JP2002168247A - 直動装置 - Google Patents

直動装置

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JP2002168247A
JP2002168247A JP2000363115A JP2000363115A JP2002168247A JP 2002168247 A JP2002168247 A JP 2002168247A JP 2000363115 A JP2000363115 A JP 2000363115A JP 2000363115 A JP2000363115 A JP 2000363115A JP 2002168247 A JP2002168247 A JP 2002168247A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 運転に伴う発熱を抑制して高速走行時の信頼
性を向上させるとともに、長期にわたる潤滑が維持され
る直動装置を提供する。 【解決手段】 外方部材と、該外方部材に隙間を介して
対向する内方部材と、前記外方部材と前記内方部材との
間に転動自在に配設され、前記外方部材と前記内方部材
とを相対移動させる複数の転動体と、前記隙間の開口を
密封するシール装置と、前記シール装置に近接して配置
され、潤滑剤を含有した状態で固形化した合成樹脂から
なる潤滑剤供給部材とを備えた直動装置において、前記
潤滑剤供給部材が、熱伝導率が20W/m・K以上の固体
潤滑剤を含有していることを特徴とする直動装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リニアガイド装置
やボールねじ等の直動装置に関し、より詳細には運転に
伴う温度上昇を抑え、高速走行時の信頼性と潤滑寿命の
改善を図った直動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来この種の直動装置として、例えば本
出願人による特開平9−25933号公報に記載されて
いるリニアガイド装置がある。このリニアガイド装置で
は、シール装置のリップに近接して潤滑剤供給部材を配
設している。潤滑剤供給部材は、ポリエチレン等のポリ
オレフィン系合成樹脂と潤滑剤(潤滑油やグリース)と
からなる混合物を射出成形等により所定形状に成形して
得られ、潤滑剤を含有した状態で固化しており、その表
面から潤滑剤が徐々に滲み出て長期にわたる潤滑を可能
にしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
潤滑剤供給部材では、ポリエチレン及び潤滑剤が共に熱
伝導率が低いことから、スライダの走行に伴い、近接配
置された潤滑剤供給部材と案内レールとの摺動発熱によ
り摺動部に熱が蓄積し、局所的な発熱が起こりやすくな
っている。スライダの走行速度は高速化の傾向にあり、
それに伴ってこのような局所的な発熱による温度上昇も
高くなってきている。潤滑剤供給部材は樹脂成分を母体
とすることから、高温になるとこの樹脂成分が軟化し、
摺動抵抗が高くなって走行に支障を来たしたり、機械的
強度が低下して破損に至る可能性が高くなる。また、潤
滑剤供給部材は、高温になるほど含有する潤滑剤の放出
量が多くなるため、早期に枯渇するという問題もある。
【0004】本発明は上記の問題点を解決することを目
的とし、即ち運転に伴う発熱を抑制して高速走行時の信
頼性を向上させるとともに、長期にわたる潤滑が維持さ
れる直動装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、外方部材と、該外方部材に隙間を介し
て対向する内方部材と、前記外方部材と前記内方部材と
の間に転動自在に配設され、前記外方部材と前記内方部
材とを相対移動させる複数の転動体と、前記隙間の開口
を密封するシール装置と、前記シール装置に近接して配
置され、潤滑剤を含有した状態で固形化した合成樹脂か
らなる潤滑剤供給部材とを備えた直動装置において、前
記潤滑剤供給部材が、熱伝導率が20W/m・K以上の固
体潤滑剤を含有していることを特徴とする直動装置を提
供する。
【0006】上記直動装置においては、潤滑剤供給部材
が、熱伝導率が20W/m・K以上の固体潤滑剤を含有す
ることにより、潤滑剤供給部材の熱伝導率が高まり、運
転に伴って発生する熱を効果的に外部に放熱する。その
ため、高速走行時でも潤滑剤供給部材が変形したり、破
損に至ることもなく、また潤滑剤供給部材が本来有する
潤滑剤を徐々に放出する機能も維持され、更には固体潤
滑剤による潤滑作用も付加されて良好な潤滑性能を長期
にわたり確保される。本発明はこのような知見に基づく
ものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明に関して図面を参照
して詳細に説明する。
【0008】本発明に係る直動装置として、以下にその
構造を詳述するリニアガイド及びボールねじ装置を例示
することができる。
【0009】(リニアガイド装置)リニアガイドは、図
1に示すように、外面に転動体転動溝13A、13Bを
有して軸方向に延びる案内レール10と、その案内レー
ル10を跨いで組み付けられたスライダ20とを備えて
いる。
【0010】スライダ20は、スライダ本体20Aとそ
の両端部に取り付けられたエンドキャップ20Bとから
なり、スライダ本体20Aは両袖部の内側面に案内レー
ル10の転動体転動溝13A、13Bに対向する図示さ
れない負荷転動体転動溝を有するとともに、袖部の肉厚
部分を軸方向に貫通する転動体戻し路を有している。エ
ンドキャップ20Bは、スライダ本体20Aの転動体転
動溝とこれに平行な転動体戻し路とを連通させる図示さ
れない湾曲路を有しており、それらの転動体転動溝と転
動体戻し路と両端の湾曲路とで転動体循環回路が形成さ
れている。その転動体循環回路内には例えば、鋼球から
なる多数の転動体が装填されている。尚、図中27はグ
リースニップルである。
【0011】また、エンドキャップ20Bは、合成樹脂
の射出成形品で、断面ほぼコ字形に形成されている。そ
して、スライダ20の端部の組立て状態を示す斜視図で
ある図2にも示すように、両エンドキャップ20Bのそ
れぞれの外面側には、エンドキャップ20Bに近い側か
ら順に、補強板21、潤滑剤供給部材22およびサイド
シール23が、重ね合わされた状態で固定されている。
【0012】補強板21は、エンドキャップ20Bの外
形に合わせたほぼコ字形状の鋼板であり、その両袖部に
は、取付ネジ26を貫通させる貫通孔21a、21bが
形成されるとともに、両袖部を連結する連結部には、グ
リースニップル用の貫通孔21cが形成されている。な
お、この補強板21は、案内レール10とは非接触であ
る。
【0013】また、サイドシール23は、エンドキャッ
プ20Bの外形にあわせたほぼコ字形状の鋼板と、この
鋼板と相似の形状を有してその外面に一体的に成形され
たニトリルゴムとから構成されている。かかるサイドシ
ール23の案内レール10と接触するリップ部Lは、そ
の内側の面は、スライダ20と案内レール10との間の
隙間をシールできるように、その案内レール10の断面
形状に合わせて案内レール10の上面10aおよび外側
面10b、また転動体転動溝13A、13Bにも摺接可
能な形状に成形されている。尚、このサイドシール23
にも、取付けネジ貫通用の貫通孔23a、23b及びグ
リースニップル用の貫通孔23cが形成されている。
【0014】そして、これら補強板21とサイドシール
23との間に挟まれている潤滑剤供給部材22は、図3
に示すように、エンドキャップ20Bの外形に合わせた
ほぼコ字形状に形成されていて、そのコ字形状の内側の
面は案内レール10の上面10a及び側面10bに沿う
形状となっており、更に案内レール10の上の転動体転
動溝13Bに対応する突起22a、22b、並びに下の
転動体転動溝13Aに対応する突起22c、22dがそ
れぞれ形成されて案内レール10の横断面外形形状に整
合されている。また、潤滑剤供給部材22は、取付けネ
ジ貫通用の22e、22f及びグリースニップル用の貫
通孔22gが形成されている。
【0015】尚、図2において、符号25a〜25c
は、リング状スリーブ部材である。
【0016】(ボールねじ装置)ボールねじ装置は、図
4に示すように、ボールナット30がねじ軸31を内包
するように配置され、ボールナット30の内周に形成さ
れたねじ溝30aと、それに対向するねじ軸31の外周
に形成されたねじ溝31bとの間には、複数のボール3
2が転動自在に配置されている。
【0017】ボールナット30の一側端(図中右方端)
には、潤滑剤供給部材33を介して、円筒状のシールキ
ャップ34がボルト35により取り付けられている。ボ
ルト35の軸部外周には、スリーブ36がそれぞれ介装
されている。シールキャプ34の端部には、ラビリンス
シール37が取り付けられ、ねじ軸31とシールキャッ
プ34との間を介して塵芥等の異物が侵入することを防
止している。また、潤滑剤供給部材33の外周に細い溝
33aが形成されており、ここに配置されたガータスプ
リング38により一定の圧力でねじ軸31の外周に向か
ってラジアル方向に加圧されている。そのため、例えば
長期運転により潤滑剤供給部材33の内周面が摩耗して
も、常時、ねじ軸31との適切な接触が保たれ、良好な
潤滑が確保されるようになっている。
【0018】上記リニアガイド装置及びボールねじ装置
において、各潤滑剤供給部材22、33(以下、符号
略)は、潤滑剤及び固体潤滑剤を含有した状態で固形化
した合成樹脂からなる。この潤滑剤供給部材は、合成樹
脂に潤滑剤及び固体潤滑剤、更には各種添加剤を配合し
混合した成形材料を合成樹脂の融点以上で加熱して可塑
化し、所定の成形型に充填した後冷却することにより得
られる。
【0019】潤滑剤及び合成樹脂は特に制限されるので
はないが、合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリブチレン、ポリメチルペンテン等の基本的
に同じ化学構造を有するポリオレフィン系樹脂の群から
適宜選択できる。
【0020】潤滑剤としては、ポリα−オレフィン油の
ようなパラフィン系炭化水素油、ナフテン系炭化水素
油、鉱油、ジアルキルジフェニルエーテル油のようなエ
ーテル油、フタル酸エステルのようなエステル油等を単
独で、若しくは混合油の形で使用することができる。ま
た、潤滑剤には、何れも公知の酸化防止剤、錆止め剤、
摩耗防止剤、あわ消し剤、極圧剤等の各種添加剤を加え
てもよい。
【0021】固体潤滑剤としては、その熱伝導率が熱伝
導率が20W/m・K以上のものであれば特に制限される
ものはないが、例えば黒鉛(グラファイト)(熱伝導率
100〜150W/m・K)、窒化硼素(h−BN)(50〜85
W/m・K)等を使用することができる。これらは、粒
子状のほか、繊維状やウィスカー状で使用することがで
きる。本発明においては、潤滑剤供給部材が固体潤滑剤
を含むことにより、潤滑剤に加えてこの固体潤滑剤によ
る潤滑作用が付加され、良好な潤滑性能が得られる。
【0022】上記潤滑剤供給部材における組成比は、全
重量に対してポリオレフィン系樹脂10〜45重量%、潤滑
剤85〜50重量%、固体潤滑剤5〜25重量%である。ポリ
オレフィン系樹脂が10重量%未満の場合は、あるレベル
以上の硬さ・強度が得られず、直動装置の走行等によっ
て負荷がかかった時に初期の形状を維持するのが難しく
なり、破損や変形等の不具合を生じる可能性が高くな
る。一方、ポリオレフィン系樹脂が45重量%を越える場
合は、相対的に潤滑剤の含有量が少なくなり、それだけ
直動装置内部への潤滑剤の供給が少なくなり、軸受の寿
命が短くなる。また、固体潤滑剤が5重量%未満の場合
は、潤滑剤供給部材の熱伝導率を高める効果が少なく、
それに対して25重量%を超えると、相対的に潤滑剤の含
有量が少なくなり、それだけ直動装置内部への潤滑剤の
供給が少なくなり、直動装置の寿命が短くなる。
【0023】上記合成樹脂の群は、基本構造は同じでそ
の平均分子量が異なっており、700〜5×106の範囲に及
んでいる。使用に際しては、平均分子量700〜1×104
ワックスに分類されるもの、平均分子量1×104〜1×1
06の比較的低分子量のもの、平均分子量1×106〜5×1
06の超高分子量のものを、単独で若しくは必要に応じて
混合して用いる。例えば、比較的低分子量のものと潤滑
剤との組合わせによって、ある程度の機械的強度、潤滑
剤供給能力、保油性を持つ潤滑剤供給部材が得られる。
また、この比較的低分子量のものの一部をワックスに分
類されるものに置き換えると、ワックスに分類されるも
のと潤滑剤との分子量の差が小さいために潤滑剤との親
和性が高くなり、結果として潤滑剤供給部材の保油性が
向上し、長期間にわたっての潤滑剤の供給が可能にな
る。但し、その反面機械的強度は低下する。ワックスと
しては、ポリエチレンワックスのようなポリオレフィン
系樹脂の他、融点が100〜130℃以上の範囲にある炭化水
素系のもの(例えば、パラフィン系合成ワックス)であ
れば使用できる。それに対して、比較的低分子量のもの
の一部を超高分子量のものに置き換えると、超高分子量
のものと潤滑剤との分子量の差が大きいために潤滑剤と
の親和性が低くなり、結果として保油性が低下し、潤滑
剤供給部材からの潤滑剤の滲み出しが速くなる。それに
よって、潤滑剤供給部材から供給可能な潤滑剤の限界量
に達する時間が短くなり、軸受の寿命が短くなる。ただ
し、機械的強度は向上する。
【0024】そこで、成形性、機械的強度、保油性、潤
滑剤供給量のバランスを考慮すると、潤滑剤供給部材の
組成比をワックスに分類されるもの0〜5重量%、比較
的低分子量のもの8〜43重量%、超高分子量のもの2〜
15重量%で、3つの樹脂分の合計10〜45重量%とするの
が実用上好適である。
【0025】機械的強度の指標として、潤滑剤供給組成
物の硬さ[HD (スケールAを用いたデュロメータ
硬さ)]が65〜85の範囲にあることが好ましく、70〜80
の範囲にあることがより好ましい。硬さ[HD ]が
65未満の場合は、強度的に弱く直動装置の走行によって
破損する恐れがある。それに対して硬さ[HD ]が
85を越える場合は、直動装置の走行時の抵抗が大きくな
り、それによって直動装置のトルクが大きくなったり、
直動装置の走行による特に摺動部の発熱が大きくなる恐
れがある。
【0026】潤滑剤供給部材の機械的強度を向上させる
ため、上述のポリオレフィン系樹脂に、以下のような熱
可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂を添加してもよい。
【0027】熱可塑性樹脂としては、ポリアミド、ポリ
カーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェ
ニレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリエー
テルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリスチレ
ン、ABS樹脂等の各樹脂を使用することができる。
【0028】熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステ
ル樹脂、尿素樹脂、メラニン樹脂、フェノール樹脂、ポ
リイミド樹脂、エポキシ樹脂等の各樹脂を使用すること
ができる。
【0029】これらの樹脂は、単独または混合して用い
てもよい。また、ポリオレフィン系樹脂とそれ以外の樹
脂とをより均一な状態で分散させるために、必要に応じ
て適当な相溶化剤を加えてもよい。
【0030】同じく機械的強度を向上させるためには、
充填材を添加しても良い。例えば、炭酸カルシウムウィ
スカーや炭酸マグネシウムウィスカー、チタン酸カリウ
ムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー等の無機
ウィスカー類、またガラス繊維や金属繊維等の無機繊維
類及びこれらを布状に編組したもの、あるいはアラミド
繊維やポリエステル繊維等の有機繊維類及びこれらを布
状に編組したものを添加してもよい。
【0031】更に、ポリオレフィン系樹脂の熱による劣
化を防止する目的で、N,N′−ジフェニル−p−フェ
ニルジアミン、2,2′−メチレンビス(4−エチル−
6−t−ブチルフェノール)等の老化防止剤、また光に
よる劣化を防止する目的で、2−ヒドロキシ−4−n−
オクトキシベンゾフェノン、2−(2′−ヒドロキシ−
3′−t−ブチル−5′−メチル−フェニル)−5−ク
ロロベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤を添加しても
よい。
【0032】以上に挙げたポリオレフィン系樹脂、潤滑
剤及び固体潤滑剤以外の添加剤の添加量は、添加剤全体
として潤滑剤供給部材全量の20重量%以下であること
が、潤滑剤の供給能力を維持する上で好ましい。
【0033】本発明で用いることのできる合成樹脂とし
ては、上記で説明したようなポリオレフィン系樹脂をベ
ースとしたものの他、射出成形可能な熱可塑性樹脂であ
れば使用でき、その中で含油量を多くすることができる
ものとして例えば、ポリエステル系エラストマー、ポリ
アミド系エラストマー等がある。
【0034】また、熱可塑性樹脂の他に、ポリウレタ
ン、ポリウレアエラストマー等の熱硬化性樹脂も用いる
ことができる。ポリウレタンの場合は、潤滑剤としてグ
リースを用いて、反応原料となる。イソシアネート基を
含有するウレタンプレポリマーとアミン系硬化剤とをそ
れぞれあるいはどちらか一方をグリースに均一に混合し
た後、2つの混合物をさらに混合して潤滑剤供給部材用
成形型に充填し、必要に応じて加熱して反応させ、グリ
ースを含有させた状態で硬化させる。ポリウレアの場合
は、分子鎖にソフトセグメントを含有する芳香族ポリア
ミン化合物及び芳香族ジアミンの混合物からなるアミン
成分を、それと相溶性のある潤滑油或いはその潤滑油を
基油とするグリースと均一に混合した混合物に、更にポ
リイソシアナート成分を加えて混合し、これを成形型に
充填後、必要に応じて加熱して反応させ、潤滑剤を含有
させた状態で硬化させる。
【0035】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に説明す
る。但し、本発明は以下に限定されるものではない。
【0036】(成形原料の調製)高密度ポリエチレン
(比較的低分子量に分類)10重量%と、超高分子量ポリ
エチレン(超高分子量に分類)12.5重量%と、ポリエチ
レンワックス(ワックスに分類)2.5重量%とからなる
樹脂に、黒鉛粉末8重量%と鉱油67重量%とを混合して
成形材料Aを調製した。また、成形材料Aの黒鉛粉末を
窒化硼素(h−BN)に代えた以外は同様にして成形材
料Bを調製した。更に、高密度ポリエチレン(比較的低
分子量に分類)10重量%と、超高分子量ポリエチレン
(超高分子量に分類)12.5重量%と、ポリエチレンワッ
クス(ワックスに分類)2.5 重量%とからなる樹脂と、
鉱油75重量%を混合して成形原料Cを調製した。
【0037】(熱伝導率測定)上記の成形原料A、B及
びCを溶融し、所定の型に充填した後冷却して試験片を
成形した。そして、各試験片についてレーザーフラッシ
ュ法により室温で熱伝導率を測定した。結果を表1に示
す。尚、表中、成形原料Aによる試験片が実施例1、成
形原料Bによる試験片が実施例2、成形原料Cによる試
験片が比較例1である。
【0038】
【表1】
【0039】表1に示すように、黒鉛粉末を含有させた
各実施例の試験片では、熱伝導率が大幅に高まることが
確認された。
【0040】(リニアガイド走行試験)また、成形原料
A、B及びCを用い、本出願人による特開平9−309
793号に記載されたホッパー部を改良した射出成形機
により図3に示す潤滑剤供給部材を作製した。そして、
図1に示すリニアガイド装置(LS15)を用いて以下
に示す走行試験を行った。尚、成形原料Aによる潤滑剤
供給部材を組み込んだリニアガイド装置を実施例1、成
形原料Bによる潤滑剤供給部材を組み込んだリニアガイ
ド装置を実施例2、成形原料Cによる潤滑剤供給部材を
組み込んだリニアガイド装置を比較例1とする。
【0041】試験は、送り速度10mm/s、20mm/s、50mm/
s、100mm/s、500mm/s、1000mm/sにおいて、リニアガイ
ド装置に潤滑剤供給部材を装着した場合と、装着しない
場合とで動摩擦力を測定し、その差から潤滑剤供給部材
だけの動摩擦力を求めた。尚、潤滑剤供給部材はスライ
ダ(図2参照)の両端に各1つずつ取り付け、また予圧
Z1(1.47N)を付与して走行させた。各送り速度
における動摩擦力を表2に示すが、送り速度10mm/sにお
ける実施例1の潤滑剤供給部材だけの動摩擦力を1と
し、それとの相対値で示してある。
【0042】
【表2】
【0043】また、各送り速度において、案内レールの
室温からの温度上昇を測定した。結果を表3に示す。
【0044】
【表3】
【0045】表2及び表3から、潤滑剤供給部材に黒鉛
粉末を含有させた各実施例では、送り速度が早くなって
も動摩擦力並びに温度の上昇が少なく、高速走行時にお
ける安定性が高いことが確認された。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の直動装置
は、熱伝導率が20W/m・K以上の固体潤滑剤を含有す
る潤滑剤供給部材を備えることにより、潤滑剤供給部材
の放熱効果が高まり、高速走行時でも潤滑剤供給部材が
変形したり、破損に至ることもなく、また潤滑剤供給部
材が本来有する潤滑剤を徐々に放出する機能も維持さ
れ、更には固体潤滑剤による潤滑作用も付加されて良好
な潤滑性能を長期にわたり確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る直動装置の一実施形態であるリニ
アガイド装置を示す斜視図である。
【図2】図1に示すリニアガイド装置において、潤滑剤
供給部材を含むスライダの構成を示す分解図である。
【図3】図2に示す潤滑剤供給部材の斜視図である。
【図4】本発明に係る直動装置の他の実施形態であるボ
ールねじ装置を示す要部断面図である。
【符号の説明】
10 案内レール 20 スライダ 21 補強板 22 潤滑剤供給部材 23 サイドシール 30 ボールナット 31 ねじ軸 32 ボール 33 潤滑剤供給部材 34 シールキャップ 35 ボルト 36 スリーブ 37 ラビリンスシール

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外方部材と、該外方部材に隙間を介して
    対向する内方部材と、前記外方部材と前記内方部材との
    間に転動自在に配設され、前記外方部材と前記内方部材
    とを相対移動させる複数の転動体と、前記隙間の開口を
    密封するシール装置と、前記シール装置に近接して配置
    され、潤滑剤を含有した状態で固形化した合成樹脂から
    なる潤滑剤供給部材とを備えた直動装置において、前記
    潤滑剤供給部材が、熱伝導率が20W/m・K以上の固体
    潤滑剤を含有していることを特徴とする直動装置。
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JP2008128324A (ja) * 2006-11-20 2008-06-05 Nsk Ltd 直線運動装置及び直線運動装置用シール部材の製造方法
JP2009115129A (ja) * 2007-11-02 2009-05-28 Nsk Ltd ねじ装置

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