JP2001324128A - 排ガス冷却方法 - Google Patents

排ガス冷却方法

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JP2001324128A
JP2001324128A JP2000140515A JP2000140515A JP2001324128A JP 2001324128 A JP2001324128 A JP 2001324128A JP 2000140515 A JP2000140515 A JP 2000140515A JP 2000140515 A JP2000140515 A JP 2000140515A JP 2001324128 A JP2001324128 A JP 2001324128A
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exhaust gas
hot water
water
supply pipe
spray nozzle
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JP2000140515A
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English (en)
Inventor
Keizo Hamaguchi
敬三 浜口
Hiroshi Shimizu
浩 清水
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細な噴霧水滴が得られ、迅速に水滴の蒸発
を完了でき、未蒸発水滴を発生させない安定した排ガス
冷却方法を提供すること、また、排ガス冷却温度が低温
であっても、立ち上げ時、立ち下げ時に起因する未蒸発
水滴の発生、流出を未然に回避でき、湿りダスト堆積等
の問題の発生しない安定した排ガス冷却方法を提供する
こと。 【解決手段】 スプレーノズルにより水を霧状に噴霧し
て排ガスを連続的に乾式冷却する方法であって、噴霧水
として水の沸点以上の熱水を用い、噴霧を開始するとき
は、まず空気を噴霧し、その後、空気の噴霧量を徐々に
減少させながら、空気を熱水に切り替えて熱水を排ガス
に噴霧して排ガスを冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼却、加熱、溶融
等の各種操作から排出される排ガスやその他高温ガス
を、スプレーノズルを用いて水噴霧冷却する際の排ガス
冷却方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】焼却炉等から排出された800℃以上の
高温排ガスは、ボイラやエコノマイザ等の熱エネルギー
回収手段を経て、250〜350℃程度に冷却されたあ
と、スプレーノズルの水噴霧により、例えばダイオキシ
ンの発生の少ない200℃以下の温度に冷却されてい
た。スプレーノズルによる水噴霧冷却は、例えば、排ガ
ス減温塔などの冷却容器内で実施され、排ガスが所定時
間、塔内に滞留する間に、スプレーノズルからの噴霧水
が蒸発して、排ガスが冷却されるものである。スプレー
ノズルによる冷水噴霧は、冷水と空気の二流体、または
冷水のみの一流体で、それぞれ数kgf/cm2 程度の
噴射圧で噴霧されるため、水が霧状化し、排ガスとの接
触面積が大きくなるので、廃水が生じることなく、蒸発
が効果的に行われるものである。
【0003】図7は、従来の排ガス冷却方法の一例を示
す模式図である。工水(冷水)は、工水ヘッダー13か
ら、工水供給弁14、冷水ポンプ20、流量調整弁6を
介して、一流体式スプレーノズル9に供給され、同ノズ
ル9の先端で霧化された水滴は排ガス中に噴霧され、蒸
発潜熱により排ガスは冷却される。図8は、図7の一流
体式スプレーノズル9に代えて、空気を同時に噴霧する
二流体式スプレーノズル9aを採用した場合を示す模式
図で、空気噴霧のために、コンプレッサ10、空気量調
整弁11、空気供給管12を増設したものである。
【0004】さて、霧状化された噴霧水滴は、例えば2
0〜500μm程度の粒径であるが、もちろん、蒸発時
間を短縮するためには粒径が小さい方がよく、噴射圧力
を上昇させたり、水と空気の気水比(空気噴射量/水噴
射量)を上昇させるなどで、噴霧粒径を小さくすること
ができる。排ガスを冷却するために必要な排ガスの滞留
時間は、噴霧水滴の蒸発に要する時間によってほぼ決定
され、水滴径や温度によって異なるが、例えば150℃
以下と相対的に低温まで冷却する場合には、およそ5〜
10秒程度の滞留時間が必要であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、冷水を
噴霧する際は、例えば、空気と冷水の二流体式スプレー
ノズルを用いるか、または、冷水のみの一流体式スプレ
ーノズルを用いて、水滴を微細化して噴霧していたが、
これら冷水を噴霧する際の水滴径は十分小さいとはいえ
ず、このため、水滴の蒸発に要する時間が相対的に長く
なっていた。また、20℃といったような冷水を噴霧す
るために、水滴が沸騰蒸発する100℃の温度に到達す
るまでにもある程度の時間を要して、結果として、水滴
の完全蒸発により多くの時間を要していた。このよう
に、水滴の蒸発時間が相対的に長いため、噴霧した水滴
が減温塔内で必ずしも完全に蒸発できない不具合を生じ
ていた。完全蒸発できなかった未蒸発水滴は、塔内壁面
の濡れ、これに伴う湿りダストの生成・堆積・固着、ダ
スト排出困難などの深刻な問題を誘発していた。
【0006】逆に、これらの問題を回避するためには、
未蒸発水滴を発生させないように、滞留時間を長くして
装置を大型化すればよいが、設備費が著しく増大する欠
点があった。あるいは、この問題を回避するために、噴
霧水滴径を相対的に小さくする、例えば、二流体噴霧の
場合、スプレーノズルの気水比を必要以上に上昇させる
か、一流体噴霧の場合、噴霧圧力を必要以上に上昇させ
るなどして実施すればよいが、効果は必ずしも十分でな
いことと、別途、気水比増大による空気コンプレッサ増
設、高圧ポンプの採用などの設備費増大を伴ってしまう
問題点があった。
【0007】これらの問題は、排ガスを例えば150℃
以下と相対的に低温まで冷却する場合に、一層顕著なも
のとなっていた。また、スプレーノズルを用いて排ガス
を連続的に冷却する際、その立ち上げおよび立ち下げ時
には、ごく短い時間でありながら不所望に水が多量に漏
出してしまい、塔内壁の濡れ面形成、湿りダストの発生
などを誘発してしまう問題点も生じていた。
【0008】本発明は、スプレーノズルを用いた従来の
冷水噴霧による排ガス冷却の問題点を回避することがで
きる優れた排ガス冷却方法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る排ガス冷却
方法は、次のように構成したものである。 (1) スプレーノズルにより水を霧状に噴霧して排ガ
スを連続的に乾式冷却する方法であって、噴霧水として
水の沸点以上の熱水を用い、噴霧を開始するときは、ま
ず空気を噴霧し、その後、空気の噴霧量を徐々に減少さ
せながら、空気を熱水に切り替えて、熱水を排ガスに噴
霧して排ガスを冷却する。このように、スプレーノズル
で噴霧する噴霧水を、従来の20℃程度の冷水に代え
て、水の沸点(100℃、1kgf/cm2 )以上の熱
水を排ガスに噴霧する。そして、排ガス冷却を開始する
際に、熱水を当初から噴霧せずに、まず空気を噴霧し、
その後、空気の噴霧量を徐々に減少させながら、空気を
熱水に切り替える。
【0010】(2) スプレーノズルにより水を霧状に
噴霧して排ガスを連続的に乾式冷却する方法であって、
噴霧水として水の沸点以上の熱水を用い、噴霧を開始す
るときは、まず所定温度の蒸気を一定時間噴霧すること
により、スプレーノズルを所定温度以上に温め、その
後、熱水に切り替えて、熱水を排ガスに噴霧して排ガス
を冷却する。このように、排ガス冷却を開始する際に、
まず所定温度の蒸気を一定時間噴霧することにより、ス
プレーノズルを所定温度以上に温めてから熱水に切り替
えて、熱水を排ガスに噴霧する。
【0011】(3) 上記(1)または(2)のスプレ
ーノズルは、スプレーノズルへ熱水を供給する熱水供給
管の途中経路に、空気供給管または蒸気供給管を取り付
け、熱水供給管と空気供給管と蒸気供給管は、各々逆止
弁を取り付けてなる一流体式スプレーノズルである。こ
のように、スプレーノズルを一流体式とし、熱水供給管
と空気供給管または蒸気供給管に、別々に逆止弁を取り
付ける。また、一流体式スプレーノズルの熱水供給管の
途中経路に、空気供給管または蒸気供給管を取り付け
る。
【0012】(4) 上記(1)または(2)のスプレ
ーノズルは、スプレーノズルへ熱水を供給する熱水供給
管と空気を供給する空気供給管または蒸気供給管からな
り、熱水供給管と空気供給管と蒸気供給管は、各々逆止
弁を取り付けてなる二流体式スプレーノズルである。こ
のように、スプレーノズルを二流体式とする。
【0013】(5) スプレーノズルにより水を霧状に
噴霧して排ガスを連続的に乾式冷却する方法であって、
噴霧水として水の沸点以上の熱水を用い、噴霧を開始す
るときは、まず空気を噴霧し、その後、空気を連続的に
噴霧させたまま熱水を同時に噴霧して、排ガスを冷却す
る。このように、立ち上げ時にまず空気を噴霧する。
【0014】(6) 上記(5)のスプレーノズルは、
スプレーノズルへ熱水を供給する熱水供給管と空気を供
給する空気供給管からなり、熱水供給管と空気供給管
は、各々逆止弁を取り付けてなる二流体式スプレーノズ
ルである。このように、熱水供給管と空気供給管に各々
逆止弁を取り付けて、各々が逆流する危険性を未然に回
避しながら、二流体式スプレーノズルを用いる。
【0015】(7) 上記(1)、(3)〜(6)の排
ガス冷却方法であって、噴霧を停止するときは、噴霧を
開始するときと逆の手順で操作を行う。噴霧を停止する
ときに、噴霧を開始したときの逆の手順、すなわち、熱
水の噴霧を停止する際に、熱水を徐々に減少させながら
空気を導入し、あるいは、空気量を増加させることによ
り空気噴霧に切り替える手順を実施する。
【0016】(8) 上記(1)、(3)〜(7)の排
ガス冷却方法であって、噴霧を停止している間はスプレ
ーノズルに空気のみを供給し、排ガスに空気のみを噴霧
する。このように、熱水噴霧を停止して排ガス冷却を停
止している間は、空気のみを噴霧し続ける。
【0017】(9) 上記(1)〜(8)の排ガス冷却
方法であって、排ガスに噴霧する熱水は、温度が140
℃以上または圧力が3.5kgf/cm2 以上である。
140℃以下または3.5kgf/cm2 とすると、ス
プレーノズルにおいて十分な噴射圧力が得られないため
に、所望の噴霧水量を得られない場合を生じることや、
スプレーノズルへの熱水供給管などで放熱が発生した場
合に、熱水の十分な霧化が得られにくくなる可能性があ
ることにより、推奨しないが、もちろん、水の沸点以上
(100℃以上または1kgf/cm2 )であれば、程
度がやや低いということにすぎない。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、排ガス処理フローの代表
例を示すブロック図である。なお、図において、説明の
簡略化のために、周辺機器の記載は省略してある。1は
排ガス発生装置で、都市ごみ、汚泥、産業廃棄物、焼却
残査、汚染土壌などを処理する廃棄物焼却炉、廃棄物溶
融炉、廃棄物ガス化炉をはじめ、スクラップ溶解炉、電
炉、転炉、高炉、アルミ溶解炉などの各種金属精練炉、
各種発電ボイラ、各種化学薬品製造炉、その他、200
℃以上の排ガスを発生する装置を示す。
【0019】2は排ガス発生装置1の下流側に設置した
熱回収装置で、高温排ガスの熱回収を行う蒸気式ボイ
ラ、その他の熱回収手段または冷却手段を指すが、省略
される場合もある。3は熱回収装置2の下流側に設置し
た排ガス冷却装置で、冷水噴霧式の排ガス減温塔、エコ
ノマイザ、ガスエアヒータ等の熱交換手段が用いられ
る。4は排ガス冷却装置3の下流側に設置した集塵装置
で、バグフィルタ、電気集塵器、慣性力集塵機、湿式集
塵機等、既存の集塵装置が用いられる。
【0020】上記のように構成した排ガス処理フローの
作用を説明する。排ガス発生装置1から排出される80
0℃以上の排ガスは、熱回収装置2で熱回収され、例え
ば250〜350℃の温度となる。続いて、排ガス冷却
装置3により、集塵装置4に適した温度、例えば150
〜200℃の温度まで排ガスが冷却されたあと集塵装置
4に導入され、排ガス中の煤塵および酸性成分が除去さ
れる。集塵装置4を経た排ガスは、脱硝塔(図示せず)
など別の排ガス処理装置に導入されて処理されるか、そ
のまま大気放散される。
【0021】次に、図1で示した排ガス冷却装置3につ
いて説明する。図2は、本発明の排ガス冷却方法の実施
の形態を示す模式図であるが、高温の排ガスを冷却する
様々な状況に適用でき、装置の配列や冷却手段の位置は
限定されるものではない。水の沸点以上の熱水が貯留さ
れた熱水タンク5には、流量調整弁6と逆止弁7aを備
えた熱水供給管8が接続され、その一端が一流体式スプ
レーノズル9に接続されている。一方、空気コンプレッ
サ10には、空気量調整弁11と逆止弁7bを備えた空
気供給管12が接続され、その一端が熱水供給管8に合
流するように取り付けられている。なお、13は工水ヘ
ッダー、14は工水供給弁、15は蒸気ヘッダー、16
aは蒸気供給管、17は圧力調整弁、18は排ガス冷却
空間である。
【0022】次に、排ガス冷却装置3における作用を説
明する。熱水噴霧による排ガス冷却の開始時(立ち上げ
時)には、まず、コンプレッサ10から、空気量調整弁
11を介した所定量の空気を、空気供給管12および熱
水供給管8を経て、一流体式スプレーノズル9(以下、
単にスプレーノズル9という)により排ガス冷却空間1
8に噴霧する。次に、空気を噴霧した状態で、熱水タン
ク5から流量調整弁6を介した所定量の熱水を、熱水供
給管8を経て、スプレーノズル9により、排ガス冷却空
間18に噴霧する。このとき、熱水は、空気量を徐々に
減少させることにより、その噴霧量を徐々に増加させる
ことが可能であり、このように、空気の噴霧から熱水の
噴霧へと次第に噴霧媒体を切り替えていく。この過程
で、スプレーノズル9またはこの近辺の熱水供給管8等
に残留していた温度の低い熱水(または冷水)は、空気
の同時噴霧による霧化作用で、大きな水滴を発生するこ
となく排ガス冷却空間18へ噴霧され、未蒸発水滴が発
生することなく効率よく排ガスを冷却することができ
る。
【0023】このように、スプレーノズル9で噴霧する
噴霧水を、従来の20℃程度の冷水に代えて、水の沸点
(100℃、1kgf/cm2 )以上の熱水を排ガスに
噴霧するので、噴霧した熱水はフラッシュ蒸発作用など
により瞬時に微細な水滴が得られ、水滴はより迅速に蒸
発を完了させることが可能となり、水滴の蒸発潜熱によ
り排ガス(被冷却排ガス)はより迅速に冷却され、未蒸
発水滴を発生させない安定した排ガス冷却が可能とな
る。そして、排ガス冷却を開始する際に、熱水を当初か
ら噴霧せずに、まず空気を噴霧し、その後、空気の噴霧
量を徐々に減少させながら空気を熱水に切り替えるの
で、熱水が噴霧初期に低温のまま噴霧されて噴霧水滴が
大きくなることを回避し、すなわち、噴霧水滴が大きい
ことによる未蒸発水滴の発生を回避することができる。
【0024】補足説明すると、熱水を当初から噴霧した
場合、スプレーノズル9および同ノズル9付近の熱水供
給管8に残留する相対的に低温の熱水または冷水が噴霧
されることになり、所望の微細水滴が立ち上げ当初に得
られない不具合があるが、熱水の供給管8およびスプレ
ーノズル9が所定の温度以上となって、所定の温度以上
の熱水がスプレーノズル9の先端から噴霧されるように
なるまでの間、別途空気をスプレーノズル9に流通させ
て噴霧水と共存させることによりある程度の霧化作用が
得られるので、立ち上げ当初の噴霧水滴が極端に大きく
なることを回避し、未蒸発水滴の発生を効果的に抑制す
ることが可能となる。
【0025】さて、熱水タンク5に貯留する熱水は、例
えば図2などに記載した構成を用いて以下のように製造
する。付属施設内の工水ヘッダー13から、工水供給弁
14を経て、熱水タンク5に工水(水道水、ろ過水、冷
水)を所定量充填する。その後、工水供給弁14を閉と
し、例えば付属施設である蒸気式ボイラ2から発生する
蒸気が貯留される蒸気ヘッダ15から、蒸気供給管16
aと圧力調整弁17を介して、水の沸点以上の例えば1
40℃以上または3.5kgf/cm2 以上の蒸気を、
冷水が充填されている熱水タンク5の下部供給口に供給
する。蒸気の顕熱により冷水は加熱されて、熱水タンク
5内で水の沸点以上の、例えば140℃以上または3.
5kgf/cm2 以上の熱水が製造される。
【0026】あるいは、熱水タンク5に、熱水製造手段
である外部過熱式の加熱ヒータ(例えば電気ヒータ、図
示せず)を、同タンク5の下部を覆うように設ける。そ
してまず、工水ヘッダ13からヘッダー圧を利用して熱
水タンク5に工水を送水し、熱水タンク5に冷水を充填
させる。次に、前記加熱ヒータにより、所定圧以上に過
熱して熱水を製造する。連続運転時は、ヘッダー13か
ら熱水タンク5に連続的に送水してもよいが、圧力が不
足する場合は、送水ポンプ(図示せず)を用いて噴霧量
に相当する量の工水を連続的に送水してもよい。
【0027】ここで、排ガスに噴霧する熱水は、温度が
140℃以上または圧力が3.5kgf/cm2 以上で
あることがより好ましい。このように、排ガスに噴霧す
る熱水を140℃以上または3.5kgf/cm 2 以上
とすれば、より圧力の高い熱水が得られ、排ガスに噴霧
する際のフラッシュ蒸発作用を高めることができる。1
40℃以下または3.5kgf/cm2 以下とすると、
スプレーノズル9または二流体式スプレーノズルにおい
て十分な噴射圧力が得られないために、所望の噴霧水量
が得られない場合を生じることや、スプレーノズル9ま
たは二流体式スプレーノズルへの熱水供給管8などで放
熱が発生した場合に、熱水の十分な霧化が得られにくく
なるおそれがあるので推奨しないが、もちろん、水の沸
点以上(100℃以上1kgf/cm2 以上)であれば
程度がやや低いのみで、すでにのべた作用、効果が得ら
れる。
【0028】図3は、本発明の排ガス冷却方法の別の実
施の形態を示す模式図である。なお、図2と同一の構成
部分には同じ符号を付し、説明を省略する。水の沸点以
上の熱水が貯留された熱水タンク5には、流量調整弁6
と逆止弁7aを備えた熱水供給管8が接続され、その一
端がスプレーノズル9に接続されている。一方、蒸気ヘ
ッダー15には、流量調整弁6と逆止弁7cを備えた蒸
気供給管16bが接続され、その一端が熱水供給管8に
合流するように取り付けられている。あるいは、図中破
線で示すように、熱水タンク5の上部に流量調整弁6と
逆止弁7cを備えた蒸気供給管16cを接続し、その一
端を熱水供給管8に合流させてもよい。
【0029】上記のように構成した実施の形態の作用を
説明する。熱水噴霧による排ガス冷却の開始時(立ち上
げ時)には、まず、蒸気ヘッダー15(または熱水タン
ク5の上部)から、流量調整弁6を介した所定温度の所
定量の蒸気を、蒸気供給管16b(または16c)を経
て、排ガス冷却空間18に噴霧する。これにより、スプ
レーノズル9またはこの付近の熱水供給管8は、所定温
度以上に加熱される。次に、蒸気の供給を停止するのと
ほぼ同時に、流量調整弁6を介して所定量の熱水の噴霧
を開始する。スプレーノズル9およびその付近はすでに
所定温度以上に加熱されているので、熱水が冷えたまま
排ガス中に噴霧されることを回避できる。蒸気と熱水の
切り替えは、切換弁(図示せず)を蒸気供給管16bま
たは16cの接合部に取り付けることにより実施しても
よい。
【0030】このように、排ガス冷却を開始する際に、
まず所定温度の蒸気(例えば150℃以上)を一定時間
噴霧することにより、スプレーノズル9を所定時間(例
えば120℃)以上に温めてから熱水に切り替えて熱水
を排ガスに噴霧するので、熱水が噴霧初期に低温のまま
噴霧されて噴霧水滴が大きくなることを回避し、すなわ
ち、噴霧水滴が大きいことによる未蒸発水滴の発生を回
避することが可能となる。
【0031】上記の図2、図3においては、スプレーノ
ズルを一流体式とし、熱水供給管8と、空気供給管12
または蒸気供給管16bにそれぞれ逆止弁7a,7b,
7cを取り付けたので、熱水の供給圧力と空気または蒸
気の供給圧力が変動して、各々が逆流してしまう危険性
を未然に防止して、安定運転が達成できる。また、スプ
レーノズル9の熱水供給管8の途中経路に空気供給管1
2または蒸気供給管16bを取り付けたので、スプレー
ノズル9を二流体式スプレーノズルに代える必要がな
く、簡易な操作で、本発明の作用、効果を得ることがで
きる。
【0032】次に、本発明の別の実施の形態を説明す
る。図4は、本実施の形態の排ガス冷却方法を示す模式
図である。なお、図2、図3と同一の構成部分には同じ
符号を付し、説明を省略する。図4は、図2のスプレー
ノズル9に代えて、空気と熱水とを同時に噴霧する二流
体式スプレーノズル9aを用いたものである。図示しな
いが、同様に図3のスプレーノズル9を、蒸気または熱
水を噴霧する二流体式スプレーノズル9aに代えてもよ
い。そして、各々の蒸気供給管16bまたは空気供給管
12には、逆止弁7b,7cが設けられる。
【0033】このように、スプレーノズルを二流体式と
すれば、空気を供給しながら熱水を噴霧する立ち上げ時
の運転の際に、低温の熱水(または冷水)が霧化され微
細化される作用を効果的に助長し、より確実に蒸発水滴
の発生を回避することが可能となる。また、スプレーノ
ズルを二流体式とし、立ち上げ時に蒸気を予め供給して
熱水に切り替える際に、蒸気と熱水が共存して噴霧圧力
の変動が一時的に大きくなることを回避でき、安定した
運転が可能となる。
【0034】次に、本発明の別の実施の形態を同じく図
4を用いて説明する。すでに述べたように、図4は二流
体式スプレーノズル9aを用いた模式図である。上記の
ように構成した実施の形態の作用を説明する。熱水噴霧
による排ガス冷却の開始時(立ち上げ時)には、まず、
コンプレッサ10から、空気量調整弁11を介した所定
量の空気を、空気供給管12および熱水供給管8を経
て、二流体式スプレーノズル9aにより、排ガス冷却空
間18に噴霧する。次に、空気を噴霧した状態で、熱水
タンク5から、流量調整弁6を介した所定量の熱水を、
熱水供給管8を経て、二流体式スプレーノズル9aによ
り排ガス冷却空間18に噴霧する。このとき、空気量は
所定量に調整するが、空気の噴霧は停止せずに、熱水と
空気を同時に継続的に噴霧して排ガスを冷却する。空気
供給管12と熱水供給管8には、各々逆止弁7b,7a
が取り付けられている。
【0035】このように、立ち上げ時にまず空気を噴霧
するので、熱水が噴霧初期に低温のまま噴霧されても噴
霧水滴が大きくなることを回避すると共に、その後、空
気を連続的に噴霧させたまま熱水を同時に噴霧するの
で、熱水がフラッシュ蒸発により微細な水滴が得られる
作用を空気流によりさらに助長させることが可能で、よ
り微細な水滴が得られる。また、熱水供給管と空気供給
管に各々逆止弁を取り付けて、各々が逆流する危険性を
未然に回避しながら二流体式スプレーノズルを用いるの
で、熱水の霧化作用が効果的に得られ、安定した運転が
可能となる。
【0036】次に、本発明の別の実施の形態を説明す
る。本実施の形態では、噴霧を停止するときは、噴霧を
開始するときの逆の手順で操作を行うようにしたもので
ある。すなわち、熱水の噴霧を停止する際に、熱水を徐
々に減少させながら空気を導入し、あるいは、空気量を
増加させることにより空気噴霧に切り替える手順を実施
するので、スプレーノズルの先端などに残留した熱水が
霧化されずにこぼれおちて未蒸発水滴を発生する危険性
を回避することが可能となる。すなわち、噴霧停止時の
未蒸発水滴の発生、およびこれによる湿りダスト堆積等
の各種トラブルを未然に回避することができる。
【0037】さらに、本発明の別の実施の形態を説明す
る。本実施の形態に係る冷却方法では、噴霧を停止して
いる間はスプレーノズルに空気のみを供給し、排ガスに
空気のみを噴霧するようにしたものである。このよう
に、熱水噴霧を停止して排ガス冷却を停止している間
は、スプレーノズルが被冷却排ガスの顕熱により必要以
上に加熱されて損傷する危険性があるので、空気のみを
噴霧しつづけることにより、スプレーノズルが必要以上
に加熱されることを回避できる。また、空気を継続噴霧
しているので、排ガス冷却を開始する際、すなわち、熱
水噴霧を開始する際にすでに準備状態であるので、円滑
に排ガス冷却運転を開始できる利点がある。
【0038】以上の本発明に係る図2〜図4の説明は、
スプレーノズルが一本の場合を例示したが、もちろん、
必要噴霧量に応じて、熱水供給管8の先端部分を分岐し
て複数本設置してもよいし、熱水供給管8の熱水タンク
5側で分岐して複数本設置してもよい。また、簡単のた
め説明を省略したが、熱水タンク5には、例えば、蒸気
の放散弁、水位計、温度計、圧力計、排水バルブなどが
必要に応じて配設される。同様に、熱水供給管8には、
非接触型の流量計、圧力計などが必要に応じて配設され
る。スプレーノズルが複数本の場合も、各スプレーノズ
ルごとに圧力計、流量計等を配設してもよく、元ライン
に一括して配設してもよいが、これらは適宜採用され
る。
【0039】本発明に係る排ガス冷却空間18は、例え
ば、所定の排ガス滞留時間が得られる円筒型の排ガス減
温塔等が用いられるが、これに限定されず、200℃以
上の排ガス冷却であれば、例えば、煙道に直接噴霧する
形式でもよい。本発明で排ガスを冷却する際の冷却温度
は、例えばダイオキシン等の有機ハロゲン化合物を排ガ
ス中に含む場合は、180℃以下の低温が好ましい。逆
に、本発明の熱水噴霧による排ガス冷却方法を用いれ
ば、180℃以下の低温、例えば150℃と低温であっ
ても排水を生じることがなく、相対的に短い滞留時間で
排ガスを安定して冷却することが可能で、同時に、ダイ
オキシン等の有機ハロゲン化合物を抑制または低減でき
る。
【0040】本発明に用いるスプレーノズルは公知のス
プレーノズルでよく、噴霧流の形状が、フルコーンタイ
プ、ホロコーンタイプ、フラットタイプなどいずれであ
っても同等の効果が得られる。また、必要に応じてパー
ジ空気をノズルの周囲から排ガス中へ導入してもよく、
ノズルに保護管を設置してもよく、これらは適宜採用さ
れる。
【0041】本発明で言及した排ガスに含まれる有機ハ
ロゲン化合物とは、厚生省により清掃工場へのガイドラ
インが、毒性換算値により指定されているダイオキシン
類、およびダイオキシン類の前駆物質、関連物質と称さ
れるクロロベンゼン、クロロフェノール、PCBなど
や、塩素以外のハロゲン元素で一部が置換されたこれら
化学物質の総称である。さらに、ダイオキシン類とは、
ポリジベンゾパラジオキシンとポリジベンゾフランの総
称であって、通常毒性換算濃度によって評価されるもの
である。本発明においては、上記の有機ハロゲン化合物
やダイオキシン類を、単にダイオキシンと略記している
場合があることを付け加えておく。
【0042】
【実施例】(調査例)図5は本発明の効果の一例を示す
線図で、同一の一流体式スプレーノズルを用い、本発明
の熱水噴霧と従来の冷水噴霧で、噴霧水滴のザウター平
均径(面積平均径)を噴射圧力で比較した図である。図
5によると、熱水噴霧を実施した本発明は、従来の冷水
噴霧に対して平均径がいずれの噴射圧力でも半分以下と
小さく、水滴の完全蒸発に要する時間(排ガスの滞留時
間)が、例えば1/4以下と著しく小さくなることが判
明した。なぜならば、水滴の蒸発時間はおよそザウダー
径の二乗に比例することが先に判明しているからであ
る。
【0043】また、熱水の噴射圧を3.5kgf/cm
2 以下とすると、噴射圧が低いために噴霧水滴が急激に
大きくなる傾向があったが、もちろんこの範囲でも冷水
噴霧と比較して微細な水滴が得られ、本発明の優位さを
確認できた。逆に、熱水の噴射圧力を3.5kgf/c
2 以上とすると、ほぼ100μm以下の微細な水滴が
安定して得られることが判明した。熱水の噴射圧力と熱
水の温度との関係では、3.5kgf/cm2 のときほ
ぼ140℃となり、これは飽和蒸気圧曲線とほぼ一致す
る。しかし、実際の運転では、放熱や噴射量の変動など
によりややずれることもあるので注意を要する。
【0044】図6は本発明の効果の別の一例を示す線図
で、空気を噴霧する同一の二流体式スプレーノズルを用
い、本発明の熱水噴霧と従来の冷水噴霧で、噴霧水滴の
ザウター平均径(面積平均径)を気水比(空気噴霧量/
水噴霧量)で比較した図である。図6によると、熱水噴
射圧力5kgf/cm2 のときに平均水滴径が冷水噴霧
時の約半分と小さく、蒸発時間が大幅に短縮できる確証
を得た。噴射圧力を3.5kgf/cm2 とするとやや
水滴径が大きくなるが、冷水に対する優位さは十分大き
く、図5に示した圧力特性から説明することができる。
【0045】さて、図5、図6はザウター平均径につい
ての比較であるが、最大水滴径についても同様の結果が
得られた。ここで、水滴全体の最終的な完全蒸発時間を
評価するには、最大水滴径の大小で評価することがより
正確であるが、本発明者らの別の調査では、同一のスプ
レーノズルにおいては、最大径/ザウター平均径の比の
値は大きく変化せず、例えば、2〜3の範囲の一定値を
とることが多く、ザウター平均径を測定することにより
最大径をある程度正しく推定できるため、しばしば汎用
されるザウター平均径の記載のみとした。
【0046】(実施例)次に本発明の効果を示す実施例
を以下に示す。表1は、本発明の実施例と従来技術の比
較例との比較を示している。
【0047】
【表1】
【0048】本実施例は本発明の効果を示すため、比較
的過酷な条件下(低温冷却、少ない滞留時間)で試験を
行った。共通の試験条件として、排ガス温度250℃、
出口温度140℃(冷却温度)、スプレーノズルの噴霧
の立ち上げ下げの一連の操作(立ち上げ→通常冷却→立
ち下げ→一時停止→立ち上げ)を1時間周期で計24時
間実施し、排ガスの平均滞留時間を約2秒とし、試験冷
却容器の下部に流下する廃水量を測定した。また、併せ
て、安定噴霧時の各スプレーノズルからの噴霧水滴径の
測定を実施した。
【0049】実施例1は本発明の排ガス冷却方法を実施
し、一流体式スプレーノズルを用いて熱水を噴霧し、立
ち上げ時と立ち下げ時に空気を噴霧した場合の試験結果
である。実施例2は本発明の排ガス冷却方法を実施し、
二流体式スプレーノズルを用いて熱水を噴霧し、立ち上
げ時と立ち下げ時に空気を噴霧した場合の試験結果であ
る。また、比較例1は熱水を噴霧する点は本発明と同様
としたが、その他の排ガス冷却方法は従来のままとし、
一流体式スプレーノズルを用いた場合の試験結果であ
る。比較例2は従来の排ガス冷却方法を実施し、二流体
式スプレーノズルを用いて冷水を噴霧した場合の試験結
果である。なお、表1において、水滴径の測定は液浸法
を用いた。最大径はふるい上1%径にほぼ相当する。
【0050】表1によると、本発明を実施した実施例
1、2および熱水噴霧の比較例1は、いずれも、従来の
冷水噴霧による比較例2と比較して噴霧水滴の平均径お
よび最大径が小さく、通常の噴霧冷却時における水滴の
蒸発時間が小さいことが判明した。また、本発明のスプ
レーノズル噴霧の立ち上げ、立ち下げ時に関する排ガス
冷却方法を実施した実施例1および実施例2は、比較例
1および2と比べると、排ガス滞留時間が約2秒と短
く、冷却温度が140℃と低温である過酷な条件下であ
っても、冷却容器下部から排出された廃水量が著しく少
なく、比較例に対して十分優位な結果が得られた。実施
例1と2の比較では、実施例2の方が微細な水滴が得ら
れたために蒸発時間が短くて済み、実施例2が相対的に
優位であったものと思料される。また、実施例1と比較
例1は両者とも熱水を噴霧し、同一のスプレーノズルを
用いたにもかかわらず、本発明の排ガス冷却方法を実施
した実施例1の方が廃水量が圧倒的に少なく、優位であ
った。
【0051】このように、本発明を実施すれば、噴霧水
滴を従来に対して十分小さくすることができ、排ガスの
滞留時間を減少させて排ガス冷却設備の小型化が図れる
と同時に、スプレーノズル噴霧の立ち上げまたは立ち下
げ時に起因する未蒸発水滴(廃水)の発生・流出を未然
に回避でき、湿りダスト堆積等の問題の発生しない、安
定した排ガス冷却を得ることができる。なお、表1には
掲載しなかったが、蒸気により予めスプレーノズルを加
熱する本発明の方法を採用した場合も概ね、実施例1と
同等の結果が得られた。また、立ちあげ時と立ち下げ時
では、立ち上げ時の方が、廃水量が相対的に多いことが
判明したので、立ち上げ時にのみ、本発明の方法を実施
しても十分な効果が得られる。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、スプレーノズルの水噴
霧により排ガスを乾式冷却する際に、噴霧水として水の
沸点以上の熱水を排ガスに噴霧するので、従来の冷水噴
霧に比べてより微細な噴霧水滴がえられ、より迅速に水
滴の蒸発を完了でき、少ない滞留時間であっても、未蒸
発水滴を発生させない安定した排ガス冷却が可能とな
る。さらに、上記作用を有する熱水を噴霧して排ガスを
冷却する噴霧開始時に、まず空気を噴霧したあと徐々に
熱水噴霧に切り替え、噴霧を停止するときにはこれと逆
の操作を行うので、排ガス冷却温度が例えば150℃と
低温であっても、立ち上げ時、立ち下げ時に起因する未
蒸発水滴(廃水)の発生・流出を未然に回避でき、湿り
ダスト堆積等の問題の発生しない、安定した排ガス冷却
を得ることができる。
【0053】以下に、本発明の効果をさらに詳述する。 (1) スプレーノズルにより水を霧状に噴霧して排ガ
スを連続的に乾式冷却する方法であって、噴霧水として
水の沸点以上の熱水を用い、噴霧を開始するときは、ま
ず空気を噴霧し、その後、空気の噴霧量を徐々に減少さ
せながら、空気を熱水に切り替えて、熱水を排ガスに噴
霧して排ガスを冷却するようにしたので、噴霧した熱水
はフラッシュ蒸発作用などにより瞬時に微細な水滴がえ
られ、水滴はより迅速に蒸発を完了させることが可能と
なり、水滴の蒸発潜熱により排ガス(被冷却排ガス)は
より迅速に冷却され、未蒸発水滴を発生させない安定し
た排ガス冷却が可能となる。
【0054】そして、熱水が噴霧初期に低温のまま噴霧
されて噴霧水滴が大きくなることを回避し、すなわち、
噴霧水滴が大きいことによる未蒸発水滴の発生を回避す
ることが可能となる。補足説明すると、熱水の供給管お
よびノズルが、所定の温度以上となって所定の温度以上
の熱水がスプレーノズル先端から噴霧されるようになる
までの間、別途、空気をスプレーノズルに流通させて噴
霧水と共存させることにより、ある程度の霧化作用が得
られるので、立ちあげ当初の噴霧水滴が極端に大きくな
ることを回避し、未蒸発水滴の発生を効果的に抑制する
ことが可能となる。
【0055】(2) スプレーノズルにより水を霧状に
噴霧して排ガスを連続的に乾式冷却する方法であって、
噴霧水として水の沸点以上の熱水を用い、噴霧を開始す
るときは、まず所定温度の蒸気を一定時間噴霧すること
によりスプレーノズルを所定温度以上に温め、その後、
熱水に切り替えて、熱水を排ガスに噴霧して排ガスを冷
却するようにしたので、熱水が噴霧初期に低温のまま噴
霧されて噴霧水滴が大きくなることを回避し、すなわ
ち、噴霧水滴が大きいことによる未蒸発水滴の発生を回
避することが可能となり、上記(1)の係る発明の効果
が同等に得られる。
【0056】(3) 上記(1)または(2)のスプレ
ーノズルは、スプレーノズルへ熱水を供給する熱水供給
管の途中経路に空気供給管または蒸気供給管を取り付
け、熱水供給管と空気供給管と蒸気供給管は、各々逆止
弁を取り付けてなる一流体式スプレーノズルであるの
で、熱水の供給圧力と空気または蒸気の供給圧力が変動
して各々が逆流してしまう危険性を未然に防止して、安
定運転が達成できるとともに、上記(1)または(2)
に係る発明の効果を確実に得ることができる。また、一
流体式スプレーノズルを二流体式スプレーノズルに代え
る無駄がなく、簡易な操作で本発明の効果の得られるス
プレーノズルを得ることができる。
【0057】(4) 上記(1)または(2)のスプレ
ーノズルは、スプレーノズルへ熱水を供給する熱水供給
管と空気を供給する空気供給管または蒸気供給管からな
り、熱水供給管と空気供給管と蒸気供給管は、各々逆止
弁を取り付けてなる二流体式スプレーノズルであるの
で、空気を供給しながら熱水を噴霧する上記(1)に係
る発明の立ち上げ時の運転の際に、低温の熱水(または
冷水)が霧化され微細化されるのを効果的に助長し、よ
り確実に未蒸発水滴の発生を回避することが可能とな
り、以て、上記(1)に係る発明の効果を確実に得るこ
とができる。また、スプレーノズルを二流体とし、立ち
上げ時に蒸気を予め供給して、熱水に切り替える際に、
蒸気と熱水が共存して噴霧圧力の変動が一時的に大きく
なることを回避でき、安定した運転が可能となり、以
て、上記(2)に係る発明の効果を確実に得ることがで
きる。
【0058】(5) スプレーノズルにより水を霧状に
噴霧して排ガスを連続的に乾式冷却する方法であって、
噴霧水として水の沸点以上の熱水を用い、噴霧を開始す
るときはまず空気を噴霧し、その後、空気を連続的に噴
霧させたまま熱水を同時に噴霧して排ガスを冷却するの
で、熱水が噴霧初期に低温のまま噴霧されて噴霧水滴が
大きくなることを回避する上記(1)に係る発明の効果
が得られるとともに、熱水がフラッシュ蒸発により微細
な水滴が得られるのを空気流によりさらに助長させるの
が可能で、より微細な水滴が得られる。すなわち、上記
(1)に係る発明の効果をより確実に得ることができ
る。
【0059】(6) 上記(5)のスプレーノズルは、
スプレーノズルへ熱水を供給する熱水供給管と空気を供
給する空気供給管からなり、熱水供給管と空気供給管は
各々逆止弁を取り付けてなる二流体式スプレーノズルで
あるので、熱水の霧化作用が効果的に得られ、安定した
運転が可能となり、以て、上記(5)に係る発明の効果
を確実に得ることができる。
【0060】(7) 上記(1)、(3)〜(6)の排
ガス冷却方法であって、噴霧を停止するときは、噴霧を
開始するときと逆の手順で操作を行うので、スプレーノ
ズル先端などに残留した熱水が、霧化されずにこぼれお
ちて未蒸発水滴を発生する危険性を未然に回避すること
が可能となる。すなわち、噴霧停止時の未蒸発水滴の発
生、およびこれによる湿りダスト堆積等の各種トラブル
を未然に回避することができる。
【0061】(8) 上記(1)、(3)〜(7)の排
ガス冷却方法であって、噴霧を停止している間はスプレ
ーノズルに空気のみを供給し、排ガスに空気のみを噴霧
するので、スプレーノズルが必要以上に加熱されること
を回避できる。排ガス冷却を開始する際、すなわち、熱
水噴霧を開始する際にすでに準備状態であるので、円滑
に排ガス冷却運転を開始できる利点がある。
【0062】(9) 上記(1)〜(8)の排ガス冷却
方法であって、排ガスに噴霧する熱水は、温度が140
℃以上または圧力が3.5kgf/cm2 以上であるの
で、より圧力の高い熱水が得られ、排ガスに噴霧する際
のフラッシュ蒸発作用を高めることができ、以て、上記
(1)〜(8)に係る発明の作用がより確実に得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 排ガス処理フローの一例を示すブロック図で
ある。
【図2】 本発明の実施の形態の模式図である。
【図3】 本発明の他の実施の形態の模式図である。
【図4】 本発明の別の実施の形態の模式図である。
【図5】 噴射圧力とザウター平均径又は熱水温度との
関係を示す線図である。
【図6】 気水比とザウター平均径との関係を示す線図
である。
【図7】 従来の排ガス冷却装置の一例を示す模式図で
ある。
【図8】 従来の排ガス冷却装置の他の一例を示す模式
図である。
【符号の説明】
1 排ガス発生装置 2 熱回収装置 3 排ガス冷却装置 4 集塵装置 5 熱水タンク 6 流量調整弁 7a,7b,7c 逆止弁 8 熱水供給管 9 一流体式スプレーノズル 9a 二流体式スプレーノズル 10 コンプレッサ 13 工水ヘッダー 14 工水供給弁 15 蒸気ヘッダー 16a,16b,16c 蒸気供給管 17 圧力調整弁 18 排ガス冷却空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K070 DA09 DA27 DA39 4D002 AA21 AC04 AC10 BA13 BA14 CA01 DA35 EA02 GA01 GA02 GB03 GB04 GB11

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スプレーノズルにより水を霧状に噴霧し
    て排ガスを連続的に乾式冷却する方法において、噴霧水
    として水の沸点以上の熱水を用い、噴霧を開始するとき
    は、まず空気を噴霧し、その後、空気の噴霧量を徐々に
    減少させながら、空気を熱水に切り替えて、熱水を排ガ
    スに噴霧して排ガスを冷却することを特徴とする排ガス
    冷却方法。
  2. 【請求項2】 スプレーノズルにより水を霧状に噴霧し
    て排ガスを連続的に乾式冷却する方法において、噴霧水
    として水の沸点以上の熱水を用い、噴霧を開始するとき
    は、まず所定温度の蒸気を一定時間噴霧することにより
    スプレーノズルを所定温度以上に温め、その後、熱水に
    切り替えて、熱水を排ガスに噴霧して排ガスを冷却する
    ことを特徴とする排ガス冷却方法。
  3. 【請求項3】 スプレーノズルは、スプレーノズルへ熱
    水を供給する熱水供給管の途中経路に空気供給管または
    蒸気供給管を取り付け、該熱水供給管と該空気供給管と
    該蒸気供給管は、各々逆止弁を取り付けてなる一流体式
    スプレーノズルであることを特徴とする請求項1または
    2記載の排ガス冷却方法。
  4. 【請求項4】 スプレーノズルは、スプレーノズルへ熱
    水を供給する熱水供給管と空気を供給する空気供給管ま
    たは蒸気供給管からなり、該熱水供給管と該空気供給管
    と該蒸気供給管は、各々逆止弁を取り付けてなる二流体
    式スプレーノズルであることを特徴とする請求項1また
    は2記載の排ガス冷却方法。
  5. 【請求項5】 スプレーノズルにより水を霧状に噴霧し
    て排ガスを連続的に乾式冷却する方法において、噴霧水
    として水の沸点以上の熱水を用い、噴霧を開始するとき
    は、まず空気を噴霧し、その後、空気を連続的に噴霧さ
    せたまま熱水を同時に噴霧して排ガスを冷却することを
    特徴とする排ガス冷却方法。
  6. 【請求項6】 スプレーノズルは、スプレーノズルへ熱
    水を供給する熱水供給管と空気を供給する空気供給管か
    らなり、該熱水供給管と該空気供給管は、各々逆止弁を
    取り付けてなる二流体式スプレーノズルであることを特
    徴とする請求項5記載の排ガス冷却方法。
  7. 【請求項7】 噴霧を停止するときは、噴霧を開始する
    ときと逆の手順で操作を行うことを特徴とする請求項
    1,3,4,5,6のいずれかにに記載の排ガス冷却方
    法。
  8. 【請求項8】 噴霧を停止している間はスプレーノズル
    に空気のみを供給し、排ガスに空気のみを噴霧すること
    を特徴とする請求項1,3,4,5,6,7のいずれか
    にに記載の排ガス冷却方法。
  9. 【請求項9】 排ガスに噴霧する熱水は、温度が140
    ℃以上または圧力が3.5kgf/cm2 以上であるこ
    とを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8
    のいずれかに記載の排ガス冷却方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002089824A (ja) * 2000-09-12 2002-03-27 Nkk Plant Engineering Corp ごみ焼却施設及び排ガス冷却方法
JP2016014516A (ja) * 2014-07-03 2016-01-28 株式会社流機エンジニアリング 排ガス冷却装置および排ガス冷却方法

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