JP2002128450A - マンコンベア - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】ベビーカーやショッピングカート、あるいは台
車等の車輌によるインレットの誤操作を防止してより安
全性を高めることができるマンコンベアを提供する。 【解決手段】欄干３の下部のスカート部６の端面に、そ
の外方の乗降口５に向かって弾性的に突出するインレッ
ト８が設けられ、欄干３の周縁に沿って走行する手すり
ベルト４がそのインレット８内を通してスカート部６内
に進入するマンコンベアにおいて、乗降口５の乗降板７
の上における前記インレット８の前方位置に、ベビーカ
ーやショッピングカートあるいは台車等の車輌による前
記インレット８に対する誤操作防止用の車輪止め１１を
設ける。そしてこの車輪止め１１に黒黄色縞模様等の警
告塗装を施す。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、エスカレータや
動く歩道等の乗客搬送用のマンコンベアに関する。

【０００２】

【従来の技術】乗客搬送用のマンコンベアとしての例え
ばエスカレータは、図５に示すように、建屋の下階と上
階との間に亘って据え付けられたトラス１と、このトラ
ス１に組み込まれて無端走行する乗客搬送用のステップ
列２と、このステップ列２の両側に配置するようにトラ
ス１に取り付けられた欄干３とで構成されている。

【０００３】そして欄干３の周縁には無端状の手すりベ
ルト４が装着され、この手すりベルト４がステップ列２
と同期して無端走行するようになっている。また欄干３
の下部には建屋の上下階の乗降口５間に亘って延びるよ
うに、乗客の足元を保護するためのスカート部６が設け
られ、また上下階の各乗降口５には乗客乗降用の乗降板
７が設けられている。

【０００４】欄干３の周縁に沿って走行する手すりベル
ト４はその走行に応じて順次スカート部６内に進入す
る。すなわち手すりベルト４は、エスカレータの上昇運
転時には上階の乗降口５側におけるスカート部６の端部
からその内側に進入し、下降運転時には下階の乗降口５
側におけるスカート部６の端部からその内側に進入す
る。

【０００５】そして手すりベルト４が進入するスカート
部６の両端部の端面には、手すりベルト４の進入で人の
手や荷物がスカート部６内に引き込まれようとしたとき
の安全装置としてインレット８が設けられている。

【０００６】インレット８は手すりベルト４を囲み、か
つスカート部６の端面から乗降口５に向かって弾性的に
突出するように設けられている。そして手すりベルト４
の走中に例えば子供がいたずらして指や手が手すりベル
ト４と共に欄干３の端部の下側に引き込まれてインレッ
ト８に接触したときに、弾性的に突出しているインレッ
ト８がその弾性力に抗してスカート部６の内側に向かっ
て移動し、この動作がスイッチ機構により検知され、こ
の検知によりエスカレータの運転動作が停止し、また係
員に対する通報が行なわれる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところで、動く歩道を
除くマンコンベアとしてのエスカレータにおいては、ベ
ビーカーやショッピングカート、あるいは台車等の車輌
を乗せることは禁止されており、エスカレータの製造者
や設置者はエスカレータの利用者に対してステッカーや
アナウンス等でその旨を告知している。しかしながら、
エスカレータの利用者のすべてがそれを遵守するとは限
らないのが実情である。

【０００８】エスカレータにベビーカーやショッピング
カート、あるいは台車等の車輌を乗せようとすると、そ
の車輪や車体の一部でインレットを誤操作してエスカレ
ータの運転を停止させてしまうことがある。

【０００９】走行中のエスカレータのステップ列が不意
に停止すると、そのステップ列に既に乗り込んでいる乗
客が転倒する恐れがあり、したがってインレットの誤操
作は極力避けなければならない。また、動く歩道におい
ても、走行しているステップ列が不意に停止すると既に
乗り込んでいる乗客が転倒する恐れがあるから、同様に
インレットの誤操作を防止する必要がある。

【００１０】この発明はこのような点に着目してなされ
たもので、その目的とするところは、ベビーカーやショ
ッピングカート、あるいは台車等の車輌によるインレッ
トの誤操作を防止してより安全性を高めることができる
マンコンベアを提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、欄干
の下部のスカート部の端面に、その外方の乗降口に向か
って弾性的に突出するインレットが設けられ、欄干の周
縁に沿って走行する手すりベルトがそのインレット内を
通してスカート部内に進入するマンコンベアにおいて、
前記乗降口の乗降板の上における前記インレットの前方
位置に、ベビーカーやショッピングカートあるいは台車
等の車輌による前記インレットに対する誤操作防止用の
車輪止めを設けたことを特徴としている。

【００１２】請求項２の発明は、欄干の下部のスカート
部の端面に、その外方の乗降口に向かって弾性的に突出
するインレットが設けられ、欄干の周縁に沿って走行す
る手すりベルトがそのインレット内を通してスカート部
内に進入するマンコンベアにおいて、前記スカート部の
端面に、前記インレットの下側を覆い、かつインレット
よりも突出長さの長いインレットカバーを取り付けたこ
とを特徴としている。

【００１３】請求項３の発明は、請求項１の車輪止め
と、請求項２のインレットカバーとを備えることを特徴
としている。

【００１４】請求項４の発明は、請求項１の車輪止めに
警告塗装が施されていることを特徴としている。

【００１５】請求項５の発明は、請求項２のインレット
カバーに警告塗装が施されていることを特徴としてい
る。

【００１６】請求項６の発明は、請求項３の車輪止めお
よびインレットカバーにそれぞれ警告塗装が施されてい
ることを特徴としている。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図１ないし図４を参照して説明する。なお、図５に
示す構成と対応する部分には同一符号を付してその説明
を省略する。

【００１８】図１および図２には第１の実施形態を示し
てあり、この実施形態においては、従来と同様に、欄干
３に手すりベルト４が装着され、欄干３の下部のスカー
ト部６の端面にインレット８が設けられている。

【００１９】そして乗降口５における乗降板７の上に、
インレット８の前方位置においてベビーカーやショッピ
ングカートあるいは台車等の車輌による前記インレット
８に対する誤操作防止用の車輪止め１１が取り付けられ
ている。

【００２０】この車輪止め１１はスカート部６の端面と
対向し、そのスカート部６の幅よりもやや小さい幅を有
し、高さが例えば５０ｍｍ程度となっている。

【００２１】このような構成においては、ベビーカーや
ショッピングカートあるいは台車等の車輌を押して乗降
口５からマンコンベアに乗り込もうとしてその車輌が欄
干３の端部の下側に入り込んだときに、その車輌の車輪
が車輪止め１１に当たってインレット８への接近が阻止
され、したがってその車輌によるインレット８の誤操作
を防止することができる。

【００２２】図３および図４には第２の実施形態を示し
てあり、この実施形態においては、スカート部６の端面
にインレット８の下側を覆うようにインレットカバー１
２が取り付けられている。

【００２３】このインレットカバー１２は、インレット
８よりもスカート部６の端面からの突出長さが長くなっ
ている。

【００２４】この実施形態の場合には、手すりベルト４
と共に人の手や荷物がインレット８の部分に引き込まれ
たときには、その人の手や荷物がインレット８に当たっ
てインレット８が正常に動作する。

【００２５】一方、ベビーカーやショッピングカートあ
るいは台車等の車輌が乗降板７に沿って移動して欄干３
の端部の下側に入り込んだときには、その車輌の一部が
インレット８に接触する前にインレットカバー１２に接
触し、したがってインレット８が動作せず、その車輌に
よるインレット８の誤操作を防止することができる。

【００２６】また、乗客が故意にあるいは誤ってインレ
ット８の斜め下方からインレット８を足で蹴り上げよう
としたときには、その足がインレット８に接触する前に
インレットカバー１２に接触し、したがってこのような
場合においてもインレット８の誤操作を防止することが
できる。

【００２７】インレットカバー１２の材料として、適度
な弾性を有する例えばゴムを用いることも可能であり、
この場合には、欄干３の端部の下側に車輌が勢いよく侵
入してインレットカバー１２に当たったときに、その勢
いをインレットカバー１２の弾性変形で吸収してスカー
ト部６の端面の損傷等を防止でき、また乗客がインレッ
トカバー１２を勢いよく蹴り上げたときの衝撃を緩和し
て怪我の発生を防止することができる。

【００２８】また、前記車輪止め１１やインレットカバ
ー１２に対して例えば黒黄色縞模様等の警告塗装を施す
ことも可能であり、この場合には、車輌を乗り込ませよ
うとする利用者に対して視覚的にインレット８に接触さ
せないような注意を促すことができる。

【００２９】特に、インレットカバー１２に黒黄色縞模
様等の警告塗装を施すことにより、インレット８付近の
危険性を視覚的に認識させ、幼児等がそのインレット８
に触れないように喚起して危険を未然に防止するような
効果を期待することができる。

【００３０】また、車輪止め１１とインレットカバー１
２を併用することも可能であり、その併用でさらにイン
レット８に対する誤操作防止機能を高めることができ
る。

【００３１】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１乃至３の
発明によれば、マンコンベアにベビーカーやショッピン
グカート、あるいは台車等の車輌を乗せようとしたとき
におけるその車輌によるインレットの誤操作を防止する
ことができ、したがってマンコンベアの運転管理上の安
全性をより高めることができる。

【００３２】そして特に、請求項４乃至６の発明によれ
ば、車輪止めやインレットカバーに黒黄色縞模様等の警
告塗装を施してあるから、インレット付近の危険性を視
覚的に認識させてさらに安全性を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１の実施形態を示す側面図。

【図２】この発明の第１の実施形態を示す正面図。

【図３】この発明の第２の実施形態を示す側面図。

【図４】この発明の第２の実施形態を示す正面図。

【図５】従来のエスカレータの構造を示す構成図。

【符号の説明】 ３…欄干 ４…手すりベルト ５…乗降口 ６…スカート部 ７…乗降板 ８…インレット １１…車輪止め １２…インレットカバー

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荻村 佳男 東京都府中市東芝町１番地 株式会社東芝 府中事業所内 Ｆターム(参考） 3F321 AA04 GA00 GA10

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】欄干の下部のスカート部の端面に、その外
   方の乗降口に向かって弾性的に突出するインレットが設
   けられ、欄干の周縁に沿って走行する手すりベルトがそ
   のインレット内を通してスカート部内に進入するマンコ
   ンベアにおいて、 前記乗降口の乗降板の上における前記インレットの前方
   位置に、ベビーカーやショッピングカートあるいは台車
   等の車輌による前記インレットに対する誤操作防止用の
   車輪止めを設けたことを特徴とするマンコンベア。
2. 【請求項２】欄干の下部のスカート部の端面に、その外
   方の乗降口に向かって弾性的に突出するインレットが設
   けられ、欄干の周縁に沿って走行する手すりベルトがそ
   のインレット内を通してスカート部内に進入するマンコ
   ンベアにおいて、 前記スカート部の端面に、前記インレットの下側を覆
   い、かつインレットよりも突出長さの長いインレットカ
   バーを取り付けたことを特徴とするマンコンベア。
3. 【請求項３】請求項１に記載の車輪止めと、請求項２に
   記載のインレットカバーとを備えることを特徴とするマ
   ンコンベア。
4. 【請求項４】車輪止めには警告塗装が施されていること
   を特徴とする請求項１に記載のマンコンベア。
5. 【請求項５】インレットカバーには警告塗装が施されて
   いることを特徴とする請求項２に記載のマンコンベア。
6. 【請求項６】車輪止めおよびインレットカバーにはそれ
   ぞれ警告塗装が施されていることを特徴とする請求項３
   に記載のマンコンベア。