糸、仮撚加工糸(POYの延伸仮撚糸を含む)、空気噴射加工糸、押し込み加工糸、ニットデニット加工糸等がある。
【0020】
本発明において、熱成型部位に用いる編地は、潜在捲縮発現性ポリエステルを20質量%以上含む。他の素材を混用する場合には糸の段階で混用してもよいし、編成の際に交編してもよい。
糸の段階で混用する場合には、天然繊維、合成繊維等他の繊維、例えば、綿、羊毛、麻、絹等の天然繊維、キュプラレーヨン、ビスコースレーヨン、ポリノジックレーヨン、精製セルロース繊維、アセテート繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維、ナイロン等の各種人造繊維、さらにはこれらの共重合タイプや、同種又は異種ポリマー使いの複合繊維(サイドバイサイド型、偏心鞘芯型等)を混紡(コアヤーン、サイロスパンやサイロフィル、ホロースピンドル等)、カバリング(シングル、ダブル)、例えば、沸水収縮率3〜10%程度の低収縮糸、又は例えば、沸水収縮率15〜30%程度高収縮糸との混繊や交撚、仮撚(伸度差仮撚、POYの延伸仮撚における複合等)、2フィード空気噴射加工等の手段で混用してもよい。より良い賦型性を得るためには、ポリウレタン繊維を混用しない方が良いが、混用する場合には混率が少ないほど好ましい。より良い賦型性を得るために、ポリウレタン繊維を混用しない方が良い。
【0021】
交編する場合、経編地及び緯編地のいずれの編地でもよい。編組織は限定されないが、潜在捲縮発現性ポリエステル繊維が連続した編目を形成するような編組織の方が、熱成型に必要な伸度と賦型性が得られやすい。例えば、経編地の場合、ハーフトリコットのフロント又はバックの少なくとも一方に配置する丸編地の場合には、リバーシブル組織の表又は裏の少なくとも一方に、又はプレーティングにより全コースに配置する等が挙げられるが、これに限定されない。
編地の目付けは、混用する素材や組織により異なるが、100〜350gの範囲が好ましく、厚みは0.3〜2.0mmが好ましく、0.5〜1.5mmがより好ましい。
【0022】
本発明は、少なくとも一成分がポリトリメチレンテレフタレートを含む潜在捲縮発現型ポリエステル繊維を熱成型部分に用いるので、ポリエチレンテレフタレート繊維のみの場合に比べて低温又はより短時間で熱成型が可能となる。その結果、熱成型に伴なう繊維の熱による損傷が少なくなる。しかたがって、バストトップ部のような成型凸部の頂上部に生地ヤセやテカリを生じること無く、美観に優れた成型衣料となる。これらのことから、例えば、レギュラーポリエステルでジャガード柄やエンボス柄を付与した生地を成型した場合等は、これらの柄を損なうことなく意匠性の高い成型衣料を得ることができる。また、潜在捲縮ポリエステルを地組織としたレースにおいても、柄糸にガラス転移点の高い糸や非熱可塑性繊維を用いると柄部を損なうことなく、熱成型することが可能である。
【0023】
熱成型して得られた衣料は、潜在捲縮発現型ポリエステル繊維の賦型性が高いことにより、身体の凹凸になじんでフィットし、一部の凸部に高い着圧がかかって、緊縛を感じることなく、快適な衣料になる。また繰り返し洗濯による型くずれが無い。例えば、ブラジャー等の***カップのように、芯材と重ねてあるいは張り合わせて用いる場合においても、繰り返し洗濯による芯材とのずれや収縮によるしわが発生せず、美観を保持することができる。
【0024】
さらに、カップの内側にセルロース繊維と潜在捲縮発現性ポリエステルを混用した編地の成型物や異形断面ポリエステル等の吸水性繊維を混用した編地の成型物を貼り合わせることにより、縫い目が無く、肌刺激が少なく、かつ、吸汗性に優れたブラジャーカップを提供することができる。
熱成型部分に用いる潜在捲縮発現型ポリエステル繊維は、2成分ともポリトリメチレンテレフタレートを用いた場合には、さらに賦型性効果が高くなり、より好ましい。
【0025】
このように熱成型を行うに十分な伸度とセット性を得るためには、混用する相手が熱可塑性繊維の場合は潜在捲縮発現性ポリエステル繊維の混率が20質量%以上、非熱可塑性繊維の場合は30質量%以上が好ましい。混率が20質量%未満の場合には熱成型に必要な伸度と賦型性が得られない。潜在捲縮発現性ポリエステル繊維を含む熱成型部位を成型するためには、曲率が0.02〜0.5の範囲の部分を含む金型を用いて熱成型する。熱成型温度は170〜210℃である。熱成型温度が170℃未満では、熱成型に要する時間が増大し効率が悪くなり、210℃を越えると編地の損傷が起こりやすくなり、テカリが生じたり、凸部トップ部の部分的な生地ヤセが発生しやすい。
【0026】
熱成型温度が高いと、黄変や風合い変化が生じやすいウールやシルク等の天然繊維、ナイロン等が混用されている場合等も、本発明の潜在捲縮発現性ポリエステル繊維を使用すると、低い温度で十分なセット効果が得られる。また、2成分ともポリトリメチレンテレフタレート系である潜在捲縮発現性ポリエステル繊維は、さらにセット効果が高く、より好ましい。
熱成型部位の形状は、曲率0.02〜0.5の範囲の立体局面を有するものである。曲率は下式で示される。曲率は、例えば、***カップや臀部等人体の曲線に相当する曲率であり、着用部位の曲率半径に対応して、上記の範囲から適宜設定する。
曲率=1/曲率半径(cm)
【0027】
熱成型方法としては凹凸に合わさる上下の金型を加熱し、生地を挟み、押圧して成型する方法や、加熱した凸部のみの金型で押圧し成型する方法があるが、これらに限定されない。
染色は、一般に行われているポリエチレンテレフタレート繊維を分散染料にて染色する方法を採用することができる。染色温度は、通常、90℃〜130℃、染色時間は、通常、15分〜120分の範囲で行われるが、2成分ともポリトリメチレンテレフタレート系である潜在捲縮発現性ポリエステル繊維の場合は、ポリエチレンテレフタレート繊維の場合よりガラス転移点が低いので、90℃〜120℃といった低温で染色しても優れた発色性が得られる。
【0028】
仕上げセット時には、本発明の目的を損なわない範囲で、通常、繊維加工に用いられている樹脂加工、吸水加工、制電加工、抗菌加工、撥水加工等の仕上げ加工を適用できる。特に風合いを柔軟に仕上げる場合には、アルキルポリシロキサン、アミノ変性シリコン、カルボキシ変性シリコン、エポキシ変性シリコン等からなるシリコン系の柔軟剤で仕上げ加工する。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
本発明に用いる評価法は以下の通りである。
(1)固有粘度
固有粘度[η](dl/g)は、次式の定義に基づいて求められる値である。
Figure 0004073238
定義中のηrは、純度98%以上のo−クロロフェノール溶媒で溶解したポリトリメチレンテレフタレート糸又はポリエチレンテレフタレート糸の稀釈溶液の35℃での粘度を、同一温度で測定した上記溶媒の粘度で除した値であり、相対粘度と定義されているものである。Cはg/100mlで表されるポリマー濃度である。
なお、固有粘度の異なるポリマーを用いた複合マルチフィラメントは、マルチフィラメントを構成するそれぞれの固有粘度を測定することは困難であるので、複合マルチフィラメントの紡糸条件と同じ条件で2種類のポリマーをそれぞれ単独で紡糸し、得られた糸を用いて測定した固有粘度を、複合マルチフィラメントを構成する固有粘度とした。
【0030】
(2)初期引張抵抗度:JIS L 1013化学繊維フィラメント糸試験方法の初期引張抵抗度の試験方法に準じ、試料の単位繊度当たり0.0882cN/dtexの初荷重を掛けて引張試験を行い、得られた荷重−伸長曲線から初期引張抵抗度(cN/dtex)を算出する。試料を10回採取して測定し、その平均値を求める。
【0031】
(3)伸縮伸長率、伸縮弾性率:JIS L 1090合成繊維フィラメントかさ高加工糸試験方法の伸縮性試験方法A法に準じて測定を行い、伸縮伸長率(%)及び伸縮弾性率(%)を算出する。試料を10回採取し、その平均値を求める。顕在捲縮の伸縮伸長率及び伸縮弾性率は、巻取りパッケージから解舒した試料を、温度20±2℃、湿度65±2%の環境下で24時間放置後に測定を行う。熱水処理後の伸縮伸長率及び伸縮弾性率は、無荷重で98℃の熱水中に30分間浸漬した後、無荷重で24時間自然乾燥乾燥した試料を用いる。
【0032】
(4)熱収縮応力:熱応力測定装置(カネボウエンジニアリング社製KE−2)を用い、試料を20cmの長さに切り取り、両端を結んで輪を作り測定装置に装填し、初荷重0.044cN/dtex、昇温速度100℃/分の条件で収縮応力を測定し、得られた温度に対する熱収縮応力の変化曲線から100℃における熱収縮応力を読み取る。
【0033】
(5)賦型性:ブラジャーの***カップ金型を凹型、凸型いずれも所定の温度まで加熱し、生地をセットして所定の時間押圧した。n=5枚作成し、***カップの深さ、***カップの頂上部の生地ヤセ、金型形状どおりの鮮明な賦型性等の観点で相対的に評価する。
◎ いずれの観点でも申し分ない。
○ 深さが十分であり、生地ヤセが少ないが、やや形状の鮮明性に劣る。
△ 深さは十分であり、形状が鮮明であるが頂上部にやや生地ヤセが見られる。
× 深さが足りず、金型の形状を成していない。
【0034】
(6)洗濯後形態保持性:(5)で試作した熱成型編地のうち3枚を家庭用洗濯機にて下記条件で繰り返し30回洗濯する。
洗濯条件 JIS−L−0217 付表1 番号103 家庭洗濯準拠
洗濯 40℃×5分 アタック(花王社製) 0.7g/L 浴比1:30
脱水 30秒
溜めすすぎ 2分 脱水 30秒 2回繰り返し
乾燥 20℃×65%RH環境下 平干し2時間
◎ 洗濯前の形状がよく保持されている。
○ 洗濯前の形状がほぼ保持されている。
△ 洗濯前の形状と比べやや変化しているが実用上問題ない。
× 形状変化が著しい。
(7)吸水性:JIS−L−1907滴下法に準拠する。
【0035】
【実施例1】
固有粘度の異なる二種類のポリトリメチレンテレフタレートを質量比率1:1でサイドバイサイド型に押出し、紡糸温度265℃、紡糸速度1500m/分で未延伸糸を得、次いで、ホットロール温度55℃、ホットプレート温度140℃、延伸速度400m/分、延伸倍率は延伸後の繊度が84dtexとなるように設定して延撚して、84dtex/24fのサイドバイサイド型複合マルチフィラメントを得た。得られた複合マルチフィラメントの固有粘度は、高粘度側が0.88、低粘度側が0.70であった。初期引張抵抗度、顕在捲縮の伸縮伸長率/伸縮弾性率、熱水処理後の伸縮伸長率/伸縮弾性率、100℃における熱収縮応力を表1に示す。
【0036】
福原ダブル丸編機FRS/L 20Gを用い、第1給糸及び第3給糸に上記の潜在捲縮発現性ポリエステル繊維を、第2給糸及び第4給糸にW型断面糸ポリエチレンテレフタレート繊維(テクノファイン(登録商標)56dtex/30fを2本引き揃え、旭化成(株)製)を、図1に示した編組織にて編成した。得られた生機をサーキュラー染色機にて130℃×30分の染色を行い、次に、仕上げセットを150℃×40秒間処理して熱成型加工用生地を得た。
【0037】
ブラッジャー***カップ用金型(最大曲率0.5)の凹側、凸型いずれも表面温度を表1に示す条件に設定し、上記で得られた熱成型用編地に熱成型加工を施した。得られた熱成型生地は表1に示すように、賦型性及び洗濯耐久性に優れたものであった。また、テクノファインのW型断面の形状変化が少ない条件(低温又は短時間)で十分な賦型性と洗濯後形態保持性が得られた。
【0038】
実施例1で熱成型加工に用いた編地をつかって、バスト部にダーツを施したタンクトップと185℃×15秒で熱成型加工を施したタンクトップ、熱成型もダーツも施していないタンクトップを試作し、パネラー5名で着用感を比較した。いずれのパネラーの評価も、熱成型加工を施したタンクトップが、フィット性が良く、バストトップ部の刺激が少なく、肌触りが良いものであった。ダーツを施したタンクトップは縫い目の肌触りが気になる、熱成型もダーツも施していないタンクトップは胸部に圧迫感を感じるとの評価であった。
【0039】
【実施例2】
実施例1と同様の潜在捲縮発現性ポリエステル繊維を第1給糸及び第3給糸に配置し、綿50/1を第2給糸及び第4給糸に配置して、実施例1と同様の編組織にて編成した。得られた生機をサーキュラー染色機にて95℃×30分の染色を行い、次に、仕上げセットを150℃×40秒間処理して熱成型加工用生地を得た。得られた生地を実施例1と同様の熱成型加工を行った。得られた熱成型生地は綿を含む生地であるにもかかわらず表1に示すように賦型性及び洗濯耐久性に優れたものであった
【0040】
【比較例1】
固有粘度の異なる二種類のポリエチレンテレフタレートを用いて84dtex/24fのサイドバイサイド型複合マルチフィラメントを得た。得られた複合マルチフィラメントの固有粘度は高粘度側が0.66、低粘度側が0.50であった。
得られた潜在捲縮発現性ポリエステル繊維を実施例1と同様の糸使いと編成条件、加工条件で熱成型加工用編地を得、実施例1と同様の熱成型加工を行った。得られた熱成型生地は表1に示すように、短時間又は低温での熱加工では賦型性、洗濯耐久性に劣るものであった。
【0041】
【比較例2】
84dtex/24fのポリエチレンテレフタレート原糸を石川製作所(株)社製ピン仮撚り機IVF338を用いて、糸速190m/分、仮撚り数3200T/m、仮撚り加工温度220℃、1stフィード0.0%TUフィード4.1%の条件で仮撚り加工糸を試作した。仮撚り加工糸を第1給糸及び第3給糸に、第2給糸及び第4給糸にW型断面糸ポリエチレンテレフタレート繊維(56dtex/30fの2本引き揃え)を配置し、実施例1と同様の編成条件、加工条件で熱成型加工用生地を得、実施例1と同様の熱成型加工を行った。得られた熱成型生地は表1に示すように賦型性及び洗濯形態保持性に劣るものであった。
【0042】
【比較例3】
W型断面糸ポリエチレンテレフタレート繊維(56dtex/30f 2本引き揃え)とポリウレタン弾性繊維(44dtex)を、大隈モラート24G編機にてベア天竺を編成した。なお、ポリウレタン弾性繊維のポリエチレンテレフタレート繊維に対するドラフト率を2.4とした。
得られた編地を90℃温水中でリラックスし、180℃でプレセット後、染色を130℃で30分行い、170℃で仕上げセットを行って熱成型加工用生地を得、実施例1と同様の熱成型加工を行った。得られた熱成型生地は表1に示すように賦型性及び洗濯形態保持性に劣るものであった。
【0043】
【比較例4】
綿60/−とポリウレタン弾性繊維(33dtex)を、大隈モラート24G編機にてベア天竺を編成した。なお、ポリウレタン弾性繊維のエチレンテレフタレート繊維に対するドラフト率を2.4とした。
得られた編地を90℃温水中でリラックスし、180℃でプレセット後、染色を95℃で30分行い、170℃で仕上げセットを行って熱成型加工用生地を得、実施例1と同様の熱成型加工を行った。得られた熱成型生地は表1に示すように賦型性、洗濯形態保持性に劣るものであった。
【0044】
【実施例3】
上記実施例1と同様の方法で56dtex/12fのサイドバイサイド型複合マルチフィラメントを得た。得られた複合マルチフィラメントの固有粘度は高粘度側が0.90、低粘度側が0.70であった。初期引張抵抗度23cN/dtex、顕在捲縮の伸縮伸長率(25%)/伸縮弾性率(89%)、熱水処理後の伸縮伸長率(%)/伸縮弾性率(%)、100℃における熱収縮応力0.21cN/dtexであった。
【0045】
福原ダブル丸編機(V−LEC6BS 28G)にて、得られた潜在捲縮発現型ポリエステル繊維を用いてスムース編地を編成した。得られた生機をサーキュラー染色機にて120℃×30分の染色を行い、セットを150℃×40秒間処理して熱成型加工用生地を得た。
ブラッジャー用金型の凹側、凸型いずれも表面温度を185℃(接触温度計にて測定)に設定し、上記生地を60秒間押圧した。得られた熱成型生地は表2に示すように賦型性及び洗濯後の形態保持性に優れたものであった。
【0046】
【実施例4】
福原ダブル丸編機(V−LEC6BS 28G)で、第1給糸、第4給糸に、実施例3で得られた潜在捲縮発現型ポリエステル繊維を、第2給糸、第3給糸、第5給糸、第6給糸にW型断面糸ポリエチレンテレフタレート繊維(テクノファイン(登録商標)84dtex/30f、旭化成(株)製)を配置し、スムース編地を編成した。このとき、潜在捲縮発現性ポリエステル繊維の編み込み長がポリエチレンテレフタレート繊維の編み込み長に対して、10%大きくなるように度目を調整して編成した。得られた生機をサーキュラー染色機にて130℃×30分の染色を行い、セットを150℃×40秒間処理して熱成型加工用生地を得た。この生地の潜在捲縮発現性ポリエステル繊維の混率は25%であった。
【0047】
得られた熱成型生地を実施例1と同様に185℃×60秒の条件で熱成型加工を行った。得られた熱成型生地は表2に示すように賦型性及び洗濯耐久性に優れたものであった。
【0048】
【実施例5】
福原ダブル丸編機(V−LEC6BS 28G)を用いて、第1給糸及び第4給糸に実施例3で得られた潜在捲縮発現型ポリエステル繊維を、第2給糸、第3給糸、第5給糸及び第6給糸に綿80/1を配置し、スムース編地を編成した。このとき、潜在捲縮発現性ポリエステル繊維の編み込み長がポリエチレンテレフタレート繊維の編み込み長に対して、10%大きくなるように度目を調整して編成した。得られた生機をサーキュラー染色機にて95℃×30分の染色を行い、セットを150℃×40秒間処理して熱成型加工用生地を得た。
【0049】
得られた熱成型生地を実施例1と同様に185℃×60秒の条件で熱成型加工を行った。この生地の潜在捲縮発現性ポリエステル繊維の混率は30%であった。得られた熱成型生地は表2に示すように賦型性及び洗濯耐久性に優れたものであった。
【0050】
【実施例6】
フロント筬にW型断面糸ポリエチレンテレフタレート繊維(テクノファイン(登録商標)84dtex/30f、旭化成(株)製)を配置し、バック筬に実施例3で得られた潜在捲縮発現型ポリエステル繊維56dtex/12fを配置して、28Gトリコット編機(カールマイヤー社製KS4P)を用い、機上幅210cm、回転数800rpmにてハーフトリコット組織の経編地を編成した。
Figure 0004073238
上記編成条件にて得られた生機を80℃の精練リラックス後、テンターにて160℃×30秒のプレセットを施し、サーキュラー染色機にて130℃×30分の染色を行い、セットを150℃×40秒間処理して熱成型加工用生地を得た。
【0051】
得られた熱成型生地を実施例1と同様に185℃×60秒の条件で熱成型加工を行った。この生地の潜在捲縮発現性ポリエステル繊維の混率は46%であった。得られた熱成型生地は表2に示すように賦型性及び洗濯耐久性に優れたものであった。
【0052】
【比較例5】
福原ダブル丸編機(V−LEC6BS 28G)を用いて、第1給糸に実施例3で得られた潜在捲縮発現型ポリエステル繊維56dtex/12fを、第2給糸、第3給糸、第4給糸にW型断面糸ポリエチレンテレフタレート繊維(84dtex/30f)を配置し、スムース編地を編成した。このとき、潜在捲縮発現性ポリエステル繊維の編み込み長がポリエチレンテレフタレート繊維の編み込み長に対して、10%大きくなるように度目を調整して編成した。得られた生機をサーキュラー染色機にて130℃×30分の染色を行い、セットを150℃×40秒間処理して熱成型加工用生地を得た。
【0053】
得られた熱成型生地を実施例1と同様に185℃×60秒の条件で熱成型加工を行った。この生地の潜在捲縮発現性ポリエステル繊維の混率は18%であった。得られた熱成型生地は表2に示すように賦型性に劣るものであった。
【0054】
【実施例7】
28ゲージラッセル編機を用い、組織を第一筬10/10/10/12/12/12、第2筬00/11/00/22/11/22の振りで、機上コースを66コース/2.54cmとして編成した。第1筬にはW型断面糸ポリエチレンテレフタレート繊維(56dtex/30f)を配置し、第2筬には実施例3で得られた潜在捲縮発現型ポリエステル繊維56dtex/12fを配置した。得られた生機をサーキュラー染色機にて130℃×30分の染色を行い、セットを150℃×40秒間処理して熱成型加工用生地を得た。得られた熱成型生地を実施例1と同様に185℃×60秒の条件で熱成型加工を行った。この生地の潜在捲縮発現性ポリエステル繊維の混率は28%であった。得られた熱成型生地は表2に示すように賦型性に優れ実用上問題のない洗濯後の形態保持性であった。
【0055】
【実施例8】
実施例1と同様の潜在捲縮発現性ポリエステル繊維を第1給糸及び第3給糸に配置し、W型断面糸ポリエチレンテレフタレート繊維(56dtex/30fの3本引き揃え)を第2給糸及び第4給糸に配置して、実施例1と同様の編組織にて編成した。得られた生機をサーキュラー染色機にて130℃×30分の染色を行い、次に、仕上げセットを150℃×40秒間処理して熱成型加工用生地を得た。この生地の潜在捲縮発現性ポリエステル繊維の混率は39%、目付けは396g/m2、厚みは2.1mmであった。得られた熱成型生地を実施例1と同様に185℃×60秒の条件で熱成型加工を行った。得られた熱成型生地は表2に示すように賦型性及び洗濯後の形態保持性には優れている。
【0056】
【表1】
Figure 0004073238
【0057】
【表2】
Figure 0004073238
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、生地ヤセがなく、美観に優れ、繰り返し洗濯を行っても形状保持するとともに、着用時のシルエットが美しく、成型部位に縫い目が無く、吸汗性に優れた肌触りの良い着用感を有する熱成型された部位を有する衣料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例及び、比較例1で使用した丸編地の組織図。

Claims (4)

  1. 熱成型された部位を有する衣料であって、熱成型部位は、少なくとも一成分がポリトリメチレンテレフタレートで構成された潜在捲縮発現型ポリエステル繊維を20質量%以上含み、ポリウレタン繊維を含まない編地からなり、熱成型部位の曲率が0.02〜0.5の範囲であることを特徴とする衣料。
  2. 編地の厚さが0.3〜2.0mm、目付が100〜350g/m2である請求項1記載の成型衣料。
  3. 潜在捲縮発現型ポリエステル繊維は二成分からなり、一成分がポリトリメチレンテレフタレート、他成分がポリエチレンテレフタレート又は第一成分とは異なるポリトリメチレンテレフタレートからなることを特徴とする請求項1又は2記載の成型衣料。
  4. 熱成型された部位を有する衣料を製造するに際して、熱成型部位に、少なくとも一成分がポリトリメチレンテレフタレートで構成された潜在捲縮発現型ポリエステル繊維を20質量%以上含み、ポリウレタン繊維を含まない編地を用いて、曲率0.02〜0.5の部分を含む金型により、170〜210℃で熱成型部の成型を行うことを特徴とする衣料の製造方法。
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