JP2002030556A - 繊維成形中入れ材 - Google Patents

繊維成形中入れ材

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JP2002030556A
JP2002030556A JP2000217282A JP2000217282A JP2002030556A JP 2002030556 A JP2002030556 A JP 2002030556A JP 2000217282 A JP2000217282 A JP 2000217282A JP 2000217282 A JP2000217282 A JP 2000217282A JP 2002030556 A JP2002030556 A JP 2002030556A
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JP
Japan
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fiber
sheet
molding insert
sheet layer
fibers
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Application number
JP2000217282A
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English (en)
Inventor
Kazunori Aiyama
和則 相山
Tokuji Nakagami
得次 中上
Noriyoshi Shintaku
知徳 新宅
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Toray Industries Inc
Shiga Shokusan Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Shiga Shokusan Inc
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Publication date
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  • Mattresses And Other Support Structures For Chairs And Beds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】凸部を付与し良好な使用感と耐久性を付与でき
るようにした繊維成型中入れ材を提供すること。 【解決手段】繊維より成るシート状中入れ材であって、
構成する繊維の多数がシート平面方向に対してほぼ垂直
に配列していて繊維相互が部分的に接着している繊維シ
ート層であり、該繊維シート層は少なくとも片面の表面
があらゆる方向に連続していない凸部を有しているとも
に、かかるシート層の凸部と基底部は連続した構造であ
り、該凸部の頂点部の面積より底辺の面積が大きく形成
されていて、凸部の圧縮応力が0.3ニュートン/cm
2 以上である繊維成形中入れ材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クッション性、寝
心地、座り心地などに優れた繊維成形中入れ材に関し、
さらに詳しくは、病院や家庭で使用されるマットレス、
敷きふとん、枕などの寝具、家具などの椅子、及び車
両、船舶などの座席、これらと併用して使用するパット
などに使用する繊維成形中入れ材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より提案されたり、または使用され
ている中入れ材は、発泡ウレタン、天然繊維や合成繊維
を使用したものが主流である。さらに使用感を向上させ
るために表面に凹凸加工をほどこした物が好評のうちに
上市されている。しかし、通気性、実用感に優れる繊維
により構成された物は提案はされているが実用時に凸部
の変形、脱落が発生するため実用に耐え難く上市されて
いないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの従
来技術の問題を解決し、繊維で構成された中入れ材に、
凸部を付与し良好な使用感と耐久性を付与できるように
した繊維成型中入れ材を提供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。
【0005】すなわち、繊維より成るシート状中入れ材
であって、構成する繊維の多数がシート平面方向に対し
てほぼ垂直に配列していて繊維相互が部分的に接着して
いる繊維シート層であり、該繊維シート層は少なくとも
片面の表面がシート上において非連続状で存在している
凸部と、基底部とを有しているともに、該シート層の凸
部と基底部は連続した構造であり、該凸部は凸部頂点部
の面積より凸部底部の面積が大きく形成されていて、か
つ該凸部の圧縮応力が0.3ニュートン/cm2 以上であ
ることを特徴とする繊維成形中入れ材である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の中入れ材は繊維で構成さ
れ、構成される繊維の多数がシート平面に対してほぼ垂
直に配列していると同時に繊維相互は部分的に接着され
ていることが必要である。
【0007】使用される繊維は、合成繊維および天然繊
維またはこれら両者の混合のいずれでもよい。かかる合
成繊維としては、ポリエステル、ポリアミド、アクリ
ル、ポリプロピレンおよびポリエチレンなどのいずれも
使用することができ、また、天然繊維としては、羊毛、
木綿および麻などを使用することができる。かかる繊維
の中でもポリエステル系繊維が、弾性やへたりの点で好
ましく使用される。
【0008】商品に吸湿性が要求される場合は吸湿性能
に優れている天然繊維と弾性やへたりの点で優れている
合成繊維と混合使用するのがよい。
【0009】上述の繊維の繊度として、好ましくは1〜
1000dtex、さらに好ましくは3〜200dte
xの繊維が、風合い、洗濯性、弾性および耐へたり性等
の点からが好ましく使用される。かかる繊維は、短繊維
もしくは長繊維いずれでもよいが、短繊維を用いる場
合、好ましくは10mm以上、さらに好ましくは30〜
100mmの繊維長を有するものが好ましい。
【0010】かかる繊維の断面は、中実、中空、T型、
扁平など各種の形態のものなどを使用することができ
る。また、捲縮を有する繊維の場合は、その形態として
は波形およびスパイラル型のいずれでも使用することが
でき、また、これらの両者の折衷型などいずれの形でも
使用することができるが、弾性、耐へたり性の点からス
パイラル型捲縮を有する繊維が好ましく使用される。な
お、かかる捲縮数は、少ないと弾性、硬さが不足し、多
すぎると加工上トラブルが起こるので、好ましくは5〜
200山/25mm、さらに好ましくは10〜50山/
25mmが使用される。
【0011】繊維成型シート材は構成する繊維相互が部
分的に接着されていることが必要で、使用される接着剤
の種類は、合成樹脂、ゴムなどいずれのものでもよく、
使用される接着剤形状も、膜状、粒状、液状、繊維状な
どいずれであってもよい。これらの中でも合成樹脂で、
かつ、繊維状のものが、加工上、または実用上から好ま
しく使用されるが、さらに好ましい形は、ポリエステル
で、かつ、高融点ポリマと低融点ポリマとからなる複合
繊維状のものを使用するのが好ましい。その複合形態
は、いわゆる芯鞘型、バイメタル型、オレンジの断面型
のものなどを用いることができる。
【0012】また、繊維と接着剤の混合比率は、好まし
くは繊維:接着剤=30:70重量%〜95:5重量
%、さらに好ましくは40:60重量%〜90:10重
量%の範囲がよい。かかる接着剤の混合比率が5重量%
未満では接着が不十分になる場合があり、繊維成型シー
ト材としての成型性、形態安定性が劣る傾向にあり、ま
た70重量%を越える場合は接着過剰となる場合があ
り、硬く板状となりクッション性(弾性)が劣る傾向が
出てくるので好ましくない。
【0013】かかる接着の手段は、乾燥、圧力、熱など
による方法があり、いずれの方法を用いてもよいが、加
工の簡易性からみれば、熱による溶解法が好ましく使用
され、さらに主体とする繊維の溶解温度より20〜15
0℃低い温度の接着剤を使用するのが好ましい。
【0014】構成される繊維の多数は中入れ材シート層
の平面方向に対して繊維軸がほぼ垂直に配列している。
このように配列させる手段としては、たとえば、主体的
に構成する繊維と接着性繊維を混綿機で混合し、カード
機にかけて更に混綿、開繊した後、高速で回転するピン
シリンダーによって繊維を小さい塊とし、得られた繊維
塊を高圧空気によって容器の中に詰め込んで接着性繊維
を熱によって溶かして固める方法によって得ることがで
きる。
【0015】本発明の中入れ材を構成するシート層は少
なくとも片面の表面があらゆる平面方向に連続していな
い独立して存在している凸部を有していることが必要で
ある。このことにより、人体は凸部で支えられるために
通気性が良く、また、長時間使用していても疲れない。
【0016】かかる凸部を得る方法は、厚さが平面であ
る繊維シートを凹凸を有する1対の圧縮ローラーを通過
させ、シートが圧縮された状態でバンドナイフによりシ
ートの厚さ方向の中央部をカットすることによって得ら
れる、いわゆるプロファイル加工によって得ることがで
きる。
【0017】凸部は頂点部の面積より底辺の面積が大き
いことが必要である。たとえばすり鉢を逆さまにしたよ
うな形状である。このことにより頂点部を圧縮したとき
から少しずつ圧縮面積が大きくなっていく状態となり、
自然に応力も上がってくることとなり、はじめ柔らかく
少しずつ腰が出てくる性能を得ることができる。
【0018】従来より提案されている発泡樹脂及び繊維
積層体の凹凸加工品は、凸部が柔らかくなり圧縮したと
き低荷重領域において直ちに変形して基底部と同じ高さ
になってしまう。本発明は繊維を圧縮方向に配列させる
ことにより、単繊維の座掘ねじり応力を利用することが
でき、高荷重領域まで変形することなく、人体を支え、
通気性と心地よい実用感を得ることができるのである。
【0019】そのためには、本発明者らの知見によれ
ば、凸部の圧縮応力は0.3ニュートン/cm2 以上で
あることが必要であり、0.3ニュートン/cm2 未満
では実用時に凸部を感じることができない。一方、50
ニュートン/cm2 以上になれば固すぎるために痛さを
感じることがあるため好ましくない場合があり、より好
ましくは0.5〜10ニュートン/cm2 である。
【0020】なお、圧縮応力の測定は、JIS K64
01 5.4「硬さ試験」に準ずる方法で、試料厚さは
凸部の高さに加え基底部を5mmとし、加圧板の直径を
100mm、加圧板圧縮速度200mm/分として測定
する。圧縮距離はサンプルの基底部を残す5mmになる
まで圧縮して、このときの応力で表す。なお、基幹部の
厚さが5mmに満たない場合には、圧縮距離は基底部の
該厚さ分だけ残して圧縮を行って測定をする。
【0021】また、凸部の高さは5mmから50mmで
あることが好ましく、5mm未満では凸部が低すぎるた
め、実用時には前述したような実用感、通気性などを得
ることはできない。また、50mmを越える場合には性
能は得られるが、凸部のへたりが大きくなり、また、崩
壊が起こるので使用することはできない。
【0022】凸部の頂点までの高さは、各種最終製品の
要求厚さによって決まるべきものであり、限定されるも
のではないが、凸部を受け止める基底層の厚さは最低5
mmはあることが好ましく、また前述したごとく凸部の
最低高さは5mmである基底部を含めた凸部頂点までの
最低高さは10mmはあることが望ましい。10mmに
満たない場合には構造破壊が起こりやすく好ましくな
い。最大高さは最低高さのように技術的制約はより小さ
く、主に製品の要求からだけ決められてよいが、クッシ
ョン性、経済性から最大200mm程度までが現実的で
ある。
【0023】基底部と凸部は連続しているのがよい。連
続とは、同一素材・同一構造として連続性をもって形成
されていることであり、そのようにすることにより、長
時間使用しても凸部だけ、または基底部だけが変形する
ことなく、また、加工が簡単で低コスト化などを実現で
きる。
【0024】ただし、シート層の凸部全体または一部と
基底部は異なった素材または構造で形成されているもの
も目的によっては性能を発揮することができる。たとえ
ば、凸部に、より高度なソフト性と弾力性を付与したい
場合は発泡ウレタンと積層して凸部のみまたは凸部の一
部を発泡ウレタンで形成することも好ましい。これを圧
縮した場合、低荷重領域は凸部の発泡ウレタンが反応
し、さらに高荷重時にはさらに加えて繊維層が反応する
ことにより、より柔らかさと硬さを持った製品を得るこ
とができるからである。
【0025】かかる異なった素材としては、例えば、発
泡樹脂、天然ゴムもしくは合成ゴム等の弾力性、厚さの
ある各種のものなどを使用でき、特に限定されない。ま
た異なった構造としは、前述した素材に加えて、繊維構
造体で、構成繊維が平面に配列しているもの、あるいは
繊維密度の異なるものなど、適宜に組合せて使用でき
る。たとえば吸水、吸湿性が要求される商品用にはセル
ロース製シートと組合せるのも好ましい。
【0026】シート層の比重は0.015g/ccから
0.07g/ccであることが好ましく、0.015g/
cc未満のときは、耐久性を必要とする用途分やで劣る
場合が生ずることがあり使用することが難しい。また、
0.07g/ccを越えるときは、硬すぎると同時に重
量が大きくなり、これはコスト面にも悪影響を与えるの
で好ましくない。特に好ましい比重は、0.02g/c
cから0.04g/ccである。
【0027】凸部の個数は30〜1000個/m2 あれ
ば良く、好ましくは100〜800個/m2 である。
【0028】本発明にかかるシート層は屈曲性があるこ
とが好ましい。たとえば、介護用に使用するベッド用マ
ット用途では、一般に、ベッド本体が屈曲することによ
り介護性を良くする機能を有していることから、該ベッ
ド本体の屈曲に良好に追随することが要求される。
【0029】このような点から、本発明に係る繊維成形
中入れ材は、屈曲性が5cm以上あることが好ましい。
屈曲性が5cmに満たないものはベッドの屈曲どおりの
湾曲が得られない。また、敷きふとん、パット類、リク
ライニング機能の椅子などの用途にも係る屈曲性が要求
される。該屈曲性は大きいほど良いが、あまり大きいと
扱いにくいため、好ましくは25cmまでである。
【0030】かかる屈曲性を得る手段としては、シート
層を構成する繊維を、本発明の如く、シート平面方向に
対して繊維軸がほぼ直角方向に配列しているという、立
体的に配列させることによって、あたかもアコーデオン
のように良好な屈曲性を得ることができる。たとえば繊
維がシート平面方向に対して繊維軸が平行に配列したも
のは屈曲性が悪くなる。
【0031】該屈曲性の測定は、製品として要求される
任意の厚さで、幅10cm、長さ50cmのサンプルを
机上から30cmせりだしたときの先端が垂れ下がった
距離で現わす。
【0032】実用中、繊維よりなる凸部を有するシート
層は、繊維相互の結合力と短繊維の配列方向により層が
剥離する可能性がある。従来より提案されているものは
その傾向が強く、長時間の使用には耐えられない。本発
明者らの知見によれば、凸部の引っ張り強力は最低0.
5ニュートン/cm2 はあることが好ましく、0.5ニ
ュートン/cm2 に満たない場合は強度の点で問題が発
生する場合があり、より好ましくは1ニュートン/cm
2 以上である。高い方はいかほどでも良いが、一般には
10ニュートン/cm2 程度あれば十分である。
【0033】なお、引っ張り強力の測定は、JIS K
6767の5.2「引張強さおよび伸び」のA法に準ず
る方法で、試料は凸部を厚さ10mm、幅10mm、長
さ10m以上にスライスし、掴み間隔10mmとして長
さ方向に引っ張って強さを求める。幅が10mmに満た
ない場合は、5mmとして測定を行い換算補正する。ま
た、高さが10mmに満たない場合には基底部も加えた
試料とする。
【0034】かかる強力を得る手段としては、構成する
繊維相互を接着させて、凸部の底辺から頂点の方向に繊
維軸を配向させることにより得ることができる。従来よ
り提案されている平面的に繊維軸が配向した物は引張強
力が弱く使用できない。繊維相互を強固に接着するため
に接着剤を多く使用するなどにより更に強力を向上する
ことができる。
【0035】本発明にかかる用途においては、ダニの発
生防止効果を有することが望まれることも多い。特に、
ヤケヒョウヒダニのすみかとなることを防止することが
衛生的にも望ましい。従って、繊維中入れ材が、全体ま
たは部分的に抗菌性を有するものであるように構成する
ことが好ましい。具体的には、ダニの忌避性に効果があ
り、安全性のある薬剤等を使用して防ダニ効果を付与す
ることなどが好ましく、該薬剤としては、特に限定され
ないが、たとえば、第四級アンモニュウム塩系、あるい
はピレスロイド系化合物などの有機化合物を繊維の表面
に接着剤と共に固着させてダニの忌避効果を保有せしめ
たものなどを使用することができる。忌避の効果として
は30%以上あれば顕著な効果があり、好ましくは50
%以上である。
【0036】該ダニの忌避性の測定は、防ダニ加工製品
協議会の指定する「ガラス管法」により、具体的には直
径20mm、長さ100mmのガラス管にダニ培地と試
験用わたを入れ、試験用わたを通過した生存ダニの数を
読みとり、一方、防ダニ性のないブランクの綿について
も同様に試験を行い、これを5回繰り返して忌避率を算
出する。
【0037】また、同様に抗菌性についても有効である
ことが好ましい。汗などに発生する黄色ブドウ状球菌の
繁殖を防止するため有機、無機等の抗菌剤を付与してお
くのがよい。抗菌性のあるものはいずれのものでも使用
できるが、有機物では、第四級アンモニュウム塩化合
物、クロルヘキシジンなど、無機物では銀ゼオライト、
硫化銅等が使用できる。また、抗菌性を付与すること
は、菌の発生するにおいを防止することができるので好
ましい。
【0038】該抗菌剤の付与手段は、合成繊維または合
成樹脂への練り混み、後加工時に接着剤とともに表面に
付着させる方法が提案できるが、いずれの付与方法でも
よい。抗菌性の測定は繊維製品新機能評価協議会で規定
する統一試験方法による測定で、静菌活性値で2以上あ
ればよい。
【0039】本発明に係る繊維成形中入れ材の一実施態
様例を図面によってさらに詳しく説明する。
【0040】図1と図2は、本発明の繊維成形中入れ材
形状の一例を示す断面図である。図1は、断面図で、本
発明繊維成形中入れ材は凸部1と基底部2から成る。図
2は、本発明繊維成形中入れ材を構成する単繊維の状態
を示した概念図で、単繊維3は接着剤によってその交点
4が溶接されたように部分的に接着されている。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに詳しく
説明する。 実施例1 ポリエステルステープル原綿14.4dtex、長さ6
4mm、中空断面、ケン縮数12山/25mm、ケン縮
度20%、立体ケン縮品で表面に第四級アンモニュウム
塩化合物を重量比でバインダーと共に1%付与したもの
を使用した。接着剤として、ポリエステルステープル複
合繊維(鞘部溶解温度110℃、4.4dtex、長さ
51mm)を、ケン縮繊維:接着剤繊維=60:40重
量%の比率でサンドイッチ構造で積層し、開綿機で混合
した後、開綿し、カード機に掛けてウエッブ状とした。
【0042】さらに、このウエッブを開繊機に掛けた
後、高圧空気によって、厚さ50cm、長さ100c
m、幅90cmの型枠の中に7.65kg詰め込んだ。
この型枠を、長さ方向より50cm圧縮し、厚さ50c
m、幅90cm、長さ50cmとした。かかる繊維ブロ
ック型枠を、次いで高圧スチームセッターに入れて、1
30℃、30分間熱処理してから、冷却し密度0.03
4g/ccの繊維ブロックを得た。かかる繊維ブロック
を、圧縮した面どうしを合わせてゴム系溶剤タイプの接
着剤で4本を合わせ大ブロックを作成した。
【0043】かかる大ブロックを型枠を圧縮した方向と
同方向より12cmの厚さで、帯状の刃が回転するカッ
ターにより、スライスして、50cm×200cm、厚
さ13cmのシート層を作成した。このシート層を、ウ
レタンで使用されているプロファイル加工機にかけ、凸
部の高さが30mm、凸部頂点までの厚さが80mmの
本発明の繊維シート層1を得た。
【0044】実施例2 実施例1の大ブロックを使って同様に、厚さが4cm、
長さ200cm、幅50cmになるようシートを2枚作
成した。一方、パルプを原料とするセルローズ発泡体で
幅90cm、長さ200cm、厚さ4cmのシートをゴ
ム系溶剤接着剤で、先に作った繊維シートで両面をサン
ドイッチするように接着し、三層接着シートを作成し
た。
【0045】かかるシートを実施例1と同様にプロファ
イル加工機で凸部が30mm、頂点までの高さが80m
mの本発明に係る繊維シート2を得た。かかるシートは
凸部の頂点より2cm下までセルローズ発泡体よりな
る。セルローズ発泡体は吸水性が24%、吸湿率は25
℃、80%RHの環境下で11.5%である。
【0046】実施例3 ポリエステルステープル原綿5.5dtex、長さ64
mm、ケン縮数12山/25mm、ケン縮度20%、立
体ケン縮品で表面に防ダニ剤としてピレスロイド系化合
物を重量比でバインダーと共に0.4%付与したものを
使用し、接着繊維、製造方法は実施例と同様で型枠の中
に6.75kg詰め込んだ。密度は0.03g/ccであ
った。同様に厚さが5cm、幅90cm、長さ200c
mになるようにカットし、繊維シートを作成した。実施
例1と同様に凸部高さ25mm、頂点までの全高さが3
5mmになるようにプロファイルして本発明に係る繊維
シート3を得た。
【0047】実施例4 ポリエステルステープル原綿14.4dtex、長さ6
4mm、中空断面、ケン縮数12山/25mm、ケン縮
度20%、立体ケン縮品20重量%と、羊毛約6dte
x、長さ約60mm40重量%と、接着剤として、ポリ
エステルステープル複合繊維(鞘部溶解温度110℃、
4.4dtex51mm)を混合し、実施例3と同様に
加工してウール混の本発明に係る繊維シート4を得た。
【0048】比較例1 ポリエステルステープル原綿14.4dtex、長さ6
4mm、中空断面、ケン縮数12山/25mm、ケン縮
度20%、立体ケン縮品と接着剤として、ポリエステル
ステープル複合繊維(鞘部溶解温度110℃、4.4d
tex、長さ51mm)を、60:40重量%の比率で
サンドイッチ構造で積層し、開綿機で混合した後、開綿
し、カード機に掛けてウエッブとし、クロスラッパーに
て重合積層した後エアースルー型熱処理機にて175℃
で30秒間処理して厚さが13cmの繊維シートを作っ
た。比重は0.035g/ccであった。
【0049】実施例1と同様にプロファイルして凸部の
高さが30mm、凸部頂点までの厚さが80mmの、比
較例1の繊維シート層を得た。
【0050】比較例2 ポリエステルステープル原綿5.5dtex、長さ64
mm、ケン縮数12山/25mm、ケン縮度20%の立
体ケン縮品と、接着繊維および製造方法は比較例1と同
様で、比重が0.033g/ccである凸部の高さが1
5mm、凸部頂点までの厚さが25mmの、比較例2の
繊維シート層を得た。
【0051】実施例1、2、3、4、比較例1、2の特
性を測定した結果を表1に示した。
【0052】
【表1】
【0053】用途がベッド用マットである実施例1、2
と比較例1の試作品にポリエステル横編み地で側地を作
り実用したところ、本発明による実施例1、2は、凸部
の脱落変形は発生せず、凸部の形状を生かした状態で使
用することができるので、通気性も良く快適に使用する
ことができた。
【0054】従来より提案されている比較例1は、凸部
のこすれが起こるに従って凸部が変形脱落し、また凸部
の沈み込みも大きく、凸部を感じない使用感である。
【0055】しかも、介護ベッド用への使用において、
ベッドの背部の立ち上がりによるマットの曲がり追随が
実施例1、2は優れ、問題なく使用することができる。
【0056】さらに同様な側地でパット製品の形とした
本発明の実施例3、4および比較例2においても同様な
着用状況で、本発明にかかるものは優れている結果であ
った。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、実用時に凸部の変形応
力が高いため凸部を残した状態で使用できるため快適で
あると同時に長時間の実用においても凸部の脱落がなく
安定した状態で使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る繊維成形中入れ材の一例構造を説
明する断面モデル図である。
【図2】本発明に係る繊維成形中入れ材を構成する繊維
の状態の一例を説明する概略モデル図である。
【符号の説明】 1:凸部 2:基底部 3:繊維 4:繊維接着交点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中上 得次 滋賀県大津市大江1丁目1番1号 東レ株 式会社瀬田工場内 (72)発明者 新宅 知徳 滋賀県大津市大江1丁目1番1号 東レ株 式会社瀬田工場内 Fターム(参考) 3B096 AB01 BA02 4C058 AA03 BB07 JJ04 4L047 AA21 AB02 BA09 BB06 BB09 CA02 CB10 CC07

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維より成るシート状中入れ材であって、
    構成する繊維の多数がシート平面方向に対してほぼ垂直
    に配列していて繊維相互が部分的に接着している繊維シ
    ート層であり、該繊維シート層は少なくとも片面の表面
    がシート上において非連続状で存在している凸部と、基
    底部とを有しているともに、該シート層の凸部と基底部
    は連続した構造であり、該凸部は凸部頂点部の面積より
    凸部底部の面積が大きく形成されていて、かつ該凸部の
    圧縮応力が0.3ニュートン/cm2 以上であることを
    特徴とする繊維成形中入れ材。
  2. 【請求項2】繊維成形中入れ材が、同一種類または異種
    類の複数のシート層が積層重合されて形成されてなるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の繊維成形中入れ材。
  3. 【請求項3】シート層の凸部全体又は一部と基底部は異
    なった素材又は構造である請求項1〜2のいずれかに記
    載の繊維成形中入れ材。
  4. 【請求項4】凸部の高さが5mm以上50mm以下であ
    る請求項1〜3のいずれかに記載の繊維成形中入れ材。
  5. 【請求項5】比重が、0.015g/cc以上0.07g
    /cc以下である請求項1〜4のいずれかに記載の繊維
    成形中入れ材。
  6. 【請求項6】屈曲性が5cm以上である請求項1〜5の
    いずれかに記載の繊維成形中入れ材。
  7. 【請求項7】凸部頂点までの厚さが20mm以上200
    mm以下である請求項1〜6のいずれかに記載の繊維成
    形中入れ材。
  8. 【請求項8】繊維中入れ材が、合成繊維と天然繊維の混
    合により形成されていることを特徴とする請求項1〜7
    のいずれかに記載の繊維成型中入れ材。
  9. 【請求項9】凸部の引張強力が0.5ニュートン/cm
    2 以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか
    に記載の繊維成型中入れ材。
  10. 【請求項10】繊維中入れ材が、全体または部分的に防
    ダニ性を有するものであることを特徴とする請求項1〜
    9のいずれかに記載の繊維成型中入れ材。
  11. 【請求項11】繊維中入れ材が、全体または部分的に抗
    菌性を有するものであることを特徴とする請求項1〜1
    0のいずれかに記載の繊維成型中入れ材。
  12. 【請求項12】請求項1〜11のいずれかに記載の繊維
    成型中入れ材が、他の中入れ材と複合されて構成されて
    なることを特徴とする繊維成型中入れ材。
  13. 【請求項13】該繊維成形中入れ材が、マットレス、寝
    具、椅子および座席シート材、パットのいずれかの製品
    用である請求項1〜12のいずれかに記載の繊維成形中
    入れ材。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004121829A (ja) * 2002-08-02 2004-04-22 Toray Ind Inc 中入れ材
JP2010077545A (ja) * 2008-09-24 2010-04-08 Toray Ind Inc エレクトレット繊維構造体
JP2012197543A (ja) * 2011-03-23 2012-10-18 Teijin Fibers Ltd クッション構造体および寝具

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