JP2002114026A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP2002114026A JP2001166915A JP2001166915A JP2002114026A JP 2002114026 A JP2002114026 A JP 2002114026A JP 2001166915 A JP2001166915 A JP 2001166915A JP 2001166915 A JP2001166915 A JP 2001166915A JP 2002114026 A JP2002114026 A JP 2002114026A
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充世 大村
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浩司 野々山
Yoshimitsu Inoue
美光 井上
Hirotaka Nakamura
洋貴 中村
Toshinobu Homitsu
敏伸 穂満
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷凍サイクルの圧縮機の作動を断続制御する
車両用空調装置において、蒸発器からの臭い抑制と圧縮
機駆動源の省動力効果の向上とを両立させる。 【解決手段】 目標蒸発器温度が蒸発器9から臭いの発
生する条件に該当するときは、目標蒸発器温度を蒸発器
吸い込み空気の湿球温度Twet以下で、かつ、同吸い
込み空気の露点温度Trtより高い温度に設定する。こ
れにより、蒸発器温度の上限を蒸発器吸い込み空気の湿
球温度Twet以下に制限して、凝縮水が乾ききる前に
蒸発器温度を再び低下させることができる。従って、蒸
発器表面を凝縮水で濡れた状態に維持して、蒸発器9か
らの臭い発生を抑制できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍サイクルの圧
縮機の作動を断続して、蒸発器温度を制御する車両用空
調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、特開平11−198644号公報
には、車両用空調装置において、通常モード時には目標
蒸発器温度を3〜4℃程度の低温に設定し、一方、エコ
ノミースイッチによる省動力(燃費優先)モードの設定
時には目標蒸発器温度を12〜13℃程度の高めの温度
に設定し、これにより、圧縮機断続作動の稼働率〔圧縮
機作動時間/(圧縮機作動時間+圧縮機停止時間)〕を
下げて、圧縮機を駆動する車両エンジンの動力を低減す
るようにした車両用空調装置が記載されている。
【0003】また、信号待ち時等の停車時に車両エンジ
ンを自動的に停止する車両(ハイブリッド車、エコラン
車等)においては、停車に伴う圧縮機停止時に蒸発器温
度が上昇する過程で蒸発器表面の凝縮水が乾ききるとき
に、凝縮水に溶解していた臭い成分が蒸発器から離脱し
て送風空気とともに車室内へ吹出し、乗員に不快感を与
える。
【0004】そこで、上記従来技術では、車両エンジン
の停止時(圧縮機停止時)に蒸発器吸い込み空気の条件
に基づいて臭い発生を抑制できる圧縮機停止時間を算出
し、圧縮機停止後の経過時間がこの算出時間を超える
と、停車時であっても、車両エンジンを再起動させて圧
縮機を稼働状態に復帰させることが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車両用空調
装置において、蒸発器温度は空調機能的には車室内温度
の制御(冷房)および除湿性能(窓ガラスの防曇性能確
保、車室内湿度の制御)の観点から決定すればよいので
あるが、実際には、蒸発器からの臭い抑制のために、蒸
発器温度の上限が制約されるという問題がある。
【0006】このことをより具体的に説明すると、春秋
の中間季節では、車室内温度の制御および除湿性能の観
点からは蒸発器温度を18〜20℃程度まで上昇し得る
場合が生じるが、そのような条件下でも、蒸発器からの
臭い抑制のために蒸発器温度を12〜13℃程度の温度
に抑えている。
【0007】この蒸発器温度の上限値(12〜13℃)
は、車両用空調装置の通常の使用条件では蒸発器吸い込
み空気の露点温度より常に低い温度となるように設定す
るので、蒸発器表面は常に凝縮水で濡れた状態となり、
これにより、臭い成分の離脱を防ぎ、臭い発生を抑制で
きる。しかし、このような蒸発器温度の制御(すなわ
ち、圧縮機断続制御)では、空調機能的に蒸発器温度を
より高めの温度に上昇し得る余地があるにもかかわら
ず、臭い抑制のために蒸発器温度の上限を低く抑えるこ
とになり、省動力効果を阻害している。
【0008】本発明は上記点に鑑みてなされたもので、
冷凍サイクルの圧縮機の作動を断続して、蒸発器温度を
制御する車両用空調装置において、蒸発器からの臭い発
生の抑制と、圧縮機駆動源の省動力効果の向上とを両立
させることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は以下に説明する
実験的知見に基づいて上記目的を達成するための技術的
手段を案出したものである。
【0010】図25は特開平11−198644号公報
の図17と類似の図で、圧縮機の断続(ON−OFF)
制御に伴う臭い発生のメカニズムを示すものである。図
25(a)は車室内乗員により感知される車室内出空気
の臭気強度を示し、図25(b)は圧縮機作動の断続に
よる蒸発器吹出温度の変化を示し、図25(c)は圧縮
機作動の断続を示し、図25(d)は圧縮機作動の断続
による蒸発器表面での凝縮水の挙動を示す。
【0011】図25(c)に示すように、圧縮機は蒸発
器吹出温度が目標温度TEO−α(αはON−OFF制
御のヒステリシス幅)まで低下すると停止し、そして、
圧縮機の停止により蒸発器吹出温度が目標温度TEOま
で上昇すると、圧縮機が作動状態に復帰する。
【0012】圧縮機の作動時には蒸発器での冷媒の吸熱
作用により蒸発器吸い込み空気の露点温度より低い温度
まで蒸発器吹出温度が低下するようにしてあるので、蒸
発器表面で凝縮水が発生し、凝縮水に臭い成分が溶解す
る。そして、圧縮機停止直後の期間では、冷媒の吸熱
作用の停止のため、蒸発器吹出温度が急上昇し、その
後、蒸発器吹出温度の上昇が緩やかになる。
【0013】次の期間では蒸発器吹出温度が次第に略
一定温度にて安定する。これは、蒸発器表面での凝縮水
の蒸発による吸熱量(潜熱)に見合った温度まで蒸発器
吸い込み空気の温度が低下して、凝縮水の蒸発潜熱と蒸
発器吸い込み空気の温度低下がほぼバランスするためで
ある。
【0014】この期間での蒸発器吹出温度(一定温
度)は蒸発器吸い込み空気の湿球温度Twetであり、
この湿球温度Twetは図26の湿り空気線図により蒸
発器吸い込み空気の温度(乾球温度)と相対湿度とから
求めることができる。すなわち、図26の湿り空気線図
において、蒸発器吸い込み空気の温度(乾球温度)と相
対湿度との交点Pを通る等エンタルピ線Qが飽和曲線と
交差する点にて湿球温度Twetを求めることができ
る。例えば、蒸発器吸い込み空気の温度(乾球温度)=
35℃、相対湿度=35%のときは、湿球温度Twet
=23℃となる。このとき、露点温度Trtは、交点P
の湿り空気が絶対湿度一定のまま飽和状態となる温度で
あり、上記の例では露点温度Trt=17.5℃とな
る。
【0015】図26の湿り空気線図の特性により必ず、
露点温度Trt<湿球温度Twetの関係となる。露点
温度Trtは蒸発器表面に凝縮水が付着し始める温度で
あり、湿球温度Twetは凝縮水の蒸発により蒸発器表
面を所定温度に保持する温度である。
【0016】上記期間では凝縮水の蒸発が進行するこ
とにより臭い成分が凝縮水中に濃縮されていく。更に、
時間が経過して次の期間になると、蒸発器表面での凝
縮水が乾ききる直前に凝縮水の膜が薄くなって凝縮水の
熱抵抗が減少するので、凝縮水の蒸発量が増加して凝縮
水の蒸発による吸熱量が増加する。これにより、蒸発器
吹出温度が所定量低下する。その後、蒸発器表面での凝
縮水が乾ききって、凝縮水の蒸発による吸熱がなくなる
ため蒸発器吹出温度が再度上昇する。
【0017】蒸発器吹出空気への臭気発生は上記期間
の途中、すなわち、蒸発器表面での凝縮水が乾ききる直
前に蒸発器のフィン表面から付着臭い成分が離脱するこ
とにより開始され、そして、時間の経過とともに徐々に
臭気強度が増大する。
【0018】図25の臭い発生メカニズムによると、圧
縮機の停止期間における蒸発器吹出温度の挙動におい
て、凝縮水の蒸発が進行する期間、すなわち、蒸発器吹
出温度が蒸発器吸い込み空気の湿球温度まで上昇する期
間の経過後に、臭気強度が増大する期間が到来する
ことが分かる。
【0019】そこで、上記点に着目して、請求項1記載
の発明では、冷凍サイクルの圧縮機(1)の作動を断続
して、蒸発器温度を制御する車両用空調装置において、
蒸発器(9)から臭いの発生する条件に該当するとき
は、蒸発器温度が蒸発器吸い込み空気の湿球温度Twe
t以下で、かつ、同吸い込み空気の露点温度Trtより
高い温度となるように圧縮機(1)の作動を断続制御す
ることを特徴とする。
【0020】これによると、蒸発器温度が一旦、露点温
度Trtより低い温度に低下して蒸発器(9)に凝縮水
が付着した後でも、上記制御により、蒸発器温度の上限
を蒸発器吸い込み空気の湿球温度Twet以下に制限し
て、凝縮水が乾ききる前に蒸発器温度を再び低下させる
ことができる。従って、蒸発器表面を凝縮水で濡れた状
態に維持できるので、蒸発器(9)からの臭い発生を抑
制できる。
【0021】しかも、蒸発器温度を蒸発器吸い込み空気
の露点温度より高い湿球温度付近に維持することによ
り、圧縮機(1)の稼働率を低下して圧縮機駆動源の省
動力効果を向上できる。
【0022】よって、蒸発器(9)からの臭い発生の抑
制と、圧縮機駆動源の省動力効果の向上とを両立させる
ことができる。
【0023】請求項2記載の発明のように、請求項1に
おいて、圧縮機(1)の停止後に、蒸発器温度が蒸発器
(9)の吸い込み空気の湿球温度もしくはこの湿球温度
より所定温度低い温度まで上昇すると、圧縮機(1)を
作動状態に復帰させるようにしてもよい。
【0024】請求項3記載の発明では、冷凍サイクルの
圧縮機(1)の作動を断続して、蒸発器温度を制御する
車両用空調装置において、蒸発器(9)から臭いが発生
する条件に該当するときは、圧縮機(1)の停止後に蒸
発器温度が蒸発器(9)の吸い込み空気の湿球温度もし
くはこの湿球温度より所定温度低い温度に上昇してから
所定時間経過すると、圧縮機(1)を作動状態に復帰さ
せることを特徴とする。
【0025】これによると、蒸発器表面を凝縮水で濡れ
た状態に維持して蒸発器(9)からの臭い発生を抑制し
つつ、上記所定時間の分だけ圧縮機(1)の停止期間を
長くして圧縮機駆動源の省動力効果を一層向上できる。
【0026】請求項4記載の発明では、冷凍サイクルの
圧縮機(1)の作動を断続して、蒸発器温度を制御する
車両用空調装置において、蒸発器(9)から臭いが発生
する条件に該当するときは、前記条件に該当しない場合
に比して圧縮機(1)の断続制御の周期を小さくするこ
とを特徴とする。
【0027】これにより、蒸発器(9)から臭いが発生
する条件に該当するときは圧縮機(1)の作動時間を短
くできるので、圧縮機(1)の作動に伴って蒸発器温度
が蒸発器吸い込み空気の露点温度より低下している時
間、すなわち、凝縮水の発生時間が短くなる。このこと
は凝縮水の発生量を少なくすることができ、凝縮水への
臭い成分の溶解量も減少する。この結果、蒸発器(9)
からの臭い発生を抑制できる。
【0028】請求項5記載の発明のように、請求項4に
おいて、圧縮機(1)の作動を断続制御するための目標
蒸発器温度に、圧縮機(1)が停止するときの停止側目
標温度と、圧縮機(1)が作動状態に復帰するときの作
動側目標温度とを設けるとともに、停止側目標温度より
作動側目標温度の方が所定のヒステリシス幅だけ高い温
度になっており、蒸発器(9)から臭いが発生する条件
に該当する場合のヒステリシス幅を、前記条件に該当し
ない場合に比して小さくするようにしてよい。
【0029】これにより、停止側目標温度と作動側目標
温度とのヒステリシス幅により圧縮機(1)の断続制御
の周期を小さくすることができる。しかも、停止側目標
温度と作動側目標温度とのヒステリシス幅を小さくする
と、例えば、作動側目標温度Teonが蒸発器吸い込み
空気の湿球温度付近にあるとき、停止側目標温度Teo
ffを後述の図16に例示するように蒸発器吸い込み空
気の露点温度より十分高い温度に設定することができ
る。これにより、蒸発器(9)での凝縮水の発生を抑え
て、蒸発器(9)からの臭い抑制効果を一層高めること
ができる。
【0030】また、逆に停止側目標温度が蒸発器吸い込
み空気の露点温度付近にあるときは、後述の図20に例
示するようにヒステリシス幅の縮小により作動側目標温
度Teonを蒸発器吸い込み空気の湿球温度より十分低
い温度に設定することができる。これにより、蒸発器
(9)で凝縮水が乾ききることを抑えて、蒸発器(9)
からの臭い抑制効果を一層高めることができる。
【0031】請求項6記載の発明のように、請求項4に
おいて、蒸発器(9)から臭いが発生する条件に該当す
る場合は、圧縮機(1)の作動状態の時間を強制的に所
定時間に制限するようにしてもよい。
【0032】これによっても、圧縮機作動時間の制限に
より凝縮水の発生量を抑えて蒸発器(9)からの臭い抑
制効果を発揮できる。
【0033】請求項7記載の発明では、冷凍サイクルの
圧縮機(1)の作動を断続して、蒸発器温度を制御する
車両用空調装置において、蒸発器(9)から臭いが発生
する条件に該当するときは、蒸発器温度が蒸発器(9)
の吸い込み空気の湿球温度より高い温度となるように圧
縮機(1)の作動を断続制御することを特徴とする。
【0034】これにより、蒸発器表面を乾いた状態に維
持して蒸発器(9)からの臭い抑制効果を発揮できる。
また、蒸発器温度を吸い込み空気の湿球温度より高い温
度に制御することにより、圧縮機(1)の稼働率を低下
して圧縮機駆動源の省動力効果を向上できる。
【0035】請求項8記載の発明のように、請求項1な
いし7のいずれか1つにおいて、圧縮機(1)の作動の
断続に伴って蒸発器(9)の表面で凝縮水の発生と凝縮
水の乾燥が繰り返される条件を判定することにより、蒸
発器(9)から臭いが発生する条件に該当することを判
定することができる。
【0036】請求項9記載の発明のように、請求項8に
おいて、蒸発器(9)の吸い込み空気の状態と圧縮機
(1)の作動を断続制御するための目標蒸発器温度とに
基づいて、蒸発器(9)の表面で凝縮水の発生と凝縮水
の乾燥が繰り返される条件を判定するようにしてもよ
い。
【0037】請求項10記載の発明のように、請求項9
において、目標蒸発器温度が蒸発器(9)の吸い込み空
気の湿球温度と露点温度付近にあるときを、蒸発器
(9)の表面で凝縮水の発生と凝縮水の乾燥が繰り返さ
れる条件に該当すると判定するようにしてもよい。
【0038】請求項11記載の発明のように、請求項8
において、凝縮水が乾燥する所定温度以上の高温域に、
圧縮機(1)の作動を断続制御するための目標蒸発器温
度があるときを、蒸発器(9)の表面で凝縮水の発生と
凝縮水の乾燥が繰り返される条件に該当すると判定する
ようにしてもよい。
【0039】これによると、目標蒸発器温度が所定温度
以上の高温域にあるかどうかを判定するだけでよく、そ
のため、蒸発器吸い込み空気の状態を検出するセンサが
不要となる。
【0040】請求項12記載の発明のように、蒸発器
(9)の吸い込み空気の温度を検出する温度センサ(3
9)および吸い込み空気の湿度を検出する湿度センサ
(40)を備え、この両センサ(39、40)により検
出された吸い込み空気温度および吸い込み空気湿度に基
づいて湿球温度を算出するようにしてもよい。
【0041】請求項13記載の発明のように、蒸発器
(9)に車室内空気が吸い込まれる内気モード時に、車
室内温度と車室内湿度に基づいて湿球温度を算出するよ
うにしてもよい。
【0042】請求項14記載の発明のように、蒸発器
(9)に車室外空気が吸い込まれる外気モード時に、圧
縮機(1)が作動状態から停止し、その停止状態が所定
時間経過した後の蒸発器温度を湿球温度とするようにし
てもよい。
【0043】請求項13、14記載の発明によると、蒸
発器吸い込み空気の状態を検出する専用のセンサが不要
となる。
【0044】請求項15記載の発明では、請求項9ない
し11のいずれか1つににおいて、車室内への吹出温度
を制御するために必要な第1目標蒸発器温度を決定する
第1決定手段(S120)と、車室内の湿度を快適範囲
に維持するために必要な第2目標蒸発器温度を決定する
第2決定手段(S130)と、窓ガラスの曇り止めのた
めに必要な第3目標蒸発器温度を決定する第3決定手段
(S140)と、第1ないし第3目標蒸発器温度のうち
最も低い温度を最終的に目標蒸発器温度として決定する
第4決定手段(S150)とを有することを特徴として
いる。
【0045】請求項15によると、蒸発器(9)の温度
を、車室内への吹出温度制御、車室内の湿度制御、およ
び窓ガラスの曇り止めのために必要な温度のうち最低温
度に制御する。
【0046】ところで、空調空間内の湿度が快適範囲に
維持されていると、使用者は冷房なしでも快適さを感じ
ることができる。従って、春秋の中間期のように外気が
低湿度雰囲気にある季節では、第2決定手段(S13
0)による湿度制御用の第2目標蒸発器温度は高めの温
度に維持される。また、このような中間期では外気温が
中間温度域にあって、他の第1、第3目標蒸発器温度も
ともに高めの温度にすることができるので、結局、最終
的な目標蒸発器温度が高めの温度となり、圧縮機(1)
の稼働率低下により圧縮機駆動源の省動力効果を向上で
きる。
【0047】請求項16に記載の発明では、車室内へ吹
き出される空気を冷却する蒸発器(9)と、蒸発器
(9)を通過した冷媒を圧縮し、吐出する圧縮機(1)
と、蒸発器(9)の温度を検出する温度検出手段(3
2)と、圧縮機(1)の作動を、温度検出手段(32)
により検出される蒸発器温度に応じて断続制御する圧縮
機制御手段(S9)とを備える車両用空調装置におい
て、蒸発器(9)から臭いが発生する条件に該当すると
きに、第1所定時間(t1)の間、圧縮機(1)を停止
させ、第1所定時間(t1)よりも十分短い時間である
第2所定時間(t2)の間、圧縮機(1)を作動させる
間欠運転モードを実行し、間欠運転モードの実行回数が
所定回数以上になったときに、蒸発器温度が蒸発器
(9)の吸い込み空気の湿球温度以下であるかどうかを
判定し、蒸発器温度が湿球温度以下であるときは、蒸発
器温度が湿球温度以下で、かつ、吸い込み空気の露点温
度より高い温度となるように圧縮機(1)の作動を断続
制御し、また、蒸発器温度が湿球温度より高い温度であ
ると判定されたときは蒸発器温度が通常時の目標蒸発器
温度に維持されように圧縮機(1)の作動を断続制御す
るすることを特徴とする車両用空調装置。することを特
徴とする。
【0048】これによると、蒸発器(9)から臭いが発
生する条件に該当するときに圧縮機(1)を短い時間
(t2)だけ間欠的に作動させる間欠運転モードを実行
するので、間欠運転モードの圧縮機停止期間(t1)の
間に、蒸発器(9)表面の凝縮水を徐々に蒸発させ、蒸
発器(9)表面が部分的に少しずつ乾いていく。これに
より、蒸発器(9)表面から臭い成分が少しずつ分散し
て脱離するので、臭気レベルを低く抑えることができ、
臭気レベルが不快と感じるレベルまで上昇することがな
い。
【0049】しかも、間欠運転モードでは圧縮機(1)
の作動を短時間(t2)による間欠作動に強制的に制限
し、時間(t2)より十分長い時間の間圧縮機(1)を
停止するから、圧縮機(1)の稼働率をより一層低くし
て省動力効果をより一層向上できる。
【0050】請求項17に記載の発明のように、請求項
16において、通常時の目標蒸発器温度は、少なくとも
車室内への吹出空気温度を制御するために必要な温度に
基づいて決定されるものである。
【0051】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
【0052】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1は第1実施
形態の全体構成図であり、車両用空調装置の冷凍サイク
ルRには冷媒を吸入、圧縮、吐出する圧縮機1が備えら
れている。圧縮機1は動力断続用の電磁クラッチ2を有
し、圧縮機1には電磁クラッチ2およびベルト3を介し
て車両エンジン4の動力が伝達される。電磁クラッチ2
への通電は空調用電子制御装置5により断続され、電磁
クラッチ2への通電の断続により圧縮機1の運転が断続
される。
【0053】圧縮機1から吐出された高温、高圧の過熱
ガス冷媒は凝縮器6に流入し、ここで、図示しない冷却
ファンより送風される外気と熱交換して冷媒は冷却され
て凝縮する。この凝縮器6で凝縮した冷媒は次に受液器
7に流入し、受液器7の内部で冷媒の気液が分離され、
冷凍サイクルR内の余剰冷媒(液冷媒)が受液器7内に
蓄えられる。
【0054】この受液器7からの液冷媒は膨張弁(減圧
手段)8により低圧に減圧され、低圧の気液2相状態と
なる。膨張弁8は蒸発器9の出口冷媒の温度を感知する
感温部8aを有する温度式膨張弁である。この膨張弁8
からの低圧冷媒は蒸発器(冷房用熱交換器)9に流入す
る。この蒸発器9は車両用空調装置の空調ユニット15
の空調ケース10内に設置され、蒸発器9に流入した低
圧冷媒は空調ケース10内の空気から吸熱して蒸発す
る。蒸発器9の出口は圧縮機1の吸入側に結合され、上
記したサイクル構成部品によって閉回路を構成してい
る。
【0055】空調ケース10において、蒸発器9の上流
側には送風機11が配置され、送風機11には遠心式送
風ファン12と駆動用モータ13が備えられている。送
風ファン12の吸入側には内外気切替箱14が配置さ
れ、この内外気切替箱14内の内外気切替ドア14aに
より外気導入口14bと内気導入口14cを開閉する。
これにより、内外気切替箱14内に外気(車室外空気)
または内気(車室内空気)が切替導入される。内外気切
替ドア14aはサーボモータからなる電気駆動装置14
eにより駆動される。
【0056】送風機11により送風される空気は空調ケ
ース10内の蒸発器9の上流部に流入する。空調ケース
10内で、蒸発器9の下流側にはエアミックスドア19
が配置されている。このエアミックスドア19の下流側
には車両エンジン4の温水(冷却水)を熱源として空気
を加熱する温水式ヒータコア(暖房用熱交換器)20が
設置されている。この温水式ヒータコア20の側方(上
方部)には、温水式ヒータコア20をバイパスして空気
を流すバイパス通路21が形成されている。
【0057】エアミックスドア19は回動可能な板状ド
アであり、サーボモータからなる電気駆動装置22によ
り駆動される。エアミックスドア19は、温水式ヒータ
コア20を通過する温風とバイパス通路21を通過する
冷風との風量割合を調節するものであって、この冷温風
の風量割合の調節により車室内への吹出空気温度を調節
する。従って、本例においては、エアミックスドア19
により車室内への吹出空気の温度調節手段が構成され
る。
【0058】温水式ヒータコア20の下流側には下側か
ら上方へ延びる温風通路23が形成され、この温風通路
23からの温風とバイパス通路21からの冷風が空気混
合部24で混合して、所望温度の空気を作り出すことが
できる。
【0059】さらに、空調ケース10内で、空気混合部
24の下流側に吹出モード切替部が構成されている。す
なわち、空調ケース10の上面部には車両フロントガラ
ス内面に空気を吹き出すデフロスタ開口部25が形成さ
れ、このデフロスタ開口部25は回動自在な板状のデフ
ロスタドア26により開閉される。
【0060】また、空調ケース10の上面部で、デフロ
スタ開口部25より車両後方側の部位に、車室内乗員の
上半身に向けて空気を吹き出すフェイス開口部27が形
成され、このフェイス開口部27は回動自在な板状のフ
ェイスドア28により開閉される。
【0061】また、空調ケース10において、フェイス
開口部27の下側部位に車室内乗員の足元に向けて空気
を吹き出すフット開口部29が形成され、このフット開
口部29は回動自在な板状のフットドア30により開閉
される。
【0062】上記した吹出モードドア26、28、30
は共通のリンク機構(図示せず)に連結され、このリン
ク機構を介してサーボモータからなる電気駆動装置31
により駆動される。
【0063】次に、本実施形態における電気制御部の概
要を説明すると、空調用電子制御装置5はCPU、RO
M、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータと、
その周辺回路にて構成されるものである。蒸発器9の温
度センサとしてサーミスタからなる温度センサ32を有
している。この温度センサ32は、具体的には空調ケー
ス10内で蒸発器9の空気吹出直後の部位に配置され、
蒸発器吹出温度Teを検出する。
【0064】また、本実施形態では車室内の相対湿度R
Hrを検出する湿度センサ33、蒸発器9の吸い込み空
気温度Tinを検出する温度センサ39、および蒸発器
9の吸い込み空気の相対湿度RHiを検出する湿度セン
サ40を備えている。
【0065】空調用電子制御装置5には、上記のセンサ
32、33、39、40の他に、空調制御のために、内
気温Tr、外気温Tam、日射量Ts、温水温度Tw等
を検出する周知のセンサ34〜37から検出信号が入力
される。
【0066】また、車室内計器盤近傍に設置される空調
制御パネル38には乗員により手動操作される操作スイ
ッチ38a〜38eが備えられ、この操作スイッチ38
a〜38eの操作信号も空調用電子制御装置5に入力さ
れる。
【0067】この操作スイッチとして、具体的には、温
度設定信号Tsetを発生する温度設定スイッチ38
a、風量切替信号を発生する風量スイッチ38b、吹出
モード信号を発生する吹出モードスイッチ38c、内外
気切替信号を発生する内外気切替スイッチ38d、エア
コンスイッチ38e等が設けられている。
【0068】吹出モードスイッチ38cは、フェイス、
フット、バイレベル、フットデフ、デフロスタの各モー
ドを手動操作で切り替えるものである。また、エアコン
スイッチ38eは圧縮機1のオンオフ信号を発生する。
【0069】次に、上記構成において本実施形態の作動
を説明する。図2のフローチャートは空調用電子制御装
置5のマイクロコンピュータにより実行される制御処理
の概要を示し、図2の制御ルーチンは、車両エンジン4
のイグニッションスイッチがオンされて制御装置5に電
源が供給されとスタートする。
【0070】先ず、ステップS1ではフラグ、タイマー
等の初期化がなされ、次のステップS2で空調制御パネ
ル38の操作スイッチ38a〜38e等の操作信号を読
み込む。次のステップS3でセンサ32〜37等から車
両環境状態の検出信号を読み込む。
【0071】続いて、ステップS4にて、車室内へ吹き
出される空調風の目標吹出温度TAOを算出する。この
目標吹出温度TAOは車室内を温度設定スイッチ38a
の設定温度Tsetに維持するために必要な吹出温度で
あり、下記数式1に基づいて算出される。
【0072】
【数1】TAO=Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam
−Ks×Ts+C 但し、Tr:内気センサ33により検出される内気温 Tam:外気センサ34により検出される外気温 Ts:日射センサ35により検出される日射量 Kset、Kr、Kam、Ks:制御ゲイン C:補正用の定数 次に、ステップS5にて送風機11により送風される空
気の目標送風量、具体的には送風機駆動用モータ13の
印加電圧であるブロワ電圧Veを上記TAOに基づいて
決定する。このブロワ電圧Veの決定方法は周知であ
り、上記TAOの高温側(最大暖房側)および低温側
(最大冷房側)でブロワ電圧(目標風量)Veを大きく
し、上記TAOの中間温度域でブロワ電圧(目標風量)
Veを小さくする。
【0073】次に、ステップS6にて内外気モードを決
定する。この内外気モードは例えば設定温度Tsetに
対して内気温Trが所定温度以上、大幅に高いとき(冷
房高負荷時)に内気モードとし、その他の時は外気モー
ドとする。あるいは、上記TAOが低温側から高温側へ
上昇するにつれて、全内気モード→内外気混入モード→
全外気モードと切替設定してもよい。
【0074】次に、ステップS7にて上記TAOに応じ
て吹出モードを決定する。この吹出モードは周知のごと
くTAOが低温側から高温側へ上昇するにつれてフェイ
スモード→バイレベルモード→フットモードと切替設定
される。
【0075】次に、ステップS8にて、エアミックスド
ア19の目標開度SWを上記TAO、蒸発器吹出温度T
e、及び温水温度Twに基づいて次の数式2により算出
する。
【0076】
【数2】SW=〔(TAO−Te)/(Tw−Te)〕
×100(%) ここで、エアミックスドア19の目標開度SWは、エア
ミックスドア19の最大冷房位置(図1の実線位置)を
0%とし、エアミックスドア19の最大暖房位置(図1
の一点鎖線位置)を100%とする百分率で表される。
【0077】次に、ステップS9に進み、圧縮機作動の
断続(ON−OFF)を決定する。、すなわち、目標蒸
発器温度TEOと温度センサ32により検出される蒸発
器吹出温度Teとを比較して電磁クラッチ2への印加電
圧Vcを決定し、圧縮機作動の断続(ON−OFF)を
決定する。ステップS9の詳細は図3により後述する。
【0078】次に、ステップS10に進み、上記ステッ
プS5〜S9で決定された制御状態が得られるように、
各種アクチュエータ部(2、13、14e、22、3
1)に制御信号が出力される。次のステップS11で制
御周期τの経過を判定すると、ステップS2に戻る。
【0079】図3は上記ステップS9による圧縮機作動
の断続(ON−OFF)の決定方法の具体例を示すもの
で、まず、ステップS100にてエアコンスイッチ38
eがONされているか否かを判定し、エアコンスイッチ
38eがOFFされているときはステップS110にて
圧縮機1のOFF信号を出力する。
【0080】エアコンスイッチ38eがONされている
ときはステッブS120に進み、図2のステップS4で
算出された目標吹出温度TAOから決まる室温制御用の
目標蒸発器温度TEO1を算出する。このTEO1は車
室内温度を制御するために必要な蒸発器温度を得るため
に決定される。従って、TEO4は図4のマップに例示
するようにTAOの低下とともに低下するように決定さ
れる。
【0081】次に、ステップS130で車室内を快適湿
度範囲に制御するための目標蒸発器温度TEO2を算出
する。この湿度制御用TEO2は、湿度センサ33によ
り検出される車室内相対湿度RHrが目標相対湿度付近
(例えば、60%付近)に維持されるように決定される
ものであって、より具体的には、図5のマップに例示す
るように、車室内相対湿度が60%を超えると、TEO
2は低めの温度T1(例えば、11℃)となり、車室内
相対湿度が50%より減少しているときは高めの温度T
2(例えば、18℃)に設定される。このように、実際
の車室内相対湿度に応じてTEO2を高低2段階に切り
替えることにより、車室内相対湿度を目標相対湿度付近
(例えば、60%付近)に維持できる。
【0082】次に、ステップS140で車両窓ガラスの
防曇制御用の目標蒸発器温度TEO3を算出する。ここ
で、車両窓ガラスの曇りの要因は大きく分けて窓ガラス
の温度と車室内空気の相対湿度である。すなわち、窓ガ
ラスの温度が低下するほど、また、車室内空気の相対湿
度が高くなるほど窓ガラスの曇りが発生しやすくなる。
【0083】そこで、ステップS140においては、図
6のマップに例示するように、窓ガラスの温度が低下す
るほど、また、車室内空気の相対湿度が高くなるほど、
TEO3は低下するように決定される。より具体的に
は、窓ガラス内面近傍の相対湿度が90%付近に維持さ
れるように、窓ガラスの温度と車室内空気の相対湿度に
基づいてTEO3が決定される。
【0084】なお、窓ガラスの温度は、温度センサにて
直接検出する他に、外気温Tam、車速、デフロスタ吹
出温度、内気温Tr等に基づいて算出(推定)すること
ができる。
【0085】次に、ステップS150において、上記3
つの目標蒸発器温度TEO1〜TEO3のうち最も低い
温度を目標蒸発器温度TEOとして最終的に決定する。
なお、圧縮機1のON−OFF制御はハンチング防止の
ために、圧縮機1がONする温度と圧縮機1がOFFす
る温度との間に所定のヒステリシス幅(通常1℃程度)
を設けるが、本明細書では、圧縮機1がONする温度の
方を目標蒸発器温度TEOとする。
【0086】次のステップS160では蒸発器吸い込み
空気の湿球温度Twetを算出する。具体的には、図2
6の湿り空気線図を空調用電子制御装置5のROMに記
憶しておき、この湿り空気線図と、センサ39、40に
より検出される蒸発器吸い込み空気の温度Tinおよび
相対湿度RHiとに基づいて蒸発器吸い込み空気の湿球
温度Twetを算出することができる。
【0087】次に、ステップS170に進み、湿り空気
線図と蒸発器吸い込み空気の温度Tinおよび相対湿度
RHiとに基づいて同吸い込み空気の露点温度Trtを
算出する。
【0088】次に、ステップS180に進み、目標蒸発
器温度TEOが蒸発器9から臭いの発生する条件に該当
するかどうかを判定する。具体的には、目標蒸発器温度
TEOが上記湿球温度Twetおよび露点温度Trt付
近の温度に設定されているかどうかを判定する。
【0089】このため、ステップS180では、TEO
が(Trt+2℃)より高く、かつ、(Twet+2
℃)より低い温度範囲内にあるかどうかを判定する。こ
こで、Trt+2℃およびTwet+2℃という判定範
囲は、蒸発器吹出温度センサ32の応答遅れ、検出温度
のバラツキ等を考慮して設定しているが、この判定範囲
は温度センサ32の特性、圧縮機1の作動断続に対する
冷凍サイクル応答性(蒸発器吹出温度変化の応答性)等
を考慮して対象製品毎に適切な値を設定することが好ま
しい。
【0090】上記の判定範囲内にTEOがあるときは、
圧縮機1の作動の断続により蒸発器9の表面で凝縮水の
発生(蒸発器表面の濡れた状態)と凝縮水の蒸発、乾燥
(蒸発器表面の乾く状態)が繰り返され、それにより、
蒸発器から臭いが発生する条件に該当すると判定する。
【0091】ステップS180の判定がNOのときは、
目標蒸発器温度TEOが蒸発器9から臭いの発生する条
件に該当しないときであるから、ステップS190に進
み、通常の圧縮機制御を行う。すなわち、温度センサ3
2により検出される実際の蒸発器吹出温度Teが目標蒸
発器温度TEOまで上昇すると、圧縮機1のON信号を
出力し、実際の蒸発器吹出温度Teが目標蒸発器温度T
EO−1℃まで低下すると、圧縮機1のOFF信号を出
力する。つまり、通常の圧縮機制御時では、圧縮機1が
ONする蒸発器吹出温度Teon=TEO、圧縮機1が
OFFする蒸発器吹出温度Teoff=TEO−1とな
る。
【0092】ここで、ステップS170による通常の圧
縮機制御時には、臭い抑制のための目標蒸発器温度TE
Oの上限の制約がないから、TEOを室温制御、車室内
湿度制御、および窓ガラスの防曇制御の観点で必要な最
低温度まで引き上げることができる。特に、春秋の中間
期のように外気が低湿度雰囲気にある季節では、上記最
低温度を20℃前後の温度まで引き上げることができ、
これにより、圧縮機1の稼働率が下がって、車両エンジ
ン4の省動力効果を大幅に向上できる。
【0093】空調空間の使用者は、相対湿度が快適領域
(通常、25〜65%RH程度の広範囲)にあれば、蒸
発器9による冷房(冷却除湿)作用なしでも、つまり、
圧縮機1の運転なしでも、比較的広い温度範囲で快適性
を感じることが知られている。
【0094】そこで、本第1実施形態では、車室内の相
対湿度RHrを検出する湿度センサ33を空調制御用セ
ンサとして追加し、車室内の相対湿度RHrが快適領域
の上限付近(例えば、60%付近)に維持されるように
目標蒸発器温度TEOを決定することにより、圧縮機1
の稼働率をより一層下げて車両エンジン4の省動力を特
に効果的に実現できる。
【0095】一方、目標蒸発器温度TEOが蒸発器9か
ら臭いの発生する条件に該当するときはステップS18
0の判定がYESとなり、ステップS200で臭い抑制
の圧縮機制御を行う。具体的には、圧縮機1がONする
ときの蒸発器吹出温度Teonを蒸発器吸い込み空気の
湿球温度Twet以下に制限する。このため、ステップ
S200では、圧縮機1がONするときの蒸発器吹出温
度Teonを、目標蒸発器温度TEOと湿球温度Twe
tのうち、低い方の温度に設定する。つまり、Teon
=MIN(Twet、TEO)である。
【0096】そして、圧縮機1がOFFするときの蒸発
器吹出温度Teoffは、Teonより所定のヒステリ
シス幅(例えば1℃)だけ低い温度とする。つまり、T
eoff=MIN(Twet、TEO)−1℃となる。
【0097】図7は上記ステップS200による臭い抑
制の圧縮機制御を示すもので、蒸発器吹出温度Teが湿
球温度Twetまで上昇すると、圧縮機1を必ずONす
るから、蒸発器吹出温度Teが図25(b)の期間の
湿球温度Twetになっている間に圧縮機1がONし
て、蒸発器吹出温度Teを再び引き下げる。このため、
蒸発器表面の凝縮水が乾きることを未然に防止して、期
間への移行、すなわち、臭い発生を良好に防止でき
る。
【0098】しかも、臭い抑制の圧縮機制御時において
も、圧縮機1がONするときの蒸発器吹出温度Teon
を蒸発器吸い込み空気の湿球温度Twetまで高めるか
ら、Teonを蒸発器吸い込み空気の露点温度Trt以
下の低い温度に設定する場合に比較して、圧縮機1のO
FF期間が長くなって稼働率が下がり、車両エンジン4
の省動力効果を向上できる。
【0099】(第2実施形態)図8は第2実施形態によ
る制御を示すフローチャートであり、第1実施形態の図
3のステップS100〜S170までは同じであるの
で、図示を省略している。第2実施形態では、図3のス
テップS180とステップS200との間にステップS
210、S220を追加している。
【0100】すなわち、圧縮機1のOFF期間におい
て、蒸発器吹出温度Teが湿球温度Twetになってい
る期間は図25(b)に示すようにある程度の時間継
続され、この期間では臭いが発生しないので、この点
に着目して、第2実施形態では、ステップS210、S
220の追加により圧縮機1のOFF期間に蒸発器吹出
温度Teが湿球温度Twetに到達した後、所定時間t
0(例えば、5秒)経過してから、ステップS200に
進み、圧縮機1をONさせて、臭い発生を防止する。
【0101】第2実施形態によると、圧縮機1のON−
OFF作動が図9に示すようになり、第1実施形態(図
7)に比べて所定時間t0の分だけ圧縮機1のOFF期
間を長くすることができる。これにより、圧縮機稼働率
を下げて、車両エンジン4の省動力効果を一層向上でき
る。
【0102】なお、第2実施形態において、上記説明で
は所定時間t0を一律5秒という固定値にしているが、
圧縮機1のOFF期間に蒸発器吹出温度Teが湿球温度
Twetに到達した後、蒸発器表面の凝縮水が乾ききる
までの時間(図25の期間の時間)は蒸発器表面の凝
縮水量と凝縮水蒸発速度とにより変動する時間であり、
そして、蒸発器表面の凝縮水量と凝縮水蒸発速度は、蒸
発器吸い込み空気の温度、相対湿度、露点温度、蒸発器
吹出温度等から推定することができる。従って、所定時
間t0を、この蒸発器吸い込み空気の温度、相対湿度、
露点温度、蒸発器吹出温度等から算出される可変時間と
してもよい。
【0103】(第3実施形態)図10は第3実施形態に
よる制御を示すフローチャートであり、第1実施形態で
はステップS200にて圧縮機1がONするときの蒸発
器吹出温度Teon=MIN(Twet、TEO)とし
ているが、第3実施形態ではステップS200aにて蒸
発器吹出温度Teon=MIN(Twet−2、TE
O)としている。
【0104】つまり、図11に示すように湿球温度Tw
etより所定温度T0(本例では2℃)だけ低い温度に
て圧縮機1をONさせるようにしている。
【0105】湿球温度Twetの算出のためには、蒸発
器吸い込み空気の温度Tin、相対湿度RHiの検出が
必要となるが、これら温度、相対湿度の検出用センサ3
9、40の応答遅れ、検出信号のバラツキ等に起因する
算出誤差が発生することがある。また、蒸発器吹出温度
センサ32にも応答遅れや検出温度のバラツキ等が発生
することがある。そこで、これらのことを考慮して第3
実施形態では、湿球温度Twetより所定温度T0(本
例では2℃)だけ低い温度にて圧縮機1をONさせるこ
とにより、臭い抑制の効果をより確実に発揮できる。
【0106】(第4実施形態)図12は第4実施形態に
よる制御を示すフローチャートであり、上記した第2実
施形態と第3実施形態を組み合わせたものである。すな
わち、第4実施形態は第2実施形態における圧縮機1を
ONさせる蒸発器吹出温度Teonを、第3実施形態に
おけるTwet−2℃に変更している。
【0107】従って、第4実施形態によると、図13に
示すように、蒸発器吹出温度TeがTwet−T0(例
えば、2℃)に到達してから所定時間t0(例えば、5
秒)が経過すると、ステップS200に進み、圧縮機1
をONさせて臭い発生を防止する。このため、臭い発生
の防止効果を発揮しつつ、所定時間t0による圧縮機O
FF期間の延長により、圧縮機稼働率を下げて、車両エ
ンジン4の省動力効果を向上できる。
【0108】(第5実施形態)上記第1〜第4実施形態
は、基本的に蒸発器吹出温度Teの上限を蒸発器吸い込
み空気の湿球温度Twet付近に制限することにより、
圧縮機1の断続制御に伴う蒸発器9からの臭い発生を抑
制するものであるが、第5実施形態は圧縮機1の断続制
御のヒステリシス幅に着目し、蒸発器9から臭いが発生
する条件に該当するときはヒステリシス幅を小さくする
ことにより、蒸発器9からの臭い発生を抑制するもので
ある。
【0109】このため、第5実施形態では圧縮機1の断
続制御のための目標蒸発器温度、具体的には圧縮機1を
ONする蒸発器吹出温度Teonと圧縮機1をOFFす
る蒸発器吹出温度Teoffを第1〜第4実施形態とは
異なる考え方で決定する。
【0110】図14は第5実施形態による制御を示すフ
ローチャートであり、ステップS100、S110は上
記第1〜第4実施形態と同じ処理である。ステップS1
50では目標蒸発器温度TEOを目標吹出温度TAO
(図2のS4参照)に基づいて算出する。本例の目標蒸
発器温度TEOは室温制御の観点から、TAO−C>T
EOとなるように決定される。つまり、TEOをTAO
より所定値Cだけ、低めに決定する。
【0111】これは次の理由による。圧縮機1をON、
OFFすると、蒸発器吹出温度Teが変動するが、上記
のように目標蒸発器温度TEOを目標吹出温度TAOよ
り所定値Cだけ低めに決定しておけば、エアミックスド
ア19の開度調整(ヒータコア20の加熱量調整)によ
り車室内への吹出温度の変動を解消できるからである。
【0112】次のステップS170は、上記第1〜第4
実施形態と同じ処理であり、図26の湿り空気線図と蒸
発器吸い込み空気の温度Tinおよび相対湿度RHiと
に基づいて露点温度Trtを算出する。次のステップS
183は、図3等のステップS180と同様に蒸発器9
から臭いが発生する条件に該当するかどうかを判定する
ものであるが、その具体的処理は、本例では次のように
行う。
【0113】すなわち、露点温度Trtが図16の斜線
部の範囲内、つまり、圧縮機1をOFFする目標蒸発器
温度(TEO−1)=Teoffと、(Teoff−3
℃)との間の範囲にあるかどうか判定し、この範囲内に
Trtがあるときは、圧縮機1のON−OFF挙動に伴
って蒸発器表面の濡れ状態(Te<Trt)と蒸発器表
面の乾き状態(Te>Twet)が繰り返されて臭いが
発生する条件に該当すると判定する。
【0114】ステップS183の判定がNOのときは、
臭いが発生する条件に該当しないときであるから、通常
の圧縮機制御を行う。すなわち、ステップS300で圧
縮機1がONする蒸発器吹出温度Teon=TEOと
し、ステップS310で圧縮機1がOFFする蒸発器吹
出温度Teoff=TEO−1℃とする。
【0115】一方、ステップS183の判定がYESの
ときは、臭いが発生する条件に該当するときであるか
ら、臭い抑制制御のために圧縮機ON−OFF制御のヒ
ステリシス幅を小さくする。すなわち、ステップS32
0で圧縮機1がONする蒸発器吹出温度Teon=TE
Oとし、ステップS330で圧縮機1がOFFする蒸発
器吹出温度Teoff=TEO−0.3℃として、Te
offを引き上げるので、通常の圧縮機制御の場合に比
較してON−OFF制御のヒステリシス幅(Teon−
Teoff)を1℃から0.3℃に縮小する。
【0116】そして、次のステップS340で、センサ
32により検出される実際の蒸発器吹出温度Teと、上
記したTeonおよびTeoffとの比較により圧縮機
1のON−OFFを決定する。
【0117】次に、本第5実施形態の作用効果を従来技
術との対比により具体的に説明すると、図15は、ヒス
テリシス幅(Teon−Teoff)を常に1℃として
いる従来技術による圧縮機制御を示しており、そして、
図15では車両エンジンの省動力のために、目標蒸発器
温度TEO(圧縮機1がONする蒸発器吹出温度Teo
n)を19℃まで高める例を示している。
【0118】空調の環境条件として例えば、外気温:3
5℃、外気湿度:50%であり、空調装置の吸い込みモ
ードが外気モードであると、蒸発器9の吸い込み空気温
度Tin:35℃、吸い込み空気湿度:50%となり、
図26の湿り空気線図から吸い込み空気の露点温度Tr
t=23℃、湿球温度Twet=26℃となる。従っ
て、TEO=19℃としても、なおTEOが露点温度T
rtより十分低いので、蒸発器表面は常に濡れた状態を
保持する。このため、図15の左側に示すように車室内
の乗員が感じる臭気強度は問題のない低レベルとなる。
【0119】ところが、空調の環境条件として例えば、
蒸発器9の吸い込み空気温度Tin:21.5℃、吸い
込み空気湿度:80%の条件になると、図26の湿り空
気線図から吸い込み空気の露点温度Trt=18℃、湿
球温度Twet=19℃となる。すなわち、図15の右
側に示すように露点温度Trtと湿球温度Twetがと
もに目標蒸発器温度TEOに近接した温度となる。
【0120】この場合も、目標蒸発器温度TEO(Te
on)=19℃で圧縮機1をONし、TEO−1(=T
eoff)の18℃で圧縮機1をOFFすることになる
が、温度センサ32の応答遅れ、冷凍サイクルの応答性
等により圧縮機1のOFF時には蒸発器吹出温度Teの
アンダーシュートが生じて、蒸発器吹出温度Teが露点
温度Trtより低下して凝縮水が蒸発器表面に付着す
る。そして、圧縮機1のON時には蒸発器吹出温度Te
のオーバーシュートが生じて、蒸発器吹出温度Teが湿
球温度Twetを上回るので、凝縮水が蒸発し、乾きき
るという現象が発生する。
【0121】このため、図25のメカニズムにより臭い
が発生し、臭気強度が1.5の気になるレベルまで増大
する。よって、従来技術によるヒステリシス幅一定のO
N−OFF制御であると、臭い発生の問題から実用上、
TEOを19℃という高温へ切り替えること(省動力効
果を高めること)ができない。
【0122】これに反し、第5実施形態であると、吸い
込み空気の露点温度Trt=18℃、湿球温度Twet
=19℃のように、露点温度Trtが目標蒸発器温度T
EOに近接した温度となる場合は、図14のステップS
183にて蒸発器9から臭いが発生する条件に該当する
と判定され、次のステップS330により圧縮機1をO
FFする温度Teoffを(TEO−0.3℃)に引き
上げてヒステリシス幅を0.3℃に縮小する。
【0123】この結果、図16に示すように、蒸発器吹
出温度Teが露点温度Trtより十分高い温度レベルで
圧縮機1がOFFするので、蒸発器吹出温度Teのアン
ダーシュートが生じても蒸発器吹出温度Teが露点温度
Trtまで低下せず凝縮水が蒸発器表面に付着しない。
従って、蒸発器表面は乾いた状態を保持するので、臭気
強度を0.5という問題のないレベルに抑制できる。
【0124】これにより、臭い発生の抑制と、TEOの
高温側への切替による省動力効果の発揮とを両立でき
る。
【0125】なお、図15と図16の対比から明らかな
ごとく、第5実施形態の圧縮機制御は蒸発器9から臭い
が発生する条件に該当するときに、圧縮機ON−OFF
制御の周期を通常制御時に比較して小さくする制御であ
ると言うことができる。
【0126】しかも、圧縮機ON−OFF制御の周期を
小さくするのは、臭いが発生する条件のときのみであ
り、通常制御時は従来通り周期を大きくするから、電磁
クラッチ2の耐久寿命への悪影響も小さくできる。
【0127】また、蒸発器9では、冷媒通路での冷媒の
気液分布の不均一、空気側の風速分布の不均一等により
ある程度の温度分布が生じるのは不可避である。一方、
温度センサ32は蒸発器9の代表的な空気吹出温度Te
を検出しているので、第5実施形態による図16の制御
において、蒸発器9での温度分布により部分的に蒸発器
吹出温度Teが露点温度Trtより低下する箇所が発生
する場合もある。この場合でも、圧縮機ON−OFF制
御の周期が小さいため、蒸発器吹出温度Teが露点温度
Trtより低下する時間が短くなり、凝縮水の発生量が
少ないので、臭い成分の溶解量も少なく、臭い発生を効
果的に抑制できる。
【0128】(第6実施形態)第6実施形態は上記第5
実施形態の変形であるので、その相違点のみを図17に
より説明する。第6実施形態ではステップS160にて
蒸発器吸い込み空気の湿球温度Twetを湿り空気線図
と、吸い込み空気温度Tinおよび吸い込み空気湿度R
Hiとに基づいて算出している。
【0129】次のステップS185にて湿球温度Twe
tが圧縮機ON−OFF制御による蒸発器吹出温度Te
の挙動範囲内にあるかどうかを判定して、蒸発器9から
臭いが発生する条件に該当するかどうかを判定する。よ
り具体的には、湿球温度Twetが圧縮機1がOFFす
る温度Teoff−3℃より高く、かつ、圧縮機1がO
Nする温度Teon+1℃より低いかを判定する。
【0130】ここで、蒸発器吹出温度Teの挙動範囲の
下限値を本例では(Teoff−3℃)としているの
は、Teoff(=TEO−1℃)で圧縮機1をOFF
しても実際の蒸発器フィン表面温度は温度センサ32や
サイクルの応答性から3℃程度のアンダーシュートが生
じるためである。また、蒸発器吹出温度Teの挙動範囲
の上限値を本例では(Teon+1℃)としているの
は、同じく応答性の問題により1℃程度のオーバーシュ
ートが生じるためである。
【0131】このように、湿球温度Twetが圧縮機O
N−OFF制御による蒸発器吹出温度Teの挙動範囲内
にあるときは、実際の蒸発器吹出温度Teが露点温度T
rtより低下して凝縮水が発生し、蒸発器9が濡れる状
態と、実際の蒸発器吹出温度Teが湿球温度Twetを
上回って凝縮水が乾ききる状態とが繰り返されるので、
蒸発器9から臭いが発生する条件に該当すると判定でき
る。
【0132】従って、ステップS185の判定がYES
のときは、上記第5実施形態と同様に次のステップS3
20、S330に進み、ステップS330で、圧縮機1
のOFF温度Teoffを(TEO−0.3℃)に引き
上げてヒステリシス幅を0.3℃に縮小する。これによ
り、上記第5実施形態と同様の作用効果を発揮できる。
【0133】(第7実施形態)図18は第7実施形態で
あり、上記第5実施形態による露点温度Trtの算出ス
テップS170および判定ステップS183と、上記第
6実施形態による湿球温度Twetの算出ステップS1
60および判定ステップS185とを組み合わせたもの
である。
【0134】第7実施形態によると、ステップS183
およびステップS185にて、湿球温度Twetと露点
温度Trtの両者が、圧縮機ON−OFF制御による蒸
発器吹出温度Teの挙動の所定範囲にあることを確認し
て、蒸発器9から臭いが発生する条件を判定するから、
臭い発生条件の判定精度が向上する。
【0135】(第8実施形態)上述した第5〜第7実施
形態では、ステップS183、S185にて臭い発生条
件に該当すると判定したときに、ステップS330で、
圧縮機1のOFF温度Teoffを(TEO−0.3
℃)に引き上げてヒステリシス幅を縮小しているが、第
8実施形態では、これとは逆に、圧縮機1のON温度T
eonをTEOより引き下げて、ヒステリシス幅を縮小
する。
【0136】第8実施形態を図19により具体的に説明
すると、ステップS100〜S185までは図17と同
じである。ステップS185にて湿球温度Twetに基
づいて臭い発生条件に該当すると判定されると、次のス
テップS325で圧縮機1のON温度Teonを(TE
O−0.65℃)に引き下げる。一方、圧縮機1のOF
F温度TeoffはステップS335で(TEO−1
℃)とする。従って、OFF温度Teoffは通常制御
時のステップS310と同一値となる。
【0137】図20は第8実施形態の制御を示すもの
で、臭い対策の制御時には、ON温度Teonの引き下
げにより圧縮機ON−OFF制御のヒステリシス幅が
0.35℃まで縮小する。これにより、蒸発器吹出温度
Teの上限値が湿球温度Twetより低い温度となり、
凝縮水が乾ききることがない。換言すると、蒸発器9の
表面が凝縮水により常に濡れた状態に保持されるので、
蒸発器9からの臭い発生を抑制できる。
【0138】(第9実施形態)上述した第5〜第8実施
形態では、臭い対策の制御時に、圧縮機ON−OFF制
御のヒステリシス幅を小さくし、その結果として圧縮機
ON−OFF制御の周期が小さくなるようにしている
が、第9実施形態は圧縮機1のON時間をタイマー手段
により直接所定時間に制限することにより、圧縮機ON
−OFF制御の周期を小さくして、臭い発生の抑制を図
るものである。
【0139】まず、第9実施形態の課題を図21により
説明すると、図21はTEOを26℃という、かなり高
温レベルに上げた場合であり、図中の実線は温度センサ
32により検出される蒸発器吹出温度Teの挙動であ
り、一点鎖線は蒸発器9のフィン表面温度の挙動であ
り、この場合はTEOが26℃という高温にあるため、
圧縮機1がONしたときの蒸発器吹出温度Teおよびフ
ィン表面温度のアンダーシュート量が大きくなる傾向に
ある。図21は従来通り圧縮機ON−OFF制御のヒス
テリシス幅を常時1℃にしている場合であり、その結
果、圧縮機ON時間:6秒、ON−OFF周期:90秒
となり、フィン表面温度のアンダーシュートによりフィ
ン表面温度がA部に示すように露点温度Trtよりも低
下して、凝縮水を発生する。
【0140】そして、圧縮機OFFにより蒸発器吹出温
度Teおよびフィン表面温度が湿球温度Twetより十
分高い温度まで上昇する。これにより、凝縮水が乾きき
るので、蒸発器9の表面が凝縮水により濡れた状態と乾
いた状態を繰り返し、蒸発器9から臭いを発生する。
【0141】特に、TEOの高温域では、圧縮機1のO
Nにより蒸発器フィン表面温度が速やかに低下するが、
温度センサ32の検出する蒸発器吹出温度Teはセンサ
応答遅れによりフィン表面温度の低下に比べて遅れて低
下する。このため、実際の蒸発器フィン表面温度の低下
に対して、圧縮機1のON期間が過度に長いという現象
が生じ、このことがフィン表面温度のアンダーシュート
をより一層助長することになる。
【0142】上記点に鑑みて、第9実施形態では、TE
Oの高温域を判定して、圧縮機1のON時間をタイマー
手段により強制的に所定時間内に制限する。
【0143】第9実施形態を図22により説明すると、
ステップS100、S110、S150は上記各実施形
態と同じであり、ステップS187でTEOが高温域で
あるか判定する。具体例としては、TEO>20℃を判
定し、TEOが20℃より高いときは高温域と判定す
る。
【0144】ステップS187の判定がYESである
と、次に、ステップS350で蒸発器吹出温度Teが図
23の点の通過を判定する。すなわち、蒸発器吹出温
度TeがTEOより低い状態(Te<TEO)から、T
eがTEOを上回る状態(Te≧TEO)になったかを
判定する。このステップS350の判定がYESである
と、次に、ステップS360で圧縮機1を所定時間(具
体例として1秒間)だけONし、その後、圧縮機1をO
FFする。
【0145】ここで、圧縮機1のON時間が1秒という
短時間であるため、サイクル側およびセンサ応答性のた
めに、圧縮機1のON後も蒸発器吹出温度Teは若干の
時間上昇を続け、その後、図23の点(圧縮機1のO
FF後の時点)から蒸発器吹出温度Teが下降し始め、
若干の時間経過後に、点で再び、蒸発器吹出温度Te
が上昇する。
【0146】ステップS350で蒸発器吹出温度Teの
図23の点の通過を判定しないときはステップS37
0に進み、圧縮機1のONの時点から所定時間(圧縮
機ON時間より十分長い時間で、具体例として10秒
間)経過しても、蒸発器吹出温度Teが下降しない状態
にあるかを判定する。
【0147】通常は、圧縮機1のONにより図23の
点から点に向かい蒸発器吹出温度Teが下降するの
で、ステップS370の判定はNOとなり、ステップS
380で圧縮機1のOFFを維持する。
【0148】もし、何らかの原因により圧縮機ONの時
点からTeが図23の1点鎖線Bのように上昇し続け
るときは、ステップS370の判定がYESとなり、ス
テップS360に進み、圧縮機1を1秒間だけONす
る。
【0149】以上の制御により、図23の点の通過ご
とに1秒間だけ圧縮機1をONさせる。このため、第9
実施形態によると、図24に示すようにTEO=26℃
の場合に圧縮機ON時間の強制的な制限により蒸発器吹
出温度Teの下限値を湿球温度Twetより高い温度に
維持できる。このことは蒸発器9の表面を常に乾いた状
態に維持でき、蒸発器9からの臭い発生を抑制できる。
【0150】しかも、第9実施形態によると、蒸発器吸
い込み空気の温度、湿度を検出しなくても、蒸発器9か
らの臭い抑制の制御が可能であるから、センサ数の削減
により装置全体のコスト低減を図ることができ、実用
上、極めて有利である。
【0151】(第10実施形態)なお、第9実施形態で
は、圧縮機ON時間を1秒間という値に固定する場合に
ついて説明したが、第10実施形態では圧縮機ON時間
を蒸発器9の熱負荷増大により長くするよう可変する。
ここで、目標蒸発器温度TEOは蒸発器9の熱負荷が大
きいほど低くなるように算出される。
【0152】そこで、第10実施形態では例えば、TE
O=25℃のとき、圧縮機ON時間=1秒、TEO=2
0℃のとき、圧縮機ON時間=1.5秒、TEO=15
℃のとき、圧縮機ON時間=2秒と決める。
【0153】第10実施形態では例えば、TEO>13
℃を判定し、TEOが13℃より高いときを高温域と判
定してもよい。
【0154】第9、第10実施形態におけるTEOの高
温域とは、要は、圧縮機1のOFFにより蒸発器吹出温
度が蒸発器吸い込み空気の湿球温度Twet以上に上昇
して、凝縮水が乾ききる条件を満足する温度域である。
従って、この高温域の判定温度は使用地域により可変す
ることが好ましく、さらには、空調の使用季節により高
温域の判定温度を可変するようにしてもよい。
【0155】(第11実施形態)第11実施形態は、圧
縮機1を所定の時間間隔で短時間だけ間欠的に作動させ
る間欠運転モードを実行するようになっており、これに
より、蒸発器9からの臭い発生を抑制しつつ、圧縮機駆
動源(車両エンジン4)の省動力効果をより一層高める
ものである。
【0156】図27は第11実施形態による圧縮機制御
のフーロチャートであり、ステップS100、S11
0、S150〜S190における制御処理は上記各実施
形態と同じである。
【0157】エアコンスイッチ38e(図1)のON時
にはステップS150〜S180の各処理を第1実施形
態等と同様に行う。なお、ステップS150による目標
蒸発器温度TEOの算出は、TAOから算出される室温
制御用の目標蒸発器温度TEO1(図3のステップS1
20参照)のみに基づいて決定してもよいが、第1実施
形態等と同様に、室温制御用の目標蒸発器温度TEO1
の他に、車室内湿度制御用目標蒸発器温度TEO2(図
3のステップS130参照)、および車両窓ガラスの防
曇制御用目標蒸発器温度TEO3(図3のステップS1
40参照)を算出し、これらのうち最も低い温度を最終
的に目標蒸発器温度TEOとして算出してもよい。
【0158】そして、ステップS180において目標蒸
発器温度TEOが湿球温度Twetおよび露点温度Tr
t付近の温度に設定されているかを判定し、これによ
り、蒸発器9から臭いが発生する条件に該当するかどう
かを判定する。ステップS180の判定がYESである
と、ステップS400に進み、圧縮機1を所定の時間間
隔で短時間だけ間欠的に作動させる間欠運転モードを実
行する。
【0159】具体的に説明すると、ステップS400で
は第1タイマー手段による第1所定時間t1の間、圧縮
機1を停止し、第2タイマー手段による第2所定時間t
2の間だけ圧縮機1を作動させ、これを繰り返す。ここ
で、第2所定時間t2は、圧縮機1を短時間作動させ
て、蒸発器9の表面の凝縮水による濡れ状態の割合が減
少する速度(換言すると、蒸発器9の表面が乾いていく
速度)を低下させるための時間設定であり、例えば、1
秒である。
【0160】これに反し、第1所定時間t1は第2所定
時間t2よりはるかに長い時間例えば、30秒であり、
これにより、圧縮機1の稼働率を低下させ、省動力効果
を最大限に発揮する。
【0161】この間欠運転モードでは、蒸発器9からの
臭い発生も次の理由から抑制できる。つまり、通常の冷
房運転条件では、上記間欠運転モードによる圧縮機停止
期間(時間T2の期間)の設定により、蒸発器9の表面
で凝縮水の蒸発が徐々に進行していき、蒸発器9の表面
の濡れ割合が徐々に減少し、蒸発器9の表面が徐々に乾
いていく。
【0162】この際、蒸発器9の表面では冷媒蒸発量の
不均一による温度分布が不可避的に発生するので、凝縮
水の乾ききる箇所が蒸発器9表面において部分的に徐々
に増加していく。このため、臭い成分が少しずつ分散し
て蒸発器9表面から離脱する。この結果、上記間欠運転
モードによると、臭気レベルを低く抑えることができ、
臭気レベルが不快と感じるレベルまで上昇することがな
い。
【0163】次のステップ410では、上記ステップS
400による間欠運転モードの実行回数をカウントす
る。このカウントは、第1所定時間t1による圧縮機1
の作動回数、第2所定時間t2による圧縮機1の停止回
数、あるいは、間欠運転モードの1サイクル(t1+t
2)の実行回数のいずれをカウントしてもよい。
【0164】次のステップ420では、上記間欠運転モ
ードの実行回数が所定値、例えば、10回以上になった
か判定し、上記間欠運転モードの実行回数が所定値以上
になると、ステップS430に進み、上記間欠運転モー
ドを所定回数、実行した後における蒸発器吹出温度Te
が湿球温度Twet以下であるか判定する。
【0165】通常の冷房運転条件では、上記のごとく間
欠運転モードの実行により蒸発器9の表面が徐々に乾い
ていくので、上記間欠運転モードを所定回数(例えば、
10回)以上実行した後では、蒸発器9の表面の凝縮水
が乾ききって、蒸発器吹出温度Teが図28のX点のよ
うに湿球温度Twetより高い温度に上昇する。
【0166】このように、蒸発器9の表面の凝縮水が乾
ききって、蒸発器吹出温度Teが湿球温度Twetを上
回る状態では、蒸発器9表面からの臭い発生がないの
で、ステップS430からステップS190に進み、通
常の圧縮機制御を行う。
【0167】これに反し、蒸発器9の吸い込み空気温度
が非常に低いときなどには蒸発器9の表面での凝縮水の
蒸発が僅少となるので、間欠運転モードを所定回数(1
0回)実行した後においても蒸発器9の表面が凝縮水に
て濡れた状態が維持され、蒸発器吹出温度Te≦湿球温
度Twetの関係が維持されることが稀にある。この場
合には、ステップS430の判定がYESとなるので、
ステップS440に進み、臭い抑制の圧縮機制御を行
う。
【0168】すなわち、ステップS440の圧縮機制御
では、間欠運転モードを所定回数(10回)実行した時
点(ステップS420の判定がYESとなった時点)に
おける蒸発器吹出温度Te’を、圧縮機1がONすると
きの目標温度Teonとし、圧縮機1がOFFするとき
の目標温度TeoffをTe’−1℃に設定して、圧縮
機1の作動を断続制御する。つまり、ステップS440
の圧縮機制御では、間欠運転モードを所定回数実行した
時点における蒸発器吹出温度Te’を目標蒸発器温度T
EOにして、以後、圧縮機1の作動を断続制御すること
になる。
【0169】ステップS440の圧縮機制御により、蒸
発器吹出温度Teが湿球温度Twet以下に制御される
ので、蒸発器9からの臭い発生を抑制できる。
【0170】また、圧縮機1をTe’−1℃という、露
点温度Trtより高い温度でOFFするので、露点温度
Trt以下で圧縮機1をOFFする場合に比して、圧縮
機1の稼働率を低く抑えて、省動力効果も発揮できる。
【0171】ところで、ステップS400の間欠運転モ
ードは、ごく短時間t2の圧縮機作動という特殊な間欠
作動を繰り返すので、車両エンジン4の運転形態からみ
て長時間継続することは好ましくない。しかし、本実施
形態では、間欠運転モードの回数が所定回数以上になる
と、ステップS400の間欠運転モードを停止し、ステ
ップS190の通常の圧縮機制御またはステップS44
0の臭い抑制の圧縮機制御に移行するから、圧縮機作動
時間および圧縮機停止時間が目標温度TeonとTeo
ffのヒステリシス幅に基づく時間まで延びるので、車
両エンジン4にとって好ましい運転形態となる。
【0172】なお、ステップS180の判定がNOであ
るときも、蒸発器9表面からの臭い発生がないので、ス
テップS190に進み、通常の圧縮機制御を行う。
【0173】上記したステップS440の圧縮機制御に
おいては目標温度Teon=Te’としているが、Te
on=湿球温度Twetとし、Teoff=Twet−
1℃に設定して、圧縮機1を断続制御するようにしても
同様の効果を発揮できる。
【0174】(他の実施形態)なお、第1〜第8実施形
態では、蒸発器9の吸い込み側に配置した温度センサ3
9および湿度センサ40により蒸発器吸い込み空気の温
度Tinおよび湿度RHiを検出しているが、内外気の
吸入モードが内気モードであるときは、蒸発器吸い込み
空気の温度および湿度は内気センサ34により検出され
る車室内温度Tr、車室内湿度センサ33により検出さ
れる車室内湿度RHrと略同一となるので、内気センサ
34および車室内湿度センサ33の検出値を蒸発器吸い
込み空気の温度および湿度として用いて、各実施形態の
圧縮機制御を行うようにしてよい。
【0175】また、蒸発器吸い込み空気の湿球温度Tw
etは図25(b)の期間の蒸発器吹出温度Teであ
り、この期間の蒸発器吹出温度Teは圧縮機1がON
状態からOFF状態に切り替わった後に、所定時間(例
えば、30秒)経過後に到達する温度であるから、蒸発
器吸い込み空気の温度Tinおよび湿度RHiに基づい
て湿球温度Twetを算出する代わりに、圧縮機1がO
N状態からOFF状態に切り替わった後に、所定時間経
過してからの蒸発器吹出温度Teを湿球温度Twetと
して推定してもよい。これによると、内外気の吸入モー
ドが外気モードであり、かつ、外気湿度センサを備えて
いない場合にも対応できる。
【0176】また、上記の実施形態では、蒸発器温度を
検出する温度センサとして、蒸発器吹出空気温度Teを
検出する温度センサ32を用いる場合について説明した
が、蒸発器温度を検出する温度センサとして、蒸発器フ
ィン温度等を検出する温度センサを用いることが可能で
ある。
【0177】また、上記の実施形態では、車両エンジン
4の稼働時(車両走行時)における圧縮機1のON−O
FF制御について説明したが、停車時に車両エンジン4
を自動的に停止させるエコラン車、あるいは、車両エン
ジンと走行用電動モータの両方を搭載し、停車時に車両
エンジンを停止させるハイブリッド車において、停車時
の圧縮機ON−OFF制御に本発明を適用してもよい。
この場合には、本発明の制御により停車時の圧縮機OF
F期間を延ばすことと、臭い発生を抑制することを良好
に両立できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の全体システム図であ
る。
【図2】第1実施形態による空調制御の全体の概要を示
すフローチャートである。
【図3】第1実施形態による圧縮機制御を示すフローチ
ャートである。
【図4】第1実施形態による室温制御用の目標蒸発器温
度の特性図である。
【図5】第1実施形態による湿度制御用の目標蒸発器温
度の特性図である。
【図6】第1実施形態による窓ガラス防曇用の目標蒸発
器温度の特性図である。
【図7】第1実施形態による圧縮機制御の作動説明図で
ある。
【図8】第2実施形態による圧縮機制御を示すフローチ
ャートである。
【図9】第2実施形態による圧縮機制御の作動説明図で
ある。
【図10】第3実施形態による圧縮機制御を示すフロー
チャートである。
【図11】第3実施形態による圧縮機制御の作動説明図
である。
【図12】第4実施形態による圧縮機制御を示すフロー
チャートである。
【図13】第4実施形態による圧縮機制御の作動説明図
である。
【図14】第5実施形態による圧縮機制御を示すフロー
チャートである。
【図15】第5実施形態に対応する従来技術の圧縮機制
御の作動説明図である。
【図16】第5実施形態による圧縮機制御の作動説明図
である。
【図17】第6実施形態による圧縮機制御を示すフロー
チャートである。
【図18】第7実施形態による圧縮機制御を示すフロー
チャートである。
【図19】第8実施形態による圧縮機制御を示すフロー
チャートである。
【図20】第8実施形態による圧縮機制御の作動説明図
である。
【図21】第8実施形態に対応する従来技術の圧縮機制
御の作動説明図である。
【図22】第9実施形態による圧縮機制御を示すフロー
チャートである。
【図23】第9実施形態による圧縮機制御の作動説明図
である。
【図24】第9実施形態による圧縮機制御の作動説明図
である。
【図25】従来技術における圧縮機断続制御と、蒸発器
吹出温度の挙動および臭い発生のメカニズムとの関係を
示す説明図である。
【図26】従来技術および本発明の説明に用いる湿り空
気線図である。
【図27】第11実施形態による圧縮機制御を示すフロ
ーチャートである。
【図28】第11実施形態の間欠運転モード時の蒸発器
吹出温度の挙動を示す特性図である。
【符号の説明】
1…圧縮機、4…車両エンジン、9…蒸発器、32…蒸
発器吹出温度センサ、39…蒸発器吸い込み空気温度セ
ンサ、40…蒸発器吸い込み空気湿度センサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大村 充世 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 野々山 浩司 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 井上 美光 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 中村 洋貴 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 穂満 敏伸 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3L011 AC02

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室内へ吹き出される空気を冷却する蒸
    発器(9)と、 前記蒸発器(9)を通過した冷媒を圧縮し、吐出する圧
    縮機(1)と、 前記蒸発器(9)の温度を検出する温度検出手段(3
    2)と、 前記圧縮機(1)の作動を、前記温度検出手段(32)
    により検出される前記蒸発器温度に応じて断続制御する
    圧縮機制御手段(S9)とを備える車両用空調装置にお
    いて、 前記蒸発器(9)から臭いが発生する条件に該当すると
    きは、前記蒸発器温度が前記蒸発器(9)の吸い込み空
    気の湿球温度以下で、かつ、前記吸い込み空気の露点温
    度より高い温度となるように前記圧縮機(1)の作動を
    断続制御することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 前記圧縮機(1)の停止後に、前記蒸発
    器温度が前記蒸発器の吸い込み空気の湿球温度もしくは
    この湿球温度より所定温度低い温度まで上昇すると、前
    記圧縮機(1)を作動状態に復帰させることを特徴とす
    る請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 車室内へ吹き出される空気を冷却する蒸
    発器(9)と、 前記蒸発器(9)を通過した冷媒を圧縮し、吐出する圧
    縮機(1)と、 前記蒸発器(9)の温度を検出する温度検出手段(3
    2)と、 前記圧縮機(1)の作動を、前記温度検出手段(32)
    により検出される前記蒸発器温度に応じて断続制御する
    圧縮機制御手段(S9)とを備える車両用空調装置にお
    いて、 前記蒸発器(9)から臭いが発生する条件に該当すると
    きは、前記圧縮機(1)の停止後に前記蒸発器温度が前
    記蒸発器(9)の吸い込み空気の湿球温度もしくはこの
    湿球温度より所定温度低い温度に上昇してから所定時間
    経過すると、前記圧縮機(1)を作動状態に復帰させる
    ことを特徴とする車両用空調装置。
  4. 【請求項4】 車室内へ吹き出される空気を冷却する蒸
    発器(9)と、 前記蒸発器(9)を通過した冷媒を圧縮し、吐出する圧
    縮機(1)と、 前記蒸発器(9)の温度を検出する温度検出手段(3
    2)と、 前記圧縮機(1)の作動を、前記温度検出手段(32)
    により検出される前記蒸発器温度に応じて断続制御する
    圧縮機制御手段(S9)とを備える車両用空調装置にお
    いて、 前記蒸発器(9)から臭いが発生する条件に該当すると
    きは、前記条件に該当しない場合に比して前記圧縮機
    (1)の断続制御の周期を小さくすることを特徴とする
    車両用空調装置。
  5. 【請求項5】 前記圧縮機(1)の作動を断続制御する
    ための目標蒸発器温度に、前記圧縮機(1)が停止する
    ときの停止側目標温度と、前記圧縮機(1)が作動状態
    に復帰するときの作動側目標温度とを設けるとともに、
    前記停止側目標温度より前記作動側目標温度の方が所定
    のヒステリシス幅だけ高い温度になっており、 前記蒸発器(9)から臭いが発生する条件に該当する場
    合の前記ヒステリシス幅を、前記条件に該当しない場合
    に比して小さくすることを特徴とする請求項4に記載の
    車両用空調装置。
  6. 【請求項6】 前記蒸発器(9)から臭いが発生する条
    件に該当する場合は、前記圧縮機(1)の作動状態の時
    間を強制的に所定時間に制限することを特徴とする請求
    項4に記載の車両用空調装置。
  7. 【請求項7】 車室内へ吹き出される空気を冷却する蒸
    発器(9)と、 前記蒸発器(9)を通過した冷媒を圧縮し、吐出する圧
    縮機(1)と、 前記蒸発器(9)の温度を検出する温度検出手段(3
    2)と、 前記圧縮機(1)の作動を、前記温度検出手段(32)
    により検出される前記蒸発器温度に応じて断続制御する
    圧縮機制御手段(S9)とを備える車両用空調装置にお
    いて、 前記蒸発器(9)から臭いが発生する条件に該当すると
    きは、前記蒸発器温度が前記蒸発器(9)の吸い込み空
    気の湿球温度より高い温度となるように前記圧縮機
    (1)の作動を断続制御することを特徴とする車両用空
    調装置。
  8. 【請求項8】 前記圧縮機(1)の作動の断続に伴って
    前記蒸発器(9)の表面で凝縮水の発生と凝縮水の乾燥
    が繰り返される条件を判定することにより、前記蒸発器
    (9)から臭いが発生する条件に該当することを判定す
    ることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに
    記載の車両用空調装置。
  9. 【請求項9】 前記蒸発器(9)の吸い込み空気の状態
    と、前記圧縮機(1)の作動を断続制御するための目標
    蒸発器温度とに基づいて、前記蒸発器(9)の表面で凝
    縮水の発生と凝縮水の乾燥が繰り返される条件を判定す
    ることを特徴とする請求項8に記載の車両用空調装置。
  10. 【請求項10】 前記目標蒸発器温度が前記蒸発器
    (9)の吸い込み空気の湿球温度と露点温度付近にある
    ときを、前記蒸発器(9)の表面で凝縮水の発生と凝縮
    水の乾燥が繰り返される条件に該当すると判定すること
    を特徴とする請求項9に記載の車両用空調装置。
  11. 【請求項11】 凝縮水が乾燥する所定温度以上の高温
    域に、前記圧縮機(1)の作動を断続制御するための目
    標蒸発器温度があるときを、前記蒸発器(9)の表面で
    凝縮水の発生と凝縮水の乾燥が繰り返される条件に該当
    すると判定することを特徴とする請求項8に記載の車両
    用空調装置。
  12. 【請求項12】 前記蒸発器(9)の吸い込み空気の温
    度を検出する温度センサ(39)および前記吸い込み空
    気の湿度を検出する湿度センサ(40)を備え、この両
    センサ(39、40)により検出された吸い込み空気温
    度および吸い込み空気湿度に基づいて前記湿球温度を算
    出することを特徴とする請求項1ないし3および請求項
    7、10のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  13. 【請求項13】 前記蒸発器(9)に車室内空気が吸い
    込まれる内気モード時に、車室内温度と車室内湿度に基
    づいて前記湿球温度を算出することを特徴とする請求項
    1ないし3および請求項7、10のいずれか1つに記載
    の車両用空調装置。
  14. 【請求項14】 前記蒸発器(9)に車室外空気が吸い
    込まれる外気モード時に、前記圧縮機(1)が作動状態
    から停止し、その停止状態が所定時間経過した後の前記
    蒸発器温度を前記湿球温度とすることを特徴とする請求
    項1ないし3および請求項7、10のいずれか1つに記
    載の車両用空調装置。
  15. 【請求項15】 車室内への吹出温度を制御するために
    必要な第1目標蒸発器温度を決定する第1決定手段(S
    120)と、 車室内の湿度を快適範囲に維持するために必要な第2目
    標蒸発器温度を決定する第2決定手段(S130)と、 窓ガラスの曇り止めのために必要な第3目標蒸発器温度
    を決定する第3決定手段(S140)と、 前記第1ないし第3目標蒸発器温度のうち最も低い温度
    を最終的に目標蒸発器温度として決定する第4決定手段
    (S150)とを有することを特徴とする請求項5、9
    ないし11のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  16. 【請求項16】 車室内へ吹き出される空気を冷却する
    蒸発器(9)と、 前記蒸発器(9)を通過した冷媒を圧縮し、吐出する圧
    縮機(1)と、 前記蒸発器(9)の温度を検出する温度検出手段(3
    2)と、 前記圧縮機(1)の作動を、前記温度検出手段(32)
    により検出される前記蒸発器温度に応じて断続制御する
    圧縮機制御手段(S9)とを備える車両用空調装置にお
    いて、 前記蒸発器(9)から臭いが発生する条件に該当すると
    きに、第1所定時間(t1)の間、前記圧縮機(1)を
    停止させ、前記第1所定時間(t1)よりも十分短い時
    間である第2所定時間(t2)の間、前記圧縮機(1)
    を作動させる間欠運転モードを実行し、 前記間欠運転モードの実行回数が所定回数以上になった
    ときに、前記蒸発器温度が前記蒸発器(9)の吸い込み
    空気の湿球温度以下であるかどうかを判定し、前記蒸発
    器温度が前記湿球温度以下であるときは、前記蒸発器温
    度が前記湿球温度以下で、かつ、前記吸い込み空気の露
    点温度より高い温度となるように前記圧縮機(1)の作
    動を断続制御し、 また、前記蒸発器温度が前記湿球温度より高い温度であ
    ると判定されたときは前記蒸発器温度が通常時の目標蒸
    発器温度に維持されように前記圧縮機(1)の作動を断
    続制御するすることを特徴とする車両用空調装置。
  17. 【請求項17】 前記通常時の目標蒸発器温度は、少な
    くとも車室内への吹出空気温度を制御するために必要な
    温度に基づいて決定されることを特徴とする請求項16
    に記載の車両用空調装置。
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