JP2002211237A - 車両空調装置用圧縮機の制御装置 - Google Patents

車両空調装置用圧縮機の制御装置

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JP2002211237A
JP2002211237A JP2001007815A JP2001007815A JP2002211237A JP 2002211237 A JP2002211237 A JP 2002211237A JP 2001007815 A JP2001007815 A JP 2001007815A JP 2001007815 A JP2001007815 A JP 2001007815A JP 2002211237 A JP2002211237 A JP 2002211237A
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compressor
vehicle
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reverse input
refrigerant
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Masakazu Murase
正和 村瀬
Hisaya Yokomachi
尚也 横町
Takeshi Yamada
健史 山田
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Toyota Industries Corp
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60HARRANGEMENTS OF HEATING, COOLING, VENTILATING OR OTHER AIR-TREATING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR PASSENGER OR GOODS SPACES OF VEHICLES
    • B60H1/00Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices
    • B60H1/32Cooling devices
    • B60H1/3204Cooling devices using compression
    • B60H1/3205Control means therefor
    • B60H1/3208Vehicle drive related control of the compressor drive means, e.g. for fuel saving purposes
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2309/00Gas cycle refrigeration machines
    • F25B2309/06Compression machines, plants or systems characterised by the refrigerant being carbon dioxide
    • F25B2309/061Compression machines, plants or systems characterised by the refrigerant being carbon dioxide with cycle highest pressure above the supercritical pressure

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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両の走行に関するエネルギー効率を低下さ
せることなく、車両空調装置用圧縮機の耐久性を向上さ
せることが可能な制御装置を提供すること。 【解決手段】 制御コンピュータ70は、エアコンスイ
ッチ73がオフ状態において車両が逆入力状態となる
と、圧縮機を最小吐出容量状態から離脱させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の走行輪を駆
動する走行駆動源によって駆動される車両空調装置用圧
縮機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の車両空調装置用圧縮機(以下単
に圧縮機とする)としては、車両のエンジンとの間の動
力伝達経路上にクラッチ機構を備えたクラッチ付きタイ
プと、動力伝達経路上にクラッチ機構を備えないクラッ
チレスタイプとが存在する。
【0003】前記クラッチ付き圧縮機においては、クラ
ッチ機構が接続されることでエンジンからの動力が伝達
されて冷媒ガスの圧縮を行い、クラッチ機構が遮断され
ることで冷媒ガスの圧縮が停止されるようになってい
る。一方、クラッチレス圧縮機としては一般的に容量可
変型が用いられており、同圧縮機はクランク室の圧力を
変更することで吐出容量を変更可能であるとともに、冷
房不要に対しては吐出容量を最小化して対応するように
なっている。
【0004】特に、クラッチレス圧縮機においては、冷
房不要時のエンジンの負荷を軽減するために、最小吐出
容量がゼロ近くに設定されている。従って、最小吐出容
量時には冷媒循環回路(冷凍サイクル)の冷媒流量が少
なくなり、同冷媒とともに圧縮機へ帰還する潤滑油の量
が少なくなってしまう。このため、圧縮機の吐出容量が
最小化されると、外部冷媒回路を経由した冷媒循環を停
止させるとともに、吐出室→クランク室→吸入室→圧縮
室→(吐出室)を経由する内部冷媒循環回路を形成し、
この冷媒とともに循環される潤滑油によって、各摺動部
分の潤滑状態を良好に維持するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、冬場や夜間
等においては、空調装置をオンオフするエアコンスイッ
チのオフ状態、つまり圧縮機の機能停止状態(クラッチ
付きタイプの場合はクラッチ機構がオフ状態、クラッチ
レスタイプの場合には最小吐出容量状態)が長期間続く
ことがあり、その場合には次のような問題を発生してい
た。
【0006】すなわち、クラッチ付き圧縮機の場合に
は、次回の起動時において内部の潤滑油が、長期停止中
に内部に停留した多量の液冷媒とともに外部冷媒回路へ
一気に排出されてしまい(所謂液洗い現象)、摺動部分
の潤滑状態が厳しくなる問題があった。また、クラッチ
レス圧縮機の場合には、内部冷媒循環が長時間続くと、
この循環冷媒及び潤滑油の温度が内部の熱篭りにより過
大に上昇して、同圧縮機の構成部品が熱的に厳しくなる
問題があった。
【0007】前記のような圧縮機の耐久性の問題を解決
するために、エアコンスイッチがオフ状態であっても、
定期的にクラッチ機構を接続して圧縮機を起動すること
で内部に液冷媒を停留され難くしたり(クラッチ付き圧
縮機の場合)、或いは定期的に最小吐出容量状態から離
脱させて内部の冷媒及び潤滑油を外部へ排出すること
で、内部の熱篭りを防止すること(クラッチレス圧縮機
の場合)が考えられる。
【0008】しかし、エアコンスイッチがオフ状態(冷
房不要)であるにもかかわらず、圧縮機を起動させるこ
と或いは圧縮機を最小吐出容量状態から離脱させるこ
と、つまり圧縮機の単位時間当たりの冷媒吐出量を増大
させることは、エンジンの負荷を増大させて車両の走行
燃費(走行に関するエネルギー効率)の悪化につながっ
てしまう。
【0009】本発明の目的は、車両の走行に関するエネ
ルギー効率を低下させることなく、車両空調装置用圧縮
機の耐久性を向上させることが可能な制御装置を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明は、車両の運転状態を検知する車両状
態検知手段と、前記車両状態検知手段からの運転情報に
基づいて、車両が走行輪から走行駆動源への逆入力状態
にあるか否かを判定する逆入力状態判定手段と、前記車
両の逆入力時において、圧縮機の単位時間当たりの冷媒
吐出量を増大させる逆入力時制御手段とを備えたことを
特徴としている。
【0011】この構成においては、車両の逆入力時、つ
まり走行輪から走行駆動源ひいては圧縮機へ動力が伝達
される時に、圧縮機の冷媒吐出量を増大させるようにし
たため、同冷媒吐出量の増大による圧縮機の負荷トルク
の増大よっても、走行駆動源のエネルギー消費量が増え
ることはない。
【0012】請求項2の発明は請求項1において、前記
車両空調装置用圧縮機は吐出容量可変型であって、前記
逆入力時制御手段は、圧縮機の吐出容量を増大させるこ
とで単位時間当たりの冷媒吐出量を増大させる構成であ
ることを特徴としている。
【0013】この構成においては、車両の逆入力時に圧
縮機の吐出容量を増大させるようにしたため、同吐出容
量の増大による圧縮機の負荷トルクの増大によっても、
走行駆動源のエネルギー消費量が増えることはない。
【0014】請求項3の発明は請求項2において、前記
逆入力時制御手段は、圧縮機の最小吐出容量状態におい
て車両が逆入力状態となると、同圧縮機を最小吐出容量
状態から離脱させることで単位時間当たりの冷媒吐出量
を増大させる構成であることを特徴としている。
【0015】この構成においては、車両の逆入力時に圧
縮機を最小吐出容量状態から離脱させるようにしたた
め、同最小吐出容量状態からの離脱による圧縮機の負荷
トルクの増大によっても、走行駆動源のエネルギー消費
量が増えることはない。
【0016】請求項4の発明は請求項3において、前記
車両空調装置用圧縮機はクランク室の圧力を調節するこ
とで吐出容量を変更可能であるとともに最小吐出容量が
ゼロではない容量に設定されており、同最小吐出容量状
態では外部冷媒回路を経由した冷媒循環が停止されると
ともに、吐出室からクランク室及び吸入室を経由して圧
縮室に至る圧縮機内部の冷媒循環回路が形成される構成
であることを特徴としている。
【0017】この構成においては、冷房不要時には圧縮
機の吐出容量を最小化すればよく、同圧縮機と走行駆動
源とを電磁クラッチ等のクラッチ機構を介することなく
直結する構成を採用することが容易となる。また、圧縮
機の最小吐出容量状態では、内部冷媒循環回路を冷媒と
ともに潤滑油が循環され、各摺動部分の潤滑状態を良好
に維持することが可能となる。従って、最小吐出容量状
態において外部冷媒回路から圧縮機へ帰還する潤滑油の
量が少なくなってしまうことによる問題を解消すること
ができ、最小吐出容量をゼロ容量近傍に設定することが
可能となる。最小吐出容量をゼロ容量近傍に設定すれ
ば、冷房不要時における走行駆動源の負荷を軽減するこ
とができ、走行駆動源のエネルギー消費量を抑えること
ができる。さらに、逆入力時制御手段によって圧縮機が
最小吐出容量状態から離脱されると、内部に停留してい
た冷媒及び潤滑油の外部冷媒回路への排出、及び外部冷
媒回路からの低温の冷媒及び潤滑油の導入が開始される
こととなる。従って、上記のような内部冷媒循環構成を
採用した場合に生じがちな圧縮機内部の熱篭りが防止さ
れ、圧縮機の構成部品が熱的に厳しくなることを防止で
きる。
【0018】請求項5の発明は請求項1〜4のいずれか
において、前記車両空調装置用圧縮機は、走行駆動源に
対してクラッチ機構を介することなく直結されているこ
とを特徴としている。
【0019】この構成においては、圧縮機と走行駆動源
との間の動力伝達経路上に高価かつ重量物である電磁ク
ラッチを備えないことで安価提供及び軽量化が可能であ
るし、電磁クラッチのオンオフショックを伴わないため
ドライバビリティの悪化を防止することができる。
【0020】請求項6の発明は請求項1において、前記
車両空調装置用圧縮機は走行駆動源に対してクラッチ機
構を介して作動連結されており、前記逆入力時制御手段
は、クラッチ機構が遮断された状態において車両が逆入
力状態となると、同クラッチ機構を接続することで圧縮
機を起動させて単位時間当たりの冷媒吐出量をゼロから
増大させる構成であることを特徴としている。
【0021】この構成においては、車両の逆入力時に、
停止状態にある圧縮機を起動させるようにしたため、同
圧縮機の起動によっても走行駆動源のエネルギー消費量
が増えることはない。また、圧縮機の長期に渡る停止が
防止され、多量の液冷媒が内部に停留されることを防止
でき、摺動部分の潤滑状態を良好に維持することが可能
となる請求項7の発明は請求項1〜6のいずれかにおい
て、前記逆入力時制御手段は、車両空調装置をオンオフ
するエアコンスイッチがオフ状態での車両の逆入力時に
のみ、圧縮機の単位時間当たりの冷媒吐出量を増大させ
ることを特徴としている。
【0022】この構成においては、車両が逆入力状態に
あること以外にも、エアコンスイッチがオフ状態にある
ことを、圧縮機の冷媒吐出量を増大させるための条件と
している。従って、不必要な冷媒吐出量の増大が行われ
ることを極力抑制することが可能となる。つまり例え
ば、エアコンスイッチがオン状態でのクラッチ機構の遮
断状態(クラッチ付き圧縮機の場合)又は最小吐出容量
状態(クラッチレス圧縮機の場合)は、空調の過程にお
いてもたらされたものであってそう長くは続かない。従
って、この状態で、車両の逆入力に応じて圧縮機の冷媒
吐出量を増大させることには、圧縮機の耐久性を向上さ
せる点においてあまり意味がないのである。
【0023】請求項8の発明は請求項1〜7のいずれか
において、車両状態検知手段及び逆入力状態判定手段の
好適な態様を限定するものである。すなわち、前記車両
状態検知手段は、車両のアクセル開度を検知するための
アクセル開度センサを備え、前記逆入力状態判定手段は
アクセル開度センサからのアクセル開度情報を、車両が
逆入力状態にあるか否かの判断材料の一つとしている。
【0024】請求項9の発明は請求項1〜8のいずれか
において、車両状態検知手段及び逆入力状態判定手段の
好適な態様を限定するものである。すなわち、前記車両
状態検知手段は、走行駆動源の回転速度を検知するため
の回転速度センサを備え、前記逆入力状態判定手段は回
転速度センサからの回転速度情報を、車両が逆入力状態
にあるか否かの判断材料の一つとしている。
【0025】請求項10の発明は請求項1〜9のいずれ
かにおいて、前記車両空調装置においては、冷媒として
二酸化炭素が用いられていることを特徴としている。こ
の構成においては、二酸化炭素冷媒は、冷媒圧力がフロ
ン冷媒を用いた場合よりも高くなる。従って、例えば圧
縮機の最小吐出容量状態において内部の温度がフロン冷
媒の場合よりも上昇しがちであり、このような車両空調
装置において上述した逆入力時の制御を行うことは、圧
縮機の耐久性を高める点において特に有効となる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明を車両用空調装置が
備える容量可変型斜板式圧縮機の制御装置において具体
化した第1及び第2実施形態について説明する。なお、
第2実施形態においては第1実施形態との相違点につい
てのみ説明し、同一部材又は相当部材には同じ番号を付
して説明を省略する。
【0027】○第1実施形態 (容量可変型斜板式圧縮機)図1及び図2に示すように
容量可変型斜板式圧縮機(以下単に圧縮機とする)は、
シリンダブロック1と、その前端に接合固定されたフロ
ントハウジング2と、シリンダブロック1の後端に弁形
成体3を介して接合固定されたリヤハウジング4とを備
えている。
【0028】前記シリンダブロック1とフロントハウジ
ング2とで囲まれた領域にはクランク室5が区画されて
いる。同クランク室5内には駆動軸6が回転可能に配設
されている。同駆動軸6は、車両の走行駆動源つまり車
両の走行輪Wを回転駆動するエンジン(内燃機関)Eの
出力軸に、電磁クラッチ等のクラッチ機構を介すること
なく、プーリ7及びベルト8等からなる動力伝達機構を
介して直結されている。従って、同駆動軸6は、エンジ
ンEの稼動時においては同エンジンEによって常時回転
駆動される。
【0029】このように、本実施形態の圧縮機において
は、エンジンEとの間の動力伝達経路上に高価かつ重量
物である電磁クラッチを備えないことで安価提供及び軽
量化が可能であるし、電磁クラッチのオンオフショック
を伴わないためドライバビリティの悪化を防止すること
ができる。
【0030】前記クランク室5において駆動軸6上に
は、ラグプレート11が一体回転可能に固定されてい
る。クランク室5内にはカムプレートとしての斜板12
が収容されている。斜板12は、駆動軸6にスライド移
動可能でかつ傾動可能に支持されている。ヒンジ機構1
3は、ラグプレート11と斜板12との間に介在されて
いる。従って、斜板12は、ヒンジ機構13を介したラ
グプレート11との間でのヒンジ連結、及び駆動軸6の
支持により、ラグプレート11及び駆動軸6と同期回転
可能であるとともに、駆動軸6の軸線方向へのスライド
移動を伴いながら駆動軸6に対し傾動可能となってい
る。
【0031】複数のシリンダボア1aは、前記シリンダ
ブロック1において駆動軸6を取り囲むようにして貫設
形成されている。片頭型のピストン20は、各シリンダ
ボア1aに往復動可能に収容されている。シリンダボア
1aの前後開口は、弁形成体3及びピストン20によっ
て閉塞されており、このシリンダボア1a内にはピスト
ン20の往復動に応じて体積変化する圧縮室29が区画
されている。各ピストン20は、シュー19を介して斜
板12の外周部に係留されている。従って、駆動軸6の
回転にともなう斜板12の回転運動が、シュー19を介
してピストン20の往復直線運動に変換される。
【0032】前記弁形成体3とリヤハウジング4との間
には、吸入室21及び吐出室22がそれぞれ区画形成さ
れている。そして、吸入室21の冷媒ガスは、各ピスト
ン20の上死点位置から下死点側への移動により、弁形
成体3に形成された吸入ポート23及び吸入弁24を介
して圧縮室29に吸入される。圧縮室29に吸入された
冷媒ガスは、ピストン20の下死点位置から上死点側へ
の移動により所定の圧力にまで圧縮され、弁形成体3に
形成された吐出ポート25及び吐出弁26を介して吐出
室22に吐出される。
【0033】(クランク圧制御機構)図3に示すよう
に、前記斜板12の傾斜角度制御に関与する、クランク
室5の圧力(クランク圧Pc)を制御するためのクラン
ク圧制御機構は、圧縮機ハウジング内に設けられた抽気
通路27、及び給気通路28並びに制御弁CVによって
構成されている。抽気通路27はクランク室5と吸入圧
力(Ps)領域である吸入室21とを接続する。給気通
路28は吐出圧力(Pd)領域である吐出室22とクラ
ンク室5とを接続し、その途中には制御弁CVが配設さ
れている。
【0034】そして、前記制御弁CVの開度を調節する
ことで、給気通路28を介したクランク室5への高圧な
吐出ガスの導入量と抽気通路27を介したクランク室5
からのガス導出量とのバランスが制御され、クランク圧
Pcが決定される。クランク圧Pcの変更に応じて、ピ
ストン20を介してのクランク圧Pcと圧縮室29の内
圧との差が変更され、斜板12の傾斜角度(駆動軸6に
直交する仮想平面との間でなす角度)が変更される結
果、ピストン20のストロークすなわち吐出容量(駆動
軸6の単位回転当たりの冷媒吐出量)が調節される。
【0035】例えば、前記制御弁CVの開度が小さくさ
れると、クランク圧Pcが低下され、同クランク圧Pc
と圧縮室29の内圧とのピストン20を介した差も小さ
くなって斜板12が傾斜角度増大方向に傾動し、圧縮機
の吐出容量は増大される。図1は、斜板12の傾動がラ
グプレート11に当接規制された最大傾斜角度状態、つ
まり圧縮機の最大吐出容量状態を示している。
【0036】逆に、制御弁CVの開度が大きくされる
と、クランク圧Pcが上昇され、同クランク圧Pcと圧
縮室29の内圧とのピストン20を介した差も大きくな
って斜板12が傾斜角度減少方向に傾動し、圧縮機の吐
出容量は減少される。図2は、斜板12の傾動が駆動軸
6上に備えられた最小傾斜角度規制部14に規制された
最小傾斜角度状態、つまり圧縮機の最小吐出容量状態を
示している。なお、同斜板12の最小傾斜角度はゼロ近
傍(例えば2〜5°)に設定されている。
【0037】(冷媒循環回路)図1及び図2に示すよう
に、車両用空調装置の冷媒循環回路(冷凍サイクル)
は、上述した圧縮機と外部冷媒回路30とから構成され
ている。外部冷媒回路30は例えば、凝縮器31、減圧
装置としての膨張弁32及び蒸発器33を備えている。
冷媒としては二酸化炭素が用いられている。
【0038】外部冷媒循環停止手段としての遮断弁69
は、圧縮機の吐出室22と外部冷媒回路30の凝縮器3
1との間の冷媒通路上に配設されている。同遮断弁69
は、吐出室22側の圧力Pdが所定値よりも低くなると
冷媒通路を遮断して、外部冷媒回路30を経由する冷媒
の循環を停止させる。
【0039】前記遮断弁69は、その前後の圧力差を機
械的に検知して動作する差圧弁タイプであってもよい
し、吐出圧力Pdに応じて後述する制御コンピュータ7
0により給電制御される電磁弁タイプであってもよい。
また、後述するが、吐出圧力Pdが所定値よりも低くな
る状態は、圧縮機の吐出容量の最小化によってもたらさ
れるため、遮断弁69は斜板12の最小傾斜角度に機械
的に連動されるタイプであってもその役目を十分に果た
すことができる。
【0040】(制御弁)図3に示すように前記制御弁C
Vは、その上半部を占める入れ側弁部と、下半部を占め
る、設定圧力変更手段としてのソレノイド部60とを備
えている。入れ側弁部は、吐出室22とクランク室5と
を接続する給気通路28の開度(絞り量)を調節する。
ソレノイド部60は、制御弁CV内に配設された作動ロ
ッド40を、外部からの通電制御に基づき付勢制御する
ための一種の電磁アクチュエータである。作動ロッド4
0は、先端部たる隔壁部41、連結部42、略中央の弁
体部43及び基端部たるガイドロッド部44からなって
いる。
【0041】前記制御弁CVのバルブハウジング45
は、栓体45aと、入れ側弁部の主な外殻を構成する上
半部本体45bと、ソレノイド部60の主な外殻を構成
する下半部本体45cとから構成されている。バルブハ
ウジング45の上半部本体45b内には弁室46及び連
通路47が区画され、同上半部本体45bとその上部に
圧入された栓体45aとの間には感圧室48が区画され
ている。
【0042】前記弁室46及び連通路47内には、作動
ロッド40が軸方向(図面では垂直方向)に移動可能に
配設されている。弁室46及び連通路47は作動ロッド
40の配置次第で連通可能となる。これに対して連通路
47と感圧室48とは、同連通路47に嵌入された作動
ロッド40の隔壁部41によって遮断されている。
【0043】前記弁室46の底壁は後記固定鉄心62の
上端面によって形成されている。弁室46を取り囲むバ
ルブハウジング45の周壁には半径方向に延びるポート
51が設けられ、このポート51は給気通路28の上流
部を介して弁室46を吐出室22に連通させる。連通路
47を取り囲むバルブハウジング45の周壁にも半径方
向に延びるポート52が設けられ、このポート52は給
気通路28の下流部を介して連通路47をクランク室5
に連通させる。従って、ポート51、弁室46、連通路
47及びポート52は制御弁内通路として、吐出室22
とクランク室5とを連通させる給気通路28の一部を構
成する。
【0044】前記弁室46内には作動ロッド40の弁体
部43が配置されている。弁体付勢バネ56は弁室46
に収容され、弁体部43を下方に向けて付勢する。弁室
46と連通路47との境界に位置する段差は弁座53を
なしており、連通路47は一種の弁孔をなしている。そ
して、作動ロッド40が図3の位置(最下動位置)から
弁体部43が弁座53に着座する最上動位置へ上動する
と、連通路47が遮断される。つまり、作動ロッド40
の弁体部43は、給気通路28の開度を任意調節可能な
弁体として機能する。
【0045】前記感圧室48内には、ベローズよりなる
感圧部材54が収容配置されている。同感圧部材54の
上端部は、バルブハウジング45の栓体45aに固定さ
れている。感圧部材付勢バネ55は感圧部材54内に収
容され、同感圧部材54を下方へ伸長するように付勢す
る。感圧部材54は、感圧部材付勢バネ55の下向きの
付勢力によって隔壁部41に対して押さえ付けられてい
る。
【0046】前記感圧室48は、バルブハウジング45
の上半部本体45bに形成された検圧ポート57及び検
圧通路37を介して、吸入室21と連通されている。つ
まり、感圧室48には、吸入室21の圧力Psが導入さ
れている。
【0047】前記ソレノイド部60は、有底円筒状の収
容筒61を備えている。収容筒61の上部には固定鉄心
62が嵌合され、この嵌合により収容筒61内にはソレ
ノイド室63が区画されている。ソレノイド室63内に
は、可動鉄心64が軸方向に移動可能に収容されてい
る。固定鉄心62の中心には軸方向に延びるガイド孔6
5が形成され、そのガイド孔65内には、作動ロッド4
0のガイドロッド部44が軸方向に移動可能に配置され
ている。
【0048】可動鉄心付勢バネ66はソレノイド室63
に収容され、可動鉄心64を固定鉄心62に向けて付勢
する。従って、ガイドロッド部44と可動鉄心64と
は、弁体付勢バネ56の下向き付勢力と可動鉄心付勢バ
ネ66の上向き付勢力とによって当接係合されている。
従って、可動鉄心64と作動ロッド40とは常時一体と
なって上下動する。
【0049】前記固定鉄心62及び可動鉄心64の周囲
には、これら鉄心62,64を跨ぐ範囲にコイル67が
巻回されている。このコイル67には、外部情報検知手
段72からの外部情報に応じた制御コンピュータ70の
指令に基づき、駆動回路71から駆動信号が供給され
る。同コイル67は、その電力供給量に応じた大きさの
電磁吸引力(電磁付勢力)を可動鉄心64と固定鉄心6
2との間に発生させる。同コイル67への通電制御は印
加電圧を調整することでなされ、同印加電圧の調整には
PWM(パルス幅変調)制御が採用されている。
【0050】前記外部情報検知手段72は、空調装置の
オンオフスイッチであるエアコンスイッチ73、車室の
温度を設定するための温度設定器74、車室の温度を検
出するための温度センサ75、図示しないアクセルペダ
ルの踏み込み量(アクセル開度)Accを検出するため
のアクセル開度センサ76、及びエンジンEの出力軸の
回転速度Neを検出するための回転速度センサ77から
なっている。
【0051】本実施形態においては、前記制御コンピュ
ータ70が、逆入力状態判定手段及び逆入力時制御手段
をなしている。また、アクセル開度センサ76及び回転
速度センサ77が、車両の運転状態を検知する車両状態
検知手段をなしている。
【0052】(制御弁の動作特性)前記制御弁CVにお
いては、次のようにして作動ロッド40の配置位置つま
り弁開度が決まる。
【0053】まず、図3に示すように、コイル67への
通電がない場合(デューティ比=0%)は、作動ロッド
40の配置には、感圧部材付勢バネ55及び弁体付勢バ
ネ56の下向き付勢力の作用が支配的となる。従って、
作動ロッド40は最下動位置に配置され、弁体部43は
連通路47を全開とする。従って、クランク圧Pcは、
その時おかれた状況下において取り得る最大値となり、
同クランク圧Pcと圧縮室29の内圧とのピストン20
を介した差は大きくて、斜板12は傾斜角度を最小とし
て圧縮機の吐出容量は最小となっている。
【0054】前記制御コンピュータ70は、エアコンス
イッチ73がオフ状態にある等の冷房不要又は車両の急
加速状態への移行等の冷房不許可(所謂加速カット要
求)を検知すると、制御弁CVに対して圧縮機の吐出容
量を最小化するための最小化指令信号を出力する。つま
り、コイル67への通電デューティ比を0%とすること
を駆動回路71に指令する。
【0055】従って、図2に示すように圧縮機の吐出容
量が最小化され、この最小吐出容量状態では遮断弁69
において吐出室22側の圧力Pdが所定値よりも低くな
り、よって同遮断弁69が閉じられて、外部冷媒回路3
0を経由した冷媒の循環が停止される。つまり、遮断弁
69は、圧縮機の吐出容量の最小化に連動して、外部冷
媒回路30を経由した冷媒循環を停止させる。また、斜
板12の最小傾斜角度はゼロではないため、圧縮機の吐
出容量が最小化されても、吸入室21から圧縮室29へ
の冷媒ガスの吸入、及び吸入冷媒ガスの圧縮、並びに圧
縮室29から吐出室22への冷媒ガスの吐出は継続され
る。
【0056】従って、前記圧縮機の内部には、吐出室2
2→給気通路28→クランク室5→抽気通路27→吸入
室21→圧縮室29→(吐出室22)よりなる循環回路
が形成され、同内部冷媒循環回路を冷媒とともに潤滑油
が循環される。このため、外部冷媒回路30からの潤滑
油を含む冷媒の帰還がなくとも、各摺動部分(例えばピ
ストン20とシリンダボア1aとの間)の潤滑は良好に
維持される。
【0057】次に、前記制御弁CVにおいて、コイル6
7に対しデューティ比可変範囲の最小デューティ比(>
0%)の通電がなされると、上向きの電磁付勢力が感圧
部材付勢バネ55及び弁体付勢バネ56による下向き付
勢力を上回り、作動ロッド40が上動を開始する。この
状態では、可動鉄心付勢バネ66の上向きの付勢力によ
って加勢された上向き電磁付勢力が、感圧室48内の吸
入圧Psに基づく感圧部材54の上向き付勢力によって
減勢された、感圧部材付勢バネ55及び弁体付勢バネ5
6の下向き押圧力に対抗する。そして、これら上下付勢
力が均衡する位置に、作動ロッド40の弁体部43が弁
座53に対して位置決めされる。
【0058】つまり、前記制御弁CVは、コイル67へ
の通電デューティ比によって決定された吸入圧Psの制
御目標(設定吸入圧力)を維持するように、この吸入圧
Psの変動に応じて内部自律的に作動ロッド40を位置
決めする構成となっている。また、この設定吸入圧力
は、コイル67への通電デューティ比を調節することで
外部から変更可能となっている。
【0059】(本実施形態の特徴点)図4のフローチャ
ートに示すように、前記制御コンピュータ70は、エア
コンスイッチ73がオフ状態の場合であっても、車両が
逆入力状態となれば、圧縮機を最小吐出容量状態から離
脱させる制御を行う。なお、車両の逆入力状態とは、例
えば減速時や下り坂走行により、走行輪Wからエンジン
Eひいては圧縮機へ動力が伝達される状態を指す。
【0060】さて、前記制御コンピュータ70は、エア
コンスイッチ73がオフ状態となると、圧縮機の吐出容
量を最小化するとともに、図4のフローチャートに従う
演算処理を開始する。ステップ(以下Sと略す)101
においては、回転速度センサ77からのエンジンEの回
転速度情報Neが、予め記憶しておいた設定値Nset
を上回っているか否かが比較判定される。
【0061】前記S101判定がNoであるなら、エン
ジンEにより駆動される圧縮機(駆動軸6)の回転速度
は比較的低いため、内部循環する冷媒及び潤滑油の温度
上昇は比較的少ないと推定できる。従って、圧縮機の構
成部品の熱的環境はそれ程厳しくないと判断され、処理
はS102へと移行されて、駆動回路71へ指令する制
御弁CVのコイル67への通電デューティ比が0%に維
持される。
【0062】前記S101判定がYes、つまり圧縮機
の回転速度が高く構成部品の熱的環境が厳しいと判断さ
れると、処理はS103に移行される。S103におい
ては、アクセル開度センサ76からのアクセル開度情報
Accがゼロであるか否かを判定する。このS103判
定がNoであるなら、車両は定常走行又は登坂走行して
いると推定され、従って逆入力状態にはないと判断され
て、前述したS102にてデューティ比=0%が維持さ
れる。
【0063】一方、前記S103判定がYes、つまり
エンジンEの回転速度Neが設定値Nsetを上回って
いてなおかつアクセル開度Accがゼロであると、車両
が減速状態又は下り坂走行していると推定され、同車両
が逆入力状態にあると判断される。従って、S104に
おいて、駆動回路71へ指令するコイル67への通電デ
ューティ比が、0%から上述したデューティ比可変範囲
内の例えば同範囲の中間値に増大される。
【0064】このため、圧縮機が最小吐出容量状態から
離脱され、外部冷媒回路30を経由した冷媒循環が開始
されて、内部に停留していた冷媒及び潤滑油の外部への
排出、及び外部冷媒回路30からの比較的低温な冷媒及
び潤滑油の導入が行われる。よって、圧縮機内部の熱篭
りが防止され、構成部品を熱的に厳しい状況から解放す
ることができる。また、圧縮機の吐出容量の増大によ
り、同圧縮機内部を流通する潤滑油量の増大も期待で
き、各摺動部分の潤滑も良好となる。
【0065】上記構成の本実施形態においては次のよう
な効果を奏する。 (1)車両の逆入力時において、エンジンEの燃料消費
量を増大させることなく圧縮機を最小吐出容量状態から
離脱させて、同圧縮機内部の熱篭りによる過大な温度上
昇や潤滑不良を防止するようにした。従って、エンジン
Eの燃費を悪化させることなく、圧縮機の耐久性を向上
させることが可能となる。また、車両の逆入力時におい
て圧縮機の負荷トルクが増大されることとなるため、所
謂エンジンブレーキが効果的に作用する。従って、車両
の減速が良好に行われるし、下り坂走行にあっては望ま
ない増速も効果的に抑え得る。
【0066】(2)車両が逆入力状態にあること以外に
も、エアコンスイッチ73がオフ状態にあることを、圧
縮機を最小吐出容量状態から離脱させるための条件とし
ている。従って、電力消費量や制御コンピュータ70の
演算負荷を軽減できる。つまり、エアコンスイッチ73
がオン状態においても、冷房負荷状況等に応じて圧縮機
の吐出容量が最小化されることがある。しかし、エアコ
ンスイッチ73がオンされている時の圧縮機の最小吐出
容量状態は、空調の過程においてもたらされたものであ
ってそう長くは続かない。従って、この状態で、車両の
逆入力に応じて圧縮機を最小吐出容量状態から離脱させ
ることにはあまり意味がないばかりでなく、頻繁なデュ
ーティ比の変更に伴う電力消費量の増大や制御コンピュ
ータ70の演算負荷の増大等の問題が生じるのである。
【0067】(3)エアコンスイッチ73がオフ状態で
なおかつ車両が逆入力状態の時(厳密に言えば逆入力状
態と推定できる時)には、必ず圧縮機を最小吐出容量状
態から離脱させるようにしている。従って、圧縮機の耐
久性をさらに向上させることができるし、前記(1)で
述べた良好な減速及び良好な下り坂の走行フィールを頻
繁に得られる点においても有利となる。
【0068】(4)空調装置においては冷媒として二酸
化炭素が用いられており、冷媒圧力がフロン冷媒を用い
た場合よりも高くなる。従って、圧縮機の最小吐出容量
状態において内部の温度がフロン冷媒の場合よりも上昇
しがちであり、このような構成の空調装置において上述
した逆入力時の制御を行うことは、圧縮機の耐久性を高
める点において特に有効となる。
【0069】○第2実施形態 図5において模式的に示すように、本実施形態の圧縮機
は、エンジンEとの間の動力伝達経路上に電磁クラッチ
等のクラッチ機構Cを備えていることと、遮断弁69を
備えていないことが上記第1実施形態の圧縮機と大きく
異なる。そして、制御コンピュータ70は、オン状態に
あるエアコンスイッチ73がオフされると、クラッチ機
構Cを遮断することで圧縮機の運転を停止させるように
している。
【0070】さて、前記制御コンピュータ70は、エア
コンスイッチ73がオフ状態においては、基本的には図
4のフローチャートと同様な演算処理を行う。同演算処
理において上記第1実施形態と異なる点は、S102及
びS104において二点鎖線の枠内に示す処理を行うこ
とである。すなわち、制御コンピュータ70は、S10
1判定でNo(車両の走行速度が低い)又はS103判
定でNo(車両が逆入力状態にない)と判断すると、S
102においてクラッチ機構Cの遮断状態を維持する。
【0071】一方、制御コンピュータ70は、S101
判定でYesでかつS103判定でYes(車両が逆入
力状態にある)と判断すると、S104において遮断状
態にあるクラッチ機構Cを接続して圧縮機を起動させ、
同圧縮機の単位時間当たりの冷媒吐出量をゼロから増大
させる。従って、エアコンスイッチ73の長期オフ状態
においても圧縮機の長期に渡る停止が防止され、多量の
液冷媒が内部に停留されることを防止でき、摺動部分の
潤滑状態を良好に維持することが可能となる。
【0072】本実施形態においても上記第1実施形態の
(1)〜(4)と同様な効果を奏する。なお、本発明の
趣旨から逸脱しない範囲で以下の態様でも実施可能であ
る。
【0073】・車両の走行速度を検知するための車速セ
ンサを備える。そして、同車速センサからの車速情報
を、制御コンピュータ70による車両が逆入力状態にあ
るか否かの判断材料の一つとすること。
【0074】・車両のブレーキが作動されているか否か
を検知するためのブレーキセンサを備える。そして、同
ブレーキセンサからのブレーキ作動情報を、制御コンピ
ュータ70による車両が逆入力状態にあるか否かの判断
材料の一つとすること。つまり、例えば前述した車速情
報が所定値以上の状態で、ブレーキが作動されているこ
とを検知すると、車両が逆入力状態であると判定する。
【0075】・図4のフローチャートにおいてS104
処理の継続時間を計測するタイマを備える。そして、こ
の継続時間が所定時間を超えた場合には、圧縮機を最小
吐出容量状態に復帰させるか(第1実施形態の場合)、
又はクラッチ機構Cを遮断状態に復帰させること(第2
実施形態の場合)。このようにすれば、S104処理の
長時間の継続が防止され、不必要な冷房が行われること
を極力抑制することが可能となる。
【0076】・上記各実施形態においては、エアコンス
イッチ73がオフ状態でなおかつ車両が逆入力状態の時
には、必ず圧縮機を最小吐出容量状態から離脱(第1実
施形態)又は起動(第2実施形態)させるようにしてい
た。しかし、これに限定されるものではなく、エアコン
スイッチ73がオフ状態において車両が逆入力状態とな
ったとしても、例えば圧縮機の最小吐出容量状態の継続
時間(第1実施形態の場合)、又はクラッチ機構Cの遮
断状態の継続時間(第2実施形態の場合)が短ければ最
小吐出容量状態から離脱させないようにしてもよい。す
なわち、例えば、圧縮機の最小吐出容量状態の継続時間
(第1実施形態の場合)、又はクラッチ機構Cの遮断状
態の継続時間(第2実施形態の場合)を計測するタイマ
を備える。そして、この継続時間が所定時間を超えた場
合にのみ、図4のフローチャートにおいて制御コンピュ
ータ70の処理をS103(Yes)からS104へ移
行させ、所定時間を超えない場合には処理をS103
(Yes)からS102へ移行させること。
【0077】・上記第1実施形態においては、エアコン
スイッチ73がオフ状態でなおかつ車両が逆入力状態の
時には、必ず圧縮機を最小吐出容量状態から離脱させる
ようにしていた。しかし、これに限定されるものではな
く、エアコンスイッチ73がオフ状態において車両が逆
入力状態となったとしても、例えば圧縮機が熱的に厳し
くなければ最小吐出容量状態から離脱させないようにし
てもよい。つまり例えば、圧縮機のハウジングの温度又
は内部の冷媒温度を検出する温度センサを備える。そし
て、この温度が所定温度を超えた場合にのみ、図4のフ
ローチャートにおいて制御コンピュータ70の処理をS
103(Yes)からS104へ移行させ、所定温度を
超えない場合は処理をS103(Yes)からS102
へ移行させること。
【0078】・エアコンスイッチ73のオンオフ状態に
関係なく、車両の逆入力時には必ず圧縮機の単位時間当
たりの冷媒吐出量を増大させるようにすること。つま
り、例えば、本発明の制御装置を備えた圧縮機を車両の
制動装置として捉え、エンジンブレーキの増大を主たる
目的とすること。この場合にも、車両の走行燃費を低下
させることなく圧縮機の耐久性を向上させる目的を達成
できる点において相違はない。
【0079】・制御弁CVの構成としては上記各実施形
態の所謂設定吸入圧可変弁に限定されるものではなく、
外部から制御可能な構成であれば、設定吐出圧可変弁や
単なる電磁弁等何でもよい。
【0080】・上記第2実施形態の容量可変型斜板式圧
縮機を、同じ斜板式又はウエーブカム式或いはスクロー
ル式等の固定容量型圧縮機に変更すること。 ・走行駆動源は電動モータであってもよい。
【0081】上記実施形態から把握できる技術的思想に
ついて記載する。 (1)請求項1〜10のいずれかに記載の制御装置を制
御方法として捉えること。
【0082】(2)請求項1〜10のいずれかに記載の
制御装置を備えた圧縮機を車両の制動装置として捉える
こと。
【0083】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、車
両の走行に関するエネルギー効率(例えば内燃機関を走
行駆動源とするものにおいては燃費)を低下させること
なく、車両空調装置用圧縮機の耐久性を向上させること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 容量可変型斜板式圧縮機(最大吐出容量)の
断面図。
【図2】 容量可変型斜板式圧縮機(最小吐出容量)の
断面図。
【図3】 制御弁の断面図。
【図4】 制御コンピュータの演算処理を説明するフロ
ーチャート。
【図5】 第2実施形態を示す模式図。
【符号の説明】
70…逆入力状態判定手段及び逆入力時制御手段として
の制御コンピュータ、76…車両状態検知手段としての
アクセル開度センサ、77…同じく回転速度センサ、E
…走行駆動源としてのエンジン、W…走行輪。
フロントページの続き (72)発明者 山田 健史 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 Fターム(参考) 3H045 AA04 AA10 AA13 AA27 BA19 BA32 CA21 DA10 DA25 EA33 EA38 3H076 AA06 BB26 BB33 CC12 CC20 CC84

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の走行輪を駆動するための走行駆動
    源によって駆動される車両空調装置用圧縮機の制御装置
    において、 前記車両の運転状態を検知する車両状態検知手段と、 前記車両状態検知手段からの運転情報に基づいて、車両
    が走行輪から走行駆動源への逆入力状態にあるか否かを
    判定する逆入力状態判定手段と、 前記車両の逆入力時において、圧縮機の単位時間当たり
    の冷媒吐出量を増大させる逆入力時制御手段とを備えた
    ことを特徴とする制御装置。
  2. 【請求項2】 前記車両空調装置用圧縮機は吐出容量可
    変型であって、前記逆入力時制御手段は、圧縮機の吐出
    容量を増大させることで単位時間当たりの冷媒吐出量を
    増大させる構成である請求項1に記載の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記逆入力時制御手段は、圧縮機の最小
    吐出容量状態において車両が逆入力状態となると、同圧
    縮機を最小吐出容量状態から離脱させることで単位時間
    当たりの冷媒吐出量を増大させる構成である請求項2に
    記載の制御装置。
  4. 【請求項4】 前記車両空調装置用圧縮機はクランク室
    の圧力を調節することで吐出容量を変更可能であるとと
    もに最小吐出容量がゼロではない容量に設定されてお
    り、同最小吐出容量状態では外部冷媒回路を経由した冷
    媒循環が停止されるとともに、吐出室からクランク室及
    び吸入室を経由して圧縮室に至る圧縮機内部の冷媒循環
    回路が形成される構成である請求項3に記載の制御装
    置。
  5. 【請求項5】 前記車両空調装置用圧縮機は、走行駆動
    源に対してクラッチ機構を介することなく直結されてい
    る請求項1〜4のいずれかに記載の制御装置。
  6. 【請求項6】 前記車両空調装置用圧縮機は走行駆動源
    に対してクラッチ機構を介して作動連結されており、前
    記逆入力時制御手段は、クラッチ機構が遮断された状態
    において車両が逆入力状態となると、同クラッチ機構を
    接続することで圧縮機を起動させて単位時間当たりの冷
    媒吐出量をゼロから増大させる構成である請求項1に記
    載の制御装置。
  7. 【請求項7】 前記逆入力時制御手段は、車両空調装置
    をオンオフするエアコンスイッチがオフ状態での車両の
    逆入力時にのみ、圧縮機の単位時間当たりの冷媒吐出量
    を増大させる請求項1〜6のいずれかに記載の制御装
    置。
  8. 【請求項8】 前記車両状態検知手段は、車両のアクセ
    ル開度を検知するためのアクセル開度センサを備え、前
    記逆入力状態判定手段はアクセル開度センサからのアク
    セル開度情報を、車両が逆入力状態にあるか否かの判断
    材料の一つとしている請求項1〜7のいずれかに記載の
    制御装置。
  9. 【請求項9】 前記車両状態検知手段は、走行駆動源の
    回転速度を検知するための回転速度センサを備え、前記
    逆入力状態判定手段は回転速度センサからの回転速度情
    報を、車両が逆入力状態にあるか否かの判断材料の一つ
    としている請求項1〜8のいずれかに記載の制御装置。
  10. 【請求項10】 前記車両空調装置においては、冷媒と
    して二酸化炭素が用いられている請求項1〜9のいずれ
    かに記載の制御装置。
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