JP2002146205A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JP2002146205A
JP2002146205A JP2000349720A JP2000349720A JP2002146205A JP 2002146205 A JP2002146205 A JP 2002146205A JP 2000349720 A JP2000349720 A JP 2000349720A JP 2000349720 A JP2000349720 A JP 2000349720A JP 2002146205 A JP2002146205 A JP 2002146205A
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thermoplastic resin
acid
resin composition
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JP2000349720A
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Kiyoji Takagi
喜代次 高木
Mitsuru Nakamura
充 中村
Tokiaki Iwakiri
常昭 岩切
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Original Assignee
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱可塑性樹脂本来の機械的強度や耐熱性を損な
うことなく、導電性や帯電防止性といった電気的性質に
優れた熱可塑性樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】熱可塑性樹脂中に分散された導電剤を含む
熱可塑性樹脂組成物において、(A)導電剤の含有率が
0.1〜20重量%である樹脂組成物100重量部に対
し、(B)分子内にカルボキシル基を2個以上有するカ
ルボン酸又はその誘導体0.01〜10重量部を配合し
たことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的強度、耐熱
性に優れ、かつ、導電性や帯電防止性といった電気的性
質に優れた熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本来、電気絶縁性である熱可塑性樹脂に
導電剤を配合し、導電性や帯電防止性等の特性を持たせ
ることは古くから行われており、そのために各種の導電
剤が用いられている。一般に用いられる例としては、イ
オン性又は非イオン性の有機界面活性剤、ポリエチレン
グリコール単位又はイオン性官能基を持った高分子帯電
防止剤等の有機系導電剤や、カーボンブラック、炭素繊
維、金属繊維、金属粉末、金属酸化物等の無機系導電剤
が挙げられる。しかしながら、これらの導電剤を配合し
た場合、導電性の尺度である表面抵抗値は下げることが
できるものの、有機系導電剤は耐熱性に悪影響を及ぼ
し、無機系導電剤は衝撃強度や表面外観に悪影響を及ぼ
す等、熱可塑性樹脂が本来持っている特性を犠牲にして
いた。
【0003】一方、ニーズ面からは、導電性樹脂に対す
る要求は年々厳しくなってきており、例えば、OA機器
や電子機器では、小型軽量化や高集積化、高精度化が進
み、それに伴い、電気電子部品への塵やほこりの付着を
極力低減させたいという要求が増えてきている。例え
ば、コンピューター関連では、半導体ウエハー、ICチ
ップ、ハードディスクの内部部品等はその最たる例であ
り、塵やほこりの付着を防止するために、これら部品の
運搬、包装用材に帯電防止性を付与することが行われて
いる。これら用材には、通常、ポリカーボネートやポリ
フェニレンエーテル系樹脂(ポリフェニレンエーテルと
芳香族ビニル化合物重合体のブレンド物)が寸法精度や
耐熱性の点から使われており、導電性を付与した導電グ
レードが提供されている。しかしながら、上述したよう
に有機系導電剤を用いた場合には耐熱性が犠牲になり、
無機系導電剤を用いた場合には無機物質の脱落による塵
の発生といった問題があった。
【0004】また、自動車部品、特に外装、外板部品で
は、導電性を付与した樹脂成形品に電気を流し、それと
反対の電荷を付加した塗料を吹き付ける「静電塗装」が
行われている。これは、成形品表面と塗料に反対の電荷
を持たせることによって、互いに引き合う性質を利用
し、塗料の付着率を向上させるものである。これら自動
車部品には、剛性と衝撃強度、耐熱性、耐薬品性から、
通常、ポリカーボネートとポリエステルのブレンド物、
ポリフェニレンエーテルとポリアミドのブレンド物が多
く使われている。しかしながら、これら樹脂材料に導電
性を付与するために、有機系導電剤を用いた場合には耐
熱性が犠牲になり、無機系導電剤を用いた場合には外観
の悪化や衝撃強度の低下といった問題があった。
【0005】また、導電剤は、熱可塑性樹脂との分散性
に劣り、ただ混合しただけでは期待する導電性が得られ
ず、また分散不良からくる外観不良を招いてしまう。導
電剤を熱可塑性樹脂に混合した場合、樹脂中の導電剤の
分散状態が成形品の電気特性に大きく影響し、良好な分
散状態を達成しないと、期待した電気特性が得られにく
い。従来は、良好な電気特性を得るために、導電剤の添
加量を増やし、結果として成形体の表面外観の悪化や衝
撃強度の低下を招いていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、熱可塑性樹
脂本来の機械的強度や耐熱性を損なうことなく、導電性
や帯電防止性といった電気的性質に優れた熱可塑性樹脂
組成物を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、熱可塑性樹脂
に導電性を付与する方法として、導電剤と分子内にカル
ボキシル基を2個以上有するカルボン酸又はその誘導体
とを組み合わせることにより、少量の添加で良好な電気
特性(導電性、帯電防止性)が得られ、熱可塑性樹脂が
本来持っている機械的強度、耐熱性を保つことができる
ことを見出し本発明に到達した。
【0008】すなわち本発明は、熱可塑性樹脂中に分散
された導電剤を含む熱可塑性樹脂組成物において、
(A)導電剤の含有率が0.1〜20重量%である樹脂
組成物100重量部に対し、(B)分子内にカルボキシ
ル基を2個以上有するカルボン酸又はその誘導体0.0
1〜10重量部を配合したことを特徴とする熱可塑性樹
脂組成物を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 <熱可塑性樹脂>本発明で用いられる熱可塑性樹脂は、
溶融、成形できるものならなんでもよく、特に限定され
るものではない。具体的には、ポリアミド、ポリフェニ
レンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香
族ビニル化合物重合体、ポリオレフィン、ポリアセター
ル、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエ
ーテルエーテルケトン等が挙げられる。
【0010】ポリアミド ポリアミドとは、主鎖に−CONH−結合を有する熱可
塑性重合体である。その代表的なものとしては、ナイロ
ン−4、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−
4,6、ナイロン−12、ナイロン−6,10がある。
その他、公知の芳香族ジアミン、芳香族ジカルボン酸等
のモノマー成分を含む結晶性又は非晶性のポリアミドで
もよい。ここでいう非晶性ポリアミドとは、示査走査熱
量計(DSC)により測定した結晶化度が実質的に存在
しないものをいう。 好ましいポリアミドは、ナイロン
−6、ナイロン−6,6、半芳香族ナイロンでありこれ
らと非晶性ポリアミドを併用することも好ましい。ま
た、ポリアミドは、25℃、98%濃硫酸中、濃度1%
で測定した相対粘度が2.0〜6.0であることが好ま
しい。2.0未満だと機械的強度が不足し、6.0を超
えると成型性に劣るため、好ましくない。
【0011】ポリフェニレンエーテル ポリフェニレンエーテルとは、下記一般式(1)
【0012】
【化1】
【0013】(式中、Q1 は、各々、ハロゲン原子、第
一級若しくは第二級アルキル基、アリール基、アミノア
ルキル基、炭化水素オキシ基又はハロ炭化水素オキシ基
を表し、Q2 は、各々、水素原子、ハロゲン原子、第一
級若しくは第二級アルキル基、アリール基、ハロアルキ
ル基、炭化水素オキシ基又はハロ炭化水素オキシ基を表
し、mは10以上の数を表す)で示される構造を有する
単独重合体又は共重合体である。Q1 及びQ2 の第一級
アルキル基の好適な例は、メチル、エチル、n−プロピ
ル、n−ブチル、n−アミル、イソアミル、2−メチル
ブチル、n−ヘキシル、2,3−ジメチルブチル、2
−、3−若しくは4−メチルペンチル又はヘプチルであ
る。第二級アルキル基の好適な例は、イソプロピル、s
ec−ブチル又は1−エチルプロピルである。多くの場
合、Q1 は、アルキル基又はフェニル基、特に炭素数1
〜4のアルキル基であり、Q2 は、水素原子である。好
適なポリフェニレンエーテルの単独重合体としては、例
えば、2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエ−テル
単位からなるものである。好適な共重合体としては、上
記単位と2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレン
エ−テル単位との組合せからなるランダム共重合体であ
る。多くの好適な、単独重合体又はランダム共重合体
が、特許及び文献に記載されている。例えば、分子量、
溶融粘度及び/又は耐衝撃強度等の特性を改良する分子
構成部分を含むポリフェニレンエーテルもまた好適であ
る。ここで使用するポリフェニレンエーテルは、クロロ
ホルム中で測定した、30℃の固有粘度が0.2〜0.
8dl/gであるものが好ましい。より好ましくは固有
粘度が0.2〜0.7dl/gのものであり、とりわけ
好ましくは0.25〜0.6dl/gのものである。固
有粘度が0.2dl/g未満では組成物の耐衝撃性が不
足し、0.8dl/gを超えると成形性が不満足であ
る。
【0014】ポリカーボネート ポリカーボネートは、芳香族ポリカーボネート、脂肪族
ポリカーボネート、芳香族−脂肪族ポリカーボネートを
用いることができるが、芳香族ポリカーボネートが好ま
しい。芳香族ポリカーボネートは、芳香族ヒドロキシ化
合物又はこれと少量のポリヒドロキシ化合物を、ホスゲ
ン又は炭酸のジエステルと反応させることによって得ら
れる、分岐していてもよい熱可塑性重合体又は共重合体
である。製造方法は、ホスゲン法(界面重合法)、溶融
法(エステル交換法)等から任意に選択できる。さら
に、溶融法で製造された、末端基のOH基量を調整した
芳香族ポリカーボネートを使用することもできる。芳香
族ジヒドロキシ化合物の具体例としては、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノー
ルA)、テトラメチルビスフェノールA、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、ハ
イドロキノン、レゾルシノール、4,4−ジヒドロキシ
ジフェニル等が挙げられ、好ましくはビスフェノールA
が挙げられる。さらに、難燃性をさらに高める目的で、
上記の芳香族ジヒドロキシ化合物にスルホン酸テトラア
ルキルホスホニウムが1個以上結合した化合物及び/又
はシロキサン構造を有する両末端フェノール性OH基含
有のポリマー又はオリゴマーを使用することもできる。
分岐した芳香族ポリカーボネートを得るには、フロログ
ルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒ
ドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−
2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタ
ン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロ
キシフェニルヘプテン−3、1,3,5−トリ(4−ヒ
ドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリ(4−
ヒドロキシフェニル)エタン等で示されるポリヒドロキ
シ化合物、又は3,3−ビス(4−ヒドロキシアリー
ル)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、
5−クロルイサチン、5,7−ジクロルイサチン、5−
ブロムイサチン等を前記芳香族ジヒドロキシ化合物の一
部として用いればよく、使用量は、0.01〜10モル
%であり、好ましくは0.1〜2モル%である。分子量
を調節するには、一価芳香族ヒドロキシ化合物を用いれ
ばよく、m−及p−メチルフェノール、m−及びp−プ
ロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール及
びp−長鎖アルキル置換フェノール等が挙げられる。芳
香族ポリカーボネートとしては、好ましくは、2、2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導され
るポリカーボネート樹脂、又は2、2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパンと他の芳香族ジヒドロキシ化
合物とから誘導されるポリカーボネート共重合体が挙げ
られる。さらに、難燃性を高める目的でシロキサン構造
を有するポリマー又はオリゴマーを共重合することもで
きる。芳香族ポリカーボネートとしては、2種以上の樹
脂を混合して用いてもよい。芳香族ポリカーボネートの
分子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度
25℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子
量で、13,000〜30,000である。より好まし
くは15,000〜27,000であり、最も好ましく
は17,000〜24,000である。粘度平均分子量
が13,000未満だと機械的強度が不足し、30,0
00を超えると成形性が不良であり好ましくない。
【0015】ポリエステル ポリエステルとしては、例えば、ジカルボン酸又はその
低級アルキルエステル、酸ハライド、酸無水物等の誘導
体と、グリコール又は二価フェノールとを縮合させて得
られる熱可塑性ポリエステルが挙げられる。このポリエ
ステルの製造に適するジカルボン酸の具体例としては、
シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、スべリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族
ジカルボン酸類、テレフタル酸、イソフタル酸、p,
p’−ジカルボキシジフェニルスルホン、p−カルボキ
シフェノキシ酢酸、p−カルボキシフェノキシプロピオ
ン酸、p−カルボキシフェノキシ酪酸、p−カルボキシ
フェノキシ吉草酸、2,6−ナフタリンジカルボン酸、
2,7−ナフタリンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン
酸類又はこれらのカルボン酸の混合物が挙げられる。ま
たポリエステルの製造に適するグリコールの具体例とし
ては、炭素数2〜12の直鎖アルキレングリコール、例
えば、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコ
ール、1,4−ブテングリコール、1,6−ヘキセング
リコール、1,12−ドデカメチレングリコール等の脂
肪族グリコール類の他、p−キシリレングリコール等の
芳香族グリコール類、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール等の脂環式グリコール類が例示され、二価フェノー
ルとしては、ピロカテコール、レゾルシノール、ヒドロ
キノン又はこれらの化合物のアルキル置換誘導体が挙げ
られる。ポリエステルの他の例としては、ラクトンの開
環重合により得られるポリエステルも挙げられる。例え
ば、ポリピバロラクトン、ポリ(ε−カプロラクトン)
等である。また、ポリエステルの更に他の例としては、
溶融状態で液晶を形成するポリマー(Thermotr
opic Liquid Crystal Polym
er;TLCP)としてのポリエステルがある。これら
の区分に入るポリエステルとしては、イーストマンコダ
ック社のX7G、ダートコ社のXyday(ザイダ
ー)、住友化学社のエコノール、セラニーズ社のベクト
ラ等が代表的な商品である。以上、挙げた種々のポリエ
ステルの中でも、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリナ
フタレンテレフタレート(PEN)、ポリ(1,4−シ
クロヘキサンジメチレンテレフタレート)(PCT)又
は液晶性ポリエステル等が、本発明に好適なポリエステ
ルである。
【0016】芳香族ビニル化合物重合体 芳香族ビニル化合物重合体とは、下記一般式(2)
【0017】
【化2】
【0018】(式中、Rは、水素原子、低級アルキル基
又はハロゲン原子を表し、Zは、水素原子、低級アルキ
ル基、塩素原子又はビニル基を表し、nは、1−5の整
数を表す。)で示される構造を有する単量体化合物から
誘導された重合体である。芳香族ビニル化合物重合体の
具体例は、ポリスチレン、ゴム強化ポリスチレン、スチ
レン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−
ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−無水マレイ
ン酸共重合体、スチレン−マレイミド共重合体等であ
る。
【0019】ポリオレフィン ポリオレフィンとは、α−オレフィンの単独重合体、α
−オレフィン同士の共重合体又はα−オレフィン(複数
種でもよい)を主成分とし、他の不飽和単量体(複数種
でもよい)を副成分とする共重合体等である。ここで共
重合体とは、ブロック、ランダム、グラフト又はこれら
の複合物等のいかなる共重合のタイプでもよい。また、
これらのオレフィン重合体の塩素化、スルフォン化、カ
ルボニル化等の変性されたものを含む。上記α−オレフ
ィンとは、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン−
1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オク
テン−1等であり、入手の簡便さからC2−C8のもの
が好ましい。また、上記不飽和単量体とは、例えば、ア
クリル酸、メタクリル酸(以下、両者をあわせて、
「(メタ)アクリル酸」と略記する。)、(メタ)アク
リル酸エステル、マレイン酸等の不飽和有機酸又はその
エステル、無水物等の誘導体や、不飽和脂肪族環状オレ
フィン等が挙げられる。また、ポリオレフィンの具体例
としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、
高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポ
リ−4−メチル−ペンテン−1、プロピレン−エチレン
ブロック又はランダム共重合体、エチレンと他の共重合
可能なモノマーとの共重合体等が挙げられる。
【0020】ポリアセタール ポリアセタールとしては、ホルムアルデヒド又はトリオ
キサンの重合によって製造される高分子量の重合体であ
り、オキシメチレン基を繰り返し単位とする単独重合体
が挙げられる。耐熱性及び化学的抵抗性を増加させるた
めに、末端基をエステル基又はエーテル基に変換するこ
とが一般に行われている。ポリアセタールは、ブロック
共重合体であってもよい。この種の共重合体は、上記オ
キシメチレン基を繰り返し単位とする単独重合体ブロッ
クと、他種の重合体ブロックとから構成される。他種の
重合体ブロックの具体例には、ポリアルキレングリコー
ル、ポリチオール、ビニルアセテート−アクリル酸共重
合体、水添ブタジエン−アクリロニトリル共重合体が挙
げられる。ポリアセタールは、またランダム共重合体で
あってもよい。この種の共重合体では、ホルムアルデヒ
ド及びトリオキサンは、他のアルデヒド、環状エーテ
ル、ビニル化合物、ケテン、環状カーボネート、エポキ
サイド、イソシアネート、エーテル等と共重合される。
共重合される化合物の具体例には、エチレンオキサイ
ド、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキセペン、エピ
クロロヒドリン、プロピレンオキサイド、イソブチレン
オキサイド及びスチレンオキサイドが挙げられる。この
種の共重合体では、カチオン重合後、重合触媒の失活
化、末端安定化等が一般に行われる。また、オキシメチ
レン基を主たる繰り返し単位とし、炭素数2以上のオキ
シアルキレン基を含有する共重合体が汎用される。
【0021】ポリフェニレンスルフィド ポリフェニレンスルフィドとは、下記構造式(3)
【0022】
【化3】
【0023】で示される繰り返し単位を主構成要素とし
て含有する結晶性樹脂である。ポリフェニレンスルフィ
ドの重合法としては、N−メチルピロリドン、ジメチル
アセトアミド等のアミド系溶媒やスルホラン等のスルホ
ン系溶媒中で、硫化ナトリウムとp−ジクロロベンゼン
とを反応させる方法が適当であるが、p−ジクロロベン
ゼンを硫黄と炭酸ソーダの存在下で重合させる方法、極
性溶媒中で硫化ナトリウム又は水硫化ナトリウムと水酸
化ナトリウム又は硫化水素と水酸化ナトリウムの存在下
で重合させる方法、p−クロルチオフェノールの自己縮
合等によることもできる。ポリフェニレンスルフィドに
は、上記の繰り返し単位を主構成要素とする限り種々の
重合体が包含される。すなわち、上記の繰り返し単位の
みからなる単独重合体、これを主構成成分(80モル%
以上)とし、他の繰り返し単位の一種又は二種以上を2
0モル%以下の割合で含有する共重合体を使用すること
ができる。
【0024】また、上記各種の熱可塑性樹脂は、単独で
用いても、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。こ
れらの中でも、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、
ポリカーボネート、ポリエステル及び芳香族ビニル化合
物重合体からなる群から選ばれる1種又は2種以上の組
み合わせが好ましい。
【0025】<導電剤>本発明で用いられる導電剤は、
中空炭素フィブリル、カーボンブラック、カーボンファ
イバー、カーボンファイバーの粉砕物、銅、ニッケル、
亜鉛等の金属粉又は金属繊維、金属酸化物、導電剤で被
覆した無機又は有機化合物、イオン性又は非イオン性の
有機界面活性剤、ポリエチレングリコール単位やイオン
性官能基を持った高分子帯電防止剤が挙げられる。上記
各種の導電剤は、単独で用いても、二種類以上を組み合
わせて用いてもよい。これらの導電剤の中でも、中空炭
素フィブリル、導電性カーボンブラックが好ましく、中
空炭素フィブリルが特に好ましい。本発明において好ま
しく用いられる導電性カーボンブラックは、ペイント等
に着色目的で加える顔料用カーボンブラックとは違っ
て、微細な粒子が連なった形態をしているもので、ケッ
チェンブラックとして市販されている。また、本発明に
おいて特に好ましく用いられる中空炭素フィブリルは、
規則的に配列した炭素原子の本質的に連続的な多数層か
らなる外側領域と、内部中空領域とを有し、各層と中空
領域とが該フィブリルの円柱軸の周囲に実質的に同心に
配置されている本質的に円柱状のフィブリルである。更
に、上記外側領域の規則的に配列した炭素原子が黒鉛状
であり、上記中空領域の直径が2〜20nmであること
が好ましい。本発明で用いられる中空炭素フィブリルの
外径は、好ましくは3.5〜70nmであり、より好ま
しくは4〜60nmであり、アスペクト比(長さ/外径
の比をいう)は、好ましくは5以上、より好ましくは1
0以上である。フィブリル外径が3.5nm未満の物
は、樹脂中への分散性に劣り、70nmを超えると得ら
れる熱可塑性樹脂成形体の導電性が不満足である。ま
た、アスペクト比が5未満では、得られる熱可塑性樹脂
成形体の導電性が不満足である。かかる中空炭素フィブ
リルは、特表昭62−500943号公報や米国特許第
4,663,230号明細書に詳しく記載されている。
その製法については、上記特許公報や米国特許明細書に
記載されているように、遷移金属含有粒子(例えばアル
ミナを支持体とする鉄、コバルト、ニッケル含有粒子)
を、CO、炭化水素等の炭素含有ガスと850〜120
0℃の高温で接触させ、熱分解により生じた炭素を遷移
金属を起点として繊維状に成長させる方法が挙げられ
る。本発明で用いられる中空炭素フィブリルは、ハイペ
リオン・カタリシス社より「グラファイト・フィブリ
ル」の商品名で市販されており、容易に入手可能であ
る。
【0026】<分子内にカルボキシル基を2個以上有す
るカルボン酸又はその誘導体>本発明に使用される、分
子内にカルボキシル基を2個以上有するカルボン酸又は
その誘導体は、分子内に不飽和基を有さなければ、カル
ボキシル基以外にオキシ基、ハロゲン基、アミノ基等の
極性基を有していてもよい。また、一価カルボン酸が脱
水縮合した酸無水物も、ここでは分子内にカルボキシル
基を2個以上有するものとする。分子内にカルボキシル
基を2個以上有するカルボン酸の具体例としては、シュ
ウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、ノナメチレンジカルボ
ン酸、ウンデカメチレンジカルボン酸、dl−メチルコ
ハク酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマ
ロン酸、テトラメチルコハク酸、ピナコン酸、d−ショ
ウノウ酸、dl−イソショウノウ酸等の多価カルボン酸
類;d−酒石酸、l−酒石酸、l−リンゴ酸、ジオキシ
酒石酸、dl−シトラマル酸、d−糖酸、粘液酸、ジグ
リコール酸、4−ピロン−2,6−ジカルボン酸等のオ
キシ多価カルボン酸類;dl−ブロムコハク酸、dl−
1,2−ジブロムコハク酸等のハロ多価カルボン酸類;
dl−アスパラギン酸等のアミノ多価カルボン酸類が挙
げられる。また、分子内にカルボキシル基を2個以上有
するカルボン酸の誘導体の具体例としては、l−リンゴ
酸カルシウム、l−リンゴ酸ジエチル、無水アセチルリ
ンゴ酸、無水コハク酸、無水メチルコハク酸等の前記多
価カルボン酸の誘導体類、及び、無水酪酸、無水イソ酪
酸、無水イソ吉草酸、無水へプタン酸等の一価カルボン
酸の誘導体類が挙げられる。これらのカルボン酸又はそ
の誘導体のうちでは、無水コハク酸、コハク酸、アジピ
ン酸が好ましく、無水コハク酸が特に好ましい。
【0027】<任意成分>また、本発明においては、必
要に応じて、上記各成分の他に、紫外線吸収剤、酸化防
止剤等の安定剤、顔料、染料、滑剤、難燃剤、離型剤等
の添加剤、ガラス繊維、ガラスフレーク、チタン酸カリ
ウム、ワラストナイト、タルク、マイカ等の無機強化剤
を配合することができる。また、本発明においては、さ
らに耐衝撃改良剤として通常用いられるエラストマーを
配合することもできる。
【0028】<組成比>以上に述べた各成分の組成比を
纏めると、以下の通りである。導電剤の含有率: 熱可
塑性樹脂と導電剤を含む樹脂組成物(上記任意成分を含
む場合は、それらも含めた重量、言い替えれば、本発明
の熱可塑性樹脂組成物の総重量から下記分子内にカルボ
キシル基を2個以上有するカルボン酸又はその誘導体の
重量を減じた重量を基準とする。以下同じ。)中、0.
1〜20重量%、好ましくは0.4〜10重量%、とり
わけ好ましくは0.7〜5重量%。0.1重量%未満で
は、導電性が不満足であり、20重量%を超えると、機
械的強度、成形性が不満足である。分子内にカルボキシ
ル基を2個以上有するカルボン酸又はその誘導体: 熱
可塑性樹脂と導電剤を含む樹脂組成物100重量部に対
して、0.01〜10重量部、好ましくは0.02〜5
重量部、とりわけ好ましくは0.05〜1重量部であ
る。0.01重量部未満では、導電性が不満足であり、
10重量部を超えると、機械強度、外観が不満足であ
る。
【0029】<組成物の製造>本発明の熱可塑性樹脂組
成物を得るための方法としては、各種混練機、例えば、
一軸および多軸混練機、バンバリーミキサー、ロール、
ブラベンダープラストグラム等で、上記成分を溶融混練
した後、冷却固化する方法や、適当な溶媒、例えば、ヘ
キサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の
炭化水素又はその誘導体に上記成分を添加し、溶解する
成分同志を混ぜる、又は、溶解する成分と不溶解成分を
懸濁状態で混ぜる溶液混合法、その他任意の方法が用い
られる。工業的コストからは溶融混練法が好ましいが、
これに限定されるものではない。また、上記成分の添
加、配合の順序は特に限定されない。しかし、熱可塑性
樹脂と中空炭素フィブリルを、中空炭素フィブリルの含
量が10〜30重量%になるように一度溶融混練を行い
マスターバッチを得、このマスターバッチを残りの熱可
塑性樹脂と再度、溶融混練を行う方法は、良好な分散を
得るために好ましい。その際、分子内にカルボキシル基
を2個以上有するカルボン酸又はその誘導体や前記任意
成分は、残りの熱可塑性樹脂と予めタンブラーミキサー
等で均一に混合しておくことも、良好な分散を得るため
に好ましい。
【0030】<成形体>本発明の熱可塑性樹脂組成物を
用いて成形体を得る方法は、特に限定されるものでな
く、熱可塑性樹脂組成物について一般に用いられている
成形法、例えば、射出成形、中空成形、押出成形、シー
ト成形、熱成形、回転成形、積層成形等の成形方法が適
用できる。熱可塑性樹脂成形体は、特定の用途に限定さ
れるものではないが、本発明の効果を最も引き出せる用
途として、電気電子部品の搬送、包装用材、及び、静電
塗装される自動車部品がとりわけ好ましい。ここでいう
電気電子部品の搬送、包装用材としては、ICチップの
トレー、IC部品ボックス、ウエハーのトレー、回路基
盤収納ボックス、ハードディスク、CD、DVD、MO
等の光や磁気記録媒体の基盤、ハウジング、ヘッド等の
部品のトレーや収納ボックス等が挙げられる。また、静
電塗装される自動車部品としては、塗装工程に静電塗装
を含む、バンパー、フェンダー、ドアパネル、ホイール
キャップ、ドアハンドル等の自動車部品が挙げられる。
本発明成形体の表面抵抗値は102〜1012Ωが好まし
く、104〜1010Ωがより好ましい。1012Ωを超え
ると導電性が不足であり、102Ω未満では抵抗値が低
すぎ、電気電子部品の搬送、包装用材の場合、ショート
の可能性があり好ましくない。これらの用途に用いられ
る熱可塑性樹脂としては、電気電子部品の運搬、包装用
材には、耐熱性、寸法精度の観点から、ポリカーボネー
ト、ポリフェニレンエーテル系樹脂が好ましく、自動車
部品には、剛性、耐熱性、衝撃強度の観点からポリカー
ボネートとポリエステルのブレンド物、ポリフェニレン
エーテルとポリアミドのブレンド物が好ましい。ここで
いうポリフェニレンエーテル系樹脂とは、ポリフェニレ
ンエーテルと芳香族ビニル化合物重合体のブレンド物で
あり、ポリフェニレンエーテルが40重量%以上含まれ
ているものが好ましい。ポリカーボネートとポリエステ
ルのブレンド物では、ポリカーボネートとポリエステル
の比率が、重量比で9:1〜5:5の範囲が好ましく、
8:2〜6:4の範囲がより好ましく、ポリフェニレン
エーテルとポリアミドのブレンド物では、ポリフェニレ
ンエーテルとポリアミドの比率が、重量比で1:9〜
5:5の範囲が好ましく、2:8〜4:6の範囲がより
好ましい。また、ポリフェニレンエーテルとポリアミド
のブレンド物の場合は、相溶性を向上させるために、相
溶化剤を用いることが好ましく、好ましい相溶化剤とし
ては、無水マレイン酸に代表される、同一分子内に不飽
和基と極性基を併せ持つ化合物が挙げられる。
【0031】
【実施例】以下に本発明を実施例によって、詳しく説明
するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもの
では無い。なお、以下の実施例において、各成分として
次に示すものを用いた。 (A)熱可塑性樹脂 (A−1)ポリカーボネート: ポリ−4,4−イソプ
ロピリデンジフェニルカーボネート、粘度平均分子量2
1,000(以下、PCと略す) (A−2)ポリフェニレンエーテル: ポリ−2,6−
ジメチル−1,4−フェニレンエーテル、30℃クロロ
ホルム中で測定したときの固有粘度が、0.40dl/
gのもの(以下、PPEと略す) (A−3)ポリアミド: ポリアミド6、25℃、98
%硫酸中、濃度1%で測定した相対粘度が、2.0のも
の(以下、PA6と略す) (A−4)ポリエステル: ポリブチレンテレフタレー
ト、テトラクロルエタンとフェノールが1:1(重量
比)混合溶液中、温度30℃で測定した固有粘度が、
0.85dl/gのもの(以下、PBTと略す)
【0032】(B)導電剤 (B−1)中空炭素フィブリル: ハイペリオン・カタ
リシス社製で、グラファイト・フィブリルBNを15重
量%、ポリカーボネートを85重量%含有するマスター
バッチ(商品名:PC/15BN)。グラファイト・フ
ィブリルBNは、外径15nm、内径5nm、長さ10
0〜10,000nmの中空炭素フィブリル。 (B−2)中空炭素フィブリル: ハイペリオン・カタ
リシス社製で、グラファイト・フィブリルBNを20重
量%、ポリアミド6を80重量%含有するマスターバッ
チ(商品名:PA/20BN)。グラファイト・フィブ
リルBNは、外径15nm、内径5nm、長さ100〜
10,000nmの中空炭素フィブリル。 (B−3)導電性カーボンブラック: ライオン(株)
製品、商品名:ケッチェンEC
【0033】(C)無水コハク酸: 試薬1級、和光純
薬(株)製品
【0034】(D)任意成分 (D−1)相溶化剤: 無水マレイン酸、試薬特級(以
下、MANHと略す) (D−2)エラストマー: 水素添加スチレン−ブチレ
ンースチレンブロック共重合体、シェル化学社製、商品
名:クレイトンG1651(以下、SEBSと略す) (D−3)エラストマー: アクリル(コア)/ブタジ
エン(シェル)からなるコアシェルタイプのエラストマ
ー、クレハ社製、商品名パラロイドEXL2603(以
下、EXLと略す)
【0035】実施例1〜3 表−1に示す割合で配合した第一フィード及び第二フィ
ードを、それぞれ、タンブラーミキサーにて均一に混合
したのち、二軸混練押出機(TEX30HCT、30m
mφ)を用いて、2ヶ所に設けたフィード口からフィー
ドを行い、シリンダー温度300℃、スクリュー回転数
150rpmでペレット化した。次にこの樹脂組成物
を、射出成形機(住友ネスタール社製品、型締め力75
T)を用い、シリンダー温度280℃、金型温度80℃
の条件で射出成形して成形体を作製し、後記のような方
法で評価を行った。その結果は表−1に示した通りであ
った。表面抵抗は低い値を示し、機械的強度、耐熱性も
良好であった。また、成形体中の中空炭素フィブリルの
分散状態は良好で、静電塗装される自動車部品として使
用可能である。
【0036】比較例1 表−1に示す通り、無水コハク酸を使用しない以外は実
施例1と同様にして、成形体の作製及び評価を行った。
その結果は表−1に示した通り、表面抵抗は107Ωオ
ーダーと高い値を示した。
【0037】比較例2 表−1に示す通り、導電剤を使用しない以外は実施例1
と同様にして、成形体の作製及び評価を行った。その結
果は表−1に示した通り、表面抵抗は1013Ωオーダー
以上と高い値を示した。
【0038】比較例3 表−1に示す通り、無水コハク酸及び導電剤を使用しな
い以外は実施例1と同様にして、成形体の作製及び評価
を行った。その結果は表−1に示した通り、表面抵抗は
1013Ωオーダー以上と高い値を示した。
【0039】実施例4〜5 表−1に示す割合で配合した組成物をタンブラーミキサ
ーにて均一に混合したのち、二軸押出機(30mmφ)
を用いて、シリンダー温度300℃、スクリュー回転数
150rpmでペレット化した。次にこの樹脂組成物
を、射出成形機(住友ネスタール社製品、型締め力75
T)を用い、シリンダー温度280℃、金型温度80℃
の条件で射出成形して成形体を作製し、後記のような方
法で評価を行った。その結果は表−1に示した通りであ
った。表面抵抗は低い値を示し、機械的強度、耐熱性も
良好であった。また、成形体中の中空炭素フィブリルの
分散状態は良好で、電気電子部品の搬送、包装用材や静
電塗装される自動車部品として使用可能である。
【0040】比較例4 表−1に示す通り、無水コハク酸を使用しない以外は実
施例4と同様にして、成形体の作製及び評価を行った。
その結果は表−1に示した通り、表面抵抗は107Ωオ
ーダーと高い値を示した。
【0041】比較例5 表−1に示す通り、無水コハク酸を使用しない以外は実
施例5と同様にして、成形体の作製及び評価を行った。
その結果は表−1に示した通り、表面抵抗は108Ωオ
ーダーと高い値を示した。
【0042】[評価方法] (1)曲げ弾性率 ASTM D790による曲げ試験法に従い、三点曲げ
試験を行った。 (2)荷重たわみ温度 ASTM D648に従い、0.45MPaの条件で、
荷重たわみ試験を行った。 (3)アイゾット衝撃強度 ASTM D256に従い、3.2mm厚みの試験片
で、ノッチ付きアイゾット試験を行った。 (4)表面抵抗 50mm×90mm×3.2mmtの角板成形体を用
い、三菱化学(株)製品のロレスタ又はハイレスタにて
任意の3ヶ所について測定を行った。(104Ω以上の
値のものについてはハイレスタを用い、それ以下になる
ものについてはロレスタを用いた。)
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物及び成形体
は、機械的強度、耐熱性、衝撃強度に優れ、かつ導電
性、帯電防止性が改良されていることから、その工業的
有用性は大きく、電気電子の搬送、包装用部品を始めと
する、電気電子分野やOA機器用部品、静電塗装用の自
動車部品等、多くの分野に有用なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 充 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 (72)発明者 岩切 常昭 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 Fターム(参考) 4J002 BB031 BB121 BB151 BB161 BC031 BC061 BH011 BN151 CB001 CF061 CF071 CF081 CG011 CH071 CL011 CL031 CN011 DA016 DA036 DE076 DE086 DE106 EF067 EF117 EL137 EN117 FA046 FD116 GG02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂中に分散された導電剤を含む
    熱可塑性樹脂組成物において、(A)導電剤の含有率が
    0.1〜20重量%である樹脂組成物100重量部に対
    し、(B)分子内にカルボキシル基を2個以上有するカ
    ルボン酸又はその誘導体0.01〜10重量部を配合し
    たことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】熱可塑性樹脂が、ポリアミド、ポリフェニ
    レンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステル及び芳
    香族ビニル化合物重合体からなる群より選ばれる少なく
    とも1種であることを特徴とする請求項1に記載の熱可
    塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】導電剤が、中空炭素フィブリル及び導電性
    カーボンブラックからなる群より選ばれる少なくとも1
    種であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹
    脂組成物。
  4. 【請求項4】導電剤が、中空炭素フィブリルであること
    を特徴とする請求項3に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】熱可塑性樹脂が、ポリフェニレンエーテル
    とポリアミドのブレンド物、又は、ポリカーボネートと
    ポリエステルのブレンド物から選ばれることを特徴とす
    る請求項3又は4に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート、又
    は、ポリフェニレンエーテルと芳香族ビニル化合物重合
    体のブレンド物から選ばれることを特徴とする請求項3
    又は4に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】分子内にカルボキシル基を2個以上有する
    カルボン酸又はその誘導体が、無水コハク酸、コハク酸
    及びアジピン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種
    であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に
    記載の熱可塑性樹脂組成物。
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