JP2002167495A - ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物及びその識別方法 - Google Patents

ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物及びその識別方法

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JP2002167495A
JP2002167495A JP2000364636A JP2000364636A JP2002167495A JP 2002167495 A JP2002167495 A JP 2002167495A JP 2000364636 A JP2000364636 A JP 2000364636A JP 2000364636 A JP2000364636 A JP 2000364636A JP 2002167495 A JP2002167495 A JP 2002167495A
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polyethylene terephthalate
resin composition
terephthalate resin
ppm
terephthalic acid
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JP2000364636A
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Minoru Suzuki
稔 鈴木
Hironori Nagano
博紀 長野
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を樹
脂成形体に加工する際に容易に識別可能で、バージンの
テレフタル酸からなるポリエチレンテレフタレート樹脂
と同等の品質を有するポリエチレンテレフタレート樹脂
組成物及びその識別方法を提供すること。 【解決手段】 識別化合物として無機化合物をテレフタ
ル酸に対し1〜1000重量ppm含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、識別化合物として
無機化合物を含有するテレフタル酸組成物からなるポリ
エチレンテレフタレート樹脂組成物及びその識別方法に
関するものであり、更に詳しくは、ポリアルキレンテレ
フタレートを解重合し、メタノールでエステル化された
テレフタル酸ジメチルに識別化合物として無機化合物を
添加したテレフタル酸ジメチル組成物を加水分解して得
られたテレフタル酸組成物(以下、原料リサイクルTA
と略記する。)からなるポリエチレンテレフタレート樹
脂組成物を樹脂成形体に加工する際に容易に識別可能
で、バージンのテレフタル酸からなるポリエチレンテレ
フタレート樹脂と同等の品質を有するポリエチレンテレ
フタレート樹脂組成物及びその識別方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、ポリエチレンテレフタレート(以
下、PETと略記する)は、繊維、樹脂、包装材料、フ
ィルム、その他成形体として広く世の中で使用されてい
るが、使用済材料、特に、PETボトルの処分について
近年大きな問題となっている。ここ数年で、使用済PE
Tボトルは、回収した後、粉砕処理、他の材料との分離
処理及び洗浄処理を経て、繊維やシートなどに再加工さ
れるマテリアルリサイクルの循環ループが出来、機能し
始めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このシステム
で処理された材料は、再加工設備及び条件に制約があ
り、且つ、再加工樹脂製品の品質低下の問題もあり、そ
の用途も制約されている。また、マテリアルリサイクル
再加工樹脂製品とバージン材料からなる樹脂の樹脂製品
とを容易に識別することも出来ていない。
【0004】本発明は、識別が容易で、バージン樹脂製
品との品質差の少ないポリエチレンテレフタレート樹脂
組成物及びその識別方法を提供することを課題とし、こ
れを用いた中空成形体、熱成形容器、シート、射出成形
品等の樹脂成形体を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の目的
は、識別化合物としての無機化合物をテレフタル酸に対
し1〜1000重量ppm含有するポリエチレンテレフ
タレート樹脂組成物により達成される。
【0006】さらに、本発明の他の目的は、ポリエチレ
ンテレフタレート樹脂組成物を製造するに際し、ルテニ
ウム、ロジウム、パラジウム、銀、オスニウム、イリジ
ウム、白金、金からなる群から選ばれた少なくとも1種
の貴金属から構成される単体及び/或いは無機化合物か
らなる識別化合物を、1〜1000重量ppm含有する
テレフタル酸組成物を使用することを特徴とする、ポリ
エチレンテレフタレート樹脂組成物の識別方法によって
達成することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】本発明の識別方法においては、まず、識別
化合物となる無機化合物が必要である。無機化合物の中
でも、貴金属であるルテニウム、ロジウム、パラジウ
ム、銀、オスニウム、イリジウム、白金、金からなる群
から選ばれた少なくとも1種の貴金属から構成される単
体及び/或いは無機化合物であることが好ましい。
【0009】更にこの中でも、分析方法が容易で検知し
やすいこと、微粉末状にしやすいこと、化学的に安定で
あること、及び毒性の低いことを性質として持つ化合物
が望ましく、例えば、ルテニウム、酸化ルテニウム、塩
化ルテニウム、ロジウム、酸化ロジウム、塩化ロジウ
ム、パラジウム、酸化パラジウム、塩化パラジウム、硝
酸パラジウム、硫酸パラジウム、銀、酸化銀、塩化銀、
臭化銀、硫化銀、硝酸銀、オスニウム、イリジウム、酸
化イリジウム、塩化イリジウム、硫化イリジウム、白
金、酸化白金、金からなる群から選ばれた少なくとも1
種の化合物から構成されるものが特に好ましい。
【0010】該無機化合物の添加量はテレフタル酸ジメ
チルに対して、1〜1000重量ppm、好ましくは1
〜50重量ppmが好ましい。1重量ppm未満である
と、分析による識別が困難で、1000重量ppmを超
えると樹脂組成物の透明性、熱安定性、成形性に影響を
与える為、好ましくない。次に、ポリエステルを既知の
解重合触媒存在下、EG中で解重合反応させる。ここで
ポリエステルとは、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
トリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリヘキサメチレンテレフタレートが好ましく挙
げられる。解重合反応で得られた混合物は必要であれ
ば、解重合反応で用いた過剰なEGを抜出し、その後M
eOHと共に反応器内へ導入し、置換エステル化反応、
及び冷却晶析により、粗テレフタル酸ジメチルを得る。
更にこの得られた粗テレフタル酸ジメチルを蒸留精製す
ることにより、高純度のテレフタル酸ジメチルを得るこ
とができる。
【0011】以上の工程を経て得られた高純度の回収テ
レフタル酸メチルを140〜170℃の溶融状態に保
ち、既知の方法で無機化合物を添加することができ、回
分式と連続式、どちらでも問題なく採用することができ
る。例えば、無機化合物を添加する時の形態としては、
無機化合物の微粉末状態、あるいは、例えばメタノール
に代表される有機溶媒のスラリー状態とし、添加した
後、攪拌や液循環によりテレフタル酸ジメチルに均一に
分散させる方法により原料リサイクルDMTが得られ
る。さらに、加水分解により原料リサイクルTAを得
る。
【0012】本発明のポリエチレンテレフタレート樹脂
組成物は、識別化合物としての無機化合物をポリエチレ
ンテレフタレートを構成するテレフタル酸単位に対し1
〜1000重量ppm含有するポリエチレンテレフタレ
ート樹脂組成物である。
【0013】本発明のポリエチレンテレフタレートは、
テレフタル酸単位とエチレングリコール単位からなる熱
可塑性ポリエステルであり、テレフタル酸単位を全酸成
分の85モル%以上の成分とし、エチレングリコール単
位を全ジオール成分の85モル%以上の成分とすること
が好ましい。テレフタル酸単位は、テレフタル酸が好ま
しい。
【0014】上述のテレフタル酸は、ポリアルキレンテ
レフタレートをエチレングリコールで解重合し、次いで
メタノールでエステル交換反応して得られたテレフタル
酸ジメチルに前述の識別化合物としての無機化合物を1
〜1000重量ppm添加し、さらに好ましくは1〜5
0重量ppm添加し、引き続き、加水分解することで得
らたテレフタル酸組成物であることが好ましい。
【0015】全酸成分の15モル%未満の範囲で、例え
ば、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタ
レンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、
1,7−ナフタレンジカルボン酸、その他のナフタレン
ジカルボン酸の異性体、イソフタル酸、ジフェニルジカ
ルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニ
ルエ−テルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボ
ン酸等のごとき芳香族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレ
フタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の如き脂環属族
ジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸
等の如き脂肪族ジカルボン酸、p−β−ヒドロキシエト
キシ安息香酸、ε−オキシカプロン酸等の如きオキシ酸
等の二官能性カルボン酸から選ばれる少なくとも1種以
上の酸成分を共重合できる。
【0016】また、全ジオール成分の15モル%未満の
範囲で、例えば、トリメチレングリコ−ル、テトラメチ
レングリコ−ル、ヘキサメチレングリコ−ル、デカメチ
レングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、ジエチレン
グリコ−ル、1,1−シクロヘキサンジメタノ−ル、
1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、2,2−ビス
(4’−β−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス
(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン等
のジオールの1種以上であることができる。
【0017】本発明において、ポリエチレンテレフタレ
ートには、3官能以上の化合物が2%以下の範囲で共重
合されていても差し支えない。
【0018】次に、本発明のポリエチレンテレフタレー
ト樹脂組成物の識別方法につき説明する。
【0019】本発明のポリエチレンテレフタレート樹脂
組成物の識別方法は、上記の識別化合物としての無機化
合物を含有するテレフタル酸及びエチレングリコールと
を含む原料を、エステル化反応により、ビス(β−ヒド
ロキシエチル)テレフタレート及び/又はそのオリゴマ
ーを形成させ、その後、重縮合触媒及び安定剤の存在下
で高温減圧下に溶融重縮合を行ってポリマーを得る。エ
ステル化触媒は、テレフタル酸がエステル化反応の自己
触媒となるため特に使用する必要はない。重縮合触媒と
しては、一般的にゲルマニウム化合物、アンチモン化合
物、チタン化合物、コバルト化合物、錫化合物等のが知
られているが本発明に用いる重縮合触媒としては、色
調,透明性,衛生性を満足させる点を重視する場合は、
二酸化ゲルマニウムが好ましく、添加量は、ゲルマニウ
ム元素で20〜150ppm(酸成分に対して)が好ま
しく、更に好ましくは、30〜100ppmで、より好
ましくは30〜80ppmである。
【0020】また、重合時に添加する安定剤としては、
トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、ト
リフェニルホスフェート等のリン酸エステル類、トリフ
ェニルホスファイト、トリスドデシルホスファイト等の
亜リン酸エステル類、メチルアシッドホスフェート、ジ
ブチルホスフェート、モノブチルホスフェート酸性リン
酸エステル、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン
酸等のリン化合物が好ましい。上記の触媒の使用割合
は、全重合原料中、触媒中の金属の重量として通常5〜
1000ppm、好ましくは10〜500ppmの範囲
とされ、安定剤の使用割合は、全重合原料中、安定剤中
のリン原子の重量として、通常10〜1000ppm、
好ましくは20〜500ppmの範囲とされる。
【0021】触媒及び安定剤の供給は、原料スラリー調
製時の他、エステル化反応又はエステル交換反応の任意
の段階において行うことができる。更に、重縮合反応工
程の初期に供給することもできる。エステル化反応又は
エステル交換反応時の反応温度は、通常240〜280
℃であり、反応圧力は常圧〜0.3MPaである。ま
た、重縮合時の反応温度は、通常250〜300℃であ
り、反応圧力は通常60〜0.1kPaである。この様
なエステル化又はエステル交換反応及び重縮合反応は、
一段で行っても、複数段階に分けて行っても良い。この
様にして得られるポリマーは、極限粘度が通常0.45
〜0.70dl/gであり、常法によりチップ化され
る。ポリマーチップの平均粒径は、通常2.0〜5.5
mm、好ましくは2.2〜4.0mmの範囲とされる。
次に、上記の様に溶融重縮合により得られたポリマー
は、通常固相重合に供される。固相重合に供されるポリ
マーチップは、予め固相重合を行う温度より低い温度に
加熱して予備結晶化を行った後、固相重合に供される。
予備結晶化工程は、非晶状態のポリマーチップを、通常
120〜200℃、好ましくは130〜180℃の温度
で、チップ結晶化発熱での融着が起こらないように常に
流動状態下で一段もしくは二段で少なくとも15分間以
上処理して結晶化させる。次の固相重合工程は、少なく
とも一段からなり、通常190〜230℃、好ましくは
195〜225℃の重合温度で、0.05〜5Kpaの
真空下、もしくは常圧〜0.1Mpaの条件下で窒素、
アルゴン、二酸化炭素等の不活性ガス流通下で実施され
る。固相重合時間は、温度が高いほど短時間でよいが、
通常1〜50時間、好ましくは5〜30時間、更に好ま
しくは10〜25時間である。固相重合により得られた
ポリマーの極限粘度は、通常0.70以上で、〜0.9
0dl/gの範囲である。
【0022】本発明において、上記方法により得られる
ポリエチレンテレフタレート樹脂を構成するジエチレン
グリコールの含有量は、ポリエチレンテレフタレートを
構成する全ジオール単位に対し、0.7〜2.0wt%
で、好ましくは1.0〜1.5wt%である。少なすぎ
る場合は、成形後のボトル胴部の透明性が悪化し、ま
た、多すぎる場合は、耐熱性が低下し、更に結晶化促進
効果が小さくなる。上記範囲内にジエチレングリコール
含有量を調節する方法としては、ジエチレングリコール
を重合原料として使用する他、主原料として使用するエ
チレングリコールからジエチレングリコールが一部副生
するため、反応条件と合わせて、その副生成量を調節す
る方法が挙げられる。又、ボトル成形時の金型汚れの要
因となるポリマー中に含有するオリゴマー成分や、ボト
ル充填物の味や匂いに影響するポリマー中に含有するア
セトアルデヒド成分を出来るだけ低減しておくこが望ま
しく、オリゴマー含有量としては0.5wt%以下、特
に好ましいのは0.4wt%以下であり、アセトアルデ
ヒド含有量としては、5ppm以下,特に好ましいのは
2ppm以下である。
【0023】オリゴマー及びアセトアルデヒドの低減
は、上記の固相重合の中で行われるため、溶融重合後の
ポリマーのIV、固相重合時間、温度時間を調整するこ
とで目標レベルに達させるようにする。末端カルボキシ
ル基の濃度は、15〜25eq/トンの範囲にすること
が特に好ましい。末端カルボキシル基の濃度が上記の範
囲に満たない場合は、固相重合性が悪くて極限粘度を大
きくするのに長時間を要することがあり、一方、上記範
囲を超える場合は、固相重合に供した場合のCT等オリ
ゴマーの低減効果が少ないことがある。
【0024】添加した無機化合物は、蛍光X線分析、原
子吸光分析、誘導結合プラズマ(以下、ICPと略すこ
とがある。)発光分析等で金属成分を検知できる。
【0025】本発明の方法により製造されたポリエステ
ル樹脂組成物は、各種成形体に成形することが出来る。
成形には、一般の成形方法、例えば中空成形体の場合、
射出ブロー成形、配向ブロー、押出ブロー、ダイレクト
ブロー、インジェクションブロー法などが適用され、そ
の他成形体に従い、射出成形法、シート成形法、インフ
レーション成形法、熱成形法、各種多層成形法などを適
用することができる。
【0026】第1に射出成形は、ポリエチレンテレフタ
レート樹脂組成物の溶融温度以上に加熱することにより
溶融し、溶融樹脂を金型へ流し込み冷却固化させること
で実施される。この際、金型は、該ポリアルキレンテレ
フタレート樹脂組成物に適正な温度に加熱あるいは冷却
される。さらに、ランナー部分も必要に応じて加熱(ホ
ットランナー)しても良いし、加熱無(コールドランナ
ー)でも良い。本発明のポリアルキレンテレフタレート
樹脂組成物は、流動性、結晶性など良好な成形性を有す
る。
【0027】第2に、本発明のポリエチレンテレフタレ
ート樹脂組成物は、一般的に使用される溶融成形法を採
用してボトルに成形することができる。具体的には、例
えば、射出成形又は押出成形で一旦パリソンを成形し、
そのまま、または口栓部及び底部を加工後、再加熱し、
ホットパリソン法又はコールドパリソン法等の延伸ブロ
ー成形法を適用する。この場合の成形温度(具体的には
成形機のシリンダー各部及びノズルの温度)は、260
〜315℃であり、好ましくは275℃〜295℃であ
る。延伸温度は、ポリエチレンテレフタレートのガラス
転位温度以上で、通常70〜130℃である。延伸倍率
は、通常、縦方向に1〜4倍、円周方向に1〜5倍の範
囲である。
【0028】得られたボトルは、そのままでも使用でき
るが、特に果汁飲料、ウーロン茶等の様に熱充填を必要
とする内容液の場合は、一般に加熱したブロー金型内で
熱固定し更に耐熱性を付与して使用される。熱固定は、
通常、圧空等による緊張下、金型温度を100〜200
℃で数秒〜数分間行われる。或いは最終形状より大きい
ボトルを成形し、加熱により収縮させることにより胴部
の結晶化を行い、その後最終形状の金型内でブロー成形
し製品ボトルを得る方法も採られている。
【0029】第3に、熱成形による各種形状の包装材料
は、例えば次のように行うことが出来る。まず、ポリエ
チレンテレフタレート樹脂組成物を押出機にて押出し、
シート状に引き取る。引き続き、そのガラス転移温度以
上に加熱し、圧空又は真空成形により、例えば、トレ−
など適正な形状に成形することが出来、良好な外観と透
明性を得ることが出来る。
【0030】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれによって何ら限定を受けるも
のではない。なお、例中の特性は下記の方法で測定し
た。 1)極限粘度(以下、IVと略記する):チップ及び成
形体から切り出した試料を一定量計量し、o−クロロフ
ェノールに0.012g/mlの濃度に溶解し、25℃
にて測定した。 2)ヘーズ:ボトル胴部より50mm×50mmの大き
さに切り出した試料について、日本電色工業製Colo
r and color diference met
er(MODEL1001DP)にて測定した。 3)識別化合物としての無機化合物の識別方法:樹脂組
成物中の標識化合物の金属成分は、蛍光X線分析装置
(理学電機工業(株)製、System3270)を使
用して定性及び定量を行った。 4)アセトアルデヒド含有量(以下、AAと略記す
る):AA含有量は、サンプルを凍結粉砕しバイアル瓶
に仕込み、150℃×60分保持し、日立製ヘッドスペ
ースガスクロマトグラフィーにて測定した。 5)ジエチレングリコール含有量(以下、DEGと略記
する):サンプルをヒドラジンにて分解し、ガスコロマ
トグラフィーにて測定した。 6)Col−b:サンプルを一定容量定量し、カラーマ
シン社製CM−7500型カラーマシンで測定した。
【0031】[実施例1]ポリエチレンテレフタレート
をエチレングリコールで解重合し、次いでメタノールで
エステル交換反応して得られたテレフタル酸ジメチルに
塩化銀を10重量ppm添加したテレフタル酸ジメチル
をさらに加水分解することにより得られたテレフタル酸
(以下、原料リサイクルTAと略記する)40部とエチ
レングリコール22部とからなるスラリーを重縮合槽に
供給して、常圧下275℃、4時間でエステル化反応を
行い、副生する水を系外に流出し、エステル化反応率9
7%まで反応せしめ、重合度5〜10のオリゴマー体を
調整し、その後、リン酸のエチレングリコール溶液(リ
ン濃度5.5%)0.017部と二酸化ゲルマニウムの
エチレングリコール溶液(二酸化ゲルマニウム濃度1
%)0.38部とを加えて、2000Paの減圧下で1
時間、引き続き133Paの減圧下、277℃で2時間
重縮合を行った。
【0032】生成したポリマーを、重縮合槽の底部に冷
却水槽に直結させて設けた抜き出し口からストランド状
に抜き出して水冷した後、チップ状にカットしてポリマ
ーチップとした。引き続いて、得られたポリマーチップ
を攪拌流動式結晶化機で結晶化させた後、窒素流通下1
40℃で3時間乾燥させ、続いて充填塔式固相重合塔に
移し、窒素流通下215℃で22時間固相重合してチッ
プ状のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を製造し
た。得られたポリエチレンテレフタレート樹脂組成物
は、極限粘度0.75、DEG1.3wt%、AA=
1.5ppm、Col−b=−1.0であった。ポリエ
チレンテレフタレ−ト樹脂組成物中の銀は、テレフタル
酸に対して、7重量ppmであった。
【0033】本チップを乾燥機にて160℃で5時間乾
燥させた後、射出成形機(名機製作所社製「M−100
DM」)にて、シリンダー温度275℃、スクリュー回
転数160rpm、1次圧時間3.0秒、金型温度10
℃、サイクル30秒で、外径約28mm、内径約19m
m、長さ136mm、重量約56gの円筒状のプリフォ
ームを射出成形した。得られたプリフォームの極限粘度
は0.69、アセトアルデヒド含有量12ppmで、成
形性及び外観は良好であった。
【0034】引き続き、プリフォームの表面温度約11
0℃に赤外線ヒーターで予熱し、ブロー圧力5〜40k
g/cm2、金型温度150℃に設定したブロー成形機
にて延伸ブロー成形し、胴部平均肉厚330μm、内容
積約1.5リットルのボトルを成形した。得られたボト
ルのヘーズは0.8%で、成形性及び外観は良好であっ
た。
【0035】[参考例1]テレフタル酸を三井化学製の
バージンのテレフタル酸(識別化合物なし)とする以外
は実施例1と同様に行った。極限粘度0.75、Col
−b=−1.5、DEG=1.3wt%、AA=1.3
ppmのポリエチレンテレフタレ−ト樹脂組成物を得
た。
【0036】第1に、実施例1と同様に成形し、プリフ
ォームは、得られたプリフォームの極限粘度は0.6
9、アセトアルデヒド含有量12ppmで、成形性及び
外観は良好であった。さらに、実施例1と同様にブロー
成形し、ボトルのヘーズは、1.0%で成形性及び外観
は良好であった。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、ポリアルキレンテレフ
タレートを解重合し、メタノールでエステル化されたテ
レフタル酸ジメチルに識別化合物としての無機化合物を
添加したテレフタル酸ジメチルをさらに加水分解して得
られたテレフタル酸組成物からなるポリエチレンテレフ
タレート樹脂組成物を樹脂成形体に加工する際に容易に
識別可能で、バージンのテレフタル酸からなるポリエチ
レンテレフタレート樹脂と同等の品質を有するポリエチ
レンテレフタレート樹脂組成物及びその識別方法を提供
することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 識別化合物としての無機化合物をテレフ
    タル酸に対し1〜1000重量ppm含有するポリエチ
    レンテレフタレート樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 無機化合物が、ルテニウム、ロジウム、
    パラジウム、銀、オスニウム、イリジウム、白金、金か
    らなる群から選ばれた少なくとも1種の貴金属から構成
    される単体及び/或いは無機化合物である請求項1記載
    のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物
    を製造するに際し、ルテニウム、ロジウム、パラジウ
    ム、銀、オスニウム、イリジウム、白金、金からなる群
    から選ばれた少なくとも1種の貴金属から構成される単
    体及び/或いは無機化合物からなる識別化合物を、1〜
    1000重量ppm含有するテレフタル酸組成物を使用
    することを特徴とする、ポリエチレンテレフタレート樹
    脂組成物の識別方法。
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