JP2001287633A - Abs制御装置 - Google Patents

Abs制御装置

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JP2001287633A JP2000103964A JP2000103964A JP2001287633A JP 2001287633 A JP2001287633 A JP 2001287633A JP 2000103964 A JP2000103964 A JP 2000103964A JP 2000103964 A JP2000103964 A JP 2000103964A JP 2001287633 A JP2001287633 A JP 2001287633A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 路面状態を正確に把握して、その状態にあっ
た最適なABS制御を行う。 【解決手段】 ABS制御パラメータ生成回路61は、
車輪速センサ10からの車輪速度に基づいてABS制御
用のパラメータを生成する。路面勾配推定回路62は、
車輪速度に基づいて各車輪の路面μ勾配を推定する。補
正回路63は、路面勾配推定回路62からの路面μ勾配
に基づいてABS制御用のパラメータを補正し、これを
ABS制御回路64に供給する。ABS制御回路64
は、補正済みのパラメータを用いてABS液圧回路40
を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ABS制御装置に
係り、特に、個々のタイヤの特性に応じてABS制御を
行うABS制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】タイヤ
の制動力は、タイヤと路面とのスリップにより発生す
る。つまり、タイヤの制動力は、タイヤが進む速度(車
体の進行速度)とタイヤの周速との差により発生する。
通常、ABS制御においては、車輪速度信号に基づき車
輪スリップ、車輪減速度を演算し、これらに応じて制動
液圧の増圧・保持・減圧を制御し、車輪のロックを防止
する。
【0003】タイヤと路面との摩擦力の特性(いわゆる
μ−S特性)は、図25に示すようになっている。AB
S制御の増圧時にはμ−S特性に沿って矢印X及び矢印
Y方向に変化し、その減圧時には若干μ方向(矢印Z方
向)に低下するサイクルになっている。
【0004】タイヤのμ−S特性を利用してABS制御
を効率的に行うためには、増圧時においては、μピーク
から外れたスリップの際はすぐに増圧し(矢印X)、μ
ピーク付近では増圧量を僅かに抑える又はそれを保持し
て、できる限りμピーク付近に留まる時間を長くする。
一方、減圧時においては、すぐにスリップを復帰させる
ことが必要である。
【0005】ところが、現在のABS制御は、一般的な
タイヤの特性に適合するようにして増圧や減圧を行う閾
値を設定している。したがって、その閾値は、あるタイ
ヤのある路面に対して常に最適な値であるとは限らな
い。
【0006】このような問題を解決するために、例えば
特開平7−165053号公報によると、タイヤと路面
間の摩擦力特性を推定してABS制御性能を向上するこ
とが開示されている。この技術は、車輪加速度が制動ト
ルクと路面反力(車両に作用する制動力)との差で生じ
ることを用いて、車輪加速度と車両減速度との差が所定
値となるスリップ率を求め、オフセットを考慮して目標
のスリップ率を決定するものである。
【0007】しかし、車輪速信号にはノイズが含まれて
おり、また、車体加速度は車輪スリップを含んだ車輪速
度から推定されることから、正確に車体加速度や車輪加
速度を算出することが困難である。そのため、路面に対
するタイヤ摩擦力特性を精度よく把握することができな
いという問題がある。さらに、従来の手法では、ABS
制御時にμ−S特性上のどのような状況であるかを判定
することができず、この結果、すぐに増圧すべきか、ゆ
っくり増圧すべきかの判定が困難であった。
【0008】本発明は、上述した問題点を解消するため
に提案されたものであり、路面状態を正確に把握して、
その状態にあった最適なABS制御を行うことができる
ABS制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、前記車
輪速度検出手段で検出された車輪速度に基づいて、車輪
スリップ速度に対する路面μの勾配である路面μ勾配を
推定する路面μ勾配推定手段と、ABS制御用の制御パ
ラメータを生成する制御パラメータ生成手段と、前記路
面μ勾配推定手段で推定された路面μ勾配に基づいて、
前記制御パラメータ生成手段で生成された制御パラメー
タを補正する制御パラメータ補正手段と、前記制御パラ
メータ補正手段で補正された制御パラメータに基づい
て、ABS制御を行うABS制御手段と、を備えてい
る。
【0010】請求項1記載の発明によれば、路面μ勾配
推定手段は、車輪速度に基づいて路面μ勾配を推定す
る。このとき、トルク勾配や微小ゲイン等のように、路
面μ勾配とほぼ等価と考えられるものを推定してもよ
い。制御パラメータ補正手段は、路面μ勾配に基づい
て、タイヤがμ−S特性上のどの位置にあるかを判定
し、タイヤのグリップ力が最も発揮されるμ−S特性の
μピーク上にあるように、ABS制御パラメータを補正
する。なお、μピークにあるときは、制御パラメータを
補正しなくてもよい。そして、ABS制御手段は、補正
後の制御パラメータを用いてABS制御を行う。このよ
うなABS制御は、車両に設けられた各車輪に対してそ
れぞれ独立に行うことができる。
【0011】前記制御パラメータ補正手段は、請求項2
記載のように、ABS制動液圧の増圧時において、前記
路面μ勾配推定手段が推定した路面μ勾配が第1の所定
値より大きい場合には、ABS制動液圧の増圧量を大き
くするように制御パラメータを補正してもよい。このと
き、増圧量を大きくすることには、増圧デューティを大
きくすることも含まれる。
【0012】前記制御パラメータ補正手段は、請求項3
記載のように、ABS制動液圧の増圧時において、前記
路面μ勾配推定手段が推定した路面μ勾配が第2の所定
値より小さい場合には、ABS制動液圧の増圧量を小さ
くするように制御パラメータを補正してもよい。このと
き、増圧量を小さくすることには、増圧デューティを小
さくすることも含まれる。
【0013】前記制御パラメータ補正手段は、請求項4
記載のように、さらに、前記路面μ勾配推定手段が推定
した路面μ勾配が第3の所定値より小さい場合には、A
BS制動液圧を保持するように制御パラメータを補正し
てもよい。
【0014】前記制御パラメータ補正手段は、請求項5
記載のように、ABS制動液圧の減圧時において、前記
路面μ勾配推定手段が推定した減圧開始時の路面μ勾配
が所定値より大きい場合には、ABS制動液圧の減圧量
を小さくするように又は減圧時間を短くするように制御
パラメータを補正してもよい。ここで、減圧量を小さく
こと又は減圧時間を短くすることには、減圧デューティ
を小さくすることも含まれる。
【0015】前記制御パラメータ補正手段は、請求項6
記載のように、ABS制動液圧の減圧時において、前記
路面μ勾配推定手段が推定した減圧開始時の路面μ勾配
が所定値より小さい場合には、ABS制動液圧の減圧量
を大きくするように又は減圧時間を長くするように制御
パラメータを補正してもよい。ここで、減圧量を大きく
するように又は減圧時間を長くすることには、減圧デュ
ーティを大きくすることも含まれる。
【0016】前記制御パラメータ補正手段は、請求項7
記載のように、前記路面μ勾配推定手段が推定した減圧
開始時の路面μ勾配に基づいて、ABS制動液圧の減圧
開始を示すスリップ閾値を補正してもよい。ここにいう
減圧開始時の路面μ勾配は、今回の減圧開始直前の路面
μ勾配であってもよく、また、前回の減圧開始時の路面
μ勾配であってもよい。
【0017】前記制御パラメータ補正手段は、請求項1
1記載のように、前記路面μ勾配推定手段が推定した増
圧開始時の路面μ勾配に基づいて、ABS制動液圧の増
圧開始を示すスリップ閾値を補正してもよい。ここにい
う増圧開始時の路面μ勾配は、今回の増圧開始直前の路
面μ勾配であってもよく、また、前回の増圧開始時の路
面μ勾配であってもよい。
【0018】前記制御パラメータ補正手段は、請求項1
5記載のように、前記路面μ勾配推定手段で推定された
ABS制御開始前の路面μ勾配に基づいて、前記制御パ
ラメータ生成手段で生成された制御パラメータを補正し
てもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図1乃至図24を参照しながら詳細に説明する。
【0020】(第1の実施の形態)本発明は、例えば図
1に示す構成のABS制御装置1に適用することができ
る。ABS制御装置1は、各車輪の車輪速度をそれぞれ
検出する車輪速センサ10(10FL,10FR,10
RL,10RR)と、ブレーキペダルが踏まれたことを
検出するストップスイッチ11と、装置全体を制御する
電子制御ユニット(以下、「ECU」という。)20
と、ECU20の制御に従ってブレーキ制御を行うAB
S液圧回路40とを備えている。
【0021】ECU20は、車輪速センサ10からの信
号を増幅するアンプ21(21FL,21FR,21R
L,21RR)と、ストップスイッチ11からの信号を
増幅するアンプ22と、入力された信号を内部処理可能
な信号に変換する入力ポート23と、所定の演算処理を
行うCPU24と、制御プログラム等を記憶するROM
25と、信号を一時記憶するRAM26と、TMR27
と、出力信号を所定の方式に変換する出力ポート28
と、出力ポートからの信号を増幅して出力するアンプ2
9〜36とを備えている。
【0022】CPU24は、ROM25に記憶された制
御プログラムに従って動作し、入力ポート23を介して
入力された信号をRAM26に記憶させる。そして、C
PU24は、路面μ勾配を推定したり、ABS制御用の
制御パラメータを生成しさらに補正する。そして、CP
U24は、この補正後の制御パラメータに従ってABS
制御を行うための信号を、出力ポート28,アンプ29
〜36を介して、ABS液圧回路40に供給する。
【0023】ABS液圧回路40は、ソレノイドSOL
1〜SOL8からなるアクチュエータを備えている。A
BS液圧回路40は、具体的には図2に示すように、ブ
レーキペダル41の踏力に応じた液圧が生じるマスタシ
リンダ42と、ブレーキ液の液圧の増加・減少・保持を
行うソレノイドSOL1〜SOL8と、ブレーキ液を一
時的に溜めるリザーバ43(43F,43R)と、リザ
ーバ43に溜められたブレーキ液を汲み上げるポンプ4
4(44F,44R)と、ポンプ44の原動力となるモ
ータ45と、液圧に応じたブレーキ力で車輪を制御する
ホイルシリンダ46(46FL,46FR,46RL,
46RR)と、所定の方向への高圧ブレーキ液の流入を
抑制するチェックバルブ47〜50とを備えている。
【0024】ソレノイドSOL1とソレノイドSOL
2、ソレノイドSOL3とソレノイドSOL4、ソレノ
イドSOL5とソレノイドSOL6、ソレノイドSOL
7とソレノイドSOL8は、それぞれ液圧通路を介して
直列に接続されている。これらの直列に接続された1組
のソレノイドSOLは、それぞれ、一方側はマスタシリ
ンダ42に接続され、他方側はリザーバ43に接続され
ている。
【0025】ソレノイドSOL1,SOL3,SOL
5,SOL7の各ポートの間には、それぞれ、ブレーキ
液を供給するための液圧通路が設けられている。これら
の液圧通路には、ホイルシリンダ46側のポートからマ
スタシリンダ42側のポートに高圧のブレーキ液が流入
しないようにするためのチェックバルブ47〜50が設
けられている。ホイルシリンダ46FL,46FR,4
6RL,46RRは、直列に接続された2つのソレノイ
ドSOLの接続箇所X,Y,Z,Vに、それぞれ液圧通
路を介して接続している。
【0026】また、リザーバ43は、減圧制御モードの
ときに、ホイルシリンダ46から戻されてくるブレーキ
液を溜める。ポンプ44は、ABS制御が行われている
時にモータ45によって駆動され、リザーバ43に溜め
られたブレーキ液を汲み上げ、チェックバルブを介して
マスタシリンダ42に供給する。
【0027】上述したECU20は、このような構成の
ABS液圧回路40に対して、任意のソレノイドSOL
を通電して任意のホイルシリンダ46の液圧を調整(増
加・減少・保持)することによって、所望の車輪の制動
トルクを制御することができる。
【0028】このようなABS制御装置1は、機能的に
は図3に示すような構成になっている。すなわち、AB
S制御装置1は、車輪速センサ10と、車輪速センサ1
0からの車輪速度に基づいてABS制御用のパラメータ
を生成するABS制御パラメータ生成回路61と、車輪
速度に基づいて各車輪の路面μ勾配を推定する路面μ勾
配推定回路62と、路面μ勾配に基づいてABS制御用
のパラメータを補正する補正回路63と、補正済みのパ
ラメータを用いてABS液圧回路40を制御するABS
制御回路64とを備えている。なお、ABS制御パラメ
ータ生成回路61、路面勾配推定回路62、補正回路6
3、ABS制御回路64は、上述したCPU24に対応
している。
【0029】ABS制御パラメータ生成回路61は、A
BS制御用のパラメータとして、減圧開始スリップ閾値
S1_0,増圧開始スリップ閾値S2_0,減圧開始車輪
加速度閾値G1_0,増圧開始車輪加速度閾値G2_0,
減圧デューティ比D1_0,増圧デューティ比D2_0,
減圧時間T1_0を生成し、これらのパラメータを補正
回路63に供給する。
【0030】路面μ勾配推定回路62は、車輪速センサ
10で検出された各車輪の車輪速度に基づいて各車輪の
路面μ勾配を推定し、この路面μ勾配を補正回路63に
供給する。なお、路面勾配推定回路62の詳細な説明に
ついては後述する。
【0031】補正回路63は、ABS制御パラメータ生
成回路61で生成されたパラメータの初期設定を行なっ
たり、路面μ勾配を用いて制御パラメータを補正し、そ
して動作モードを選択する。ABS制御回路64は、
「減圧モード」、「パルス減圧モード」、「パルス増圧
モード」のいずれかの動作モードに従ってABS液圧回
路40に対して、ブレーキ液の液圧制御を行う。
【0032】(路面勾配推定回路62の構成)ここで、
路面μ勾配推定回路62について説明する。本実施の形
態に係る路面μ勾配推定回路62は、路面外乱ΔTd の
みが加振入力として車輪共振系に入力されている場合に
μ勾配を演算するものである。
【0033】図4に示すように、路面μ勾配推定回路6
2は、車輪速センサ10で検出された各車輪の車輪速度
ω1 から路面外乱ΔTd を受けた車輪共振系の応答出力
としての各車輪の車輪速振動Δω1 を検出する前処理フ
ィルタ71と、検出された車輪速振動Δω1 を満足する
ような各車輪の伝達関数を最小自乗法を用いて同定する
伝達関数同定回路72と、同定された伝達関数に基づい
てタイヤと路面との間の摩擦係数μの勾配を各車輪毎に
演算するμ勾配演算回路73と、から構成される。
【0034】前処理フィルタ71は、本車輪共振系の共
振周波数と予想される周波数を中心として一定の帯域の
周波数成分のみを通過させるバンドパスフィルタや、該
共振周波数成分を含む高帯域の周波数成分のみを通過さ
せるハイパスフィルタなどで構成することができる。こ
のバンドパスフィルタ或いはハイパスフィルタは、周波
数特性を規定するパラメータを一定値に固定する。
【0035】なお、この前処理フィルタ71の出力は、
直流成分を除去したものとする。すなわち、車輪速度ω
1 の回りの車輪速振動Δω1 のみが抽出される。
【0036】いまここで、前処理フィルタ71の伝達関
数F(s)を、
【0037】
【数1】
【0038】とする。ただし、ci はフィルタ伝達関数
の係数、sはラプラス演算子である。
【0039】次に、伝達関数同定回路72が依拠する演
算式を導出しておく。なお、本実施の形態では、前処理
フィルタ71の演算を、伝達関数同定回路72の演算に
含めて実施する。
【0040】まず、同定すべき伝達関数は、路面外乱Δ
Td を加振入力として、このとき前処理フィルタ71に
より検出された車輪速振動Δω1 を応答出力とする2次
のモデルとする。すなわち、
【0041】
【数2】
【0042】の振動モデルを仮定する。ここに、vは車
輪速信号を観測するときに含まれる観測雑音である。
(2)式を変形すると、次式を得る。
【0043】
【数3】
【0044】まず、(3)式に(1)式の前処理フィルタを掛
けて得られた式を離散化する。このとき、Δω1 、ΔT
d 、vは、サンプリング周期Ts 毎にサンプリングされ
た離散化データΔω1 (k)、ΔTd (k)、v(k)
(kはサンプリング番号:k=1,2,3,.... )として表さ
れる。また、ラプラス演算子sは、所定の離散化手法を
用いて離散化することができる。本実施の形態では、1
例として、次の双一次変換により離散化するものとす
る。なお、dは1サンプル遅延演算子である。
【0045】
【数4】
【0046】また、前処理フィルタの次数mは、2以上
が望ましいので、本実施の形態では、演算時間も考慮し
てm=2とし、これによって次式を得る。
【0047】
【数5】
【0048】また、最小自乗法に基づいて、車輪速振動
Δω1 の各データから伝達関数を同定するために、(4)
式を、同定すべきパラメータに関して一次関数の形式と
なるように、次式のように変形する。なお、”T ”を行
列の転置とする。
【0049】
【数6】
【0050】上式において、θが同定すべき伝達関数の
パラメータとなる。
【0051】伝達関数同定回路72では、検出された車
輪速振動Δω1 の離散化データを(9)式に順次当てはめ
た各データに対し、最小自乗法を適用することによっ
て、未知パラメータθを推定し、これにより伝達関数を
同定する。
【0052】具体的には、検出された車輪速振動Δω1
を離散化データΔω(k)(k=1,2,3,...)に変換し、
該データをN点サンプルし、次式の最小自乗法の演算式
を用いて、伝達関数のパラメータθを推定する。
【0053】
【数7】
【0054】ここに、記号”^”の冠した量をその推定
値と定義することにする。
【0055】また、上記最小自乗法は、次の漸化式によ
ってパラメータθを求める逐次型最小自乗法として演算
してもよい。
【0056】
【数8】
【0057】ここに、ρは、いわゆる忘却係数で、通常
は0.95〜0.99の値に設定する。このとき、初期
値は、
【0058】
【数9】
【0059】とすればよい。
【0060】また、上記最小自乗法の推定誤差を低減す
る方法として、種々の修正最小自乗法を用いてもよい。
本実施の形態では、補助変数を導入した最小自乗法であ
る補助変数法を用いた例を説明する。該方法によれば、
(9)式の関係が得られた段階でm(k)を補助変数とし
て、次式を用いて伝達関数のパラメータを推定する。
【0061】
【数10】
【0062】また、逐次演算は、以下のようになる。
【0063】
【数11】
【0064】補助変数法の原理は、以下の通りである。
(15)式に(9)式を代入すると、
【0065】
【数12】
【0066】となるので、(19)式の右辺第2項が零とな
るように補助変数を選べばθの推定値は、θの真値に一
致する。そこで、本実施の形態では、補助変数として、
ζ(k)=[−ξy1(k)−ξy2(k)]T を式誤差r
(k)と相関を持たないほどに遅らせたものを利用す
る。すなわち、
【0067】
【数13】
【0068】とする。ただし、Lは遅延時間である。
【0069】上記のようにして伝達関数を同定した後、
μ勾配演算回路73において、路面μ勾配D0 に関係す
る物理量を、
【0070】
【数14】
【0071】と演算する。このように(21)式により路面
μ勾配D0 に関係する物理量を演算できると、例えば、
該物理量が小さいとき、タイヤと路面との間の摩擦特性
が飽和状態であると容易に判定できる。
【0072】以上説明した路面μ勾配推定回路62は前
処理フィルタ71では、バンドパスフィルタ或いはハイ
パスフィルタの周波数特性を規定するパラメータを一定
値に固定したものであるが、このパラメータを伝達関数
同定回路72で同定されたパラメータに適応させて変化
させるようにしてもよい。即ち、伝達関数同定回路72
で同定されたパラメータに応じて前処理フィルタ71の
特性を変化させる適応回路を更に設けてもよい(特開平
11-78843号公報の第1の実施の形態の第2の態様(図9
等参照))。
【0073】また、路面μ勾配推定回路62は、励振ト
ルクΔT1 が加振入力として車輪共振系に入力されてい
る場合に車輪共振系の伝達関数を同定して、路面μ勾配
を演算するようにしてもよい(特開平11-78843号公報の
第3の実施の形態の第1の態様(図13等参照))。
【0074】更に、路面μ勾配推定回路62は、励振ト
ルクΔT1 が加振入力として車輪共振系に入力されてい
る場合において、検出された加振入力と応答出力とから
車輪共振系の伝達関数を同定するようにしてもよい(特
開平11-78843号公報の第4の実施の形態の第1の態様
(図16等参照))。
【0075】加えて、路面μ勾配推定回路62は、応答
出力の内、周期的な信号である応答出力のみを選別し、
選別された応答出力に基づいて車輪共振系の伝達関数を
同定し、μ勾配を演算するようにしてもよい(特開平11
-78843号公報の第5の実施の形態(図18等参照))。
【0076】以上説明した例では、タイヤと路面との間
の摩擦特性を含む車輪共振系への加振入力に対する応答
出力を検出し、加振入力から応答出力までの車輪共振系
の伝達特性を、少なくともタイヤと路面との間のすべり
易さに関する物理量を車輪状態の未知要素として含む振
動モデルで表し、該振動モデルに基づいて、少なくとも
上記検出された応答出力を略満足させるような未知要素
を推定するものである。
【0077】本発明はこれに限定されるものではなく、
車輪速度信号からバネ下共振特性を表す物理モデルのパ
ラメータを同定し、同定したパラメータから路面と車輪
との間の滑り易さに関する物理量を推定する物理量とし
て、路面μ勾配を演算してもよい(特願平10-281660号
の実施の形態の欄等参照)。
【0078】ところで、以上説明した例では、路面と車
輪との間の滑り易さに関する物理量として、路面μ勾配
を演算しているが、本発明はこれに限定されるものでは
なく、スリップ速度に対する制動トルクの勾配(制動ト
ルク勾配)、スリップ速度に対する駆動トルクの勾配
(駆動トルク勾配)、及び微小振動等を求めるようにし
てもよい。
【0079】即ち、所定のサンプル時間毎に検出された
車輪速度の時系列データに基づいて、制動トルク勾配や
駆動トルク勾配を演算してもよい(特開平10-114263号
公報(図1等参照))。
【0080】また、所定のサンプル時間毎に検出された
車輪減速度の時系列データ、及び所定のサンプル時間毎
に検出されたブレーキトルク又は該ブレーキトルクに関
連した物理量の時系列データに基づいて、制動トルク勾
配を演算してもよい(特開平10-114263号公報(図2、
図3等参照))。
【0081】更に、車体と車輪と路面とから構成される
振動系の共振周波数でブレーキ力を微小励振し、ブレー
キ力を微小励振した場合のブレーキ力の微小振幅に対す
る車輪速度の共振周波数成分の微小振幅の比である微小
ゲインを演算してもよい(特開平10-114263号公報(図
4等参照))。
【0082】(メインルーチン1)このような構成のA
BS制御装置1は、ABS制御を行う際には、具体的に
は図5に示すステップST1からステップST13まで
の処理を実行する。
【0083】各回路は、図5に示すように、最初に初期
化される(ステップST1)。そして、各センサに信号
が入力されると(ステップST2)、車輪速センサ10
は車輪速度を演算する(ステップST3)。ABS制御
パラメータ生成回路61は、この車輪速度に基づいて車
輪加速度DVw(ステップST4)、推定車体速度(ス
テップST5)、実スリップ率Sを演算し(ステップS
T6)、ABS制御用のパラメータを生成する。
【0084】路面勾配推定回路62は、車輪速センサ1
0からの各車輪の車輪速度に基づいて、各車輪の路面μ
勾配を推定し(ステップST7)、これらの路面μ勾配
を補正回路63に供給する。
【0085】ステップST7の処理後、補正回路63
は、ABS制御パラメータの初期設定を行う(ステップ
ST8)。ここで、補正回路63は、具体的には図6に
示すステップST21からステップST25までのサブ
ルーチン処理を実行する。
【0086】(パラメータ初期設定)補正回路63は、
制御対象となる車輪について、減圧開始スリップ閾値S
1_0,増圧開始スリップ閾値S2_0,減圧開始車輪加
速度閾値G1_0,増圧開始車輪加速度閾値G2_0,減
圧デューティ比D1_0,増圧デューティ比D2_0,減
圧時間T1_0を設定する(ステップST21)。な
お、必要に応じて、一部のパラメータのみであってもよ
い。そして、補正回路63は、制御対象となる車輪の路
面μ勾配値Kが所定値K1以下(K≦K1)であるかを
判定する(ステップST22)。所定値K1は路面が低
μ路であるかを示す値である。すなわち、(K≦K1)
であるときは、その路面は低μ路である。
【0087】補正回路63は、ステップST22で(K
≦K1)を肯定したときは、以下の演算を行う(ステッ
プST23)。
【0088】 S1_0←S1_0−S1_1 S2_0←S2_0−S2_1 G1_0←G1_0+G1_1 G2_0←G2_0+G2_1 D1_0←D1_0+D1_1 D2_0←D2_0−D2_1 T1_0←T1_0+T1_1 車両が低μ路を走行しているときは、車輪のグリップ度
は限界に近くなっている。したがって、このように減圧
開始スリップ閾値S1_0及び増圧開始スリップ閾値S
2_0の値を小さくすることによって、車輪スリップが
大きくなりすぎないようにして、車輪のグリップを維持
している。同様の理由により、減圧開始車輪加速度閾値
G1_0及び増圧開始車輪加速度閾値G2_0を大きく
し、減圧デューティ比D1_0を大きくし、増圧デュー
ティ比D2_0を小さくし、さらに減圧時間T1_0を長
くすることによって、車輪スリップが大きくならないよ
うにしている。なお、このように7つすべてのパラメー
タに対して補正を行うだけでなく、任意のパラメータの
み補正を行ってもよい。
【0089】また、補正回路63は、ステップST22
で(K≦K1)を否定したとき、又は、ステップST2
3が終了したときは、路面μ勾配Kが所定値K2以上
(K≧K2)であるかを判定する(ステップST2
4)。所定値K2は、路面が高μ路であるかを示す値で
ある。すなわち、(K≧K2)であるときは、その路面
は高μ路である。
【0090】そして、補正回路63は、ステップST2
2で(K≧K2)を肯定したときは、以下の演算を行う
(ステップST25)。
【0091】 S1_0←S1_0+S1_2 S2_0←S2_0+S2_2 G1_0←G1_0−G1_2 G2_0←G2_0−G2_2 D1_0←D1_0−D1_2 D2_0←D2_0+D2_2 T1_0←T1_0−T1_2 車両が高μ路を走行しているときは、車輪のグリップ度
は限界までまだ余裕がある。したがって、このように減
圧開始スリップ閾値S1_0及び増圧開始スリップ閾値
S2_0の値を大きくすることによって、車輪のグリッ
プ力を最大限に利用して、速やかに減速することができ
る。同様の理由により、減圧開始車輪加速度閾値G1_
0及び増圧開始車輪加速度閾値G2_0を小さくし、減
圧デューティ比D1_0を小さくし、増圧デューティ比
D2_0を大きく、さらに減圧時間T1_0を短くするこ
とによって、車輪のグリップ力を最大限に利用すること
ができる。
【0092】なお、ステップST23と同様に、このよ
うに7つすべてのパラメータに対して補正を行うだけで
なく、任意のパラメータのみ補正を行ってもよい。
【0093】そして、補正回路63は、ステップST2
5で(K≧K2)を否定したとき、又は、ステップST
25の処理を終了したときは、このサブルーチン処理を
抜けて、図5に示すメインルーチンのステップST9に
進む。
【0094】(メインルーチン2)メインルーチンに戻
り、ABS制御回路64は、ABS制御中であるかを判
定し(ステップST9)、ABS制御中であったときは
ABS制御が終了したかを判定する(ステップST1
0)。ABS制御が終了したときはステップST2に戻
り、ABS制御が終了していないときはステップST1
2に進む。
【0095】また、ABS制御回路64は、ステップS
T9でABS制御中でないと判定したときは、ABS制
御を開始したかを判定する(ステップST11)。AB
S制御回路64は、ABSの制御を開始したときはステ
ップST12に進み、ABS制御を開始していないとき
はステップST2に戻る。
【0096】補正回路63は、制御モードを選択するた
めのパラメータを補正処理を実行する(ステップST1
2)。補正回路63は、具体的には図7に示すサブルー
チンのステップST31からステップST38までの処
理を実行する。なお、前回の減圧開始時の路面μ勾配を
K1とし、前回の増圧開始時の路面μ勾配をK2とす
る。
【0097】(パラメータ補正)補正回路63は、前回
の減圧開始時の路面μ勾配K1が所定値K3以上(K1
≧K3)であるかを判定し(ステップST31)、(K
1≧K3)のときは減圧開始スリップ閾値S1をS1_
3だけ大きく補正する(ステップST32)。この場合
は、図8に示すように、減圧開始スリップ閾値S1で減
圧が開始された際の路面μ勾配が高かったことになり、
車輪のグリップ力にまだ余裕がある。したがって、減圧
開始スリップ閾値S1を大きく補正することによって、
μ−S特性のピークを有効に利用するようにしている。
【0098】補正回路63は、ステップST31で(K
1≧K3)を否定したとき、又は、ステップST32の
処理が終了したときは、前回の減圧開始時の路面μ勾配
K1が所定値K4以下(K1≦K4)であるかを判定す
る(ステップST33)。補正回路63は、K1≦K4
を肯定したときは、減圧開始スリップ閾値S1をS1_
4だけ小さく補正する(ステップST34)。この場合
は、図9に示すように、減圧開始スリップ閾値S1で減
圧が開始された際の路面μ勾配が低かったことになり、
μ−S特性においてピークに到達しているか既にピーク
を超えている。したがって、減圧開始スリップ閾値S1
を小さく補正することによって、μ−S特性のμピーク
を超えないように設定している。
【0099】補正回路63は、ステップST33で(K
1≦K4)を否定したとき、又は、ステップST34の
処理が終了したときは、前回の増圧開始時の路面μ勾配
K2が所定値K5以上(K2≧K5)であるかを判定す
る(ステップST35)。補正回路63は、(K2≧K
5)を肯定したときは、増圧開始スリップ閾値S2をS
2_3だけ大きく補正する(ステップST36)。この
場合は、図10に示すように、増圧開始スリップ閾値S
2で増圧が開始された際の路面μ勾配が高くなってお
り、車輪スリップが必要以上に回復している。したがっ
て、増圧開始スリップ閾値S2を大きく補正することに
よって、制動液圧の減圧が不用意に大きくならないよう
にしている。
【0100】補正回路63は、ステップST35で(K
2≧K5)を否定したとき、又は、ステップST36の
処理が終了したときは、前回の増圧開始時の路面μ勾配
K2が所定値K6以下(K2≦K6)であるかを判定す
る(ステップST36)。補正回路63は、(K2≦K
6)を肯定したときは、増圧開始スリップ閾値S2をS
2_4だけ小さく補正する(ステップST37)。この
場合は、図11に示すように、増圧開始スリップ閾値S
2で増圧が開始された際の路面μ勾配が低くなってお
り、車輪スリップはまだ回復していない。したがって、
増圧開始スリップ閾値S2を小さく補正することによっ
て、車輪スリップが確実に回復するようにしている。
【0101】そして、補正回路63は、ステップST3
7で(K2≦K6)を否定したとき、又は、ステップS
T37の処理が終了したときはサブルーチンを抜けて、
図5に示すメインルーチンのステップST13に進む。
【0102】なお、補正の際に用いたS1_3,S1_
4,S2_3,S2_4の値は、K1やK2に応じた値と
することが好ましい。また、減圧開始スリップ閾値S1
や増圧開始スリップ閾値S2を補正する場合には、これ
らの幅をほぼ一定にするのが好ましい。したがって、減
圧開始スリップ閾値S1がスリップに対して大きくなる
ように補正された場合には、増圧開始スリップ閾値S2
もスリップに対して大きくなるように補正するのが好ま
しい。
【0103】なお、補正回路63は、前回の減圧開始時
の路面μ勾配K1に代えて減圧開始直前の路面μ勾配K
1’を、さらに、前回の増圧開始時の路面μ勾配K2に
代えて増圧開始直前の路面μ勾配K2’を用いてもよ
い。このとき、補正回路63は、図12に示すステップ
ST41からステップST48までの処理を実行する。
具体的な処理内容は、図7に示すステップST31から
ステップST38までの処理と同様なので省略する。こ
こでは、K3,K4,K5,K6に代えてK7,K8,
K9,K10を用い、さらに、S1_3,S1_4,S2
_3,S2_4に代えてS1_5,S1_6,S2_5,S
2_6を用いている。
【0104】補正回路63は、以上のように図7に示す
ステップST31からステップST38までの処理、又
は、図12に示すステップST41からステップST4
8までの処理を終了することで、図5に示すメインルー
チンのステップST12を終了する。
【0105】(制御モードの選択)補正回路63は、パ
ラメータの補正が終了すると、制御モードの選択処理を
行う(ステップST13)。ここで、補正回路63は、
具体的には図13に示すステップST51からステップ
ST58までの処理を実行する。
【0106】補正回路63は、制御対象の車輪の実スリ
ップ率Sが閾値S2より大きいか(S>S2)を判定し
(ステップST51)、(S>S2)を肯定するときは
さらに実スリップ率Sは閾値S1より大きいか(S>S
1)を判定し(ステップST52)、(S>S2)を否
定するときはステップST58に進む。補正回路63
は、ステップST52で(S>S1)を肯定したときは
車輪加速度DVwが閾値G1より大きいか(DVw>G
1)を判定し(ステップST53)、ステップST52
で(S>S1)を否定したときはステップST55に進
む。
【0107】補正回路63は、ステップST53で(D
Vw>G1)を肯定したときは車輪加速度DVwが閾値
G2より大きい(DVw>G2)かを判定し(ステップ
ST54)、ステップST53で(DVw>G1)を否
定したときはステップST56に進む。補正回路63
は、ステップST54で(DVw>G2)を肯定したと
きはステップST58に進み、(DVw>G2)を否定
したときはステップST57に進む。
【0108】一方、補正回路63は、ステップST52
で(S>S1)を否定したときも、(DVw>G1)で
あるかを判定し(ステップST55)、(DVw>G
1)を肯定したときはステップST58に進み、それを
否定したときはステップST56に進む。
【0109】(減圧モード)補正回路63は、ステップ
ST53又はステップST55でDVw>G1を否定し
たときは、減圧モードを選択して、ABS制御回路64
に対して減圧制御を指示する(ステップST56)。こ
のとき、補正回路63は、具体的には図14に示すサブ
ルーチンのステップST61からステップST65まで
の処理を実行する。
【0110】補正回路63は、前回の減圧開始時の路面
μ勾配K1又は減圧開始直前の路面μ勾配K1’が所定
値K11以上であるか(K1 or K1’≧K11)を判
定する(ステップST61)。補正回路63は、(K1
or K1’≧K11)を肯定するときは、減圧時間T1
を所定値T1_3だけ小さくなるように補正する(ステ
ップST62)。K1又はK1’の値が大きいときは、
車輪のグリップに余裕があり、わずかな減圧で車輪スリ
ップが回復することから、減圧時間を短く設定してい
る。
【0111】補正回路63は、ステップST61で(K
1 or K1’≧K11)を否定したとき、又は、ステッ
プST62の処理が終了したときは、K1又はK1’が
所定値K12以下であるか(K1 or K1’≦K12)
であるかを判定する(ステップST63)。補正回路6
3は、(K1 or K1’≦K12)を肯定したときは、
減圧時間T1を所定値T1_4だけ大きくなるように補
正する(ステップST64)。K1又はK1’の値が小
さいときは、車輪のグリップに余裕がなくなっており、
減圧時間を長くすることで、確実に車輪グリップを回復
するようにしている。
【0112】補正回路63は、ステップST63で(K
1 or K1’≦K12)を否定したとき、又は、ステッ
プST64の処理が終了したときは、補正後の減圧時間
T1をABS制御回路64に供給する。ABS制御回路
64は、ABS液圧回路40の各ソレノイドSOLに対
して、補正後の減圧時間T1の信号を出力する(ステッ
プST65)。補正回路63は、ステップST61から
ステップST65の処理を行うことで、図13に示すス
テップST56の処理を終了する。
【0113】(パルス減圧モード)補正回路63は、図
13に示すステップST54でDVw>G2を否定した
ときは、パルス減圧モードを選択して、ABS制御回路
64に対してパルス減圧制御を指示する(ステップST
57)。このとき、補正回路63は、具体的には図15
に示すサブルーチンのステップST71からステップS
T75までの処理を実行する。
【0114】補正回路63は、前回の減圧開始時の路面
μ勾配K1又は減圧開始直前の路面μ勾配K1’が所定
値K13以上であるか(K1 or K1’≧K13)を判
定する(ステップST71)。補正回路63は、(K1
or K1’≧K13)を肯定するときは、減圧デューテ
ィ比D1を所定値D1_3だけ小さくなるように補正す
る(ステップST72)。K1又はK1’の値が大きい
ときは、車輪のグリップに余裕があり、わずかな減圧で
車輪スリップが回復することから、図16に示すように
減圧デューティ比D1を小さくして、減圧量を少なくし
ている。
【0115】補正回路63は、ステップST71で(K
1 or K1’≧K13)を否定したとき、又は、ステッ
プST72の処理が終了したときは、K1又はK1’が
所定値K14以下であるか(K1 or K1’≦K14)
であるかを判定する(ステップST73)。補正回路6
3は、(K1 or K1’≦K14)を肯定したときは、
減圧デューティ比D1を所定値D1_4だけ大きくなる
ように補正する(ステップST74)。K1又はK1’
の値が小さいときは、車輪のグリップに余裕がなくなっ
ており、図17に示すように減圧デューティ比D1を大
きくすることで減圧量を大きくし、確実に車輪グリップ
を回復するようにしている。
【0116】補正回路63は、ステップST73で(K
1 or K1’≦K14)を否定したとき、又は、ステッ
プST74の処理が終了したときは、補正後の減圧デュ
ーティ比D1をABS制御回路64に供給する。ABS
制御回路64は、ABS液圧回路40の各ソレノイドS
OLに対して、補正後の減圧デューティ比D1の信号を
出力する(ステップST75)。補正回路63は、ステ
ップST71からステップST75の処理を行うこと
で、図13に示すステップST57の処理を終了する。
【0117】(パルス増圧モード)補正回路63は、図
13に示すステップST51で(S>S2)を否定した
とき、又は、ステップST54で(DVw>G2)を肯
定したとき、又は、ステップST55で(DVw>G
1)を肯定したときは、パルス増圧モードを選択し、A
BS制御回路64に対してパルス増圧制御を指示する
(ステップST58)。このとき、補正回路63は、具
体的には図18に示すサブルーチンのステップST81
からステップST87までの処理を実行する。なお、以
下に示す所定値K15,K16,K17については、K
15>K16>K17の関係がある。
【0118】補正回路63は、前回の減圧開始時の路面
μ勾配K2又は減圧開始直前の路面μ勾配K2’が所定
値K15以上であるか(K2 or K2’≧K15)を判
定する(ステップST81)。補正回路63は、(K2
or K2’≧K15)を肯定するときは、増圧デューテ
ィ比D2を所定値D2_3だけ大きくするように補正す
る(ステップST82)。K2又はK2’の値が大きい
とき、例えば図19に示す点Aにいるときは、車輪のグ
リップに余裕がある。したがって、このグリップを利用
するために、図19に示すように、増圧デューティ比D
2を大きくすることで増圧量を大きくし、μ−S特性の
μピーク(点B)に速く達するようにしている。
【0119】補正回路63は、ステップST81で(K
2 or K2’≧K15)を否定したとき、又は、ステッ
プST82の処理が終了したときは、K2又はK2’が
所定値K16以下であるか(K2 or K2’≦K16)
であるかを判定する(ステップST83)。補正回路6
3は、(K2 or K2’≦K16)を肯定したときは、
増圧デューティ比D2を所定値D2_4だけ小さくなる
ように補正する(ステップST84)。K2又はK2’
の値が小さいときは、車輪のグリップは限界(点B)に
近付きつつある。したがって、増圧デューティ比D2を
小さくして増圧量をわずかにすることで、μ−S特性の
μピーク近傍手前の状態を維持して、車輪のグリップを
有効に利用している。
【0120】補正回路63は、ステップST83で(K
2 or K2’≦K16)を否定したとき、又は、ステッ
プST84の処理が終了したときは、K2又はK2’が
所定値K17以下であるか(K2 or K2’≦K17)
であるかを判定する(ステップST85)。補正回路6
3は、(K2 or K2’≦K17)を肯定したときは、
ABS液圧回路40の液圧を現状のまま保持する保持モ
ードになる(ステップST86)。この場合、μピーク
に達していることから、その状態を維持してグリップを
最大限に利用している。
【0121】補正回路63は、ステップST85で(K
2 or K2’≦K17)を否定したとき、又は、ステッ
プST86の処理が終了したときは、補正後の増圧デュ
ーティ比D2をABS制御回路64に供給する。ABS
制御回路64は、ABS液圧回路40の各ソレノイドS
OLに対して、補正後の増圧デューティ比D2の信号を
出力する(ステップST87)。補正回路63は、ステ
ップST81からステップST87の処理を行うこと
で、図13に示すステップST58の処理を終了する。
【0122】そして、図13に示すステップST56か
らステップST58の何れかの処理が終了すると、図5
に示すメインルーチンのステップST13の処理が終了
したことになり、再びステップST2に戻る。
【0123】以上のように、ABS制御装置1は、AB
S制御時の路面μ勾配を推定してABS制御パラメータ
の閾値を補正し、タイヤの状態を常にμ−S特性のμピ
ーク上にすることによって、タイヤのグリップを最大限
に利用することができる。このとき、さらにABS制御
中の制動液の消費量を低減することができるので、ポン
プ量を低減したり、ポンプレスシステムを可能にするこ
とができる。
【0124】また、ABS制御装置1は、実際に使用し
ているタイヤの路面勾配を推定してABS制御を行って
いるので、一般のタイヤの特性に従ってABS制御を行
う場合に比べて応答性が向上し、車両状態を安定させる
ことができる。
【0125】(第2の実施の形態)つぎに、本発明の第
2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の
形態と重複する回路や処理等については同じ符号を付
し、詳細な説明は省略する。
【0126】本実施の形態では、ABS制御装置1は、
図20に示すように、ステップST7とステップST8
の間に、μスプリット/旋回判定を行う(ステップST
20)。ここでは、具体的には図21に示すステップS
T91からステップST95までのサブルーチン処理を
行う。なお、この処理は、ABS制御中のときに行って
もよいし、ABS制御中でないときに行ってもよい。
【0127】ABS制御装置1の補正回路63は、路面
勾配推定回路62で推定された右車輪の路面μ勾配KR
が所定値K18以上(KR≧K18)であるか、又は、
左車輪の路面μ勾配KLが所定値K18以上(KL≧K
18)であるかを判定する(ステップST91)。な
お、μスプリットの場合、低μ側の路面μ勾配が低下す
ることによって左右輪の路面μ勾配値の差が生じる。そ
こで、ステップST91で旋回状態かμスプリットであ
るかを判別するためには、所定値K18は直線走行時の
路面μ勾配よりわずかに大きい値が好ましい。そして、
(KR≧K18 or KL≧K18)を肯定したときはス
テップST92に進み、それを否定したときはステップ
ST94に進む。
【0128】補正回路63は、KRとKLの差の絶対値
が所定値K20以上であるか(|KR−KL|≧K2
0)を判定し(ステップST92)、それを肯定したと
きは旋回制御を行い(ステップST93)、それを否定
したときはサブルーチンを抜ける。ここで、例えば左旋
回すると荷重が移動して、図22に示すように、旋回外
輪(右輪)の路面μ勾配KRが増加し、旋回内輪(左
輪)の路面μ勾配KLが減少する。図23に示すよう
に、直線走行時の路面μ勾配と比べると、旋回外輪の路
面μ勾配は大きくなり、旋回内輪の路面勾配は小さくな
る。
【0129】したがって、補正回路63は、旋回時、つ
まり車輪にスリップ角が与えられた場合、μピークを発
生する車輪スリップが大きくなるため、減圧開始スリッ
プ閾値S1や増圧開始スリップ閾値S2を大きく設定す
ることで、ABS制御中のスリップを大きくし減速を得
られるように補正する。
【0130】一方、補正回路63は、ステップST91
で(KR≧K18 or KL≧K18)を否定したとき
は、KRとKLの差の絶対値が所定値K19以上である
(|KR−KL|≧K19)かを判定する(ステップS
T94)。(|KR−KL|≧K19)を肯定するとき
はμスプリット制御を行い(ステップST95)、それ
を否定するときはサブルーチンを抜ける。
【0131】補正回路63は、μスプリット制御におい
ては、低μ側の車輪スリップが大きくなって車両の操縦
安定性が低下しないように、減圧開始スリップ閾値S1
や増圧開始スリップ閾値S2を小さくする補正を行う。
また、制動力の左右差に起因するヨーモーメントで車両
安定性が低下しないように、いわゆるヨーコントロール
を実行すべく、図24に示すように、高μ路側の増圧の
時間勾配を補正する。
【0132】右輪及び左輪の路面μ勾配の差は、その路
面で発生可能な制動力の差を示している。したがって、
高μ路側の増圧時間勾配は、路面μ勾配の差に基づいて
決定する。つまり、左右輪の路面μ勾配の差が大きい場
合は増圧時間勾配を小さくし、その差が小さい場合には
増圧時間勾配を大きく設定する。
【0133】以上のように、第2の実施の形態に係るA
BS制御装置1は、μスプリットや旋回状態を検出した
ときは、左右輪の路面μ勾配の差が小さくなるように、
減圧開始スリップ閾値S1や増圧開始スリップ閾値S2
等を補正して、車両走行状態の安定化を向上することが
できる。
【0134】
【発明の効果】本発明に係るABS制御装置は、路面μ
勾配推定手段で推定された路面μ勾配に基づいて、制御
パラメータ生成手段で生成された制御パラメータを補正
し、補正済みの制御パラメータに基づいてABS制御を
行うことによって、制御パラメータを適切に設定するこ
とができ、この結果、ABS制御時の制御応答性や車両
安定性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るABS制御装
置の具体的な構成を示すブロック図である。
【図2】ABS制御装置に備えられたABS液圧回路の
構成を示す回路図である。
【図3】ABS制御装置の機能的な構成を示すブロック
図である。
【図4】路面勾配推定回路の構成を示すブロック図であ
る。
【図5】ABS制御装置の動作内容を説明するメインル
ーチンのフローチャートである。
【図6】ABS制御パラメータ初期設定の動作内容を説
明するフローチャートである。
【図7】制御モード選択のためのパラメータ補正の動作
内容を説明するフローチャートである。
【図8】車輪スリップ速度に対する路面μの特性を示す
図である。
【図9】車輪スリップ速度に対する路面μの特性を示す
図である。
【図10】車輪スリップ速度に対する路面μの特性を示
す図である。
【図11】車輪スリップ速度に対する路面μの特性を示
す図である。
【図12】制御モード選択のためのパラメータ補正の他
の動作内容を説明するフローチャートである。
【図13】制御モード選択処理の動作内容を説明するフ
ローチャートである。
【図14】減圧制御モードの動作内容を説明するフロー
チャートである。
【図15】パルス減圧制御モードの動作内容を説明する
フローチャートである。
【図16】減圧デューティ比D1を小さくすることを説
明する図である。
【図17】減圧デューティ比D1を大きくすることを説
明する図である。
【図18】パルス増圧制御モードの動作内容を説明する
フローチャートである。
【図19】車輪スリップ速度に対する路面μの特性と増
圧デューティ比D2の関係を説明する図である。
【図20】ABS制御装置の動作内容を説明する他のメ
インルーチンのフローチャートである。
【図21】μスプリット/旋回判定を行うときの動作内
容を説明するフローチャートである。
【図22】高μと低μの場合の車輪スリップ速度に対す
る路面μの特性を示す図である。
【図23】高μと低μの場合の車輪スリップ速度に対す
る路面μの特性を示す図である。
【図24】制動液圧を増圧する場合に増圧時間勾配を補
正することを説明する図である。
【図25】車輪スリップ速度に対する路面μの特性を示
す図である。
【符号の説明】
10 車輪速センサ 40 ABS液圧回路 61 ABS制御パラメータ生成回路 62 路面勾配推定回路 63 補正回路 64 ABS制御回路
フロントページの続き (71)出願人 000004260 株式会社デンソー 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 (72)発明者 安井 由行 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 松永 継春 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 浅野 憲司 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 吉田 浩朗 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 沢田 護 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3D046 BB23 BB28 CC02 HH02 HH36 HH46 JJ02 JJ14 JJ19 JJ21 KK06 LL02 LL47 LL50

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出
    手段と、 前記車輪速度検出手段で検出された車輪速度に基づい
    て、車輪スリップ速度に対する路面μの勾配である路面
    μ勾配を推定する路面μ勾配推定手段と、 ABS制御用の制御パラメータを生成する制御パラメー
    タ生成手段と、 前記路面μ勾配推定手段で推定された路面μ勾配に基づ
    いて、前記制御パラメータ生成手段で生成された制御パ
    ラメータを補正する制御パラメータ補正手段と、 前記制御パラメータ補正手段で補正された制御パラメー
    タに基づいて、ABS制御を行うABS制御手段とを備
    えたABS制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御パラメータ補正手段は、ABS
    制動液圧の増圧時において、前記路面μ勾配推定手段が
    推定した路面μ勾配が第1の所定値より大きい場合に
    は、ABS制動液圧の増圧量を大きくするように制御パ
    ラメータを補正する請求項1記載のABS制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制御パラメータ補正手段は、ABS
    制動液圧の増圧時において、前記路面μ勾配推定手段が
    推定した路面μ勾配が第2の所定値より小さい場合に
    は、ABS制動液圧の増圧量を小さくするように制御パ
    ラメータを補正する請求項1又は2記載のABS制御装
    置。
  4. 【請求項4】 前記制御パラメータ補正手段は、さら
    に、前記路面μ勾配推定手段が推定した路面μ勾配が第
    3の所定値より小さい場合には、ABS制動液圧を保持
    するように制御パラメータを補正する請求項3記載のA
    BS制御装置。
  5. 【請求項5】 前記制御パラメータ補正手段は、ABS
    制動液圧の減圧時において、前記路面μ勾配推定手段が
    推定した減圧開始時の路面μ勾配が所定値より大きい場
    合には、ABS制動液圧の減圧量を小さくするように又
    は減圧時間を短くするように制御パラメータを補正する
    請求項1記載のABS制御装置。
  6. 【請求項6】 前記制御パラメータ補正手段は、ABS
    制動液圧の減圧時において、前記路面μ勾配推定手段が
    推定した減圧開始時の路面μ勾配が所定値より小さい場
    合には、ABS制動液圧の減圧量を大きくするように又
    は減圧時間を長くするように制御パラメータを補正する
    請求項1記載のABS制御装置。
  7. 【請求項7】 前記制御パラメータ補正手段は、前記路
    面μ勾配推定手段が推定した減圧開始時の路面μ勾配に
    基づいて、ABS制動液圧の減圧開始を示すスリップ閾
    値を補正する請求項1記載のABS制御装置。
  8. 【請求項8】 前記制御パラメータ補正手段は、前記路
    面μ勾配推定手段が推定した減圧開始時の路面μ勾配が
    所定値より大きいときは、ABS制動液圧の減圧開始を
    示すスリップ閾値を大きくするように補正する請求項7
    記載のABS制御装置。
  9. 【請求項9】 前記制御パラメータ補正手段は、前記路
    面μ勾配推定手段が推定した減圧開始時の路面μ勾配が
    所定値より小さいときは、ABS制動液圧の減圧開始を
    示すスリップ閾値を小さくするように補正する請求項7
    記載のABS制御装置。
  10. 【請求項10】 前記制御パラメータ補正手段は、AB
    S制動液圧の減圧開始を示すスリップ閾値を補正すると
    共に、その補正量に応じてABS制動液圧の増圧開始を
    示すスリップ閾値を補正する請求項7から請求項9のい
    ずれか1項記載のABS制御装置。
  11. 【請求項11】 前記制御パラメータ補正手段は、前記
    路面μ勾配推定手段が推定した増圧開始時の路面μ勾配
    に基づいて、ABS制動液圧の増圧開始を示すスリップ
    閾値を補正する請求項1記載のABS制御装置。
  12. 【請求項12】 前記制御パラメータ補正手段は、前記
    路面μ勾配推定手段が推定した増圧開始時の路面μ勾配
    が所定値より大きいときは、ABS制動液圧の増圧開始
    を示すスリップ閾値を大きくするように補正する請求項
    11記載のABS制御装置。
  13. 【請求項13】 前記制御パラメータ補正手段は、前記
    路面μ勾配推定手段が推定した増圧開始時の路面μ勾配
    が所定値より小さいときは、ABS制動液圧の増圧開始
    を示すスリップ閾値を小さくするように補正する請求項
    11記載のABS制御装置。
  14. 【請求項14】 前記制御パラメータ補正手段は、AB
    S制動液圧の増圧開始を示すスリップ閾値を補正すると
    共に、その補正量に応じてABS制動液圧の減圧開始を
    示すスリップ閾値を補正する請求項11から請求項13
    のいずれか1項記載のABS制御装置。
  15. 【請求項15】 前記制御パラメータ補正手段は、前記
    路面μ勾配推定手段で推定されたABS制御開始前の路
    面μ勾配に基づいて、前記制御パラメータ生成手段で生
    成された制御パラメータを補正する請求項1記載のAB
    S制御装置。
  16. 【請求項16】 前記制御パラメータ補正手段は、前記
    路面μ勾配推定手段で推定されたABS制御開始前の路
    面μ勾配が所定値より小さいときは、ABS制動液圧の
    減圧量を大きく及び/又は増圧量を小さくし、前記AB
    S制御開始前の路面μ勾配が所定値より大きいときは、
    ABS制動液圧の減圧量を小さく及び/又は増圧量を大
    きくする請求項15記載のABS制御装置。
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