JPH095702A - カラー液晶表示装置 - Google Patents

カラー液晶表示装置

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Publication number
JPH095702A
JPH095702A JP7157985A JP15798595A JPH095702A JP H095702 A JPH095702 A JP H095702A JP 7157985 A JP7157985 A JP 7157985A JP 15798595 A JP15798595 A JP 15798595A JP H095702 A JPH095702 A JP H095702A
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JP
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liquid crystal
crystal cell
retardation plate
light
color
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JP7157985A
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English (en)
Inventor
Kenzo Endo
健三 遠藤
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Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH095702A publication Critical patent/JPH095702A/ja
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F2203/00Function characteristic
    • G02F2203/34Colour display without the use of colour mosaic filters

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】カラーフィルタを用いずに光を着色して、充分
に明るいカラー表示を得るとともに同じ画素で複数の色
を表示し、しかも、所望の色を充分な色純度で表示し、
さらに、視野角を広くし、かつ温度による表示色の変化
も小さくする。 【構成】液晶セル10と表裏の偏光板20,21と位相
差板22とを備え、液晶セル10の液晶分子のツイスト
角を250°±20°、Δndを1300nm〜175
0nm、位相差板のリタデーションを1450nm〜1
850nmとし、偏光板20,21と位相差板22の光
学軸の方向と液晶セル10の両基板の近傍における液晶
分子配向方向とを、表側偏光板20を透過して入射した
直線偏光が、液晶セル10の液晶層と位相差板22との
複屈折効果とによって各波長光がそれぞれ偏光状態の異
なる楕円偏光となった光となり、その光のうちの裏側偏
光板21を透過した各波長光の光強度の比が所望の比率
になるように設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、カラーフィルタを用
いずに着色した表示を得るカラー液晶表示装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】着色した表示が得られるカラー液晶表示
装置としては、一般に、カラーフィルタを用いて光を着
色するものが利用されている。しかし、このカラー液晶
表示装置は、カラーフィルタを用いて光を着色するもの
であるため、光の透過率が低く、したがって表示が暗い
という問題をもっている。
【0003】これは、カラーフィルタでの光の吸収によ
るものであり、カラーフィルタは、その色に対応する波
長帯域外の波長光だけでなく、前記波長帯域の光もかな
り高い吸収率で吸収するため、カラーフィルタを通った
着色光が、カラーフィルタに入射する前の前記波長帯域
の光に比べて大幅に光強度を減じた光になり、表示が暗
くなってしまう。
【0004】なお、液晶表示装置には、そのバックライ
トからの光を利用して表示する透過型のものと、外光
(自然光や室内照明光等)を利用しその光を裏面側に配
置した反射板で反射させて表示する反射型のものとがあ
るが、上記カラー液晶表示装置を反射型とすると、その
表面側から入射し裏面側の反射板で反射されて表面側に
出射する光がカラーフィルタを2度通って二重に光強度
を減じるため、表示が極端に暗くなって、表示装置とし
てはほとんど使用できなくなる。
【0005】しかも、上記カラー液晶表示装置は、1つ
1つの画素の表示色がその画素に対応するカラーフィル
タの色によって決まるため、多くの色を表示するには、
例えば赤、緑、青の三原色のカラーフィルタをそれぞれ
対応させた3つの画素を一組として、その各画素の光の
透過を制御することにより所望の表示色を得なければな
らず、表示装置の構造が複雑化する。
【0006】一方、従来から、カラーフィルタを用いず
に着色した表示を得るカラー液晶表示装置として、EC
B型(複屈折効果型)の液晶表示装置が知られている。
このECB型液晶表示装置は、一対の基板間に液晶を挟
持した液晶セルをはさんで、その表面側と裏面側とにそ
れぞれ偏光板を配置したものであり、このECB型液晶
表示装置においては、一方の偏光板を透過して入射した
直線偏光が、液晶セルを透過する過程で液晶層の複屈折
作用により各波長光がそれぞれ偏光状態の異なる楕円偏
光となった光となり、その光が他方の偏光板に入射し
て、この他方の偏光板を透過した光が、その光を構成す
る各波長光の光強度の比に応じた色の着色光になる。
【0007】すなわち、ECB型液晶表示装置は、液晶
セルの液晶層の複屈折作用と偏光板の偏光作用とを利用
して、カラーフィルタを用いずに着色した表示を得るも
のであり、したがってカラーフィルタによる光の吸収が
ないから、光の透過率を高くすることができる。
【0008】このため、ECB型液晶表示装置は、その
裏面側に反射板を配置して反射型表示装置として使用す
ることが可能であり、その場合でも、充分に明るいカラ
ー表示を得ることができる。
【0009】しかも、上記ECB型液晶表示装置は、液
晶セルの両基板の電極間に印加される電圧に応じた液晶
分子の配向状態によって液晶層の複屈折性が変化し、そ
れに応じて他方の偏光板に入射する各波長光の偏光状態
が変化するため、液晶セルへの印加電圧を制御すること
によって上記着色光の色を変化させることができ、した
がって、同じ画素で複数の色を表示することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ECB型液晶表示装置は、表示色の色純度が低く、さら
に、視野角が狭くて、表示を見る方向によって表示色が
変化してしまうだけでなく、温度の変化によって液晶セ
ルの液晶層の複屈折性が変化するため、温度によっても
表示色が変化してしまうという問題をもっていた。
【0011】この発明は、カラーフィルタを用いずに光
を着色して、充分に明るいカラー表示を得るとともに、
同じ画素で複数の色を表示することができ、しかも、表
示色の色純度を充分に高くし、さらに、視野角を広くす
るとともに温度による表示色の変化も小さくすることが
できるカラー液晶表示装置を提供することを目的とした
ものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明のカラー液晶表
示装置は、内面に電極が形成された一対の基板間に液晶
分子がツイスト配向した液晶層を設けてなる液晶セル
と、この液晶セルをはさんで配置された一対の偏光板
と、その一方の偏光板と前記液晶セルとの間に配置され
た1枚の位相差板とを備え、前記液晶セルの液晶分子の
ツイスト角を250°±20°、液晶の屈折率異方性Δ
nと液晶層厚dとの積Δndの値を1300nm〜17
50nm、前記位相差板のリタデーションの値を145
0nm〜1850nmとするとともに、前記一対の偏光
板と前記位相差板のそれぞれの光学軸の方向と前記液晶
セルの両基板の近傍における液晶分子の配向方向とを、
偏光板を透過して入射した直線偏光が、前記位相差板お
よび液晶セルを透過する間に、前記位相差板の複屈折効
果と前記液晶セルの液晶層の複屈折効果とによって各波
長光がそれぞれ偏光状態の異なる楕円偏光となった光と
なり、その楕円偏光となった光がさらに偏光板を透過し
て、その各波長光の光強度の比が所望の比率になるよう
に設定したことを特徴とするものである。
【0013】この発明は、バックライトからの光を利用
して表示する透過型の液晶表示装置にも、また、外光を
利用して表示する反射型の液晶表示装置にも適用できる
ものであり、反射型の液晶表示装置にも適用する場合
は、いずれか一方の偏光板の外面に反射板を配置すれば
よい。
【0014】また、前記位相差板は、その平面上におけ
る延伸方向の屈折率nx と前記平面上における前記延伸
方向に直交する方向の屈折率ny とがnx >ny の関係
にある一軸性位相差板であっても、前記平面上における
屈折率nx ,ny と厚さ方向の屈折率nz とがnx >n
z >ny の関係にある二軸性位相差板であってもよい
が、位相差板を二軸性位相差板とする場合は、この二軸
性位相差板として、(nx −nz )/(nx −ny )で
表されるNz 値が0.3〜0.7であるもの、より好ま
しくは、Nz 値が0.45±0.1であるものを用いる
のが望ましい。
【0015】
【作用】この発明のカラー液晶表示装置においては、こ
の液晶表示装置への入射光が一方の偏光板を透過して直
線偏光となり、その光が位相差板および液晶セルを透過
して他方の偏光板に入射する。
【0016】一方、液晶セルの液晶層の液晶分子は、液
晶セルの電極間に印加される電圧に応じて、ツイスト配
向状態を保ちつつ立上がり配向するが、液晶分子の配向
状態がツイスト配向状態にあるときは、一方の偏光板を
透過して入射した直線偏光が、位相差板と液晶セルとを
通る過程で、位相差板および液晶セルの液晶層の複屈折
作用により偏光状態を変えられ、各波長光がそれぞれ偏
光状態の異なる楕円偏光となった光となって他方の偏光
板に入射して、この偏光板を透過した光が、その光を構
成する各波長光の光強度の比に応じた色の光になる。
【0017】また、液晶セルの電極間に印加する電圧を
変化させると、その電圧による液晶分子の配向状態の変
化によって液晶層の複屈折作用が変化し、それにともな
って前記他方の偏光板に入射する光の偏光状態が変化す
るため、この偏光板を透過する光の各波長光の光強度比
が変化して、その光の色が変化する。
【0018】なお、透過型の液晶表示装置においては、
前記他方の偏光板を透過した光が出射光となり、反射型
の液晶表示装置においては、前記他方の偏光板を透過し
た光が反射板で反射され、前記他方の偏光板と位相差板
および液晶セルと前記一方の偏光板とを透過して出射す
る。
【0019】このように、このカラー液晶表示装置は、
位相差板および液晶セルの液晶層の複屈折効果と偏光板
の偏光作用とを利用して、カラーフィルタを用いずに着
色した表示を得るものであり、したがって、光の透過率
を高くして明るいカラー表示を得るとともに、液晶セル
への印加電圧を制御することにより、同じ画素で複数の
色を表示することができる。
【0020】また、このカラー液晶表示装置において
は、前記液晶セルの液晶分子のツイスト角を250°±
20°とし、かつこの液晶セルのΔndの値を1300
nm〜1750nmとするとともに、前記位相差板のリ
タデーションの値を1450nm〜1850nmと大き
くしているため、位相差板の複屈折作用と液晶セルの液
晶層の複屈折作用とを受けて他方の偏光板に入射する光
の偏光状態が、液晶セルへの印加電圧に応じて大きく変
化するから、所望の色を充分に高い色純度で表示するこ
とが可能である。
【0021】さらに、この発明のカラー液晶表示装置に
おいては、光が液晶セルの液晶層を垂直に透過したとき
と斜めに透過したときとの位相差が位相差板によって補
償されるため、視野角が広くなる。
【0022】しかも、前記位相差板は、温度の変化によ
る複屈折性の変化が、液晶セルの液晶層の複屈折性の変
化に比べてかなり小さいため、液晶セルの液晶層と位相
差板とのトータルの複屈折性の温度依存性が小さくな
り、したがって、温度による表示色の変化も小さくな
る。
【0023】そして、このカラー液晶表示装置によれ
ば、液晶セルのΔndの値を1300nm〜1750n
mとし、位相差板としてリタデーションの値が1450
nm〜1850nmと大きなものを用いることにより、
1枚の位相差板を備えるだけで、所望の色を充分な色純
度で表示するとともに、視野角を広くし、かつ温度によ
る表示色の変化を小さくできるから、位相差板を設けた
ことによる光の透過率の低下が僅かであり、高品質のカ
ラー表示を充分な明るさで得ることができる。
【0024】また、上記位相差板は、通常の一軸性位相
差板であっても、二軸性位相差板であってもよいが、前
記位相差板に二軸性位相差板を用いれば、視野角がより
広くなる。
【0025】
【実施例】以下、この発明を反射型のカラー液晶表示装
置に適用した第1の実施例を図1〜図3を参照して説明
する。図1はこの実施例のカラー液晶表示装置の断面図
であり、このカラー液晶表示装置は、液晶セル10と、
この液晶セル10をはさんでその表面側と裏面側とに配
置された表側偏光板20および裏側偏光板21と、前記
表側偏光板20と液晶セル10との間に配置された1枚
の位相差板22と、前記裏側偏光板21の裏面側に配置
された反射板23とからなっている。なお、前記反射板
23は、樹脂フィルム等からなるベースシートの表面に
銀またはアルミニウム等の金属膜を蒸着した無指向性反
射板である。
【0026】上記液晶セル10は、ITO膜等からなる
透明電極13,14を形成しその上に配向膜15,16
を形成した一対の透明基板(例えばガラス基板)11,
12間にネマティック液晶18を挟持しその分子を両基
板11,12間においてツイスト配向させたものであ
り、前記両基板11,12は枠状のシール材17を介し
て接合されており、液晶18は両基板11,12間の前
記シール材17で囲まれた領域に封入されている。
【0027】この液晶セル10は、単純マトリックス型
のものであり、表面側の基板12に設けられた電極14
は、複数本互いに平行に形成された走査電極、裏面側の
基板11に設けられた電極13は、前記走査電極14と
ほぼ直交させて複数本互いに平行に形成された信号電極
である。
【0028】また、上記両基板11,12に設けた配向
膜15,16は、ポリイミド等からなる水平配向膜であ
って、これら配向膜15,16はそれぞれ所定の方向に
配向処理(ラビング処理)されており、液晶18の分子
は、両基板11,12上(配向膜15,16の上)にお
ける配向方向を配向膜15,16で規制され、前記配向
膜15,16面に対し僅かなプレチルト角で傾斜した状
態で、両基板11,12間において所定のツイスト角で
ツイスト配向している。
【0029】そして、このカラー液晶表示装置において
は、上記表側偏光板20および裏側偏光板21と位相差
板22のそれぞれの光学軸(偏光板では透過軸または吸
収軸、位相差板では遅相軸または進相軸)の方向と液晶
セル10の両基板11,12の近傍における液晶分子の
配向方向とを、表側偏光板20を透過して入射した直線
偏光が、位相差板22および液晶セル10を透過する間
に、位相差板22の複屈折効果と液晶セル10の液晶層
の複屈折効果とによって各波長光がそれぞれ偏光状態の
異なる楕円偏光となった光となり、その光のうちの裏側
偏光板21を透過した各波長光の光強度の比が所望の比
率になるように設定している。
【0030】図2は、液晶セル10の両基板11,12
の近傍における液晶分子配向方向と各偏光板20,21
および位相差板22の光学軸の向きを液晶表示装置の表
面側から見た図であり、この実施例では、液晶セル10
の液晶分子のツイスト角を250°±20°とし、表側
および裏側偏光板20,21をその透過軸20a,21
aを次のような向きにして配置し、位相差板22をその
遅相軸22aを次のような向きにして配置している。
【0031】この図2のように、液晶セル10の裏面側
基板11の近傍における液晶分子の配向方向(配向膜1
5の配向処理方向)11aは、液晶セル10の横軸Sに
対し表面側から見て左回り(図上左回り)に35°±1
0°の方向、表面側基板12の近傍における液晶分子の
配向方向(配向膜16の配向処理方向)12aは、前記
裏面側基板11の近傍における液晶分子配向方向11a
に対し表面側から見て右回りに70°±10°の方向に
あり、液晶分子は、そのツイスト方向を破線矢印で示し
たように、裏面側基板11から表面側基板12に向か
い、表面側から見て右回りに250°±20°のツイス
ト角でツイスト配向している。なお、この液晶分子のツ
イスト角は、望ましくは250°±10°、より望まし
くは250°である。
【0032】そして、液晶セル10の裏面側基板11の
近傍における液晶分子配向方向11aを0°の方向とす
ると、表側偏光板20の透過軸20aは、表面側から見
て前記液晶セル10の液晶分子ツイスト方向(表面側か
ら見たツイスト方向)とは逆方向に65°±10°(望
ましくは65°±5°、より望ましくは65°)の方
向、裏側偏光板21の透過軸21aは、表面側から見て
前記液晶分子ツイスト方向と同方向に45°±10°
(望ましくは45°±5°、より望ましくは45°)の
方向にあり、位相差板22の遅相軸22aは、上記0°
の方向に対し、表面側から見て前記液晶分子ツイスト方
向とは逆方向に15°±10°(望ましくは15°±5
°、より望ましくは15°)の方向にある。
【0033】また、この実施例では、上記液晶セル10
として、液晶18の屈折率異方性Δnが0.207、液
晶層厚dが6.8μmで、前記屈折率異方性Δnと液晶
層厚dとの積Δndの値が1408nmのものを用いる
とともに、位相差板22として、そのリタデーションの
値が1557nmのものを用いている。
【0034】なお、上記位相差板22は一軸性位相差板
であり、その平面上における延伸方向(遅相軸方向)の
屈折率nx と、前記平面上における前記延伸方向に直交
する方向の屈折率ny とがnx >ny の関係にあり、そ
の屈折率異方性Δn(Δn=nx −ny )と板厚dとの
積Δndの値が1557nmのものである。
【0035】このカラー液晶表示装置は、自然光や室内
照明光等の外光を利用し、表面側から入射する光を裏面
側に配置した反射板23で反射させて表示するものであ
り、このカラー液晶表示装置は、液晶セル10の両基板
11,12の電極13,14間に電圧を印加して表示駆
動される。
【0036】このカラー液晶表示装置においては、その
表面側からの入射光が表側偏光板20を透過して直線偏
光となり、その光が液晶セル10および位相差板22を
透過して裏側偏光板21に入射するとともに、この裏側
偏光板21を透過した光が反射板23で反射され、前記
裏側偏光板21と液晶セル10および位相差板22と表
側偏光板20とを透過して表面側に出射する。
【0037】なお、この実施例では、表側偏光板20と
液晶セル10との間に位相差板22を配置しているた
め、表側偏光板20を透過して入射した光は、位相差板
22を透過して液晶セル10に入射し、この液晶セル1
0を透過して裏側偏光板21に入射するとともに、この
裏側偏光板21を透過して反射板23で反射された光
が、裏側偏光板21と液晶セル10と位相差板22と表
側偏光板20とを順次透過して表面側に出射する。
【0038】そして、液晶セル10の液晶層の液晶分子
は、液晶セル10の電極13,14間に印加される電圧
に応じて、ツイスト配向状態を保ちつつ立上がり配向す
るが、液晶分子の配向状態がツイスト配向状態にあると
きは、表側偏光板20を透過して入射した直線偏光が、
位相差板22と液晶セル10とを通る過程で、位相差板
22および液晶セル10の液晶層の複屈折効果により偏
光状態を変えられ、各波長光がそれぞれ偏光状態の異な
る楕円偏光となった光となって裏側偏光板21に入射し
て、この裏側偏光板21を透過した光が、その光を構成
する各波長光の光強度の比に応じた色の光になり、その
光が反射板23で反射されて液晶表示装置の表面側に出
射する。
【0039】また、液晶セル10の電極13,14間に
印加する電圧を変化させると、その電圧による液晶分子
の配向状態の変化によって液晶層の複屈折性が変化す
る。この液晶層の複屈折性は、液晶分子の立上がり角が
大きくなるのにともなって小さくなる。
【0040】そして、液晶セル10の液晶層の複屈折性
が変化すると、それにともなって、位相差板22および
液晶セル10を透過して裏側偏光板21に入射する光の
偏光状態が変化するため、この裏側偏光板21を透過す
る光の各波長光の光強度比が変化して、その光の色が変
化し、その色の光が反射板23で反射されて液晶表示装
置の表面側に出射する。
【0041】このように、上記カラー液晶表示装置は、
位相差板22および液晶セル10の液晶層の複屈折効果
と偏光板20,21の偏光作用とを利用して、カラーフ
ィルタを用いずに着色した表示を得るものであり、した
がって、光の透過率を高くして明るいカラー表示を得る
とともに、液晶セル10への印加電圧を制御することに
より、同じ画素で複数の色を表示することができる。
【0042】そして、このカラー液晶表示装置において
は、液晶セル10の液晶分子のツイスト角を250°±
20°とし、かつこの液晶セル10のΔndの値を14
08nmとするとともに、上記位相差板22のリタデー
ションの値を1557nmと大きくしているため、位相
差板22の複屈折作用と液晶セル10の液晶層の複屈折
作用とを受けて裏側偏光板21に入射する光の偏光状態
が、液晶セル10への印加電圧に応じて大きく変化する
から、所望の色を充分に高い色純度で表示することがで
きる。
【0043】上記カラー液晶表示装置の1つの画素で表
示できる色は、液晶セル10の液晶分子のツイスト角
と、この液晶セル10のΔndおよび位相差板22のリ
タデーションの値と、表側偏光板20および裏側偏光板
21と位相差板22のそれぞれの光学軸の向きとによっ
て決まり、この実施例のように、液晶セル10の液晶分
子のツイスト角を250°±20°、液晶セル10のΔ
ndの値を1408nm、位相差板22のリタデーショ
ンの値を1557nmとし、表側および裏側偏光板2
0,21の透過軸20a,21aの向きと、位相差板2
2の遅相軸22aの向きを図2に示した方向にしたとき
は、1つの画素で表示できる色が、入射光が白色光であ
る場合で、無彩色の明表示である白と、光の三原色であ
る赤、緑、青である。
【0044】図3は上記カラー液晶表示装置の表示色の
変化を示すCIE色度図であり、このカラー液晶表示装
置の表示色は、液晶セル10の電極13,14間に液晶
分子を立上がり配向させる電圧を印加していない非選択
状態、つまり、液晶分子が初期のプレチルト角でツイス
ト配向している状態では白であり、液晶セル10の電極
13,14間に電圧を印加すると、その印加電圧を高く
してゆくのにともなって、表示色が、初期の表示色であ
る白から、赤→青→緑の順に変化する。
【0045】なお、液晶セル10の電極間電圧(実効
値)と表示色との関係は、例えば、 2.04V以下 …白 2.15V〜2.17V…赤 2.18V〜2.22V…緑 2.26V以上 …青 である。
【0046】したがって、このカラー液晶表示素子によ
れば、同じ画素で光の三原色である赤、緑、青を表示し
て、マルチカラーと呼ばれる色彩の豊かな多色カラー表
示を実現することができる。
【0047】さらに、このカラー液晶表示装置において
は、光が液晶セル10の液晶層を垂直に透過したときと
斜めに透過したときとの位相差が位相差板22によって
補償されるため、表示を見る方向によって表示色が変化
してしまうという視角依存性を軽減して、視野角を広く
することができる。
【0048】また、上記位相差板22は、温度の変化に
よる複屈折性の変化が、液晶セル10の液晶層の複屈折
性の変化に比べてかなり小さいため、液晶セル10の液
晶層と位相差板22とのトータルの複屈折性の温度依存
性が小さくなり、したがって、上記カラー液晶表示装置
によれば、温度による表示色の変化も小さくすることが
できる。
【0049】しかも、このカラー液晶表示装置は、液晶
セル10のΔndの値を1408nmとし、位相差板2
2としてリタデーションの値が1557nmと大きなも
のを用いることにより、1枚の位相差板22を備えるだ
けで、所望の色を充分な色純度で表示するとともに、視
野角を広くし、かつ温度による表示色の変化を小さくし
たものであるから、位相差板22を設けたことによる光
の透過率の低下が僅かであり、高品質のカラー表示を充
分な明るさで得ることができる。
【0050】すなわち、上記カラー液晶表示装置におけ
る位相差板22での複屈折効果は、リタデーションの値
が比較的小さい位相差板を複数枚使用することによって
も得られるが、このように複数枚の位相差板を使用する
と、位相差板の増加分だけ光の透過率が低下してしま
う。
【0051】そこで、このカラー液晶表示装置では、リ
タデーションの値が大きい位相差板22を1枚だけ用い
て、位相差板を設けたことによる透過率の低下を最小限
にとどめたのであり、このようにすれば、複屈折効果と
偏光作用とを利用して光を着色することによって明るい
カラー表示を得るという効果を充分に発揮することがで
きる。
【0052】さらに、複数枚の位相差板を使用する場合
は、その各位相差板のそれぞれのリタデーションおよび
その光学軸の向きが、液晶表示装置の特性を決定するパ
ラメータとして関与してくるため、それが液晶表示装置
を設計する上での制約となるし、また位相差板の増加分
だけ製造コストも高くなるが、位相差板が1枚だけであ
れば、液晶表示装置の設計上の制約を緩和してその設計
を容易にするとともに、製造コストも低減することがで
きる。
【0053】なお、上記第1の実施例では、液晶セル1
0のΔndの値を1408nm、位相差板22のリタデ
ーションの値を1557nmとしたが、液晶セル10の
液晶分子のツイスト角が250°±20°で、表側およ
び裏側偏光板20,21の透過軸20a,21aの向き
と位相差板22の遅相軸22aの向きが図2に示した方
向にある場合、液晶セル10のΔndの値が1300n
m〜1500nmの範囲で、位相差板22のリタデーシ
ョンの値が1450nm〜1650nmの範囲であれ
ば、上述した効果が得られる。
【0054】さらに、液晶セル10のΔndと位相差板
22のリタデーションの値は、上記の範囲(Δnd=1
300nm〜1500nm、リタデーション=1450
nm〜1650nm)に限られるものではなく、液晶セ
ル10のΔndの値が1300nm〜1750nmの範
囲(液晶分子のツイスト角は250°±20°)であ
り、位相差板22のリタデーションの値が1450nm
〜1850nmの範囲であって、それに応じて表側およ
び裏側偏光板20,21の透過軸20a,21aの向き
と位相差板22の遅相軸22aの向きが適正に設定され
ていれば、第1の実施例と同様な効果が得られる。
【0055】図4は、この発明の第2の実施例を示す、
液晶セル10の両基板11,12の近傍における液晶分
子配向方向と各偏光板20,21および位相差板22の
光学軸の向きを液晶表示装置の表面側から見た図であ
る。
【0056】なお、この実施例のカラー液晶表示素子も
反射型のものであり、図1に示したように、液晶セル1
0と、この液晶セル10をはさんでその表面側と裏面側
とに配置された表側偏光板20および裏側偏光板21
と、前記表側偏光板20と液晶セル10との間に配置さ
れた1枚の位相差板22と、前記裏側偏光板21の裏面
側に配置された反射板23とからなっている。
【0057】この実施例では、液晶セル10の液晶分子
のツイスト角を250°±20°とし、表側および裏側
偏光板20,21をその透過軸20a,21aを次のよ
うな向きにして配置し、位相差板22をその遅相軸22
aを次のような向きにして配置している。
【0058】なお、この実施例において、液晶セル10
は上記第1の実施例のものと同じものであり、また位相
差板22も第1の実施例で用いた一軸性位相差板と同じ
もの(延伸方向の屈折率nx と延伸方向に直交する方向
の屈折率ny とがnx >nyの関係にあるもの)である
から、その説明は省略する。
【0059】図4のように、液晶セル10の裏面側基板
11の近傍における液晶分子配向方向11aを0°の方
向とすると、この実施例では、表側偏光板20の透過軸
20aを、表面側から見て前記液晶セル10の液晶分子
ツイスト方向(表面側から見たツイスト方向)とは逆方
向に70°±15°(望ましくは70°±5°、より望
ましくは70°)の方向にし、裏側偏光板21の透過軸
21aを、表面側から見て前記液晶分子ツイスト方向と
同方向に45°±15°(望ましくは45°±5°、よ
り望ましくは45°)の方向にし、位相差板22の遅相
軸22aを、上記0°の方向に対し、表面側から見て前
記液晶分子ツイスト方向とは逆方向に20°±15°
(望ましくは20°±5°、より望ましくは20°)の
方向にしている。
【0060】そして、この実施例では、上記液晶セル1
0として、液晶18の屈折率異方性Δnが0.219、
液晶層厚dが6.8μmで、Δndの値が1489nm
のものを用いるとともに、位相差板22として、そのリ
タデーションの値が1610nmのものを用いている。
【0061】この実施例のカラー液晶表示装置において
も、液晶セル10の液晶分子のツイスト角を250°±
20°とし、かつこの液晶セル10のΔndの値を14
89nmとするとともに、位相差板22のリタデーショ
ンの値を1610nmと大きくしているため、位相差板
22の複屈折作用と液晶セル10の液晶層の複屈折作用
とを受けて裏側偏光板21に入射する光の偏光状態が、
液晶セル10への印加電圧に応じて大きく変化するか
ら、所望の色を充分に高い色純度で表示することができ
る。
【0062】また、この実施例のように、液晶セル10
の液晶分子のツイスト角を250°±20°、液晶セル
10のΔndの値を1489nm、位相差板22のリタ
デーションの値を1610nmとし、表側および裏側偏
光板20,21の透過軸20a,21aの向きと、位相
差板22の遅相軸22aの向きを図4に示した方向にす
ると、1つの画素で表示できる色が、入射光が白色光で
ある場合で、無彩色の明表示である白と、光の三原色で
ある赤、緑、青になる。
【0063】なお、上記第2の実施例では、液晶セル1
0のΔndの値を1489nm、位相差板22のリタデ
ーションの値を1610nmとしたが、液晶セル10の
液晶分子のツイスト角が250°±20°で、表側およ
び裏側偏光板20,21の透過軸20a,21aの向き
と位相差板22の遅相軸22aの向きが図4に示した方
向にある場合、液晶セル10のΔndの値が1400n
m〜1600nmの範囲で、位相差板22のリタデーシ
ョンの値が1500nm〜1700nmの範囲であれ
ば、上述した効果が得られる。
【0064】図5は、この発明の第3の実施例を示す、
液晶セル10の両基板11,12の近傍における液晶分
子配向方向と各偏光板20,21および位相差板22の
光学軸の向きを液晶表示装置の表面側から見た図であ
る。
【0065】なお、この実施例のカラー液晶表示素子も
反射型のものであり、図1に示したように、液晶セル1
0と、この液晶セル10をはさんでその表面側と裏面側
とに配置された表側偏光板20および裏側偏光板21
と、前記表側偏光板20と液晶セル10との間に配置さ
れた1枚の位相差板22と、前記裏側偏光板21の裏面
側に配置された反射板23とからなっている。
【0066】この実施例では、液晶セル10の液晶分子
のツイスト角を250°±20°とし、表側および裏側
偏光板20,21をその透過軸20a,21aを次のよ
うな向きにして配置し、位相差板22をその遅相軸22
aを次のような向きにして配置している。
【0067】なお、この実施例において、液晶セル10
は上記第1の実施例のものと同じものであり、また位相
差板22も第1の実施例で用いた一軸性位相差板と同じ
もの(延伸方向の屈折率nx と延伸方向に直交する方向
の屈折率ny とがnx >nyの関係にあるもの)である
から、その説明は省略する。
【0068】図5のように、液晶セル10の裏面側基板
11の近傍における液晶分子配向方向11aを0°の方
向とすると、この実施例では、表側偏光板20の透過軸
20aを、表面側から見て前記液晶セル10の液晶分子
ツイスト方向(表面側から見たツイスト方向)とは逆方
向に65°±15°(望ましくは65°±5°、より望
ましくは65°)の方向にし、裏側偏光板21の透過軸
21aを、表面側から見て前記液晶分子ツイスト方向と
同方向に55°±15°(望ましくは55°±5°、よ
り望ましくは55°)の方向にし、位相差板22の遅相
軸22aを、上記0°の方向に対し、表面側から見て前
記液晶分子ツイスト方向とは逆方向に20°±15°
(望ましくは20°±5°、より望ましくは20°)の
方向にしている。
【0069】そして、この実施例では、上記液晶セル1
0として、液晶18の屈折率異方性Δnが0.240、
液晶層厚dが6.8μmで、Δndの値が1632nm
のものを用いるとともに、位相差板22として、そのリ
タデーションの値が1750nmのものを用いている。
【0070】この実施例のカラー液晶表示装置において
も、液晶セル10の液晶分子のツイスト角を250°±
20°とし、かつこの液晶セル10のΔndの値を16
32nmとするとともに、位相差板22のリタデーショ
ンの値を1750nmと大きくしているため、位相差板
22の複屈折作用と液晶セル10の液晶層の複屈折作用
とを受けて裏側偏光板21に入射する光の偏光状態が、
液晶セル10への印加電圧に応じて大きく変化するか
ら、所望の色を充分に高い色純度で表示することができ
る。
【0071】また、この実施例のように、液晶セル10
の液晶分子のツイスト角を250°±20°、液晶セル
10のΔndの値を1632nm、位相差板22のリタ
デーションの値を1750nmとし、表側および裏側偏
光板20,21の透過軸20a,21aの向きと、位相
差板22の遅相軸22aの向きを図5に示した方向にす
ると、1つの画素で表示できる色が、入射光が白色光で
ある場合で、無彩色の明表示である白と、光の三原色で
ある赤、緑、青になる。
【0072】なお、上記第3の実施例では、液晶セル1
0のΔndの値を1632nm、位相差板22のリタデ
ーションの値を1750nmとしたが、液晶セル10の
液晶分子のツイスト角が250°±20°で、表側およ
び裏側偏光板20,21の透過軸20a,21aの向き
と位相差板22の遅相軸22aの向きが図5に示した方
向にある場合、液晶セル10のΔndの値が1550n
m〜1750nmの範囲で、位相差板22のリタデーシ
ョンの値が1650nm〜1850nmの範囲であれ
ば、上述した効果が得られる。
【0073】また、上記第1〜第3の実施例では、位相
差板22として一軸性位相差板を用いたが、この位相差
板22は、二軸性位相差板としてもよく、その場合も、
前記二軸性位相差板のリタデーションの値は、上記各実
施例で用いた一軸性位相差板のリタデーションと同じで
よく、また、液晶セル10の液晶分子のツイスト角およ
びΔndの値も上記各実施例と同じでよい。
【0074】このように、上記カラー液晶表示装置の位
相差板22を二軸性位相差板とする場合も、液晶セル1
0の液晶分子ツイスト角を250°±20°、液晶セル
10のΔndの値を1300nm〜1750nm、位相
差板22のリタデーションの値を1450nm〜185
0nmの範囲にし、表側および裏側偏光板20,21の
透過軸20a,21aの向きと位相差板22の遅相軸2
2aの向きを、図2、図4、図5のいずれかの方向にす
れば、1つの画素で表示できる色が、入射光が白色光で
ある場合で、無彩色の明表示である白と、光の三原色で
ある赤、緑、青になる。
【0075】すなわち、例えば液晶セル10のΔndの
値を1300nm〜1500nm、位相差板22のリタ
デーションの値を1450nm〜1650nmの範囲に
する場合、上述した第1の実施例のように、表側および
裏側偏光板20,21の透過軸20a,21aの向きと
位相差板22の遅相軸22aの向きを図2の方向にすれ
ば、1つの画素で、白と、赤、緑、青の三原色を表示で
きる。
【0076】また、液晶セル10のΔndの値を140
0nm〜1600nm、位相差板22のリタデーション
の値を1500nm〜1700nmの範囲にする場合、
上述した第2の実施例のように、表側および裏側偏光板
20,21の透過軸20a,21aの向きと位相差板2
2の遅相軸22aの向きを図4の方向にすれば、1つの
画素で、白と、赤、緑、青の三原色を表示できる。
【0077】さらに、液晶セル10のΔndの値を15
50nm〜1750nm、位相差板22のリタデーショ
ンの値を1650nm〜1850nmの範囲にする場
合、上述した第3の実施例のように、表側および裏側偏
光板20,21の透過軸20a,21aの向きと位相差
板22の遅相軸22aの向きを図5の方向にすれば、1
つの画素で、白と、赤、緑、青の三原色を表示できる。
【0078】そして、上記カラー液晶表示装置の位相差
板22に二軸性位相差板を用いれば、視野角をより広く
することができる。この場合、上記二軸性位相差板とし
ては、その平面上における延伸方向(遅相軸方向)の屈
折率nx と、前記平面上における前記延伸方向に直交す
る方向の屈折率ny と、厚さ方向の屈折率nz とがnx
>nz >ny の関係にあり、かつ、(nx −nz )/
(nx −ny )で表されるNz 値が0.3〜0.7であ
るもの、より好ましくはNz 値が0.45±0.1であ
るものを用いるのが望ましく、このような条件を満足す
る二軸性位相差板を用いれば、視野角をさらに広くする
ことができる。
【0079】また、上記実施例のカラー液晶表示装置
は、1つの画素で、無彩色の明表示である白と、光の三
原色である赤、緑、青とを表示するものであるが、前記
1つの画素で表示できる色は、液晶セル10のΔndの
値を1300nm〜1750nmの範囲で選択し、位相
差板22のリタデーションの値を1450nm〜185
0nmの範囲で選択するとともに、表側および裏側偏光
板20,21と位相差板22のそれぞれの光学軸の向き
とを選択することによって任意に選ぶことができる。
【0080】さらに、上記実施例では、液晶セル10と
表側偏光板20との間に位相差板22を配置したが、こ
の位相差板22は、液晶セル10と裏側偏光板21との
間に配置してもよい。
【0081】また、上記実施例のカラー液晶表示装置
は、その裏面側に反射板23を設けた反射型のものであ
るが、この発明は、バックライトからの光を利用して表
示する透過型のカラー液晶表示装置にも適用できるし、
さらに、液晶セル10も、単純マトリックス型のものに
限らず、アクティブマトリックス型のものや、セグメン
ト型のものであってもよい。
【0082】
【発明の効果】この発明のカラー液晶表示装置は、位相
差板および液晶セルの液晶層の複屈折効果と偏光板の偏
光作用とを利用して、カラーフィルタを用いずに着色し
た表示を得るものであるから、明るいカラー表示を得る
とともに、液晶セルへの印加電圧を制御することによっ
て同じ画素で複数の色を表示することができる。
【0083】また、このカラー液晶表示装置において
は、前記液晶セルの液晶分子のツイスト角を250°±
20°とし、かつこの液晶セルのΔndの値を1300
nm〜1750nmとするとともに、前記位相差板のリ
タデーションの値を1450nm〜1850nmと大き
くしているため、位相差板の複屈折作用と液晶セルの液
晶層の複屈折作用とを受けて他方の偏光板に入射する光
の偏光状態が、液晶セルへの印加電圧に応じて大きく変
化するから、所望の色を充分に高い色純度で表示するこ
とができる。
【0084】さらに、この発明のカラー液晶表示装置に
おいては、光が液晶セルの液晶層を垂直に透過したとき
と斜めに透過したときとの位相差が位相差板によって補
償されるため、視野角が広くなる。
【0085】しかも、前記位相差板は、温度の変化によ
る複屈折性の変化が、液晶セルの液晶層の複屈折性の変
化に比べてかなり小さいため、液晶セルの液晶層と位相
差板とのトータルの複屈折性の温度依存性が小さくな
り、したがって、温度による表示色の変化も小さくな
る。
【0086】そして、このカラー液晶表示装置によれ
ば、液晶セルのΔndの値を1300nm〜1750n
mとし、位相差板としてリタデーションの値が1450
nm〜1850nmと大きなものを用いることにより、
1枚の位相差板を備えるだけで、所望の色を充分な色純
度で表示するとともに、視野角を広くし、かつ温度によ
る表示色の変化を小さくできるから、位相差板を設けた
ことによる光の透過率の低下が僅かであり、高品質のカ
ラー表示を充分な明るさで得ることができる。
【0087】また、上記位相差板は、通常の一軸性位相
差板であっても、厚さ方向にも位相差を有する二軸性位
相差板であってもよいが、前記位相差板に二軸性位相差
板を用いれば、視野角をより広くすることができる。
【0088】このように前記位相差板に二軸性位相差板
を用いる場合、この二軸性位相差板として、その平面上
における延伸方向の屈折率nx と、前記平面上における
前記延伸方向に直交する方向の屈折率ny と、厚さ方向
の屈折率nz とがnx >nz>ny の関係にあり、か
つ、(nx −nz )/(nx −ny )で表されるNz
が0.3〜0.7、より好ましくはNz 値が0.45±
0.1であるものを用いれば、視野角をさらに広くする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示すカラー液晶表示
装置の断面図。
【図2】同じく、液晶セルの両基板の近傍における液晶
分子配向方向と各偏光板および位相差板の光学軸の向き
を液晶表示装置の表面側から見た図。
【図3】同じく、カラー液晶表示装置の表示色の変化を
示すCIE色度図。
【図4】この発明の第2の実施例を示す、液晶セルの両
基板の近傍における液晶分子配向方向と各偏光板および
位相差板の光学軸の向きを液晶表示装置の表面側から見
た図。
【図5】この発明の第3の実施例を示す、液晶セルの両
基板の近傍における液晶分子配向方向と各偏光板および
位相差板の光学軸の向きを液晶表示装置の表面側から見
た図。
【符号の説明】
10…液晶セル 11a…裏面側基板の近傍における液晶分子配向方向 12a…表面側基板の近傍における液晶分子配向方向 20…表側偏光板 20a…透過軸 21…裏側偏光板 21a…透過軸 22…位相差板 22a…遅相軸 23…反射板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内面に電極が形成された一対の基板間に液
    晶分子がツイスト配向した液晶層を設けてなる液晶セル
    と、この液晶セルをはさんで配置された一対の偏光板
    と、その一方の偏光板と前記液晶セルとの間に配置され
    た1枚の位相差板とを備え、 前記液晶セルの液晶分子のツイスト角を250°±20
    °、液晶の屈折率異方性Δnと液晶層厚dとの積Δnd
    の値を1300nm〜1750nm、前記位相差板のリ
    タデーションの値を1450nm〜1850nmとする
    とともに、 前記一対の偏光板と前記位相差板のそれぞれの光学軸の
    方向と前記液晶セルの両基板の近傍における液晶分子の
    配向方向とを、偏光板を透過して入射した直線偏光が、
    前記位相差板および液晶セルを透過する間に、前記位相
    差板の複屈折効果と前記液晶セルの液晶層の複屈折効果
    とによって各波長光がそれぞれ偏光状態の異なる楕円偏
    光となった光となり、その楕円偏光となった光がさらに
    偏光板を透過して、その各波長光の光強度の比が所望の
    比率になるように設定したことを特徴とするカラー液晶
    表示装置。
  2. 【請求項2】いずれか一方の偏光板の外面に反射板が配
    置されていることを特徴とする請求項1に記載のカラー
    液晶表示装置。
  3. 【請求項3】位相差板は、その平面上における延伸方向
    の屈折率nx と、前記平面上における前記延伸方向に直
    交する方向の屈折率ny とがnx >ny の関係にある一
    軸性位相差板であることを特徴とする請求項1または請
    求項2に記載のカラー液晶表示装置。
  4. 【請求項4】位相差板は、その平面上における延伸方向
    の屈折率nx と、前記平面上における前記延伸方向に直
    交する方向の屈折率ny と、厚さ方向の屈折率nz とが
    x>nz >ny の関係にある二軸性位相差板であるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカラー
    液晶表示装置。
  5. 【請求項5】二軸性位相差板は、(nx −nz )/(n
    x −ny )で表されるNz 値が0.3〜0.7であるこ
    とを特徴とする請求項4に記載のカラー液晶表示装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0959394A1 (en) * 1997-11-28 1999-11-24 Citizen Watch Co., Ltd. Liquid crystal display device and its driving method
EP0964321A4 (ja) * 1997-11-28 1999-12-15
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