JP2002216097A - Icカードとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
を容易にする。 【解決手段】 基板11の回路部12a,12bを配置
しない部分に、多数の孔13a,13bを分散して設け
て、コンポーネントフィルム10とし、加工時に流動性
を有する接着剤層21,22を、コンポーネントフィル
ム10の表裏面に沿って配置し、さらに、その外側に一
対の積層フィルム31,32を配置し、カード全体を積
層する加工のときにに、多数の孔13に接着剤層21,
22の一部を流入させ、流入した接着剤層21,22を
互いに融着して一体化する。
Description
た第1の基材と他の基材とを、第2の基材で接合するI
Cカードとその製造方法に関するものである。
及び書き込みを行う外部リーダ・ライタとの間で、デー
タ信号及び電力を送受信するアンテナコイル、信号処理
を行うICチップなどの電子部品、及び、これらを実装
して接続する基板などから構成されている。
周回して形成した巻き線式コイル、銅箔などの金属をプ
ラスチックフィルムなどの絶縁材料にラミネートしたも
のをエッチング法によってパターニングして形成するエ
ッチングコイル、又は、導電性インクを用いてシルクス
クリーン印刷法によって形成するプリントコイルなどが
ある。
ナコイルと、ICチップ,コンデンサなどの電子部品と
を接続してコンポーネントとして実装した後に、このコ
ンポーネントを射出成形されたプラスチックケースに収
納するか、又は、プラスチックフィルムを複数積層して
コンポーネントを内包するのが、一般的である。
0.76±0.08mmという厚さを達成するために、
プラスチックフィルムを複数積層して薄型化を図る方法
が多くとられるようになってきている。例えば、このア
ンテナコイルと、ICチップ,コンデンサなどの電子部
品を接続したコンポーネントをフィルム上で形成し、こ
れをプラスチックフィルムでラミネートして内包する方
法では、カード表面を凹凸がない平滑な面とするため
に、通常、ホットメルトタイプの接着剤や、PVC,P
ET−G等の熱塑性のある材料によって積層する方法が
とられる。
の積層前の状態を示す分解斜視図である。図6におい
て、1は、基板1a上に電子部品で構成したカード9枚
分の回路を搭載したコンポーネントフィルムである。1
b,1b・・・1bは、ICチップであり、1c,1c
・・・1cは、アンテナ回路である。2a,2bは、カ
ード表面を保護するためのラミネート用のフィルム(積
層フィルム)3a,3bを、コンポーネントフィルム1
の表裏に接着して積層する接着剤層である。
カードは、一般的に、一日のうちに何回も使用すること
が多く、その都度、使用者の目に触れるものであり、カ
ード表側の体裁がきれいであることが好まれる。従っ
て、見た目に美しく、平滑であることが、特に重要であ
る。良好な製品を得るためには、接着剤に流動性と接着
強度を同時に満足する材料を選定する必要があるが、次
の理由により極めて難しい。前述した方法により、非接
触ICカードを製造するときに、カード表面に凹凸な
く、平滑な面にするためには、コンポーネントフィルム
上のICチップ,コンデンサ,アンテナコイル等の金属
部品が、熱塑性がないので、ホットメルトタイプの接着
剤やPVC,PET−G等の熱塑性のある材料を、それ
ら部品部の体積分だけ、周辺部に押し流して、厚さを一
様にする必要がある。
拡大して示した断面図である。従来の非接触ICカード
は、基板1a上に実装されたICチップ1bとラミネー
トフィルム3aの間に挿入された接着剤層2aの部分
が、積層加工の過程で接着剤の加熱による流動性が不十
分であるために、周辺部への拡散によって逃げきれずに
残り、ラミネートフィルム3aの一部を盛り上げてしま
い、カード表面に部分的な突出部を作ってしまう。この
例では、アンテナコイルの回路1cの部分は、一応、カ
ード表面に凸部を作らずに済んでいるが、接着強度を確
保するために、流動性を犠牲にすると、この部分でも、
カード表面に凸部を作ってしまうことがある。
ネントは、一般的に電子部品を接続するときに、はんだ
づけ、溶接,異方導電性フィルム等による接続に代表さ
れるように、加熱,加圧により達成される。これらは、
きわめて短時間で接続可能な上に、接続に関して高信頼
性を得られることから広く採用されている。その場合
に、コンポーネントが形成されるフィルムは、それらの
接続条件下でも、安定した寸法精度,物理強度が得られ
るような素材が選定される。それらは、物理的化学的に
安定したプラスチックフィルムであることが多い。従っ
て、それらに対して、十分な接着力を備えた接着剤の種
類も当然限られたものとなる。
化した状態でカードとしての適性を備えたものを選定す
る必要がある。たとえば、色,質感,材料コストの他
に、物理強度,加工適性,安全性などが要求される。特
に、加工適性においては、カード形状にするための加
工、たとえば、貼りあわせ,打ち抜き,印刷が可能であ
ることが最低条件となる。そのような性質の異なるフィ
ルムをカード化するために積層する場合には、フィルム
間を熱により融着させるか、又は、フィルムを貼り合わ
せるための接着剤を使用する必要がある。ところが、フ
ィルム同士を融着させる方法は、ほぼ同じ材料でなけれ
ば全く強度が確保できない。
接着強度が得られる材料の開発には、コストと多くの時
間を必要とし、解決すべき問題点が多い。例えば、コン
ポーネントが形成されたフィルムには、よく接着する
が、表面を覆うカード用のフィルムには、接着しない。
また、その逆の場合もある。従って、カード表面の凹凸
をなくし平滑化するために必要な接着材料の流動性を要
求する場合は、コンポーネントを形成するフィルムに対
して必要な接着強度が十分得られないという問題点が発
生する。
して必要な接合強度のある第2の基材を使用しながら、
回路部が形成される第1の基材との構造的な係合を密に
して、使用する各基材の物性のいかんにかかわらず、カ
ード全体としての十分な貼り合わせ強度が得られるIC
カードとその製造方法を提供することである。
に、請求項1の発明は、表面に回路部が形成された第1
の基材と、前記第1の基材とその第1の基材に積層され
る他の基材とを接合し、加工時に流動性を有する第2の
基材と、を含むICカードにおいて、前記第1の基材に
分散して多数形成され、前記加工時に前記第2の基材を
流入させて一体化する接合用補助孔を設けたこと、を特
徴とするICカードである。
カードにおいて、前記他の基材は、前記第1の基材の両
側に配置されており、前記第2の基材は、前記第1の基
材よりも前記他の基材に対する接着性がよいこと、を特
徴とするICカードである。
カードにおいて、前記接合用補助孔は、前記回路部の体
積分の前記第2の基材を吸収する大きさであること、を
特徴とするICカードである。
までのいずれか1項に記載のICカードを製造するIC
カードの製造方法において、前記第1の基材に前記回路
部を形成する回路部形成工程と、前記第1の基材に前記
回路部が形成されない部分に、前記加工時に前記第2の
基材を流入させて一体化する接合用補助孔を分散して多
数形成する接合用補助孔形成工程と、前記第2の基材を
前記第1の基材と前記他の基材に挟んで流動化させ、前
記接合用補助孔に前記第2の基材を流入させながら、前
記第1の基材と前記他の基材とを接合する接合工程と、
を備えたことを特徴とするICカードの製造方法であ
る。
て、図面などを参照して詳しく説明する。図1は、本発
明による非接触ICカードの実施形態を、カード単体に
ついて積層加工する以前の状態に分解して示した斜視
図、図2は、図1のコンポーネントフィルム10の一部
を拡大して詳細に示した平面図である。なお、実際のカ
ードの製造工程では、図6に示した従来カードと同様な
方法(9面付け)で加工される。
トフィルム10と、接着剤層21,22と、積層フィル
ム31,32等とを備えている。コンポーネントフィル
ム10は、表面にICチップ12a,アンテナコイル1
2bなどの回路部が形成されたフィルム(第1の基材)
である。このコンポーネントフィルム10には、予め、
回路部の実装予定場所の周辺に、本発明の特徴である多
数の孔13a,13a・・・13aが開けられている。
また、その実装予定場所及びその周辺を除く部分の全体
にわたって、分散配置された多数の孔13b,13b・
・・13bが開けられる。
ィルム10とそれに積層される積層フィルム(他の基
材)31,32とを接合し、加工時に流動性を有する接
着剤又は融着フィルムなどの基材(第2の基材)であ
る。積層フィルム31,32は、コンポーネントフィル
ム10に積層され、最も外側に配置されてカード全体を
保護するフィルム(他の基材)である。
3b,13b・・・13b)は、基板11の表裏面を貫
通するように、基材11に分散して多数形成され、積層
加工時に、接着剤層21,22の一部を流入させて一体
化する接合用補助孔である。これらの孔13は、加工時
に接着剤層21,22の一部を流入させ、流入して接触
する面を互いに融着させて連結する役割を果たしてい
る。また、回路部周辺の孔13a,13a・・・13a
は、上記役割の他に、回路部が基板11の面から突出す
る体積に相当する量の余分の接着剤を加工時に吸収して
(体積吸収部)、カード表面の平滑化に役立つように大
きさや配置が決められている。
置は、目的とする接合力や平滑性が得られ、かつ、基板
11がコンポーネント形成のために問題が発生しない程
度であればよい。その手段も、抜き刃,レーザ光などを
使用し、基板11の性能を損なわなければよい。
ついて説明する。まず、コンポーネントフィルム(第1
の基材)10は、基板11上に、ICチップ12a,ア
ンテナコイル12bなどの回路部が形成される(回路部
形成工程)。このときに、この基板11には、予め、回
路部の実装予定場所を除く部分に、接合用補助孔となる
多数の孔13a,13a・・・13a,13b,13b
・・・13bなどが開けられる(接合用補助孔形成工
程)。
は、接着剤層21,22によって、積層フィルム31,
32の間に挟むようにして積層して、接合される(接合
工程)。このとき、孔13a,13a・・・13a,1
3b,13b・・・13bには、基板11の表裏面を貫
通し、前述した積層加工時に、接着剤層21,22を構
成する接着剤の一部が流入する。
1,22は、積層加工時に、基板11上に回路を形成す
るICチップ12aやアンテナコイル12b,その他コ
ンデンサなどの回路部の周辺に開けられた多数の孔13
a,13a・・・13aや、その他の部分に分散配置さ
れた多数の孔13b,13b・・・13bへ流れ込んで
接触するので、互いに融着して一体となり、基板11と
間の接着力を補強する。また、回路部の周辺に開けられ
た多数の孔13a,13a・・・13aには、積層加工
時に、これらの部品の上側にある接着剤層21の一部が
流れ込むことによって、積層カード31の表面の凹凸が
解消される。
3aや孔13bに接着剤が流入する状況を示す説明図
(断面図)である。図4は、図3の過程を経て、カード
表面に凹凸が生じないように接着され、かつ、基板11
への接着力が補強された状態を、図5の従来例に対比し
て示した説明図(断面図)である。
層21は、ICチップ,コンデンサ,アンテナコイルな
どの回路部に対して接着しなくても、また、基板11へ
の接着力が不足する場合であっても、孔13a,13b
へ流れ込んだ接着剤層21,22が孔13a,13bで
つながることによって、必要な接着強度を十分に確保す
ることができる。従って、ICカードの設計をする場合
に、従来、難しかった接着剤の選定が容易になる、とい
う効果がある。
実施形態に限定するものではなく、種々の変形又は変更
が可能であって、これらの均等の範囲内である。図7
は、基板11上のICチップなどの部品周辺に配置する
孔の状態の応用例を示す説明図(平面図)である。本発
明の特徴であるコンポーネントフィルム10は、基板1
1の表裏に貫通する孔が、円形でなく他の形でもよい。
図7の場合は、長方形の孔13c,13c・・・13
c,13d,13d・・・13d,13e,13e・・
・13e,13f,13f・・・13fを開けた例の一
部を示す説明図(平面図)である。
最も近い場所に比較的大きい孔13c,13dなどを配
置し、その外側にやや小さい径の孔13e,13e・・
・13eを配置をしてある。図7の場合も、図2と同様
の効果が得られ、特に、ICチップ12cが比較的に大
きい場合に適し、接着剤層21の流入をより速やかにす
ることができる。
他の変形例の一部を示す説明図(平面図)である。図8
は、カード単体の周辺部に当たる部分に、基板11に設
けた孔13g,13g・・・13gで、積層加工時に、
基板11を挟む接着剤層21,22の一部を流入させ
て、その上下を連結することにより、特に、カードの周
縁部を補強したものである。
枚を一緒にして積層したのち、図8に示す基板11の孔
13g,13g・・・13gのくし刺し状態の切断線
(図中に2点鎖線で示すカードの周縁部の位置)14の
所から図示しない積層フィルムや接着剤層と共に切り離
し、同図の斜線で示す部分を除去してカード単体とす
る。さらに、コンポーネントフィルム10を、この外側
に配置される接着剤層21,22や最外側部を覆う積層
フィルム31,32より一回り小さくして、単体に切り
離されたときに、コンポーネントフィルム10が完全に
接着剤層21,22に包み込まれるようにしてもよい。
置は、図2,図7,図8等に示すものに限定されること
はなく、他にも色々な形,大きさ,配置の組み合わせが
可能であり、本発明の趣旨に沿うものであれば、そのい
ずれでもよい。また、接合用補助孔は、貫通孔の例で説
明したが、入り口の狭い凹孔などにして、片側から接合
するようにしてもよい。
第1の基材に形成される回路部を配置しない部分に分散
して接合用補助孔を多数設けたので、第1の基材に積層
される他の基材に対して、必要な接合強度のある第2の
基材を使用してありさえすれば、第1の基材への接合力
が補強されるために、前記回路部の状態や第1の基材の
第2の基材への物性いかんにかかわらず、カード全体と
して、十分な貼り合わせ強度が得られる、という効果が
ある。
を示す分解斜視図である。
図である。
する状況を示す説明図(断面図)である。
状況を示す説明図(断面図)である。
た断面図である。
積層前の状態で示す分解斜視図である。
明図(平面図)である。
ある。
3g 孔
Claims (4)
- 【請求項1】 表面に回路部が形成された第1の基材
と、 前記第1の基材とその第1の基材に積層される他の基材
とを接合し、加工時に流動性を有する第2の基材と、を
含むICカードにおいて、 前記第1の基材に分散して多数形成され、前記加工時に
前記第2の基材を流入させて一体化する接合用補助孔を
設けたこと、を特徴とするICカード。 - 【請求項2】 請求項1に記載のICカードにおいて、 前記他の基材は、前記第1の基材の両側に配置されてお
り、 前記第2の基材は、前記第1の基材よりも前記他の基材
に対する接着性がよいこと、を特徴とするICカード。 - 【請求項3】 請求項1に記載のICカードにおいて、 前記接合用補助孔は、前記回路部の体積分の前記第2の
基材を吸収する大きさであること、を特徴とするICカ
ード。 - 【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれか1
項に記載のICカードを製造するICカードの製造方法
において、 前記第1の基材に前記回路部を形成する回路部形成工程
と、 前記第1の基材に前記回路部が形成されない部分に、前
記加工時に前記第2の基材を流入させて一体化する接合
用補助孔を分散して多数形成する接合用補助孔形成工程
と、 前記第2の基材を前記第1の基材と前記他の基材に挟ん
で流動化させ、前記接合用補助孔に前記第2の基材を流
入させながら、前記第1の基材と前記他の基材とを接合
する接合工程と、を備えたことを特徴とするICカード
の製造方法。
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