JP4180554B2 - 中空材を構成する中空材本体の製造方法 - Google Patents

中空材を構成する中空材本体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、柱や支持梁、あるいは船のマスト等の支持や支えを行う構造材、または原反フィルム、紙、あるいはシート等の可撓材の比較的薄い材料を巻取るため等に使用される中空材を構成する中空材本体の製造方法に関するものである。
柱や支持梁、あるいは船のマスト等の支持や支えを行う構造材は、あらゆるものに必要であるが、例えば図1に示すような鉄道の架線を支持するもの、あるいは支柱そのものを支持するものとしても必要であることは言うまでもない。このような構造材は、十分な強度や剛性が要求されることは当然として、その重量が軽いことも要求されている。図1に示した架線を支持するためには、そのような取付工事を行わなければならないし、その取付工事にあたって構造材が軽いことはその作業性を向上させる上で重要だからである。
また、図1に示したような架線のための支持梁のような構造材にあっては、列車が通過する際に風圧が急激に掛かりこの急激な力の変動に対しても充分耐え得るものとなっていなければならない。つまり、この種の支柱や支持梁等の構造材については、それ程複雑な構造を有している必要はないが、軽くて強いものが求められているだけでなく、風雨や紫外線に晒されても余り変化しない優れた耐久性も要求されてもいるのである。このことは、船のマストやアンテナを支持する柱等についても同様である。
一方、原反フィルム、紙あるいはシート等の可撓材は、非常に長尺なものとして形成されており、これらの可撓材をある製品にするには、何かに一旦巻き取っておくのが通例である。この原反フィルム、紙、あるいはシート等の可撓材の比較的薄い材料を巻取るためには、通常管状の中空材が使用される。すなわち、この中空材は、これに長尺な原反フィルム、紙、あるいはシート等の可撓材の端部を固定した後、この中空材を回転させて当該原反フィルム、紙、あるいはシート等の可撓材を巻取る作業に使用され、原反フィルム等の巻き取り及び保護に重要な役割を果すものである。そして、この原反フィルム、紙、あるいはシート等の可撓材は当該中空材に巻き取った状態のまま所定の加工工程に運搬されるのである。
ところが、この原反フィルム、紙、あるいはシート等の可撓材が、近年のように非常に薄いもの(ごく最近の技術によれば、0.5μmのものも工場生産可能となってきている)や、カセットテープやビデオテープ等の磁気テープのように相当高度な均質性及び高品質性が要求されるものにあっては、製品化する前の中空材に巻取る際には、しわの発生防止及び裂け防止等に相当な注意を必要としてきている。しかも、この中空材に対する巻き取り作業にあっては、効率化を図るために当該中空材を相当な高速(数千r.p.m.、場合によっては数万r.p.m.を越えることがある)で回転させなければならない状況にある。
このような原反フィルム、紙、あるいはシート等の可撓材の各製造工程のうちの特に巻き取る作業にあっては、これらの原反フィルム、紙、あるいはシート等の可撓材が上述したように非常に繊細なものになってくると、従来では殆ど問題とならなかったことが我然クローズアップされてくる。そのうちの幾つかを含めて、当該中空材に要求される性質を列記してみると、次のようになる。
(1)この中空材は、上述したように高速回転されるが、巻き取り時の原反フィルム等に対する追随性を良好にするためには、回転させたときの慣性モーメントが小さい方がよく、従って当該中空材の重量は軽いほうがよい。(軽量性)
(2)この中空材には大量の原反フィルム、紙、あるいはシート等の可撓材を巻き取るのであるから、巻き取り完成後の全体重量は相当なものになるのであるが、これを運搬するに際しては当該中空材を利用して行なわれる。また、原反フィルムやシートをテープ等として製品化するにあたっては、当該中空材を別の機械に架けて回転させるが、その運搬や設置作業も当該中空材を利用して行なわれる。従って、この中空材そのものには相当な強度が要求される。(強度性)
(3)この中空材に対する原反フィルム、紙、あるいはシート等の可撓材の巻き取り途中に、これらに「しわ」が発生してはならない。「しわ」が発生すると、この「しわ」自体が製品価値を低下させるだけでなく、その部分において原反フィルム、紙、あるいはシート等の可撓材の次に巻き取られる部分に破損を生じることがある。このことは、特に原反フィルム、紙、あるいはシート等の可撓材が薄いものの場合には顕著である。従って、このような「しわ」が発生しないようにするには、当該中空材の表面が完全な平滑性を有していて、しかもこの中空材自体が回転途中において撓わむようなものであってはならない。(平滑性)
(4)この中空材に対する原反フィルム、紙、あるいはシート等の可撓材の巻き取りの初期から終期に至る間において、当該中空材の温度が相当変化する可能性がある。これは、搬送されてくる原反フィルム等が熱を帯びていることや、高速回転という機械的な条件によって発熱すること等が考えられる。ところが、原反フィルム等は上述したように「しわ」が発生してはならないのであるが、当該中空材が熱によって伸縮すると、これが上記の「しわ」の発生原因にもなる。この熱が回避することができないものであれば、当該中空材は熱によって伸縮しないもの、すなわち熱膨張係数の小さいものである必要がある。(非熱膨張性)
従来のこの種の強化プラスチック製中空材としては、例えば特許文献1にて提案されたものがある。この特許文献1にて提案された金属ロールは、
「金属製ロールシェルの内周面に、炭素繊維強化樹脂層が、該炭素繊維の配列方向と前記金属製ロールシェル軸方向とが一致する状態で貼り付けられてなるロール本体と、該ロール本体の端部に嵌着され、かつ、回転支持軸に係合される金属製ヘッダーとからなる金属ロール」
である。
ところが、この金属ロールは、その金属製ロールシェルの内周面に炭素樹脂繊維層を形成しなければならないのであるが、単純に考えてみても、管材の内周面に別の部材を固定することは極めて困難なことである。また、この金属ロールは、その金属製ロールシェルとして極薄のアルミニウム管を使用したとあるが、アルミニウム管を基材とした場合には強度はそれ程確保することができないと考えられる。さらに、この金属ロールは、その金属製ロールシェルの内周面に炭素樹脂繊維層を形成しなければならないが、当該金属ロールに熱が加えられたとき、両者の材質の差によって内部に応力が発生し、これによって金属ロール自体が撓わむこともありうる。このようなことになると、原反フィルム等の巻き取りは「しわ」等が発生して良好に行なえないことになる。従って、この金属ロールは、その金属製ロールシェル及びその内周面に形成される炭素樹脂繊維層の材質について相当な考慮を払わなければならない。
また、特許文献2には、炭素繊維強化プラスチックス製パイプの製造方法が示されており、この方法は、
「パイプの軸方向に対し30度以下の低角巻きを50%以上含む構成の厚肉炭素繊維強化プラスチックス製パイプの製造方法について、含浸する樹脂量を20〜35重量%にコントロールした炭素繊維を所望の構成比で巻きつけた後、表面に熱収縮テープをラッピング巻きし、加熱硬化させることを特徴とする炭素繊維強化プラスチックス製パイプの製造方法」
である。
この炭素繊維強化プラスチックス製パイプは、当該パイプの表面に熱収縮テープをラッピング巻きして、これを加熱硬化させる必要があるのであるが、このラッピング巻きされた熱収縮テープは加熱硬化されたときに完全に滑らかな表面となっている保障は全くない。従って、上記(3)に示したことは、この方法においては全く考慮されていない。
そこで、例えば、特許文献3にて、
「同心状に且つ互いに間隔をあけて配置された断面円形の内筒及び断面円形の外筒と、該内筒と外筒とを連結するリブとからなる中空材であって、補強用連続繊維が中空材の長手方向に配列された、且つその含有率が50〜75体積%である連続繊維補強の繊維強化プラスチックスで構成されており、前記外筒の外径が100〜200mmであり、少なくともクロス巻取部が同一断面形状であることを特徴とするガラスファイバークロス用中空材」
が提案されている。この中空材は、巻回の対象としているのがガラスファイバークロスであり、これを巻回するために必要な強度を十分確保することができ、中空であることから全体の重量を軽減できたものであると考えられる。
しかしながら、この特許文献3に示された中空材では、同文献3の第4欄、第8行目以下に記載されているように、「内筒2及び外筒3を連結する複数の放射状リブ4とからなり、リブ4は中空材1の軸線に平行に延びている」という構成を有しているものであるから、この中空材によって前述したようなビデオテープ用の原反フィルムのように、非常に薄いものを大量に巻回しようとすると、次のような問題が生ずる。すなわち、上記リブ4が中空材1の軸線に平行に延びているものであると、外筒3の各リブ4に支えられていない部分に変形を生じ易くなるのである。何故なら、この中空材1は、全体として、繊維強化プラスチックを材料として、「連続繊維を用いた引き抜き成形」を用いて製造されるものであり(同文献3の第4欄第28行目以下)、「補強用の連続繊維が中空材1の長手方向に配列されて」いるため、原反フィルムを巻回することによって中空材1は半径方向に加わる力に対して弱いものとなっているからである。
要するに、従来のこの種の中空材における技術にあっては、原反フィルム等を巻回の対象とする場合に、上述した(1)〜(4)の問題点を全て解決したものは未だ提案されていなかったのである。
特公昭59−45843号公報 特開昭60−63137号公報 実公平5−15499号公報
本発明は以上の実状に鑑みてなされたもので、その解決しようとする課題は、支持梁等の構造材を軽量で高強度のものとするための、あるいは、被巻き取り物である原反フィルム、紙、あるいはシート等を巻回するものとして、これらの可撓材の薄肉化及び精密化等の高品質化に対する、従来のこの種の中空材の未対処である。
そして、本発明の目的とするところは、中空材の軽量化、硬度化、耐摩耗性化、表面の平滑化及び熱膨張率の低減化を果すために、中空材を構成する中空材本体の製造方法を提供することにある。
以上の課題を解決するための本発明に係る製造方法を説明する前に、まず、本発明の製造方法によって製造されるべき対象である中空材100の具体例を、後述する最良の形態の説明中で使用する符号を付して列記してみると、次の通りである。
(具体例1)
「構造材として使用される中空材100であって、
この中空材100を構成する中空材本体10を、その両端に位置して、当該中空材100の取付を行う肉厚部10aと、これらの肉厚部10aの内方全体に、当該中空材本体10の重量軽減を行う薄肉部10bとを有したものとするとともに、
中空材本体10を、ガラス、カーボン等の無機繊維あるいはナイロン等の合成繊維によって形成された繊維を所定の傾斜角度で巻回した複数のワインディング層14・15により構成したことを特徴とする構造材として使用される中空材100」
(具体例2)
「構造材として使用される中空材100であって、
この中空材100を構成する中空材本体10を、その両端に位置して、当該中空材100の取付を行う肉厚部10aと、これらの肉厚部10aの内方全体に、当該中空材本体10の重量軽減を行う薄肉部10bとを有したものとするとともに、
中空材本体10を、プリプレグ化されたガラスクロスあるいはカーボンクロス等を巻回して構成した基材層12と、ガラス、カーボン等の無機繊維あるいはナイロン等の合成繊維によって形成された繊維を所定の傾斜角度で巻回した複数のワインディング層14・15とにより構成したことを特徴とする構造材として使用される中空材100」
及び、
(具体例3)
「原反フィルム、紙、シート等の可撓材の巻き取り等に使用される中空材100であって、
この中空材100を構成する中空材本体10を、外形が円筒形状となるようにしながら、両端に位置して、当該中空材100のチャッキングを行う肉厚部10aと、これらの肉厚部10aの内方全体に、当該中空材本体10の重量軽減を行う薄肉部10bとを有したものとするとともに、
中空材本体10を、ガラス、カーボン等の無機繊維あるいはナイロン等の合成繊維によって形成された繊維を所定の傾斜角度で巻回した複数のワインディング層14・15により構成したことを特徴とする原反フィルム等の可撓材のための中空材100」
(具体例4)
「原反フィルム、紙、シート等の可撓材の巻き取り等に使用される中空材100であって、
この中空材100を構成する中空材本体10を、外形が円筒形状となるようにしながら、両端に位置して、当該中空材100のチャッキングを行う肉厚部10aと、これらの肉厚部10aの内方全体に、当該中空材本体10の重量軽減を行う薄肉部10bとを有したものとするとともに、
中空材本体10を、プリプレグ化されたガラスクロスあるいはカーボンクロス等を巻回して構成した基材層12と、ガラス、カーボン等の無機繊維あるいはナイロン等の合成繊維によって形成された繊維を所定の傾斜角度で巻回した複数のワインディング層14・15とにより構成したことを特徴とする原反フィルム等の可撓材のための中空材100」
である。
ここで、上記各具体例1、2、3及び4の差異を簡単に示すと、次の通りである。
具体例1;構造材として使用される中空材100であって、基材層12がない
具体例2;構造材として使用される中空材100であって、基材層12がある
具体例3;可撓材の巻回を行う中空材100であって、基材層12がない
具体例4;可撓材の巻回を行う中空材100であって、基材層12がある
これらの具体例1、具体例2、具体例3及び具体例4に係る中空材100が以上のような構成を有したものとすることによって、「構造材」または所謂「巻芯」となるべき中空材100は次のような機能または作用を有している。まず、この中空材100にあっては、その全体がガラスあるいはカーボン等からなる繊維と樹脂によって形成した中空材本体10からなっているため、非常に簡単な構造のものとなっており、その両端には、ガラスあるいはカーボン等からなる繊維と樹脂によって形成した肉厚部10aが存在している。つまり、この肉厚部10aは、中空材100全体を図示しない回転装置のチャッキングに支持させる場合に使用されるものであり、当該中空材100全体の強度を、高速回転の際の力に十分耐え得るものとしているのである。従って、当該中空材100は、その中央部内が薄肉部10bによって薄くなったものであっても、両端に肉厚部10aが存在していることによって、十分な強度を有したものとなっているのである。(強度性の確保)
また、当該中空材100を構成している中空材本体10内には薄肉部10bによる所定空間が存在しているので、その全体の重量は、従来の金属のみを使用したもの、あるいは樹脂等によって形成されてはいても、全ての部分で同一の厚さを有したものに比して軽量化されているのである。勿論、この薄肉部10bは、全ての部分で同一の厚さを有したものに比較すれば、その分の材料を軽減することができるものであり、この材料が熱硬化が必要な樹脂であれば、その硬化時における溶剤処理を薄肉部10bの分だけ省略できることをも意味して、作業環境の安全性と、自然環境の保護の両方を可能にもすることになる。
特に、この中空材100では、これを構成している中空材本体10が、基材層12の上面にガラスあるいはカーボン繊維等を順次巻回し、しかも第一ワインディング層14と第二ワインディング層15とでそのワインディング角度を変えたから、各第一ワインディング層14及び第二ワインディング層15の間の隙間が完全に埋められているとともに、最外層の第二ワインディング層15、あるいはこの第二ワインディング層15上に形成した樹脂からなるコーティング層16の表面を研摩面としたから、その外形が真円に近いものとなっている。従って、この中空材100にあっては、全体として均質な質量を有していることになるから、これを高速回転させた場合であっても「ブレ」は全く生じないようになっている。(真円性の確保)
また、この中空材100を構成している中空材本体10は、ガラスあるいはカーボン等からなる繊維によって形成される第一ワインディング層14及び第二ワインディング層15とによって主に構成されているから、これらの第一ワインディング層14及び第二ワインディング層15によって全体としては高い強度を有したものとなっている。また、これらの第一ワインディング層14及び第二ワインディング層15の下側に、プリプレグ化したカーボンクロス等あるいはガラスクロスによって形成される基材層12が存在していれば、その強度がさらに高まることはいうまでもない。しかも、カーボンクロスあるいはガラスクロス、ガラスやカーボン等からなる繊維、及びこれらを密着させる樹脂はそれぞれの熱膨張率が低いものであるから、当該中空材本体10の各層における熱膨張率は低下されており、従って熱が加えられ、あるいは温度差の激しい状態のもとにおかれたとしても、その内部に応力を生じさせることはない。(強度性の確保)
以上のように、これらの具体例1、具体例2、具体例3及び具体例4に係る中空材100が強度的に優れたものとなっているから、高速回転(数万r.p.m.程度)されたとしても、その表面に巻回されるべき原反フィルム等にシワが生じたり、逆に部分的に伸びたり、さらには破損が生じたりすることは全くないのである。特に、原反フィルム等を高速で巻回すると、当該中空材100には所謂「巻き締め力」が加わることになるが、中空材本体10は、前述したように、強度及び剛性の高い材料によって形成してあるから、この中空材100には変形や曲がり等は全く生じないのである。
なお、この中空材本体10においては、最外層の第二ワインディング層15の樹脂表面や、この第二ワインディング層15上に形成したコーティング層16の表面を面粗度が1〜1.5の研摩面とすると、中空材本体10の表面の平滑性はより一層優れたものとなり得る。そして、この第二ワインディング層15の樹脂表面やコーティング層16の表面を研摩して研摩面とする場合に、第二ワインディング層15の樹脂表面やコーティング層16は充分な厚さを有しているから、内部の第二ワインディング層15等が表面に露出しないようにし得るものである。(平滑性)
この中空材100は、これを何度も使用すると、中空材本体10の第二ワインディング層15の樹脂表面やコーティング層16に汚れや傷が生じるため、第二ワインディング層15の樹脂表面やコーティング層16の表面を研磨して再生させることが行われるが、この第二ワインディング層15の樹脂表面やコーティング層16の研磨作業時に加わる力に対しても、上記構成を有する中空材100は十分な剛性を有しているので、十分な研磨作業を行えるものとなっているのである。換言すれば、第二ワインディング層15の樹脂表面やコーティング層16の研磨をすることによって、当該中空材100は再利用性の高いものとなっているのである。
従って、これらの具体例1、具体例2、具体例3あるいは具体例4に係る中空材100は、両端に肉厚部10aを有して、これらの肉厚部10a間の内側に薄肉部10bを積極的に形成したから、高速回転に必要な十分な強度と、軽量性とを確保することができ、樹脂による耐摩耗性化、表面の平滑化及び熱膨張率の低減化を果すことができて、簡単に製造することもできるものとなっているのである。
また、上記具体例1または具体例2の中空材100は、その肉厚部10aに開口部10cを形成して、この開口部10c内に、取付のための係合凹所10dを形成することもなされる。一方、上記具体例3または具体例4の中空材100は、その肉厚部10aに開口部10cを形成して、この開口部10c内に、チャッキングのための係合凹所10dを形成することもなされる。
すなわち、このような中空材100では、図2及び図7に示すように、肉厚部10aの内側に、前述した取付を行うか、回転装置のチャッキングが係止される係合凹所10dを形成したものであるが、この係合凹所10dは、後述する成形芯金11の上面に、これに該当する別部材を肉厚部10aに対する離型剤を塗布した状態で一体化しておくことにより、簡単に形成できものである。
従って、このようにした中空材100は、前述した具体例1、具体例2、具体例3、または具体例4と同様な機能あるいは作用を発揮する他、回転装置のチャッキングに対する係止を簡単に行えるのである。
さらに、本発明に係る製造方法によって製造されるべき対象である中空材100の別の具体例を、後述する最良の形態の説明中で使用する符号を付して列記してみると、次の通りである。
(具体例5)
「原反フィルム、紙、シート等の可撓材の巻き取り等に使用される中空材100であって、
この中空材100を構成する中空材本体10を、外形が円筒形状となるようにしながら、両端に位置して、当該中空材100のチャッキングを行う肉厚部10aと、これらの肉厚部10aの内方全体に、当該中空材本体10の重量軽減を行う薄肉部10bとを有したものとするとともに、
各肉厚部10aに開口31を有する連結板30を連結し、これらの連結板30の各開口31に、当該中空材100の回転軸心と同一軸心を有する円筒状の芯材20を一体化して、
中空材本体10及び芯材20を、ガラス、カーボン等の無機繊維あるいはナイロン等の合成繊維によって形成された繊維を所定の傾斜角度で巻回した複数のワインディング層14・15により構成したことを特徴とする原反フィルム等の可撓材のための中空材100」
または、
(具体例6)
「原反フィルム、紙、シート等の可撓材の巻き取り等に使用される中空材100であって、
この中空材100を構成する中空材本体10を、外形が円筒形状となるようにしながら、両端に位置して、当該中空材100のチャッキングを行う肉厚部10aと、これらの肉厚部10aの内方全体に、当該中空材本体10の重量軽減を行う薄肉部10bとを有したものとするとともに、
各肉厚部10aに開口31を有する連結板30を連結し、これらの連結板30の各開口31に、当該中空材100の回転軸心と同一軸心を有する円筒状の芯材20を一体化して、
中空材本体10及び芯材20を、プリプレグ化されたガラスクロスあるいはカーボンクロス等を巻回して構成した基材層12と、ガラス、カーボン等の無機繊維あるいはナイロン等の合成繊維によって形成された繊維を所定の傾斜角度で巻回した複数のワインディング層14・15とにより構成したことを特徴とする原反フィルム等の可撓材のための中空材100」
である。
すなわち、この具体例5または具体例6に係る中空材100は、上記具体例1、具体例2、具体例3または具体例4の中空材100とは異なって、図8及び図9に示すように、最外層となる中空材本体10と、その内部に中空材本体10側の薄肉部10bによる所定空間を介して収納した芯材20とを、両端に位置する連結板30によって一体的に連結したものである。勿論、中空材本体10の構成そのものは、前述した具体例3または具体例4の中空材本体10と同じである。
これらの具体例5または具体例6に係る中空材100では、これを構成している芯材20が、前述した中空材本体10と同様な方法で形成されるものである。すなわち、この芯材20は、図5に示すように、基材層22の上面にガラスあるいはカーボン繊維等を順次巻回し、しかも第一ワインディング層24と第二ワインディング層25とでそのワインディング角度を変えたから、各第一ワインディング層24及び第二ワインディング層25の間の隙間が完全に埋められて、その外形及び内形が真円に近いものとなっている。従って、この中空材100にあっては、全体として均質な質量を有していることになるから、これを高速回転させた場合であっても「ブレ」は全く生じないようになっている。
さて、上記の「構造材」としての中空材100、または「巻芯」としての中空材100の中空材本体10を製造するために、請求項1、請求項2、請求項3、および請求項4に係る発明の採った手段は、
(請求項1)
「構造材として使用される中空材100を構成し、両端に位置する肉厚部10aと、これらの肉厚部10aの内方全体に一体的となって位置する薄肉部10bとを有した中空材本体10を、次の各工程を含んで製造する方法。
(1)成形芯金11の表面に、紙あるいは金属薄板からなるハニカムシート13を、肉厚部10aとなる部分を除いて仮止めする工程;
(2)成形芯金11及びハニカムシート13上に、複数のワインディング層14・15となるべき、樹脂を含浸させた無機繊維あるいは合成繊維、またはプリプレグ化された無機繊維あるいは合成繊維を、所定の傾斜角度で巻回する工程;
(3)前記繊維を硬化させてから成形芯金11を抜き、肉厚部10aの中心に形成した開口部10cから、ハニカムシート13を引き出す工程;
(4)硬化された部材の表面の仕上げを行う工程。」
(請求項2)
「構造材として使用される中空材100を構成し、両端に位置する肉厚部10aと、これらの肉厚部10aの内方全体に一体的となって位置する薄肉部10bとを有した中空材本体10を、次の各工程を含んで製造する方法。
(1)成形芯金11の表面に、紙あるいは金属薄板からなるハニカムシート13を、肉厚部10aとなる部分を除いて仮止めする工程;
(2)成形芯金11及びハニカムシート13上に、基材層12となるプリプレグ化されたガラスクロスあるいはカーボンクロスを巻回し、その上に、複数のワインディング層14・15となるべき、樹脂を含浸させた無機繊維あるいは合成繊維、またはプリプレグ化された無機繊維あるいは合成繊維を、所定の傾斜角度で巻回する工程;
(3)これらの繊維及び前記プリプレグ化されたクロスを硬化させてから成形芯金11を抜き、肉厚部10aの中心に形成した開口部10cから、ハニカムシート13を引き出す工程;
(4)硬化された部材の表面の仕上げを行う工程。」
(請求項3)
「原反フィルム、紙、シート等の可撓材の巻き取りに使用される中空材100を構成し、外形が円筒形状であって、両端に位置する肉厚部10aと、これらの肉厚部の内方全体に一体的となって位置する薄肉部10bとを有した中空材本体10を、次の各工程を含んで製造する方法。
(1)成形芯金11の表面に、紙あるいは金属薄板からなるハニカムシート13を、肉厚部10aとなる部分を除いて仮止めする工程;
(2)成形芯金11及びハニカムシート13上に、複数のワインディング層14・15となるべき、樹脂を含浸させた無機繊維あるいは合成繊維、またはプリプレグ化された無機繊維あるいは合成繊維を、所定の傾斜角度で巻回する工程;
(3)前記繊維を硬化させてから成形芯金11を抜き、肉厚部10aの中心に形成した開口部10cから、ハニカムシート13を引き出す工程;
(4)硬化された部材の表面の仕上げを行う工程。」
(請求項4)
「原反フィルム、紙、シート等の可撓材の巻き取りに使用される中空材100を構成し、外形が円筒形状であって、両端に位置する肉厚部10aと、これらの肉厚部10aの内方全体に一体的となって位置する薄肉部10bとを有した中空材本体10を、次の各工程を含んで製造する方法。
(1)成形芯金11の表面に、紙あるいは金属薄板からなるハニカムシート13を、肉厚部10aとなる部分を除いて仮止めする工程;
(2)成形芯金11及びハニカムシート13上に、基材層12となるプリプレグ化されたガラスクロスあるいはカーボンクロスを巻回し、その上に、複数のワインディング層14・15となるべき、樹脂を含浸させた無機繊維あるいは合成繊維、またはプリプレグ化された無機繊維あるいは合成繊維を、所定の傾斜角度で巻回する工程;
(3)これらの繊維及び前記プリプレグ化されたクロスを硬化させてから成形芯金11を抜き、肉厚部10aの中心に形成した開口部10cから、ハニカムシート13を引き出す工程;
(4)硬化された部材の表面の仕上げを行う工程。」
ここで、上記各請求項1〜請求項4の差異を簡単に示すと、次の通りである。
請求項1;構造材としての中空材10を、基材層12がない状態で製造する方法
請求項2;構造材としての中空材10を、基材層12がある状態で製造する方法
請求項3;可撓材用としての中空材10を、基材層12がない状態で製造する方法
請求項4;可撓材用としての中空材10を、基材層12がある状態で製造する方法
すなわち、これらの請求項1〜請求項4の各製造方法は、「構造材」としての中空材100、または、原反フィルム、紙、シート等の可撓材の巻き取り等に使用される前述した各具体例に係る中空材100を構成し、外形が円筒形状であって、両端に位置する肉厚部10aと、これらの肉厚部10aの内方全体に一体的となって位置する薄肉部10bとを有した中空材本体10を製造するものであり、まず、図3に示すように、成形芯金11の表面に、紙あるいはアルミニウム等の金属薄板からなるハニカムシート13を、肉厚部10aに該当することになる部分を除いて仮止めするのである。この仮止めは、巻回したハニカムシート13の表面に、例えばビニールテープ等の離型剤の役目も果たす離型材17を所定部分に被覆することによって行うものである。
この離型材17としては、前述したようなビニールテープ(当然、裏面が粘着性を有している)の他、要するにハニカムシート13の成形芯金11に対する仮止めが行えるのであれば、紙テープや、所謂ガムテープ、布テープ等、様々なものが採用できるものである。
さて、以上のような離型材17によって成形芯金11上に仮止めされたハニカムシート13上、及びこのハニカムシート13が存在しない成形芯金11上には、第一ワインディング層14及び第二ワインディング層15となるべきガラス、カーボン等の無機繊維あるいはナイロン等の合成繊維によって形成された繊維を所定の傾斜角度で直接巻回する。あるいは、離型材17によって成形芯金11上に仮止めされたハニカムシート13上、及びこのハニカムシート13が存在しない成形芯金11上に、図5に示すように、基材層12となるプリプレグ化されたガラスクロスあるいはカーボンクロス等を巻回して、この基材層12上に、第一ワインディング層14及び第二ワインディング層15となるべきガラス、カーボン等の無機繊維あるいはナイロン等の合成繊維によって形成された繊維を所定の傾斜角度でさらに巻回するのである。
以上のような巻回が済んだ後に、加熱釜等の中に各材料を成形芯金11とともに挿入し、プリプレグ化されたクロスや繊維を硬化させるのである。各材料の硬化が済めば、これから成形芯金11を引き抜く。そして、図6に示すように、肉厚部10aの中心に形成した開口部10cから、ハニカムシート13を引き出すのである。このハニカムシート13の硬化体からの引き剥がしは、上述したように、プリプレグに対する離型剤が塗布してあるから、肉厚部10aに形成してある開口部10cから作業者が手を入れれば、容易に行える。また、ハニカムシート13は、連続してその引き剥がしが行えるようにするために、文字通り連続した「シート」状のものであることが好ましい。
そして、以上のように硬化された部材の表面は、最外表面となって平滑性が必要となる中空材本体10とするために、第二ワインディング層15が表面となっているものではその表面を研磨し、また第二ワインディング層15の表面にコーティング層16が形成してあれば、このコーティング層16を研磨することが必要である。
上記課題を解決するために、請求項5に係る発明の採った手段は、上記請求項1〜請求項4のいずれかの製造方法について、
「成形芯金11上のハニカムシート13の両端に、中空材本体10の各肉厚部10aが形成される部分に向けた傾斜面13aを形成してから、前記(2)の巻回工程を行うようにしたこと」
である。
すなわち、ハニカムシート13を成形芯金11上に仮止めするにあたっては、ハニカムシート13の両端部のそれぞれについて、図4に示したように、傾斜面13aを形成しておくのである。この傾斜面13aは、第一ワインディング層14や第二ワインディング層15を構成する繊維または糸を巻回するに際して、その巻回が成形芯金11上からハニカムシート13の一番高い所まで、あるいはその逆の方向で、安定的に行えるようにするものである。
従って、この請求項5の製造方法によれば、互いに所定角度で傾斜される繊維や糸の巻回を安定的に行えて、中空材本体10の製造を確実かつ容易に行えるのである。
以上、詳述した通り、請求項1、2、3及び4に係る発明においては、
(請求項1)
「構造材として使用される中空材100を構成し、両端に位置する肉厚部10aと、これらの肉厚部10aの内方全体に一体的となって位置する薄肉部10bとを有した中空材本体10を、次の各工程を含んで製造する方法。
(1)成形芯金11の表面に、紙あるいは金属薄板からなるハニカムシート13を、肉厚部10aとなる部分を除いて仮止めする工程;
(2)成形芯金11及びハニカムシート13上に、複数のワインディング層14・15となるべき、樹脂を含浸させた無機繊維あるいは合成繊維、またはプリプレグ化された無機繊維あるいは合成繊維を、所定の傾斜角度で巻回する工程;
(3)前記繊維を硬化させてから成形芯金11を抜き、肉厚部10aの中心に形成した開口部10cから、ハニカムシート13を引き出す工程;
(4)硬化された部材の表面の仕上げを行う工程。」
(請求項2)
「構造材として使用される中空材100を構成し、両端に位置する肉厚部10aと、これらの肉厚部10aの内方全体に一体的となって位置する薄肉部10bとを有した中空材本体10を、次の各工程を含んで製造する方法。
(1)成形芯金11の表面に、紙あるいは金属薄板からなるハニカムシート13を、肉厚部10aとなる部分を除いて仮止めする工程;
(2)成形芯金11及びハニカムシート13上に、基材層12となるプリプレグ化されたガラスクロスあるいはカーボンクロスを巻回し、その上に、複数のワインディング層14・15となるべき、樹脂を含浸させた無機繊維あるいは合成繊維、またはプリプレグ化された無機繊維あるいは合成繊維を、所定の傾斜角度で巻回する工程;
(3)これらの繊維及び前記プリプレグ化されたクロスを硬化させてから成形芯金11を抜き、肉厚部10aの中心に形成した開口部10cから、ハニカムシート13を引き出す工程;
(4)硬化された部材の表面の仕上げを行う工程。」
(請求項3)
「原反フィルム、紙、シート等の可撓材の巻き取りに使用される中空材100を構成し、外形が円筒形状であって、両端に位置する肉厚部10aと、これらの肉厚部の内方全体に一体的となって位置する薄肉部10bとを有した中空材本体10を、次の各工程を含んで製造する方法。
(1)成形芯金11の表面に、紙あるいは金属薄板からなるハニカムシート13を、肉厚部10aとなる部分を除いて仮止めする工程;
(2)成形芯金11及びハニカムシート13上に、複数のワインディング層14・15となるべき、樹脂を含浸させた無機繊維あるいは合成繊維、またはプリプレグ化された無機繊維あるいは合成繊維を、所定の傾斜角度で巻回する工程;
(3)前記繊維を硬化させてから成形芯金11を抜き、肉厚部10aの中心に形成した開口部10cから、ハニカムシート13を引き出す工程;
(4)硬化された部材の表面の仕上げを行う工程。」
(請求項4)
「原反フィルム、紙、シート等の可撓材の巻き取りに使用される中空材100を構成し、外形が円筒形状であって、両端に位置する肉厚部10aと、これらの肉厚部10aの内方全体に一体的となって位置する薄肉部10bとを有した中空材本体10を、次の各工程を含んで製造する方法。
(1)成形芯金11の表面に、紙あるいは金属薄板からなるハニカムシート13を、肉厚部10aとなる部分を除いて仮止めする工程;
(2)成形芯金11及びハニカムシート13上に、基材層12となるプリプレグ化されたガラスクロスあるいはカーボンクロスを巻回し、その上に、複数のワインディング層14・15となるべき、樹脂を含浸させた無機繊維あるいは合成繊維、またはプリプレグ化された無機繊維あるいは合成繊維を、所定の傾斜角度で巻回する工程;
(3)これらの繊維及び前記プリプレグ化されたクロスを硬化させてから成形芯金11を抜き、肉厚部10aの中心に形成した開口部10cから、ハニカムシート13を引き出す工程;
(4)硬化された部材の表面の仕上げを行う工程。」
また、請求項5に係る発明によれば、上記請求項1〜請求項4のいずれかの製造方法について、
「成形芯金11上のハニカムシート13の両端に、中空材本体10の各肉厚部10aが形成される部分に向けた傾斜面13aを形成してから、前記(2)の巻回工程を行うようにしたこと」
にその構成上の特徴があり、これにより、互いに所定角度で傾斜される繊維や糸の巻回を安定的に行えて、中空材本体10の製造を確実かつ容易に行えるのである。
次に、上記のように構成した各請求項に係る発明を、図面に示した中空材100について順次説明するが、この中空材100は、上記各発明によって製造されるものであることは言うまでもない。
図1には、本発明の製造方法によって製造される中空材100を使用して、鉄道の架線を支持している「構造材」として利用している状態が示してあり、この中空材100は、図2に示すような断面のものとなっているものである。また、この中空材100は、図7または図8に示したような「巻芯」としても使用されるものであり、これらの「構造材」あるいは「巻芯」として利用される中空材100は、図3〜図6に示すような製造方法によって製造されるものである。
これらの中空材100は、図2及び図7に示したように、外形が円筒形状となる中空材本体10によって構成したものである。この中空材本体10は、図2に示したように、その両端に位置して、当該中空材100のチャッキングを行う肉厚部10aと、これらの肉厚部10aの内方全体に、当該中空材本体10の重量軽減を行う薄肉部10bとを有したものである。
これらの肉厚部10aを含む中空材本体10は、図5に示すような方法によって製造される結果、その全体がガラスあるいはカーボン等からなる繊維と樹脂とによって形成したものとなっている。つまり、この中空材本体10内には薄肉部10bによる所定空間が存在しており、その全体の重量は、従来の金属のみを使用したもの、あるいは樹脂等によって形成されてはいても、全ての部分で同一の厚さを有したものに比して軽量化されている。また、当該中空材100は、その中央部内が薄肉部10bによって薄くなったものであっても、両端に肉厚部10aが存在していることによって、十分な強度を有したものとなっている。
特に、この中空材100を構成する中空材本体10は、図5に示すように、主として第一ワインディング層14、第二ワインディング層15、及び必要に応じた基材層12からなるものであり、さらに必要に応じて形成されるコーティング層16とからなるものである。この図5には、説明上成形芯金11を入れたままの状態が示してあるが、この成形芯金11は中空材本体10を完成させた後に取外されるものであって、本発明の製造方法によって製造される中空材100の構成要素ではない。
この中空材本体10は、次のようにして製造される。この中空材本体10を製造するには、まず、図3に示すように、成形芯金11の表面に、紙あるいはアルミニウム等の金属薄板からなるハニカムシート13を、肉厚部10aに該当することになる部分を除いて仮止めするのである。この仮止めは、巻回したハニカムシート13の表面に、例えばビニールテープ等の離型剤の役目も果たす離型材17によって行うものである。
このハニカムシート13を成形芯金11上に仮止めするにあたって、両端部のそれぞれについて、図4に示したように、傾斜面13aを形成するのである。この傾斜面13aは、第一ワインディング層14や第二ワインディング層15を構成する繊維または糸を巻回するに際して、その巻回が成形芯金11上からハニカムシート13の一番高い所まで、あるいはその逆の方向で、安定的に行えるようにするものである。勿論、繊維や糸の巻回が、ハニカムシート13の端部にて成形芯金11から垂直に切り立ったものについても行えるのであれば、この傾斜面13aを形成する必要はないが、通常は、この傾斜面13aを形成しておいた方が、作業は非常にし易くなる。
ハニカムシート13は、紙や金属薄板からなる帯体を互いに部分的に連結して構成したものであって、これを広げたときに、図3に示したような六角柱状の空間を連続的に形成できるようにしたものであり、これを成形芯金11の表面に巻回しながら仮止めするのである。なお、このハニカムシート13の裏面側に離型剤を塗布しておいて、成形芯金11の引き抜きが容易に行えるようにすることもなされる。
仮止めされたハニカムシート13上、及びこのハニカムシート13が存在しない成形芯金11上には、図5に示すように、第一ワインディング層14及び第二ワインディング層15となるべきガラス、カーボン等の無機繊維あるいはナイロン等の合成繊維によって形成された繊維を所定の傾斜角度で巻回することを基本とするものである。また、仮止めされたハニカムシート13上、及びこのハニカムシート13が存在しない成形芯金11上には、図5に示すように、基材層12となるプリプレグ化されたガラスクロスあるいはカーボンクロス等を巻回する。そして、この基材層12上に、第一ワインディング層14及び第二ワインディング層15となるべきガラス、カーボン等の無機繊維あるいはナイロン等の合成繊維によって形成された繊維を所定の傾斜角度でさらに巻回することも行われるのである。
この基材層12としては、種々な態様のものが採用できるものであり、大きな布状のものであってもよいし、またテープ状のものであってもよく、さらには不織布状のものであってもよく、要するに熱硬化樹脂が含浸できてプレプレグ化できるものであれば、どのような形態のものであってもよい。また、この基材層12を構成する材料としては、種々なものが適用できるが、天然繊維、無機繊維、有機繊維等、何でもよい。
すなわち、この基材層12を構成するテープ、織布あるいは不織布としては、可撓性を有し、かつ強度の高い物であれば特に限定されない。例えば、天然繊維、無機繊維、有機繊維等の公知の繊維に、樹脂を含浸させてなる帯状物からなるもの、前記繊維を経糸や緯糸として用いて製織した織布からなるもの、前記繊維を用いて形成した不織布からなるもの等、が挙げられる。無機繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、窒化珪素繊維等が挙げられる。有機繊維としては、アラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維等のポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリフェニルスルホン繊維等が挙げられる。本実施形態では、ガラス繊維からなる補強テープ及び繊維を用いた。
そのほかにも、補強テープは、多数本からなる連続した強化繊維を一方向に配列し、その強化繊維に樹脂を含浸してたものであってもよい。強化繊維としては、上述した各種繊維から選択されるいずれか一種であってもよいし、前記繊維を複数種混入したハイブリッドタイプであってもよい。含浸される樹脂としては、常温硬化型等または熱硬化型のエポキシ樹脂、ポリエステル系樹脂等の熱硬化型樹脂を含むものを用いることができる。
以上のような巻回が済んだ後に、加熱釜等の中に各材料を成形芯金11とともに挿入し、プリプレグ化されたクロスや繊維を硬化させるのである。各材料の硬化が済めば、これから成形芯金11を抜く。そして、図6に示すように、肉厚部10aの中心に形成した開口部10cから、ハニカムシート13を引き出すのである。このハニカムシート13の硬化体からの引き剥がしは、上述したように、プリプレグに対する離型剤が塗布してあるから、肉厚部10aに形成してある開口部10cから作業者が手を入れれば、容易に行える。また、ハニカムシート13は、連続してその引き剥がしが行えるようにするために、文字通り連続した「シート」状のものであることが好ましい。
そして、以上のように硬化された部材の表面は、最外表面となって平滑性が必要となる中空材本体10とするために、第二ワインディング層15が表面となっているものではこの第二ワインディング層15の表面を、また第二ワインディング層15の表面にコーティング層16形成してあればこのコーティング層16を研磨することが必要である。
さて、上記の基材層12は、中心物となる成形芯金11に、プリプレグ化されたガラスクロスあるいはカーボンクロス等を2層に巻回して構成されているもので、この基材層12は完成後の中空材本体10の内面を滑らかにしかつ内径精度を上げるためのものである。この場合、成形芯金11は当然真円に近いものが使用され、その表面には必要に応じて離型剤が塗布される。離型剤を塗布するのは、完成後の中空材本体10からこの成形芯金11を抜き取る場合に、その作業を容易に行なえるようにするためである。
また、基材層12を成形芯金11に対して巻回するには、その布目が成形芯金11に対して斜めになるように配置してなされる。その理由は、この基材層12上に後述の第一ワインディング層14を巻回していく場合に、この巻回途中において基材層12がほぐれないようにするためである。
さらに、この実施例においては、基材層12の巻き数を2回としたがこれに限るものではなく、次に述べるように、1回でもよくまた3回以上であってもよい。この基材層12は、中空材本体10として完成した後における強度を保障するというよりは、むしろ次の第一ワインディング層14及び第二ワインディング層15の巻回作業を容易かつ確実にするものであり、例えば中空材本体10自体の径が小さい場合には1回でよいし、一方、中空材本体10の径が大きい場合には3回以上巻回すればよいのである。なお、この中空材本体10としては、その最終的な直径が25mm〜400mmまたはそれ以上であり、長さが300mm〜6000mm程度またはそれ以上のものまで製造されるのである。
第一ワインディング層14は、成形芯金11とともに回転される基材層12の上面に、繊維を順次巻回(ワインディング)することによって形成される。この第一ワインディング層14を形成する繊維は、ガラス、カーボン等の無機繊維あるいはナイロン等の合成繊維によって形成されたものであり、巻回される以前にプリプレグ化されている。勿論、この巻回にあたっては、各繊維に所定の張力を付した状態で行なわれる。そして、この第一ワインディング層14を形成する繊維の成形芯金11軸心に対する傾斜角度は、本実施例の場合45度である。この傾斜角度で成形芯金11の一端側から他端側に向けて所定の隙間で巻回し、他端に致ると今度は逆の傾斜角度(135度)で同様な巻回作業を順次行なっていく。このような巻回によって形成された層(繊維の一回巻きを1層とする)は、本実施例にあっては6層であった。この第一ワインディング層14が、当該中空材100の強度等を出す主たる部分となるから、繊維によって形成される層の数はもっと多くてもよい。
第二ワインディング層15は、基本的には第一ワインディング層14を形成する場合と同様な方法によって形成されるが、その成形芯金11に対する傾斜角度及び巻き数において異なる。すなわち、この第二ワインディング層15を形成する繊維の傾斜角度は本実施例にあっては75度であり、またその巻き数は3層である。この傾斜角度で、上述の第一ワインディング層14の場合と同様に、成形芯金11の一端側から他端側に向けて所定の隙間で巻回し、他端に致ると今度は逆の傾斜角度(105度)で同様な巻回作業を順次行なっていく。このように、繊維の傾斜角度を第一ワインディング層14の場合に比較して変更したのは、第一ワインディング層14を形成している繊維の各隙間を埋め尽くす必要があるからである。すなわち、第一ワインディング層14を形成している繊維の交差部分以外の部分で何等かの原因によって隙間が出きている場合であっても、その上から傾斜角度の異なる繊維を巻回することによって、この隙間は完全に埋めることができるからである。
また、第二ワインディング層15の巻き数を3層として、第一ワインディング層14の場合より少なくしたのは、この第二ワインディング層15は中空材100としての強度を保障するものではなく、完成後の中空材100の表面が完全に滑らかなものとするためのものであり、従ってこの第二ワインディング層15によって中空材100の表面が滑らかなものとなるのであれば本実施例の場合より少ない回数であってもよいものである。
以上の第一ワインディング層14や第二ワインディング層15を構成する材料は、基本的には、天然繊維、有機繊維、あるいは金属繊維を含む無機繊維のいずれでも採用できるものである。各繊維の代表例を列記すると、次の通りである。
有機繊維;アラミド繊維、ナイロン等のポリアミド繊維、ポリエチレン繊維等のポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリフェニルスルホン繊維
無機繊維;ガラス繊維、アルミナ繊維、窒化珪素繊維、炭素繊維
そして、この発明に係る中空材100にあっては、最外層にエポキシ樹脂によるコーティング層16が施されており、その厚さは0.3〜0.4であった。また、このコーティング層16の表面に機械的研磨を施して、1〜1.5の表面仕上げし、研摩面とした。
以上のように構成した中空材本体10の心円度は6/100であって、従来のものの心円度15/100よりその精度が向上しており、またそのヤング率は1800kgf/mmであった。なお、以上のように形成した中空材100にあっては、その表面仕上げをする前に、すなわち各層及び各被膜が硬化した後において、成形芯金11が抜き出される。この成形芯金11の抜き出しは、当該成形芯金11に離型剤が塗布してあればより一層良好に行なうことができるものであり、各層の端部を係止部材に係止させた状態で成形芯金11を機械によって強制的に引き抜くことによって行なわれる。その後にこれら中空材本体10はその表面仕上げがなされるとともに、中空材本体10の不要な端部を切断して完成品とされるのである。
また、上記の中空材100を構成する中空材本体10については、図7に示したように、その肉厚部10aに開口部10cを形成して、この開口部10c内に、チャッキングのための係合凹所10dを形成することがある。この係合凹所10dは、前述した成形芯金11の上面に、これに該当する別部材を肉厚部10aに対する離型剤を塗布した状態で一体化しておくことにより形成されるものである。このような係合凹所10dを形成しておけば、回転装置等のチャッキングに対する係止を簡単に行えるものである。
さて、図8及び図9には、具体例5または6に係る中空材100が示してあるが、この中空材100は、上述した中空材本体10の両端に連結板30を取り付けておいて、この連結板30の中心に形成した開口31内に、中空材本体10の軸心と一致させた状態の芯材20を支持させたものである。この芯材20は、当該中空材100の剛性をさらに向上させるものであり、完成後の中空材100の洗滌等における水切りを良好にしたり、静電的に付着したゴミの除去等を簡単に行えるようにしたりするために、左右両端にて完全に開放された筒体としたものである。
この芯材20は、前述した中空材本体10と同様な方法で形成されるものであり、図5に示すように、基材層22の上面にガラスあるいはカーボン繊維23等を順次巻回し、しかも第一ワインディング層24と第二ワインディング層25とでそのワインディング角度を変えたから、各第一ワインディング層24及び第二ワインディング層25の間の隙間が完全に埋められていて、その外形が真円に近いものとなっている。
この芯材20は、中空材本体10に対して固定して一体化しなければならないが、それを行なうのがドーナツ型の円盤状に形成した連結板30であり、この連結板30によって図9に示したように固定された芯材20は、中空材本体10の軸心に位置することになるのである。つまり、この芯材20は、中空材100を回転させるときの言わば回転軸となるものであり、回転軸として必要な剛性を有したものである。
連結板30による芯材20の中空材本体10に対する一体化は種々な形式が採用されるものであり、連結板30の外周に中空材本体10の端面に当接するフランジ部を形成しておいて、このフランジ部によって中空材本体10の端面を覆いながら中空材本体10と芯材20との一体化を図るように実施してもよい。また、例えば連結板30の中空材本体10や芯材20が嵌合される部分にネジを切っておき、これに合うネジを中空材本体10や芯材20の該当部分に形成しておいて、当該連結板30を中空材本体10及び芯材20に螺着することによって行ってもよい。さらに、連結板30の嵌合部の外径等を中空材本体10や芯材20の該当部分と同じにしておいて、接着剤を塗布して強制嵌合することにより一体化するように実施してもよい。勿論、上記ネジ及び接着剤を併用して実施してもよい。
以上のいずれの中空材100においても、図8に示したように、その中空材本体10の所定位置に目印18を形成したものであり、この目印18は、これによって回転装置等のチャッキングによるチャッキング位置を明示するようにしている。原反フィルム等を巻回した中空材100の重量は相当なものになるのであり、これを回転装置、支持装置あるいは巻戻し装置に掛ける場合には、その作業の最初から中空材100の位置をある程度決めておかなければならないことが多く、その場合にこの目印18は相当役に立つものとなるものである。
なお、以上に詳述した具体例1、2、3及び4に係る中空材100においては、
「構造材として使用される中空材100であって、
この中空材100を構成する中空材本体10を、その両端に位置して、当該中空材100の取付を行う肉厚部10aと、これらの肉厚部10aの内方全体に、当該中空材本体10の重量軽減を行う薄肉部10bとを有したものとするとともに、
中空材本体10を、ガラス、カーボン等の無機繊維あるいはナイロン等の合成繊維によって形成された繊維を所定の傾斜角度で巻回した複数のワインディング層14・15により構成したこと」
及び、
「原反フィルム、紙、シート等の可撓材の巻き取り等に使用される中空材100であって、
この中空材100を構成する中空材本体10を、外形が円筒形状となるようにしながら、両端に位置して、当該中空材100のチャッキングを行う肉厚部10aと、これらの肉厚部10aの内方全体に、当該中空材本体10の重量軽減を行う薄肉部10bとを有したものとするとともに、
中空材本体10を、ガラス、カーボン等の無機繊維あるいはナイロン等の合成繊維によって形成された繊維を所定の傾斜角度で巻回した複数のワインディング層14・15により構成したこと」
にその構成上の主たる特徴があり、これにより、軽量化、硬度化、耐摩耗性化、表面の平滑化及び熱膨張率の低減化を果すことができて、簡単に製造することのできる中空材100となっているのである。
すなわち、この中空材100によれば、中空材本体10に薄肉部10dが積極的に形成してあるから、非常に大径のものとなっても、その重量の軽減を達成することができるのである(軽量性の達成)。また、上記のように構成したことによって、この中空材100の剛性は、軽量なものであるにかかわらず十分なものとなるのであり、しかも原反フィルムの巻き締め力に十分対抗できる強度の高いものとすることができる(強度性の確保)。さらに、原反フィルムが直接巻回される中空材本体10は、部分的に撓んだり変形したりすることが常時ないのであり、巻回されていく原反フィルム等に「しわ」を発生させることがない(平滑性の確保)。
さらに、この中空材100によれば、原反フィルム等が直接巻回される中空材本体10を熱膨張係数の小さい材料によって形成したから、巻回時に生ずる機械的発熱に対して大きく熱膨張することがないのであり、中空材本体10の表面に巻回されるべき原反フィルム等に「しわ」を発生させることがない(非熱膨張性の確保)のである。
そして、この中空材100においては、中空材本体10によって主として構成したから、中空材本体10の表面、あるいはコーティング層16に生じたキズや汚損を研磨または研削によって除去する場合にも、中空材100は全く撓むことがないのであり、従って中空材100の全ての部分において真円状態を確保することができ、中空材100の再使用を十分行うことができるのである。
また、上記各中空材100について、肉厚部10aに開口部10cを形成して、この開口部10c内に、取付のための、あるいはチャッキングのための係合凹所10dを形成すれば、上記の中空材100と同様な効果を発揮することができて、しかも回転装置等に掛けるときの作業性を向上させた中空材100とすることができるのである。
さらに、具体例5または6に係る中空材100においては、同様に、
「原反フィルム、紙、シート等の可撓材の巻き取り等に使用される中空材100であって、
この中空材100を構成する中空材本体10を、外形が円筒形状となるようにしながら、両端に位置して、当該中空材100のチャッキングを行う肉厚部10aと、これらの肉厚部10aの内方全体に、当該中空材本体10の重量軽減を行う薄肉部10bとを有したものとするとともに、
各肉厚部10aに開口31を有する連結板30を連結し、これらの連結板30の各開口31に、当該中空材100の回転軸心と同一軸心を有する円筒状の芯材20を一体化して、
中空材本体10及び芯材20を、ガラス、カーボン等の無機繊維あるいはナイロン等の合成繊維によって形成された繊維を所定の傾斜角度で巻回した複数のワインディング層14・15により構成したこと」
にその構成上の主たる特徴があり、これにより、軽量化が果たされていることは勿論、さらに硬度化を達成することができて、耐摩耗性化、表面の平滑化及び熱膨張率の低減化を果すことのできる中空材100とすることができるのである。
本発明の製造対象である中空材の使用状態を示す正面図である。 同中空材の断面図である。 同中空材を構成する中空材本体を形成する本発明に係る方法において、成形芯金の表面にハニカムシートを仮止めしている工程を概略的に示す正面図である。 図3の部分拡大断面図である。 同中空材を構成する中空材本体または芯材を形成する工程を概略的に示した部分斜視図である。 同中空材を形成するために中空材本体の中からハニカムシートを取り除いている工程を示す断面図である。 本発明の製造方法によって製造される中空材の部分斜視図である。 具体例5及び具体例6の発明に係る中空材の部分斜視図である。 同中空材の断面図である。
符号の説明
100 中空材
10 中空材本体
10a 肉厚部
10b 薄肉部
10c 開口部
10d 係合凹所
11 成形芯金
12 基材層
13 ハニカムシート
13a 傾斜面
14 第一ワインディング層
15 第二ワインディング層
16 コーティング層
17 離型材
18 目印
20 芯材
30 連結板
31 開口

Claims (5)

  1. 構造材として使用される中空材を構成し、両端に位置する肉厚部と、これらの肉厚部の内方全体に一体的となって位置する薄肉部とを有した中空材本体を、次の各工程を含んで製造する方法。
    (1)成形芯金の表面に、紙あるいは金属薄板からなるハニカムシートを、前記肉厚部となる部分を除いて仮止めする工程;
    (2)前記成形芯金及びハニカムシート上に、複数のワインディング層となるべき、樹脂を含浸させた無機繊維あるいは合成繊維、またはプリプレグ化された無機繊維あるいは合成繊維を、所定の傾斜角度で巻回する工程;
    (3)前記繊維を硬化させてから前記成形芯金を抜き、前記肉厚部の中心に形成した開口部から、前記ハニカムシートを引き出す工程;
    (4)前記硬化された部材の表面の仕上げを行う工程。
  2. 構造材として使用される中空材を構成し、両端に位置する肉厚部と、これらの肉厚部の内方全体に一体的となって位置する薄肉部とを有した中空材本体を、次の各工程を含んで製造する方法。
    (1)成形芯金の表面に、紙あるいは金属薄板からなるハニカムシートを、前記肉厚部となる部分を除いて仮止めする工程;
    (2)前記成形芯金及びハニカムシート上に、基材層となるプリプレグ化されたガラスクロスあるいはカーボンクロスを巻回し、その上に、複数のワインディング層となるべき、樹脂を含浸させた無機繊維あるいは合成繊維、またはプリプレグ化された無機繊維あるいは合成繊維を、所定の傾斜角度で巻回する工程;
    (3)これらの繊維及び前記プリプレグ化されたクロスを硬化させてから前記成形芯金を抜き、前記肉厚部の中心に形成した開口部から、前記ハニカムシートを引き出す工程;
    (4)前記硬化された部材の表面の仕上げを行う工程。
  3. 原反フィルム、紙、シート等の可撓材の巻き取りに使用される中空材を構成し、外形が円筒形状であって、両端に位置する肉厚部と、これらの肉厚部の内方全体に一体的となって位置する薄肉部とを有した中空材本体を、次の各工程を含んで製造する方法。
    (1)成形芯金の表面に、紙あるいは金属薄板からなるハニカムシートを、前記肉厚部となる部分を除いて仮止めする工程;
    (2)前記成形芯金及びハニカムシート上に、複数のワインディング層となるべき、樹脂を含浸させた無機繊維あるいは合成繊維、またはプリプレグ化された無機繊維あるいは合成繊維を、所定の傾斜角度で巻回する工程;
    (3)前記繊維を硬化させてから前記成形芯金を抜き、前記肉厚部の中心に形成した開口部から、前記ハニカムシートを引き出す工程;
    (4)前記硬化された部材の表面の仕上げを行う工程。
  4. 原反フィルム、紙、シート等の可撓材の巻き取りに使用される中空材を構成し、外形が円筒形状であって、両端に位置する肉厚部と、これらの肉厚部の内方全体に一体的となって位置する薄肉部とを有した中空材本体を、次の各工程を含んで製造する方法。
    (1)成形芯金の表面に、紙あるいは金属薄板からなるハニカムシートを、前記肉厚部となる部分を除いて仮止めする工程;
    (2)前記成形芯金及びハニカムシート上に、基材層となるプリプレグ化されたガラスクロスあるいはカーボンクロスを巻回し、その上に、複数のワインディング層となるべき、樹脂を含浸させた無機繊維あるいは合成繊維、またはプリプレグ化された無機繊維あるいは合成繊維を、所定の傾斜角度で巻回する工程;
    (3)これらの繊維及び前記プリプレグ化されたクロスを硬化させてから前記成形芯金を抜き、前記肉厚部の中心に形成した開口部から、前記ハニカムシートを引き出す工程;
    (4)前記硬化された部材の表面の仕上げを行う工程。
  5. 前記成形芯金上のハニカムシートの両端に、前記中空材本体の各肉厚部が形成される部分に向けた傾斜面を形成してから、前記(2)の巻回工程を行うようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の中空材本体の製造方法。
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