JPH1182502A - 直動案内軸受装置 - Google Patents

直動案内軸受装置

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Publication number
JPH1182502A
JPH1182502A JP23697597A JP23697597A JPH1182502A JP H1182502 A JPH1182502 A JP H1182502A JP 23697597 A JP23697597 A JP 23697597A JP 23697597 A JP23697597 A JP 23697597A JP H1182502 A JPH1182502 A JP H1182502A
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JP
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lubricant
rolling
guide rail
rolling element
containing member
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JP23697597A
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English (en)
Inventor
Yasushi Abe
靖司 阿部
Hiroshi Fujita
洋 藤田
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】案内レールの転動体転動溝に密着して転動体が
転がり運動を維持するのに十分な潤滑剤を供給できる直
動案内軸受装置を提供することにある。 【解決手段】転動体転動溝13a,13bを有して軸方
向に延びる案内レール11にスライダ12が遊嵌され、
スライダ12は転動体戻し路からなる転動体循環路を備
え、この転動体循環路に案内レールに沿ってスライダを
相対移動させる多数の転動体が装填され、スライダの端
部で、スライダの端面と板状部材との間に潤滑剤含有の
ゴムまたは合成樹脂からなる潤滑剤含有部材21を挟み
込み、かつ潤滑剤含有部材の一部を案内レールに接触し
た状態で取り付けたものにおいて、潤滑剤含有部材21
の両袖部内側面の一部を転動体転動溝13b及びその周
辺部に圧接するように潤滑剤含有部材21に凹溝28を
設け、この凹溝28に弾性部材29を嵌め込んだことを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、工作機械、産業
機械等にリニアガイドとして用いられる直動案内軸受装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】工作機械、産業機械等に用いられるリニ
アガイドは、軸方向に長く延びる案内レールと、この案
内レールに移動自在に遊嵌されるスライダとから構成さ
れている。案内レールの外面には転動体転動溝が設けら
れ、スライダには案内レールの転動体転動溝に対向する
負荷転動体転動溝が設けられている。さらに、この負荷
転動体転動溝の両端部に湾曲路を介して連結された転動
体戻し路からなる転動体循環路が設けられている。この
転動体循環路には案内レールに沿ってスライダを相対移
動させる多数の転動体が装填されている。
【0003】この種のリニアガイドとしての直動案内軸
受装置は、本出願人が既に出願した特開平9−5363
7号公報(以下、従来例1という)及び特開平9−11
2552号公報(以下、従来例2という)として知られ
ている。この従来例1,2のものは、直動案内軸受装置
において、長期間に亘って転動体に潤滑剤を安定的に供
給でき、転動体が滑らかな転がり運動を維持するように
したものであり、具体的には図5及び図6に示すように
構成されている。
【0004】図5において、案内レール1の外面には転
動体転動溝2a,2bが設けられ、スライダ3には案内
レール1の転動体転動溝2a,2bに対向する負荷転動
体転動溝(図示しない)が設けられている。スライダ3
の両端部にはエンドキャップ4が設けられ、このエンド
キャップ4に近い側から補強板5、潤滑剤含有部材6及
び板状部材としてのサイドシール7が重ね合わした状態
に固定されている。
【0005】サイドシール7と補強板5間に挟まれてい
る潤滑剤含有部材6は、エンドキャップ4の外形に合わ
せた略コ字形状に形成されていて、そのコ字形状の内側
の面は、テーパ状ではなく平坦な形状であって、案内レ
ール1の断面形状に合わせて案内レール1の上面1a及
び転動体転動溝2a、2bを含む外側面1bに摺接可能
な形状となっている。
【0006】したがって、潤滑剤含有部材6がスライダ
3と一体に案内レール1に沿って移動すると、潤滑剤含
有部材6から経時的に徐々にしみだす潤滑剤は、確実に
案内レール1に供給され、案内レール1に供給された潤
滑剤は、その案内レール1の表面や転動体転動溝2a,
2bを介して転動体に供給される。
【0007】さらに、図6に示すように、潤滑剤含有部
材6の両袖部6a、6bに形成された貫通孔8a、8b
のそれぞれにはリング状部材9a、9bが嵌め込まれて
いる。また、潤滑剤含有部材6の連結部6cに形成され
た貫通孔8cにもリング状部材9cが嵌め込まれてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
1及び2の弾性体は、単純なコ字状部材であり、その両
脚部で潤滑剤含有部材6の両袖部6a,6bを案内レー
ル1の外側面1bに押圧している。すなわち、両袖部6
a,6bの内面全体を案内レール1の外側面1bに略均
一に押圧しているため、潤滑剤をあまり必要としない転
動体転動溝2a,2b以外の部分にも転動体転動溝2
a,2bと同様に潤滑剤を供給してしまい、潤滑剤を必
要とする部位に集中して効果的に潤滑剤を供給できない
という問題があった。
【0009】この発明は、前記事情に着目してなされた
もので、その目的とするところは、案内レールの転動体
転動溝に確実に集中的に潤滑剤を供給でき、転動体の転
がり運動を長期的に維持できる直動案内軸受装置を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記目的を
達成するために、請求項1は、外面に転動体転動溝を有
して軸方向に延びる案内レールにスライダが遊嵌され、
前記スライダは前記案内レールの転動体転動溝に対向す
る負荷転動体転動溝及びこの負荷転動体転動溝の両端部
に湾曲路を介して連結された転動体戻し路からなる転動
体循環路を備え、この転動体循環路に前記案内レールに
沿って前記スライダを相対移動させる多数の転動体が装
填され、前記案内レールを跨ぎ、両袖部を有する略コ字
形状で、潤滑剤を含有したゴムまたは合成樹脂からなる
潤滑剤含有部材を板状部材を介して前記スライダの端部
に配置した直動案内軸受装置において、前記潤滑剤含有
部材の両袖部内側面の一部を前記案内レールの少なくと
も1つ以上の転動体転動溝及びその周辺部に押圧するよ
うに前記潤滑剤含有部材に弾性部材を設けたことを特徴
とする。前記構成によれば、潤滑剤含有部材の転動体転
動溝に対向する部位周辺部を弾性部材によって押し付け
て潤滑剤を転動体転動溝に供給できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明の各実施の形態を
図面に基づいて説明する。図1〜図3は第1の実施形態
を示し、図1は直動案内軸受装置の分解斜視図、図2は
直動案内軸受装置の斜視図、図3は潤滑剤含有部材の正
面図及び側面図である。図1及び図2に示すように、外
面に転動体転動溝13a、13bを有して軸方向に延び
る案内レール11と、その案内レール11を跨いで組み
付けられたスライダ12とを備えている。
【0012】具体的には、案内レール11の上面11a
両側面11bが交叉する稜線部に、断面略1/4円弧形
状の軸方向の凹溝からなる一方の転動体転動溝13aが
形成されているとともに、案内レール11の両側面11
bの中間位置に断面略半円形の他方の転動体転動溝13
bが形成されている。転動体転動溝13bの溝底には、
スライダ12を案内レール11に組み付けない状態での
転動体の脱落を防ぐ保持器の逃げ溝13cが形成されて
いる。
【0013】一方、スライダ12は、スライダ本体12
aとその両端部に取り付けられたエンドキャップ12b
とからなり、スライダ本体12aは両袖部14の内側面
に案内レール11の転動体転動溝13a、13bに対向
する図示されない負荷転動体転動溝を有するとともに、
袖部の肉厚部分を軸方向に貫通する転動体戻し路を有し
ている。一方、エンドキャップ12bは、スライダ本体
12aの転動体転動溝とこれに平行な転動体戻し路とを
連通させる図示されない湾曲路を有しており、それらの
転動体転動溝と転動体戻し路と両端の湾曲路とで転動体
循環回路が形成されている。その転動体循環回路内には
例えば鋼球からなる多数の転動体が装填されている。
【0014】エンドキャップ12bは、合成樹脂材の射
出成形品で、断面略コ字形に形成されている。そして、
エンドキャップ12bのそれぞれの外面側には、エンド
キャップ12bに近い側から、板状部材としての補強板
20、潤滑剤含有部材21及び板状部材としてのサイド
シール22が、重ね合わされた状態で固定されている。
【0015】これらのうち、補強板20は、エンドキャ
ップ12bの外形に合わせた略コ字形状の鋼板であり、
その両袖部20a、20bには、取付ネジ貫通用の貫通
孔18a、18bが形成されるとともに、それら両袖部
20a、20bを連結する連結部20cが形成されてい
る。なお、この補強板20は、案内レール11とは非接
触である。
【0016】また、サイドシール22は、エンドキャッ
プ12bの外形に合わせた略コ字形状の鋼板と、この鋼
板と相似の形状を有してその外面に一体的に成形された
ゴムまたはグリースを含有したポリウレタンゴムとから
構成されている。サイドシール22の案内レール11と
接触するリップ部23は、その内側の面は、スライダ1
2と案内レール11との間のすき間をシールできるよう
に、その案内レール11の断面形状に合わせて案内レー
ル11の上面11a及び外側面11bに摺接可能な形
状、より具体的には、転動体転動溝13a、13bにも
摺接可能な形状に成形されている。なお、このサイドシ
ール22の両袖部22a、22bにも、取付ネジ貫通用
の貫通孔19a、19bが形成されるとともに、それら
両袖部22a、22bを連結する連結部22cが形成さ
れている。
【0017】そして、これらサイドシール22及び補強
板20間に挟まれている潤滑剤含有部材21は、潤滑剤
含有のゴムまたは合成樹脂からなり、ゴムに潤滑剤を含
有させてなる潤滑剤含有部材21の場合には、例えば、
グリースを含有した状態で硬化したポリウレタンゴムが
適用できる。ポリウレタンゴムは、ポリイソシアネ−ト
と活性水素化合物との反応により生成する化合物であ
り、ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等を使用でき
る。
【0018】活性水素化合物としては、ポリブタジエン
等の炭化水素、ポリオキシプロピレン等のポリエーテ
ル、ひまし油、ポリエステル、ポリカーボネート等の長
鎖活性水素化合物、水、エチレングリコール等のポリヒ
ドロキシ化合物、アミノアルコール、ポリアミノ化合物
等の短鎖活性水素化合物を使用できる。グリースとして
は、鉱油リチウム石鹸グリース等の通常のグリースが使
用できる。
【0019】次に、合成樹脂に潤滑剤を含有させて潤滑
剤含有部材21を生成する場合、その潤滑剤含有部材2
1は、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリブチレン,
ポリメチルペンテン等の基本的に同じ化学構造を有する
ポリオレフィン系樹脂の群から選定した合成樹脂に、潤
滑剤としてポリα−オレフィン油のようなパラフィン系
炭化水素油、ナフテン系炭化水素油、鉱油、ジアルキル
ジフェニルエーテル油のようなエーテル油、フタル酸エ
ステルのようなエステル油等の何れかを単独若しくは混
合油の形で混ぜて調整した原料を、射出成形により成形
したものが適用でき、潤滑剤の中に予め酸化防止剤,錆
止め剤,摩耗防止剤,あわ消し剤,極圧剤等の各種添加
剤を加えたものでもよい。
【0020】前記潤滑剤含有部材21の組成比は、全重
量に対してポリオレフィン系樹脂20〜80重量%、潤
滑剤80〜20重量%である。ポリオレフィン系樹脂が
20重量%未満の場合は、あるレベル以上の硬さ・強度
等が得られない。また、ポリオレフィン系樹脂が80重
量%を越える場合(つまり、潤滑剤が20重量%未満の
場合)は、潤滑剤の供給が少なくなり、シール装置のリ
ップ部の磨耗低減効果が少なくなる。
【0021】前記合成樹脂の群は、基本構造は同じでそ
の平均分子量が異なっており、1×103 〜5×106
の範囲におよんでいる。その中で、平均分子量1×10
3 〜1×106 という比較的低分子量のものと、1×1
6 〜5×106 という超高分子量のものとを、単独も
しくは必要に応じて混合して用いる。この発明の潤滑剤
含有部材21の機械的強度を向上させるため、上述のポ
リオレフィン系樹脂に、以下のような熱可塑性樹脂およ
び熱硬化性樹脂を添加したものでもよい。
【0022】熱可塑性樹脂としては、ポリアミド,ポリ
カーボネート,ポリブチレンテレフタレート,ポリフェ
ニレンサルファイド,ポリエーテルスルホン,ポリエー
テルエーテルケトン,ポリアミドイミド,ポリスチレ
ン,ABS樹脂等の各樹脂を使用することができる。熱
硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂,尿素樹
脂,メラミン樹脂,フェノール樹脂,ポリイミド樹脂,
エポキシ樹脂等の各樹脂を使用することができる。
【0023】これらの樹脂は、単独または混合して用い
ても良い。更に、ポリオレフィン系樹脂とそれ以外の樹
脂とを、より均一な状態で分散させるために、必要に応
じて適当な相溶化剤を加えてあっても良い。また、機械
的強度を向上させるために、充填材を添加してもよい。
例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、チタン酸
カリウムウィスカーやホウ酸アルミニウムウィスカー等
の無機ウィスカー類、或いはガラス繊維やアスベスト、
金属繊維等の無機繊維類及びこれらを布状に編組したも
の、また有機化合物では、カーボンブラック、黒鉛粉
末、カーボン繊維、アラミド繊維やポリエステル繊維等
を添加してもよい。
【0024】さらに、ポリオレフィン系樹脂の熱による
劣化を防止する目的で、N,N´−ジフェニル−P−フ
ェニレンジアミン、2,2´−メチレンビス(4−エチ
ル−6−t−ブチルフェノ一ル)等の老化防止剤、また
光による劣化を防止する目的で、2−ヒドロキシ−4−
nーオクトキシベンゾフェノン、2−(2´−ヒドロキ
シ−3´一第三−ブチル−5´−メチルーフェニル)−
5−クロロベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤を添加
してもよい。
【0025】以上の全ての添加剤(ポリフレフィン+油
以外)の添加量としては、添加剤全体として、成形原料
全量の20重量%以下であることが、潤滑剤の供給能力
を維持する上で好ましい。
【0026】そして、潤滑剤含有部材21は、エンドキ
ャップ12bの外形にあわせた略コ字形状に形成されて
いて、そのコ字形状の内側の面は、テーパ状ではなく平
坦な形状であって、リップ部23の内面と同様に、案内
レール11の断面形状に合わせて案内レール11の上面
11a及び転動体転動溝13a、13bを含む外側面1
1bに摺接可能な形状となっている。
【0027】また、潤滑剤含有部材21の両袖部21
a、21bには、取付ネジ貫通用の貫通孔24a、24
bが形成されるとともに、これら貫通孔24a,24b
は袖部21a、21bの外側面に開放している。さら
に、潤滑剤含有部材21の連結部21cの両端部近傍に
は上面側に開放するスリット24c,24dが設けられ
ている。
【0028】図3に示すように、前記潤滑剤含有部材2
1の凹部は、その内面が案内レール11の上面11a及
び転動体転動溝13a、13bを含む外側面11bに摺
接するような寸法に形成されるとともに、その凹部内面
の案内レール11の転動体転動溝13a、13bに対向
する部分には、それら各溝13a、13bの内面に摺接
するように凸部21f、21g、21d及び21eが形
成されている。
【0029】そして、潤滑剤含有部材21の両袖部21
a、21bに形成された貫通孔24a、24bのそれぞ
れには、リング状部材25a、25bが嵌め込まれるよ
うになっている。このリング状部材25a、25bは、
短い円筒形状の部材であり、その外径は、貫通孔24
a、24bに容易に嵌め込める程度の寸法となってい
る。
【0030】さらに、リング状部材25a、25bの長
さは、潤滑剤含有部材21の厚さよりも、若干(例え
ば、0.2mm程度)長くなっている。つまり、リング
状部材25a、25bを貫通孔24a,24bに嵌め込
むと、そのリング状部材25a、25bの端部が潤滑剤
含有部材21の表面又は裏面から突出するようになって
いる。
【0031】そして、図1及び図2に示すように、これ
ら補強板20、潤滑剤含有部材21及びサイドシール2
2は、エンドキャップ12bの貫通孔を貫通して本体1
2aに螺合する取付用ネジ27a、27bが、サイドシ
ール22の貫通孔19a、19b、潤滑剤含有部材21
の貫通孔24a、24bの内側のリング状部材25a、
25b及び補強板20の貫通孔18a、18bを貫通す
ることにより、エンドキャップ12bと一体に本体12
aに固定されるようになっている。
【0032】さらに、図3に示すように、前記潤滑剤含
有部材21の表面には潤滑剤含有部材21の凹部を取り
囲むように略コ字状に連続した凹溝28が形成されてい
て、この凹溝28の内部には凹溝28の形状に倣って略
コ字状の弾性部材29が嵌め込まれている。
【0033】弾性部材29は鋼製、合成樹脂製あるいは
硬質ゴム製の弾性変形可能な部材からなり、連結部29
aと、この連結部29aの両端部に折曲形成された脚部
29bとからなり、折曲部を湾曲させることにより、脚
部29bの先端部を内側に変形させた押圧部29cが形
成されている。そして、この弾性部材29を凹溝28に
嵌め込んだとき、押圧部29cが転動体転動溝13bの
内面に摺接する凸部21d,21eの背面側に対向し、
この凸部21d,21eを転動体転動溝13bに弾性的
に押圧するようになっている。つまり、潤滑剤含有部材
21に含浸された潤滑剤が転動体転動溝13bに集中し
て供給されるように潤滑剤含有部材21を弾性部材29
によって局部的に押圧する構造になっている。
【0034】また、潤滑剤含有部材21は、補強板20
及びサイドシール22間に挟み込んで配設される部材で
あるから、転動体の転がりを長期間維持するのに十分な
量の潤滑剤を含有させ得る大きさとすることが容易であ
る。しかも、潤滑剤含有部材21を鋼板等の他の部材に
固着する構造ではないから、消耗品である潤滑剤含有部
材21の部品コストを低減することができるし、配設の
際の手間も簡単であるという利点がある。
【0035】そして、潤滑剤含有部材21を、補強板2
0及びサイドシール22との間に挟み込んで配設してい
るため、サイドシール22の案内レール11と接触する
部分すなわちリップ部23は、スライダ12が往復移動
してもまくり上がりにくいから、スライダ12の内部の
グリースが外部に漏れることも低減される。また、潤滑
剤含有部材21からしみ出た潤滑剤は、サイドシール2
2の案内レール11と接触するリップ部23にも供給さ
れるから、そのリップ部23の摩耗を低減するのにも役
立つし、特に、リップ部23をグリースを含有した状態
で硬化したポリウレタンゴムから成形した場合は、それ
自身からも潤滑剤が供給され、より一層リップ部23の
摩耗が低減できる。すると、リップ部23の摩耗が最小
限に抑えられるから、リップ部23によるシール性が長
期間維持され、本体12a側への異物の侵入が防止さ
れ、直動案内軸受装置自体の長寿命化も図れるという利
点がある。
【0036】次に、本実施の形態の作用を説明する。機
台に固定した案内レール11上をスライダ12が移動す
ると、スライダ12内の転動体は転動体転動路13a,
13b内を転動しつつスライダ12の移動方向にスライ
ダ12より遅い速度で移動し、一端側の湾曲路でUター
ンして転動体戻し路を逆方向に転動しつつ移動し、他端
側の湾曲路で逆Uターンして転動体転動路内に戻る循環
を繰り返す。
【0037】こうして直動案内軸受装置が駆動される
と、潤滑剤含有部材21も案内レール11に接触しつつ
移動し、その移動時の摩擦熱の影響も加わって、潤滑剤
含有部材21から潤滑剤が経時的に徐々にしみ出すが、
そのしみ出した潤滑剤は、案内レール11の特に転動体
転動溝13a、13bを介して、その転動体転動溝13
a、13b内を転動する転動体へ自動的に供給される。
この自己潤滑性により、長期間にわたり安定した滑らか
な作動が行われる。したがって、殊更に潤滑剤を外部か
らスライダ12に供給しないでも低トルクで良好な運転
を長時間続けることができる。
【0038】また、潤滑剤含有部材21の凹部内面形状
を、前述したように案内レール11の横断面形状に整合
させているから、潤滑剤含有部材21は案内レール11
の上面11a及び側面11bに密着することができる
し、潤滑剤含有部材21から潤滑剤がしみ出すにつれ
て、潤滑剤含有部材21自体が自己収縮するから、その
潤滑剤含有部材21は、その収縮力により案内レール1
1の被シール面に常時密着して接触し、シール機能と潤
滑機能を果たすという作用も得られる。
【0039】さらに、潤滑剤含有部材21の凹溝28の
内部に嵌め込まれた弾性部材29の連結部29aの両端
部に折曲形成された脚部29bに形成された押圧部29
cが転動体転動溝13bの内面に摺接する凸部21d,
21eの背面側から凸部21d,21eを転動体転動溝
13bに弾性的に押圧しているために、潤滑剤含有部材
21に含浸された潤滑剤を転動体転動溝13bに集中し
て供給することができる。つまり、潤滑剤含有部材21
の連結部21cからしみ出た潤滑剤は、上側の転動体転
動溝13aには流れ込みやすく、潤滑剤含有部材21の
凸部21f,21gを転動体転動溝13aに強く押し付
ける必要がないが、下側の転動体転動溝13bには潤滑
剤が流れ込みにくいため、前述したように、弾性部材2
9の押圧部29cによって凸部21d,21eを転動体
転動溝13bに弾性的に押圧することにより、潤滑剤含
有部材21に含浸された潤滑剤を転動体転動溝13bに
集中して供給される。
【0040】本実施の形態の場合、潤滑剤含有部材21
の外側面の板状部材としてサイドシール22を用いてい
るので、よりシール性が向上する。特に、本実施の形態
では、潤滑剤含有部材21の連結部21cに形成される
スリット24c,24dの上面側を切り欠いて開放して
いるため、袖部21a及び21bを容易に左右に押し広
げることができるから、この潤滑剤含有部材21を案内
レール11を跨がせて取り付ける作業も容易に行える。
【0041】しかも、リング状部材25a、25bの長
さを潤滑剤含有部材21の厚さよりも大きくして、リン
グ状部材25a、25bの端部を潤滑剤含有部材21の
表面又は裏面から突出させるように潤滑剤含有部材21
の取付手段を構成しているから、潤滑剤含有部材21
は、補強板20及びサイドシール22に挟まれているに
も拘らず、それらとの間の摩擦が小さくなっている。こ
のため、前述した自己収縮や付勢力による潤滑剤含有部
材21の案内レール11の軸方向と直角な方向への変形
がスムーズに行われるから、潤滑剤含有部材21を常に
確実に案内レール11に密着させることができる。
【0042】図4は第2の実施形態を示し、第1の実施
形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略す
る。本実施形態の案内レール11の両側面1bには1条
の転動体転動溝13aが設けられた場合であり、潤滑剤
含有部材21の表面には潤滑剤含有部材21の凹部を取
り囲むように略コ字状に連続した凹溝30が形成されて
いて、この凹溝30の上部、つまり潤滑剤含有部材21
の連結部21cの部分は開口部30aが設けられてい
る。さらに、凹溝30の両端部には内側に略直角に折曲
する折曲部30bが設けられ、この折曲部30bは転動
体転動溝13aの内面に摺接する凸部21f,21gの
背面側に対向ししている。
【0043】また、凹溝30の内部には凹溝30の形状
に倣って略コ字状の弾性部材31が嵌め込まれている。
弾性部材31は第1の実施の形態と同様に、鋼製、合成
樹脂製あるいは硬質ゴム製の弾性変形可能な部材からな
り、連結部31aと、この連結部31aの両端部に折曲
形成された脚部31bとからなり、折曲部を湾曲させる
ことにより、脚部31bの先端部には内側に湾曲した押
圧部31cが形成されている。そして、この弾性部材3
1を凹溝30に嵌め込んだとき、押圧部31cが転動体
転動溝13aの内面に摺接するように凸部21f,21
gの背面側に対向し、この凸部21f,21gを転動体
転動溝13aに弾性的に押圧するようになっている。つ
まり、潤滑剤含有部材21に含浸された潤滑剤が転動体
転動溝13aに集中して供給されるように潤滑剤含有部
材21を弾性部材31によって局部的に押圧する構造に
なっている。
【0044】また、潤滑剤含有部材21に設けられた凹
溝30には開口部が設けられているため、弾性部材31
を凹溝30に嵌め込む際に、潤滑剤含有部材21の上方
から嵌め込むことができる。さらに、弾性部材31の押
圧部31cは内側に折曲されているため、凹溝30の折
曲部30bに掛止して弾性部材31の外れ防止となり、
弾性部材31が不用意に外れることはない。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、潤滑剤含有部材の両袖部内側面の一部を案内レール
の少なくとも1つ以上の転動体転動溝及びその周辺部に
圧接するように潤滑剤含有部材に弾性部材を設けたこと
により、案内レールの転動体転動溝に確実に集中的に潤
滑剤を供給でき、転動体の転がり運動を長期的に維持で
きるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態の直動案内軸受装置
の分解斜視図。
【図2】同実施形態を示し、直動案内軸受装置の斜視
図。
【図3】同実施形態を示し、潤滑剤含有部材の正面図及
び側面図。
【図4】この発明の第2の実施形態を示し、潤滑剤含有
部材の正面図及び側面図。
【図5】従来の直動案内軸受装置の斜視図。
【図6】同従来の案内レールを跨いだ状態の潤滑剤含有
部材の正面図。
【符号の説明】
11…案内レール 12…スライダ 13a,13b…転動体転動溝 20…補強板 21…潤滑剤含有部材 22…サイドシール 28…凹溝 29…弾性部材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外面に転動体転動溝を有して軸方向に延
    びる案内レールにスライダが遊嵌され、前記スライダは
    前記案内レールの転動体転動溝に対向する負荷転動体転
    動溝及びこの負荷転動体転動溝の両端部に湾曲路を介し
    て連結された転動体戻し路からなる転動体循環路を備
    え、この転動体循環路に前記案内レールに沿って前記ス
    ライダを相対移動させる多数の転動体が装填され、前記
    案内レールを跨ぎ、両袖部を有する略コ字形状で、潤滑
    剤を含有したゴムまたは合成樹脂からなる潤滑剤含有部
    材を板状部材を介して前記スライダの端部に配置した直
    動案内軸受装置において、 前記潤滑剤含有部材の両袖部内側面の一部を前記案内レ
    ールの少なくとも1つ以上の転動体転動溝及びその周辺
    部に押圧するように前記潤滑剤含有部材に弾性部材を設
    けたことを特徴とする直動案内軸受装置。
JP23697597A 1997-09-02 1997-09-02 直動案内軸受装置 Pending JPH1182502A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007016874A (ja) * 2005-07-06 2007-01-25 Shangyin Sci & Technol Co Ltd 油タンク取替え可能なリニアガイドウェー
JP2016156467A (ja) * 2015-02-25 2016-09-01 日本精工株式会社 転がり軸受案内装置用給油装置、転がり軸受案内装置
JPWO2016157904A1 (ja) * 2015-03-31 2017-11-16 日本精工株式会社 給油装置及び直動案内装置

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