JP2002172704A - 中空材、及びその製造方法 - Google Patents

中空材、及びその製造方法

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JP2002172704A
JP2002172704A JP2000371816A JP2000371816A JP2002172704A JP 2002172704 A JP2002172704 A JP 2002172704A JP 2000371816 A JP2000371816 A JP 2000371816A JP 2000371816 A JP2000371816 A JP 2000371816A JP 2002172704 A JP2002172704 A JP 2002172704A
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hollow
winding
hollow material
fibers
diameter portion
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JP2000371816A
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Yukinori Mishina
幸範 三品
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Tenryu Industries Co Ltd
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Tenryu Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】軽量化、硬度化、耐摩耗性化、表面の平滑化及
び熱膨張率の低減化を果すことができて、簡単に製造す
ることのできる中空芯材を提供すること。 【解決手段】構造材として使用される中空芯材100で
あって、この中空芯材100を構成する芯材本体10
を、その両端に位置して、当該中空芯材100の取付を
行う大径部10aと、これらの大径部10aの内方略全
体に、当該芯材本体10の重量軽減を行う中空段部10
bとを有したものとするとともに、芯材本体10を、ガ
ラス、カーボン等の無機繊維あるいはナイロン等の合成
繊維によって形成された繊維を所定の傾斜角度で巻回し
た複数のワインディング層により構成したこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、柱や支持梁、あるいは
船のマスト等の支持や支えを行う構造材、または原反フ
ィルム、紙、あるいはシート等の可撓材の比較的薄い材
料を巻取るため等に使用される中空材、及びこれを構成
する中空材本体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】柱や支持梁、あるいは船のマスト等の支
持や支えを行う構造材は、あらゆるものに必要である
が、例えば図1に示すような鉄道の架線を支持するも
の、あるいは支柱そのものを支持するものとしても必要
であることは言うまでもない。このような構造材は、十
分な強度や剛性が要求されることは当然として、その重
量が軽いことも要求されている。図1に示した架線を支
持するためには、そのような取付工事を行わなければな
らないし、その取付工事にあたって構造材が軽いことは
その作業性を向上させる上で重要だからである。
【0003】また、図1に示したような架線のための支
持梁のような構造材にあっては、列車が通過する際に風
圧が急激に掛かりこの急激な力の変動に対しても充分耐
え得るものとなっていなければならない。つまり、この
種の支柱や支持梁等の構造材については、それ程複雑な
構造を有している必要はないが、軽くて強いものが求め
られているだけでなく、風雨や紫外線に晒されても余り
変化しない優れた耐久性も要求されてもいるのである。
このことは、船のマストやアンテナを支持する柱等につ
いても同様である。
【0004】一方、原反フィルム、紙あるいはシート等
の可撓材は、非常に長尺なものとして形成されており、
これらの可撓材をある製品にするには、何かに一旦巻き
取っておくのが通例である。この原反フィルム、紙、あ
るいはシート等の可撓材の比較的薄い材料を巻取るため
には、通常管状の中空材が使用される。すなわち、この
中空材は、これに長尺な原反フィルム、紙、あるいはシ
ート等の可撓材の端部を固定した後、この中空材を回転
させて当該原反フィルム、紙、あるいはシート等の可撓
材を巻取る作業に使用され、原反フィルム等の巻き取り
及び保護に重要な役割を果すものである。そして、この
原反フィルム、紙、あるいはシート等の可撓材は当該中
空材に巻き取った状態のまま所定の加工工程に運搬され
るのである。
【0005】ところが、この原反フィルム、紙、あるい
はシート等の可撓材が、近年のように非常に薄いもの
(ごく最近の技術によれば、0.5μmのものも工場生
産可能となってきている)や、カセットテープやビデオ
テープ等の磁気テープのように相当高度な均質性及び高
品質性が要求されるものにあっては、製品化する前の中
空材に巻取る際には、しわの発生防止及び裂け防止等に
相当な注意を必要としてきている。しかも、この中空材
に対する巻き取り作業にあっては、効率化を図るために
当該中空材を相当な高速(数千r.p.m.、場合によ
っては数万r.p.m.を越えることがある)で回転さ
せなければならない状況にある。
【0006】このような原反フィルム、紙、あるいはシ
ート等の可撓材の各製造工程のうちの特に巻き取る作業
にあっては、これらの原反フィルム、紙、あるいはシー
ト等の可撓材が上述したように非常に繊細なものになっ
てくると、従来では殆ど問題とならなかったことが我然
クローズアップされてくる。そのうちの幾つかを含め
て、当該中空材に要求される性質を列記してみると、次
のようになる。
【0007】(1)この中空材は、上述したように高速
回転されるが、巻き取り時の原反フィルム等に対する追
随性を良好にするためには、回転させたときの慣性モー
メントが小さい方がよく、従って当該中空材の重量は軽
いほうがよい。(軽量性)
【0008】(2)この中空材には大量の原反フィル
ム、紙、あるいはシート等の可撓材を巻き取るのである
から、巻き取り完成後の全体重量は相当なものになるの
であるが、これを運搬するに際しては当該中空材を利用
して行なわれる。また、原反フィルムやシートをテープ
等として製品化するにあたっては、当該中空材を別の機
械に架けて回転させるが、その運搬や設置作業も当該中
空材を利用して行なわれる。従って、この中空材そのも
のには相当な強度が要求される。(強度性)
【0009】(3)この中空材に対する原反フィルム、
紙、あるいはシート等の可撓材の巻き取り途中に、これ
らに「しわ」が発生してはならない。「しわ」が発生す
ると、この「しわ」自体が製品価値を低下させるだけで
なく、その部分において原反フィルム、紙、あるいはシ
ート等の可撓材の次に巻き取られる部分に破損を生じる
ことがある。このことは、特に原反フィルム、紙、ある
いはシート等の可撓材が薄いものの場合には顕著であ
る。従って、このような「しわ」が発生しないようにす
るには、当該中空材の表面が完全な平滑性を有してい
て、しかもこの中空材自体が回転途中において撓わむよ
うなものであってはならない。(平滑性)
【0010】(4)この中空材に対する原反フィルム、
紙、あるいはシート等の可撓材の巻き取りの初期から終
期に至る間において、当該中空材の温度が相当変化する
可能性がある。これは、搬送されてくる原反フィルム等
が熱を帯びていることや、高速回転という機械的な条件
によって発熱すること等が考えられる。ところが、原反
フィルム等は上述したように「しわ」が発生してはなら
ないのであるが、当該中空材が熱によって伸縮すると、
これが上記の「しわ」の発生原因にもなる。この熱が回
避することができないものであれば、当該中空材は熱に
よって伸縮しないもの、すなわち熱膨張係数の小さいも
のである必要がある。(非熱膨張性)
【0011】従来のこの種強化プラスチック製中空材と
しては、例えば特公昭59-45843号公報にて提案されたも
のがある。この公報にて提案された金属ロールは、「金
属製ロールシェルの内周面に、炭素繊維強化樹脂層が、
該炭素繊維の配列方向と前記金属製ロールシェル軸方向
とが一致する状態で貼り付けられてなるロール本体と、
該ロール本体の端部に嵌着され、かつ、回転支持軸に係
合される金属製ヘッダーとからなる金属ロール」であ
る。
【0012】ところが、この金属ロールは、その金属製
ロールシェルの内周面に炭素樹脂繊維層を形成しなけれ
ばならないのであるが、単純に考えてみても、管材の内
周面に別の部材を固定することは極めて困難なことであ
る。また、この金属ロールは、その金属製ロールシェル
として極薄のアルミニウム管を使用したとあるが、アル
ミニウム管を基材とした場合には強度はそれ程確保する
ことができないと考えられる。さらに、この金属ロール
は、その金属製ロールシェルの内周面に炭素樹脂繊維層
を形成しなければならないが、当該金属ロールに熱が加
えられたとき、両者の材質の差によって内部に応力が発
生し、これによって金属ロール自体が撓わむこともあり
うる。このようなことになると、原反フィルム等の巻き
取りは「しわ」等が発生して良好に行なえないことにな
る。従って、この金属ロールは、その金属製ロールシェ
ル及びその内周面に形成される炭素樹脂繊維層の材質に
ついて相当な考慮を払わなければならない。
【0013】また、特開昭60−63137号公報に
は、炭素繊維強化プラスチックス製パイプの製造方法が
示されており、この方法は、「パイプの軸方向に対し3
0度以下の低角巻きを50%以上含む構成の厚肉炭素繊維
強化プラスチックス製パイプの製造方法について、含浸
する樹脂量を20〜35重量%にコントロールした炭素
繊維を所望の構成比で巻きつけた後、表面に熱収縮テー
プをラッピング巻きし、加熱硬化させることを特徴とす
る炭素繊維強化プラスチックス製パイプの製造方法」で
ある。
【0014】この炭素繊維強化プラスチックス製パイプ
は、当該パイプの表面に熱収縮テープをラッピング巻き
して、これを加熱硬化させる必要があるのであるが、こ
のラッピング巻きされた熱収縮テープは加熱硬化された
ときに完全に滑らかな表面となっている保障は全くな
い。従って、上記(3)に示したことは、この方法にお
いては全く考慮されていない。
【0015】そこで、例えば、実公平5−15499号
公報にて、「同心状に且つ互いに間隔をあけて配置され
た断面円形の内筒及び断面円形の外筒と、該内筒と外筒
とを連結するリブとからなる中空材であって、補強用連
続繊維が中空材の長手方向に配列された、且つその含有
率が50〜75体積%である連続繊維補強の繊維強化プ
ラスチックスで構成されており、前記外筒の外径が10
0〜200mmであり、少なくともクロス巻取部が同一
断面形状であることを特徴とするガラスファイバークロ
ス用中空材」が提案されている。この中空材は、巻回の
対象としているのがガラスファイバークロスであり、こ
れを巻回すために必要な強度を十分確保することがで
き、中空であることから全体の重量を軽減できたもので
あると考えられる。
【0016】しかしながら、この実公平5−15499
号公報に示された中空材では、同公報の第4欄、第8行
目以下に記載されているように、「内筒2及び外筒3を
連結する複数の放射状リブ4とからなり、リブ4は中空
材1の軸線に平行に延びている」という構成を有してい
るものであるから、この中空材によって前述したような
ビデオテープ用の原反フィルムのように、非常に薄いも
のを大量に巻回しようとすると、次のような問題が生ず
る。すなわち、上記リブ4が中空材1の軸線に平行に延
びているものであると、外筒3の各リブ4に支えられて
いない部分に変形を生じ易くなるのである。何故なら、
この中空材1は、全体として、繊維強化プラスチックを
材料として、「連続繊維を用いた引き抜き成形」を用い
て製造されるものであり(同公報第4欄第28行目以
下)、「補強用の連続繊維が中空材1の長手方向に配列
されて」いるため、原反フィルムを巻回することによっ
て中空材1は半径方向に加わる力に対して弱いものとな
っているからである。
【0017】要するに、従来のこの種中空材における技
術にあっては、原反フィルム等を巻回の対象とする場合
に、上述した(1)〜(4)の問題点を全て解決したも
のは未だ提案されていなかったのである。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の実状に
鑑みてなされたもので、その解決しようとする課題は、
支持梁等の構造材を軽量で高強度のものとするととも
に、被巻き取り物である原反フィルム、紙、あるいはシ
ート等を巻回するものとして、これらの可撓材の薄肉化
及び精密化等の高品質化に対する、従来のこの種中空材
の未対処である。
【0019】そして、本発明の目的とするところは、軽
量化、硬度化、耐摩耗性化、表面の平滑化及び熱膨張率
の低減化を果すことができて、簡単に製造することので
きる中空材、及びこれを構成する中空材本体の製造方法
を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、まず請求項1、請求項2、請求項6及び請求項7
に係る発明が採った手段は、後述する実施の形態の説明
中で使用する符号を付して説明すると、 (請求項1)「構造材として使用される中空材100で
あって、この中空材100を構成する中空材本体10
を、その両端に位置して、当該中空材100の取付を行
う大径部10aと、これらの大径部10aの内方略全体
に、当該中空材本体10の重量軽減を行う中空段部10
bとを有したものとするとともに、中空材本体10を、
ガラス、カーボン等の無機繊維あるいはナイロン等の合
成繊維によって形成された繊維を所定の傾斜角度で巻回
した複数のワインディング層14・15により構成した
ことを特徴とする構造材として使用される中空材10
0」 (請求項2)「構造材として使用される中空材100で
あって、この中空材100を構成する中空材本体10
を、その両端に位置して、当該中空材100の取付を行
う大径部10aと、これらの大径部10aの内方略全体
に、当該中空材本体10の重量軽減を行う中空段部10
bとを有したものとするとともに、中空材本体10を、
プリプレグ化されたガラスクロスあるいはカーボンクロ
ス等を巻回して構成した基材層12と、ガラス、カーボ
ン等の無機繊維あるいはナイロン等の合成繊維によって
形成された繊維を所定の傾斜角度で巻回した複数のワイ
ンディング層14・15とにより構成したことを特徴と
する構造材として使用される中空材100」及び、 (請求項6)「原反フィルム、紙、シート等の可撓材の
巻き取り等に使用される中空材100であって、この中
空材100を構成する中空材本体10を、外形が円筒形
状となるようにしながら、両端に位置して、当該中空材
100のチャッキングを行う大径部10aと、これらの
大径部10aの内方略全体に、当該中空材本体10の重
量軽減を行う中空段部10bとを有したものとするとと
もに、中空材本体10を、ガラス、カーボン等の無機繊
維あるいはナイロン等の合成繊維によって形成された繊
維を所定の傾斜角度で巻回した複数のワインディング層
14・15により構成したことを特徴とする原反フィル
ム等の可撓材のための中空材100」 (請求項7)「原反フィルム、紙、シート等の可撓材の
巻き取り等に使用される中空材100であって、この中
空材100を構成する中空材本体10を、外形が円筒形
状となるようにしながら、両端に位置して、当該中空材
100のチャッキングを行う大径部10aと、これらの
大径部10aの内方略全体に、当該中空材本体10の重
量軽減を行う中空段部10bとを有したものとするとと
もに、中空材本体10を、プリプレグ化されたガラスク
ロスあるいはカーボンクロス等を巻回して構成した基材
層12と、ガラス、カーボン等の無機繊維あるいはナイ
ロン等の合成繊維によって形成された繊維を所定の傾斜
角度で巻回した複数のワインディング層14・15とに
より構成したことを特徴とする原反フィルム等の可撓材
のための中空材100」である。
【0021】ここで、上記各請求項1、2、6及び7の
差異を簡単に示すと、次の通りである。 請求項1;構造材として使用される中空材100であっ
て、基材層12がない 請求項2;構造材として使用される中空材100であっ
て、基材層12がある 請求項6;可撓材の巻回を行う中空材100であって、
基材層12がない 請求項7;可撓材の巻回を行う中空材100であって、
基材層12がある
【0022】これらの請求項1、請求項2、請求項6及
び請求項7に係る発明が以上のような手段を採ることに
よって、「構造材」または所謂「巻芯」となるべき中空
材100は次のような機能または作用を有している。ま
ず、この中空材100にあっては、その全体がガラスあ
るいはカーボン等からなる繊維と樹脂によって形成した
中空材本体10からなっているため、非常に簡単な構造
のものとなっており、その両端には、ガラスあるいはカ
ーボン等からなる繊維と樹脂によって形成した大径部1
0aが存在している。つまり、この大径部10aは、中
空材100全体を図示しない回転装置のチャッキングに
支持させる場合に使用されるものであり、当該中空材1
00全体の強度を、高速回転の際の力に十分耐え得るも
のとしているのである。従って、当該中空材100は、
その中央部内が中空段部10bによって薄くなったもの
であっても、両端に大径部10aが存在していることに
よって、十分な強度を有したものとなっているのであ
る。(強度性の確保)
【0023】また、当該中空材100を構成している中
空材本体10内には中空段部10bによる所定空間が存
在しているので、その全体の重量は、従来の金属のみを
使用したもの、あるいは樹脂等によって形成されてはい
ても、全ての部分で同一の厚さを有したものに比して軽
量化されているのである。勿論、この中空段部10b
は、全ての部分で同一の厚さを有したものに比較すれ
ば、その分の材料を軽減することができるものであり、
この材料が熱硬化が必要な樹脂であれば、その硬化時に
おける溶剤処理を中空段部10bの分だけ省略できるこ
とをも意味して、作業環境の安全性と、自然環境の保護
の両方を可能にもすることになる。
【0024】特に、この中空材100では、これを構成
している中空材本体10が、基材層12の上面にガラス
あるいはカーボン繊維等を順次巻回し、しかも第一ワイ
ンディング層14と第二ワインディング層15とでその
ワインディング角度を変えたから、各第一ワインディン
グ層14及び第二ワインディング層15の間の隙間が完
全に埋められているとともに、最外層の第二ワインディ
ング層15、あるいはこの第二ワインディング層15上
に形成した樹脂からなるコーティング層16の表面を研
摩面としたから、その外形が真円に近いものとなってい
る。従って、この中空材100にあっては、全体として
均質な質量を有していることになるから、これを高速回
転させた場合であっても「ブレ」は全く生じないように
なっている。(真円性の確保)
【0025】また、この中空材100を構成している中
空材本体10は、ガラスあるいはカーボン等からなる繊
維によって形成される第一ワインディング層14及び第
二ワインディング層15とによって主に構成されている
から、これらの第一ワインディング層14及び第二ワイ
ンディング層15によって全体としては高い強度を有し
たものとなっている。また、これらの第一ワインディン
グ層14及び第二ワインディング層15の下側に、プリ
プレグ化したカーボンクロス等あるいはガラスクロスに
よって形成される基材層12が存在していれば、その強
度がさらに高まることはいうまでもない。しかも、カー
ボンクロスあるいはガラスクロス、ガラスやカーボン等
からなる繊維、及びこれらを密着させる樹脂はそれぞれ
の熱膨張率が低いものであるから、当該中空材本体10
の各層における熱膨張率は低下されており、従って熱が
加えられ、あるいは温度差の激しい状態のもとにおかれ
たとしても、その内部に応力を生じさせることはない。
(強度性の確保)
【0026】以上のように、これらの請求項1、請求項
2、請求項6及び請求項7に係る中空材100が強度的
に優れたものとなっているから、高速回転(数万r.
p.m.程度)されたとしても、その表面に巻回される
べき原反フィルム等にシワが生じたり、逆に部分的に伸
びたり、さらには破損が生じたりすることは全くないの
である。時に、原反フィルム等を高速で巻回すると、当
該中空材100には所謂「巻き締め力」が加わることに
なるが、中空材本体10は、前述したように、強度及び
剛性の高い材料によって形成してあるから、この中空材
100には変形や曲がり等は全く生じないのである。
【0027】なお、この中空材本体10においては、最
外層の第二ワインディング層15の樹脂表面や、この第
二ワインディング層15上に形成したコーティング層1
6の表面を面粗度が1〜1.5芯材20の研摩面とする
と、中空材本体10の表面の平滑性はより一層優れたも
のとなり得る。そして、この第二ワインディング層15
の樹脂表面やコーティング層16の表面を研摩して研摩
面とする場合に、第二ワインディング層15の樹脂表面
やコーティング層16は充分な厚さを有しているから、
内部の第二ワインディング層15等が表面に露出しない
ようにし得るものである。(平滑性)
【0028】この中空材100は、これを何度も使用す
ると、中空材本体10の第二ワインディング層15の樹
脂表面やコーティング層16に汚れや傷が生じるため、
第二ワインディング層15の樹脂表面やコーティング層
16の表面を研磨して再生させることが行われるが、こ
の第二ワインディング層15の樹脂表面やコーティング
層16の研磨作業時に加わる力に対しても、上記構成を
有する中空材100は十分な剛性を有しているので、十
分な研磨作業を行えるものとなっているのである。換言
すれば、第二ワインディング層15の樹脂表面やコーテ
ィング層16の研磨をすることによって、当該中空材1
00は再利用性の高いものとなっているのである。
【0029】従って、これらの請求項1、請求項2、請
求項6あるいは請求項7に係る中空材100は、両端に
大径部10aを有して、これらの大径部10a間にの内
側に中空段部10bを積極的に形成したから、高速回転
に必要な十分な強度と、軽量性とを確保することがで
き、樹脂による耐摩耗性化、表面の平滑化及び熱膨張率
の低減化を果すことができて、簡単に製造することもで
きるものとなっているのである。
【0030】また、請求項3に係る発明の採った手段
は、上記請求項1または請求項2の中空材100につい
て、「大径部10aに開口部10cを形成して、この開
口部10c内に、取付のための係合凹所10dを形成し
たこと」及び、請求項8に係る発明の採った手段は、上
記請求項6または請求項7の中空材100について、
「大径部10aに開口部10cを形成して、この開口部
10c内に、前記チャッキングのための係合凹所10d
を形成したこと」である。
【0031】すなわち、これらの請求項3及び請求項8
の中空材100では、図7及び図2に示すように、大径
部10aの内側に、前述した取付を行うか、回転装置の
チャッキングが係止される係合凹所10dを形成したも
のであるが、この係合凹所10dは、後述する成形芯金
11の上面に、これに該当する別部材を大径部10aに
対する離型剤を塗布した状態で一体化しておくことによ
り、簡単に形成できものである。
【0032】従って、これらの請求項3または請求項8
の中空材100は、前述した請求項1、請求項2、請求
項6、または請求項7と同様な機能あるいは作用を発揮
する他、回転装置のチャッキングに対する係止を簡単に
行えるのである。
【0033】さらに、請求項9または請求項10に係る
発明の採った手段は、 (請求項9)「原反フィルム、紙、シート等の可撓材の
巻き取り等に使用される中空材100であって、この中
空材100を構成する中空材本体10を、外形が円筒形
状となるようにしながら、両端に位置して、当該中空材
100のチャッキングを行う大径部10aと、これらの
大径部10aの内方略全体に、当該中空材本体10の重
量軽減を行う中空段部10bとを有したものとするとと
もに、各大径部10aに開口31を有する連結板30を
連結し、これらの連結板30の各開口31に、当該中空
材100の回転軸心と同一軸心を有する円筒状の芯材2
0を一体化して、中空材本体10及び芯材20を、ガラ
ス、カーボン等の無機繊維あるいはナイロン等の合成繊
維によって形成された繊維を所定の傾斜角度で巻回した
複数のワインディング層14・15により構成したこと
を特徴とする原反フィルム等の可撓材のための中空材1
00」または、 (請求項10)「原反フィルム、紙、シート等の可撓材
の巻き取り等に使用される中空材100であって、この
中空材100を構成する中空材本体10を、外形が円筒
形状となるようにしながら、両端に位置して、当該中空
材100のチャッキングを行う大径部10aと、これら
の大径部10aの内方略全体に、当該中空材本体10の
重量軽減を行う中空段部10bとを有したものとすると
ともに、各大径部10aに開口31を有する連結板30
を連結し、これらの連結板30の各開口31に、当該中
空材100の回転軸心と同一軸心を有する円筒状の芯材
20を一体化して、中空材本体10及び芯材20を、プ
リプレグ化されたガラスクロスあるいはカーボンクロス
等を巻回して構成した基材層12と、ガラス、カーボン
等の無機繊維あるいはナイロン等の合成繊維によって形
成された繊維を所定の傾斜角度で巻回した複数のワイン
ディング層14・15とにより構成したことを特徴とす
る原反フィルム等の可撓材のための中空材100」であ
る。
【0034】すなわち、この請求項9または請求項10
に係る中空材100は、上記請求項1、請求項2、請求
項6または請求項7の中空材100とは異なって、図8
及び図9に示すように、最外層となる中空材本体10
と、その内部に中空材本体10側の中空段部10bによ
る所定空間を介して収納した芯材20とを、両端に位置
する連結板30によって一体的に連結したものである。
勿論、中空材本体10の構成そのものは、前述した請求
項または請求項7の中空材本体10と同じである。
【0035】これらの請求項10に係る中空材100で
は、これを構成している芯材20が、前述した中空材本
体10と同様な方法で形成されるものである。すなわ
ち、この芯材20は、図3に示すように、基材層22の
上面にガラスあるいはカーボン繊維等を順次巻回し、し
かも第一ワインディング層24と第二ワインディング層
25とでそのワインディング角度を変えたから、各第一
ワインディング層24及び第二ワインディング層25の
間の隙間が完全に埋められて、その外形及び内形が真円
に近いものとなっている。従って、この中空材100に
あっては、全体として均質な質量を有していることにな
るから、これを高速回転させた場合であっても「ブレ」
は全く生じないようになっている。
【0036】さて、上記の「構造材」としての中空材1
00、及び「巻芯」としての中空材100の中空材本体
10を製造するために、請求項4、請求項5、請求項1
1、または請求項12に係る発明の採った手段は、 (請求項4)「構造材として使用される中空材100を
構成し、両端に位置する大径部10aと、これらの大径
部10aの内方略全体に位置する中空段部10bとを有
した中空材本体10を、次の各工程を含んで製造する方
法。 (1)成形芯金11の表面に、紙あるいはアルミニウム
等の金属薄板からなるハニカムシート13を、大径部1
0aを除いて仮止めする工程; (2)成形芯金11及びハニカムシート13上に、複数
のワインディング層14・15となるべきガラス、カー
ボン等の無機繊維あるいはナイロン等の合成繊維によっ
て形成された繊維を所定の傾斜角度で巻回する工程; (3)プリプレグ化されたクロスや繊維を硬化させてか
ら成形芯金11を抜き、大径部10aの中心に形成した
開口部10cから、ハニカムシート13を引き出す工
程; (4)硬化された部材の表面等の仕上げを行う工程」 (請求項5)「構造材として使用される中空材100を
構成し、両端に位置する大径部10aと、これらの大径
部10aの内方略全体に位置する中空段部10bとを有
した中空材本体10を、次の各工程を含んで製造する方
法。 (1)成形芯金11の表面に、紙あるいはアルミニウム
等の金属薄板からなるハニカムシート13を、大径部1
0aを除いて仮止めする工程; (2)成形芯金11及びハニカムシート13上に、基材
層12となるプリプレグ化されたガラスクロスあるいは
カーボンクロス等を巻回し、その上に、複数のワインデ
ィング層14・15となるべきガラス、カーボン等の無
機繊維あるいはナイロン等の合成繊維によって形成され
た繊維を所定の傾斜角度で巻回する工程; (3)プリプレグ化されたクロスや繊維を硬化させてか
ら成形芯金11を抜き、大径部10aの中心に形成した
開口部10cから、ハニカムシート13を引き出す工
程; (4)硬化された部材の表面等の仕上げを行う工程」 (請求項11)「原反フィルム、紙、シート等の可撓材
の巻き取り等に使用される中空材100を構成し、外形
が円筒形状であって、両端に位置する大径部10aと、
これらの大径部10aaの内方略全体に位置する中空段
部10bとを有した中空材本体10を、次の各工程を含
んで製造する方法。 (1)成形芯金11の表面に、紙あるいはアルミニウム
等の金属薄板からなるハニカムシート13を、大径部1
0aを除いて仮止めする工程; (2)成形芯金11及びハニカムシート13上に、第一
ワインディング層14及び第二ワインディング層15と
なるべきガラス、カーボン等の無機繊維あるいはナイロ
ン等の合成繊維によって形成された繊維を所定の傾斜角
度で巻回する工程; (3)前記プリプレグ化されたクロスや繊維を硬化させ
てから成形芯金11を抜き、大径部10aの中心に形成
した開口部10cから、ハニカムシート13を引き出す
工程; (4)前記硬化された部材の表面等の仕上げを行う工
程」及び、 (請求項12)「原反フィルム、紙、シート等の可撓材
の巻き取り等に使用される中空材100を構成し、外形
が円筒形状であって、両端に位置する大径部10aと、
これらの大径部10aaの内方略全体に位置する中空段
部10bとを有した中空材本体10を、次の各工程を含
んで製造する方法。 (1)成形芯金11の表面に、紙あるいはアルミニウム
等の金属薄板からなるハニカムシート13を、大径部1
0aを除いて仮止めする工程; (2)成形芯金11及びハニカムシート13上に、基材
層12となるプリプレグ化されたガラスクロスあるいは
カーボンクロス等を巻回し、その上に、第一ワインディ
ング層14及び第二ワインディング層15となるべきガ
ラス、カーボン等の無機繊維あるいはナイロン等の合成
繊維によって形成された繊維を所定の傾斜角度で巻回す
る工程; (3)前記プリプレグ化されたクロスや繊維を硬化させ
てから成形芯金11を抜き、大径部10aの中心に形成
した開口部10cから、ハニカムシート13を引き出す
工程; (4)前記硬化された部材の表面等の仕上げを行う工
程」である。
【0037】ここで、上記各請求項4、5、11及び1
2の差異を簡単に示すと、次の通りである。 請求項4;構造材としての中空材10を、基材層12が
ない状態で製造する方法 請求項5;構造材としての中空材10を、基材層12が
ある状態で製造する方法 請求項11;可撓材としての中空材10を、基材層12
がない状態で製造する方法 請求項12;可撓材としての中空材10を、基材層12
がある状態で製造する方法
【0038】すなわち、これらの請求項4、5、11及
び12の製造方法は、「構造材」としての中空材10
0、または、原反フィルム、紙、シート等の可撓材の巻
き取り等に使用される前述した各請求項に係る中空材1
00を構成し、外形が円筒形状であって、両端に位置す
る大径部10aと、これらの大径部10aの内方略全体
に位置する中空段部10bとを有した中空材本体10を
製造するものであり、まず、図3に示すように、成形芯
金11の表面に、紙あるいはアルミニウム等の金属薄板
からなるハニカムシート13を、大径部10aに該当す
ることになる部分を除いて仮止めするのである。この仮
止めは、巻回したハニカムシート13の表面に、例えば
ビニールテープ等の離型剤の役目も果たす離型材17を
所定部分に被覆することによって行うものである。
【0039】この離型材17としては、前述したような
ビニールテープ(当然、裏面が粘着性を有している)の
他、要するにハニカムシート13の成形芯金11に対す
る仮止めが行えるのであれば、紙テープや、所謂ガムテ
ープ、布テープ等、様々なものが採用できるものであ
る。
【0040】さて、以上のような離型材17によって成
形芯金11上に仮止めされたハニカムシート13上、及
びこのハニカムシート13が存在しない成形芯金11上
には、第一ワインディング層14及び第二ワインディン
グ層15となるべきガラス、カーボン等の無機繊維ある
いはナイロン等の合成繊維によって形成された繊維を所
定の傾斜角度で直接巻回する。あるいは、離型材17に
よって成形芯金11上に仮止めされたハニカムシート1
3上、及びこのハニカムシート13が存在しない成形芯
金11上に、図5に示すように、基材層12となるプリ
プレグ化されたガラスクロスあるいはカーボンクロス等
を巻回して、この基材層12上に、第一ワインディング
層14及び第二ワインディング層15となるべきガラ
ス、カーボン等の無機繊維あるいはナイロン等の合成繊
維によって形成された繊維を所定の傾斜角度でさらに巻
回するのである。
【0041】以上のような巻回が済んだ後に、加熱釜等
の中に各材料を成形芯金11とともに挿入し、プリプレ
グ化されたクロスや繊維を硬化させるのである。各材料
の硬化が済めば、これから成形芯金11を引き抜く。そ
して、図6に示すように、大径部10aの中心に形成し
た開口部10cから、ハニカムシート13を引き出すの
である。このハニカムシート13の硬化体からの引き剥
がしは、上述したように、プリプレグに対する離型剤が
塗布してあるから、大径部10aに形成してある開口部
10cから作業者が手を入れれば、容易に行える。ま
た、ハニカムシート13は、連続してその引き剥がしが
行えるようにするために、文字通り連続した「シート」
状のものであることが好ましい。
【0042】そして、以上のように硬化された部材の表
面は、最外表面となって平滑性が必要となる中空材本体
10とするために、第二ワインディング層15が表面と
なっているものではこの第二ワインディング層15の表
面を、また第二ワインディング層15の表面にコーティ
ング層16形成してあればこのコーティング層16を研
磨することが必要である。
【0043】上記課題を解決するために、請求項13に
係る発明の採った手段は、上記請求項11または12の
製造方法について、「成形芯金11上のハニカムシート
13の両端に、中空材本体10の各大径部10aが形成
される部分に向けた傾斜面13aを形成してから、前記
(2)の巻回工程を行うようにしたこと」である。
【0044】すなわち、ハニカムシート13を成形芯金
11上に仮止めするにあたっては、ハニカムシート13
の両端部のそれぞれについて、図4に示したように、傾
斜面13aを形成しておくのである。この傾斜面13a
は、第一ワインディング層14や第二ワインディング層
15を構成する繊維または糸を巻回するに際して、その
巻回が成形芯金11上からハニカムシート13の一番高
い所まで、あるいはその逆の方向で、安定的に行えるよ
うにするものである。
【0045】従って、この請求項13の製造方法によれ
ば、互いに所定角度で傾斜される繊維や糸の巻回を安定
的に行えて、中空材本体10の製造を確実かつ容易に行
えるのである。
【0046】
【発明の実施の形態】次に、上記のように構成した各請
求項に係る発明を、図面に示した実施の形態に係る中空
材100について順次説明するが、実施形態の中空材1
00は、上記各発明を実質的に含むものであるため、以
下では、この実施形態の中空材100を中心にその製造
方法も加味しながら説明していくこととする。
【0047】図1には、本発明に係る中空材100を使
用して、鉄道の架線を支持している「構造材」として利
用している状態が示してあり、この中空材100は、図
2に示すような断面のものとなっているものである。ま
た、この中空材100は、図7または図8に示しような
「巻芯」としても使用されるものであり、これらの「構
造材」あるいは「巻芯」として利用される中空材100
は、図3〜図6に示すような製造方法によって製造され
るものである。
【0048】これらの中空材100は、図7及び図2に
示したように、外形が円筒形状となる中空材本体10に
よって構成したものである。この中空材本体10は、図
2に示したように、その両端に位置して、当該中空材1
00のチャッキングを行う大径部10aと、これらの大
径部10aの内方略全体に、当該中空材本体10の重量
軽減を行う中空段部10bとを有したものである。
【0049】これらの大径部10aを含む中空材本体1
0は、図5に示すような方法によって製造される結果、
その全体がガラスあるいはカーボン等からなる繊維と樹
脂によって形成したものとなっている。つまり、この中
空材本体10内には中空段部10bによる所定空間が存
在しており、その全体の重量は、従来の金属のみを使用
したもの、あるいは樹脂等によって形成されてはいて
も、全ての部分で同一の厚さを有したものに比して軽量
化されている。また、当該中空材100は、その中央部
内が中空段部10bによって薄くなったものであって
も、両端に大径部10aが存在していることによって、
十分な強度を有したものとなっている。
【0050】特に、この中空材100を構成する中空材
本体10は、図5に示すように、主として第一ワインデ
ィング層14、第二ワインディング層15、及び必要に
応じた基材層12からなるものであり、さらに必要に応
じて形成されるコーティング層16とからなるものであ
る。この図5には、説明上成形芯金11を入れたままの
状態が示してあるが、この成形芯金11は中空材本体1
0を完成させた後に取外されるものであって、本発明に
係る中空材100の構成要素ではない。
【0051】この中空材本体10は、次のようにして製
造される。この中空材本体10を製造するには、まず、
図3に示すように、成形芯金11の表面に、紙あるいは
アルミニウム等の金属薄板からなるハニカムシート13
を、大径部10aに該当することになる部分を除いて仮
止めするのである。この仮止めは、巻回したハニカムシ
ート13の表面に、例えばビニールテープ等の離型剤の
役目も果たす離型材17によって行うものである。
【0052】このハニカムシート13を成形芯金11上
に仮止めするにあたって、両端部のそれぞれについて、
図4に示したように、傾斜面13aを形成するのであ
る。この傾斜面13aは、第一ワインディング層14や
第二ワインディング層15を構成する繊維または糸を巻
回するに際して、その巻回が成形芯金11上からハニカ
ムシート13の一番高い所まで、あるいはその逆の方向
で、安定的に行えるようにするものである。勿論、繊維
や糸の巻回が、ハニカムシート13の端部にて成形芯金
11から垂直に切り立ったものについても行えるのであ
れば、この傾斜面13aを形成する必要はないが、通常
は、この傾斜面13aを形成しておいた方が、作業は非
常にし易くなる。
【0053】ハニカムシート13は、紙や金属薄板から
なる帯体を互いに部分的に連結して構成したものであっ
て、これを広げたときに、図3に示したような六角柱状
の空間を連続的に形成できるようにしたものであり、こ
れを成形芯金11の表面に巻回しながら仮止めするので
ある。なお、このハニカムシート13の裏面側に離型剤
を塗布しておいて、成形芯金11の引き抜きが容易に行
えるようにすることもなされる。
【0054】仮止めされたハニカムシート13上、及び
このハニカムシート13が存在しない成形芯金11上に
は、図5に示すように、第一ワインディング層14及び
第二ワインディング層15となるべきガラス、カーボン
等の無機繊維あるいはナイロン等の合成繊維によって形
成された繊維を所定の傾斜角度で巻回することを基本と
するものである。また、仮止めされたハニカムシート1
3上、及びこのハニカムシート13が存在しない成形芯
金11上には、図5に示すように、基材層12となるプ
リプレグ化されたガラスクロスあるいはカーボンクロス
等を巻回する。そして、この基材層12上に、第一ワイ
ンディング層14及び第二ワインディング層15となる
べきガラス、カーボン等の無機繊維あるいはナイロン等
の合成繊維によって形成された繊維を所定の傾斜角度で
さらに巻回することも行われるのである。
【0055】この基材層12としては、種々な態様のも
のが採用できるものであり、大きな布状のものであって
もよいし、またテープ状のものであってもよく、さらに
は不織布状のものであってもよく、要するに熱硬化樹脂
が含浸できてプレプレグ化できるものであれば、どのよ
うな形態のものであってもよい。また、この基材層12
を構成する材料としては、種々なものが適用できるが、
天然繊維、無機繊維、有機繊維何でもよい。
【0056】すなわち、この基材層12を構成するテー
プ、織布あるいは不織布としては、可撓性を有し、かつ
強度の高い物であれば特に限定されない。例えば、天然
繊維、無機繊維、有機繊維等の公知の繊維に、樹脂を含
浸させて硬化させてなる帯状物からなるもの、前記繊維
を経糸や緯糸として用いて製織した織布からなるもの、
前記繊維を用いて形成した不織布からなるもの等、が挙
げられる。無機繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、
アルミナ繊維、窒化珪素繊維等が挙げられる。有機繊維
としては、アラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレ
ン繊維等のポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊
維、ポリフェニルスルホン繊維等が挙げられる。本実施
形態では、ガラス繊維からなる補強テープ及び繊維を用
いた。
【0057】そのほかにも、補強テープは、多数本から
なる連続した強化繊維を一方向に配列し、その強化繊維
に樹脂を含浸して硬化させたものであってもよい。強化
繊維としては、上述した各種繊維から選択されるいずれ
か一種であってもよいし、前記繊維を複数種混入したハ
イブリッドタイプであってもよい。含浸される樹脂とし
ては、常温硬化型等または熱硬化型のエポキシ樹脂、ポ
リエステル系樹脂等の熱硬化型樹脂を含むものを用いる
ことができる。
【0058】以上のような巻回が済んだ後に、加熱釜等
の中に各材料を成形芯金11とともに挿入し、プリプレ
グ化されたクロスや繊維を硬化させるのである。各材料
の硬化が済めば、これから成形芯金11を抜く。そし
て、図6に示すように、大径部10aの中心に形成した
開口部10cから、ハニカムシート13を引き出すので
ある。このハニカムシート13の硬化体からの引き剥が
しは、上述したように、プリプレグに対する離型剤が塗
布してあるから、大径部10aに形成してある開口部1
0cから作業者が手を入れれば、容易に行える。また、
ハニカムシート13は、連続してその引き剥がしが行え
るようにするために、文字通り連続した「シート」状の
ものであることが好ましい。
【0059】そして、以上のように硬化された部材の表
面は、最外表面となって平滑性が必要となる中空材本体
10とするために、第二ワインディング層15が表面と
なっているものではこの第二ワインディング層15の表
面を、また第二ワインディング層15の表面にコーティ
ング層16形成してあればこのコーティング層16を研
磨することが必要である。
【0060】さて、上記の基材層12は、中心物となる
成形芯金11に、プリプレグ化されたガラスクロスある
いはカーボンクロス等を2層に巻回して構成されている
もので、この基材層12は完成後の中空材本体10の内
面を滑らかにしかつ内径精度を上げるためのものであ
る。この場合、成形芯金11は当然真円に近いものが使
用され、その表面には必要に応じて離型剤が塗布され
る。離型剤を塗布するのは、完成後の中空材本体10か
らこの成形芯金11を抜き取る場合に、その作業を容易
に行なえるようにするためである。
【0061】また、基材層12を成形芯金11に対して
巻回するには、その布目が成形芯金11に対して斜めに
なるように配置してなされる。その理由は、この基材層
12上に後述の第一ワインディング層14をその上に巻
回していく場合に、この巻回途中において基材層12が
ほぐれないようにするためである。
【0062】さらに、この実施例においては、基材層1
2の巻き数を2回としたがこれに限るものではなく、次
に述べるように、1回でもよくまた3回以上であっても
よい。この基材層12は、中空材本体10として完成し
た後における強度を保障するというよりは、むしろ次の
第一ワインディング層14及び第二ワインディング層1
5の巻回作業を容易かつ確実にするものであり、例えば
中空材本体10自体の径が小さい場合には1回でよい
し、一方、中空材本体10の径が大きい場合には3回以
上巻回すればよいのである。なお、この中空材本体10
としては、その最終的な直径が25mm〜400mmま
たはそれ以上であり、長さが300mm〜6000mm
程度またはそれ以上のものまであるものが製造されるの
である。
【0063】第一ワインディング層14は、成形芯金1
1とともに回転される基材層12の上面に、繊維を順次
巻回(ワインディング)することによって形成される。
この第一ワインディング層14を形成する繊維は、ガラ
ス、カーボン等の無機繊維あるいはナイロン等の合成繊
維によって形成されたものであり、巻回される以前にプ
リプレグ化されている。勿論、この巻回にあたっては、
各繊維に所定の張力を付した状態で行なわれる。そし
て、この第一ワインディング層14を形成する繊維の成
形芯金11軸心に対する傾斜角度は、本実施例の場合4
5度である。この傾斜角度で成形芯金11の一端側から
他端側に向けて所定の隙間で巻回し、他端に致ると今度
は逆の傾斜角度(135度)で同様な巻回作業を順次行
なっていく。このような巻回によって形成された層(繊
維の一回巻きを1層とする)は、本実施例にあっては6
層であった。この第一ワインディング層14が、当該中
空材100の強度等を出す主たる部分となるから、繊維
によって形成される層の数はもっと多くてもよい。
【0064】第二ワインディング層15は、基本的には
第一ワインディング層14を形成する場合と同様な方法
によって形成されるが、その成形芯金11に対する傾斜
角度及び巻き数において異なる。すなわち、この第二ワ
インディング層15を形成する繊維の傾斜角度は本実施
例にあっては75度であり、またその巻き数は3層であ
る。この傾斜角度で、上述の第一ワインディング層14
の場合と同様に、成形芯金11の一端側から他端側に向
けて所定の隙間で巻回し、他端に致ると今度は逆の傾斜
角度(105度)で同様な巻回作業を順次行なってい
く。このように、繊維の傾斜角度を第一ワインディング
層14の場合に比較して変更したのは、第一ワインディ
ング層14を形成している繊維の各隙間を埋め尽くす必
要があるからである。すなわち、第一ワインディング層
14を形成している繊維の交差部分以外の部分で何等か
の原因によって隙間が出きている場合であっても、その
上から傾斜角度の異なる繊維を巻回することによって、
この隙間は完全に埋めることができるからである。
【0065】また、第二ワインディング層15の巻き数
を3層として、第一ワインディング層14の場合より少
なくしたのは、この第二ワインディング層15は中空材
100としての強度を保障するものではなく、完成後の
中空材100の表面が完全に滑らかなものとするための
ものであり、従ってこの第二ワインディング層15によ
って中空材100の表面が滑らかなものとなるのであれ
ば本実施例の場合より少ない回数であってもよいもので
ある。
【0066】以上の第一ワインディング層14や第二ワ
インディング層15を構成する材料は、基本的には、天
然繊維、有機繊維、あるいは金属繊維を含む無機繊維の
いずれでも採用できるものである。各繊維の代表例を列
記すると、次の通りである。 有機繊維;アラミド繊維、ナイロン等のポリアミド繊
維、ポリエチレン繊維等のポリオレフィン系繊維、ポリ
エステル系繊維、ポリフェニルスルホン繊維 無機繊維;ガラス繊維、アルミナ繊維、窒化珪素繊維、
炭素繊維
【0067】そして、この発明に係る中空材100にあ
っては、最外層にエポキシ樹脂によるコーティング層1
6が施されており、その厚さは0.3〜0.4であっ
た。また、このコーティング層16の表面に機械的研磨
を施して、1芯材20〜1.5芯材20の表面仕上げ
し、研摩面とした。
【0068】以上のように構成した中空材本体10の心
円度は6/100であって、従来のものの心円度15/
100よりその精度が向上しており、またそのヤング率
は1800kgf/mmであった。なお、以上のように
形成した中空材100にあっては、その表面仕上げをす
る前に、すなわち各層及び各被膜が硬化した後におい
て、成形芯金11が抜き出される。この成形芯金11の
抜き出しは、当該成形芯金11に離型剤が塗布してあれ
ばより一層良好に行なうことができるものであり、各層
の端部を係止部材に係止させた状態で成形芯金11を機
械によって強制的に引き抜くことによって行なわれる。
その後にこれら中空材本体10はその表面仕上げがなさ
れるとともに、中空材本体10の不要な端部を切断して
完成品とされるのである。
【0069】また、上記の中空材100を構成する中空
材本体10については、その大径部10aに開口部10
cを形成して、この開口部10c内に、チャッキングの
ための係合凹所10dを形成することがある。この係合
凹所10dは、前述した成形芯金11の上面に、これに
該当する別部材を大径部10aに対する離型剤を塗布し
た状態で一体化しておくことにより形成されるものであ
る。このような係合凹所10dを形成しておけば、回転
装置等のチャッキングに対する係止を簡単に行えるもの
である。
【0070】さて、図8及び図9には、請求項9または
10に係る中空材100が示してあるが、この中空材1
00は、上述した中空材本体10の両端に連結板30を
取り付けておいて、この連結板30の中心に形成した開
口31内に、中空材本体10の軸心と一致させた状態の
芯材20を支持させたものである。この芯材20は、当
該中空材100の剛性をさらに向上させるものであり、
完成後の中空材100の洗滌等における水切りを良好に
したり、静電的に付着したゴミの除去等を簡単に行える
ようにしたりするために、左右両端にて完全に開放され
た筒体としたものである。
【0071】この芯材20は、前述した中空材本体10
と同様な方法で形成されるものであり、図5に示すよう
に、基材層22の上面にガラスあるいはカーボン繊維2
3等を順次巻回し、しかも第一ワインディング層24と
第二ワインディング層25とでそのワインディング角度
を変えたから、各第一ワインディング層24及び第二ワ
インディング層25の間の隙間が完全に埋められている
から、その外形が真円に近いものとなっている。
【0072】この芯材20は、中空材本体10に対して
固定して一体化しなければならないが、それを行なうの
がドーナツ型の円盤状に形成した連結板30であり、こ
の連結板30によって図9に示したように固定された芯
材20は、中空材本体10の軸心に位置することになる
のである。つまり、この芯材20は、中空材100を回
転させるときの言わば回転軸となるものであり、回転軸
として必要な剛性を有したものである。
【0073】連結板30による芯材20の中空材本体1
0に対する一体化は種々な形式が採用されるものであ
り、連結板30の外周に中空材本体10の端面に当接す
るフランジ部を形成しておいて、このフランジ部によっ
て中空材本体10の端面を覆いながら中空材本体10と
芯材20との一体化を図るように実施してもよい。ま
た、例えば連結板30の中空材本体10や芯材20が嵌
合される部分にネジを切っておき、これに合うネジを中
空材本体10や芯材20の該当部分に形成しておいて、
当該連結板30を中空材本体10及び芯材20に螺着す
ることによって行ってもよい。さらに、連結板30の嵌
合部の外径等を中空材本体10や芯材20の該当部分と
同じにしておいて、接着剤を塗布して強制嵌合すること
により一体化するように実施してもよい。勿論、上記ネ
ジ及び接着剤を併用して実施してもよい。
【0074】以上のいずれの中空材100においても、
図7及び図8に示したように、その中空材本体10の所
定位置に目印18を形成したものであり、この目印18
は、これによって回転装置等のチャッキングによるチャ
ッキング位置を明示するようにしている。原反フィルム
等を巻回した中空材100の重量は相当なものになるの
であり、これを回転装置、支持装置あるいは巻戻し装置
に掛ける場合には、その作業の最初から中空材100の
位置をある程度決めておかなければならないことが多
く、その場合にこの目印18は相当役に立つものとなる
ものである。
【0075】
【発明の効果】以上、詳述した通り、まず請求項1、
2、6及び7に係る発明においては、上記実施形態中で
も例示した如く、「構造材として使用される中空材10
0であって、この中空材100を構成する中空材本体1
0を、その両端に位置して、当該中空材100の取付を
行う大径部10aと、これらの大径部10aの内方略全
体に、当該中空材本体10の重量軽減を行う中空段部1
0bとを有したものとするとともに、中空材本体10
を、ガラス、カーボン等の無機繊維あるいはナイロン等
の合成繊維によって形成された繊維を所定の傾斜角度で
巻回した複数のワインディング層14・15により構成
したこと」及び、「原反フィルム、紙、シート等の可撓
材の巻き取り等に使用される中空材100であって、こ
の中空材100を構成する中空材本体10を、外形が円
筒形状となるようにしながら、両端に位置して、当該中
空材100のチャッキングを行う大径部10aと、これ
らの大径部10aの内方略全体に、当該中空材本体10
の重量軽減を行う中空段部10bとを有したものとする
とともに、中空材本体10を、ガラス、カーボン等の無
機繊維あるいはナイロン等の合成繊維によって形成され
た繊維を所定の傾斜角度で巻回した複数のワインディン
グ層14・15により構成したこと」をその主たる構成
としたことに特徴があり、これにより、軽量化、硬度
化、耐摩耗性化、表面の平滑化及び熱膨張率の低減化を
果すことができて、簡単に製造することのできる中空材
100を提供することができるのである。
【0076】すなわち、本発明の中空材100によれ
ば、中空材本体10に中空段部10dが積極的に形成し
てあるから、非常に大径のものとなっても、その重量の
軽減を達成することができるのである(軽量性の達
成)。また、上記のように構成したことによって、この
中空材100の剛性は、軽量なものであるにかかわらず
十分なものとなるのであり、しかも原反フィルムの巻き
締め力に十分対抗できる強度の高いものとすることがで
きる(強度性の確保)。さらに、原反フィルムが直接巻
回される中空材本体10は、部分的に撓んだり変形した
りすることが常時ないのであり、巻回されていく原反フ
ィルム等に「しわ」を発生させることがない(平滑性の
確保)。
【0077】さらに、この中空材100によれば、原反
フィルム等が直接巻回される中空材本体10を熱膨張係
数の小さい材料によって形成したから、巻回時に生ずる
機械的発熱に対して大きく熱膨張することがないのであ
り、中空材本体10の表面に巻回されるべき原反フィル
ム等に「しわ」を発生させることがない(非熱膨張性の
確保)のである。
【0078】そして、この中空材100においては、中
空材本体10によって主として構成したから、中空材本
体10の表面、あるいはコーティング層16に生じたキ
ズや汚損を研磨または研削によって除去する場合にも、
中空材100は全く撓むことがないのであり、従って中
空材100の全ての部分において真円状態を確保するこ
とができ、中空材100の再使用を十分行うことができ
るのである。
【0079】また、請求項3及び請求項8に係る発明に
おいては、上記各請求項に係るの中空材100につい
て、「大径部10aに開口部10cを形成して、この開
口部10c内に、取付のための係合凹所10dを形成し
たこと」及び、「大径部10aに開口部10cを形成し
て、この開口部10c内に、前記チャッキングのための
係合凹所10dを形成したこと」にその構成上の特徴が
あり、これにより、上記の中空材100と同様な効果を
発揮することができて、しかも回転装置等に掛けるとき
の作業性を向上させた中空材100を提供することがで
きるのである。
【0080】さらに、請求項9または10に係る発明に
おいては、同様に、「原反フィルム、紙、シート等の可
撓材の巻き取り等に使用される中空材100であって、
この中空材100を構成する中空材本体10を、外形が
円筒形状となるようにしながら、両端に位置して、当該
中空材100のチャッキングを行う大径部10aと、こ
れらの大径部10aの内方略全体に、当該中空材本体1
0の重量軽減を行う中空段部10bとを有したものとす
るとともに、各大径部10aに開口31を有する連結板
30を連結し、これらの連結板30の各開口31に、当
該中空材100の回転軸心と同一軸心を有する円筒状の
芯材20を一体化して、中空材本体10及び芯材20
を、ガラス、カーボン等の無機繊維あるいはナイロン等
の合成繊維によって形成された繊維を所定の傾斜角度で
巻回した複数のワインディング層14・15により構成
したこと」にその構成上の主たる特徴があり、これによ
り、軽量化が果たされていることは勿論、さらに硬度化
を達成することができて、耐摩耗性化、表面の平滑化及
び熱膨張率の低減化を果すことのできる中空材100を
提供することができるのである。
【0081】そして、請求項4、5、11及び2に係る
発明においては、「構造材として使用される中空材10
0を構成し、両端に位置する大径部10aと、これらの
大径部10aの内方略全体に位置する中空段部10bと
を有した中空材本体10を、次の各工程を含んで製造す
る方法。 (1)成形芯金11の表面に、紙あるいはアルミニウム
等の金属薄板からなるハニカムシート13を、大径部1
0aを除いて仮止めする工程; (2)成形芯金11及びハニカムシート13上に、複数
のワインディング層14・15となるべきガラス、カー
ボン等の無機繊維あるいはナイロン等の合成繊維によっ
て形成された繊維を所定の傾斜角度で巻回する工程; (3)プリプレグ化されたクロスや繊維を硬化させてか
ら成形芯金11を抜き、大径部10aの中心に形成した
開口部10cから、ハニカムシート13を引き出す工
程; (4)硬化された部材の表面等の仕上げを行う工程」及
び、「原反フィルム、紙、シート等の可撓材の巻き取り
等に使用される中空材100を構成し、外形が円筒形状
であって、両端に位置する大径部10aと、これらの大
径部10aaの内方略全体に位置する中空段部10bと
を有した中空材本体10を、次の各工程を含んで製造す
る方法。 (1)成形芯金11の表面に、紙あるいはアルミニウム
等の金属薄板からなるハニカムシート13を、大径部1
0aを除いて仮止めする工程; (2)成形芯金11及びハニカムシート13上に、第一
ワインディング層14及び第二ワインディング層15と
なるべきガラス、カーボン等の無機繊維あるいはナイロ
ン等の合成繊維によって形成された繊維を所定の傾斜角
度で巻回する工程; (3)前記プリプレグ化されたクロスや繊維を硬化させ
てから成形芯金11を抜き、大径部10aの中心に形成
した開口部10cから、ハニカムシート13を引き出す
工程; (4)前記硬化された部材の表面等の仕上げを行う工
程」に、その主たる構成上の特徴があり、また請求項1
3に係る発明においては、上記請求項11または12の
製造方法について、「成形芯金11上のハニカムシート
13の両端に、中空材本体10の各大径部10aが形成
される部分に向けた傾斜面13aを形成してから、前記
(2)の巻回工程を行うようにしたこと」にその構成上
の特徴があり、これにより、前述した中空材100を構
成するための中空材本体10の製造を確実かつ簡単に行
うことができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 同中空材の使用状態を示す正面図である。
【図2】 同中空材の断面図である。
【図3】 同中空材を構成する中空材本体を形成する際
に、成形芯金の表面にハニカムシートを仮止めしている
概略構成を示す正面図である。
【図4】 図3の部分拡大断面図である。
【図5】 同中空材を構成する中空材本体または芯材を
形成する状態を概略的に示した部分斜視図である。
【図6】 同中空材を形成するために中空材本体の中か
らハニカムシートを取り除いている状態を示す断面図で
ある。
【図7】 本発明に係る中空材の部分斜視図である。
【図8】 請求項10の発明に係る中空材の部分斜視図
である。
【図9】 同中空材の断面図である。
【符号の説明】
100 中空材 10 中空材本体 10a 大径部 10b 中空段部 10c 開口部 10d 係合凹所 11 成形芯金 12 基材層 13 ハニカムシート 13a 傾斜面 14 第一ワインディング層 15 第二ワインディング層 16 コーティング層 17 離型材 18 目印 20 芯材 30 連結板 31 開口
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 23:00 B29C 67/14 T Fターム(参考) 4F100 AA00A AA00B AA37A AA37B AB10C AG00A AG00B AK01C AK48A AK48B BA02 BA03 BA07 BA08 BA10A BA10C BA22 DA11 DB10 DC01C DG01A DG01B DG10C DH01A DH01B EJ08 GB07 GB31 JA02 JK01 JK09 JK15 JL03 JM02C 4F205 AA36 AD16 AG08 AG09 AG25 HA02 HA23 HA35 HA45 HB01 HB11 HC05 HC14 HC16 HC17 HF05 HK31 HL02 HL06 HL14 HT05 HT08 HT12 HT22 HW02

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造材として使用される中空材であっ
    て、 この中空材を構成する中空材本体を、その両端に位置し
    て、当該中空材の取付を行う大径部と、これらの大径部
    の内方略全体に、当該中空材本体の重量軽減を行う中空
    段部とを有したものとするとともに、 前記中空材本体を、ガラス、カーボン等の無機繊維ある
    いはナイロン等の合成繊維によって形成された繊維を所
    定の傾斜角度で巻回した複数のワインディング層により
    構成したことを特徴とする構造材として使用される中空
    材。
  2. 【請求項2】 構造材として使用される中空材であっ
    て、 この中空材を構成する中空材本体を、その両端に位置し
    て、当該中空材の取付を行う大径部と、これらの大径部
    の内方略全体に、当該中空材本体の重量軽減を行う中空
    段部とを有したものとするとともに、 前記中空材本体を、プリプレグ化されたガラスクロスあ
    るいはカーボンクロス等を巻回して構成した基材層と、
    ガラス、カーボン等の無機繊維あるいはナイロン等の合
    成繊維によって形成された繊維を所定の傾斜角度で巻回
    した複数のワインディング層とにより構成したことを特
    徴とする構造材として使用される中空材。
  3. 【請求項3】前記大径部に開口部を形成して、この開口
    部内に、前記取付のための係合凹所を形成したことを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載の原反フィルム
    等の可撓材のための中空材。
  4. 【請求項4】構造材として使用される中空材を構成し、
    両端に位置する大径部と、これらの大径部の内方略全体
    に位置する中空段部とを有した中空材本体を、次の各工
    程を含んで製造する方法。 (1)成形芯金の表面に、紙あるいはアルミニウム等の
    金属薄板からなるハニカムシートを、前記大径部を除い
    て仮止めする工程; (2)前記成形芯金及びハニカムシート上に、複数のワ
    インディング層となるべきガラス、カーボン等の無機繊
    維あるいはナイロン等の合成繊維によって形成された繊
    維を所定の傾斜角度で巻回する工程; (3)前記プリプレグ化されたクロスや繊維を硬化させ
    てから前記成形芯金を抜き、前記大径部の中心に形成し
    た開口部から、前記ハニカムシートを引き出す工程; (4)前記硬化された部材の表面等の仕上げを行う工
    程。
  5. 【請求項5】構造材として使用される中空材を構成し、
    両端に位置する大径部と、これらの大径部の内方略全体
    に位置する中空段部とを有した中空材本体を、次の各工
    程を含んで製造する方法。 (1)成形芯金の表面に、紙あるいはアルミニウム等の
    金属薄板からなるハニカムシートを、前記大径部を除い
    て仮止めする工程; (2)前記成形芯金及びハニカムシート上に、基材層と
    なるプリプレグ化されたガラスクロスあるいはカーボン
    クロス等を巻回し、その上に、複数のワインディング層
    となるべきガラス、カーボン等の無機繊維あるいはナイ
    ロン等の合成繊維によって形成された繊維を所定の傾斜
    角度で巻回する工程; (3)前記プリプレグ化されたクロスや繊維を硬化させ
    てから前記成形芯金を抜き、前記大径部の中心に形成し
    た開口部から、前記ハニカムシートを引き出す工程; (4)前記硬化された部材の表面等の仕上げを行う工
    程。
  6. 【請求項6】原反フィルム、紙、シート等の可撓材の巻
    き取り等に使用される中空材であって、 この中空材を構成する中空材本体を、外形が円筒形状と
    なるようにしながら、両端に位置して、当該中空材のチ
    ャッキングを行う大径部と、これらの大径部の内方略全
    体に、当該中空材本体の重量軽減を行う中空段部とを有
    したものとするとともに、 前記中空材本体を、ガラス、カーボン等の無機繊維ある
    いはナイロン等の合成繊維によって形成された繊維を所
    定の傾斜角度で巻回した複数のワインディング層により
    構成したことを特徴とする原反フィルム等の可撓材のた
    めの中空材。
  7. 【請求項7】原反フィルム、紙、シート等の可撓材の巻
    き取り等に使用される中空材であって、 この中空材を構成する中空材本体を、外形が円筒形状と
    なるようにしながら、両端に位置して、当該中空材のチ
    ャッキングを行う大径部と、これらの大径部の内方略全
    体に、当該中空材本体の重量軽減を行う中空段部とを有
    したものとするとともに、 前記中空材本体を、プリプレグ化されたガラスクロスあ
    るいはカーボンクロス等を巻回して構成した基材層と、
    ガラス、カーボン等の無機繊維あるいはナイロン等の合
    成繊維によって形成された繊維を所定の傾斜角度で巻回
    した複数のワインディング層とにより構成したことを特
    徴とする原反フィルム等の可撓材のための中空材。
  8. 【請求項8】前記大径部に開口部を形成して、この開口
    部内に、前記チャッキングのための係合凹所を形成した
    ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の原反
    フィルム等の可撓材のための中空材。
  9. 【請求項9】原反フィルム、紙、シート等の可撓材の巻
    き取り等に使用される中空材であって、 この中空材を構成する中空材本体を、外形が円筒形状と
    なるようにしながら、両端に位置して、当該中空材のチ
    ャッキングを行う大径部と、これらの大径部の内方略全
    体に、当該中空材本体の重量軽減を行う中空段部とを有
    したものとするとともに、 前記各大径部に開口を有する連結板を連結し、これらの
    連結板の前記各開口に、当該中空材の回転軸心と同一軸
    心を有する円筒状の芯材を一体化して、 前記中空材本体及び芯材を、ガラス、カーボン等の無機
    繊維あるいはナイロン等の合成繊維によって形成された
    繊維を所定の傾斜角度で巻回した複数のワインディング
    層により構成したことを特徴とする原反フィルム等の可
    撓材のための中空材。
  10. 【請求項10】原反フィルム、紙、シート等の可撓材の
    巻き取り等に使用される中空材であって、 この中空材を構成する中空材本体を、外形が円筒形状と
    なるようにしながら、両端に位置して、当該中空材のチ
    ャッキングを行う大径部と、これらの大径部の内方略全
    体に、当該中空材本体の重量軽減を行う中空段部とを有
    したものとするとともに、 前記各大径部に開口を有する連結板を連結し、これらの
    連結板の前記各開口に、当該中空材の回転軸心と同一軸
    心を有する円筒状の芯材を一体化して、 前記中空材本体及び芯材を、プリプレグ化されたガラス
    クロスあるいはカーボンクロス等を巻回して構成した基
    材層と、ガラス、カーボン等の無機繊維あるいはナイロ
    ン等の合成繊維によって形成された繊維を所定の傾斜角
    度で巻回した複数のワインディング層とにより構成した
    ことを特徴とする原反フィルム等の可撓材のための中空
    材。
  11. 【請求項11】原反フィルム、紙、シート等の可撓材の
    巻き取り等に使用される中空材を構成し、外形が円筒形
    状であって、両端に位置する大径部と、これらの大径部
    の内方略全体に位置する中空段部とを有した中空材本体
    を、次の各工程を含んで製造する方法。 (1)成形芯金の表面に、紙あるいはアルミニウム等の
    金属薄板からなるハニカムシートを、前記大径部を除い
    て仮止めする工程; (2)前記成形芯金及びハニカムシート上に、複数のワ
    インディング層となるべきガラス、カーボン等の無機繊
    維あるいはナイロン等の合成繊維によって形成された繊
    維を所定の傾斜角度で巻回する工程; (3)前記プリプレグ化されたクロスや繊維を硬化させ
    てから前記成形芯金を抜き、前記大径部の中心に形成し
    た開口部から、前記ハニカムシートを引き出す工程; (4)前記硬化された部材の表面等の仕上げを行う工
    程。
  12. 【請求項12】原反フィルム、紙、シート等の可撓材の
    巻き取り等に使用される中空材を構成し、外形が円筒形
    状であって、両端に位置する大径部と、これらの大径部
    の内方略全体に位置する中空段部とを有した中空材本体
    を、次の各工程を含んで製造する方法。 (1)成形芯金の表面に、紙あるいはアルミニウム等の
    金属薄板からなるハニカムシートを、前記大径部を除い
    て仮止めする工程; (2)前記成形芯金及びハニカムシート上に、基材層と
    なるプリプレグ化されたガラスクロスあるいはカーボン
    クロス等を巻回し、その上に、複数のワインディング層
    となるべきガラス、カーボン等の無機繊維あるいはナイ
    ロン等の合成繊維によって形成された繊維を所定の傾斜
    角度で巻回する工程; (3)前記プリプレグ化されたクロスや繊維を硬化させ
    てから前記成形芯金を抜き、前記大径部の中心に形成し
    た開口部から、前記ハニカムシートを引き出す工程; (4)前記硬化された部材の表面等の仕上げを行う工
    程。
  13. 【請求項13】前記成形芯金上のハニカムシートの両端
    に、前記中空材本体の各大径部が形成される部分に向け
    た傾斜面を形成してから、前記(2)の巻回工程を行う
    ようにしたことを特徴とする請求項11または請求項1
    2に記載の中空材本体の製造方法。
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