JP2001515035A - 薬剤の経口生体利用性を高めるベルガモッチンを含有する組成物 - Google Patents

薬剤の経口生体利用性を高めるベルガモッチンを含有する組成物

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Abstract

(57)【要約】 化合物の経口生体利用性を高めるために、腸の主力のP−450酵素であるP450 3A4の阻害に関与するグレープフルーツジュース中の主要な化合物ベルガモッチンが低い生体利用性を有する化合物と共に患者に同時投与される。さらに、これらを含有する医薬組成物、およびBGをグレープフルーツジュースから単離する方法が開示されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は化合物をベルガモッチン(Bergamottin)(BG)と共に患者に同時投
与することにより該化合物の経口生体利用性を高める方法に関する。さらに詳し
くは、本発明は低い生体利用性を有する化合物の腸での酵素代謝を阻害するため
のBGの使用に関する。特に、BGによる腸のシトクロムP450 3A4の阻 害は化合物の腸代謝を減らし、それらの経口生体利用性を高める。さらに、本発
明は低い生体利用性を有する化合物および薬学的に許容しうる担体と共にBGを
含有する医薬組成物に関する。最後に、本発明はBGをグレープフルーツジュー
スから単離する方法に関する。
【0002】 経口生体利用性は何れかの経路による投与後の体循環に到達する未変化の薬剤
の率として定義される。薬剤の生体利用性を高めることは薬剤の開発および臨床
薬理学において多大の注目を浴びている。P450 3A4は腸中で発現する主 要なP450酵素であり、臨床上使用される広域スペクトルの薬剤の代謝に関与
するため、これらの薬剤の経口生体利用性の決定因子の一つであると考えられる
。シクロスポリン、FK506、タキソール、インジナビル、サクイナビルなど
のような幾つかの費用のかかる薬剤はP450 3A4により広く代謝されるこ とがわかっている。これらの薬剤の幾つかはP450 3A4阻害剤と同時投与 するとそれらの生体利用性を高めることがわかっている。
【0003】 グレープフルーツジュースと同時に経口投与するとジヒドロピリジンを含む幾
つかの臨床上使用される薬剤の経口生体利用性が有意に増加することが証明され
ている。(Bailey D.G., Spence J.D., Munoz C.およびArnold J.M.O.の「柑橘 類ジュースとフェロジピンおよびニフェジピンとの相互作用」、Lancett., 337,
268〜269 (1991年);並びにBailey D.G., Arnold J.M.O., Bond J.R., Tran L
.T.およびSpence J.D.の「グレープフルーツジュースフェロジピン相互作用:徐
放性薬剤の再現性および特性決定」、Br. J. Clin. Pharmacol., 40, 135〜140
(1995年))、シクロスポリンA(Ducharme M.P., Warbasse L.H.の「徐放性薬剤
の特性決定」、Br. J. Clin. Pharmacol., 40, 135〜140 (1995年))、シクロス
ポリンA(Ducharme M.P., Warbasse, L.H.およびEdwards D.J.の「グレープフ ルーツジュースと一緒に静脈内および経口投与した後のシクロスポリンの性質」
、Clin. Pharmacol. Ther., 57, 485〜491 (1995年))、ミダゾラム(Kuferschm
idt H.H., Ha H.R., Ziegler W.H., Meier P.J.およびKrahenbuhl S.の「ヒトに
おけるグレープフルーツジュースおよびミダゾラムの相互作用」、Clin. Pharma
col. Ther., 58, 20〜28 (1995年))、トリアゾラム(Hukkinen S.K., Varhe A.
, Olkkola K.T.およびNeuvonen P.J.の「トリアゾラムの血漿濃度はグレープフ ルーツシュースの同時摂取により増加する」、Clin. Pharmacol. Ther., 58, 12
7〜131 (1995年))、テルフェナジン(Benton R.E., Hoig P.K., Zamaani K., C
antilena L.R.およびWoosley R.L.の「グレープフルーツジュースはテルフェナ ジンの薬物動態を変え、心電図の再分極を延長する」、Clin. Pharmacol. Ther.
, 59, 383〜388(1996年)、およびエチニルエストラジオール(Weber A., Jage
r R., Borner A., Klinger G., Vollanth R., Mathey K.およびBalogh A.の「グ
レープフルーツジュースはエチニルエストラジオールの生体利用性に影響を与え
ることができるか?」、Contraception, 53, 41〜47 (1996年))。これらの薬剤
はすべて主としてシトクロムP450 3A4、すなわち腸および肝臓の主力の P450酵素により代謝されるため(Shimada T., Yamazaki H., Mimura M., In
ui Y.およびGuengerich F.P.の「薬剤、発ガン性物質および化学薬品の酸化と関
係があるヒト肝シトクロムP−450酵素間の相互関係:30人の日本人および
30人の白人の肝ミクロソームを用いた研究」、J. Pharmacol. Exp. Ther., 27
0, 414〜422 (1994年)、並びにWatkins P.B., Wrighton S.A., Schuetz E.G.,
Molowa D.T.およびGuzelian P.S.の「ラットおよびヒトの腸粘膜におけるグルコ
コルチコイドが誘導するシトクロムP−450の同定」、J. Clin. Invest., 80
, 1029〜1036 (1987年))、グレープフルーツジュースの効果はP450 3A4
活性の阻害によるものであると考えられる。ごく最近、グレープフルーツジュー
スはヒト腸粘膜上皮細胞の免疫反応性P450 3A4含量をP450 3A4m
RNA含量に変化なく劇的に減らすことがわかった(Lown K.S., Bailey D.G. F
ontana R.J., Janardan S.K., Adair C.H., Fortlage L.A., Brown M.B., Guo W
.およびWatkins P.B.の「グレープフルーツジュースは腸のCYP 3Aタンパク
質の発現を減らすことによりヒトにおけるフェロジピンの経口生体利用性を増加
する」、J. Clin. Invest., 99, 1〜9 (1997年))。これらの結果はP450 3
A4タンパク質の分解がグレープフルーツジュースの摂取により促進されること
を示唆している(上記のLownの文献(1997年))。ラットP450 3Aの自殺失
活はアポP450の分解を促進するため(Correia M.A., Davoll S.H., Wrighto
n S.A.およびThomas P.E.の「3,5−ジカルベトキシ−2,6−ジメチル−4− エチル−1,4−ジヒドロピリジンによる失活後のラット肝シトクロムP450
3Aの分解:タンパク質分解系の特性決定」、Arch. Biochem. Biophys., 297,
228〜238(1992年))、P450 3A4の機構に基づく失活はグレープフルーツ
ジュースの作用と関係があることを示唆している。
【0004】 ある種の薬剤の生体利用性を増加する役割を担うグレープフルーツジュース中
の主要成分を同定するのに、フラボノイド、例えばナリンゲニン、ナリンジン、
ケルセチンおよびケンフェロールがインビトロでP450 3A4活性を競合的 に阻害するため考えられる候補として選択されている(Miniscalco A., Lundahl
J., Regardh C.G., Edgar B.およびEriksson U.G.の「グレープフルーツジュー
ス中のフラボノイドによるラットおよびヒト肝ミクロソームのジヒドロピリジン
代謝阻害」、J. Pharmacol. Exp. Ther., 261, 1195〜1199 (1992年)、並びにG
hosal A., Satoh H., Thomas P.E., Bush E.およびMoore D.の「ラット、ヒト由
来のミクロソームのシトクロムP450 3A4活性およびcDNA−発現ヒト シトクロムP450の阻害および速度論」、Drug Metab. Dispos., 24, 940〜94
7 (1996年))。しかしながら、これらのフラボノイドの経口投与はグレープフル
ーツジュースの効果をもたらさなかった(Bailey D.G., Arnold J.M.O., Munoz
C.およびSpence J.の「グレープフルーツジュース−フェロジピン相互作用:ナ リンジンの機構、予測可能性および効果」、Clin. Pharmacol. Ther., 53, 637 〜642 (1993年)、並びにRashid J., McKinstry C., Renwick A.G., Dirnhuber
M., Waller D.G.およびGeorge C.F.の「インビトロでCYP3Aを阻害するケル
セチンはニフェジピンとグレープフルーツジュースの相互作用に寄与しない」、
Br. J. Clin. Pharmac., 36, 460〜463 (1993年))。最近、グレープフルーツジ
ュースの塩化メチレン抽出物のHPLC精製により、デキサメタゾンが誘発する
ラット肝ミクロソームのテストステロン6β−ヒドロキシラーゼの阻害をひき起
こしたグレープフルーツジュースの一成分として6′,7′−ジヒドロキシベル ガモッチンを同定した(Edwards D.J., Bellevue F.H., IIIおよびWoster P.M. の「グレープフルーツジュース中のシトクロムP450阻害物質6′,7′−ジ ヒドロキシベルガモッチンの同定」、Drug Metab. Dispos., 24, 1287〜1290 (1
996年))。
【0005】 本発明者らは驚くべきことに、しかも予想外に、BGがヒトシトクロムP45
0 3A4の機構に基づく阻害に関与するグレープフルーツジュース中の主要化 合物であることを見い出した。すなわち、低い経口生体利用性を有する化合物を
BGと組み合わせて同時投与することにより該化合物の経口生体利用性を高める
ことができる。 したがって、本発明の第一の態様によれば、低い生体利用性を有する化合物を
BGと組み合わせて患者に投与することからなる該化合物の腸の酵素代謝を阻害
する方法が提供される。 さらに、本発明の別の態様は有効な量の低い生体利用性を有する化合物をBG
と組み合わせて単位投与形態で投与するための医薬組成物である。 最後に、本発明はグレープフルーツジュースからBGを単離する方法に関する
【0006】 本発明は添付した図1〜8を参照して下記の非限定的な実施例により詳しく説
明される。下記で各図について短く説明する。 図1はグレープフルーツジュース抽出物の逆相HPLC図を示す。溶出液をU
V検出により310nmでモニターした(パネルA)。〔M+H〕+ m/z 33 9のBG(パネルB)、〔M+H〕+ m/z 355のモノヒドロキシル化BG (パネルC)、〔M+H〕+ m/z 373のビスヒドロキシル化BG(パネル D)についてのイオンクロマトグラムを再構成した。 図2は〔M+H〕+ m/z 339のBGの生成物イオンMS/MSスペクト ルである。 図3は〔M+H〕+ m/z 355のモノヒドロキシル化BG代謝物の生成物 イオンMS/MSスペクトルである。パネルA、12.9分(相対強度39%);
パネルB、17.7分(6%);パネルC、18.1分(11%);パネルD、1
9.6分(7%);パネルE、24.1分(37%)。表示した酸化部位は衝突が
ひき起こすm/z 355の前駆体イオンの解離反応に基づく;すなわちm/z
203の生成物イオンは完全な5−ヒドロキシプソラレン部分に相当し、イソプ
レン鎖の酸化が表示される。特定の酸化部位をMS/MSデータから決定するこ
とはできない。 図4は〔M+H〕+ m/z 373のビスヒドロキシル化BGの生成物イオン MS/MSスペクトルである。パネルA、12.9分;パネルB、15.9分。表
示した酸化部位は衝突がひき起こす解離反応に基づく;すなわちm/z 203 のイオン(パネルA)は完全な5−ヒドロキシプソラレン部分に相当し、イソプ
レン鎖の酸化が表示される。ホルムアルデヒドを失ってm/z 343のイオン を生じること(パネルB)は脂肪族の酸化を意味すると解される。特定の酸化部
位をMS/MSデータから決定することはできない。
【0007】 図5はBGと一緒にNADPHの存在下(−)、BGと一緒にNADPHの不
存在下(-・-)、そしてBGなしでNADPHの存在下(---)、それぞれインキ
ュベートした再構成P450 3A4反応混合物の還元型−一酸化炭素差スペク トル(上部パネル)およびUV−可視スペクトル(下部パネル)である。P45
0 3A4(0.5ナノモル/ml)を方法および物質に記載のようにして37℃で
15分間、再構成系中で50μMのBGと一緒にインキュベートした。0.25ま
たは0.2mlアリコートのインキュベーション混合物を20%グリセロールおよ び0.5mMのEATAを含有する1.75または0.8mlの50mMヘペス緩衝液(p
H7.5)で希釈し、還元型−一酸化炭素P450差スペクトルおよびUV−可視
スペクトルをそれぞれ「物質および方法」の項に記載のようにして測定した。 図6は50μMのBGと一緒にNADPHの存在下(−)または不存在下(---
)でインキュベートした後のP450 3A4再構成系のHPLC図である。溶出
液を214nmおよび405nm(挿入図)でモニターした。ピークA、BおよびC
はそれぞれP450−NADPHレダクターゼ、シトクロムb5およびP450
3A4を示す。 図7は再構成系におけるBGによるP450 3A4のテストステロン6β− ヒドロキシル化活性の時間および濃度依存型阻害を示す。実験の詳細は「物質お
よび方法」の項に記載した。プレインキュベーション試料中のBG濃度はそれぞ
れ0μM(□)、5μM(◇)、10μM(○)、25μM(△)、50μM(▽) および100μM(×)である。 図8はBGによるヒト肝ミクロソーム中のP450 1A2( )、2A6(◇
)、2C9(□)、2D6(△)、2E1(×)および3A4(○)の活性の阻
害を示す。P450酵素の活性は「物質および方法」の項に記載の方法を使用し
て測定した。その結果を3回の実験の平均値として示した。
【0008】 「低い経口生体利用性(low oral bioavailability)」なる用語は経口生体利 用性が50%未満、好ましくは30%未満の化合物を意味する。
【0009】 5−ゲラノキシプソラレン、ベルガモチンまたはベルガプチンとしても知られ
ているベルガモッチンは化学名(E)−4−〔(3,7−ジメチル−2,6−オク
タジエニル)オキシ〕−7H−フロ〔3,2−g〕〔1〕ベンゾピラン−7−オ ンで知られており、次の化学構造
【化1】 を有する。
【0010】 次の表1は本明細書で使用される略語およびその定義の一覧表である。
【表1】
【0011】 ベルガモッチンはP450 3A4の機構に基づく失活を担うグレープフルー ツジュース中の主要な化合物として確認されている。幾つかのモノ酸素化または
ジヒドロキシル化BG誘導体もまた、グレープフルーツジュース中で確認された
。それらの一つで以前に単離され、ラット肝ミクロソーム中のテストステロン6
β−ヒドロキシラーゼを阻害することが確認された(上記のEdwardsの文献(199
6年))ジヒドロキシベルガモッチンの含量はグレープフルーツジュース中のBG
含量の20%未満と測定された。グレープフルーツジュース中のBG誘導体の殆
どは完全なフラノクマリン基を含有し、それはP450の不活性化に関与すると
考えられている。ベルガモッチンおよびそのモノまたはジヒドロキシル化誘導体
はオレンジジュース中では確認されておらず、このことはオレンジジュースが腸
の薬剤代謝において阻害作用を示さないという報告(上記のBaileyの文献(1991
年))と一致する。BGおよびその誘導体の含量は種々のグレープフルーツジュ ース製剤の中で有意に変動し、それによりグレープフルーツジュースの効果につ
いて報告された矛盾を説明できた(Vanakoski J., Mattila M.J.およびSeppala
T.の「グレープフルーツジュースはヒトにおけるミダゾラムおよびトリアゾラム
の効果を高めない」、Eur. J. Clin. Pharmacol., 50, 501〜508 (1996年))。
【0012】 P450 3A4活性の失活はBGの代謝を必要とし、時間および濃度に依存 する。これらの結果はBGがP450 3A4の機構に基づく不活性化物質であ ることを示唆している(Walsh C.T.の「自殺基質、機構に基づく酵素失活:最近
の開発」、Ann. Rev. Biochem., 53, 493〜535(1984年))。幾つかの他のフラノ
クマリンはP450の機構に基づく失活をひき起こすことが以前に報告されてい
る;例えばコランドリン(Cai Y., Baer-Dubowska W., Ashwood-Smith M.J., Ce
ska O., Tachibana S.およびDiGiovanni J.の「天然に存在するクマリンによる 肝エトキシレソルフィンO−脱アルキル活性の機構に基づく失活」、Chem. Res.
Toxicol., 9, 729〜736 (1996年))および8−メトキシプソラレン(Labbe G.,
Descatiore V., Beaune P., Letteron P., Larrey D.およびPessayre D.の「メ
トキサレンによるシトクロムP−450の自殺失活;反応性中間体とタンパク質
部分の共有結合の証拠」、J. Pharmacol. Exp. Ther., 250, 1034〜1042 (1989 年)、並びにMays D.C., Hilliard J.B., Wong D.D., Chambers M.A. Park S.S.
, Gelboin H.V.およびGerber N.の「マウス肝ミクロソームにおける8−メトキ シプソラレンのバイオ活性化およびシトクロムP−450の不可逆失活:単クロ
ーン性抗体による変更、薬剤代謝の阻害および共有結合付加物」、J. Pharmacol
. Exp. Ther., 254, 720〜731 (1990年))である。一連の天然に存在するクマリ
ンの研究(上記のCaiの文献(1996年))に基づいてフラン環はP450 1Aの 失活に関与する基であることが示唆された。幾つかの他のフラン含有化合物もま
たP450の失活をひき起こすことが証明されている。一つの例はフラノピリジ
ンL−754,394、すなわちフラン環で化学的に反応性のエポキシドを形成 することによりP450 3A4の機構に基づく失活をひき起こすことがわかっ ているHIVプロテアーゼ阻害剤である(Chiba M., Nishine J.A.およびLin J.
H.の「研究中のHIVプロテアーゼ阻害剤L−754,394によるヒト肝ミク ロソームのシトクロムP−450イソフォームの強力で選択的な失活」、J. Pha
rmacol. Exp. Ther., 275, 1527〜1534 (1995年);Sahali-Sahly Y., Balani S
.K., Lin J.H.およびBaillie T.A.の「シトクロムP450 3A4の非常に強力
で選択的な機構に基づく阻害剤であるフラノピリジンL−754,394の代謝 活性に関するインビトロ研究」、Chem. Res. Toxicol., 9, 1007〜1012(1996年
))。BGが仲介する機構に基づくP450 3A4の失活は、フラン環が酵素の
活性部位の決定的な部分を共有結合的に変更する反応性中間体に活性化される同
様の機構に従うと考えられる。失活は、2または3+mMのGSHをインキュベー ション系に加えても阻害されないので、活性部位で起こるものと考えられる。P
450 3A4のBGが仲介する失活のK失活値が0.3分-1であるということは
、BGがP450 3A4のより強力な不活性化物質の一つであることを示唆し ている。他の2種の強力な不活性化物質のK失活値はゲストデンについては0. 4分-1であり(Guengerich F.P.の「ゲストデンによるヒト肝ミクロソームのシ トクロムP−450IIIA4の機構に基づく失活」、Chem. Res. Toxicol., 3, 3
63〜371 (1990年))、そしてL−754,394については1.62分-1である(
上記のChiba M.の文献、275、1527〜1534 (1995年))。さらに、BGは再構成系
中のP450 3A4の失活に関してそのK失活の測定値が0.16分-1である6
′,7′−ジヒドロキシベルガモッチンよりも強力であることがわかった。BG はまたP450 3A4の競合的阻害剤であるものと考えられる。このことはB Gが主としてP450 3A4により幾つかのヒドロキシル化代謝物に代謝され るという観察の結果と一致している。しかしながら、その競合的阻害は、テスト
ステロン6β−ヒドロキシル化活性の測定中にP450 3A4がBGによる機 構に基づく不活性化を受けるために過大評価されている可能性がある。
【0013】 P450 3A4活性はα−ナファトフラボンにより刺激されることが報告さ れているため(Ueng Y.F., Kuwabara T., Chun Y.J.およびGuengerich F.P.の「
シトクロムP450 3A4が触媒する酸化における協同性」、Biochemistry, 3
6, 370〜381 (1997年))、本発明者らはα−ナファトフラボンが不活性化を増大
しうるBGの反応性代謝物の生成において相乗作用を示す可能性について研究し
た。その結果、α−ナファトフラボンはBGが仲介するP450 3A4の失活 に対して何の影響も与えなかった。しかしながら、α−ナファトフラボンがシト
クロムP450 3A4が触媒するBGのヒドロキシル化を刺激するかどうかは わかっていない。
【0014】 P450 3A4のBGが仲介する失活の機構は本研究において前もって研究 されている。ヘム付加物の生成は末端オレフィンおよびアセチレンによるP45
0の失活機構であることが十分に証明されている(Ortiz de Montellano P.R.お
よびCorreia M.A.の「シトクロムP450の阻害」、シトクロムP450−構造
、機構および生化学(Ortiz de Montellano P.R.編, 第305〜366頁,プレナムプ
レス社))。最近、再構成系中で生成したヘム付加物が可視分光分析、HPLC
および質量分析により確認され、特性決定された(He K., Falick A.M., Chen B
., Nilsson F.およびCorreia M.A.の「セコバルビタールによるラット肝シトク ロムP450 2B1の機構に基づく失活の間に変性した活性部位ペプチドとヘ ム付加物の確認」、Chem. Res. Toxicol., 9, 614〜622;並びにHe K., He Y.A.
, Szklarz G.D., Halpert J.R.およびCorreia M.A.の「セコバルビタールが関与
するシトクロムP450 2B1の失活およびその活性部位変異体:ヘムおよび タンパク質のアルキル化およびエポキシド化間の分配」、J. Bol. Chem., 271,
25864〜25872 (1996年))。BGが不活性化したP450 3A4試料の可視スペ
クトルはヘム付加物生成の形跡を示さなかった。400〜500nmの範囲におい
て−NADPH対照と比較した差スペクトル中で観察された唯一の吸収ピークは
約423〜425nmのピークであり、それはNADPH−還元型P450のもの
と考えられる。吸収スペクトルはまた、試料が90%のテストステロン6β−ヒ
ドロキシル化活性を失ってもBGが不活性化したP450 3A4に関するヘム 含量は有意に減少しないことを示した。この結果から、ヘムフラグメントとアポ
タンパク質の共有結合をもたらすヘムのフラグメント化をひき起こす幾つかの機
構に基づく不活性化物質と関係がある他の代替機構が除外されるものと考えられ
る(上記のOrtiz de Montellanoの文献(1995年);並びにYao K., Falick A.M.
, Patel N.およびCorreia M.A.の「クメンヒドロペルオキシドによるシトクロム
P450 2B1の失活:活性部位ヘム−変性ペプチドの確認」、J. Biol. Chem
., 268, 59〜65 (1993年))。しかしながら、P450 3A4の還元型−CO差
スペクトルは再構成系においてBGで処理した後に約40%減少した。ヘム分解
またはヘム付加物生成の証拠はないため、結合したBGはそれがCOとヘム鉄の
相互作用を妨害するように、活性部位アミノ酸残基との共有結合によりヘム部分
に接近して位置し得るものと考えられる。他のフラノクマリンの8−メトキシプ
ソラレンによるP450の失活に関する研究は、活性部位での8−メトキシプソ
ラレンとアポP450の共有結合がP450の還元型−COスペクトルの減少を
ひき起こしうることを示唆した(上記のLabbeの文献(1989年)および上記のMay
sの文献(1990年))。BGが不活性化したP450 3A4のHPLC分析から 、BGがアポP450の性質を変えることを示唆している間接的な証拠が得られ
た。アポタンパク質の部分的な減少はP450インキュベーション混合物を逆相
HPLCにより分析した時のタンパク質の変性により失活したP450酵素につ
いての一般的な特徴であると考えられる(Roberts E.S., Hopkins N.E., Alwort
h D.A.およびHollenberg P.F.の「2−エチニルナフタレンによるシトクロムP 450 2B1の機構に基づく失活:活性部位ペプチドの確認」、Chem. Res. To
xicol., 6, 470〜479 (1993年)、並びにHe K.の上記文献(1996年))。失活した
P450の疎水性活性部位アミノ酸残基の幾つかはそれらが共有結合により起こ
る配座変化の結果として逆相媒質にしっかりと結合するように露出していると考
えられる。アポP450の共有結合による変性もまた幾つかの他のフラノクマリ
ンによるP450の失活機構の一つであると以前に報告された(Labbeの上記文 献(1989年);Caiの上記文献(1996年);Maysの上記文献(1990年))。したがっ て、BGが仲介するP450 3A4の失活は2−エチニルナファレンおよび9 −エチニルフェナントレンを用いたP450 2B1および2B4の機構に基づ く失活で観察されたように、主としてアポタンパク質の変性によると考えられる
(Roberts E.S., Hopkins N.E., Zoluzec E.J., Gage D.A., Alworth W.L.およ びHollenberg P.F.の「アミノ酸配列分析法および質量分析法を使用する3H− 標識2−エチニルナファレンにより失活したP450 2B1および2B4から の活性部位ペプチドの確認」、Biochemistry, 33, 766〜3771 (1994年)、並び にRoberts E.S., Hopkins N.E., Zaluzec E.J., Gage D.A., Alworth W.L.およ びHollenberg P.F.の「9−エチニルフェナントレンによるシトクロムP450
2B1の機構に基づく失活」、Arch. Biochem. Biophys., 323, 295〜302 (1995
年))。
【0015】 BGおよびその誘導体によるP450 3A4の阻害または不活性化は、腸の P450 3A4により広く代謝されることが知られている幾つかの臨床上使用 される薬剤の生体利用性に対するグレープフルーツジュースの効果を理解するの
に重要であるが、本発明者らはさらにBGが他のヒトP450の活性を阻害する
かどうかについても調べた。BGが1A2、2A6、2C9、2C19、2D6
および2E1を含む幾つかのヒトP450の活性を阻害することがわかった。グ
レープフルーツジュースの効果は主に腸のレベルで現れるため、各P450酵素
の効果への寄与は腸内のその発現レベルに依存する。P450 3A4は最も豊 富な腸内P450酵素であり、1A、2A、2C、2Dおよび2Eのような他の
P450は腸内であまり発現しない(Watkinsの上記文献(1987年)、並びにPete
rs W.H.M.およびKremers P.G.の「ヒト腸粘膜のシトクロムP450」、Biochem
. Pharmacol., 38, 1535〜1538 (1989年))。本発明者らはBGおよびその誘導 体が腸内であまり吸収されず、または広く代謝されるため、それらは肝P450
を不活性化または阻害する機会が少ないのではないかと考えている。
【0016】 ある種の臨床上使用される薬剤はP450 3A4により広く代謝されるため 、その経口生体利用性は比較的低い(Bertz R.J.およびGranneman R.のClin. Ph
armacokinet 32, 210〜258 (1997年))。表2は種々の臨床上使用される薬剤の 代謝分および経口生体利用性を示す。したがって、これらの薬剤の不十分な吸収
は腸P450 3A4による初回の通過代謝が一因である。幾つかのこれらの薬 剤の経口生体利用性はグレープフルーツジュースと共に同時投与することにより
有意に増加することがわかっている。本発明者らはこれらの薬剤の経口生体利用
性がグレープフルーツジュース中の主要なフラノクマリンであるBGを配合また
は同時投与することにより増大することを見い出した。 腸P450 3A4の発現レベルは個体間で有意に異なるため、薬剤代謝およ び薬剤効果の個体間変動に寄与する主要な要因の一つであると考えられている。
本発明者らはさらに、このような変動がBGの同時投与による腸P450 3A 4の失活により減少することを見い出した。
【0017】 不十分な生体利用性を有する臨床上使用される薬剤の例を下記に示す:シクロ
スポリンおよびタクロリマスは臓器移植および所定の自己免疫疾患の治療におい
て使用される強力な免疫抑制剤である。ラパマイシンは移植や自己免疫疾患の治
療に使用するための臨床段階に入っている。これらの薬剤はすべてP450 3 A4により広く代謝されることがわかっている。シクロスポリン、タクロリマス
およびラパマイシンはその吸収が不十分であり、それぞれ15%〜30%、15
%〜20%および10%〜20%の経口生体利用性を有する。HIVプロテアー
ゼ阻害剤のサキナビルは吸収が非常に悪く、その経口生体利用性は1%〜9%で
ある。P450 3A4はサキナビルの代謝を担う主要な酵素であることがわか っている。インジナビルおよびリトナビルのような他のHIVプロテアーゼ阻害
剤もまた、主としてP450 3A4により代謝され、比較的低い経口生体利用 性を有する。カルシウムチャンネル遮断剤として使用される幾つかのジヒドロピ
リジン、例えばフェロジピン、イスラジピン、ニフェジピン、ニモジピンおよび
ニソルジピンは主としてP450 3A4により代謝される。これらの不十分な 経口生体利用性(5%〜20%)は主として初回通過代謝によることがわかって
いる。幾つかのジヒドロピリジンの経口生体利用性はグレープフルーツジュース
を同時投与することにより増加することがわかっている。抗高脂肪血症および抗
高コレステロール血症剤のアトルバスタチンは主としてP450 3A4により 代謝される。その経口生体利用性は僅か14%〜30%である。これらの薬剤は
すべて、その経口生体利用性を高めるためにBGと組み合わせて患者に投与する
ことができる。さらに、表2に記載した他の薬剤もまたBGと組み合わせてその
経口生体利用性を高めることができる。
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】 グレープフルーツジュース中のBGおよびその誘導体の確認: グレープフルーツジュースの酢酸エチル抽出物中の幾つかの成分を「方法およ
び物質」の項に記載の条件下でHPLCにより分離した(図1)。LC−MS/
MSによる成分ピークの構造分析の結果、保持時間が26分のピークはBGであ
ることがわかった(図1)。生成物イオンスペクトルおよびHPLC保持時間は
本物の基準試料が示すものと同じであった(図2)。m/z 203の主力のフ ラグメントイオンは5−ヒドロキシプソラレン部分に相当し、その後CO、CO 2 およびC222を失ってそれぞれm/z 174、159および147のフラ グメントイオンになる。m/z 137のフラグメントイオンは残りの側鎖に相 当する。図1を見てわかるように、グレープフルーツジュース中に少なくとも5
種の一酸素化BG生成物が存在する。それらの仮の構造式を図3に示す。グレー
プフルーツジュース中に少なくとも2種の主要なジヒドロキシル化BG生成物が
存在する。13分で溶出する成分は6′,7′−ジヒドロキシベルガモッチンと 同じ生成物イオンスペクトルおよびHPLC保持時間を示した(図4参照)。2
4分で溶出する成分のm/z 340のプロトン化分子イオンは衝突解離(CI D)によりフラグメント化してm/z 168の主要な生成物イオンを与えた。 このことはこの成分がBGの誘導体ではないことを示唆している。BGそれ自体
はグレープフルーツジュースの酢酸エチル抽出物のLC/UV測定において主な
フラノクマリンとして現れる。さらに、BGはC18カラムとしっかり結合する
ために、グレープフルーツジュース中の6′,7′−ジヒドロキシベルガモッチ ンを確認するのに以前使用された条件(Edwardsの上記文献(1996年))の60%
メタノールではカラムから溶離できないことがわかった。 オレンジジュースの酢酸エチル抽出物のLC/UV分析はオレンジジュース中
に検出可能なBGが存在しないことを示した。
【0021】 P450 3A4の失活: P450 3A4をBGと共に再構成系中でインキュベートした結果、テスト ステロン6β−ヒドロキシル化活性の90%が失われた(表3)。また、P45
0活性の約60%が再構成系中、NADPHの不存在下で阻害された(表2)。
しかしながら、テストステロン6β−ヒドロキシル化活性の測定において試料を
20倍に希釈した時でさえ、それらはまだ2.5μMのBGを含有した。この濃度
のBGは別の実験でP450 3A4活性を約55%阻害することがわかった。 さらに、還元型−COスペクトルにより測定されるP450含量はP450 3 A4をBGと共にNADPHの存在下で15分間インキュベートした後約40%
減少した(表3)。CO−還元型P450差スペクトルにおいて400〜500
nmの範囲で420nmのピーク生成または450nmのピークの代わりの他の吸収は
なかった(図5)。BGが不活性化したP450 3A4についての完全スペク トルの最大吸収は425nmであった。それはNADPHの存在下でBGなしのP
450 3A4と比較して長波長側に約2nmシフトした。ヘム分解の形跡はなか った;しかしながら、BGが不活性化したP450 3A4の最大の吸収を僅か に増大した(図5)。参照として−NADPH/+BG試料を使用した場合、P
450含量もまた同程度まで減少した。この方法はインキュベーション中に内因
的に発生したCOによるP450測定の干渉を減少すると考えられる(Correia
M.A., Decker C., Sugiyama K., Underwocod M., Bornheim L., Wrighton S.A.,
Rettie A.E.およびTrager W.F.の「3,5−ジカルボエトキシ−2,6−ジメチ ル−4−エチル−1,4−ジヒドロピリジンによりラット肝シトクロムP450 ヘムを分解して不可逆的に結合したタンパク質付加物を得る」、Arch. Biochem.
Biophys., 258, 436〜451 (1987年))。
【0022】 BGが不活性化したP450 3A4のHPLC分析: 図6を見てわかるように、BGにより失活したP450 3A4を含有する試 料を多孔質カラム(Poros column)における逆相HPLCにより分析した結果、
アポP450 3A4の量が選択的に約50%減少した。−NADPH対照と比 較して100%近くのレダクターゼおよびシトクロムb5タンパク質をカラムか ら回収した。BGが不活性化したP450 3A4を含有する試料から約90% のヘムを回収した。このことはスペクトル分析で得られた結果と一致する。これ
らのHPLC条件下で変性ヘムのピークは検出されなかった。
【0023】 BGによるP450の時間および濃度依存型失活: 図7を見てわかるように、再構成系におけるBGが関与するP450 3A4 の失活はBGの代謝を必要とするだけでなく、時間と温度にも依存する。失活は
時間に関して疑似一次反応を示した。図7のデータの一次回帰分析により失活の
初期速度定数(Kobs)を求めた。Kobs値とBG濃度の二重−逆プロットから失
活の最大速度定数(K失活)0.3/分および半最大失活に必要な不活性化物質 の濃度(KI)7.7μMを得た(Walshの上記文献(1984年))。プレインキュベ ーションなしの試料についても濃度に依存する阻害が観察された。これは表3の
−NADPH/+BG試料で得られた結果と一致した。
【0024】 BGが仲介する失活におけるα−ナファトフラボンの効果: α−ナファトフラボンはP450 3A4による幾つかの基質の代謝を刺激す ることが報告されている(Uengの上記文献(1997年))。そのため、それがBG の反応性代謝物質の生成を増大させ、P450 3A4の失活を促進するかどう かを調べてみた。α−ナファトフラボンはBGが関与するP450 3A4の失 活の効力を変えなかった。最終濃度が6〜50μMのα−ナファトフラボンを反 応混合物中で同時にインキュベートした場合、3A4のテストステロン6β−ヒ
ドロキシル化活性は2μMのBGにより約55%失活した。溶解度が制限される ため、より高い濃度のα−ナファトフラボンは使用しなかった。
【0025】 BGによるヒト肝ミクロソームP450酵素の阻害: 図8を見てわかるように、ヒト肝ミクロソームのP450 1A2、2A6、 2C9、2D6、2E1および3A4活性はBGにより阻害された。P450 1A2、2A6、2C9、2D6、2E1および3A4のIC50値はそれぞれ約
X、X、2.4、3.0、3.9および4.6μMであった。2および20μMのBG
により、それぞれ約71%および100%のP450 2C19活性が阻害され た。
【0026】
【表4】
【0027】 本発明の化合物は様々な経口投与形態で製造し、投与することができる。 本発明の化合物から医薬組成物を製造する場合、薬学的に許容しうる担体は固
体または液体である。固形製剤には散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、
坐剤および分散性顆粒剤が含まれる。固体状担体は希釈剤、芳香剤、結合剤、保
存剤、錠剤崩壊剤または封入物質としても作用する一種または二種以上の物質で
あってよい。 散剤において、担体は微細な活性成分と混合される微粉固体である。 錠剤において、活性成分は必要な結合性を有する担体と適当な割合で混合され
、所望の形状および大きさに圧縮される。
【0028】 散剤および錠剤は好ましくは5または10〜約70%の活性化合物を含有する
。適当な担体は炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラ
クトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチ
ルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、低融点ろう、カカオ脂
などである。「製剤」なる用語は、活性成分が他の担体と共にまたはそれなしで
担体により囲まれている、すなわち担体と会合しているカプセル剤を与えるよう
な、担体として封入物質を用いた活性化合物の製剤を包含することを企図してい
る。同様に、カシェ剤およびトローチ剤もまた包含される。錠剤、散剤、カプセ
ル剤、丸剤、カシェ剤およびトローチ剤は経口投与に適した固体投与形態として
使用することができる。
【0029】 坐剤の製造では、最初に低融点ろう、例えば脂肪酸グリセリド混合物またはカ
カオ脂を溶融し、そして活性成分を撹拌などによりその中に均質に分散させる。 次に、溶融した均質混合物を好ましい大きさの金型に注ぎ、冷却して固化する。 液状製剤には液剤、懸濁剤および乳剤、例えば水溶液またはプロピレングリコ
ール水溶液が含まれる。 経口使用に適した水性液剤は活性成分を水に溶解し、適当な着色剤、芳香剤、
安定剤および増粘剤を所望により加えて製造することができる。
【0030】 経口使用に適した水性懸濁剤は微細な活性成分を粘稠物質、例えば天然または
合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、
および他のよく知られている懸濁化剤と一緒に水中に分散させて製造することが
できる。 使用する直前に経口投与用液状製剤に変えることができる固形製剤もまた包含
される。このような液状形態には溶液、懸濁液および乳濁液が含まれる。これら
の製剤は活性成分の他に着色剤、芳香剤、安定剤、緩衝剤、人工および天然の甘
味剤、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含有することができる。
【0031】 医薬製剤は好ましくは単位投与形態である。このような形態において、製剤は
適当な量の活性成分を含有する単位投与量に小分けされる。単位投与形態は別々
の量の製剤を含有するパッケージ製剤、例えば小包錠剤、カプセル剤、およびバ
イアルまたはアンプル中の散剤であってよい。また、単位投与形態はカプセル剤
、錠剤、カシェ剤またはトローチ剤そのもの、あるいはこれらの何れかが適当な
数包装された形態であってよい。 単位投与製剤中における活性成分の量は、特定の用途および活性成分の効力に
応じて0.1mg〜100mg、好ましくは0.5mg〜20mgに変動し、または調整す
ることができる。さらに、本組成物は所望により他の相容性治療剤を含有するこ
とができる。
【0032】 治療的用途において、本発明の薬学的方法で使用される化合物は1日あたり約
0.01mg〜約1mgのBG/kgの初期投与量で投与される。1日あたりのBGの 投与量は約0.01mg〜約0.1mg/kgが好ましい。BGと組み合わせる本発明の
化合物の適当な治療的投与量は当業者に知られている。しかしながら、その投与
量は患者の要求、治療する症状の程度、および使用する化合物に応じて変わる。
特定の状況における適当な投与量の決定は当業者に委ねられている。一般に、治
療は化合物の最適量よりも少ない投与量で開始される。その後、投与量はその状
況下で最適な効果が得られるまで少しずつ増やされる。好都合には、1日の全投
与量を所望により分割して1日に複数回投与することができる。 次の実施例により本発明の化合物を製造するための好ましい方法を詳しく説明
するが、本発明はこれらに制限されない。
【0033】
【実施例】
物質および方法 化学物質:NADPH、L−α−ジラウロイル−およびL−α−ジオレイル−S
n−グリセロ−3−ホスホコリン、ホスファチジルセリン、カタラーゼ、GSH
、δ−アミノレブリン酸塩酸塩、テストステロン、6β−および11β−ヒドロ
キシテストステロン、クロルゾキサゾン、クマリン、トルブタミドはシグマ化学
社から購入した。7−ヒドロキシクマリン(ウンベリフェロン)はアルドリッチ
社から入手した。4−ヒドロキシメチルトルブタミド、6−ヒドロキシクロルゾ
キサゾン、4′−ヒドロキシメフェニトイン、ラセミ形ブフロロールおよび1′
−ヒドロキシブフロロールはゲンテスト社から入手した。イソプロピルβ−D−
チオガラクトシドはカルビオケム社から購入した。(S)−メフェニトインはW.
F. Trager博士(ワシントン大学)から贈られた。ベルガモッチンはインドフィ ン化学社から購入した。
【0034】 実施例1 グレープフルーツジュース中のBGおよびその誘導体のLC−MS/MSによる
確認 半分にしたフロリダ産ホワイトグレープフルーツまたはオレンジをそれぞれ手
で絞ってグレープフルーツジュースまたはオレンジジュースを作った。ジュース
を酢酸エチルで抽出し、乾燥した抽出物を分析用のHPLC緩衝液に溶解した。
各成分のLC/MSによる確認はクアトロ(Quattro)II三重四重極質量分析計 (マイクロマス社製)を使用して行った。試料の導入およびイオン化はエレクト
ロスプレーイオン化(ESI)により陽イオンモード(30Vのコーン電圧)で
行った。スキャンデータはマイクロマスマスリンクス(Micromass Masslynx)N
Tデータシステム(バージョン2.22)の制御下で得た。グレープフルーツジ ュースの成分は200μl/分の流量で100mMの酢酸(A)およびアセトニト リル(B)を使用して30%のBで5分間、次に30%〜70%のBで25分間
グラジエント溶離するC18カラム(5μm、2.1×150のゾルバックス(Zo
rbax)XDB)上のHPLCにより分離した。分子量の測定は1.0秒/10の スキャン速度で100〜500amuの質量範囲にわたる質量スペクトルを得るこ とにより行った。分子構造の測定は1.0秒/10のスキャン速度でMS/MS 生成物イオンをスキャニングすることにより行った。衝突活性化は2.0×10- 3 トルの表示ガスのセル圧および20eVの衝突エネルギーでアルゴンを使用して 行った。
【0035】 実施例2 P450 3A4の発現および発現した酵素の精製 pCWベクターに移入された全長P450 3A4 cDNA(5′−末端のコ
ドン3−12の欠失を除く)はR.W. Estabrook博士(テキサス大学南西メディカ
ルセンター)から入手した。ベクターを含有するP450 3A4はMV130 4細胞に形質転換した。形質転換した大腸菌の増殖は変性テリフィックブロス(
Terrific Broth)中で行い、1mMのイソプロピルβ−D−チオガラクトシドを加
えてP450 A4の発現を誘発した。δ−アミノレブリン酸(0.5mM)を加え
てヘムの合成を促進した。細菌細胞をリゾチームで処理した後音波処理により膜
分画を調製し、細菌細胞ホモジネートから分画遠心により単離した。前記のよう
にしてP450 3A4を界面活性剤で溶解した膜からDE52カラム上のクロ マトグラフィーにより精製して均質にした(Gillam E.M., Baba T., Kim B.R.,
Ohmori S.およびGuengerich F.P.の「大腸菌の変更したヒトシトクロムP450
3A4の発現と酵素の精製および再構成」、Arch. Biochem. Biophys., 305, 1
23〜131 (1993年))。
【0036】 実施例3 NADPH−シトクロムP450レダクターゼおよびシトクロムb5の単離 NADPH−シトクロムP450レダクターゼおよびシトクロムb5をフェノ バルビタールで処理したロング−エバンス(Long-Evans)ラットの肝ミクロソー
ムから前記の方法により精製した(Waxman D.J.およびWalsh C.の「フェノバル ビタールが誘発するラット肝シトクロムP450」、J. Biol. Chem., 257, 104
46〜10457 (1982年);Omura T.およびSato R.の「肝ミクロソームの一酸化炭素 結合色素」、J. Biol. Chem., 239, 2370〜2378 (1964年))。
【0037】 実施例4 再構成系におけるBGが仲介するP450 3A4の失活 P450 3A4(0.5ナノモル)を最終容量が1mlの50mMヘペス緩衝液(
pH7.5)中でL−α−ジラウロイル−およびL−α−ジオレイル−sn−グリ セロ−3−ホスホコリンとホスファチジルセリンの混合物(1:1:1、20μ
g)、200μgのコール酸、1ナノモルのNADPHレダクターゼ、0.5ナノ モルのシトクロムb5、500Uのカタラーゼ、2μモルのGSH、30mMのM gCl2、0.5mMのEDTA、および20%のグリセロールと共に再構成した。
様々な濃度のBGを用いた反応は1mMのNADPHを加えて開始し、氷上で停止
させた。インキュベーションを37℃で表示した時間行った。インキュベーショ
ンの終了後、0.2mlのインキュベーション混合物を20%グリセロールおよび 0.5mMのEDTAを含有する0.8mlの50mMヘペス緩衝液(pH7.5)で希釈 した。スプリットビームモードのDW2−OLIS分光光度計において基準とし
て希釈緩衝液を使用して330〜700nmのスペクトルを記録した。0.25ml の試料を使用してOmuraおよびSatoの方法(OmuraおよびSatoの上記文献(1964年
))によりP450含量を測定した。別の試料を採取してテストステロン6β− ヒドロキシル化活性の測定およびHPLC分析を行った。
【0038】 実施例5 テストステロン6β−ヒドロキシル化活性の測定 所定量(0.05ml)のインキュベーション混合物を最終容量が1mlの50mMヘ
ペス緩衝液(pH7.5)中における200μMのテストステロン、500Uのカタ
ラーゼ、2ミクロモルのGSH、30mMのMgCl2、0.5mMのEDTAおよび
20%グリセロールを含有する0.95mlの50mMヘペス緩衝液(pH7.5)で希
釈し、37℃で10分間インキュベートした。6β−ヒドロキシテストステロン
を1ml/分の流量で65%メタノールの移動相を使用してイソクラティク溶離す
るC18カラム(マイクロソルブ(Microsorb)−MV、5μm、4.6×15cm 、Rainin、Woburn)上のHPLCにより測定し、溶出液をUV検出により254
nmでモニターした。
【0039】 実施例6 BGが不活性化したP450 3A4のHPLC分析 P450 3A4を上記のような再構成系中で50μMのBGと一緒に10分間
インキュベートした後、200μlの反応混合物を前記のように多孔質カラムで 直接分析した(Roberts E.S., Hopkins N.E., Alworth D.A.およびHellenberg P
.F.の「2−エチニルナフタレンによるシトクロムP450 2B1の機構に基づ
く失活:活性部位ペプチドの確認」、Chem. Res. Toxicol., 6, 470〜479 (1993
年))。溶出液をUV検出により14、310および405nmで同時にモニター した。
【0040】 実施例7 BGによるヒト肝ミクロソームP450酵素活性の阻害 ヒト肝組織はシカゴ大学LTPADS(肝臓移植の斡旋および分配サービス、
ミネソタ大学、ミネアポリス、MN)、ヒューマンバイオロジックス社(フェニ
ックス、AZ)および国際科学振興学会(エキストン、PA)から入手した。肝
ミクロソームを分画遠心により調製した。カフェインのN3−脱メチル化(Tass
aneeyakul W., Mohammed Z., Birkett D.J., McManus M.E., Veronese M.E., Tu
key R.H., Quattrochi L.C., Gonzalez F.J.およびMiners J.O.の「ヒトシトク ロムP450のプローブとしてのカフェイン:cDNA−発現、免疫阻害、ミク
ロソーム動力学および阻害剤技術を使用する確認」、薬理遺伝学、2, 173〜183
(1992年))、クマリンの7−ヒドロキシル化(Fentem J.H.およびFry J.R.の「 ラット、アレチネズミおよびヒト肝ミクロソームによるクマリンの代謝」、生体
異物、22, 357〜367 (1992年))、トルブタミドのヒドロキシル化(Miners J.O.
, Smith K.J., Robson R.A., McManus M.E., Veronese M.E.およびBirkett D.J.
の「ヒト肝ミクロソームによるトルブタミドのヒドロキシル化:動力学の特徴お
よび生体異物酸化に依存する他のシトクロムP−450との関係」、Biochem. P
harmacol., 37, 1137〜1144 (1988年))、ラセミブフロロールの1′−ヒドロキ
シル化(Kronbach T., Mathys D., Gut J., Catin T.およびMeyer U.A.の「ヒト
肝のミクロソーム中のブフロロール1′−ヒドロキシラーゼ、デブリソキン4−
ヒドロキシラーゼおよびデキストロメトルファンo−デエチラーゼについての高
速液体クロマトグラフィー分析と精製シトクロムP−450アイソザイム」、An
al. Biochem., 162, 24〜32 (1987年))、クロルゾキサゾンの6−ヒドロキシル
化(Peter R., Bocker R., Beaune P.H., Iwasaki M., Guengerich F.P.およびY
ang C.S.の「ヒト肝シトクロムP−450IIEIの特異的プローブとしてのクロ
ルゾキサゾンのヒドロキシル化」、Chem. Res. Toxicol., 3, 566〜573 (1990年
))、およびテストステロンの6β−ヒドロキシル化(Sonderfan A.J., Arlotto
M.P., Dutton D.R., McMillen S.K.およびParkinson A.の「ラット肝ミクロソ ームのシトクロムP−450によるテストステロンのヒドロキシル化の調節」、
Arch. Biochem. Biophys., 255, 27〜41.4 (1987年))を使用してそれぞれP4 50 1A2、2A6、2C9、2D6、2E1および3A4の活性を測定した 。プールしたヒト肝ミクロソーム(N=6、0.1〜1mgのタンパク質/ml)を BG(1、10および100μM)と一緒に最終容量が0.5mlの0.1mMリン酸 塩緩衝液(pH7.5)中における相当するプローブ基質、すなわち100μMのカ
フェイン、4μMのクマリン、100μMのトルブタミド、10μMのブフロロー ル、40μMのクロルゾキサゾン、および50μMのテストステロンの存在下、3
7℃でそれぞれ適当な時間インキュベートした。反応は1mMのNADPHを加え
て開始し、氷で停止させた。(S)−メフェニトインの4′−ヒドロキシル化を
使用してP450 2C19活性を測定した(Meier U.T., Kronbach T.およびMe
yer U.A.の「ヒト肝ミクロソームのメフェニトイン代謝の高速液体クロマトグラ
フィー分析」、Anal. Biochem., 151, 286〜291 (1985年))。(S)−メフェニ
トイン(50mM)を0.2、2および20μMのBGの存在下、それぞれ最終容量
が0.125mlのプールしたヒト肝ミクロソームと一緒にインキュベートした。 LC−MS/MSを使用して4′−ヒドロキシメフェニトイン濃度を測定した。
実験の対照試料はBGを含まない全インキュベーション成分からなっていた。
【図面の簡単な説明】
【図1A】 グレープフルーツジュース抽出物の逆相HPLC図を示す。溶出液をUV検出
により310nmでモニターした。
【図1B】 BG〔M+H〕+ m/z 339について再構成されたイオンクロマトグラム である。
【図1C】 モノヒドロキシル化BG〔M+H〕+ m/z 355について再構成されたイ オンクロマトグラムである。
【図1D】 ビスヒドロキシル化BG〔M+H〕+ m/z 373について再構成されたイ オンクロマトグラムである。
【図2】 〔M+H〕+ m/z 339のBGの生成物イオンMS/MSスペクトルであ る。
【図3A】 〔M+H〕+ m/z 355のモノヒドロキシル化BG代謝物の生成物イオン MS/MSスペクトルである〔12.9分(相対強度39%)〕。
【図3B】 〔M+H〕+ m/z 355のモノヒドロキシル化BG代謝物の生成物イオン MS/MSスペクトルである〔17.7分(6%)〕。
【図3C】 〔M+H〕+ m/z 355のモノヒドロキシル化BG代謝物の生成物イオン MS/MSスペクトルである〔18.1分(11%)〕。
【図3D】 〔M+H〕+ m/z 355のモノヒドロキシル化BG代謝物の生成物イオン MS/MSスペクトルである〔19.6分(7%)〕。
【図3E】 〔M+H〕+ m/z 355のモノヒドロキシル化BG代謝物の生成物イオン MS/MSスペクトルである〔24.1分(37%)〕。
【図4A】 〔M+H〕+ m/z 373のビスヒドロキシル化BGの生成物イオンMS/ MSスペクトルである(12.9分)。
【図4B】 〔M+H〕+ m/z 373のビスヒドロキシル化BGの生成物イオンMS/ MSスペクトルである(15.9分)。
【図5】 BGと一緒にNADPHの存在下(−)、BGと一緒にNADPHの不存在下
(-・-)、そしてBGなしでNADPHの存在下(---)、それぞれインキュベー
トした再構成P450 3A4反応混合物の還元型−一酸化炭素差スペクトル( 上部パネル)およびUV−可視スペクトル(下部パネル)である。
【図6A】 50μMのBGと一緒にNADPHの存在下(−)または不存在下(---)でイ ンキュベートした後のP450 3A4再構成系のHPLC図であり、溶出液を 214nmでモニターしたものを示す。ピークA、BおよびCはそれぞれP45
0−NADPHレダクターゼ、シトクロムb5およびP450 3A4を示す。
【図6B】 溶出液を405nmでモニターしたHPLC図を示す。
【図7】 再構成系におけるBGによるP450 3A4のテストステロン6β−ヒドロ キシル化活性の時間および濃度依存型阻害を示す。プレインキュベーション試料
中のBG濃度はそれぞれ0μM(□)、5μM(◇)、10μM(○)、25μM(
△)、50μM(▽)および100μM(×)である。
【図8】 BGによるヒト肝ミクロソーム中のP450 1A2( )、2A6(◇)、2
C9(□)、2D6(△)、2E1(×)および3A4(○)の活性の阻害を示
す。
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Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低い経口生体利用性を有する化合物をベルガモッチンと組み
    合わせて患者に投与することからなる該化合物の腸の酵素代謝を阻害する方法。
  2. 【請求項2】 シトクロムP450 3A4腸代謝を阻害する請求項1記載 の方法。
  3. 【請求項3】 腸の酵素代謝の阻害が化合物の経口生体利用性を高める請求
    項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 化合物の経口生体利用性が50%未満である請求項1記載の
    方法。
  5. 【請求項5】 化合物の経口生体利用性が30%未満である請求項4記載の
    方法。
  6. 【請求項6】 化合物はシクロスポリン、タクロリマス(FK506)、シ
    ロリマス(ラパマイシン)、インジナビル、リトナビル、サキナビル、フェロジ
    ピン、イスラジピン、ニカルジピン、ニソルジピン、ニモジピン、ニトレンジピ
    ン、ニフェジピン、ベラパミル、エトポシド、タモキシフェン、ビンブラスチン
    、ビンリスチン、タキソール、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチ
    ン、プラバスタチン、シンバスタチン、テルフェナジン、ロラタジン、アステミ
    ゾール、アルフェンタニル、カルバマゼピン、アジスロマイシン、クラリスロマ
    イシン、エリスロマイシン、イトラコナゾール、リファブチン、リドカイン、シ
    スアプリド、セルトラリン、ピモジド、トリアゾラム、ミダゾラム、テストステ
    ロン、メドロキシプロゲステロンおよびエルゴタミンからなる群より選択される
    請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 ベルガモッチンと組み合わせた低い生体利用性を有する化合
    物を少なくとも1種の不活性な薬学的に許容しうる賦形剤、希釈剤または担体と
    混合して含有する医薬組成物。
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