JP2001508641A - カチオン性の、アクリル酸エステルポリマー、アルキル置換アクリル酸エステルポリマー及びこれ等に対応するアクリルアミドポリマーを用いた合成トランスフェクション又はブロッキングシステム - Google Patents

カチオン性の、アクリル酸エステルポリマー、アルキル置換アクリル酸エステルポリマー及びこれ等に対応するアクリルアミドポリマーを用いた合成トランスフェクション又はブロッキングシステム

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、カチオン性且つ水に対して可溶性又は分散性の、アクリル酸エステルポリマー、アクリルアミドポリマー、C1-6アルキル置換アクリル酸エステルポリマー及びC1-6アルキル置換アクリルアミドポリマーからなる群より選ばれる少なくとも一つのポリマーを含む、合成トランスフェクション又はブロッキングシステムに関する。更に本発明は、DNA断片と、アクリル酸エステルポリマー、アクリルアミドポリマー、C1-6アルキル置換アクリル酸エステルポリマー及びC1-6アルキル置換アクリルアミドポリマーからなる群より選ばれる少なくとも一つのポリマーであって、カチオン性置換基により少なくとも部分的に置換されているポリマーとを接触させることによりトランスフェクションシステムを得、続いて、得られたトランスフェクションシステムを標的細胞と接触せしめることを特徴とする、DNA断片を標的細胞に導入するための方法に関する。また、更に、本発明は、アクリル酸エステルポリマー、アクリルアミドポリマー、C1-6アルキル置換アクリル酸エステルポリマー及びC1-6アルキル置換アクリルアミドポリマーからなる群より選ばれる少なくとも一つのポリマーであって、カチオン性置換基によって少なくとも部分的に置換されているポリマーのDNAのキャリアーとしての使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 カチオン性の、アクリル酸エステルポリマー、アルキル置換アクリル酸エステル ポリマー及びこれ等に対応するアクリルアミドポリマーを用いた合成トランスフ ェクション又はブロッキングシステム 本発明は、細胞、特に生体内の細胞への遺伝子構造体やDNA断片の運搬に有用 な合成トランスフェクション又はブロッキングシステムに関する。更に詳細には 、本発明は、様々な変性や様々な物性の調整が可能なカチオン性ポリマーを用い た、様々な条件に対応可能であり、遺伝子治療等に用いることができるDNA又は 遺伝子運搬システムに関する。 遺伝子治療は、遺伝子欠陥、またはガンやAIDSのような致命的疾患の治療 法として有望な方法である。遺伝子治療においては、標的細胞に、欠損遺伝子の 代わりとなる遺伝子を移入するため、または新規な形質を導入するために、核酸 の断片又は遺伝子構造体(gene construct)を標的細胞に移入する。このような 核酸の断片又は遺伝子の構造体は、プラスミドに組み込まれていることが好まし い。 組換えプラスミドをそのままの形で生体に導入した場合、一般的に、導入遺伝 子が発現されないこともあり、また、発現が認められても発現率は非常に低い。 このような低い発現率の原因として以下の3つの理由が知られている。第1の理 由として、プラスミドは生体の有する分解及び排除機能により、意図した細胞集 団に到達しない。第2の理由として、プラスミドが標的細胞に到達した場合も、 プラスミドの有する強い極性及び大きさのために、プラスミドは細胞膜を透過す ることができない。第3の理由として、もしプラスミドが標的細胞に侵入したと しても、通常、プラスミドは、後にリソソームとなるエンドソームに取り込まれ る。プラスミドはリソソーム内で分解されるため、組み込まれた遺伝子は発現す ることができない。 上記の理由から、遺伝子治療において、プラスミド又はその他の遺伝子構造体 はキャリアー又はビークル(vehicle)と共に用いられる。 近年、ウイルス由来及び非ウイルス由来(カチオン性脂質やカチオン性ポリマ ー)の適切と考えられるトランスフェクションシステムを開発するための研究が 盛んに行われている。そのようなトランスフェクションシステムが開発されれば 、これにより所望の遺伝子やDNA断片を標的細胞まで運搬し、高い効率で発現さ せることが可能になる。 ウイルスのベクターは、本質的にプラスミドを標的細胞に導入し、プラスミド の分解あるいはエンドソームのリソソームへの転換を防ぐ性質を有しているため 、トランスフェクションに適している。しかし、一般によく知られているように 、ウイルスのベクターは多くの問題点を有している。ウイルス のベクターを用いると、導入した遺伝子は標的細胞の染色体に組み込まれる。し かし、この遣伝子の組み込みが生じる染色体上の位置を予測又は制御することは (現状では)不可能であり、場合によっては、必須な遺伝子の破壊やガン遺伝子 の活性化を起こすという危険性を伴う。又、ウイルスのベクターは工業規模での 生産が難しい。更に、一般的にウイルスのベクターは生物の免疫反応を誘発する ため、生体内で用いた場合、トランスフェクションシステムに対して免疫応答が 生じる。ウイルスのベクターを用いて標的細胞に導入可能な遺伝子構造体の大き さに限界があるという問題点もある。 このようなウイルスのベクターが本質的に有する問題点を克服するために、合 成トランスフェクションシステムに関する研究が行われてきた。 そのような研究の例として、E.Wagnerらによるプラスミド−ポリリジン複合 体を用いた遺伝子運搬に関する研究が挙げられる[Curiel et al、Adenovirus E nhancement of Transferrin-Polylysine-Mediated Gene Delivery,Proc.Natl .Acad.Sci.88(1991)8850-8854;Plank et al.,Gene Transfer into Hepa tocytes Using Asialoglycoprotein Receptor Mediated Endocytosis of DNA Co mplexed with an Artificial Tetra-Antennary Galactose Ligand,Bioconj.Ch em.3(1992)533-539;Wagner et al.、Influenza Virus Hemagglutin HA2N- Terminal Fusogenic Peptides Augment Gene Transfer by Transferrin-Polylys ine-DNA Compleses:Toward a Synthetic Virus-like Gene-Transfer Vehicle, Proc.Natl.Acad.Sci.89(1992)7934-7938;及びCuriel et al.,Gene Tran sfer to Respiratory Epithelial Cells via the Receptor Mediated Endocytos is Pathway,Am.J.Respir.Cell Mol.Biol.6(1992)247-252]。ある種の 細胞系を用いて、プラスミド−ポリリジン複合体の遺伝子移入能について試験し た結果、少なくとも幾ばくかの遺伝子発現が認められた。更に、トランスフェリ ンがプラスミド−ポリリジン複合体に結合することにより、発現効率がかなり増 加することが判明した。トランスフェリンは、トランスフェリンレセプターを有 する細胞と複合体との接触を密なものとする。即ち、トランスフェリンは複合体 全体をトランスフェリンレセプターに結合する。従って、上記の試験においては 、少なくとも複合体の一部分がトランスフェクションに用いられた細胞に組み込 まれていることがわかった。 しかしながら、ポリリジンを用いるトランスフェクションシステムや他の公知 の合成トランスフェクションシステムにおけるトランスフェクション効率は、公 知のウィルスベクターを用いた際の効率よりも遥かに低い。 本発明の目的は、有効かつ効率的な合成トランスフェクション又はブロッキン グシステムを提供することである。DN A、例えば遺伝子構造体を組み込んだプラスミド、と結合してDNAを濃縮するた めのキャリアーシステムは、生理的pH値において陽性に荷電されている必要が ある。 本発明者らは、カチオン性置換基を含むアクリル酸エステルポリマー、アクリ ルアミドポリマー、C1-6アルキル置換アクリル酸エステルポリマー及び/又は C1-6アルキル置換アクリルアミドポリマーを用いることにより、上記システム の調製が可能であることを知見した。具体的には、本発明は、水に対して可溶性 又は分散性の、アクリル酸エステルポリマー、アクリルアミドポリマー、低級ア ルキル置換アクリル酸エステルポリマー及び低級アルキル置換アクリルアミドポ リマーからなる群より選ばれる少なくとも一つのポリマーであって、カチオン性 有機置換基がアクリル酸エステルポリマー又はアルキル置換アクリル酸エステル ポリマーの骨格、もしくは対応するアクリルアミドポリマーの骨格に結合してい るポリマーを用いたトランスフェクションシステムに関するものである。本発明 において、「低級アルキル」は、C1〜C6アルキル基、好ましくはC1〜C4アル キル基を意味する。 本発明のシステムに用いるポリマーは、基本的に-[-CH2-C(R1)(COOR2)-]n-で 表される構成単位からなる骨格を有し、ポリマー中のR1は同一であっても異な ってもよく、R1は水素原子あるいは直鎖状又は分岐状C1-6アルキル基を表し、 R2は同一であっても異なってもよく、ポリマーの 総電荷が、少なくとも5モル%のカチオン性置換基の電荷に対応するように選択 される。 「ポリマーの総電荷が、少なくとも5モル%のカチオン性置換基の電荷に対応 する」とは、生理的条件下において、カチオン性置換基を有さない構成単位が中 性の場合には、少なくとも5モル%の構成単位がカチオン性置換基を有すること を意味し、又、Xモル%のカチオン性置換基を有さない構成単位がアニオン性置 換基を有する場合には、少なくとも(5+X)モル%の構成単位がカチオン性置 換基を有することを意味する。R2が生理的条件下でカチオンとならない置換基 の場合は、R2は、水素原子、アリール基、グリコール基、直鎖状又は分岐状C1 -6 アルキル基等から選択することができ、これらの置換基はハロゲン原子等の不 活性置換基で置換されていてもよい。 R2で表されるカチオン性置換基は、次式:−R3−N(R4)(R5)(式中R3は C1-6アルキレン基またはC64の芳香族基を表し、これらの基の水素原子が不 活性置換基で置換されていてもよく;R4とR5は、それぞれ独立して水素原子、 C1-6アルキル基又はアリール基を表す。)で表わされる基であることが好まし い。 また、−[−CH2−C(R1)(COOR2−)−]n−単位以外の構成単位も、限ら れた量ならば、ポリマーの骨格に含まれていてもよい。 本発明に用いられるポリマーは、上述のアクリル酸エステルの構成単位の代わ りに、アクリルアミド、好ましくは C(O)NR45で表される構成単位を用いてもよい。 本発明に用いられるポリマーが、プラスミド、遺伝子構造体、オリゴヌクレオ チド又は他のDNA断片と結合して、これらを濃縮させるためには、用いるアク リル酸エステルポリマー、アクリルアミドポリマー、アルキル置換アクリル酸エ ステルポリマー又はC1-6アルキル置換アクリルアミドポリマーは、生理的pH 値において、少なくとも(総電荷として)5モル%のカチオン性置換基R2がポ リマー骨格に結合していなければならない。このようなポリマーを用いると、ア クリルアミドポリマーやアルキル置換アクリルアミドポリマーは、DNAと静電気 的に結合することにより、DNAを濃縮することができる。更に、このようなカチ オン性のポリマーとDNAからなる複合体は、プラスミドのみの場合と比べて、 標的細胞に取り込まれる量が顕著に高い。 上述したように、カチオン性の置換基は、好ましくは−R3−N(R4)(R5)で 表される置換基、更に好ましくはジメチルアミノエチル基であり、アクリルアミ ド基に結合している置換基としては−(R4)(R5)で表される置換基が好ましい。 本発明で使用できるその他のカチオン性置換基R2としては、好ましくはアミ ノ基を有する化合物から誘導される置換基が挙げられる。このような化合物は生 理的pH値で陽性の電荷を持つ。上記の有機化合物の例としては、アミノC1-10 アルコールやアミノC1-10アルコキシC1-10アル コール、及びこれらの第2級、第3級及び第4級の誘導体が挙げられる。特に好 ましくは第3級アミンが挙げられる。 ジメチルアミノエチル基は、他の第3級アミンと同様に、生理的条件下で少な くとも部分的に陽性に荷電され、DNAと結合してこれを濃縮することができる カチオン性の構造体となる。 ポリマーが全体として陽性に荷電されていることは重要であるが、分子骨格の 構成単位であるアクリル酸エステル/アルキル置換アクリル酸エステルまたはア ミドの置換基R2の全てがカチオン性ではないことが好ましい。本発明において 用いるポリマーの好ましい一例としては、ポリマー骨格構成単位の一部、好まし くは少なくとも10モル%が、上記した構成単位以外の疎水性または親水性の構 成単位であるポリマーが挙げられる。 本発明のトランスフェクション又はブロッキングシステムに用いるポリマーの 具体例としては、アクリル酸エステル、アクリルアミド、C1-6アルキル置換ア クリル酸エステル又はアルキル置換アクリルアミドの単独重合体;異なるアクリ ル酸エステル、アクリルアミド、アルキル置換アクリル酸エステル又はアルキル 置換アクリルアミドからなる共重合体;及び、アクリル酸エステル、アクリルア ミド、アルキル置換アクリル酸エステル又はアルキル置換アクリルアミド、と、 その他の構成単位、例えば、メチルメタクリル酸エステル、 トリエチレングリコールメタクリル酸エステル、ポリエチレングリコールメタク リル酸エステル、ヒロドキシエチルメタクリル酸エステル、グリセリルメタクリ ル酸エステル、ラウリルメタクリル酸エステル、ブチルメタクリル酸エステル、 N−イソプロピルアクリルアミド、N−(3−ジメチルアミノ)プロピルメタク リルアミド等、との共重合体が挙げられる。上述したように、ポリマー骨格の構 成単位が全て上記のアクリル酸エステル系の単位である必要はない。構成単位の 一部は、例えば、N−ビニルピロリドン又は酢酸ビニル等であってもよい。 N−イソプロピルアミドを構成単位に含む共重合体は、下部臨界完溶温度(LC ST)挙動を示す。つまりこのような共重合体は比較的低温で水によく溶解するが 、LCST以上の温度においては、相分離が起きる。この点に関しては、H.フェイ ルら[H.Feil et al.Macromolecules 26(1993)2496-2500]を参照できる。こ のLCST挙動が、ポリマーとプラスミドとの濃縮粒子の形成に好ましい影響を与え る。 ポリマー中の置換基R2の少なくとも10モル%が、グリセロール、メトキシ エトキシエタノール及びポリエチレングリコール(PEG)のような、本質的に 電気的に中性の親水性の有機置換基であるポリマーを用いた場合に、本発明のシ ステムは特に優れた効果を発揮する。その理由は、プラスミドとポリマーとの結 合力がそれ程強くないため、標的細胞内でプラスミドとポリマーが容易に分離す るためであると考えられる。更に、PEGを用いた際には、PEGが、DNAが外 来因子としてマクロファージに認識されることを防ぐ働きをする。 本発明に用いられるポリマーはカチオン性であり、水に対して可溶性または分 散性である。特に、ポリマーが全体としてカチオン性であれば、置換基R2の5 〜100モル%がカチオン性であり、95〜0モル%がアニオン性または中性で ある場合に、本発明のシステムは特に優れた効果を発揮する。 用いるポリマーの分子量及び/または数は、運搬されるプラスミドの性質に合 わせて容易に調整することができる。通常、DNAキャリアーとして適切なポリ マーの分子量は1,000〜500,000である。 本発明において、キャリアーとしてのポリマーとDNA断片の重量比は重要で ある。上記の重量比が0.1〜200、好ましくは1〜20、最も好ましくは2 〜5であると本願発明のシステムは特に優れた効果を発揮する。アクリル酸エス テルポリマーまたはアルキル置換アクリル酸エステルポリマーの分子量は、重合 工程を適切な反応条件下で行うことにより制御することが可能である。本発明に 用いるカチオン性ポリマーの分子量は80,000Da以上であり、好ましくは 100,000Da以上、最も好ましくは、250,000Da以上である。 カチオン性且つ水に対して可溶性または分散性のアクリル酸エステルポリマー 、アクリルアミドポリマー、C1-6アルキル置換アクリル酸エステルポリマー及 びC1-6アルキル置換アクリルアミドポリマーからなる群より選ばれる少なくと も1つのポリマーをキャリアーとして含む本発明の合成トランスフェクションシ ステムは、更に、プラスミド、遺伝子構造体またはオリゴヌクレオチドのような DNA断片を含有する。オリゴヌクレオチドは細胞内において、例えば、タンパ ク質合成を制御するためのブロッキング剤として用いることができる。 アクリル酸エステル系ポリマーとDNA断片とを含む濃縮粒子を、例えば、リ ポソームやヒドロゲルのような公知の薬剤運搬用システム内に本発明のシステム を封入、または組み込むこともできる。 合成トランスフェクションシステムに用いる、キャリアーシステム又はビーク ルに組み込まれる遺伝子については以下の文献を参照することができる: −McKusick,V.A.Mendelian inheritance in man,catalogs of autosomal dom inant,autosomal recesslve,and X-linked pheno-types.Eighth edition.Jo hn Hopkins University Press(1988)、及び −Stanbury,J.B.,Wyngaarden,J.B.,Frederickson,D.S.,Goldstein,J.L. and Brown,M.S.The metabolic basis of inherited disease.Fifth edition . McGraw-Hill(1983)。 本発明の一態様において用いることができるビークルの例としては、遺伝子の 発現及び/または複製に関与するウィルス由来性及び非ウィルス由来の調節因子 が挙げられる。このようなビークルは公知のものである。 適切なトランスフェクションシステムを用いることにより、遺伝子構造体を目 的とする細胞群に送り込むことができる。従って、アクリル酸エステルポリマー 、アクリルアミドポリマー、アルキル置換アクリル酸エステルポリマー及び/又 はアルキル置換アクリルアミドポリマーを用いたトランスフェクションシステム は、標的細胞の表面に関連のあるタンパク質を選択的に認識する少なくとも1つ の手段を包含することが好ましい。このような手段は、標的決定因子又はホーミ ング手段として、当業者には知られており、例えば、トリ−及びテトラ−アンテ ナクラスターグリコシド(tri and tetra antennary cluster glycoside)、ト ランスフェリンまたは他のタンパク質構造体、細胞膜タンパク質に対するモノク ロ ーナル抗体、細胞表面の受容体に対するリガンド、及び上記の標的決定因子の誘 導体である結合性の断片等が挙げられる。例えば、ガラクトース由来の因子を本 発明のアクリル酸エステルまたはアルキル置換アクリル酸エステルからなる本発 明のシステムに結合すると、運搬されるべき遺伝子断片は肝細胞のガラクトース 受容体を介して肝細胞に到達する。更に、ポリマー/DNA複合体のポリマー部 分に、標的細胞が認識可能な構造体が共有結合または非共有結合によって結合し ていると、標的細胞による遺伝子構造体等のDNA断片の取り込みが容易になる 。 更に、遺伝子構造体が細胞内のエンドソームより放出されるように、トランス フェクションシステムを調製することもできる。そのようなトランスフェクショ ンシステムは、細胞膜不安定化因子、特にポリペプチド断片を、本発明の水に対 して可溶性又は分散性のカチオン性ポリマーシステムに結合させることによって 得ることができる。このような不安定化因子は、エンドソームの細胞膜構造を乱 し、不安定にする事が出来なければならない。エンドソームの細胞膜構造を不安 定にした結果、遺伝子構造体を組み込んだプラスミドは、標的細胞の細胞質に到 達し、その後、細胞核において発現される。本発明において好適に用いられる細 胞膜不安定化因子の例としては、融合誘導性構造体、例えば、ある種のペプチド 及びウイルス性のコートタンパク質(例えば、インフルエン ザウイルスの赤血球凝集素タンパク質由来のペプチド)(の一部)を挙げること ができる(例えば、Plank et al.The Influence of Endosome-Disruptive Pept ides on Gene Transfer Using Synthetic Virus-Like Gene Transfer Systems, J.Biol.Chem.269(1994),12918-12924を参照)。 本発明において有効に用いられる他の化合物としては、例えば、クロロキン(c hloroquine)のようなエンドソーム不安定化化合物を挙げることができる。なお 、クロロキンは、生体において有毒なため、試験管内(in vitro)においてのみ 適用できる。本発明は、生体内(in vivo)及び試験管内のいずれにも適用可能 なので、上記のクロロキンを含むトランスフェクションシステムは本発明の範囲 に含まれる。 本発明においてDNAのキャリアーとして用いられるアクリル酸エステルポリ マー、アクリルアミドポリマー及びC1-6アルキル置換アクリル酸エステルポリ マーは、それ自体公知である。これらのポリマーを調製する方法も同様に公知で ある。これらのポリマーを調製する好ましい方法としては、アクリル酸又はC1- 6 アルキル置換アクリル酸誘導体を、例えば、好適な溶剤[トルエン、アセトニト リル、DMSO(ジメチルスルホキシド)、又はTHF等]中において、開始剤 として2,2’−アゾイソブチロニトリル(AIBN)を用いてラジカル重合に付す方 法を挙げることができる。また、水を溶剤として用いることもできるが、この場 合、AIBNを用い ることはできない。好適な調製技術は、G.Odian,Principles of Polymerizatio n,Chapter 3“Radicalchain Polymerization”,John Wiley and Sons,Inc.Ne w York(1991)、及びこの文献に引用されている引用文献に記載されている。 上記のラジカル重合は、例えば、β−メルカプトエタノール、2−アミノエタ ンチオール又はメルカプト酢酸のような、連鎖移動剤の存在下で行うことが好ま しい。共重合体を調製する際には、所望の割合及び量でモノマーを混合し、得ら れた混合物をラジカル重合に付すことにより得ることができる。 上記方法を用いると、例えば、−OH,−NH2,又は−COOH基のような 末端官能基を含む単独重合体又は共重合体が得られるという更なる利点がある。 上記の官能基は、ポリマーにモノクロナール抗体又は融合誘導性構造体等のホー ミング手段を導入するためのカップリング反応において好適に用いられる。 融合誘導性ペプチド及び標的決定因子は、公知技術によって(アルキル置換) アクリル酸エステルポリマーに結合させることができる。上記の公知技術の例と して、ポリマーに導入されたチオール、及びペプチド又は標的因子に導入された マレイミド基を用いてポリマーとペプチド又は標的因子を結合させる技術が挙げ られる。ホーミング手段及び/又は融合誘導性ペプチドは、公知のアビジン−ビ オチンカップリング 技術によってポリマー/プラスミド複合体にカップリングすることもできる。 このような運搬用システムそのものは、ポリマーとDNA片とを、ポリマーが 陽性荷電された状態で、好ましくは、pH値が7.2の好適な緩衝液系(例えば 、PBS又はHEPES緩衝液)中、室温で接触させることにより容易に調製で きる。 本発明においては、ポリマー/ポリヌクレオチド複合体の調製は、増粘剤、好 ましくはショ糖の存在下で行うことが望ましい。増粘剤を添加することにより、 実施例6に具体的に示すように、ポリマー/ポリヌクレオチド複合体の微小な粒 子を得ることができる。 運搬用システムの調製は、通常、10分以内で完了する。調製工程の後、DN Aとは結合していないポリマーをDNA/ポリマー複合体から分離するための工 程を行ってもよい。その後、本発明のDNA及びキャリアーとしてのポリマーか らなる複合体を、好ましくはショ糖やマンニトールのような医薬的に許容される 凍結乾燥保護剤の存在下で凍結乾燥してもよい。このように凍結乾燥させた複合 体は、長期保存が可能である。 本発明は、ポリマーが陽性荷電される条件下で、請求項1〜7のいずれかに記 載のカチオン性且つ水に対して可溶性又は分散性の、アクリル酸エステルポリマ ー、C1-6アルキル 置換アクリル酸エステルポリマー及びこれ等に対応するアクリルアミドポリマー からなる群より選ばれる少なくとも一つのポリマーとを、該ポリマーが陽性荷電 される条件下で接触せしめることを特徴とする、合成トランスフェクション又は ブロッキングシステムの調整方法にも関する。該接触は、増粘剤、好ましくはシ ョ糖の存在下で行うことが好ましい。更に本発明は、上記のようにして得られる ポリヌクレオチド/ポリマー複合体粒子にも関する。 本発明は、更に、DNA断片と、アクリル酸エステルポリマー、アクリルアミ ドポリマー、アルキル置換アクリル酸エステルポリマー及びアルキル置換アクリ ルアミドポリマーからなる群より選ばれる少なくとも一つのポリマーであって、 カチオン性置換基により少なくとも部分的に置換されているポリマーとを接触さ せることによりトランスフェクションシステムを得、続いて、得られたトランス フェクションシステムを標的細胞と接触せしめることを特徴とする、DNA断片 を標的細胞に導入するための方法にも関する。 また更に、本発明は、アクリル酸エステルポリマー、アクリルアミドポリマー 、C1-6アルキル置換アクリル酸エステルポリマー及びC1-6アルキル置換アクリ ルアミドポリマーからなる群より選ばれる少なくとも一つのポリマーであって、 カチオン性置換基によって少なくとも部分的に置換されているポリマーのトラン スフェクション用キャリアー又はビーク ルとしての使用に関する。 本発明のシステムは、生体内あるいは試験管内のいずれにおいて用いることが 可能である。 以下、実施例に参照して、本発明を更に詳細に説明する。 実施例1[ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)のホモポリマー及び コポリマーの合成] DMAEMAのホモポリマー及びコポリマーの合成は、トルエン(溶媒)中にて2, 2’−アゾイソブチロニトリル(AIBN)を開始剤として用いて、DMAEMAモノマー を(コポリマー合成の際はコモノマーと共に)常法によりラジカル重合すること により行った。 DMAEMAのホモポリマー及びコポリマーの合成に関して以下に詳細に説明する。 DMAEMAのホモポリマーの合成は以下のようにして行った。DMAEMAモノマー[フ ルカ(Fluka)社製、カタログNo.64140]を減圧下で蒸留することにより精製し た。精製したDMAEMAモノマー5mlをトルエン20mlと混合し、得られた混合 物を容量30mlのボトルに移した。直ちにボトルをシリコーンラバーセプタム にて封をした後、ボトル内を窒素置換した。ボトル中の混合物にAIBN(フルカ社 製、カタログNo.11630)を加え、60℃に保ちながら22時間振盪するこ とにより重合反応を行った。 DMAEMAのコポリマーの合成は上記の操作において、DMAEMAモノマーの1部を他 のモノマー(コモノマー)に置き換えることによって行った。用いたコモノマー は以下の通りである。 メチルメタクリレート(MMA:フルカ社製、カタログNo.64200) N−ビニル−2−ピロリドン[NVP:アクロス(Acros)社製、カタログNo.149092 27] エトキシトリエチレングリコールメタクリレート[triEGMA:ポリサイエンス(P olySciences)社製、カタログNo.18556] ポリ(エチレングリコール)モノメチルエーテルモノメタクリレート(PEGMA: ポリサイエンス社製、カタログNo.16664) ホモポリマー及びコポリマー(以後、屡々単に「ポリマー」と称す)の分子量 の調整は、モノマーの開始剤に対する量比を変えること、及び連鎖移動剤(β− メルカプトエタノール、2−アミノエタンチオール又はメルカプト酢酸)を用い ることにより行った。連鎖移動剤を用いると、上記のようにモノマーの開始剤に 対する量比を変えることによって分子量を調整する場合に比較してより効率的に 分子量の調整を行うことができるのみならず、得られたポリマーにホーミング手 段(例えばモノクローナル抗体)や融合誘導構造体(例えばペプチド)をカップ リングする際に利用することができる末端官能基(−OH基、−NH2基又は− COOH基)を有するポリマーが得られる点で有利である。 重合反応終了後、反応混合物に適当な非溶媒(例えば石油 エーテル又はジエチルエーテル)を加えてポリマーを沈殿させ、得られた沈殿物 をろ過にて回収した。沈殿物を減圧下で乾燥させてポリマーを得、得られたポリ マーを酸性水(水に酢酸を加えて得たもの)中に溶解し、得られた溶液を、水を 外液として用いる透析に付して(微量の)有機溶媒や未反応モノマーを除去した 。その後、ポリマーを凍結乾燥によって回収した。上記の重合反応をDMSO中で行 う場合は、上記のようなポリマー回収作業は必要ない。即ち、得られた反応混合 物を水と混合し、得られた混合物から水分を蒸発させ、公知の方法で凍結乾燥す ることにより目的のポリマーを得ることができる。 ポリマーの物性はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)及びNMR(核 磁気共鳴)分析によって行うことができる。 GPC分析によりポリスチレン(溶媒:THF)又はデキストラン(溶媒:0.7M NaNO3及び0.1 M Tris/HClの水溶液:pH7.0)に対するDMAEMAポリマ ーの分子量(数平均分子量:Mn;重量平均分子量:Mw)及び分子量分布を測定し た。NMR分析は共重合体の組成を調べるために行った。 上記重合反応の反応条件及び上記分析の結果を表1に示す。 実施例2[本発明のポリマーとDEAEデキストラン、ポリリジン及びリポフェ クチンRの比較を目的としたトランスフェクション実験] COS細胞[アフリカサル腎細胞(African monkey kidney cell)由来;J.C. Clevers,Department of Immunology,Academic Hospital Utrecht提供)を、重 炭酸ナトリウム3.7g/l、L−グルタミン 0.58g/l、及びグルコー ス 1g/lを含有するDME培地(Dulbecco's Modified Essential Medium) [DMEM,ギブコ社製、カタログNo.31885)にペニシリン 100U/ml、スト レプトマイシン 100μg/ml、アムホテリシンB(ギブコ社製、カタログ No.15240)0.25μg/mlの及び、5%(v/v)の加熱不活性化ウシ胎児 血清(FBS,Bockneck)を添加した培地中で培養した。 対数増殖期の細胞を確保するために、トランスフェクションの2日前に、最大 細胞密度のおよそ50%となるように経代時に細胞を希釈した。トランスフェク ションの24時間前には、これらの細胞を、1cm2当たり3×104個(ウェル 当たり1.14×104個)の密度で96穴プレート中に植えた。 プラスミドp(CMV.LacZ)をA.Bout(IntroGene Rijswijk社)から入手し た。このプラスミドは、Exp.Lung Res.19(1993)193−202に記載されてい る。このプラスミ ドは、サイトメガロウィルスのプロモーター/エンハンサーによって制御されて いるLacZを有する。LacZは、β−ガラクトシダーゼをコードしている。 上記のプラスミドを大腸菌で増幅し、Qiagen-kit 2500(Qiagen社製,カタログ No.12181)を用いて精製後、10mM トリス/1mM EDTA緩衝液(TE、 pH 8)を用いて2mg/mlとなるようにプラスミドを希釈した。その後、この プラスミドを、−20℃から4℃で貯蔵した。 トランスフェクションシステムの調製は、キャリアーとプラスミドを緩衝液( pH7.2)中で、室温にて異なる時間インキュベートすることにより行った。ポリ マーとしては、実施例1で調製したP(DMAEMA)、P(DMAEMA-co-NVP)、P(D MAEMA-co-MMA)、P(DMAEMA-co-triEGMA)、P(DMAEMA-co-PEGMA)を用い た。これらポリマーの構造式に関しては、図中のスキーム1及び2を参照。対照 として、DEAE−デキストラン[ファルマシア(Pharmacia)社製、カタログNo.17 -0350-01]及びポリ−L−リジン[E.R.Bloutの方法(J.Am.Chem.Soc.83.7 09-712,1961に記載)に従い、無水(dry)ジオキサン中でトリエチルアミンを 開始剤として用いたNCA-リジンの開環重合により合成;Mw=1.2×105g/m ol]を用いた。さらに、市販のカチオン性脂質製剤(cationic lipid formulati on)[リポフェクチンR(LipofectinR),ギブコ社製,カタログNo. 18292]もキャリアーとして用いた。 具体的には、ポリマーを、PBS(リン酸緩衝化生理食塩水;0.9%NaCl、1 0mMリン酸、pH7.2)中に、1〜2.5mg/mlの濃度となるように溶解し、トラ ンスフェクション培地[plain Hepes buffered RPMI 1640(ギブコ社製、カタロ グNo.22511)、2%(v/v)FBS、及び、100μMクロロキン]を用いて、10 0μg/mlとなるように希釈した。保存プラスミド溶液(2mg/ml;上記参照) は、トランスフェクション培地を用いて20μg/mlとなるように希釈した。 xμ1のプラスミド溶液をエッペンドルフ(Eppendorf)チューブにピペット で分注し、yμlのトランスフェクション培地を加え、さらに、zμlのポリマー 溶液を添加し、プラスミドの最終濃度0〜.5μg/mLポリマーの最終濃度0〜2 00μg/mlである混合溶液を調製した。この混合溶液を室温にて15分〜60 分間静置し、プラスミド/キャリアー複合体を形成させた。 トランスフェクションに付する直前に、培養細胞から培養液を吸引によって取 り除いた。細胞をRPMIで洗浄した後、285μlのプラスミド/キャリアー複合 体で細胞を覆った。 37℃(5%CO2及び湿気を含む雰囲気下)にて1〜1.5時間インキュベー トした後、トランスフェクション培地を100μlの細胞培養用培地(37℃) で置換した。ト ランスフェクションに関しては、2枚のプレートを用意し、2組の実験を行った 。 更に48時間インキュベートした後、一枚のプレートを用いて細胞の生存率及 び増殖率を調べ(XTT試験、下記参照)、もう一方のプレートを用いて、トラン スフェクトされた細胞の数を調べた(β‐ガラクトシダーゼ染色)。 トランスフェクトされた細胞数を測定するために、細胞を100μlのPBS で洗浄した後、0.25%のグルタルアルデヒド(フルカ社製、カタログNo.496 30)を含むPBS75μlを用いて、4℃で細胞を固定した。5分間のインキュ ベーション後、固定化剤を除去した。その後、細胞をPBSで2回洗浄し、50 μlの染色液[5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピ ラノシド(X−Gal、ギブコ社製、カタログNo.15520)1mg/ml、フェロ シアン化カリウム(Merck社製、カタログNo.104984)5mM、フェリシア ン化カリウム(BDH社製、カタログNo.10204)5mM及び塩化マグネシウム[ メルク(Merck)社製、カタログNo.5833)2mMを含む0.2Mリン酸ナ トリウム緩衝液]と共にインキュベートした。37℃で30〜50分間インキュ ベートした後、細胞をPBSで洗浄し(更に保存剤で細胞を覆い)、顕微鏡下で 観察した。 トランスフェクトされた細胞の核は、顕微鏡下で明確な青 色のスポットとして認められた。1ウェル(0.38cm2)当りのトランスフェクト された細胞数を計数により求めた。 細胞の生存率及び増殖性に対するプラスミド/キャリアー複合体の影響を調べ るため、ベーリンガー(Boehringer)社作成のプロトコール[Cell Proliferation Kit II(XTT),カタログNo.1465015]を基に、XTT比色試験により生細胞数の 測定を行った。 各ウェルに、50μlのXTTラベリング混液(XTT labeling mixture)[3 ’−[1−(フェニルアミノカルボニル)−3,4−テトラゾリウム]−ビス( 4−メトキシ−6−ニトロ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム水和物{sodium3'-[ 1-(phenylaminocarbonyl)-3,4-tetrazolium]-bis(4-methoxy-6-nitro)benzene sulfonic acid hydrate}(XTT、シグマ社製、カタログNo.X4251)0.3m g/ml、メチル硫酸N−メチルジベンゾピラジン(N-methyl dibenzopyrazin e methyl sulfate)(PMS、シグマ(Sigma)社製、カタログNo.p9625)2. 6μl/mlを含む通常(plain)RPMI溶液]を添加した。細胞を(37℃、5 % CO2及び湿気を含む雰囲気下で)1〜3時間培養し、生成したホルマザン 色素(formazan dye)を分光光度法により定量した。即ち、ELISAプレート リーダーを用い、参照波長655nmにおいて、490nmに対する吸光度を測 定した。新鮮(生)細胞を用いて検量線を作成し(1ウェル 当りの細胞数0〜15×104個)、これを用いてトランスフェクション後の生 存している細胞数を求めた。 実施例2a 図1は、P(DMAEMA)を既知の遺伝子移入用ポリマー2種(DEAE−デキスト ラン及びポリ−リジン)と比較するための遺伝子移入実験の結果を示す図である 。この実験において、プラスミドの濃度は1.67μl/mlで一定であるが、 ポリマー濃度は変化させている。この図から、P(DMAEMA)は遺伝子移入用高分子 キャリアーとして、ポリ−リジン及びDEAE−デキストランよりも優れている と結論づけることができる。至適条件下[P(DMAEMA)/プラスミド比が5前後] では、トランスフェクトされた細胞数は約700である。このことは、全細胞の 1〜2%が実際にトランスフェクトされたことを示す。 図2は、全生細胞数をキャリアー/プラスミド比に対して示す図である。P( Lys)の細胞毒性がP(DMAEMA)よりもはるかに高いことが図より明白である。P (DMAEMA)の濃度が、至適条件下でトランスフェクションを行えるような濃度なら ば、わずかな細胞毒性しか観測されない。DEAE−デキストランの細胞毒性は 低いが、このポリマーのトランスフェクション効率はP(DMAEMA)に比べて低い。 実施例2b 図3は、2種のP(DMAEMA)共重合体、具体的にはP(DMAEMA-co-NVP)[共重合体 組成:DMAEMA/NVP=0.3mole/mole]及びP(DMAEMA-co-triEGMA)(モル比:0.8mole /mole)それぞれによるトランスフェクションの効率を、P(DMAEMA)単独重合体と 比較した実験の結果を示す図である。図4は、全生細胞数をキャリアー/プラス ミド比に対して示す図である。これらの図から明らかなように、いずれの共重合 体のトランスフェクション効率も、P(DMAEMA)に比べて低い。しかしながら、細 胞毒性に関しては、共重合体の方がP(DMAEMA)よりもかなり低い。 実施例2c 図5は、P(DMAEMA)/プラスミド複合体によるトランスフェクションの効率に 対する血清の影響を示す図である。対照として、リポフェクチンR(LipofectinR )を用いた。図から明らかなように、トランスフェクションの際に血清が存在す ると、トランスフェクトされた細胞数が減少する。しかし、リポフェクチンは血 清に対する感受性がP(DMAEMA)に比べはるかに高く、2%の血清を添加しただけ で、トランスフェクトされた細胞数は培地0.38cm2につきわずか10〜30個し か見出されなくなる(リポフェクチン/プラスミド比:3/1、プラスミド濃度 :1.6及び5.0μg/ml)。 実施例3 図6は、プラスミド濃度に対するトランスフェクトされた細胞数を示す図であ る。プラスミドは、一定重量比のP(DMAEMA)との複合体として用いた。図6から 明らかなように、プラスミド濃度が15μg/ml以下の条件では、プラスミド 濃度の増加と共にトランスフェクトされた細胞数は増加した。15μg/mlを 超えると、生細胞数の減少(生きている細胞は全体の20%)に伴い、トランス フェクトされた細胞数も減少した。本実施例で観測された細胞毒性は、遊離ポリ マー(即ち、プラスミドと共に複合体を構成していないポリマー)によるものと 考えられる。 実施例4 分子量(デキストランをに基づく)の異なるP(DMAEMA)によるトランスフェク ションの効率を、COS細胞及びOVCAR−3細胞(Dr.Hamilton,National Cancer Institute,Bethseda,MD,USAより入手;R.C.Hamilton et al.,Canc er Res.43,5379-5389,1983参照)を用いて測定した。いずれの細胞も実施例 1の方法で培養した。プラスミド(RPMI中に1.7μg/ml)及び重量平均分 子量が156kDaのP(DMAEMA)からなる複合体と培養細胞をインキュベートすること によって得られたトランスフェクトされた細胞数 を基準化して、トランスフェクションの効率を得た。結果を図7に示す。この結 果から明らかなように、分子量が100kDaを超えるポリマーの方が低分子量のポリ マーよりも優れたトランスフェクション作用を有する。動的光散乱に基づく測定 結果から、このような高分子ポリマーは低分子ポリマー[ポリマー/プラスミド 比が5/1(w/w);図8参照]よりも優れた濃縮試薬である。 実施例5 エンドソーム破壊性ペプチドのP(DMAEMA)/プラスミド複合体に与える影響に ついて、実施例1の方法に従ってCOS−7細胞を用いて検討した。ペプチドと してINF4-di(C.Plank et al.,J.Biol.Chem.,12918-12924,1994を参照) を使用した。 重量平均分子量(Mw)360kDaのP(DMAEMA)を用いた。結果を以下の表2に示す 。 実施例6 異なる条件下で調製したポリマー/プラスミド複合体の粒子径を表3にまとめ る。 ポリマー重量平均分子量(Mw):360Da;プラスミドとポリマーを室温で30 分間インキュベートした後、動的光散乱によって粒子径を求めた;RPMI又はpH 7 .4のHEPESに溶解したプラスミドとポリマーをそれぞれ用いた。 * 複合粒子の形成後に添加剤を加えた。** 添加剤の存在下で複合粒子を形成した。 # 凝集が認められた。 ##−20℃で凍結し、室温で融解した後に粒子径を測定した。 上記の結果から、ショ糖存在下でポリマーとプラスミドの複合体を形成するこ とにより、微少な粒子の調製が可能であると考えられる。 スキーム1 スキーム2
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成9年10月23日(1997.10.23) 【補正内容】 請求の範囲 1.カチオン性且つ水に対して可溶性又は分散性の、アクリル酸エステルポリマ ー、C1-6アルキル置換アクリル酸エステルポリマー及びこれ等に対応するアク リルアミドポリマーからなる群より選ばれる少なくとも一つのポリマーをキャリ アーとして含み、更にプラスミド、遺伝子構造体、DNA断片又はオリゴヌクレ オチドを含む、合成トランスフェクション又はブロッキングシステム。 2.該キャリアーとしてのポリマーが、ジメチルアミノエチルメタクリレートの 共重合体又は単独重合体であることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。 3.該キャリアーとしてのポリマーとDNA断片を包含してなる複数の濃縮粒子 を、リポソームやヒドロゲルのような薬剤運搬用システム内に封入してなること を特徴とする、請求項1又は2に記載のシステム。 4.該キャリアーとしてのポリマーが、ホーミング手段にカップリングされてい ることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のシステム。 5.該ホーミング手段が、標的細胞の細胞膜に存在するタンパク質を認識しうる モノクローナル抗体であることを特徴とする、請求項4に記載のシステム。 6.該キャリアーとしてのポリマーが、融合誘導性構造体にカップリングされて いることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のシステム。 7.ポリヌクレオチド断片と、請求項1〜6のいずれかに記載のカチオン性且つ 水に対して可溶性又は分散性の、アクリル酸エステルポリマー、C1-6アルキル 置換アクリル酸エステルポリマー及びこれ等に対応するアクリルアミドポリマー からなる群より選ばれる少なくとも一つのポリマーとを、該ポリマーが陽性荷電 される条件下で接触せしめることを特徴とする、合成トランスフェクション又は ブロッキングシステムの調製方法。 8.該接触を、増粘剤、好ましくはショ糖、の存在下で行うことを特徴とする、 請求項7に記載の調製方法。 9.DNA断片と、アクリル酸エステルポリマー、アクリルアミドポリマー、C1-6 アルキル置換アクリル酸エステルポリマー及びC1-6アルキル置換アクリルア ミドポリマーから なる群より選ばれる少なくとも一つのポリマーであって、カチオン性置換基によ り少なくとも部分的に置換されているポリマーとを接触させることによりトラン スフェクションシステムを得、続いて、得られたトランスフェクションシステム を標的細胞と接触せしめることを特徴とする、DNA断片を標的細胞に導入する ための方法。 10.アクリル酸エステルポリマー、アクリルアミドポリマー、C1-6アルキル 置換アクリル酸エステルポリマー及びC1-6アルキル置換アクリルアミドポリマ ーからなる群より選ばれる少なくとも一つのポリマーであって、カチオン性置換 基によって少なくとも部分的に置換されているポリマーのDNAのキャリアーと しての使用。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN, CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR ,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV, MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ, VN (54)【発明の名称】 カチオン性の、アクリル酸エステルポリマー、アルキル置換アクリル酸エステルポリマー及びこ れ等に対応するアクリルアミドポリマーを用いた合成トランスフェクション又はブロッキングシ ステム

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.カチオン性且つ水に対して可溶性又は分散性の、アクリル酸エステルポリマ ー、C1-6アルキル置換アクリル酸エステルポリマー及びこれ等に対応するアク リルアミドポリマーからなる群より選ばれる少なくとも一つのポリマーをキャリ アーとして含むことを特徴とする、合成トランスフェクション又はブロッキング システム。 2.プラスミド、遺伝子構造体又はオリゴヌクレオチドを更に包含することを特 徴とする、請求項1に記載のシステム。 3.該キャリアーとしてのポリマーが、ジメチルアミノエチルメタクリレートの 共重合体又は単独重合体であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のシス テム。 4.該キャリアーとしてのポリマーとDNA断片を包含してなる複数の濃縮粒子 を、リポソームやヒドロゲルのような薬剤運搬用システム内に封入してなること を特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のシステム。 5.該キャリアーとしてのポリマーが、ホーミング手段にカップリングされてい ることを特徴とする、請求項1〜4のい ずれかに記載のシステム。 6.該ホーミング手段が、標的細胞の細胞膜に存在するタンパク質を認識しうる モノクローナル抗体であることを特徴とする、請求項5に記載のシステム。 7.該キャリアーとしてのポリマーが、融合誘導性構造体にカップリングされて いることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のシステム。 8.ポリヌクレオチド断片と、請求項1〜7のいずれかに記載のカチオン性且つ 水に対して可溶性又は分散性の、アクリル酸エステルポリマー、C1-6アルキル 置換アクリル酸エステルポリマー及びこれ等に対応するアクリルアミドポリマー からなる群より選ばれる少なくとも一つのポリマーとを、該ポリマーが陽性荷電 される条件下で接触せしめることを特徴とする、合成トランスフェクション又は ブロッキングシステムの調製方法。 9.該接触を、増粘剤、好ましくはショ糖、の存在下で行うことを特徴とする、 請求項8に記載の調製方法。 10.DNA断片と、アクリル酸エステルポリマー、アクリ ルアミドポリマー、C1-6アルキル置換アクリル酸エステルポリマー及びC1-6ア ルキル置換アクリルアミドポリマーからなる群より選ばれる少なくとも一つのポ リマーであって、カチオン性置換基により少なくとも部分的に置換されているポ リマーとを接触させることによりトランスフェクションシステムを得、続いて、 得られたトランスフェクションシステムを標的細胞と接触せしめることを特徴と する、DNA断片を標的細胞に導入するための方法。 11.アクリル酸エステルポリマー、アクリルアミドポリマー、C1-6アルキル 置換アクリル酸エステルポリマー及びC1-6アルキル置換アクリルアミドポリマ ーからなる群より選ばれる少なくとも一つのポリマーであって、カチオン性置換 基によって少なくとも部分的に置換されているポリマーのDNAのキャリアーと しての使用。
JP51649797A 1995-10-25 1996-10-25 カチオン性の、アクリル酸エステルポリマー、アルキル置換アクリル酸エステルポリマー及びこれ等に対応するアクリルアミドポリマーを用いた合成トランスフェクション又はブロッキングシステム Expired - Fee Related JP3957084B2 (ja)

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