JP2002164240A - 積層チップ部品及びその製造方法 - Google Patents

積層チップ部品及びその製造方法

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JP2002164240A
JP2002164240A JP2000359713A JP2000359713A JP2002164240A JP 2002164240 A JP2002164240 A JP 2002164240A JP 2000359713 A JP2000359713 A JP 2000359713A JP 2000359713 A JP2000359713 A JP 2000359713A JP 2002164240 A JP2002164240 A JP 2002164240A
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electrode
green sheet
dicing
pattern
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JP2000359713A
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Masabumi Ichikawa
正文 市川
Hiroshi Mizutsuki
洋 水月
Takayuki Yamabe
孝之 山辺
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Koa Corp
Original Assignee
Koa Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層圧着体内部の導体パターンのずれをグリ
ーンシート上の全領域にわたって検出することができ、
これにより、ダイシングの際の切断位置を補正すること
ができる積層チップ部品およびその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 内部電極15を有する複数枚のグリーン
シートを積層圧着してマトリクス状に多数の導体回路を
形成した積層圧着体を、ダイシングにより個々のチップ
に切断して形成した積層チップ部品において、グリーン
シートを各チップ区画に縦横にダイシングする切断線2
1の交差点近傍に位置ずれ検出用電極パターン18を備
えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は積層チップ部品及び
その製造方法に係り、グリーンシートにマトリクス状に
内部電極を形成してこれを複数層重ね合わせ、ビアホー
ルを介して隣接するグリーンシートの内部電極と接続し
て、これによりマトリクス状に多数の導体回路を、形成
した積層圧着体をダイシングにより個々のチップに切断
する積層チップ部品の製造方法に関する。特に、ダイシ
ングの際の切断が積層圧着体の内部に配置された内部電
極に対してずれを生じないようにした積層チップ部品及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】積層チップ型インダクタ等の積層チップ
部品の一般的な製造方法は、まずセラミック生材料によ
るセラミックグリーンシートをポリエチレンテレフタレ
ートフィルム(以下、PETフィルムという)上に印刷
法等により形成する。このフィルム上に形成されたグリ
ーンシートは、例えば、縦横がそれぞれ15cm程度の
大きさであり、グリーンシートの膜厚は例えば20μm
程度である。このグリーンシートおよびフィルムには、
四隅に位置合わせ用の通孔が設けられている。グリーン
シートの積層に際しては、平坦な表面を有する基台とそ
の基台の四隅に立設したポスト(ピン)等を有する治具
を用意し、その基台上に粘着性または吸着性を有する基
体シートを載置し、予め表示マークパターンを印刷等に
より形成したグリーンシートを表示マーク面が基体シー
トに接触するように治具にグリーンシートの通孔をポス
トに嵌合させて装着し、圧力をかけて基体シート面にグ
リーンシートを密着させて固定する。そして、PETフ
ィルムを引き剥がすことにより、表示マークを備えた第
1層のグリーンシートを基体シート面に固着する。
【0003】次に、PETフィルム上に形成した無地の
グリーンシートを同様に上記ポストにグリーンシートお
よびフィルムの通孔がポストに嵌合するように装着し、
仮プレスした後にフィルムを剥離する。そしてこの工程
を例えば数枚分繰返すことで、無地のグリーンシート層
が積層される。
【0004】次に、インダクタ等のコイル部を形成する
ための導体パターンを有するグリーンシートを積層す
る。導体パターンを有するグリーンシートは、上述した
ようにPETフィルム上にまずグリーンシートを印刷法
等により形成し、このグリーンシート上に導体パターン
を形成する。導体パターンは、コイルを形成する場合に
は、例えば半ターン分の導体パターンを導電材ペースト
のスクリーン印刷等により形成し、その端部がグリーン
シートに設けたビアホールに重なるようにする。これを
複数枚積層することで、それぞれのビアホールを通して
導体パターンを接続し、コイルを形成することができ
る。例えば、一枚のグリーンシートに半ターン分の導体
が形成されていれば、2ターンのコイルを形成するため
には最低4枚のグリーンシートを積層すればよい。この
場合には、上下両端層に位置するグリーンシートには引
出電極が設けられ、これがチップとなる領域の端縁まで
延びている。そして、これらの導体パターンを備えたグ
リーンシートの積層体上に、その上部に数枚の無地のグ
リーンシートを配置し、これを積層プレスして積層圧着
体を形成する。
【0005】積層圧着体は多数個取りの基板であるの
で、各チップ区画に対応して切断を行い、ダイシングに
より個々のチップとした後に高温で焼成する。この焼成
によりグリーンシートの積層圧着体をダイシングしたチ
ップは硬度を有するセラミック焼結体となり、また、導
体パターンである導電材は溶媒が揮発して金属の導電層
である内部電極が形成される。そして、外部電極の形成
を導電材料のディッピング・めっき等の手段により形成
して、上記引出電極と接続することで積層チップ部品が
完成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した積
層チップ部品の製造方法によれば、積層したグリーンシ
ートを圧着して積層圧着体を形成するときに、グリーン
シートが延びてしまい、グリーンシート上に形成された
導体パターンが正規の位置からずれてしまうという問題
がある。そして、積層圧着体内部の導体パターンがずれ
た状態でダイシングを行うと、切断面に導体パターンの
一部が露出してしまう場合があり、特性不良を引き起こ
すことになる。従って、積層圧着体内部のグリーンシー
トに形成された導体パターンの位置がどのようにずれて
いるかを知ることがダイシングの際に重要になってく
る。
【0007】積層圧着体内部の導体パターンのずれは表
面から観察できず、切断面に内部電極が露出して初めて
判る問題である。内部電極が露出していない場合には、
積層圧着体内部の導体パターンのずれを測定しようとす
ると、チップを研磨し、その内部構造を観察するという
手間や時間のかかる作業をせざるを得なかった。係る問
題に対処するため、特許第2534976号に開示され
た技術が知られている。この技術は、グリーンシート上
の四隅のチップ区画等に内部電極パターンに代えて検査
用パターンを配置し、この検査用パターンが積層圧着体
をダイシングする際に切断する仮想切断線を通過するよ
うにしたものである。
【0008】しかしながら、この技術では検査用パター
ンをグリーンシート上の四隅のチップ区画等のごく一部
の領域にしか配置できないため、グリーンシート全体に
おける導体パターンのずれについては観察することが不
可能であった。即ち、近年のチップ部品の小型化に対応
するには、僅かな導体パターンのずれにも対処すること
ができることが必要であり、係る技術では不十分であっ
た。
【0009】本発明は上述した事情に鑑みて為されたも
ので、積層圧着体内部の導体パターンのずれをグリーン
シート上の全領域にわたって検出することができ、これ
により、ダイシングの際の切断位置を補正することがで
きる積層チップ部品およびその製造方法を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、内部電極を有
する複数枚のグリーンシートを積層圧着してマトリクス
状に多数の導体回路を形成した積層圧着体を、ダイシン
グにより個々のチップに切断して形成した積層チップ部
品において、前記グリーンシートを各チップ区画に縦横
にダイシングする切断線の交差点近傍に位置ずれ検出用
電極パターンを備えたことを特徴とする積層チップ部品
を提供するものである。
【0011】本発明においては、前記位置ずれ検出用電
極パターンは、前記導体回路の引出電極を形成したグリ
ーンシートに配置されていることが好ましく、また、前
記位置ずれ検出用電極パターンは、前記引出電極と接続
されていることが更に好ましい。また、前記位置ずれ検
出用電極パターンは、ダイシングの切断位置のずれに対
応して、その切断面に現れる長さ、または数が変化する
ものである。
【0012】本発明の積層チップ部品の製造方法は、前
記導体回路の引出電極部を形成したグリーンシートの各
チップ区画に、切断線の位置ずれを検出できる位置ずれ
検出パターンを配置し、ダイシングを行った積層圧着体
の側面に現れる前記位置ずれ検出パターンの長さまたは
数を測定することによって、前記積層圧着したグリーン
シート内の内部電極のずれの分布を検出し、該検出した
ずれの分布によってダイシングの際の切断位置を補正す
ることを特徴としたものである。
【0013】上述した本発明によれば、グリーンシート
の全チップ区画に積層圧着体内部の導体パターンの位置
ずれ検出用電極パターンを備えることで、ダイシングの
際の切断後にチップの側面に露出した位置ずれ検出用電
極の長さ、またはその本数を確認することができる。こ
れによって、内部電極のずれの度合いを検出することが
できる。各チップ区画にこの位置ずれ検出用電極パター
ンを備えるので、グリーンシート全体での導体パターン
の歪みや伸びの分布を知ることができる。従って、この
ずれに基づいてダイシングの切断位置を補正すること
で、導体パターンの歪みや伸びの分布に対応した適正な
ダイシングを行うことが可能となる。これにより、内部
電極の露出に伴う特性不良等の問題を防止することがで
きる。従って、積層チップ部品の製造工程における歩留
を向上させ、信頼性の高い積層チップ部品を提供するこ
とが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
添付図面を参照しながら説明する。
【0015】図1は、本発明の第1の実施形態の位置ず
れ検出用電極パターンを備えたグリーンシートの数個分
のチップ区画を示す。内部電極となる導体パターン15
を配置したグリーンシート11の各チップ区画には、位
置ずれ検出用電極パターン18を備えている。グリーン
シート11には、マトリクス状に同一形状のパターンが
印刷により配置され、図中点線で囲まれた部分が積層圧
着後に切断されて個々のチップとなる区画である。即
ち、図中の点線はグリーンシート11の積層圧着体のダ
イシング時の正規の切断線位置を示している。位置ずれ
検出用電極パターン18は、引出電極を備えたグリーン
シートに形成することが好ましい。図示の例では、一個
のチップ区画に内部電極を構成する導体パターン15
と、位置ずれ検出用電極パターン18とを備え、一対の
導体パターン15,15の間に引出電極部を形成する帯
状の導体パターン20が切断線21に跨って配置されて
いる。従って、グリーンシートを積層圧着した積層圧着
体を切断線21に沿って切断すると、この部分がチップ
側面に露出し、更にその後に形成する外部電極と接続す
る。
【0016】この実施形態においては、位置ずれ検出用
電極パターン18は、三角形状部を備え、ダイシング切
断線21の交差点近傍に配置されている。従って、ダイ
シング時の切断線21が内部電極の導体パターン15に
対して相対的にずれると、切断面に露出する位置ずれ検
出用電極パターン18の電極の長さ(幅)18が変化す
る。図2は、ダイシング後の切断面における位置ずれ検
出用電極パターンの現れ方を示している。即ち、切断位
置がAの場合には、電極パターンのSaからSoまでの
部分が切断面に図2(a)に示すように現れる。次に、
切断位置がBにずれた場合には、電極パターンのSbか
らSoまでの部分が図2(b)に示すように切断面に現
れる。同様に、切断位置がCにずれた場合には、電極パ
ターンのScからSo迄の部分が図2(c)に示すよう
に切断面に現れる。このようにして、切断面に現れる位
置ずれ検出用電極パターン部の長さ(幅)を測定するこ
とで、正規のダイシング切断位置に対して内部電極がど
の程度ずれているかを判定することができる。なお、図
示する例は切断線が図中の右側にずれた場合のみを示し
ているが、図中の左側にずれた場合にも全く同様であ
る。
【0017】グリーンシート上の全てのチップとなる各
区画に切断時の位置ずれ検出用電極パターンを備えてい
るので、切断後にグリーンシートの全切断面に沿って導
体パターンの位置ずれ量を算出することができる。従っ
て、グリーンシート全体での導体パターンの歪みや伸び
の分布を知ることができる。これによって、例えば切断
線21が正規の位置から斜めにずれている場合にも、こ
れを検出することができる。係る位置ずれ検出用電極パ
ターン18によれば内部電極のずれの度合いをグリーン
シート11の全長に亘って知ることができるので、これ
に対応した適切なフィードバックをかけることができ
る。即ち、この内部電極のずれ量に対応してダイシング
の切断位置に対して適切な補正を施すことにより、表面
から見えない内部電極のずれ分布に対応した切断を行う
ことができる。これにより、内部電極の露出に伴う特性
不良等の問題を防止することができる。従って、積層チ
ップ部品の製造工程における歩留を向上させ、信頼性の
高い積層チップ部品を提供することが可能となる。
【0018】図3は、本発明の第2の実施形態の位置ず
れ検出用電極パターンを示す。この電極パターン19
は、図示するように渦巻状をなしているが、引出電極2
0と接続してグリーンシート上に形成されることは上記
実施形態と同様である。内部電極のずれに対応して積層
圧着体の切断後に位置ずれ検出用電極パターンの電極部
が現れる様子は、切断線がY方向の場合、次のとおりで
ある。切断位置が内部電極にずれが生じていない基準位
置Aである場合には、図4(a)に示すように引出電極
部20のみが現れる。次に切断線が相対的に位置Bにず
れた場合には、積層圧着体側面には引出電極部20の他
に位置ずれ検出用電極パターン19の長い線が現れる。
更に、切断位置がCまでずれると、位置ずれ検出用電極
パターン19の2本の切断部が現れる。更に、位置Dま
で切断線がずれると引出電極部20の他に位置ずれ検出
用電極パターン19の切断部が3本現れる。
【0019】切断線がX方向の場合にも同様に内部電極
の位置ずれの検出が可能である。即ち、X方向の切断線
が内部電極の位置ずれがない基準位置Eに有る場合には
引出電極が図4(e)に示すように現れる。更に、切断
線が相対的に位置Fにずれた場合には、図4(f)に示
すように位置ずれ検出用電極パターン19の切断部が一
本現れる。更に、例えば切断線が相対的に位置Gまでず
れると、図4(g)に示すように積層圧着体の切断面に
は位置ずれ検出用電極部19が4本現れる。なお、切断
線が位置Hに示すように斜めとなった場合にも、切断部
が図4(h)に示すように現れ、この斜めの位置ずれを
検出することができる。このようにして、位置ずれ検出
用電極部の出現の仕方により位置ずれの程度を正確に判
定することができる。
【0020】図5及び図6は、本発明の第3の実施形態
の位置ずれ検出用電極パターンと、その切断時のチップ
側面における現れ方を示す。この場合には、図示するよ
うな3角形状の位置ずれ電極検出用パターン23をX方
向及びY方向の切断線の交差点を中心として4個所に設
けたものである。Y方向の切断線が基準位置Aの場合に
は、図6(a)に示すように、切断時の積層圧着体側面
には電極パターン23は現れない。切断線が位置Bにず
れた場合には、位置ずれ検出用電極パターンの電極部2
3は図6(b)に示すように2個所の比較的長い線とし
て現れる。更に、切断線が位置Cにずれた場合には、位
置ずれ検出用電極パターンの電極部23は、図6(c)
に示すようにやや短い2本の線として現れる。更に、切
断線が位置Dまでずれた場合には、図6(d)に示すよ
うに位置ずれ検出用電極パターンの電極部23が短い2
本の線として現れる。
【0021】同様に、X方向の切断線が基準位置Eにあ
る場合には、図6(e)に示すようにチップ側面には位
置ずれ検出用電極パターンの電極部23は現れない。X
方向の切断線がY方向にずれて位置Fにある場合には、
図6(f)に示すように2本の比較的長い電極部23の
線が現れる。更に、切断線がY方向に大きくずれて位置
Gにきた場合には、図6(g)に示すように位置ずれ検
出用電極パターン23が比較的短い2本の線として現れ
る。このようにして、この実施形態の位置ずれ電極検出
用電極パターンを用いることで、X方向及びY方向の切
断線がそれぞれ内部電極に対して相対的な位置ずれを生
じた場合に、そのずれの程度を正確に検出することがで
きる。
【0022】図7は、本発明の第4の実施形態の位置ず
れ検出用電極パターンを示す。この実施形態の電極パタ
ーンはX方向およびY方向の切断線21,21の交差部
に菱形の電極パターン25を備えている。そして、この
菱形の電極パターンはX方向の切断線21を挟んで2本
の平行な電極線26,26と接続して、この電極線2
6,26を介して内部電極を構成する導体パターン15
と接続している。従って、X方向の切断線21またはY
方向の切断線21がそれぞれ正規の位置からずれると、
これに対応して菱形の電極パターン25の切断部が積層
圧着体の切断面に現れることは上述の各実施形態と同様
である。従って、この長さを計測することによりX方向
及びY方向の内部電極の位置ずれを精度良く検出するこ
とが可能である。更に、この実施の形態においては、菱
形の位置ずれ検出用電極パターン25と内部電極15と
を接続する2本の平行な電極線26,26を備えている
ことから、ダイシング後の個々のチップとして外部電極
の形成時に、位置ずれ検出用電極パターンに内部電極1
5と接続する引出電極の役割を果たさせることができ
る。従って、鍍金等により外部電極を形成するに際し
て、内部電極の外部電極との安定な接続を補助すること
ができる。
【0023】上記第2、第3、第4の各実施形態におい
ては、1個のチップ区画に対応した内部電極の位置ずれ
量の検出について説明したが、グリーンシート上のすべ
てのチップ区画にこの位置ずれ検出用電極パターンを備
えるので、積層圧着体内部のグリーンシート全体での導
体パターンの歪みや伸びの分布を知ることができること
はいずれのパターンにおいても共通する。
【0024】次に、本発明の製造方法を用いて製造した
積層圧着体を図8に示す。図示の例は、チップ一区画分
について示すが、実際には大判のグリーンシートに多数
のチップがマトリックス状に配列されて形成されてい
る。この実施例では、11a〜11jの10枚のグリー
ンシートにより積層圧着体30が構成されている。下側
の3枚のグリーンシート11a,11b,11cは、電
極パターンを有さない無地のグリーンシートにより構成
されている。真ん中の4枚のグリーンシート11d,1
1e,11f,11gは、内部電極パターンを有するグ
リーンシートにより構成され、それぞれのグリーンシー
トには接続部にビアホールを備え、上下の電極がビアホ
ール内に充填された導電材により導通するようになって
いる。これにより、コイル等の導体回路が形成される。
【0025】内部電極パターンが形成されたグリーンシ
ートのうち最下層と最上層のグリーンシート11d,1
1gには側面に引出電極20が露出し、焼結後に形成さ
れる外部電極32に接続するようになっている。このグ
リーンシートには上記位置ずれ検出用電極パターン18
を備えていて、ダイシングによる切断面に電極部18が
露出することは上述したとおりである。従って、ダイシ
ングの切断位置表示に対して内部電極の位置ずれが生じ
ている場合には、これを補正してダイシングの切断位置
表示に対してずらせて切断を行っている。それ故、内部
電極の切断面への露出に伴う特性不良等の問題を防止す
ることができる。また、位置ずれ検出用電極パターン1
8は、切断面に露出するので位置ずれ検出用電極パター
ン18に引出電極20の補助的な役割を分担させること
ができる。特に図1,図3,図7に示すように、位置ず
れ検出用電極パターンを内部電極と導通状態にしておく
と、これにより内部電極と外部電極との接続をより安定
なものとすることができる。
【0026】上側の2枚のグリーンシート11h,11
iは無地のグリーンシートにより構成される。また、そ
の上側に位置するグリーンシート11jは切断位置を示
すマークを形成したグリーンシートであり、積層圧着体
30の最表面であり、定格値や極性などを示す表示マー
クが形成されている。なお、切断位置を示すマークはグ
リーンシートのチップ区画外(図示しない)に設けられ
ている。
【0027】図9は、図8に示す積層圧着体における内
部電極パターンの配置例を示す。内部電極パターンが形
成されたグリーンシートのうち、最下層のグリーンシー
ト11dにはチップ端縁の引出電極20から内部電極1
5が延伸し、半ターン後の他方の電極端部15はビアホ
ール16を有する上層のグリーンシート11e上の内部
電極15に同ビアホール16を介して接続する。この様
にして、グリーンシート11d〜11g上の内部電極1
5が相互にビアホール16を介して接続され、コイルが
形成される。そして、グリーンシート11g上の内部電
極15が他方のチップ端縁の引出電極20に延伸して、
チップ外部の電極32に接続される。この引出電極20
には位置ずれ検出用電極18が備えられているので、ダ
イシング後には、その切断面にグリーンシート11dと
11gの2層に位置ずれ検出用電極18の電極部が現れ
る。
【0028】次に、図8に示す積層圧着体の形成方法に
ついて、図10を参照しながら説明する。この実施形態
においては、例えばチップサイズが1005サイズ(1
mm×0.5mm)、又は0603サイズ(0.6mm
×0.3mm)のような超小型部品を対象としている。
従って、一枚のグリーンシートの厚みは数μmから数十
μmと極めて薄い。このため、グリーンシートは、PE
Tフィルム上に例えば印刷により形成する。そして、内
部電極はこのグリーンシート上に更に導電体ペーストを
用いてスクリーン印刷により形成する。スクリーン印刷
は一度にグリーンシート上にマトリクス状に多数の各チ
ップ区画に対応した導体パターンを印刷できるが、スク
リーンマスクのへたり等により導体パターンの位置ずれ
や歪み等が生じる問題がある。
【0029】このグリーンシート11を積層圧着体30
として形成するには、平坦な表面を有する基台33とそ
の基台33の四隅に立設した位置合わせ用ピン34を有
する治具39を用意し、その基台33上に好ましくは粘
着性または吸着性を有する基体シート40を載置・固定
し、基体シート40上に最下層となるグリーンシート1
1aを固定し、仮プレスを行い基体シート40上に十分
に圧着した後に、グリーンシート11aから図示省略の
PETフィルムのみを剥離する。この際、グリーンシー
ト11aの位置合わせは、治具39に立設されたピン3
4にPETフィルム及びグリーンシート11aの四隅に
形成された通孔12を嵌合させることにより行う。次
に、同様に無地のグリーンシート11bが貼着されたフ
ィルムを準備し、グリーンシート11b面を下側にして
四隅のピン34に通孔12を嵌合させることで下地のグ
リーンシート11aに重ねる。そして、PETフィルム
上から仮プレスし、その後PETフィルムを剥離する。
これにより、グリーンシート11bが積層される。この
作業を3枚目のグリーンシート11cについて繰り返
す。
【0030】そして、内部電極パターン及びビアホール
を有するグリーンシート11d,11e,11f,11
gについて、下地グリーンシートに重ねて仮プレスし、
その後PETフィルムを剥離するという作業を同様に1
枚づつ繰り返す。そして、更にその上層に内部電極を有
さない無地のグリーンシート11h,11iおよび切断
位置を示すパターンを形成したグリーンシート11jを
上述したと同様の手順により積層し、圧着する。これら
のグリーンシートの積層圧着の過程でグリーンシートに
伸びやゆがみ等が生じ、その結果内部電極の導体パター
ンの伸びや歪み等が生じる。
【0031】基体シート40は、通常の状態では粘着性
または吸着性があるので、最下層のグリーンシート11
aをこれに固定して、以後次々とグリーンシート11b
〜11jが積層される。そして、基体シート40を紫外
線剥離フィルムで構成すると、この基体シート40に紫
外線を照射することにより粘着性が消失する。従って、
グリーンシート11j上への転写などの手段による表示
マーク等の形成後は、治具39から取り出し、紫外線を
基体シート40に照射することで、この粘着性が消失
し、基体シート40から容易に仮プレスした積層圧着体
30を離脱することができる。
【0032】そして、水圧プレス等の本プレスを行い、
シート状の積層圧着体30が完成する。次に表示マーク
に示された切断線に沿ってダイシングソー等によりシー
ト状の積層圧着体を切断して個々のチップ状の積層圧着
体とする。このダイシングに際して、切断を行った積層
圧着体の側面に現れる前記位置ずれ検出電極パターンの
長さまたは数を測定することによって、前記積層圧着し
たグリーンシート内の内部電極のずれの分布を検出す
る。そして、検出したずれの分布によってダイシングの
際の切断位置を補正する。内部電極のずれの分布は、位
置ずれ検出用電極パターンが上下2枚のグリーンシート
11d,11gに備えられているので、この双方を観察
することにより行う。従って、位置ずれが生じた表面か
らは見えない内部電極に合わせてダイシングを行うこと
ができ、内部電極の露出に伴う特性不良等の問題を防止
することができる。なお、グリーンシート上で導体パタ
ーン列が斜めにずれているような場合には、シート上の
積層圧着体30をこれに合わせて位置調整を行い切断す
ればよい。
【0033】ダイシング以降の工程は従来の技術と同様
であり、高温で焼成することによりセラミック焼結体チ
ップが得られる。内部電極も高温の焼成により金属導電
層となり、これがビアホールを介して接続された状態と
なり、金属導体のコイルがセラミック焼結体内に形成さ
れる。この時、ダイシングの切断位置は内部電極の印刷
導体パターンに合わせて補正されているので、結果とし
て精度の高いダイシングが達成されている。そして、引
出電極に接続するように外部電極32(図8参照)をA
g又はAg−Pdペースト等の導電材のコーティング等
により形成し、更にニッケルまたははんだめっき等の処
理を行いチップ部品として完成する。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、表
面から見えない積層圧着体内部の電極の印刷パターンの
ずれの分布に対応して、シート状の積層圧着体を切断す
ることができるので、ずれを生じた内部電極の位置に対
して適切なダイシングを行うことができる。これによ
り、切断面への内部電極の露出に伴う特性不良等の問題
が防止される。総じて本発明によれば、品質が良好な積
層チップ部品を低コストで製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の位置ずれ検出用電極
パターンを示す平面図である。
【図2】図1の位置ずれ検出用電極パターンが切断面に
現れる状態を示した図である。
【図3】本発明の第2の実施形態の位置ずれ検出用電極
パターンを示す平面図である。
【図4】図3の位置ずれ検出用電極パターンが切断面に
現れる状態を示した図である。
【図5】本発明の第3の実施形態の位置ずれ検出用電極
パターンを示す平面図である。
【図6】図5の位置ずれ検出用電極パターンが切断面に
現れる状態を示した図である。
【図7】本発明の第4の実施形態の位置ずれ検出用電極
パターンを示す平面図である。
【図8】本発明の実施形態の積層圧着体の一チップ区画
部分を示す斜視図である。
【図9】図8に示す積層圧着体の内部電極のパターン例
を示す平面図である。
【図10】本発明の実施形態の積層圧着体の製造工程を
示す分解斜視図である。
【符号の説明】
11 グリーンシート 12 積層位置決め用の通孔 15 内部電極(導体パターン) 18,19,23,25 位置ずれ検出用電極
パターン 20 引出電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山辺 孝之 長野県上伊那郡箕輪町大字中箕輪14016 コーア株式会社内 Fターム(参考) 5E062 DD04 FF01 5E070 AA01 AB02 CB03 CB13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部電極を有する複数枚のグリーンシー
    トを積層圧着してマトリクス状に多数の導体回路を形成
    した積層圧着体を、ダイシングにより個々のチップに切
    断して形成した積層チップ部品において、前記グリーン
    シートを各チップ区画に縦横にダイシングする切断線の
    交差点近傍に位置ずれ検出用電極パターンを備えたこと
    を特徴とする積層チップ部品。
  2. 【請求項2】 前記位置ずれ検出用電極パターンは、前
    記導体回路の引出電極を形成したグリーンシートに配置
    されていることを特徴とする請求項1に記載の積層チッ
    プ部品。
  3. 【請求項3】 前記位置ずれ検出用電極パターンは、前
    記引出電極と接続されていることを特徴とする請求項1
    に記載の積層チップ部品。
  4. 【請求項4】 前記位置ずれ検出用電極パターンは、ダ
    イシングの切断位置のずれに対応して、その切断面に現
    れる長さ、または数が変化することを特徴とする請求項
    1に記載の積層チップ部品。
  5. 【請求項5】 内部電極を有する複数枚のグリーンシー
    トを積層圧着してマトリクス状に多数の導体回路を形成
    した積層圧着体をダイシングにより個々のチップに切断
    する積層チップ部品の製造方法において、前記導体回路
    の引出電極部を形成したグリーンシートの各チップ区画
    に、切断線の位置ずれを検出する位置ずれ検出パターン
    を配置し、ダイシングを行った積層圧着体の側面に現れ
    る前記位置ずれ検出パターンの長さまたは数を測定する
    ことによって、前記積層圧着したグリーンシート内の前
    記内部電極のずれの分布を検出し、該検出したずれの分
    布によってダイシングの際の切断位置を補正することを
    特徴とする積層チップ部品の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011035140A (ja) * 2009-07-31 2011-02-17 Sanyo Electric Co Ltd 半導体装置及びその製造方法
JP2014123643A (ja) * 2012-12-21 2014-07-03 Panasonic Corp コモンモードノイズフィルタおよびその製造方法
JP2017174888A (ja) * 2016-03-22 2017-09-28 Tdk株式会社 積層コモンモードフィルタ

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