JP2002196251A - レンズ系 - Google Patents

レンズ系

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JP2002196251A
JP2002196251A JP2000345076A JP2000345076A JP2002196251A JP 2002196251 A JP2002196251 A JP 2002196251A JP 2000345076 A JP2000345076 A JP 2000345076A JP 2000345076 A JP2000345076 A JP 2000345076A JP 2002196251 A JP2002196251 A JP 2002196251A
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lens
lens system
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aberration
radial type
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JP2000345076A
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English (en)
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Hirobumi Tsuchida
博文 槌田
Toshiyuki Nagaoka
利之 永岡
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極めて少ないレンズ枚数で諸収差が十分良
好に補正されるようにする。 【解決手段】 物体の拡大像を形成するレンズ系で、
両面平面のラジアル型屈折率分布レンズと少なくとも1
枚の均質正レンズと少なくとも1枚の均質負レンズとを
含むようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、顕微鏡対物レンズ
やデジタルカメラ用撮像レンズ等に用いられるレンズ系
で、NAが大きく、諸収差が良好に補正されていて、構
成枚数が3〜4枚程度の少ない枚数よりなるレンズ系に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】顕微鏡対物レンズは、NAが大であっ
て、視野数が大きく、作動距離が長いことが求められ
る。
【0003】このような顕微鏡対物レンズの従来例とし
て、特開昭54−58038号公報に記載されたレンズ
系が知られている。この公報に記載されている顕微鏡対
物レンズは、7枚構成で、NAが0.3、視野数30m
m、作動距離8.4mm程度のものである。
【0004】無限遠設計の顕微鏡対物レンズは、物体の
拡大像が無限遠に形成されるように設計され、対物レン
ズの像側で軸上マージナル光線が光軸に平行である。
【0005】また、顕微鏡対物レンズにおいては、効率
の良い照明を行なうために入射瞳位置が無限遠方にある
ようにする必要があり、そのために対物レンズの物体側
で、主光線が光軸に平行になる。
【0006】これらの様子を示したのが図5である。図
において、1は物体、2はレンズ系、3の矢印は拡大像
の方向を示し、拡大像が無点遠形成されることを示す。
また4はレンズ系2より射出する軸上マージナル光線、
5はレンズ系2に入射する軸外主光線である。
【0007】また、少ないレンズ枚数で光学性能を向上
させるためにレンズ系中の光学要素としてラジアル型屈
折率分布レンズ(不均質レンズ)を用いることが有効で
あり、このラジアル型屈折率分布レンズは、通常の均質
レンズに比べてペッツバール和と色収差の補正能力に優
れていることが知られている。
【0008】 は次の式(1)にて表わされる。 2,・・・)は波長λにおける屈折率分布を表わす係数
である。
【0009】また、ラジアル型屈折率分布レンズのアッ
ベ数Vi0は下記のように定義される。 Vi0=Ni0d/(Ni0F−Ni0C) (i=1,2,3,・・・) V00=(N00d−1)/(N00F−N00C) (i=0) ただし、Ni0d、Ni0F、Ni0CおよびN00d、N00F、N
00Cは夫々d線、F線、C線における屈折率分布係数N
i0、N00である。
【0010】また、ラジアル型屈折率分布レンズの部分
分散比Pi0dC(i=0,1,2,3,・・・)は下記の
ように定義される。 Pi0dC=(Ni0d−Ni0C)/(Ni0F−Ni0C
【0011】また、ラジアル型屈折率分布レンズが両面
平面の場合(ウッドレンズの場合)、そのパワーφ
mは、近似的に次の式にて表わされる。 φm=−2N10m ただしtmはレンズの厚みである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】特開昭54−5803
8号公報に記載されたような従来の顕微鏡対物レンズ
は、レンズ構成枚数が多く、レンズおよび鏡枠構造が複
雑であって、コスト高になる欠点を有する。
【0013】本発明は、レンズ構成枚数が3枚程度と極
めて少なく、諸収差が良好に補正された顕微鏡対物レン
ズあるいはデジタルカメラの撮影レンズ等に用い得るレ
ンズ系を提供するものである。また、本発明は、gライ
ンを含む可視光全域にわたって色収差が小さく、レンズ
構成枚数が4枚程度で顕微鏡対物レンズや撮像レンズ等
に用い得るレンズ系を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明のレンズ系は、物
体の拡大像を形成するもので、レンズ系の最も物体側に
配置された両面平面のラジアル型屈折率分布レンズと、
少なくとも1枚の正の屈折力の均質レンズと、少なくと
も1枚の負の屈折力の均質レンズとを含むことを特徴と
する。
【0015】本発明のレンズ系は、少ないレンズ枚数で
諸収差を良好に補正し得るように収差補正能力の高いラ
ジアル型屈折率分布レンズを用いた。また、このラジア
ル型屈折率分布レンズの両面を平面にし、このレンズを
いわゆるウッドレンズにすることにより、レンズ面の研
磨が簡単で組立が容易な実用上利用価値が高い構成にし
た。
【0016】しかし、ウッドレンズ1枚にて例えば物体
の拡大像を形成するレンズ系である顕微鏡対物レンズを
構成する場合、十分良好な収差補正を実現することが困
難であり、したがって本発明のレンズは、ウッドレンズ
と負レンズと正レンズとの2枚の均質レンズを含むよう
にした。
【0017】ここで、ラジアル型屈折率分布レンズの3
次の収差係数について述べる。
【0018】ラジアル型屈折率分布レンズの3次の収差
係数は、面の寄与asi(i=1、2、・・・)と媒質の
寄与amiとの和で与えられる。また、面の寄与は通常の
ベースガラス(同一形状の均質レンズ)の面の寄与と、
屈折率が分布していることによって発生する付加的な寄
与とに分けられる。ウッドレンズの場合、両面が平面で
あるため、屈折率が分布していることにより発生する付
加的寄与は0になる。したがって、ウッドレンズの3次
収差係数は、通常のベースガラスによる面の寄与と媒質
の寄与との和になる。
【0019】1970年発行J.O.S.A.60巻、
1436頁に示されているように、通常のベースガラス
による面の球面収差の寄与as1、コマ収差の寄与as2
非点収差の寄与as3は、夫々下記の式(6)、(7)、
(8)にて表わされる。
【0020】ここでサフィックスj(j=1,2)は、
j番目の面を表わす。
【0021】また、上記式(6)、(7)、(8)で
a、qは次の式にて求められる。 q=ib/ia (10)
【0022】上記式(9)、(10)において、N0
光軸上の屈折率、ya、u ' aは夫々軸上マージナル光線
の光線高および光線角度、ia、ibは夫々軸上マージナ
ル光軸および主光線の入射角度であって、プライムは、
屈折後の光線に対するものであることを表わしている。
【0023】また、媒質による球面収差の寄与a * 1
コマ収差の寄与a * 2、非点収差の寄与a * 3は次の式
(11)、(12)、(13)に示す通りである。
【0024】上記式(11)、(12)、(13)にお
いて、yb、ub’は夫々主光線の光線高および光線角
度、▽はラジアル型屈折率分布レンズの面における接平
面上で評価した値の前面と後面の差である。
【0025】ウッドレンズ1枚にて像位置がほぼ無限遠
設計の顕微鏡対物レンズを設計する場合、レンズ系の像
側の面つまりウッドレンズの像側の面では軸上マージナ
ル光線が垂直であり、したがってia=0である。また
ウッドレンズの物体側の面では、軸外主光線が面に垂直
であり、したがってib=0である。そのため式
(7)、(8)におけるq a=0になる。そのためコマ
収差の寄与および非点収差の寄与は、両方の面で0にな
る。又、ウッドレンズの像側の面ではia=0であるた
め、球面収差の寄与は0になる。
【0026】結局、ウッドレンズ1枚のみにて形成され
た顕微鏡対物レンズは、球面収差の寄与A1、コマ収差
の寄与A2、非点収差の寄与A3が夫々(14)、(1
5)、(16)のようになる。 A1=as11+a * 1 (14) A2=a * 2 (15) A3=a * 3 (16) ここで、as11は物体側の面で発生する球面収差であ
る。
【0027】更にウッドレンズの像側の面では、軸上マ
ージナル光線が面に垂直であり、物体側の面では、主光
線が面に垂直であることを考慮すると式(15)、(1
6)にて与えられるa * 2、a * 3の第1項は0である。
したがってA1、A2、A3は次の式(17)、(1
8)、(19)のようになる。
【0028】上記式(17)、(18)、(19)によ
り、ウッドレンズを像位置がほぼ無限遠設計の顕微鏡対
物レンズに適用した時のレンズ系の特性を導くことがで
きる。
【0029】次に顕微鏡対物レンズを逆追跡した場合を
説明する。
【0030】前記式(17)、(18)、(19)にお
いて、各項のうち積分を含む項に着目する。
【0031】これら積分を含む項において、u ' a,u
' bは積分区間の片側で0になり、積分区間全体にわた
って小さい値であり、又ybはyaに比べて小さい値であ
る。したがって、前記式(17)、(18)、(19)
における積分を含む項のうちu ' a・u ' bおよびu ' a
・yaを含む第2項以降は小さい値になると推測され
る。ここでN20=0とすると、積分内の第1項は0にな
り、又積分項全体は小さい値になることが推測される。
したがって、コマ収差の寄与A2と非点収差の寄与A
3は、小さい値となる。
【0032】また、球面収差の寄与A1は、積分を含む
項以外の項(積分を含まない項)を有し、これら積分を
含まない項はすべて負の符号を持ち、無視できない大き
さの値であり、その合計である球面収差の寄与A1は、
大きな負の値を有すると推測できる。
【0033】更に、N20を変化させた時の各収差の変化
量は、A1、A2、A3に対し夫々下記の値に比例する正
の傾きを持ち、その値は球面収差が最も大、非点収差が
最も小、コマ収差がその中間の傾きである。
【0034】図6(a)はウッドレンズ1枚よりなり、
倍率が×10、開口数NAが0.3のレンズ系の球面収
差SA、コマ収差COMA、非点収差ASの変化を示す
図で、横軸にN20をとった場合を示す。
【0035】これら図に示す収差は、各収差の寄与をレ
ンズ系の最終面以降のマージナル光線角度で割った値で
あって、いわゆる収差量である。
【0036】図6(a)より、このスペックでは、N20
=0の時にコマ収差COMAと非点収差ASはほとんど
0であり、球面収差SAは、大きな負の収差が残存す
る。
【0037】逆に球面収差SAが0になるN20では、コ
マ収差COMAは正に発生し、非点収差ASは発生量が
非常に小さい。
【0038】図6(b)は、ウッドレンズ1枚よりな
り、倍率が×20で、開口数NAが0.5のスペックの
レンズ系の球面収差SA、コマ収差COMA、非点収差
ASを横軸にN20をとったときの変化を示す。
【0039】この図6(b)から、図6(a)と同様の
ことがわかる。又、他のスペックのレンズ系でも、図6
(a)、(b)に示すものと同様の傾向が得られる。
【0040】以上のことから、ウッドレンズ1枚により
現実なスペックの顕微鏡対物レンズを設計する場合、N
20=0とすることにより、コマ収差、非点収差を小さく
することができるが、その場合球面収差は負の大きな値
になる。逆に、N20の値を調整して球面収差を補正する
とコマ収差が正に発生する。
【0041】ウッドレンズ1枚で、倍率が×10、NA
が0.3のスペックのレンズ系を構成し、N20=0にし
た時の実際の設計例は、図7に示す通りで下記のデータ
ーの通りである。 r1=∞ d1=21.22 n1(屈折率分布レンズ) r2=∞ d2=11.2 r3=∞ d3=0.17 n2=1.52100 ν2=56.0 r4=∞ 屈折率分布レンズ N00=1.70000 N10=-0.00150 N20=0 V00=40.0 V10=343 P00dC=0.295 P10dC=0.437 倍率10×(f=18mm),NA/0.3 視野数30mm(物体範囲3.0mm),WD=11.2mm
【0042】尚CG(r3〜r4)はカバーガラスであ
る。
【0043】又、この設計例の収差状況は図8に示す通
りである。この収差図より明かなように、図8に示す設
計例のレンズ系は、コマ収差と非点収差は小さいが球面
収差が大きく発生している。この結果は、前述の3次収
差係数を用いての説明と一致する。
【0044】以上の説明より明らかなように、顕微鏡対
物レンズをウッドレンズ1枚にて構成することは困難で
ある。
【0045】以上述べたように、顕微鏡対物レンズ等の
レンズ系を両面平面のラジアル型屈折率分布レンズ(ウ
ッドレンズ)1枚にて構成すると光学性能が十分良好な
レンズ系を実現することができない。
【0046】しかし、レンズ系をウッドレンズと均質レ
ンズとにて構成すれば、製作が容易なラジアル型屈折率
分布レンズを用いしかも全体のレンズ枚数の少ない小型
なレンズ系であって、更に光学性能の良好なレンズ系を
実現し得る。
【0047】前述のようにウッドレンズのみの場合球面
収差が残存する。また、ウッドレンズのV10の値を調節
することにより軸上色収差を補正し得るが倍率の色収差
は残存する。
【0048】このように、ウッドレンズのみでは補正で
きない球面収差と倍率の色収差を補正するためには、ウ
ッドレンズのほかに少なくとも均質正レンズ1枚と均質
負レンズ1枚を用いる必要がある。
【0049】そのため、本発明のレンズ系は、前述のよ
うに物体の拡大像を形成するもので、最も物体側にラジ
アル型屈折率分布レンズを配置し、その像側に少なくと
も1枚の正の均質レンズと少なくとも1枚の負の均質レ
ンズを含むことを特徴とする。また、上記構成によって
少ないレンズ枚数で光学性能の良好なレンズ系になし得
る。
【0050】上記の説明は、顕微鏡対物レンズのように
物体の拡大像を形成するレンズ系について述べたが、例
えば前記構成のレンズ系の物体の位置にCCD等の撮像
素子を配置し、レンズ系の像側で撮像素子と共役な位置
(近傍)にある物体の縮小像を撮像素子の受光面上に形
成するようにすることにより、撮像レンズになし得る。
【0051】即ち、本発明の他の構成は、物体の縮小像
を形成するレンズ系であって、最も像側に配置された両
面平面のラジアル型屈折率分布レンズと、その物体側に
配置された少なくとも1枚の均質正レンズと少なくとも
1枚の均質負レンズとを含むことを特徴とするレンズ系
である。
【0052】そして、このような構成にすることによ
り、前記顕微鏡対物レンズのような物体の拡大像を形成
するレンズ系と同様に、極めて少ないレンズ枚数で光学
性能が良好である物体の縮小像を形成するレンズ系を実
現し得る。
【0053】また、N20=0の時、係数N10は、収差に
あまり影響をもたないことが次の説明より明らかであ
る。
【0054】即ち、N20=0の場合、コマ収差と非点収
差は非常に小さい値になり、又球面収差は式(17)の
第1項と第2項とにて与えられる。この球面収差は、軸
上屈折率N00と軸上マージナル光線の光線高と光線角度
とにのみ依存する。しかしウッドレンズのパワーを保つ
ように厚みを変化させてN10の値を変化させる時、軸上
マージナル光線の光線高と光線角度の変化は僅かであ
る。したがってウッドレンズの厚みを変化させてN10
値を変化させても球面収差、コマ収差、非点収差の値は
大きく変化することはないことが予想される。
【0055】下表および図9は、N10の値を変化させた
時の各収差の変化について示したものである。この表か
らN10の値を変化させても、球面収差、コマ収差、非点
収差の値は大きく変化することはない。
【0056】前記ウッドレンズにおいてN10の値を変化
させた時、球面収差、コマ収差、非点収差の値等の変化
は、次の表の通りである。
【0057】 表 (A) (B) (C) N10 −0.0010 −0.0015 −0.0020 Δn 0.029 0.044 0.058 dG(mm) 36.80 21.22 15.24 WD(mm) 5.35 11.20 13.19 球面収差 −0.1384 −0.2100 −0.2357 コマ収差 0.0026 −0.0060 −0.0080 非点収差 0.0019 0.0021 0.0021
【0058】上記表の(A)、(B)、(C)のN10
−0.0010、−0.0015、−0.0020の時
のレンズの断面図は、夫々図9の(A)、(B)、
(C)の通りである。
【0059】上記の通り、ウッドレンズのN10の値を変
化させても各収差は大きくは変化しない。
【0060】したがってN10の値の小さい素材つまりΔ
nの小さい素材(表の(A))でも図9(A)のように
レンズの厚さdGを大にすることによってΔnの大きな素
材に近い光学性能のレンズにすることができる。しかし
この場合上記表に示すように作動距離は短くなる。
【0061】次に、本発明のレンズ系は、ラジアル型屈
折率分布レンズを実現しやすい素材で、レンズ系の大き
さとバランスから下記条件(A)を満足する素材を用い
ることが望ましい。 距離である。
【0062】条件(A)の上限の0.7を超えると、Δ
nの大きな素材が必要になり、屈折率分布レンズの製作
が極めて困難になる。また下限の0.05を超えると屈
折率分布レンズが厚くなり、その上必要十分な作動距離
が取れなくなる。また面にパワーを持たせて屈折率分布
レンズを薄くすることが考えられるが、面で発生する収
差の補正が困難になる。特に本発明のレンズ系を顕微鏡
対物レンズとして用いる場合、一層良好な収差補正が必
要になり、屈折率分布レンズは両面平面であることが好
ましい。
【0063】前記条件(A)の代りに下記条件(A−
1)を満足すればより好ましい。
【0064】本発明のレンズ系は、実現しやすい素材と
レンズ系の大きさとのバランスを考えると、下記条件
(B)を満足することが望ましい。 (B) 0.2<dG・WD/f2<2 ただし、dGは屈折率分布レンズの厚み、WDはレンズ
系の作動距離である。
【0065】条件(B)の上限の2を超えると屈折率分
布レンズが厚くなる。下限の0.2を超えるとΔnを大
にする必要がある。しかしΔnの大きな屈折率分布レン
ズの素材の製作は困難である。
【0066】また、条件(A)と条件(B)を同時に満
足すればより望ましい。
【0067】前述の図7に示すウッドレンズは、球面収
差が残存する。またV10の値を適切に選ぶことにより軸
上収差は補正し得るが倍率の色収差は残存する。これら
残存する球面収差および倍率の色収差は、均質正レンズ
1枚と均質負レンズ1枚を付加することにより補正する
ことが可能である。このようにウッドレンズと均質正レ
ンズと均質負レンズとよりなるレンズ系において、ウッ
ドレンズのパワーを大にして、レンズ系全系で必要なパ
ワーをこのウッドレンズに持たせるので、正レンズと負
レンズの合成のパワーは小さくてよく、又作動距離を大
にするためにはこの合成パワーは負のパワーであること
が望ましい。
【0068】本発明のレンズ系は、上記構成で、下記条
件(C)を満足することが望ましい。 (C) −0.8<fG/f23<−0.01 ただし、fGはラジアル型屈折率分布レンズの焦点距
離、f23はラジアル型屈折率分布レンズ以外のレンズの
合成焦点距離である。
【0069】条件(C)においてfG/f23の値が下限
の−0.8を超えるとラジアル型屈折率分布レンズのパ
ワーが小さくなり諸収差を良好に補正することが困難に
なる。またfG/f23が条件(C)の上限の−0.01
を超えるとラジアル型屈折率分布レンズのパワーを極端
に強くする必要があり素材の製作上好ましくない。
【0070】また、条件(C)の代りに下記条件(C−
1)を満足すればより望ましい。 (C−1) −0.6<fG/f23<−0.1
【0071】顕微鏡対物レンズなどのように、色収差を
良好に補正することが重要であるレンズ系は、部分分散
比の扱いが問題である。
【0072】1998年発行のアプライド オプティク
ス 第37巻 622頁に記載されているように、ラジ
アル型屈折率分布レンズを用いたレンズ系は、P10dC
0.3という近似が多く用いられている。これは、ラジ
アル型屈折率分布レンズは、その部分分散比が通常のガ
ラスの部分分散比と同等の値をとると考えてのことであ
る。しかし、ラジアル型屈折率分布レンズの部分分散比
を通常のガラスの部分分散比と同じ値を持たせること
は、大きなアッベ数V10に対しては、素材特性として作
りにくいものになり、具体的にはV10が100以上にな
ると作りにくくなる。
【0073】そのため、本発明では、作り易い部分分散
比のラジアル型屈折率分布レンズを考えた。
【0074】ラジアル型屈折率分布レンズは、微小なガ
ラスの集まりであると考えられる。そして、この微少な
ガラスは、夫々ヘルツベルガーの関係式を満足するよう
な常分散のガラスになるようにすることが、製作が容易
な屈折率分布レンズにするための要件であり、この考え
にもとづけば、ヘルツベルガーの関係式から作り易い素
材にするための部分分散比の条件を求めることができ
る。
【0075】ヘルツベルガーの関係式により均質ガラス
の屈折率は、次の式(20)にて与えられる。 アッベ数であり、A(λ)、B(λ)は夫々下記の式
(21)、(22)の通りである。
【0076】近軸的な扱いをする場合、ラジアル型屈折
率分布レンズの屈折率分布は、次の式にて表わされると
考えられる。
【0077】式(23)から、ラジアル型屈折率分布レ
ンズの中心および中心から微小量δr離れた場所での屈
折率は、下記式(24)、(25)のように表わされ
る。 アッベ数である。
【0078】また式(23)から次の式(26)が得ら
れる。
【0079】式(24)、(25)を式(26)に代入
すれば、次の式(27)が得られる。
【0080】ここで、ヘルツベルガーの式には次のよう
な関係がある。 A(d)=B(d)=0 (28) A(F)−A(C)=1 (29) B(F)=B(C) (30)
【0081】式(27)と、式(30)とから部分分散
比P10dCに関し、次の式が得られる。
【0082】この式(31)が、作り易い素材にするた
めの部分分散比の条件である。
【0083】この式(31)により通常のアッベ数が5
0程度のガラスは、部分分散比P 10dCが0.3になる
が、アッベ数が大であると、0.3から乖離することが
わかる。そのため、作り易い素材にするためには、次の
条件(D)を満足することが望ましい。
【0084】 (D) −0.01<(P10dC−0.2756)/V10<0.01
【0085】また、条件(D)の代りに次の条件(D−
1)を満足すればより望ましい。(D−1) −0.0
04<(P10dC−0.2756)/V10<0.006
【0086】また、ラジアル型屈折率分布レンズと1枚
の均質正レンズと1枚の均質負レンズとにて構成される
本発明のレンズ系において、軸上色収差と倍率の色収差
との両方を良好に補正するためには、次の条件(E)を
満足することが望ましい。 (E) 1<νn/νp<3 ただし、νn、νpは夫々均質負レンズおよび均質正レン
ズのアッベ数である。
【0087】上記の本発明のレンズ系は、ラジアル型屈
折率分布レンズ以外のレンズつまり均質正レンズと均質
負レンズの合成のパワーが負になることが望ましい。そ
のためこの条件(E)は均質負レンズで発生する色収差
を均質正レンズで発生する色収差により効率よく補正す
るための条件である。
【0088】条件(E)において、上限の3を超えると
均質負レンズで発生する色収差が補正過剰になる。また
下限の1を超えると色収差が補正不足になり好ましくな
い。
【0089】本発明のレンズ系は、色収差の発生量が極
めて少ない両面平面のラジアル型屈折率分布レンズを用
いており、したがって、条件(E)を満足することがレ
ンズ系の色収差を良好に補正するためには重要である。
特に顕微鏡対物レンズのように、倍率が大であって、色
収差の補正が困難であるレンズ系に本発明のレンズ系を
適用する場合、条件(E)を満足するようにすることは
有効である。
【0090】又、条件(E)の代りに下記条件(E−
1)を満足することが望ましい。 (E−1) 1.5<νn/νp<2.7
【0091】前述の条件(A)〜条件(E)に関する説
明は、主として顕微鏡対物レンズのように物体の拡大像
を形成するレンズ系について行なったが、既に述べたよ
うに、物体の縮小像を形成するレンズ系においても適用
できる。
【0092】つまり、物体の縮小像を形成するレンズ系
であって、最も像側に配置された両面平面のラジアル型
屈折率分布レンズと、少なくとも1枚の均質正レンズと
少なくとも1枚の均質負レンズとを含む本発明のレンズ
系において、条件(A)、(B)、(C)、(D)、
(E)のいずれかの少なくとも一つの条件を満足するレ
ンズ系は、前述の理由により望ましい構成である。
【0093】次に、本発明の他の構成のレンズ系は、次
の通りである。
【0094】即ち、物体の拡大像を形成する光学系であ
って、最も物体側に配置された両面平面のラジアル型屈
折率分布レンズと、少なくとも1枚の均質正レンズと、
少なくとも1枚の均質負レンズを含み、下記条件(F)
を満足するレンズ系である。 ただし、φiは均質レンズのパワー、φTはレンズ系全系
のパワー、P00gdiおよびνiは均質レンズのgラインと
dラインの間の部分分散比およびアッベ数である。
【0095】ここで、ng、nd、nF、nCをそれぞれ、
均質レンズのgライン、dライン、Fライン、Cライン
の屈折率で、P00gdiは以下のように表わされる。 P00gdi=(ngi−ndi)/(nFi−nCi
【0096】本発明のレンズ系において用いるラジアル
型屈折率分布レンズ(ウッドレンズ)で製作が容易な屈
折率分布素材は、前述のように式(27)を満足するこ
とが望ましい。このことを立証するために一例として、
ゾルゲル法により作製されたSiO2−BaO−TiO2
−K2系サンプルの色分散特性に関する測定を行なっ
た。
【0097】このサンプルは、ある程度色収差を有して
おり、(V10〜80)、色分散特性を詳細に調べるため
には有利である。
【0098】上記のサンプルの主な特性は、下記の表の
通りである。
【0099】このサンプルについてのg,F,e,d,
Cの各ラインに相当する波長に対する色収差を測定した
結果を示したのが図11である。
【0100】この測定原理はOPTICAL REVI
EW (Vol.7,No.4(2000),P337
−340)に記載する方法にもとづくもので、各波長で
のテストターゲットの結像位置の違いを測定したもの
で、測定時の倍率は−3.6である。またこの図11に
示す色収差は、媒質の色分散特性に大きく関係するもの
であり、測定値を光線追跡とベストフィッティングの方
法にてN10の係数に換算したものを図12に示してあ
る。この図において△印は測定点、実線aは式(27)
にて与えられる理論曲線で、理論値は側定点になるべく
一致するようにV 10を定めてある。
【0101】図13により測定値は、式(27)に従う
ことがわかる。これにより、式(27)は通常のラジア
ル型屈折率分布レンズの素材の色分散特性を表わすのに
有効な式であると考えられる。
【0102】ここで、式(27)は、均質ガラスの波長
分散を表わすヘルツベルガーの分散式と同等の形式であ
り、この式にしたがう場合は、常分散となる。
【0103】したがって、測定したサンプルの色分散
は、常分散である。
【0104】図13は、上記サンプルの測定値のP10gd
を部分分散比を示すガラスマップ上にプロットしたもの
である。
【0105】この図13に示すように、前記サンプルの
△印にて示す測定値がヘルツベルガーの関係式にて与え
られる直線bの上にほぼ乗っており、前記サンプルの素
材が式(27)にて与えられる常分散であることを、図
12とは別の形式にて示したものになっている。尚図1
3においてx印は典型的な均質ガラスの部分分散比を示
す。
【0106】ここで、ラジアル型屈折率分布素材の部分
分散比Pi0gdは、次のように定義される。 Pi0gd=(ni0g−ni0d)/(ni0F−ni0C) (i=0,1,2,・・・) ただし、gはgラインを表わす。
【0107】以上のように、通常のラジアル型屈折率分
布素材は、式(27)にて与えられる常分散特性を持つ
と考えられる。したがって、本発明のレンズ系における
均質レンズが常分散であれば、レンズ系全体としても常
分散になり、CラインとFラインの色収差を補正して
も、gラインなどのいわゆる2次スペクトルは残存す
る。
【0108】したがって、レンズ系中の均質レンズに異
常分散性の材料を用いることにより、レンズ系全体の2
次スペクトルを減少させることができる。そのために
は、下記条件(F)を満足することが望ましい。 この条件(F)は、2次スペクトルを小さく抑えるため
のものであり、この 部分分散比の常分散からのずれを表わす。
【0109】この条件(F)において、下限の0を超え
るとレンズ系の2次スペクトルが補正不足になり、また
上限の0.3を超えるとレンズ系の2次スペクトルが補
正過剰になる。
【0110】上記条件(F)の代わりに次の条件(F−
1)を満足すれば一層望ましい。
【0111】つまり、条件(F)のうちの下限の0を
0.02に、又上限の0.3を0.2に代えれば2次ス
ペクトルを一層小さく抑えることができる。
【0112】また、前記構成のレンズ系において、前掲
の条件(A)、(B)、(D)の少なくとも一つの条件
を満足すれば更に望ましい。
【0113】上記の可視光全域にわたって色収差をより
良好に補正するように条件(F)又は(F−1)を満足
する構成のレンズ系も、顕微鏡対物レンズとして用いら
れるものであるが、レンズ系の物体の位置にCCD等の
撮像素子を配置し、レンズ系の像側で撮像素子と共役な
位置(近傍)にある物体の縮小像を撮像素子の受光面上
に形成するようにすることにより、撮像レンズになし得
る。
【0114】即ち、物体の縮小像を形成するレンズ系で
あって、最も像側に配置された両面平面のラジアル型屈
折率分布レンズと、その物体側に配置された少なくとも
1枚の均質正レンズと少なくとも1枚の均質負レンズと
を含むもので、前記条件(F)又は条件(F−1)を満
足する構成にして撮像レンズとして用いることができ
る。
【0115】
【発明の実施の形態】次に本発明のレンズ系の実施の形
態を、図示する顕微鏡対物レンズの実施例1、2、3に
もとづいて説明する。
【0116】本発明の実施例は、図1、2、10に示す
通りで下記のデータを有する。
【0117】 実施例1 r1=65.8780 d1=1.60 n1=1.84666 ν1=23.8 r2=840.579 d2=7.40 r3=-18.6432 d3=1.00 n2=1.88300 ν2=40.8 r4=-37.5398 d4=0.40 r5=∞ d5=26.90 n3(屈折率分布レンズ1) r6=∞ d6=9.07 r7=∞ d7=0.17 n4=1.52100 ν4=56.0 r8=∞ 屈折率分布レンズ1 N00=1.70000 N10=-0.00150 N20=5.83×10-700=40.0 V10=370.0 V20=370.0 P00dC=0.295 P10dC=0.450 P20dC=0.450 倍率10×(f=18mm),NA/0.3 視野数30mm(物体範囲3.0mm),WD=9.1mm G・WD/f2=0.756、fG/f23=−0.143 (P10dC−0.2756)/V10=0.000471、 νn/νp=1.71
【0118】 実施例2 r1=−25.6754 d1=1.515 n1=1.84666 ν1=23.8 r2=−15.6076 d2=4.000 r3=−10.3209 d3=1.000 n2=1.64000 ν2=60.1 r4=49.6867 d4=4.447 r5=∞ d5=31.822 n3(屈折率分布レンズ2) r6=∞ d6=3.000 r7=∞ d7=0.170 n4=1.52100 ν4=56.0 r8=∞ 屈折率分布レンズ2 N00=1.65000 N10=-0.002428 N20=2.05×10-630=2.31×10-1000=40.0 V10=206.0 V20=206.0 V30=206.0 P00dC=0.295 P10dC=0.373 P20dC=0.373 P30dC=0.373 倍率20×(f=9.0mm),NA/0.4 視野数26.5mm(物体範囲1.325mm),WD=3.0mm G・WD/f2=1.179、fG/f23=−0.429 (P10dC−0.2756)/V10=0.000473、 νn/νp=2.53
【0119】 実施例3 r1=-63.9185 d1=1.57 n1=1.84666 ν1=23.8 r2=-21.6931 d2=2.57 r3=-14.3229 d3=1.00 n2=1.88300 ν2=40.8 r4=∞ d4=0.15 r5=25.8888 d5=3.74 n3=1.43875 ν3=95.0 r6=-28.9168 d6=0.15 r7=∞ d7=27.92 n4(屈折率分布レンズ3) r8=∞ d8=9.00 r9=∞ d9=0.17 n5=1.52100 ν5=56.0 r10=∞ 屈折率分布レンズ3 N00=1.70000 N10=-0.00120 N20=8.51×10-700=40.0 V10=370 V20=370 P00dC=0.295 P10dC=0.452 P20dC=0.452 P00gd=1.284 P10gd=0.538 P20gd=0.538 倍率10×(f=18mm),NA/0.3 視野数30mm(物体範囲3.0mm),WD=9.0mm G・WD/f2=0.776 (P10dC−0.2756)/V10=0.000477 ただし、r1,r2・・・はレンズ各面の曲率半径、
1,d2・・・は各レンズの肉厚および空気間隔、
1,n2・・・は各レンズの屈折率、ν1,ν2・・・は
各レンズのアッベ数である。尚、r1,r2・・・、
1,d2・・・等の長さの単位はmmである。
【0120】実施例1は、図1に示す通りの構成であ
る。この図は右側が物体側であり、像側より光線を入射
させて逆追跡を行なった状態の通りに記載してある。
【0121】この実施例1は、物体側よりつまり図面右
側より両面平面のラジアル型屈折率分布レンズLG(r
6〜r5)と均質負レンズLN(r4〜r3)と均質正レン
ズLP(r2〜r1)とよりなる。また平行平面板CG
(r8〜r7)はカバーガラスである。
【0122】この実施例1は、倍率が10×でNAが
0.3の顕微鏡対物レンズである。この実施例1の逆追
跡(像側より平行光束を入射させて物体面r8上に結像
させる)の時の収差曲線図は図3に示す通りである。こ
の収差曲線図におけるgラインは、式(27)により計
算した時の値にもとづくものである。
【0123】実施例2は図2に示す通りで、図1と同様
逆追跡によるもので右側が物体側である。
【0124】この実施例2は、物体側より順に、両面平
面のラジアル型屈折率分布レンズLG(r6〜r5)と均
質負レンズLN(r4〜r3)と均質正レンズLP(r2
〜r1)とよりなる。
【0125】この実施例2は、倍率が20×で、NAが
0.4の顕微鏡対物レンズで、物体側の平行平面板CG
(r8〜r7)はカバーガラスである。
【0126】この実施例の収差状況は、図4(逆追跡に
よる)に示す通りで、又図中gラインは式(27)によ
り計算された値にもとづくものである。
【0127】実施例3は、図10に示す通りの構成のレ
ンズ系で、物体側より順に(図面右側より順に)、ウッ
ドレンズつまり屈折率分布レンズLG(r8〜r7)と、
均質正レンズLP1(r6〜r5)と、均質負レンズLN
(r4〜r3)と、均質正レンズLP2(r2〜r1)との
4枚のレンズよりなる倍率が10×、NAが0.3の顕
微鏡対物レンズである。また、物体側にある平板ガラス
CG(r10〜r9)はカバーガラスである。
【0128】この実施例3の軸上色収差は、図14に示
す通りである。本実施例の色収差(○印)は通常のアク
ロマートの色収差(□印)に比べて2次スペクトルが良
好に補正されていることがわかる。またこの実施例3の
収差状況(逆追跡による)は、図15に示す通りであ
る。この図14および図15に示す収差曲線図から明ら
かなように、条件(F)を満足する実施例3は、色収差
が極めて良好に補正されている。
【0129】尚、この実施例3のデータも、逆追跡によ
るものである。
【0130】実施例3は、均質レンズを3枚用いた4群
構成である点と、ラジアル型屈折率分布レンズが条件
(F)を満足する素材よりなる点で他の実施例1、2と
相違する。即ち、上記実施例のうち実施例1、2は、条
件(A)、(A−1)、条件(B)、条件(C)、(C
−1)、条件(D)、(D−1)および条件(E)を満
足し、又実施例3は、条件(A)、(A−1)、条件
(B)、条件(D)、(D−1)および条件(F)、
(F−1)を満足する。
【0131】以上の実施例はいずれも本発明のレンズ系
を顕微鏡対物レンズとして使用した場合を示している
が、これら実施例の物***置の近傍(実施例1,2では
図のr8、実施例3ではr10)にCCD等の撮像素子を
配置し、図の左側の遠方にある物体(撮像素子と共役位
置になる物体)の像を撮像素子の受光面上に結像させる
ようにすれば、撮像レンズとして使用し得る。この場
合、撮像レンズは、非常に明るい望遠レンズになし得
る。
【0132】特許請求の範囲に記載するレンズ系のほか
下記の各項に記載するレンズ系も本発明の目的を達成し
得る。
【0133】(1) 特許請求の範囲の請求項1、2又
は3に記載するレンズ系で、下記条件(B)を満足する
ことを特徴とするレンズ系。 (B) 0.2<dG・WD/f2<2
【0134】(2) 物体の拡大像を形成する光学系で
あって、最も物体側に配置された両面平面のラジアル型
屈折率分布レンズと、少なくとも1枚の均質正レンズ
と、少なくとも1枚の均質負レンズを含み下記条件
(F)を満足するレンズ系。
【0135】(3) 物体の縮小像を形成する光学系で
あって、最も像側に配置された両面平面のラジアル型屈
折率分布レンズと、少なくとも1枚の均質正レンズと、
少なくとも1枚の均質負レンズを含み下記条件(F)を
満足するレンズ系。
【0136】(4) 特許請求の範囲の請求項1、2又
は3あるいは前記の(1)の項に記載するレンズ系で、
下記の条件(C)を満足することを特徴とするレンズ
系。 (C) −0.8<fG/f23<−0.01
【0137】(5) 特許請求の範囲の請求項1、2又
は3あるいは前記の(1)、(2)、(3)又は(4)
の項に記載するレンズ系で、前記ラジアル型屈折率分布
レンズの部分分散比が下記条件(D)を満足することを
特徴とするレンズ系。 (D) −0.01<(P10dC−0.2756)/V10<0.01
【0138】(6) 特許請求の範囲の請求項1、2又
は3あるいは前記の(1)、(4)又は(5)の項に記
載するレンズ系で、前記レンズ系がラジアル型屈折率分
布レンズと1枚の均質正レンズと1枚の均質負レンズと
にて構成され、下記条件(E)を満足することを特徴と
するレンズ系。 (E) 1<νn/νp<3
【0139】(7) 前記の(2)又は(3)の項に記
載するレンズ系で、下記条件(A)を満足することを特
徴とするレンズ系。
【0140】(8) 前記の(2)又は(3)の項に記
載するレンズ系で、下記条件(B)を満足することを特
徴とするレンズ系。 (B) 0.2<dG・WD/f2<2
【0141】
【発明の効果】本発明によれば、レンズ構成枚数が3枚
程度と少なく、収差が良好に補正された顕微鏡対物レン
ズや撮像レンズ系に適したレンズ系を実現し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のレンズ系の実施例1の断面図
【図2】 本発明のレンズ系の実施例2の断面図
【図3】 実施例1の収差曲線図
【図4】 実施例2の収差曲線図
【図5】 無限遠設計の顕微鏡対物レンズにおける軸上
マージナル光線や軸外主光線の状況を示す図
【図6】 両面平面のラジアル型屈折率分布レンズ1枚
よりなるレンズ系における球面収差、コマ収差、非点収
差の変化を示す図
【図7】 両面平面のラジアル型屈折率分布レンズのみ
よりなるレンズ系の構成を示す図
【図8】 図7に示すレンズ系の収差曲線図
【図9】 両面平面のラジアル型屈折率分布レンズのN
10を変化させた時のレンズ変化を示す図
【図10】 本発明のレンズ系の実施例3の断面図
【図11】 本発明の実施例3のラジアル型屈折率分布
素材の軸上色収差の測定値を示す図
【図12】 本発明の実施例3のラジアル型屈折率分布
素材の係数N10に換算した色分散特性を示す図
【図13】 本発明の実施例3のラジアル型屈折率分布
素材の部分分散比を示す図
【図14】 本発明の実施例3の軸上色収差を示す図
【図15】 本発明の実施例3の収差曲線図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H087 KA03 KA09 LA01 NA14 PA03 PA04 PA17 PB03 PB04 QA02 QA03 QA05 QA12 QA22 QA25 QA31 QA41 QA42 QA45 QA46 RA22 RA42

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体の拡大像を形成する光学系であっ
    て、最も物体側に配置された両面平面のラジアル型屈折
    率分布レンズと、少なくとも1枚の均質正レンズと、少
    なくとも1枚の均質負レンズを含むレンズ系。
  2. 【請求項2】 物体の縮小像を形成する光学系であっ
    て、最も像側に配置された両面平面のラジアル型屈折率
    分布レンズと、少なくとも1枚の均質正レンズと、少な
    くとも1枚の均質負レンズを含むレンズ系。
  3. 【請求項3】 前記ラジアル型屈折率分布レンズの分
    布式が下記式(1) とする請求項1又は2のレンズ系。 2,・・・)は波長λにおける屈折率分布を表わす係
    数、fはレンズ系の焦点距離である。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006276561A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Hamamatsu Univ School Of Medicine ファイバ共焦点顕微鏡における生体用対物レンズ
CN100428782C (zh) * 2005-07-29 2008-10-22 佳能株式会社 信息处理方法和设备
JP2018529999A (ja) * 2015-09-24 2018-10-11 カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー 物体マッピング及び/又は瞳マッピングのための光学系

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