JP2001327917A - 機能性膜の製造方法、および機能性膜 - Google Patents

機能性膜の製造方法、および機能性膜

Info

Publication number
JP2001327917A
JP2001327917A JP2000148870A JP2000148870A JP2001327917A JP 2001327917 A JP2001327917 A JP 2001327917A JP 2000148870 A JP2000148870 A JP 2000148870A JP 2000148870 A JP2000148870 A JP 2000148870A JP 2001327917 A JP2001327917 A JP 2001327917A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
functional
fine particles
conductive
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000148870A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiminori Tamai
公則 玉井
Tadayoshi Iijima
忠良 飯島
Masahide Kono
雅秀 河野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2000148870A priority Critical patent/JP2001327917A/ja
Publication of JP2001327917A publication Critical patent/JP2001327917A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Of Electric Cables (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗布法による各種機能を発現し得る機能性膜
の製造方法を提供する。 【解決手段】 機能性微粒子を分散した液を支持体上に
塗布、乾燥し、機能性微粒子含有層を形成し、その後、
前記機能性微粒子含有層を圧縮し、機能性微粒子の圧縮
層を形成する工程を有し、少なくとも前記塗布工程の前
後のいずれかに機能性微粒子を分散した液に対して超音
波処理を行う工程を有する構成の機能性膜の製造方法、
および機能性膜とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機能性膜に関す
る。本発明において機能性膜は、以下のように定義され
る。すなわち、機能性膜とは機能を有する膜であり、機
能とは物理的及び/又は化学的現象を通じて果たす働き
のことを意味する。機能性膜には、導電膜、磁性膜、強
磁性膜、誘電体膜、強誘電体膜、エレクトロクロミック
膜、エレクトロルミネッセンス膜、絶縁膜、光吸収膜、
光選択吸収膜、反射膜、反射防止膜、触媒膜、光触媒膜
等の各種の機能を有する膜が含まれる。
【0002】とりわけ本発明は、透明導電膜に関する。
透明導電膜は、エレクトロルミネッセンスパネル電極、
エレクトロクロミック素子電極、液晶電極、透明面発熱
体、タッチパネルのような透明電極として用いることが
できるほか、透明な電磁波遮蔽膜として用いることがで
きる。
【0003】
【従来の技術】従来より、各種の機能性材料からなる機
能性膜は、真空蒸着、レーザアブレーション、スパッタ
リング、イオンプレーティング等の物理的気相成長法
(PVD)や、熱CVD、光CVD、プラズマCVD等
の化学的気相成長法(CVD)によって製造されてい
る。これらは、一般に大掛かりな装置が必要であり、中
には大面積の膜の形成には不向きなものもある。
【0004】また、ゾル−ゲル法を用いた塗布による膜
の形成も知られている。ゾル−ゲル法では、大面積の膜
の形成にも適するが、多くの場合、塗布後に高温で無機
材料を焼結させる必要がある。
【0005】例えば、透明導電膜について見れば以下の
通りである。現在、透明導電膜は主にスパッタリング法
によって製造されている。スパタッリング法は種々の方
式があるが、例えば、真空中で直流または高周波放電で
発生した不活性ガスイオンをターゲット表面に加速衝突
させ、ターゲットを構成する原子を表面から叩き出し、
基板表面に沈着させ膜を形成する方法である。
【0006】スパッタリング法は、ある程度大きな面積
のものでも、表面電気抵抗の低い導電膜を形成できる点
で優れている。しかし、装置が大掛かりで成膜速度が遅
いという欠点がある。今後さらに導電膜の大面積化が進
められると、さらに装置が大きくなる。このことは、技
術的には制御の精度を高めなくてはならないなどの問題
が発生し、別の観点では製造コストが大きくなるという
問題が発生する。また、成膜速度の遅さを補うためにタ
ーゲット数を増やして速度を上げているが、これも装置
を大きくする要因となっており問題である。
【0007】塗布法による透明導電膜の製造も試みられ
ている。従来の塗布法では、導電性微粒子がバインダー
溶液中に分散された導電性塗料を基板上に塗布して、乾
燥し、硬化させ、導電膜を形成する。塗布法では、大面
積の導電膜を容易に形成しやすく、装置が簡便で生産性
が高く、スパッタリング法よりも低コストで導電膜を製
造できるという長所がある。塗布法では、導電性微粒子
同士が接触することにより電気経路を形成し導電性が発
現される。しかしながら、従来の塗布法で作製された導
電膜は接触が不十分で、得られる導電膜の電気抵抗値が
高い(導電性に劣る)という欠点があり、その用途が限
られてしまう。
【0008】従来の塗布法による透明導電膜の製造とし
て、例えば、特開平9−109259号公報には、導電
性粉末とバインダー樹脂とからなる塗料を転写用プラス
チックフィルム上に塗布、乾燥し、導電層を形成する第
1工程、導電層表面を平滑面に加圧(5〜100kg/cm
2 )、加熱(70〜180℃)処理する第2工程、この
導電層をプラスチックフィルムもしくはシート上に積層
し、熱圧着させる第3工程からなる製造方法が開示され
ている。
【0009】この方法では、バインダー樹脂を大量に用
いている(無機質導電性粉末の場合には、バインダー1
00重量部に対して、導電性粉末100〜500重量
部、有機質導電性粉末の場合には、バインダー100重
量部に対して、導電性粉末0.1〜30重量部)ため、
電気抵抗値の低い透明導電膜は得られない。
【0010】例えば、特開平8−199096号公報に
は、錫ドープ酸化インジウム(ITO)粉末、溶媒、カ
ップリング剤、金属の有機酸塩もしくは無機酸塩からな
る、バインダーを含まない導電膜形成用塗料をガラス板
に塗布し、300℃以上の温度で焼成する方法が開示さ
れている。この方法では、バインダーを用いていないの
で、導電膜の電気抵抗値は低くなる。しかし、300℃
以上の温度での焼成工程を行う必要があるため、樹脂フ
ィルムのような支持体上に導電膜を形成することは困難
である。すなわち、樹脂フィルムは高温によって、溶融
したり、炭化したり、燃焼してしまう。樹脂フィルムの
種類によるが、例えばポリエチレンテレフタレート(P
ET)フィルムでは130℃の温度が限界であろう。
【0011】塗布法以外のものとしては、特開平6−1
3785号公報に、導電性物質(金属又は合金)粉体よ
り構成された骨格構造の空隙の少なくとも一部、好まし
くは空隙の全部に樹脂が充填された粉体圧縮層と、その
下側の樹脂層とからなる導電性皮膜が開示されている。
その製法について、板材に皮膜を形成する場合を例にと
り説明する。同号公報によれば、まず、樹脂、粉体物質
(金属又は合金)及び被処理部材である板材を皮膜形成
媒体(直径数mmのスチールボール)とともに容器内で振
動又は攪拌すると、被処理部材表面に樹脂層が形成され
る。続いて、粉体物質がこの樹脂層の粘着力により樹脂
層に捕捉・固定される。更に振動又は攪拌を受けている
皮膜形成媒体が、振動又は攪拌を受けている粉体物質に
打撃力を与え、粉体圧縮層が作られる。粉体圧縮層の固
定効果を得るために、かなりの量の樹脂が必要とされ
る。また、製法は塗布法に比べ、煩雑である。
【0012】塗布法以外のものとしては、特開平9−1
07195号公報に、導電性短繊維をPVCなどのフィ
ルム上にふりかけて堆積させ、これを加圧処理して、導
電性繊維−樹脂一体化層を形成する方法が開示されてい
る。導電性短繊維とは、ポリエチレンテレフタレートな
どの短繊維にニッケルメッキなどを被着処理したもので
ある。加圧操作は、樹脂マトリックス層が熱可塑性を示
す温度条件下で行うことが好ましく、175℃、20kg
/cm2 という高温・低圧条件が開示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】このような背景から、
大面積の機能性膜を容易に形成しやすく、装置が簡便で
生産性が高く、低コストで機能性膜を製造できるという
塗布法の利点を生かしつつ、各種機能を発現し得る機能
性膜が得られる方法の開発が望まれる。
【0014】とりわけ導電膜については、大面積の導電
膜を容易に形成しやすく、装置が簡便で生産性が高く、
低コストで導電膜を製造できるという塗布法の利点を生
かしつつ、電気抵抗値の低い透明導電膜が得られる方法
の開発が望まれる。
【0015】そこで、本発明の目的は、塗布法による各
種機能を発現し得る機能性膜の製造方法、および機能性
膜を提供することである。
【0016】とりわけ本発明の目的は、塗布法による抵
抗値の低い透明導電膜の製造方法、および透明導電膜を
提供することである。さらには、高温の加熱操作を必要
とせず膜を形成でき、均質で厚みむらのない膜が得られ
る透明導電膜の製造方法、および透明導電膜を提供する
ことである。
【0017】
【課題を解決するための手段】従来、塗布法において、
バインダー樹脂を大量に用いなければ機能性膜を成膜で
きず、あるいは、バインダー樹脂を用いない場合には、
機能性物質を高温で焼結させなければ機能性膜が得られ
ないと考えられていた。
【0018】導電膜について見れば、バインダー樹脂を
大量に用いなければ導電膜を成膜できず、あるいは、バ
インダー樹脂を用いない場合には、導電性物質を高温で
焼結させなければ導電膜が得られないと考えられてい
た。
【0019】ところが、本発明者は鋭意検討した結果、
驚くべきことに、大量のバインダー樹脂を用いることな
く、かつ高温で焼成することもなく、圧縮によって機械
的強度を有し且つ各種の機能を発現し得る機能性膜が得
られることを見いだし、本発明に到達した。本発明者
は、導電性物質を用いると、抵抗値の低い透明導電膜が
得られることを見いだした。そして、塗布の際に透明導
電膜などを構成する機能性微粒子を均一に分散させるこ
とが重要であり、そのために超音波処理が極めて効果的
であることを見いだした。
【0020】すなわち、本発明の目的は以下の構成によ
り達成される。 (1) 機能性微粒子を分散した液を支持体上に塗布、
乾燥し、機能性微粒子含有層を形成し、その後、前記機
能性微粒子含有層を圧縮し、機能性微粒子の圧縮層を形
成する工程を有し、少なくとも前記塗布工程の前後のい
ずれかに機能性微粒子を分散した液に対して超音波処理
を行う工程を有する機能性膜の製造方法。 (2) 前記超音波処理は、塗布前に機能性微粒子を分
散した液に対して行う上記(1)の機能性膜の製造方
法。 (3) 前記超音波処理は、塗布後に機能性微粒子を分
散した液に対して行う上記(1)または(2)の機能性
膜の製造方法。 (4) 前記超音波処理は、発振周波数10kHz〜2
00kHz、超音波振幅10〜100μmの作動条件下
で行う上記(1)〜(3)のいずれかの機能性膜の製造
方法。 (5) 44N/mm2 以上の圧縮力で圧縮する、上記
(1)〜(4)のいずれかの機能性膜の製造方法。 (6) 圧縮を常温で行う、上記(1)〜(5)のいず
れかの機能性膜の製造方法。 (7) 圧縮をロールプレス機を用いて行う、上記
(1)〜(6)のいずれかの機能性膜の製造方法。 (8) 前記機能性微粒子が導電性微粒子であり、導電
膜としての機能を有する上記(1)〜(7)のいずれか
の機能性膜の製造方法。 (9) 前記導電性微粒子が、酸化錫、酸化インジウ
ム、酸化亜鉛、酸化カドミウム、アンチモンドープ酸化
錫(ATO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、錫ドー
プ酸化インジウム(ITO)及びアルミニウムドープ酸
化亜鉛(AZO)から選択される導電性無機微粒子であ
る上記(8)の機能性膜の製造方法。 (10) 前記支持体が樹脂である上記(1)〜(9)
のいずれかの機能性膜の製造方法。 (11) 上記(1)〜(10)のいずれかの方法によ
り製造された機能性膜。 (12) 前記機能性膜は、導電膜、磁性膜、強磁性
膜、誘電体膜、強誘電体膜、エレクトロクロミック膜、
エレクトロルミネッセンス膜、絶縁膜、光吸収膜、光選
択吸収膜、反射膜、反射防止膜、触媒膜及び光触媒膜か
ら選選択されるいずれかである上記(11)の機能性
膜。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の機能性膜の製造方法は、
機能性微粒子を分散した液を支持体上に塗布、乾燥し、
機能性微粒子含有層を形成し、その後、前記機能性微粒
子含有層を圧縮し、機能性微粒子の圧縮層を形成する工
程を有し、前記機能性微粒子を分散した液に対して、少
なくとも塗布の前後のいずれかにおいて超音波処理を行
う工程を有するものである。
【0022】まず最初に、本発明の磁気記録媒体の製造
方法に用いられる超音波処理装置について図1を参照し
つつ説明する。図1に示されるように超音波処理装置
は、処理対象である機能性微粒子分散液(塗料)3を通
過させつつ超音波処理するための超音波処理槽20と、
該超音波処理槽20内に挿入され機能性微粒子分散液3
に超音波振動を与えるための超音波ホーン30と、該超
音波ホーン30の基部側に連接された超音波振動子40
とを備えている。超音波振動子40には、超音波発生器
43が接続される。そして、通常、超音波振動子40の
上には、振幅検出器41が連接して形成され、このもの
には振幅表示器42が接続される。超音波処理槽20
は、ポンプ4を介して攪拌タンク2へ連通されている。
【0023】このような超音波処理槽20(特に内部筐
体21)の中に挿入される超音波ホーン30は、機能性
微粒子分散液に超音波振動を与えるための作動端面31
(ホーン先端部)を備えており、この超音波ホーン30
の作動端面31からこの作動端面31に対向する超音波
処理槽20の壁面23までの距離で規定される作動深さ
Hは、2〜40mm、より好ましくは2〜30mmに設
定される。
【0024】さらに、前記超音波ホーン30の作動端面
31の面積Sと作動深さHで規定される有効分散室体積
V0 は、超音波処理槽20の規模によっても多少異なる
が、好適には0.6〜80cm3 、さらに好適には0.9
〜60cm3 とされる。前記作動深さHが、極端に小さく
なって2mm未満となると、超音波振動によって超音波ホ
ーン30の作動端面31ないしは作動端面31に対向す
る超音波処理槽の壁面23が極端な摩耗(エロージョ
ン)や急激な液温上昇を引き起こしたり、有効分散室体
積V0 内の極端な圧力上昇が生じたり、さらには過分散
などの不都合が生じる。この一方で、前記作動深さH
が、40mmを超えると、比較的長い超音波照射の時間が
必要になったり、また分散の均一性に欠けるという不都
合が生じる。前記有効分散室体積V0 が小さくなりすぎ
ると、作動深さHが極端に小さくなりすぎた場合と同じ
不都合が生じ、また、前記有効分散室体積V0 が大きく
なりすぎると、作動深さHが極端に大きくなりすぎた場
合と同じ不都合が生じる。
【0025】このような作動端面31を備える超音波ホ
ーン30の基部側には超音波振動子40が連接されてお
り、この超音波振動子40から発せられた超音波は、超
音波ホーン30を伝達し、さらに作動端面31から磁性
塗料に伝えられる。なお、用いる超音波ホーン30の大
きさに特に制限はないが、通常は、直径20〜50mm程
度の大きさとされる。
【0026】このような超音波処理装置10を用いての
本発明の超音波処理条件は、発振周波数10kHz〜2
00kHz、作動端面31の超音波振幅10〜100μ
mの範囲内とされる。
【0027】タンク2から流量Q(l/sec)で送り
出される機能性微粒子分散液3は、ポンプ4、図示しな
いフィルタを介して、超音波処理装置を通過していき、
最終的に図示しないポンプ、フィルタを介して塗布部へ
と送られる。この場合、超音波処理装置の有効分散室体
積を、V0aとすると(単位はすべてlとする)、超音波
照射時間tは、t=V0a/Q で表される。従って、超
音波照射時間t、超音波処理装置の有効分散室体積が決
まれば、あとは超音波照射時間tが得られるように機能
性微粒子分散液3の流量Qを調整してやればよい。な
お、このパス処理の場合、超音波処理装置からの超音波
照射は途絶えることなく連続的に行われる。
【0028】上述のごとく超音波処理された機能性微粒
子分散液は、塗布部に供給されて、ここで支持体の上に
塗設される。
【0029】本発明において、超音波処理は塗布前であ
っても、塗布後であってもよく、好ましくはその両方を
併用するとより効果的である。塗布後において超音波処
理を行う場合、例えば図2、3に示すような装置を用い
る。図2、3は、機能性微粒子分散液を塗布した後に超
音波処理を施す装置の概略を示したものであって、図2
は平面図、図3は側面図である。
【0030】すなわち、未乾燥の塗布層21が設けられ
た支持体22に、超音波振動発生装置23の振幅増幅ホ
ーン24の先端に取り付けられたたわみ振動板25を通
じて、適当な周波数と、適当な姿態の超音波振動を与
え、これが塗布層21を構成している機能性微粒子に大
きな剪断を与える。
【0031】ここで用いられる超音波も、上記と同様な
条件が好ましい。また、たわみ振動板25の振動の姿態
は、周波数に対する振動板25の寸法形状、材質などに
より、多様なものが得られるが、本発明はこれらの姿態
によって特に限定されるものではなく、機能性微粒子の
材質や、塗布層の大きさなどにより好適なものに調整す
ればよい。
【0032】また、振動板25からの振動を効果的に伝
えるため、支持体21が振動板25に対して適当な入角
と出角になる位置に振動板25を設置して振動板25面
に圧着力を与えることが好ましい。
【0033】本発明において、機能性膜には、特に限定
されることなく、導電膜、磁性膜、強磁性膜、誘電体
膜、強誘電体膜、エレクトロクロミック膜、エレクトロ
ルミネッセンス膜、絶縁膜、光吸収膜、光選択吸収膜、
反射膜、反射防止膜、触媒膜、光触媒膜等の各種の機能
を有する膜が含まれる。従って、本発明において、前記
目的とする膜を構成すべき機能性微粒子が用いられる。
機能性微粒子は、特に限定されることなく、凝集力を有
する主として無機の微粒子が用いられる。いずれの機能
性膜の製造においても、本発明を適用することにより、
十分な機械的強度を有する機能性膜が得られると共に、
バインダー樹脂を大量に用いていた従来の塗布法におけ
るバインダー樹脂による弊害を解消することができる。
その結果、目的とする機能がより向上する。
【0034】例えば、透明導電膜の製造においては、酸
化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化カドミウム、ア
ンチモンドープ酸化錫(ATO)、フッ素ドープ酸化錫
(FTO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アル
ミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)等の導電性無機微粒
子が用いられる。あるいは、有機質の導電性微粒子が用
いられてもよい。本発明の適用によって、優れた導電性
が得られる。
【0035】強磁性膜の製造においては、γ−Fe23
、Fe34 、Co−FeOx 、Baフェライト等の酸
化鉄系磁性粉末や、α−Fe、Fe−Co、Fe−N
i、Fe−Co−Ni、Co、Co−Ni等の強磁性金
属元素を主成分とする強磁性合金粉末等が用いられる。
本発明の適用によって、磁性塗膜の飽和磁束密度が向上
する。
【0036】誘電体膜や強誘電体膜の製造においては、
チタン酸マグネシウム系、チタン酸バリウム系、チタン
酸ストロンチウム系、チタン酸鉛系、チタン酸ジルコン
酸鉛系(PZT)、ジルコン酸鉛系、ランタン添加チタ
ン酸ジルコン酸鉛系(PLZT)、ケイ酸マグネシウム
系、鉛含有ペロブスカイト化合物等の誘電体ないしは強
誘電体の微粒子が用いられる。本発明の適用によって、
誘電体特性ないしは強誘電体特性の向上が得られる。
【0037】各種機能を発現する金属酸化物膜の製造に
おいては、酸化鉄(Fe23 )、酸化ケイ素(SiO2
)、酸化アルミニウム(Al23 )、二酸化チタン
(TiO2 )、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(Zn
O)、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、酸化タングステ
ン(WO3 )等の金属酸化物の微粒子が用いられる。本
製造方法の適用によって、膜における金属酸化物の充填
度が上がるため、各機能が向上する。例えば、触媒を担
持させたSiO2 、Al23 を用いた場合には、実用
強度を有する多孔質触媒膜が得られる。TiO2 を用い
た場合には、光触媒機能の向上が得られる。また、WO
3 を用いた場合には、エレクトロクロミック表示素子で
の発色作用の向上が得られる。
【0038】また、エレクトロルミネッセンス膜の製造
においては、硫化亜鉛(ZnS)微粒子が用いられる。
本発明の適用によって、塗布法による安価なエレクトロ
ルミネッセンス膜の製造を行うことができる。
【0039】これら機能性微粒子の粒子径rは、機能性
膜の用途に応じて、例えば必要とされる散乱の度合い等
により異なり、また、粒子の形状により一概には言えな
いが、一般に平均一次粒径r=10μm以下であり、
1.0μm以下が好ましく、5nm〜100nmがより好ま
しい。
【0040】前記微粒子を含有する機能性膜は、圧縮時
に樹脂を含まないことが好ましい。すなわち、樹脂量=
0であることが好ましい。導電膜においては、樹脂を用
いなければ、樹脂によって導電性微粒子同士の接触が阻
害されることがない。従って、導電性微粒子相互間の導
電性が確保され、得られる導電膜の電気抵抗値が低い。
導電性を損なわない程度の量であれば、樹脂を含むこと
も可能であるが、その量は、従来技術におけるバインダ
ー樹脂としての使用量に比べると少ない。バインダーと
しての役割を果たす程度の量の樹脂を用いると、導電性
微粒子同士の接触がバインダーにより阻害され、微粒子
間の電子移動が阻害され導電性が低下する。
【0041】WO3 微粒子やTiO2 微粒子などを用い
た機能性膜においても、樹脂を用いなければ、樹脂によ
って各微粒子同士の接触が阻害されることがないため、
各機能の向上が図られる。微粒子間の接触が阻害されず
各機能を損なわない程度の量であれば、樹脂を含むこと
も可能であるが、その量は前記機能性微粒子の体積を1
00としたとき、好ましくは25体積%未満、より好ま
しくは20体積%未満である。
【0042】本発明において樹脂としては、特に限定さ
れることなく、熱可塑性樹脂またはゴム弾性を有するポ
リマーを、1種または2種以上を混合して用いることが
できる。樹脂の例としては、フッ素系ポリマー、シリコ
ーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、カル
ボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、再生セルロースジアセチルセルロース、ポリ塩化ビ
ニル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、SBR、ポリブタジエン、ポリエチレンオキシ
ド等が挙げられる。
【0043】フッ素系ポリマーとしては、ポリテトラフ
ルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、
フッ化ビニリデン−三フッ化エチレン共重合体、エチレ
ン−テトラフルオロエチレン共重合体、プロピレン−テ
トラフルオロエチレン共重合体等が挙げられる。また主
鎖の水素をアルキル基で置換した含フッ素系ポリマーも
用いることができる。樹脂の密度が大きいものほど、大
きな重量を用いても、体積がより小さく、本発明の要件
を満たしやすい。
【0044】樹脂は、導電膜の散乱を少なくする作用が
あるが、一方で、導電膜の電気抵抗値を高くしてしま
う。それは、絶縁性の樹脂によって導電性微粒子同士の
接触が阻害され、樹脂量が多い場合には微粒子同士が接
触しないため、微粒子相互間の電子移動が阻害されるか
らである。従って、ヘイズの向上と導電性微粒子相互間
の導電性の確保の双方を考慮して用いるとよい。
【0045】樹脂が少量であれば、圧縮工程における圧
縮圧力を大きくすると、導電膜の電気抵抗値が減少す
る。これは、圧縮圧力を大きくする程、導電性微粒子同
士がより接触することを意味すると考えられる。この場
合、樹脂は少量であるので、導電性微粒子の圧縮層にお
いて、導電性微粒子の空隙にほとんどが存在するものと
考えられる。しかし、さらに多量の樹脂を用いた場合に
は、圧縮工程における圧縮圧力を大きくすると、逆に導
電膜の電気抵抗値が増加する傾向が見られる。これは、
樹脂が多量であるので、圧縮圧力を大きくする程、導電
性微粒子相互間にも樹脂が押し込まれてしまい、導電性
微粒子同士が離れるような挙動になるためと考えられ
る。
【0046】具体的な樹脂の含有量としては、機能性微
粒子の体積を100としたとき、好ましくは25体積%
未満、より好ましくは20体積%未満、特に3.7体積
%未満である。本発明では樹脂の含有量が0であること
が最も好ましい。
【0047】Al23 微粒子などを用いた触媒膜にお
いては、樹脂を用いなければ、樹脂によって触媒機能を
有する微粒子の表面が覆われることがない。このため、
触媒としての機能の向上が図られる。触媒膜において
は、膜の内部に空隙が多い方が、触媒としての活性点が
多くなるので、この観点からもなるべく樹脂を用いない
ことが好ましい。
【0048】このように機能性膜には圧縮時に樹脂を用
いないことが好ましく、用いるとしても少量が好まし
い。用いる場合の樹脂量は、機能性膜の目的に応じて、
ある程度変化し得るので、適宜決定するとよい。
【0049】本発明において、機能性膜を得るには、機
能性膜の目的に応じて、上記各種の機能性微粒子から選
ばれる機能性微粒子を分散した液を機能性塗料として用
いる。この機能性塗料を支持体上に塗布、乾燥し、機能
性微粒子含有層を形成する。その後、前記機能性微粒子
含有層を圧縮し、機能性微粒子の圧縮層を形成して、機
能性膜を得る。
【0050】導電性微粒子などの機能性微粒子を分散す
る液体としては、特に限定されることなく、既知の各種
液体を使用することができる。例えば、液体として、ヘ
キサン等の飽和炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケ
トン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステ
ル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエー
テル等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、
N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルア
セトアミド等のアミド類、エチレンクロライド、クロル
ベンゼン等のハロゲン化炭化水素等を挙げることができ
る。これらのなかでも、極性を有する液体が好ましく、
特にメタノール、エタノール等のアルコール類、NMP
等のアミド類のような水と親和性のあるものは、分散剤
を使用しなくても分散性が良好であり好適である。これ
ら液体は、単独でも2種以上の混合したものでも使用す
ることができる。また、液体の種類により、分散剤を使
用することもできる。
【0051】また、液体として、水も使用可能である。
水を用いる場合には、支持体が親水性のものである必要
がある。樹脂フィルムは通常疎水性であるため水をはじ
きやすく、均一な膜が得られにくい。支持体が樹脂フィ
ルムの場合には、水にアルコールを混合するとか、ある
いは支持体の表面を親水性にする必要がある。
【0052】用いる液体の量は、特に制限されず、前記
微粒子の分散液が塗布に適した粘度を有するようにすれ
ばよい。例えば、前記微粒子100重量部に対して、液
体100〜100,000重量部程度である。前記微粒
子と液体の種類に応じて適宜選択するとよい。
【0053】前記微粒子の液体中への分散は、公知の分
散手法により行うとよい。例えば、サンドグラインダー
ミル法等により分散することができる。分散に際して
は、微粒子の凝集をほぐすために、ジルコニアビーズ等
のメディアを用いることも好ましい。また、分散の際
に、ゴミ等の不純物の混入が起こらないように注意す
る。
【0054】前記微粒子の分散液には、導電性や触媒作
用などの各機能に要求される性能を満たす範囲内で、各
種の添加剤を配合してもよい。例えば、紫外線吸収剤、
界面活性剤、分散剤等の添加剤である。
【0055】支持体としては、特に限定されることな
く、樹脂フィルム、ガラス、セラミックス、金属、布、
紙等の各種のものを用いることができる。しかしなが
ら、ガラス、セラミックス等では、後工程の圧縮の際に
割れる可能性が高いので、その点を考慮する必要があ
る。また、支持体の形状は、フィルム状の他、箔状、メ
ッシュ状、織物等が使用可能である。
【0056】支持体として、圧縮工程の圧縮力を大きく
しても割れることがない樹脂フィルムが好適である。樹
脂フィルムは、次に述べるように、導電性微粒子などの
機能性微粒子層の該フィルムへの密着性が良い点でも好
ましく、また軽量化を求められている用途にも好適であ
る。本発明では、高温での加圧工程や、焼成工程がない
ので、樹脂フィルムを支持体として用いることができ
る。
【0057】樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)等のポリエステルフィル
ム、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン
フィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリルフィル
ム、ノルボルネンフィルム(JSR(株)製、アートン
など)等が挙げられる。
【0058】PETフィルムのような樹脂フィルムで
は、乾燥後の圧縮工程の際に、PETフィルムに接して
いる導電性微粒子などの機能性微粒子の一部分がPET
フィルムに埋め込まれるような感じとなり、この微粒子
層がPETフィルムに良く密着される。ガラスなどの硬
いものや、樹脂フィルムであってもフィルム表面が硬い
ものでは、微粒子が埋め込まれないため微粒子層と支持
体の密着性がとれない。その場合は、ガラス面や、硬い
フィルム表面上に柔らかい樹脂層を予め形成しておき、
微粒子を塗布、乾燥、圧縮することが好ましい。圧縮後
に、柔らかい樹脂層を熱や紫外線などで硬化させてもよ
い。
【0059】柔らかい樹脂層は、微粒子を分散した液に
溶解しないものの方がよい。導電膜においては、前記樹
脂層が溶解すると毛管現象で、前記樹脂を含む溶液が導
電性微粒子の周りにきてしまい、結果として、得られる
導電膜の電気抵抗値が上昇する。触媒膜においても、毛
管現象で、前記樹脂を含む溶液が触媒機能を有する微粒
子の周りにきてしまい、触媒機能が低下する。
【0060】また、支持体として硬い金属を用いた場
合、微粒子層と支持体の密着性が悪いので、支持体金属
の表面を樹脂で処理するか、柔らかい金属(合金でもよ
い)とすればよい。
【0061】前記微粒子の分散液を前記支持体上に塗
布、乾燥し、導電性微粒子含有層などの機能性微粒子含
有層を形成する。前記支持体上への前記微粒子分散液の
塗布は、特に限定されることなく、公知の方法により行
うことができる。例えば、リバースロール法、ダイレク
トロール法、ブレード法、ナイフ法、エクストルージョ
ンノズル法、カーテン法、グラビアロール法、バーコー
ト法、ディップ法、キスコート法、スクイズ法などの塗
布法によって行うことができる。また、噴霧、吹き付け
などにより、支持体上へ分散液を付着させることも可能
である。
【0062】乾燥温度は分散に用いた液体の種類による
が、10〜150℃程度が好ましい。10℃未満では空
気中の水分の結露が起こりやすく、150℃を越えると
樹脂フィルム支持体が変形する。また、乾燥の際に、不
純物が前記微粒子の表面に付着しないように注意する。
【0063】塗布、乾燥後の導電性微粒子含有層などの
機能性微粒子含有層の厚みは、次工程の圧縮条件や最終
導電膜などの各機能性膜の用途にもよるが、0.1〜1
0μm程度とすればよい。
【0064】このように、導電性微粒子などの機能性微
粒子を液に分散させて塗布し、乾燥すると、均一な膜を
作成しやすい。前記微粒子の分散液を塗布して乾燥させ
ると、分散液中にバインダーが存在しなくても微粒子は
膜を形成する。バインダーが存在しなくても膜となる理
由は必ずしも明確ではないが、乾燥させて液が少なくな
ってくると毛管力のため、微粒子が互いに集まってく
る。さらに微粒子であるということは比表面積が大きく
凝集力も強いので、膜となるのではないかと考えてい
る。しかし、この段階での膜の強度は弱い。また、導電
膜においては抵抗値が高く、抵抗値のばらつきも大き
い。
【0065】次に、形成された導電性微粒子含有層など
の機能性微粒子含有層を圧縮し、導電性微粒子などの機
能性微粒子の圧縮層を得る。圧縮することにより、膜の
強度を向上させる。すなわち、圧縮することで導電性微
粒子などの機能性微粒子相互間の接触点が増え接触面が
増加する。このため、塗膜強度が上がる。微粒子は元々
凝集しやすい性質があるので圧縮することで強固な膜と
なる。
【0066】導電膜においては、塗膜強度が上がると共
に、電気抵抗が低下する。触媒膜においては、塗膜強度
が上がると共に、樹脂を用いないか又は樹脂量が少ない
ので多孔質膜となる。そのため、より高い触媒機能が得
られる。他の機能性膜においても、微粒子同士がつなが
った高い強度の膜とすることができる共に、樹脂を用い
ないか又は樹脂量が少ないので、単位体積における微粒
子の充填量が多くなる。そのため、より高いそれぞれの
機能が得られる。
【0067】圧縮は44N/mm2 以上の圧縮力で行うこ
とが好ましい。44N/mm2 未満の低圧であれば、導電
性微粒子含有層を十分に圧縮することができず、導電性
に優れた導電膜が得られにくい。135N/mm2 以上の
圧縮力がより好ましく、180N/mm2 の圧縮力が更に
好ましい。圧縮力が高いほど、塗膜強度が向上し、支持
体との密着性が向上する。導電膜においては、より導電
性に優れた膜が得られ、また、導電膜の強度が向上し、
導電膜と支持体との密着性も強固となる。圧縮力を高く
するほど装置の耐圧を上げなくてはならないので、一般
には1000N/mm2 までの圧縮力が適当である。ま
た、圧縮を常温(15〜40℃)付近の温度で行うこと
が好ましい。常温付近の温度における圧縮操作は、本発
明の利点の一つである。
【0068】圧縮は、特に限定されることなく、シート
プレス、ロールプレス等により行うことができるが、ロ
ールプレス機を用いて行うことが好ましい。ロールプレ
スは、ロールとロールの間に圧縮すべきフィルムを挟ん
で圧縮し、ロールを回転させる方法である。ロールプレ
スは均一に高圧がかけられ、また、ロールトゥーロール
で生産できることから生産性が上がり好適である。
【0069】ロールプレス機のロール温度は常温が好ま
しい。加温した雰囲気やロールを加温した圧縮(ホット
プレス)では、圧縮圧力を強くすると樹脂フィルムが伸
びてしまうなどの不具合が生じる。加温下で支持体の樹
脂フィルムが伸びないようにするため、圧縮圧力を弱く
すると、塗膜の機械的強度が低下する。導電膜において
は、塗膜の機械的強度が低下し、電気抵抗が上昇する。
微粒子表面の水分の付着をできるだけ少なくしたいとい
うような理由がある場合に、雰囲気の相対湿度を下げる
ために、加温した雰囲気としてもよいが、温度範囲はフ
ィルムが容易に伸びてしまわない範囲内である。一般に
はガラス転移温度(二次転移温度)以下の温度範囲とな
る。湿度の変動を考慮して、要求される湿度になる温度
より少し高めの温度にすればよい。ロールプレス機で連
続圧縮した場合に、発熱によりロール温度が上昇しない
ように温度調節することも好ましい。なお、樹脂フィル
ムのガラス転移温度は、動的粘弾性を測定して求めら
れ、主分散の力学的損失がピークとなる温度をさす。例
えば、PETフィルムについてみると、そのガラス転移
温度はおよそ110℃前後である。
【0070】支持体が金属製であれば、この金属が溶融
しない温度範囲まで、加温した雰囲気にすることも可能
である。また、金属やセラミックなどある程度の耐熱性
を有する支持体であれば高温処理を行ってもよい。
【0071】ロールプレス機のロールは、強い圧力がか
けられることから金属ロールが好適である。また、ロー
ル表面が柔らいと、圧縮時に微粒子がロールに転写する
ことがあるので、ロール表面を硬質膜で処理することが
好ましい。
【0072】このようにして、導電性微粒子などの機能
性微粒子の圧縮層が形成される。導電性微粒子などの機
能性微粒子圧縮層の膜厚は、用途にもよるが、0.1〜
10μm程度とすればよい。また、10μm程度の厚い
圧縮層を得るために、微粒子の分散液の塗布、乾燥、圧
縮の一連の操作を繰り返し行っても良い。さらに、本発
明において、支持体の両面に導電膜などの各機能性膜を
形成することも勿論可能である。このようにして得られ
る透明導電膜などの各機能性膜は、優れた導電性や触媒
作用などの各機能性を示し、バインダー樹脂を用いない
か又はバインダーとしては機能しない程の少量の樹脂を
用いて作成したにもかかわらず、実用上十分な膜強度を
有し、支持体との密着性にも優れる。
【0073】次に、本発明を透明導電膜に適用した例に
ついて説明する。
【0074】本発明において、導電性微粒子を分散した
液を導電性塗料として用いる。この導電性塗料を支持体
上に塗布、乾燥し、導電性微粒子含有層を形成する。そ
の後、前記導電性微粒子含有層を圧縮し、導電性微粒子
の圧縮層を形成して、導電膜を得る。透明導電膜におけ
る導電性微粒子としては、導電膜の透明性を大きく損な
うものでなければ特に限定されることなく、無機質の導
電性微粒子が用いられる。あるいは、有機質の導電性微
粒子が用いられる場合もある。
【0075】本発明において、透明とは可視光を透過す
ることを意味する。光の散乱度合いについては、導電膜
の用途により要求されるレベルが異なる。本発明では、
一般に半透明といわれるような散乱のあるものも含まれ
る。
【0076】無機質の導電性微粒子としては、酸化錫、
酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化カドミウム等があり、
アンチモンドープ酸化錫(ATO)、フッ素ドープ酸化
錫(FTO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、ア
ルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)等の微粒子が好ま
しい。更にITOがより優れた導電性が得られる点で好
ましい。あるいは、ATO、ITO等の無機材料を硫酸
バリウム等の透明性を有する微粒子の表面にコーティン
グしたものを用いることもできる。
【0077】有機質の導電性微粒子としては、例えば、
金属材料を樹脂微粒子表面にコーティングしたもの等が
挙げられる。
【0078】本発明の機能性膜102は、例えば図4に
示すように、支持体101上に形成されているものであ
る。また、図5に示すように、機能性膜102a,10
2bを2層以上重ねて形成してもよい。
【0079】さらに、本発明の機能性膜は、例えば図6
に示すように接着層104、ハードコート層103等と
組み合わせることにより、転写型とすることもできる。
すなわち、図6に示す積層体は、樹脂フィルムなどの支
持体101上にハードコート層103、機能性膜10
2、接着層104、セパレータ105が順次積層されて
いる。
【0080】そして、図7に示すように、この積層体を
反転させた状態で(a)、セパレータ105を取り除い
て接着層を露出させ(b)、ガラス等の被着物106上
に接着する(c)。最後に支持体101を取り除くこと
により、被着物106上にハードコート層103に保護
された機能性膜2を配置することができる(d)。
【0081】なお、機能性膜102とハードコート層と
の間には必要により密着層を設けてもよい。
【0082】ハードコート層は、特に機能性膜の耐スク
ラッチ性を向上させる上で有効である。このようなハー
ドコート層としては、機能性膜上に形成可能で、所定の
強度を有するものであれば特に限定されるものではな
く、公知のハードコート材料を用いることができる。例
えば、シリコーン系、アクリル系、メラミン系等の熱硬
化型ハードコート剤を用いることができる。これらのな
かでもシリコーン系ハードコート剤は、高い高度が得ら
れる点で優れている。
【0083】また、不飽和ポリエステル樹脂系、アクリ
ル系などのラジカル重合性ハードコート剤、エポキシ
系、ビニルエーテル系等のカチオン重合性ハードコート
剤等の紫外線硬化型ハードコート剤を用いてもよい。紫
外線硬化型ハードコート剤は、硬化反応性などの製造性
の点から好ましい。これらのなかでも、硬化反応性、表
面硬度を考慮すると、アクリル系のラジカル重合性ハー
ドコート剤が望ましい。
【0084】ハードコート層は、機能性薄膜などの上に
ハードコート剤を必要に応じて溶剤に溶解した液を塗
布、乾燥して硬化させることにより形成することができ
る。
【0085】ハードコート剤の塗布は、グラビアシリン
ダー、リバース、メイヤーバー等のロールコーター、ス
リットダイコーター等の公知の方法で行うとよい。
【0086】塗布後、適切な温度範囲で乾燥し、その後
硬化させる。熱硬化型ハードコート剤の場合には、適切
な熱を与えて、例えばシリコーン系ハードコート剤の場
合には60〜120℃程度に、1分間〜48時間加熱し
て硬化させる。紫外線照射は、キセノンランプ、低圧水
銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタル
ハライドランプ、カーボンアーク灯、タングステンラン
プ等の紫外線照射源を用いて、紫外線を200〜200
0mJ/cm2 程度照射するとよい。
【0087】接着層は、機能性膜と被着物とを接着する
ことが可能な公知の接着性を有する材料の中から選択し
て用いることができる。これらの材料のなかでも光硬化
性を有する材料が特に好ましい。具体的には、ゴム系粘
着剤やアクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤やビニル
アルキルエーテル系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘
着剤やポリビニルピロリドン系粘着剤、ポリアクリルア
ミド系粘着剤やセルロース系粘着剤などの粘着剤を用い
ることができる。接着層の厚さは、使用目的による必要
な固着力などに応じて適宜に決定することができる。好
ましくは1〜500μm、より好ましくは100μm以
下、特に5〜50μmである。
【0088】必要により設けられる密着層は、機能性膜
とハードコート層との密着性、接着性を向上させる。通
常、ハードコート層は機能性膜との接着性が悪いため、
密着層を介することにより、強固に機能性膜に接着させ
ることができる。密着層として、機能性膜、ハードコー
ト層と接着性の良好な樹脂を使用することができる。樹
脂としては、アクリル、シリコーン、ウレタン、塩化ビ
ニル等がある。また、密着層に紫外線吸収剤や赤外線吸
収剤を入れてもよい。さらには、密着性に影響を与えな
い範囲でシリカなどの微粒子を入れることも可能であ
る。
【0089】また、ハードコート層が形成される支持体
表面に、微少な凹凸を形成しておくと、ハードコート層
にこの凹凸が転写され、極めて容易にハードコート表面
に防眩処理を施すことができる。また、上記図4や図5
に示した積層構成に、さらにハードコート層、密着層を
設けてもよい。
【0090】このような構成の機能性膜は、特に図4の
ような積層構成のものでは、タッチパネル、面状発熱体
等の導電材料や、PDP用電磁波遮蔽等の電磁波遮蔽材
料に応用することができ、図5の積層構成のものでは、
無機EL用電極、太陽電池用電極等の導電材料などに応
用することができ、図6に示した積層構成のものでは、
ガラス、樹脂板材帯電防止用(特に半導体クリンルー
ム、建材窓等)等の導電材料や、CRT用電磁波遮蔽、
PDP用電磁波遮蔽等の電磁波遮蔽材料、高断熱複層ガ
ラス(Low-E)用等の赤外線遮蔽材料に応用することが
できる。
【0091】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。
【0092】[実施例1]一次粒径が10〜30nmのA
TO微粒子(SN−100P:石原産業(株)製)10
0重量部にエタノール300重量部を加え、メディアを
ジルコニアビーズとして分散機にて分散した。得られた
塗液を、図1に示すような装置にて作動深さH=3mm
で、超音波照射時間t=0.5秒、処理流量(塗液流
量)22l/時間で超音波処理を行った。照射した超音
波は、発振周波数20kHz、振幅25μm、圧力1.
5kgf/cm2 (ゲージ圧)とした。
【0093】次いで、超音波処理の行われた塗液を、5
0μm厚のPETフィルム上に、バーコーターを用いて
塗布し、50℃の温風を送って乾燥した。
【0094】得られたフィルムを、以降において、圧縮
前ATOフィルムと称する。ATO含有塗膜の厚みは
1.7μmであった。
【0095】まず、圧縮圧力の確認のための予備実験を
行った。一対の直径140mmの金属ロール(ロール表面
にハードクロムめっき処理が施されたもの)を備えるロ
ールプレス機を用いて、ロールを回転させず且つ前記ロ
ールの加熱を行わないで、室温(23℃)にて前記圧縮
前ATOフィルムを挟み圧縮した。この時、フィルム幅
方向の単位長さ当たりの圧力は1000N/mmであっ
た。次に、圧力を解放し、圧縮された部分のフィルム長
手方向の長さを調べたら2mmであった。この結果から、
単位面積当たりに500N/mm2 の圧力で圧縮したこと
になる。
【0096】次に、予備実験に使用したものと同様の前
記圧縮前ATOフィルムを金属ロール間に挟み前記条件
で圧縮し、ロールを回転させ5m/分の送り速度で圧縮
した。このようにして、圧縮されたATOフィルムを得
た。圧縮後のATO塗膜の厚みは1.0μmであった。
【0097】(電気抵抗)導電膜が形成されたフィルム
を50mm×50mmの大きさに切断した。対角の位置にあ
る角の2点にテスターをあてて電気抵抗を測定したとこ
ろ、61kΩであった。
【0098】(90度ピール試験)導電膜の支持体フィ
ルムとの密着性及び導電膜の強度を評価するため、90
度ピール試験を行った。図8を参照して説明する。導電
膜が形成された試験サンプル(1) における支持体フィル
ム(1b)の導電膜(1a)が形成された面とは反対側の面に両
面テープ(2) を貼った。これを大きさ25mm×100mm
に切り出した。試験サンプル(1) をステンレス板(3) に
貼った。試験サンプル(1) が剥がれないように、サンプ
ル(1) の両端部(25mm辺)にセロハンテープ(4) を貼
った。(図8(a))。
【0099】試験サンプル(1) の導電膜(1a)面にセロハ
ンテープ(幅12mm、日東電工製、No. 29)(5) をサン
プル(1) の長辺と平行になるように貼った。セロハンテ
ープ(5) とサンプル(1) との貼付の長さは50mmであっ
た。セロハンテープ(5) の貼付されていない端を張力計
(6) に取り付け、セロハンテープ(5) の貼付面と非貼付
面(5a)との成す角が90度になるようにセットした。セ
ロハンテープ(5) を、100mm/分の速度で引っ張って
剥がした。このときテープ(5) を剥がす速度と試験サン
プル(1) を貼り付けたステンレス板(3) が同じ速度で移
動するようし、セロハンテープ(5) の非貼付面(5a)と試
験サンプル(1) 面とが常に90度となるようにした。張
力計(6) にて剥がすときに要した力(F) を計測した。
(図8(b))。
【0100】試験後、剥がされた導電膜表面とセロハン
テープ表面を調べた。両方の表面に粘着剤がある場合
は、導電膜が破壊されたのではなく、セロハンテープの
粘着剤層が破壊されたこと、すなわち、粘着剤の強度が
剥がすときに要した力(F) の値であったということにな
り、導電塗膜の強度はその値(F) 以上となる。
【0101】本試験においては、粘着剤の強度上限が6
N/12mmであるため、表1に6N/12mmと表示した
ものは、上記のように両方の表面に粘着剤がある場合で
あって、密着性と導電膜の強度が6N/12mm以上であ
ることを表す。これより小さい値の場合は、導電膜表面
に粘着剤がなくセロハンテープ表面に導電膜が一部付着
しており、その値において、塗膜厚中で破壊が生じたこ
とを表す。
【0102】上記90度ピール試験の結果、実施例1で
は、セロハンテープを剥がすのに6N/12mmの力を要
した。ピール試験後の塗膜表面を調べたところ、セロハ
ンテープの粘着剤が付着していた。剥がしたセロハンテ
ープの粘着面を調べたところ、粘着性があった。従っ
て、塗膜の強度は6N/12mm以上であった。
【0103】[実施例2]実施例1において、フィルム
幅方向の単位長さ当たりの圧力を660N/mmに変更し
て圧縮した以外は実施例1と同様にして、予備実験を行
い、更に圧縮されたATOフィルムを得た。予備実験に
おいて、圧縮してロールプレス機を回転させないで、次
に圧力を解放し、圧縮された部分のフィルム長手方向の
長さを調べたら1.9mmであり、この結果から、単位
面積当たりの圧力は347N/mm2であった。以下の実
施例においても同様にして、単位面積当たりの圧力を算
出した。圧縮後のATO塗膜の厚みは1.0μmであっ
た。なお、用いた圧縮前ATOフィルムは、実施例1で
作成したものと同様のものであり、以下の実施例3〜
6、比較例1についても同様である。
【0104】圧縮されたATOフィルムの電気抵抗は7
5kΩであった。90度ピール試験の結果、セロハンテ
ープを剥がすのに6N/12mmの力を要した。ピール試
験後の塗膜表面を調べたところ、セロハンテープの粘着
剤が付着していた。剥がしたセロハンテープの粘着面を
調べたところ、粘着性があった。従って、塗膜の強度は
6N/12mm以上であった。
【0105】[参考例1]実施例1において、超音波処
理を行わなかった。得られたATOフィルムにつき、物
性試験を行った。超音波処理されていないATOフィル
ムの電気抵抗は65kΩであった。90度ピール試験の
結果、セロハンテープを剥がすのに6N/12mmの力を
要した。
【0106】
【表1】
【0107】[実施例3]一次粒径が10〜30nmのI
TO微粒子(同和鉱業(株)製)100重量部にエタノ
ール300重量部を加え、メディアをジルコニアビーズ
として分散機にて分散した。
【0108】得られた塗液を実施例1と同様にして超音
波処理した後、50μm 厚のPETフィルム上に、バー
コーターを用いて塗布し、50℃の温風を送って乾燥し
た。得られたフィルムを、以降において、圧縮前ITO
フィルムと称する。ITO含有塗膜の厚みは1.7μm
であった。
【0109】実施例1と同様にして、ロールプレス機を
用いて、前記圧縮前ITOフィルムをフィルム幅方向の
単位長さ当たりの圧力1000N/mm、単位面積当たり
の圧力500N/mm2 、5m/分の送り速度で圧縮し、
圧縮されたITOフィルムを得た。圧縮後のITO塗膜
の厚みは1.0μmであった。圧縮されたITOフィル
ムの電気抵抗は2kΩであった。90度ピール試験の結
果から、塗膜強度は6N/12mm以上であった。
【0110】[参考例2]実施例3において、超音波処
理を行わなかった。得られたITOフィルムにつき、実
施例1と同様に物性試験を行った。超音波処理されてい
ないITOフィルムの電気抵抗は4kΩであった。90
度ピール試験の結果、セロハンテープを剥がすのに6N
/12mmの力を要した。
【0111】[実施例4]実施例1〜3において、超音
波処理を塗布後に行った。すなわち、機能性微粒子が分
散された塗液を50μm 厚のPETフィルム上に、バー
コーターを用いて塗布し、図2,3に示すような装置を
用いて超音波処理を行い、50℃の温風を送って乾燥し
た。その他は実施例1〜3と同様にして機能性膜を有す
るフィルムを得た。なお、超音波振動板には、厚み1m
m、幅100mm、長さ350mmのジュラルミン板を使用
し、超音波発生器として20kHzπ型フェライト振動子
を用い、振動子への高周波電気入力として50Wを与え
た。
【0112】得られたフィルムを実施例1〜3と同様に
して評価したところ、ほぼ同様な結果が得られた。
【0113】[実施例5]実施例1〜3において、さら
に実施例4と同様な超音波処理を塗布後に行った。
【0114】得られたフィルムを実施例1〜3と同様に
して評価したところ、特に優れた効果が得られることが
わかった。
【0115】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、塗布法に
よる各種機能を発現し得る機能性膜の製造方法、および
機能性膜を提供することができる。
【0116】とりわけ、塗布法による抵抗値の低い透明
導電膜の製造方法、および透明導電膜を提供することが
できる。さらには、高温の加熱操作を必要とせず膜を形
成でき、均質で厚みむらのない膜が得られる透明導電膜
の製造方法、および透明導電膜を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の機能性膜の製造方法に使用される超音
波処理装置の一例を示した概略ブロック図である。
【図2】本発明の機能性膜の製造方法に使用される他の
超音波処理装置の一例を示した概略平面図である。
【図3】図2の側面図である。
【図4】本発明の機能性膜を有する複合膜の第1の構成
例を示す概略断面図である。
【図5】本発明の機能性膜を有する複合膜の第2の構成
例を示す概略断面図である。
【図6】本発明の機能性膜を有する複合膜の第3の構成
例を示す概略断面図である。
【図7】図3に示した転写型複合膜の転写工程を示した
概略断面図である。
【図8】実施例における90度ピール試験を説明するた
めの図である。
【符号の説明】
2 攪拌タンク 3 機能性微粒子分散液(塗料) 4 ポンプ 10 超音波処理装置 11 導電膜が形成された試験サンプル 11a 導電膜 11b 支持体フィルム 12 両面テープ 13 ステンレス板 14 固定用セロハンテープ 15 セロハンテープ 15a セロハンテープ非貼付面 16 張力計 20 超音波処理槽 21 塗布層 22 支持体 23 超音波振動発生装置 24 振幅増幅ホーン 25 たわみ振動板 30 超音波ホーン 40 超音波振動子 41 振幅検出器 42 振幅表示器 101 支持体 102 機能性膜 103 ハードコート層 104 接着層 105 セパレータ 106 被着物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // G02F 1/1343 G02F 1/1343 (72)発明者 河野 雅秀 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 2H092 GA62 GA64 HA04 MA10 MA31 NA18 NA27 4D075 BB05Z BB13X BB13Z CA22 DA06 DB31 DC24 EC02 4F100 AA25B AA28B AA33B AK01A AK42 AT00A BA02 BA07 DE01B EH462 EJ17B EJ173 EJ19B EJ25 JB07B JG01B JG04B JG05B JG06B JL08B JN02B JN06B JN30B YY00 5G323 BA02 BB01 BC03

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機能性微粒子を分散した液を支持体上に
    塗布、乾燥し、機能性微粒子含有層を形成し、 その後、前記機能性微粒子含有層を圧縮し、機能性微粒
    子の圧縮層を形成する工程を有し、 少なくとも前記塗布工程の前後のいずれかに機能性微粒
    子を分散した液に対して超音波処理を行う工程を有する
    機能性膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記超音波処理は、塗布前に機能性微粒
    子を分散した液に対して行う請求項1の機能性膜の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記超音波処理は、塗布後に機能性微粒
    子を分散した液に対して行う請求項1または2の機能性
    膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記超音波処理は、発振周波数10kH
    z〜200kHz、超音波振幅10〜100μmの作動
    条件下で行う請求項1〜3のいずれかの機能性膜の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 44N/mm2 以上の圧縮力で圧縮する、
    請求項1〜4のいずれかの機能性膜の製造方法。
  6. 【請求項6】 圧縮を常温で行う、請求項1〜5のいず
    れかの機能性膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 圧縮をロールプレス機を用いて行う、請
    求項1〜6のいずれかの機能性膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記機能性微粒子が導電性微粒子であ
    り、導電膜としての機能を有する請求項1〜7のいずれ
    かの機能性膜の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記導電性微粒子が、酸化錫、酸化イン
    ジウム、酸化亜鉛、酸化カドミウム、アンチモンドープ
    酸化錫(ATO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、錫
    ドープ酸化インジウム(ITO)及びアルミニウムドー
    プ酸化亜鉛(AZO)から選択される導電性無機微粒子
    である請求項8の機能性膜の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記支持体が樹脂である請求項1〜9
    のいずれかの機能性膜の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかの方法によ
    り製造された機能性膜。
  12. 【請求項12】 前記機能性膜は、導電膜、磁性膜、強
    磁性膜、誘電体膜、強誘電体膜、エレクトロクロミック
    膜、エレクトロルミネッセンス膜、絶縁膜、光吸収膜、
    光選択吸収膜、反射膜、反射防止膜、触媒膜及び光触媒
    膜から選選択されるいずれかである請求項11の機能性
    膜。
JP2000148870A 2000-05-19 2000-05-19 機能性膜の製造方法、および機能性膜 Pending JP2001327917A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000148870A JP2001327917A (ja) 2000-05-19 2000-05-19 機能性膜の製造方法、および機能性膜

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000148870A JP2001327917A (ja) 2000-05-19 2000-05-19 機能性膜の製造方法、および機能性膜

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001327917A true JP2001327917A (ja) 2001-11-27

Family

ID=18654826

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000148870A Pending JP2001327917A (ja) 2000-05-19 2000-05-19 機能性膜の製造方法、および機能性膜

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001327917A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004054704A1 (ja) * 2002-12-17 2004-07-01 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology 微粒子のハンドリング方法及び装置
WO2006109799A1 (ja) * 2005-04-12 2006-10-19 Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. 金属導電膜とその製造方法
JP2008004501A (ja) * 2006-06-26 2008-01-10 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 透明導電層付フィルム及びフレキシブル分散型エレクトロルミネッセンス素子並びにそれを用いた電子デバイス
CN100374214C (zh) * 2005-12-08 2008-03-12 复旦大学 一种用于溶液成膜过程的超声辅助干燥方法及其装置
US7691459B2 (en) 2005-03-22 2010-04-06 Fujifilm Corporation Inorganic fine particle-containing composition, optical film, antireflection film and polarizing film, and polarizing plate and display device using the same
WO2012133355A1 (ja) * 2011-03-31 2012-10-04 富士フイルム株式会社 ナノ粒子含有層の製造方法及びその製造装置、並びに導電性構造物の製造方法及びその製造装置
JP2016533637A (ja) * 2013-06-07 2016-10-27 アップル インコーポレイテッド 無線周波に透過な窓
KR20180034148A (ko) * 2016-09-27 2018-04-04 (주)엘지하우시스 전도성 필름 및 이의 제조방법
WO2024058112A1 (ja) * 2022-09-16 2024-03-21 サトーホールディングス株式会社 導電性基材の製造方法、電子デバイスの製造方法、電磁波シールドフィルムの製造方法および面状発熱体の製造方法
WO2024070661A1 (ja) * 2022-09-26 2024-04-04 サトーホールディングス株式会社 導電性基材の製造方法、電子デバイスの製造方法、電磁波シールドフィルムの製造方法および面状発熱体の製造方法

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004054704A1 (ja) * 2002-12-17 2004-07-01 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology 微粒子のハンドリング方法及び装置
US7691459B2 (en) 2005-03-22 2010-04-06 Fujifilm Corporation Inorganic fine particle-containing composition, optical film, antireflection film and polarizing film, and polarizing plate and display device using the same
WO2006109799A1 (ja) * 2005-04-12 2006-10-19 Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. 金属導電膜とその製造方法
JP4962315B2 (ja) * 2005-04-12 2012-06-27 住友金属鉱山株式会社 金属導電膜とその製造方法
CN100374214C (zh) * 2005-12-08 2008-03-12 复旦大学 一种用于溶液成膜过程的超声辅助干燥方法及其装置
JP2008004501A (ja) * 2006-06-26 2008-01-10 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 透明導電層付フィルム及びフレキシブル分散型エレクトロルミネッセンス素子並びにそれを用いた電子デバイス
WO2012133355A1 (ja) * 2011-03-31 2012-10-04 富士フイルム株式会社 ナノ粒子含有層の製造方法及びその製造装置、並びに導電性構造物の製造方法及びその製造装置
JP2012216411A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 Fujifilm Corp ナノ粒子含有層の製造方法及びその製造装置、並びに導電性構造物の製造方法及びその製造装置
JP2016533637A (ja) * 2013-06-07 2016-10-27 アップル インコーポレイテッド 無線周波に透過な窓
US9627749B2 (en) 2013-06-07 2017-04-18 Apple Inc. Radio-frequency transparent window
KR20180034148A (ko) * 2016-09-27 2018-04-04 (주)엘지하우시스 전도성 필름 및 이의 제조방법
KR102009859B1 (ko) 2016-09-27 2019-08-12 (주)엘지하우시스 전도성 필름 및 이의 제조방법
WO2024058112A1 (ja) * 2022-09-16 2024-03-21 サトーホールディングス株式会社 導電性基材の製造方法、電子デバイスの製造方法、電磁波シールドフィルムの製造方法および面状発熱体の製造方法
WO2024070661A1 (ja) * 2022-09-26 2024-04-04 サトーホールディングス株式会社 導電性基材の製造方法、電子デバイスの製造方法、電磁波シールドフィルムの製造方法および面状発熱体の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001332130A (ja) 機能性膜
JP2001332133A (ja) 透明導電積層体
KR100522035B1 (ko) 기능성막 및 그 제조방법
US20020012789A1 (en) Transparent conductive film and method for producing the same
JP2001327917A (ja) 機能性膜の製造方法、および機能性膜
WO2001087591A1 (fr) Film fonctionnel
JP3774117B2 (ja) 導電膜の製造方法
JP2001332128A (ja) 機能性膜
JP4465811B2 (ja) 機能性膜
JP4037066B2 (ja) 機能性層を有する機能性フィルム及びその機能性層が付与された物体
JP4631221B2 (ja) 機能性フィルムの製造方法
JP2003016842A (ja) 透明導電フィルム及びその製造方法
JP4465812B2 (ja) 機能性膜
JP4478998B2 (ja) 透明導電フィルムおよび透明導電積層体
US7205028B2 (en) Method for producing functional film
JP4491910B2 (ja) 多層機能性膜及びその製造方法
JP2001321717A (ja) 機能性膜の製造方法
JP2001328194A (ja) 機能性フィルム及びその製造方法
JP4036613B2 (ja) 透明導電膜及びその製造方法
JP4534305B2 (ja) 導電性フィルムの製造方法
JP2012248539A (ja) 機能性膜
JP4365510B2 (ja) 機能性フィルム及びその製造方法
JP2001332134A (ja) 透明導電フィルム
JP2001328196A (ja) 機能性フィルムおよびその製造方法
JP4622039B2 (ja) 透明導電性フィルムおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20040601

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060925

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090316

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090414

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090929