JP2001505817A - 酸化アルミニウム、酸化ビスマス及び酸化マンガンを含むアンモニア酸化触媒 - Google Patents
酸化アルミニウム、酸化ビスマス及び酸化マンガンを含むアンモニア酸化触媒Info
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Abstract
(57)【要約】
酸素でのアンモニア酸化による亜酸化窒素の生成に用いるために特許請求されている触媒。本発明は、反応混合物における酸素含量が化学量論のものに近いか、又はこれより低い場合に高い活性を示し、亜酸化窒素に対する高い選択性と、酸化窒素に対する低い選択性とを示す触媒を提供することを目的とする。この触媒組成は次のとおりである。すなわち、質量%で、酸化マンガン(MnO2と呼ばれるもの)5.0〜35.0;酸化ビスマス4.5〜30.0;酸化アルミニウム35.0〜90.5;比面積5〜80m2/gである。
Description
【発明の詳細な説明】
酸化アルミニウム、酸化ビスマス及び酸化マンガンを含む アンモニア酸化触媒
本発明は、化学産業において分子酸素でのアンモニア酸化による亜酸化窒素の
生成に用いられる触媒について記載する。
ある一定の滞留時間における転換率として理解される高い活性と共に、亜酸化
窒素を生成するためのアンモニア酸化用触媒はまた、次の要求事項にも合致すべ
きである、
・これらは、アンモニア酸化の温度範囲全体において、亜酸化窒素に対する高
い選択性と、酸化窒素に対する低い選択性とを与えるべきである;
・これらは、反応混合物が化学量論量あるいは化学量論量以下で酸素を含む場
合の条件下において、十分に機能すべきである。
一般に既知の触媒は、上記要求事項のすべてに合うわけではない。
例えば、5%Bi2O3と95%MnO2とを含むバルク(bulk)マンガン
−ビスマス触媒[1]は、低い活性を有
する。200℃の温度で、酸素過剰下での流入アンモニア濃度10.8容量%に
おいて亜酸化窒素に対する選択性が最大であってかつ88.5%に等しい場合、
5秒の滞留時間で完全なアンモニア転換が生じる。一方、NO及びNO2に対す
る選択率は0.9%である。プロセス温度が300℃まで上昇した時、亜酸化窒
素及びNO+NO2の収率は、各々79%及び3.1%である。アンモニア濃度
が3.02容量%まで減少した時、亜酸化窒素に対する選択率は65%まで低下
する。従って酸素過剰によるアンモニア酸化における低い活性のほかに、この触
媒は酸化窒素に対する高い選択性を示す。
アンモニア酸化用のもう1つの触媒は、79.45%Fe203、11.53%
Bi2O3、7.21%MnO2の比率を有する、鉄、ビスマス及びマンガンの酸
化物から成る[2]。前記触媒における亜酸化窒素の最大収率は82%であり、
これは次の条件下に得られる。すなわち、温度350℃;流入濃度:アンモニア
10容量%、酸素90容量%である。しかしながらこの温度において、酸化窒素
に対する選択率は6%である。300℃において、亜酸化窒素及び酸化窒素に対
する選択率は、各々79%及び1.5%である。従ってこの触媒は、関連する
要求事項すべてに合うわけではない。その理由は、これが、酸化窒素に対する高
い選択性において亜酸化窒素に対する低い選択性を有するためである。
5%MnO2、5%Bi2O3、90%Fe2O3の組成を有する触媒[3]は、
本発明において特許請求されている触媒に、性能及び性質が最も近い。これは次
の結果を示す。反応混合物が大気中アンモニア10%を含んでいる(従って酸素
過剰であり、濃度18.9容量%)時、最大亜酸化窒素収率は87%である。反
応混合物がアンモニア1部、空気5部、及び窒素5部を含み、従って化学量論(
9.1容量%アンモニア及び9.55容量%酸素)に近いならば、亜酸化窒素の
収率は81%である。275〜300℃において、完全な転換のための滞留時間
は3.6秒である。従ってこの触媒は、反応混合物が化学量論に近い量でアンモ
ニアと酸素とを含んでいる場合の条件下において、低い活性と、亜酸化窒素に対
する十分に高くない選択性とを有する。
本発明は、反応混合物が、化学量論量に近いか又はこれより低い量で酸素を含
んでいる場合の条件下において、活性が高く、亜酸化窒素に対する高い選択性と
酸化窒素に対する低い選択性
とを示す触媒を提供することを目的とする。
この目的のために、アンモニア酸化による亜酸化窒素生成用のこの特許請求さ
れている触媒は、次の組成を有する(質量%):
5.0〜35.0 − 酸化マンガン(MnO2と呼ばれるもの)
4.5〜30.0 − 酸化ビスマス(Bi2O3)
90.5〜35.0 − 酸化アルミニウム(Al2O3)
前記組成の触媒は、アルミナをMn及びBiの硝酸塩の溶液で含浸させるか、
あるいはMn及びBiの酸化物の粉末と水酸化アルミニウム粉末とを混合しつい
で成形するか、あるいは前記成分を不活性担体土に沈積させる(deposit
)ことによって調製される。最終段階において、触媒を乾燥し、375〜550
℃で焼成する。このようにして得られた触媒は、反応混合物における酸素含量が
化学量論のものに近いか又はこれより低い場合に高い活性を示し、亜酸化窒素に
対する高い選択性と酸化窒素に対する低い選択性とを示す。
温度350℃及び滞留時間0.7秒において、アンモニア/酸素比が1.44
であり、アンモニア濃度が7.3容量%である時、前記触媒でのアンモニア転換
率は82〜99.2%であ
る。亜酸化窒素及び酸化窒素に対する選択率は、各々82〜84.6%及び2.
1〜2.7%である。水とアンモニアとの分離後、最終生成物は、亜酸化窒素7
9.6〜81.7%、酸化窒素4.1〜5.25%、及び酸素0.82〜0.8
4%を含んでいる。
温度300℃及び滞留時間1.6秒において、アンモニア/酸素比が1.44
であり、アンモニア濃度が7.3容量%である時、前記触媒でのアンモニア転換
率は82.5〜99.0%である。亜酸化窒素及び酸化窒素に対する選択率は、
各々83〜86%及び0.3〜0.35%である。水とアンモニアとの分離後、
最終生成物は、亜酸化窒素82.2〜84.9%、酸化窒素0.6〜0.69%
、及び酸素0.75〜0.77%を含んでいる。
亜酸化窒素へのアンモニア酸化におけるこの特許請求されている触媒の高い活
性及び選択性は、前記パーセント比におけるその成分によって与えられる。
触媒の比表面積もまたプラスの作用を有する。その比表面積か5〜80m2/
gである時、触媒が安定した高活性において最高の選択性を示すことが試験によ
って証明されている。
実施例1
13%MnO2/11%Bi2O3/76%Al2O3の組成を有する触媒を次の
ように調製する。アルミナグラニュール100gを、Mn及びBiの硝酸塩の溶
液で初期湿潤によって含浸させ、大気中で乾燥し、ついで乾燥室で130℃にお
いて2〜4時間乾燥させる。このようにして得られた生成物をもう一度、Mn及
びBiの硝酸塩の溶液で含浸し、大気中で乾燥し、ついで乾燥室で130℃にお
いて4時間乾燥させる。ついでこれらのグラニュールを、炉内で375〜550
℃において2〜4時間焼成した。このようにして得られた触媒について、[3]
に記載されているのと同様な反応条件下に試験を行なう。反応混合物の組成は、
9%NH3及び9%O2である。350℃及び滞留時間0.7秒においてアンモニ
ア転換率は99.2%である。亜酸化窒素及び酸化窒素に対する選択率は、各々
87%及び2.8%である。300℃において同じガス組成及び1.6秒の接触
時間におけるアンモニア転換率は99.4%である。亜酸化窒素及び酸化窒素に
対する選択率は、各々88.6%及び0.30%である。Sspは10m2/g
である。
実施例2
実施例1のように調製された触媒について、アンモニア/酸素比1.44、反
応混合物におけるアンモニア濃度7.3容量%で試験を行なう。
350℃及び滞留時間0.7秒において、アンモニア転換率は82%である。
亜酸化窒素及び酸化窒素に対する選択率は、各々84.6%及び2.7%である
。最終生成物において、亜酸化窒素/酸素比は97.4であり、亜酸化窒素/酸
化窒素比は15.6である。アンモニアと水との分離後、最終生成物は、亜酸化
窒素82%、酸化窒素5%、及び酸素0.84%を含んでいる。
300℃において同じガス組成及び1.6秒の接触時間におけるアンモニア転
換率は82.5%である。亜酸化窒素及び酸化窒素に対する選択率は、各々86
%及び0.35%である。最終生成物において、亜酸化窒素/酸素比は110で
あり、一方、亜酸化窒素/酸化窒素比は121である。最終生成物(アンモニア
と水との分離後)は、亜酸化窒素85.2%、酸化窒素0.7%、及び酸素0.
78%を含んでいる。
実施例3
5%MnO2/5%Bi2O3/Fe2O3の組成を有する触媒を[3]に記載さ
れているように調製し、次の条件下に試験を行なう。すなわち反応混合物組成0
.75%NH3、1.5%O2;滞留時間0.072秒;温度350〜300℃で
ある。350℃においてアンモニア転換率は73%である。亜酸化窒素及び酸化
窒素に対する選択率は、各々76.9%及び3.9%である。300℃において
アンモニア転換率は35%である。亜酸化窒素及び酸化窒素に対する選択率は、
各々68%及び1.4%である。Sspは4m2/gである。
実施例4
15%MnO2/15%Bi2O3/70%Al2O3の組成を有する触媒を実施
例1のように調製し、実施例2のように試験を行なう。300℃においてアンモ
ニア転換率は38%である。亜酸化窒素及び酸化窒素に対する選択率は、各々7
9%及び1.4%である。Sspは11m2/gである。
実施例5
13%MnO2/11%Bi2O3/76%Al2O3の組成を有する触媒を実施
例1のように調製し、実施例2のように試
験を行なう。350℃においてアンモニア転換率は76%である。亜酸化窒素及
び酸化窒素に対する選択率は、各々76%及び3.8%である。300℃におい
てアンモニア転換率は39%である。亜酸化窒素及び酸化窒素に対する選択率は
、各々83%及び1.3%である。
実施例6
15%MnO2/7.5%Bi2O3/77.5%Al2O3の組成を有する触媒
を実施例1のように調製し、実施例2のように試験を行なう。350℃において
アンモニア転換率は93.2%である。亜酸化窒素及び酸化窒素に対する選択率
は、各々78.7%及び3.9%である。300℃においてアンモニア転換率は
58.7%である。亜酸化窒素及び酸化窒素に対する選択率は、各々80%及び
1.2%である。Sspは11m2/gである。
実施例7
10%MnO2/5%Bi2O3/85%Al2O3の組成を有する触媒を実施例
1のように調製し、実施例2のように試験を行なう。350℃においてアンモニ
ア転換率は92.5%である。亜酸化窒素及び酸化窒素に対する選択率は、各々
80%及び3.7%である。300℃においてアンモニア転換率は
62.4%である。亜酸化窒素及び酸化窒素に対する選択率は、各々77%及び
1.3%である。Sspは11m2/gである。
実施例8
16%MnO2/16%Bi2O3/68%Al2O3の組成を有する触媒を実施
例1のように調製し、実施例2のように試験を行なう。350℃においてアンモ
ニア転換率は73%である。亜酸化窒素及び酸化窒素に対する選択率は、各々7
8.8%及び3.9%である。300℃においてアンモニア転換率は37%であ
る。亜酸化窒素及び酸化窒素に対する選択率は、各々37%及び1.4%である
。Sspは39m2/gである。
実施例9
5%MnO2/4.5%Bi2O3/90.5%Al2O3の組成を有する触媒を
次のように調製する。アルミナグラニュール100gを、Mn及びBiの硝酸塩
の溶液によって含浸させ、大気中で乾燥し、乾燥室で120〜130℃において
4時間乾燥させる。得られた生成物を、大気中炉内で375〜550℃で2〜4
時間焼成した。このようにして得られた触媒について実施例2のように試験を行
なった。350℃においてアンモニア転換率は79%である。亜酸化窒素及び酸
化窒素に対する選
択率は、各々76%及び3.6%である。300℃においてアンモニア転換率は
40%である。亜酸化窒素及び酸化窒素に対する選択率は、各々80%及び1.
3%である。Sspは5m2/gである。
実施例10
35%MnO2/30%Bi2O3/35%Al2O3の組成を有する触媒を、酸
化マンガン及び酸化ビスマスの粉末52gと水酸化アルミニウム粉末35gとを
含む塊体と水25cm3とを混合して、成形用ペーストを得ることによって調製
する。ついでこのペーストを、直径3mmの円筒形グラニュールとして成形し、
室温で10時間乾燥し、乾燥室で120℃において2時間乾燥し、炉内で375
〜550℃において2〜4時間焼成した。このようにして得られた触媒について
実施例2のように試験を行なった。350℃においてアンモニア転換率は77%
である。亜酸化窒素及び酸化窒素に対する選択率は、各々78%及び3.1%で
ある。300℃においてアンモニア転換率は39%である。亜酸化窒素及び酸化
窒素に対する選択率は、各々74%及び1.1%である。Sspは80m2/g
である。
参考文献:
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DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
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(72)発明者 スラビンスカヤ,エレナ・マルコブナ
ロシア国、ノボシビリスク・630058、エク
バトールナヤ・ストリート・14、アパート
メント・94
(72)発明者 ノスコフ,アレキサンダー・ステファノビ
ツチ
ロシア国、ノボシビリスク・630058、ツベ
トノイ・ロード・9、アパートメント・14
(72)発明者 ゾロタルスキー,イリア・アレキサンドロ
ビツチ
ロシア国、ノボシビリスク・630058、デツ
キー・ロード・9、アパートメント・2
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.MnO2、Bi2O3及びAl2O3を含んでなる、亜酸化窒素生成用触媒。 2.前記触媒が、 約5.0〜35.0%のMnO2、 約4.5〜30.0%のBi2O3、及び 約35.0〜90.5%のAl2O3、 を含んでいる、請求項1に記載の触媒。 3.前記触媒の比表面積か約5〜80m2/gである、請求項1に記載の触媒。 4.前記触媒の比表面積が約10〜40m2/gである、請求項1に記載の触媒 。 5.前記触媒が、本質的に、 約5.0〜35.0%のMnO2、 約4.5〜30.0%のBi2O3、及び 約35.0〜90.5%のAl2O3、 から成る、請求項1に記載の触媒。 6.前記触媒が、 約13%のMnO2、 約11%のBi2O3、及び 約76%のAl2O3、 を含んでいる、請求項1に記載の触媒。 7.前記触媒が、 約15%のMnO2、 約15%のBi2O3、及び 約70%のAl2O3、 を含んでいる、請求項1に記載の触媒。 8.前記触媒が、 約15%のMnO2、 約7.5%のBi2O3、及び 約77.5%のAl2O3、 を含んでいる、請求項1に記載の触媒。 9.前記触媒が、 約10%のMnO2、 約5%のBi2O3、及び 約85%のAl2O3、 を含んでいる、請求項1に記載の触媒。 10.前記触媒が、 約16%のMnO2、 約16%のBi2O3、及び 約68%のAl2O3、 を含んでいる、請求項1に記載の触媒。 11.前記触媒が、 約5%のMnO2、 約4.5%のBi2O3、及び 約90.5%のAl2O3、 を含んでいる、請求項1に記載の触媒。 12.前記触媒が、 約35%のMnO2、 約30%のBi2O3、及び 約35%のAl2O3、 を含んでいる、請求項1に記載の触媒。
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