JP2003254678A - 排ガス冷却方法および冷却装置 - Google Patents

排ガス冷却方法および冷却装置

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JP2003254678A
JP2003254678A JP2002058456A JP2002058456A JP2003254678A JP 2003254678 A JP2003254678 A JP 2003254678A JP 2002058456 A JP2002058456 A JP 2002058456A JP 2002058456 A JP2002058456 A JP 2002058456A JP 2003254678 A JP2003254678 A JP 2003254678A
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water
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cooling
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JP2002058456A
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Keizo Hamaguchi
敬三 浜口
Hiroshi Yamaguchi
宏 山口
Hiroshi Shimizu
浩 清水
Toshiaki Tsuji
俊昭 辻
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排ガスや高温ガスを冷却する、確実で効率の
よい排ガス冷却方法および冷却装置を提供する。 【解決手段】 排ガスや高温ガスを冷却する排ガス冷却
方法および冷却装置であって、水の大気圧における沸点
以上の熱水を排ガスに噴霧して排ガスを冷却する際に、
排ガスヘ噴霧する熱水の温度を120〜150℃の範囲
の何れかの温度として、所定圧以上の噴霧圧にてスプレ
ーノズルを用いて該排ガスに噴霧する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は焼却、加熱、溶融等
の各種操作から排出される排ガスやその他高温ガスの冷
却方法および冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】焼却炉等から排出された800℃以上の
高温排ガスは、ボイラやエコノマイザ等の熱エネルギー
回収手段を経て、250〜350℃に冷却され、後段の
電気集塵機などの集塵機に導入され処理されていた。と
ころが、ごみ焼却を代表として様々な分野で、猛専であ
るダイオキシン類が300℃付近の温度において生成す
ることが知られるようになり、300℃付近の集塵処理
は敬遠され、バグフィルタを用いた200℃以下の低温
集塵が主流となった。
【0003】排ガスを200℃以下にするためには、ボ
イラ等により熱回収された例えば250℃の排ガスを、
スプレーノズルを用いた水噴霧によりさらに冷却する方
法が用いられている。すなわち、ボイラと集塵機の間に
排ガス減温塔を設置させて、ダイオキシン類の発生の少
ない200℃以下の低温化を実施するケースが一般的で
ある。
【0004】排ガス減温塔でのスプレーノズルによる水
噴霧は、常温水と空気の二流体または常温水のみの一流
体で、それぞれ数kgf/cm2 程度の噴射圧で噴霧さ
れるので、水が霧状化し、排ガスとの接触表面積が大き
くなるため、廃水が実質的に生じることなく蒸発が効果
的に行われるものである。なお、本明細書で、水または
冷水と表現する際は加熱処理を施さない20℃程度の常
温水を指し、ろ過水、再利用水、工水、上水などの区別
はないものとする。
【0005】図8(a)は、従来の排ガス冷却方法の一
例を示す説明図である。排ガス冷却用の常温水は、施設
内の再利用水として例示した。再利用水ヘッダ31から
の排ガス冷却用の常温の再利用水は、再利用水供給弁3
2、送水ポンプ33、流量調整弁34を介して一流体ス
プレーノズル35に供給され、同ノズル先端で霧化され
た水滴は排ガス冷却空間36(排ガス減温塔内)に噴霧
され、水の蒸発潜熱により排ガスは冷却される。
【0006】図8(b)は、図8(a)の一流体ノズル
35に代えて、空気を同時に噴霧する二流体ノズル37
を採用した場合を示す図である。空気噴霧のために、コ
ンプレッサ38、空気量調整弁39、空気供給ライン4
0を増設したものである。
【0007】霧状化された噴霧水滴は、例えば10〜5
00μm程度の粒径であるが、もちろん、蒸発時間を短
縮するためには、粒径が小さい方がよく、噴射圧力を上
昇させたり、水と空気の気水比(空気噴射量/水噴射
量)を上昇させるなどで、噴霧粒径を小さくすることが
できる。排ガスを冷却するために必要な排ガスの滞留時
間は、噴霧水滴の蒸発に要する時間によってほぼ決定さ
れ、水滴径や冷却温度、さらには塔内のガス流れ状態に
よって異なるが、例えば150℃の低温まで排ガスを冷
却する場合にはおよそ5〜10秒程度の滞留時間が必要
であった。
【0008】また、厚生労働省、環境省による近年のダ
イオキシン低減対策の強化により、集塵処理を施す際の
排ガス冷却温度は上述したように200℃以下が義務づ
けられ、例えばごみ焼却施設における古くからの既設炉
の場合は、排ガス減温塔を抜本的に改造することなく、
水の噴霧量を増加させることにより、例えば160℃の
低温冷却を実施するケースも見られた。一方、新設炉の
場合は、低温冷却に対応できる、従来に増して容積の大
きな排ガス減温塔を設置することが多かった。
【0009】
【発明が解決しようとする裸題】しかしながら、上記の
既設炉においては排気ガスをより低温に冷却するため水
噴霧量増大による塔内の蒸発負荷が著しく上昇し、この
ため、噴霧水が塔内で完全蒸発できずに未蒸発水滴を発
生してしまう不具合を生じていた。この未蒸発水滴は、
排ガス減温塔内の内壁に付着して濡れ面を形成するとと
もに、排ガスに含まれるばいじん(ダスト、飛灰)と接
触して壁面において湿りダストを形成し、これが核とな
って系外に排出困難な堆積物となってしまう深刻な問題
を誘発する。また、噴霧した水滴は未蒸発のまま内壁に
到達するか否かにかかわらず、排ガス冷却空間内の浮遊
するばいじんと接触し、濡れ状態のダストが形成され、
これが完全蒸発しないまま壁面に到達すると前記と同様
に湿りダスト堆積を発生してしまう。
【0010】一方、排ガス減温塔を第一集塵のあとに設
置する場合は、ばいじんがほとんど存在しないので、湿
りダスト堆積の問題は生じないが、より低温まで排ガス
を冷却する際など、水滴を完全に蒸発することができな
い場合は、未蒸発水滴が壁面に付着して、不所望に廃水
となって別途廃水処理を必要とする不具合や、未蒸発水
滴が第二の集塵装置などに到達してろ布を傷めてしまう
不具合を生じる場合があった。
【0011】水滴の完全蒸発に要する時間は、上述した
ように水滴径が大きいと当然長くなるが、雰囲気ガス温
度(排ガス温度)が低くなっても同様に長くなる。完全
蒸発を必要とするので、雰囲気温度は冷却後の排ガス温
度とみなしてよい。すなわち、上述の問題点は、低温域
での水滴蒸発速度が遅いことから、排ガス冷却温度を低
温にすることで、より顕著な問題となっていた。これら
の湿りダスト堆積の問題等を回避するためには、噴霧す
る水滴を十分小さくするか、あるいは蒸発に要する排ガ
ス滞留時間を十分大きくとる必要がある。
【0012】例えば、空気との二流体噴霧を実施する場
合は、噴霧水滴を小さくするため、気水比(空気噴射量
/水噴射量)を過剰に上昇させる必要があり、専用コン
プレッサの増設を余儀なくされる。一流体噴霧の場合
は、噴霧圧を上昇させると、噴霧水量も増加し、噴霧圧
の上昇で水滴が小さくなる作用があるが、同時に水量増
加するため霧化効率が低下し、水滴が大きくなる作用も
同時に働くので、水滴を確実に小さくするとは言えな
い。このため、一流体噴霧は、相対的に微細な水滴の得
られる二流体噴霧に切り替えることが有効であるが、二
流体ノズル、空気用コンプレッサ等の新規設備が別途必
要となる。
【0013】このように、従来の20℃程度の常温水を
噴霧して排ガスを冷却する際には、各種問題点を生じて
いた。ここで、これらの問題点を解決するための手段の
ひとつとして、本発明者らの出願による、特公2001
−314725号公報に記載されているように、水の沸
点以上の熱水を用いて排ガスを冷却する方法がある。し
かしながら、この方法では、熱水を用いることにより格
段に噴霧水滴径を小さくでき、排ガス冷却時間を大幅に
短縮できる効果が得られるが、熱水の最適な噴霧条件等
については、さらなる研究、改良の余地があった。
【0014】本発明は、本発明者らによる前記発明をさ
らに改良したものであり、上述した従来の問題点を簡便
かつ安価な手段で克服できる排ガス冷却方法および排ガ
ス冷却装置を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の排ガス冷却方法
は、(1)水の大気圧における沸点以上の熱水を排ガス
に噴霧して排ガスを冷却する際に、排ガスヘ噴霧する熱
水の温度を120〜150℃の範囲の何れかの温度とし
て、所定圧以上の噴霧圧にてスプレーノズルを用いて該
排ガスに噴霧するものである。
【0016】また、本発明の排ガス冷却装置は、(2)
水の大気圧における沸点以上の熱水を排ガスに噴霧して
排ガスを冷却する際に、噴霧時点の熱水の温度が120
〜150℃の範囲の何れかの温度となるように水を加熱
して熱水を製造する熱水製造手段と、熱水を所定圧に調
整して噴霧手段に送水する熱水送水手段と、送水された
熱水を噴霧するスプレーノズルからなる熱水噴霧手段
と、噴霧された熱水により排ガスを所定時間内に冷却す
る冷却空間を有する排ガス減温塔を備えたものである。
【0017】さらに、本発明の排ガス冷却装置は、
(3)上述の(2)において、少なくとも排ガスを18
0℃以下に冷却するとともに、排ガス減温塔における排
ガスの平均滞留時間が3秒以下となるように、排ガス減
温塔の容積を設定してなるものであり、また、(4)上
述の(2)において、少なくとも排ガスを180℃以下
に冷却するとともに、排ガス冷却に要する排ガス減温塔
の単位容積、単位時間あたりの冷却熱量を少なくとも1
5000kcal/m3・h以上に設定したものであ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】[作用](1)本発明は、熱水を
噴霧する際の温度を120〜150℃として、所定圧以
上の噴霧圧にて排ガス中に噴霧することにより、熱水の
減圧蒸発による微細な水滴が得られ、排ガス冷却に要す
る時間を大幅に短縮できるとともに、従来の未蒸発水滴
による湿りダスト堆積の問題を確実に回避できる作用が
得られる。
【0019】さらに、熱水製造時のタンク圧をゲージ圧
で1〜3.8kg/cm2 Gの低圧により熱水製造を容
易にできる作用が得られる。熱水120℃および150
℃は飽和蒸気圧で各々1.0kg/cm2 G、3.8k
g/cm2 Gに相当し、熱水を160℃、170℃とし
たときの5.3kg/cm2 G、7.Okg/cm2
に比較して十分低い値であり、施設内の熱源を用いて熱
水を製造する際に少ない熱源で済む利点と、熱水タンク
を耐圧が低くて済む圧力容器にできる利点が得られる。
また、熱水温度を上昇させすぎると、熱水の顕熱が大き
く上昇してしまうため、所定の排ガス冷却を実施する際
に、必要な熱水噴霧量が不所望に多くなってしまい、ノ
ズルの本数増加や、容量の大きいノズルが必要となって
しまう。このため、150℃以下とすることにより、必
要な噴霧量の増加分をごく少なく抑えることができ、従
来とほぼ同等のスプレーノズルを用いることができる。
【0020】次に、熱水を噴霧する際の前記所定圧は、
前記飽和蒸気圧(熱水製造時のタンク圧)または飽和蒸
気圧以上の圧力で、排ガス冷却に必要な噴霧水量の得ら
れる一定圧を指す。このように送水ポンプ等の加圧手段
を用いて所定圧以上の噴霧圧にてスプレーノズルより熱
水を噴霧するので、噴霧部に到達するまでの配管内での
断熱膨張により熱水の温度が不所望に低くなってしまう
不具合や、熱水が配管内で蒸気となって排ガス冷却性能
が消失してしまう危険性を確実に回避できる。
【0021】なお、本発明の熱水温度とは、スプレーノ
ズルに導入される直前の熱水温度を示し、この温度は1
20〜150℃であることが必要であるとともに、この
ときの熱水の圧力は少なくとも温度に対応する飽和蒸気
圧またはそれ以上であることが必要である。このため、
配管等での放熱が無視できない場合は、送り元の熱水タ
ンクの温度は、この範囲の温度よりも相対的に高い温度
とする必要があることは言うまでもない。
【0022】噴霧する熱水の温度を100℃以上、12
0℃以下とすると、減圧蒸発による微細な水滴が得られ
る熱水の作用が十分でなく、排ガス冷却に要する時間を
短縮できる効果がごく低いので好ましくない。噴霧する
熱水の温度を150℃以上とすると、すでに述べたよう
に、熱水を製造する際のタンク圧力が増大して過剰な熱
源を必要とするとともに、十分な耐圧を要する圧力容器
とせざるを得ないので好ましくない。
【0023】(2)ここで、熱水の温度による排ガス冷
却特性は、本発明者らが調査した結果を示す図6、図7
により裏付けることができる。図6は、排ガス冷却量約
1500Nm3 /h規模の冷却試験装置にて、各種の冷
却試験を実施し、試験結果を系統的に整理して得られた
排ガス冷却性能を示す特性図である。図6は、市販の二
流体スプレーノズルを用いて、熱水と空気による二流体
を一定圧により噴霧し、排ガスの冷却がほぼ完了する
点、すなわち、冷却完了点を、試験装置内の流れ方向の
距離(相対値)で比較した図である。
【0024】この冷却完了点が小さいことは、必要な排
ガス冷却時間が短いことを示し、排ガス減温塔の容積を
短縮できることを意味する。図6によると、スプレーノ
ズルに導入される熱水温度が120℃以上となると、冷
却完了点、すなわち、排ガス冷却に要する排ガス滞留時
間を短縮できる効果が顕著に増加し、一方、150℃を
越えると短縮効果は和らぎ、150℃との優位さがなく
なる。このことは、気水比(空気噴射量/水噴射量)の
大小に関わらず同一の傾向であった。また、図6に示し
た飽和蒸気圧、すなわち、熱水を製造する際の必要なタ
ンク圧は、熱水温度とともに上昇し、特に150℃以上
では約4kg/cm2 G以上の高圧を必要としてしま
う。
【0025】また、図6によると、気水比を大とするこ
とにより、冷却完了点を短縮できる効果が得られるが、
気水比を例えば2倍とすると、空気消費量が2倍とな
り、専用コンプレッサを増設せざるを得ない問題点があ
る。図6によれば、熱水温度を上昇させることにより、
冷却完了点を十分短縮できるので、熱水温度を120〜
150℃とすることにより、気水比を増大させることな
く、あるいはより少ない気水比で、従来の未蒸発水滴発
生の問題を克服しながら、所望の排ガス冷却性能を確実
に得ることができる。
【0026】なお、図6に示した冷却完了点は、ノズル
噴霧部(先端部)からの相対距離を示し、ノズル噴射は
排ガスの流れ方向と同じ方向としたので、ノズル先端か
ら高流速で噴霧される或る所定距離範囲では、噴霧水滴
はほとんど蒸発せずに噴霧流が直進してしまう。このた
め、冷却完了点は、熱水温度上昇とともに、ゼロに近づ
くというよりは一定の下限値(前記の噴霧流の直進拒
離)に近づくと言える。
【0027】(3)次に図7は、一定量の排ガスを一定
温度(例えば250℃を160℃に冷却)に冷却する際
に必要な水噴霧量の増加割合を示した。熱水の温度を上
昇させると、噴霧水の顕熱が上昇するため、一定の冷却
性能を得るためには、噴霧水量はもちろん増加すること
になる。図7はこの必要な水噴霧量を100℃の熱水
(沸騰水)と比較した図である。
【0028】これによると、熱水の温度の上昇ととも
に、噴霧水量は増加し、150℃を越えると100℃に
対して10%以上の増加となることが判明した。すなわ
ち、150℃以上とすると、必要な噴霧水量が大幅に増
加し、冷却装置内での蒸発負荷(単位時間、単位容積あ
たりの必要な水滴蒸発量と定義)が同等に増加すること
となり、熱水の温度上昇とともに、さらに微細な水滴が
得られたとしても、単位容積あたりの蒸発負荷が上昇す
るため、冷却完了点が短縮される効果はあまりなくなる
と考えられる。
【0029】また、本発明者らの別の調査では、噴霧水
滴径を大気開放噴霧において測定しており、このとき、
熱水温度を上昇させると水滴径は十分小さくなることが
判明している。但し、スプレーノズル自体が有する霧化
特性には事実上限界があることなどから、150℃以上
などの高温で水滴がさらに小さくなる傾向はあるがその
傾向は弱まるため、150℃で下限値に近い十分に小さ
な水滴が得られると言ってよい。
【0030】以上から、熱水を用いて排ガスを冷却する
際の実用面の利便性を考慮すると、噴霧部における熱水
温度は120〜150℃とすることが肝要である。言い
換えると、熱水温度を120〜150℃とすることによ
り、熱水噴霧による優位な排ガス冷却性能を十分得なが
ら、熱水噴霧を簡便な手段で実施できる実用上の大きな
利点が得られる。
【0031】(4)熱水を噴霧する際の温度を120〜
150℃として、所定圧以上の噴霧圧にて排ガス中に噴
霧することにより、熱水の減圧蒸発により微細な水滴が
得られ、排ガス冷却に要する時間を大幅に短縮できるな
どといったすでに述べた作用が得られるので、従来の未
蒸発水滴による湿りダスト堆積の問題を確実に回避しな
がら、排ガス減温塔における排ガスの平均滞留時間を3
秒以下とすることができ、従来の5〜10秒の滞留時間
を要する大型の排ガス減温塔を小型の減温塔とすること
ができる。
【0032】言い換えると、180℃以下の例えば15
0℃の低温に排ガスを冷却する際に、従来は、二流体噴
霧における気水比を上昇させるなどしても、排ガスの滞
留時間を3秒と小さくすることは困難であったが、12
0〜150℃の熱水を用いれば、熱水の製造を容易に達
成しながら、相対的に低い気水比でも、排ガスの滞留時
間が3秒以下となるように、排ガス減温塔の容積を設定
できる。逆に、ダイオキシン類の発生の少ない180℃
以下に排ガスを冷却する際に、排ガスの滞留時間を3秒
以下と設定した小型の滅温塔を用いるので、設置スベー
スを大幅に縮小できる効果が得られる。
【0033】(5)また、熱水を噴霧する際の温度を1
20〜150℃として、所定圧以上の噴霧圧にて排ガス
中に噴霧することにより、熱水の減圧蒸発により微細な
水滴が得られ、排ガス冷却に要する時間を大幅に短縮で
きるなどといったすでに述べた効果が得られるので、従
来の未蒸発水滴による湿りダスト堆積の問題を確実に回
避しながら、排ガス減温塔における冷却負荷を1500
0kcal/m3 ・h以上とすることができ、従来に対
してより小さい冷却空間でより冷却負荷の高い排ガス冷
却が可能な排ガス冷却装置とすることができる。逆に、
ダイオキシン類の発生の少ない180℃以下に排ガスを
冷却する際に、排ガス減温塔内の冷却負荷を15000
kcal/m3 ・h以上と設定した小型の減温塔を用い
るので、設置スベースを大幅に縮小できる作用が得られ
る。
【0034】図5(a)、(b)は、本発明の適用可能
な排ガス処理フローの代表例を示す図である。21は排
ガスの発生源となる装置で、都市ごみ、汚泥、産業廃棄
物、焼却残査、汚染土壌などを処理する廃棄物焼却炉、
廃棄物溶融炉、廃棄物ガス化炉をはじめ、スクラップ溶
解炉、電炉、転炉、高炉、アルミ溶解炉などの各種金属
精錬炉、各種発電ボイラ、各種化学薬品製造炉、その
他、200℃以上の排ガスの発生源となる装置を示す。
【0035】22は排ガスの発生源となる装置21の下
流側に設置した熱回収装置で高温排ガスの熱回収を行う
蒸気式ボイラ、節炭器、その他の熱回収手段または冷却
手段を指すが、省略される場合もある。23は熱回収装
置22の下流側に設置した排ガス減温塔で、スプレーノ
ズルによる水噴霧式の排ガス冷却がなされる。24は排
ガス減温塔23の下流側に設置した集塵装置で、バグフ
イル夕、電気集塵機、慣性力集塵機、湿式集塵機等、各
種の集塵装置が用いられる。図5(b)に示した24
a、24bは第一集塵装置、第二集塵装置であり、集塵
装置24と同等の集塵装置が用いられる。
【0036】次に、これらの構成装置からなる排ガス処
理フローを図5(a)を参照して説明する。排ガスの発
生源となる装置21から排出される800℃以上の排ガ
スは、熱回収装置22で熱回収され、例えぱ250℃の
温度となる。続いて排ガス減温塔23により、集塵装置
24に適した温度、例えば、150〜200℃の温度ま
で排ガスは冷却されたあと、集塵装置24に導入され、
排ガス中のばいじんおよび酸性成分が除去される。な
お、酸性成分除去用のアルカリ中和剤の噴霧手段等につ
いて、同図では記載を省略した。集塵装置24を経た排
ガスは、必要に応じて図示しない脱硝塔を経て、煙突を
介して大気放散される。
【0037】図5(b)は、図5(a)に対して、集塵
装置24を、第一集塵装置24a、第二集塵装置24b
の2段階に設置したものであり、この2つの集塵装置の
間に排ガス減温塔23を挿入した場合のフローである。
第一集塵装置24aで概ねばいじんのみを除去し、除塵
された250℃程度の排ガスを排ガス減温塔23で15
0〜200℃に冷却し、その後、図示しないアルカリ中
和剤を噴霧して、第二の集塵装置24bで排ガス中の酸
性成分を除去するように構成したフローである。その他
の点については図5(a)と同等であり、説明を省略す
る。
【0038】図5(a)と図5(b)の構成は、捕集灰
等の処理目的が大きく異なるが、本発明に係る排ガス減
温塔23の観点からみると、図5(a)はばいじんを含
む排ガスの冷却、図5(b)はばいじんをほとんど含ま
ない排ガスの冷却という相違点がある。
【0039】[実施の形態1]図1は、本発明の実施の
形態1の説明図である。図において、1は再利用水ヘッ
ダ、2aは再利用水供給弁、2bは熱水供給弁、3は送
水ボンプ、4は流量調整弁、5はスプレーノズル、6は
例えば排ガス減温塔の如き排ガス冷却空間である。7は
コンプレッサ、8は空気量調整弁、9は空気供給ライ
ン、10は流量調整弁4を介してスプレーノズル5に接
続された熱水供給ライン、11は再利用水供給弁2aと
熱水供給弁2bの間に設けられた熱水タンク、12は加
熱装置である。
【0040】本実施の形態においては、付属施設内の再
利用水ヘッダ1から再利用水供給弁2aを経て、熱水タ
ンク11に再利用水を断続的または連続的に充填する。
熱水タンク11の下部には、電気ヒー夕式の加熱装置1
2が設置され、同加熱装置12により、熱水タンク11
内の再利用水は所定温度、例えば140℃まで加熱され
て、この温度の飽和蒸気圧に相当する2.7kg/cm
2 Gの熱水となる。
【0041】加熱製造された熱水は、熱水供給弁2bを
介して送水ポンプ3に送られ、熱水タンク圧またはこれ
以上の噴霧圧、例えば4kg/cm2Gを確保しながら
流量調整弁4、熱水供給ライン10を介して、スプレー
ノズル5に供給される。スプレーノズル5に所定圧で到
達した熱水は、減圧蒸発により、スプレーノズル5の先
端部で瞬時に微細な水滴となって、排ガス冷却空間6内
の排ガス中に噴霧され、水滴が蒸発されるとともに、こ
の潜熱により排ガスが冷却される。
【0042】一方、噴霧水滴の霧化の促進作用のため、
スプレーノズル5には、熱水ライン10とは別に、コン
プレッサ7からの圧縮空気が、空気量調整弁8を介して
導入され、二流体噴霧となって、より徴細な水滴が得ら
れる。なお、上記の説明では、空気を用いる二流体噴霧
としたが、空気を用いない一流体噴霧とすることもでき
る。ここで、排ガス冷却空間6は、高温の排ガスを冷却
する空間であれば採用でき、上記例示の排ガス減温塔に
限らず、例えば、炉出口における排ガスの急速冷却の場
合や、単に煙道に熱水を噴霧する場合などにも採用でき
る。
【0043】また、加熱装置12は電気ヒータ式を例示
したが、付属施設に熱回収設備を有する場合は、後述の
図2、図4に示したように施設内の余剰の工場蒸気を用
いるか、あるいは施設内の高温の排ガスを分岐して、間
接加熱による熱交換式加熱装置とすることにより、熱水
を製造することが可能であり、外部の熱源を使用しない
点で有効である。但し、この方法に限られず所定温度の
温水を製造できる公知の手段を用いればよい。また、熱
水の製造元として施設内の再利用水を用いたが、再利用
水でなくとも実質的に蒸発潜熱を有する水であればよ
く、上水、工水、ろ過水その他が用いられる。
【0044】[実施の形態2]図2は、本発明の実施の
形態2の説明図である。なお、実施の形態1と同じ部分
はこれと同じ符号を付し、説明を省略する。本実施の形
態は、実施の形態1の加熱装置12に付帯施設内の工場
蒸気を用い、スプレーノズル5は空気を用いない一流体
噴霧としたものである。
【0045】ボイラ等の付帯施設を有する場合は、余剰
蒸気を汎用の工場蒸気として用いることが多い。工場蒸
気の蒸気ヘッダ17からの蒸気を、熱水タンク11に蒸
気供給弁18を介して誘導し、熱水タンク11内に貯留
した再利用水を直接加熱する。連続運転中は、熱水噴霧
量に相当する蒸気を連続的に補充することにより熱水を
製造してもよいし、再利用水を断続的に補充するように
構成してもよい。蒸気ヘッダ17の蒸気は少なくとも1
20℃以上の熱水を製造できる温度または圧力を有する
ことが必要であり、一般的には5〜10kg/cm2
の工場蒸気を用いて、必要に応じて減圧しながら、熱水
タンク11に供給する。このように構成して、実施の形
態1と同様に、排ガス冷却空間に所定温度の所定圧の熱
水を噴霧する。
【0046】[実施の形態3]図3は、本発明の実施の
形態3の説明図である。なお、実施の形態1と同じ部分
はこれと同じ符号を付し、説明を省略する。本実施の形
態は、実施の形態1および2の排ガス冷却空間を、排ガ
ス減温塔13としたものである。スプレーノズル5は2
流体噴霧のものである。また、さらに熱水タンク11を
省略し、再利用水供給ライン上に間接電気加熱による加
熱装置12を設置したものである。ここで、13は排ガ
ス減温塔(本体)、14は排ガスの導入ダクト、15は
冷却ガスの排出ダクト、16はダスト排出部である。
【0047】再利用水は熱水タンクに貯留されることな
く、送水ポンプ3により、流量調整弁4を介して直接ス
プレーノズル5に到達する。スプレーノズル5に到達す
るまでの再利用水供給ライン上には、間接電気加熱によ
る加熱装置12が設置され、常温の再利用水は所定温度
まで加熱され熱水となって噴霧される。
【0048】なお、このときの加熱(過熱)温度は、1
20〜150℃の範囲の温度かつ、熱水の飽和蒸気圧
が、噴霧圧(配管内の圧力)よりも低くなるような熱水
の温度とする必要がある。例えば、3kg/cm2 Gの
噴霧圧力の場合は、変動等を考慮して安全サイドとし
て、飽和蒸気圧2.7kg/cm2 Gに相当する140
℃またはこれ以下の加熱とする必要がある。このよう
に、再利用水供給ラインに、加熱装置13を設置すれば
熱水タンク11を省略できる利点が得られる。
【0049】一流体スプレーノズル5は、円筒型の排ガ
ス減温塔13の上部テーパ部に例えば4本(図3では簡
単のため1本で示した)が同一断面上に等間隔に設置さ
れる。ばいじんおよびダイオキシン類等の有機ハロゲン
化合物を含有する200℃以上の被冷却排ガスは塔頂部
の排ガス導入ダクト14より導入され、一流体スプレー
ノズル5から噴射される微細な温水水蒸気の蒸発潜熱に
より、排ガス源温塔13内に滞留する間に効率よく20
0℃以下、例えば160℃に冷却され、冷却された排ガ
スは排ガス減温塔13の下部の排ガス排出ダクト15よ
り排出される。
【0050】一方、排ガス中のばいじんは、その一部が
下部に沈降し、湿りダスト堆積を形成することなく、乾
燥状態でダスト排出部16より系外に排出され、別途処
理される。このように、排ガスにばいじんを含み、さら
にダイオキシン類等の有機ハロゲン化合物を含む200
℃以上の排ガスに熱水を噴霧して200℃以下の例えば
160℃に冷却するので、ダイオキシン類で代表される
有機ハロゲン化合物の発生を効率よく抑制できるととも
に、排ガスにはばいじんが含まれているので、未蒸発水
滴から誘発される湿りダスト堆積の問題等を効率よく回
避できる効果が得られる。なお、本実施の形態では比較
的水滴の細かい二流体ノズル5を用いたが、実施の形態
2と同様に一流体ノズルとしても熱水噴霧による効果は
同等に得られる。
【0051】また、加熱装置12は電気ヒータによる外
部間接加熱方式を例示したが、実施の形態1、2に示し
たような熱水タンク11を用いてもよいし、これを併設
してもよい。併設する場合は、熱水供給ラインで放熱に
よる熱水の温度低下を防止でき、熱水の温度を精度よく
制御できる効果が得られる。加熱装置12の熱源は、電
気ヒータに限らず、付属施設に熱回収設備を有する場合
は、前述の実施の形態2に示したように施設内の余剰の
工場蒸気を用いるか、あるいは施設内の高温の排ガスを
分岐して、間接加熱による熱交換式加熱装置とすること
により、熱水を製造することが可能であり、外部の熱源
を使用しない点で有効である。但し、熱水の製造方法
は、この方法に限らず、所定温度の熱水を配管内で製造
できる公知の他の手段を用いることができる。このよう
に構成することにより、実施の形態1、2と同様に、排
ガス冷却空間としての排ガス減温塔に所定温度の所定圧
の熱水を噴霧することができる。
【0052】[実施の形態4]図4は、本発明の実施の
形態4の説明図である。なお、実施の形態1と同じ部分
はこれと同じ符号を付し、説明を省略する。本実施の形
態は、付帯施設内の熱回収設備を用いて熱水を製造する
際の一例を示すものである。本実施の形態において廃熱
回収ボイラ41から一部分岐される蒸気は高圧蒸気だめ
42を介して低圧蒸気だめ43に導入される。低圧蒸気
だめ43からの例えば8kg/cm2 G(約180℃)
の余剰蒸気は、工場蒸気となるが、その一部を熱水製造
用の熱源として用いる。熱水製造用の熱源である低圧蒸
気だめ43からの前記蒸気は、熱水タンク11に内蔵さ
れた間接熱交換手段によって、例えば154℃(約5k
g/cm2 G)の熱水を熱交換により製造することが可
能である。
【0053】ここで、実際の施設に採用する場合の簡単
な熱収支計算例を示す。例えば排ガス処理量(3000
0Nm3 /h)×2炉の廃棄物焼却施設において、25
0℃の排ガスを150℃まで冷却するのに必要な熱水噴
霧量は、2炉全体で、4000kg/hとなる。次に2
5℃の再利用水を180℃の低圧蒸気を用いて間接熱交
換して154℃(約5kg/cm2 G)の熱水を製造す
ると、これには516Mcal/hの低圧蒸気が必要と
なる。
【0054】この熱量は施設全体のボイラ蒸気保有熱量
23000Mkal/hに対して、ごくわずかの2.2
%と算出される。一方、施設内余熱利用(工場蒸気等)
の過剰分や低圧蒸気復水器45で排出されてしまう熱量
は十分大きいので、この余剰の熱量を熱水製造に供する
ことができる。熱収支の上では、発電用蒸気タービン4
6、再加熱器、空気余熱器などに投入される蒸気量に影
響を与えることなく、余剰熱源の有効利用として熱水製
造が可能である。
【0055】但し、熱水の温度を170℃、180℃と
高温にすると、さらに熱源が多量に必要であることや、
発電に供される高圧の蒸気を必要とせざるを得なくな
り、ともすれば、施設の発電効率を低下させてしまう恐
れがあるので好ましくない。前記例示では、154℃の
熱水としたので、放熱等を考慮しても噴霧部でより確実
に120〜150℃の熱水を得ることができる。上述の
如く構成することにより、実施の形態1、2および3と
同様に、排ガス冷却空間としての排ガス減温塔に所定温
度の所定圧の熱水を噴霧することによって、前述の作用
(1)、(2)、(3)による効果を得ることができ
る。
【0056】次に、実施の形態1〜4で説明した排ガス
冷却空間6としての排ガス減温塔13は、排ガスを18
0℃以下、例えば150℃に冷却する場合は、排ガスの
平均滞留時間を3秒以下の容積とすることができる。よ
って、前述の作用(1)〜(4)による効果を得ること
ができる。
【0057】また、実施の形態1〜4により、排ガスを
180℃以下に冷却する場合には、排ガス冷却に要する
排ガス減温塔の単位容積、単位時間あたりの冷却熱量、
すなわち、冷却負荷を少なくとも15000kcal/
3 ・h以上とすることができる。よって、前述の作用
(1)〜(3)および(5)による効果を得ることがで
きる。
【0058】ここで、冷却負荷の熱量計算は例えば20
0℃付近の排ガスの冷却の場合は、代表的なガス比熱を
採用するなどして設定した以下の簡便式を採用すること
ができる。 U=0.341・F・(Tin−Tou)/V 但し、U:冷却負荷[kcal/m3 ・h]、F:排ガ
ス量[Nm3 /h]、Tin:冷却前の排ガス温度、T
out:冷却後の排ガス温度、V:排ガス減温塔容積
(有効容積)[m3 ]また、同式によらず、排ガス組成
に対応したエンタルピーを用いて厳密な計算をしてもよ
い。冷却負荷15000kcal/m3 ・hの値は、排
ガス量F=40000Nm3 /h、排ガス減温塔容積V
=64m3 と設定した場合に、例えば、冷却前温度Ti
n=250℃、冷却後温度Tout=180℃の場合
や、Tin=220℃、Tout=150℃の場合に相
当し、このとき、排ガスの平均滞留時間は、3.2〜
3.4秒となる。冷却負荷は15000kcal/m3
・h以上なので、上記各例示値に対して、排ガス減温塔
容積をさらに小さくすること、冷却前の排ガス温度を上
昇させること、冷却後の排ガス温度を低下させること、
排ガス量を多くすることが可能である。
【0059】以上の実施の形態1〜4の説明において、
本発明に用いるスプレーノズル5は、公知の一流体式、
二流体式の各種スプレーノズルが用いられ、噴霧流の形
状がフルコーンタイプ、ホローコーンタイフ゜、フラッ
トタイプなど、何れであっても同等の効果が得られる。
また、スプレーノズル以外のの霧化手段を用いてもよ
く、あるいは、霧化手段を用いずに単に散水手段による
冷却の際にも本発明を採用できる。
【0060】また、本発明に用いる排ガス減温塔13
は、円筒型で排ガスが上部から導入され下部から排出さ
れる形式を例示したが、これとは逆の排ガス流れの減温
塔や、排ガス導入部を二重構造としたものや、その他各
種形状の排ガス減温塔が採用される。排ガス減温塔13
に設置するスプレーノズルは、実施の形態2、3に示し
た設置位置、設置本数に限らず、様々な態様が採用でき
る。
【0061】本発明で言及した排ガスに含まれる有機ハ
ロゲン化合物とは、厚生労働省、環境省により特定施設
への規制値や環境基準が毒性換算値により指定されてい
るダイオキシン類およびコプラナPCB、さらにダイオ
キシン類の前駆物質、関連物質と称されるクロロベンゼ
ン、クロロフェノール、PCB類、塩素化された多環芳
香族炭化水素類(PAH)などや、塩素以外のハロゲン
元素で一部が置換されたこれら化学物質の総称である。
さらに、ダイオキシン類とは、ポリジベンゾパラジオキ
シンとポリジベンゾフランの総称であって、通常毒性換
算濃度によって算定されるものである。本明細において
は、上記の有機ハロゲン化合物を単にダイオキシン
(類)と略記している場合があることを付け加えてお
く。
【0062】
【発明の効果】(1)本発明に係る排気ガス冷却方法
は、水の沸点以上の熱水を排ガスに噴霧して排ガスを冷
却する際に、排ガスヘ噴霧する熱水の温度を120〜1
50℃の範囲の何れかの温度として、所定圧以上の噴霧
圧にてスプレーノズルを用いて該排ガスに噴霧するよう
にしたので、熱水の減圧蒸発により微細な水滴が得ら
れ、排ガス冷却に要する時間を大幅に短縮できるととも
に、従来の未蒸発水滴による湿りダスト堆積等の各種問
題を確実に回避することができる。さらに、熱水製造時
のタンク圧を1〜3.8kg/cm2 Gの低圧にできる
といった熱水製造を容易にできる効果が得られる。ま
た、所定圧以上の噴霧圧にてスプレーノズルより熱水を
噴霧するので、噴霧部に到着するまでの配管内で、断熱
膨張により熱水の温度が不所望に低くなってしまう不具
合や、熱水が配管内で蒸気となって排ガス冷却性能が消
失してしまう危険性を確実に回避できる。
【0063】(2)本発明に係る排気ガス冷却装置は、
水の大気圧における沸点以上の熱水を排ガスに噴霧して
排ガスを冷却する際に、噴霧時点の熱水の温度が120
〜150℃の範囲の何れかの温度となるように水を加熱
して熱水を製造する熱水製造手段と、熱水を所定圧に調
整して噴霧手段に送水する熱水送水手段と、送水された
熱水を噴霧するスプレーノズルからなる熱水噴霧手段
と、噴霧された熱水により排ガスを所定時間内に冷却す
る冷却空間を有する排ガス減温塔、とからなる排ガス冷
却装置により、熱水噴霧による優位な排ガス冷却性能を
十分得ながら、熱水噴霧を簡便な手段で実施できる実用
上の大きな利点が得られる。
【0064】(3)本発明に係る排ガス冷却装置は、少
なくとも排ガスを180℃以下に冷却するとともに、排
ガスの平均滞留時間が3秒以下となるような小形の排ガ
ス減温塔とすることができ、優れた工業的価値を得るこ
とができる。
【0065】(4)また、上記(2)において、少なく
とも排ガスを180℃以下に冷却するとともに、排ガス
冷却に要する排ガス減温塔の単位容積、単位時間あたり
の冷却熱量を少なくとも15000kcal/m3・h
以上と大きくすることができ、安価で安定した確実な排
ガス冷却装置が得られ、優れた工業的価値を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の説明図である。
【図2】 本発明の実施の形態2の説明図である。
【図3】 本発明の実施の形態3の説明図である。
【図4】 本発明の実施の形態4の説明図である。
【図5】 排ガス処理フローの一例を示す系統図であ
る。
【図6】 本発明に係る調査結果の一例を示す線図であ
る。
【図7】 本発明に係る他の調査結果の一例を示す線図
である。
【図8】 従来の実施の形態のの説明図である。
【符号の説明】
1 再利用水ヘッダ、2a 再利用水供給弁、2b 熱
水供給弁、3 送水ボンプ、4 流量調整弁、5 スプ
レーノズル、6 排ガス冷却空間、7 コンプレッサ、
8 空気量調整弁、9 空気供給ライン、10 熱水供
給ライン、11熱水タンク、12 加熱装置、13 排
ガス減温塔、14 導入ダクト、15排出ダクト、16
ダスト排出部、17 蒸気ヘッダ、18 蒸気供給
弁、21 排ガスの発生源となる装置(焼却炉等)、2
2 熱回収装置、23 排ガス減温塔、24 集塵装
置、24a 第一集塵装置、24b 第二集塵装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 浩 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 辻 俊昭 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 3K070 DA05 DA37 DA83 4D002 AC04 BA13 BA14 CA01 DA35 EA01 GA01 GA02 GA03 GB06 GB11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水の大気圧における沸点以上の熱水を排ガ
    スに噴霧して排ガスを冷却する際に、排ガスヘ噴霧する
    熱水の温度を120〜150℃の範囲の何れかの温度と
    して、所定圧以上の噴霧圧にてスプレーノズルを用いて
    該排ガスに噴霧することを特徴とする排ガス冷却方法。
  2. 【請求項2】水の大気圧における沸点以上の熱水を排ガ
    スに噴霧して排ガスを冷却する際に、噴霧時点の熱水の
    温度が120〜150℃の範囲の何れかの温度となるよ
    うに水を加熱して熱水を製造する熱水製造手段と、熱水
    を所定圧に調整して噴霧手段に送水する熱水送水手段
    と、送水された熱水を噴霧するスプレーノズルからなる
    熱水噴霧手段と、噴霧された熱水により排ガスを所定時
    間内に冷却する冷却空間を有する排ガス減温塔とを備え
    たことを特徴とする排ガス冷却装置。
  3. 【請求項3】少なくとも排ガスを180℃以下に冷却す
    るとともに、排ガス減温塔における排ガスの平均滞留時
    間が3秒以下となるように、排ガス減温塔の容積を設定
    したことを特徴とする請求項2に記載の排ガス冷却装
    置。
  4. 【請求項4】少なくとも排ガスを180℃以下に冷却す
    るとともに、排ガス冷却に要する排ガス減温塔の単位容
    積、単位時間あたりの冷却熱量を少なくとも15000
    kcal/m3・h以上に設定したことを特徴とする請
    求項2に記載の排ガス冷却装置。
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