JP2001260768A - ウェザーストリップ - Google Patents

ウェザーストリップ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中空部が略８字形でシール中空室と中空室を
備えたウェザーストリップが、ドアパネル閉時の入力方
向の如何にかかわらず、常に略同一の撓み方を呈するよ
うにする。 【解決手段】 車体開口部２，２ａに装着するウェザー
ストリップ３０において、シール中空室７ａと中空室８
ａ間の隔壁３１を、ドアパネル１２の開閉方向Ｆに対し
各部位において常に直角若しくはそれよりも大きい角度
θとなるように、断面方向での隔壁３１の延長線が右回
りで車内側へ回転する方向で傾斜させて形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は自動車の車体開口
部に装着されるウェザーストリップに関するもので、特
にその断面構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】図１に示すような自動車１の車体開口部
２，２ａ周縁の車体フランジ３に装着するウェザースト
リップとして、図２に示すようなウェザーストリップ４
を用いることがある。このウェザーストリップ４は車体
フランジ３を挟持する取付け基部（ウェルト）５と中空
部（ストリップ）６とを一体に結合したタイプであっ
て、中空部６は断面略８の字形であり、シール中空室７
ａを形成した接触部７及びこれと一体形成して中空室８
ａを備えた中間部８とからなる。
【０００３】取付け基部５は芯材９を有する略Ｕ形状で
あって内面側にフランジ挟持リップ１０が形成され、か
つ、外面側に装飾リップ１１が形成されている。中空部
６はスポンジゴム、軟質熱可塑性エラストマー等の比較
的柔らかい弾性体からなり、取付け基部５はソリッドゴ
ム又は硬質熱可塑性エラストマーなどの比較的固い材質
からなっている。フランジ挟持リップ１０はウェザース
トリップ４が車体フランジ３に組付けられた時にフラン
ジを挟持し、その組付け状態で装飾リップ１１はガーニ
ッシュに接触する部分である。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなウェザーストリップ４によれば、図３，４に示す
ように、ドアパネル１２のシール面１２ａ入力方向Ｆ
（Ｆ1，Ｆ2，Ｆ3，Ｆ4）により、車体開口部２，２ａの
Ａ〜Ｉで示す装着部位における中空部６の撓み変形の形
状が異なることがある。
【０００５】すなわち、装着部位Ｃ，Ｇ、Ａ，Ｅ、Ｂ，
Ｆでは図３に示すように、中空部６を車体開口部２，２
ａの周縁外側へ押し出すような入力（Ｆ1，Ｆ2，Ｆ3）
がなされるが、センターピラー（１ａ）前側及びリヤピ
ラー（１ｂ）前側とその下部側の装着部位Ｄ，Ｉ，Ｈで
は図４に示すように、中空部６を取付け基部５に向けて
押し付けるような入力（Ｆ4）がなされる。
【０００６】そのため、車体開口部２，２ａの全周でみ
ると特に前記装着部位Ｄ，Ｉ，Ｈと他の部位との変化部
分で中空部６はねじられて撓み形状が一定しないため
に、しわが発生して風音が多くなるほか水密性を阻害す
るのみならず、外観上の見栄えが低下する不具合があ
る。とりわけ、車体開口部２におけるセンターピラー１
ａ前側の上コーナー部にあってはその現象が顕著に表れ
る。
【０００７】そこで、この発明は上記事情に鑑みて、ド
アパネル１２を閉じた際のシール面１２ａ入力方向の如
何にかかわらず、各部位において中空部６が常に略同一
の撓み形状を呈するウェザーストリップを提供する。
【０００８】
【課題を解決するための手段】この発明は上記課題を解
決するため、請求項１記載のように、車体開口部に装着
する取付け基部と一体的にシール中空室と中空室を備え
た中空部を形成し、その一方のシール中空室側にドアパ
ネルシール面が当接し、前記車体開口部とドアパネルと
の隙間をシールするウェザーストリップにおいて、前記
シール中空室と中空室との間の隔壁の傾きを、車体開口
部周縁の各部位におけるウェザーストリップのシール中
空室へのドアパネルシール面の入力方向に対し、その各
部位において常に直角若しくはそれよりも大きい角度に
なるように、断面方向での隔壁の延長線が右回りで車内
側へ回転する方向で傾斜させて形成したことを特徴とす
るウェザーストリップを提供する。
【０００９】したがって、ウェザーストリップは各部位
において、ドアパネル閉時におけるウェザーストリップ
への入力時に、断面方向での隔壁の延長線が右回りで車
内側へ回転する結果、シール中空室の一部がドアパネル
と車体開口部周縁外側との間にはみ出る状態で押圧され
る。
【００１０】そのため、ドアパネルコーナー部における
撓み形状も、その他の部位における撓み形状と一様にな
って一定化し、ウェザーストリップの全域においてしわ
が発生することがなく、水密性や見栄えが低下するのを
防止できる。このような作用効果は、請求項２から請求
項４記載の手段を採用することによって一層確実に達成
される。
【００１１】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施例を図に基づ
き説明する。図５に示すように、この発明のウェザース
トリップ３０は、取付け基部５については前記従来例と
同一構造としたが、中空部６の構造については新規な構
造としている。すなわち、中空部６における接触部７と
中間部８とを区分する隔壁３１、又は、中空部６の車体
開口部周縁内側のくびれ部３２から車体開口部周縁外側
のくびれ部３３を通る線Ｘ−Ｘを、前記装着部位Ｄ，
Ｉ，Ｈにおける入力方向（Ｆ4）に対し、直角若しくは
直角プラスα角度とする。因に、装着部位Ｃ，Ｇ、Ａ，
Ｅ、Ｂ，Ｆにおけるウェザーストリップ３０への入力方
向（Ｆ1，Ｆ2，Ｆ3）は、隔壁３１に対して直角よりも
大きい角度（θ）になっている。
【００１２】このように中空部６を形成することによ
り、センターピラー（１ａ）前側及びリヤピラー（１
ｂ）前側とその下部側の装着部位Ｄ，Ｉ，Ｈにおける入
力方向（Ｆ4）に対し、図６に示すように、車体開口部
周縁内側のくびれ部３２を支点にして隔壁３１の延長線
が右回りで車内側へ回転する結果、シール中空室７ａの
一部がドアパネル１２と車体開口部周縁外側との間には
み出る状態で押圧される。また、他の装着部位Ｃ，Ｇ、
Ａ，Ｅ、Ｂ，Ｆにおける入力方向（Ｆ1，Ｆ2，Ｆ3）に
対しても当然同じような変形をする。そのため、ドアパ
ネル１２を閉じた際の入力方向の如何にかかわらず、ウ
ェザーストリップ３０は常に同一の撓み形状を呈する。
【００１３】このように、装着部位Ｄ，Ｉ，Ｈにおける
入力方向（Ｆ4）に対し、接触部７が開口部２，２ａの
車体開口部周縁外側に向いて倒れるのを助長・促進する
ため、前記隔壁３１の傾きは、前記記載の通りとし、図
７に示すように、中空部６における接触部７の頂部３４
の位置を、装着部位Ｄ，Ｉ，Ｈにおけるドアパネルシー
ル面１２ａがウェザーストリップへ進入する車体開口部
周縁最外側の入力線Ｙ−Ｙに対して同等（Ａ＝０）若し
くはそれよりも外側（開口部２，２ａの周縁外側 Ａ＞
０）に配置する。すなわち、シール中空室７ａにはドア
パネル閉時に撓み変形の折れ点となる頂部３４を形成
し、その頂部３４はドアパネル閉時にセンターピラー前
側及びリヤピラー前側とその下部側において、ドアパネ
ルシール面１２ａがウェザーストリップ３０へ進入する
車体開口部周縁最外側の入力線Ｙ−Ｙ上に位置するか若
しくはそれよりも車体開口部周縁外側方向に配置されて
いる。
【００１４】これにより、装着部位Ｄ，Ｉ，Ｈにおける
入力方向（Ｆ4）に対し、接触部７は開口部２，２ａの
車体開口部周縁外側に向いて倒れ易くなる。他の装着部
位Ｃ，Ｇ、Ａ，Ｅ、Ｂ，Ｆにおけるウェザーストリップ
３０の入力方向（Ｆ1，Ｆ2，Ｆ3）に対しても当然に同
じ変形をする。そのため、ドアパネル１２を閉じた際の
入力方向の如何にかかわらず、ウェザーストリップ３０
は常に同一の撓み形状を呈する。
【００１５】さらには、前記隔壁３１の傾きは前記記載
の通りとし、図８に示すように、ウェザーストリップ３
０の車体開口部周縁外側のくびれ部３３にノッチ部３５
を形成するとともに、そのノッチ部３５を一端部側とす
るブリッジ部３７の他端部側の内面にノッチ部３６を形
成する。ノッチ部３５，３６を形成することにより、装
着部位Ｄ，Ｉ，Ｈにおける入力方向（Ｆ4）に対し、ノ
ッチ部３５，３６を介してブリッジ部３７が他の部位よ
りも変形し易くなり、車体開口部周縁内側のくびれ部３
２を支点にして隔壁３１の延長線が右回りで車内側へ回
転し、接触部７は開口部２，２ａの車体開口部周縁外側
に向いて倒れ易くなる。他の装着部位Ｃ，Ｇ、Ａ，Ｅ、
Ｂ，Ｆにおける入力方向についても当然に同じように変
形をする。
【００１６】加えて、前記隔壁３１の傾きは前記記載の
通りとし、図９に示すように、ブリッジ部３７の肉厚ｔ
を中空室８ａの他の部分よりも薄く形成することによ
り、装着部位Ｄ，Ｉ，Ｈにおける入力方向（Ｆ4）に対
し、ブリッジ部３７が他の部位よりも変形し易くなり、
車体開口部周縁内側のくびれ部３２を支点にして隔壁３
１の延長線が右回りで車内側へ回転し、接触部７は開口
部２，２ａの車体開口部周縁外側に向いて倒れ易くな
る。他の装着部位Ｃ，Ｇ、Ａ，Ｅ、Ｂ，Ｆにおける入力
方向についても当然に同じような変形をする。
【００１７】かくして、ウェザーストリップ３０の中空
部６における接触部７と中間部８とを区分する隔壁３１
を、ドアパネル１２の開閉方向Ｆに対して直角若しくは
それよりも大きい角度（θ）とすることに加えて、接触
部７の頂部３４の位置を、装着部位Ｄ，Ｉ，Ｈにおける
ドアパネルシール面１２ａがウェザーストリップに進入
する車体開口部周縁最外側の入力線Ｙ−Ｙに対して同等
（Ａ＝０）若しくはそれよりも外側（開口部２，２ａの
周縁外側 Ａ＞０）に配置し、若しくは、ブリッジ部３
７の両端部側にノッチ部３５，３６を形成し、又は、ブ
リッジ部３７の肉厚ｔを中空室８ａの他の部分よりも薄
く形成することによって、確実に、装着部位Ｄ，Ｉ，Ｈ
における入力方向（Ｆ4）に対する変形と、他の装着部
位Ｃ，Ｇ、Ａ，Ｅ、Ｂ，Ｆにおける入力方向（Ｆ1，
Ｆ2，Ｆ3）に対する変形とを略同じにすることができ
る。したがって、ウェザーストリップ３０各部位におけ
る撓み形状は一定化することが可能になる。
【００１８】
【発明の効果】以上説明したこの発明によれば、車体開
口部の各部位におけるウェザーストリップの撓み形状を
一定にすることにより、折れじわの発生を防ぐと共に、
シール反力を安定させ、風音の発生や水密性の低下を防
止し、また、ドアパネル閉じ性の悪化をも防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】ウェザーストリップの装着部位を示す自動車の
一部省略側面図。
【図２】従来のウェザーストリップを示す断面図。
【図３】従来のウェザーストリップの装着部位Ｃ，Ｇ、
Ａ，Ｅ、Ｂ，Ｆにおける動作説明図。
【図４】従来のウェザーストリップの装着部位Ｄ，Ｉ，
Ｈにおける動作説明図。
【図５】この発明の基本的構成（第１の実施例）の構造
説明図。
【図６】この発明の基本的構成の動作説明図。
【図７】この発明の第２の実施例のウェザーストリップ
の構造説明図。
【図８】この発明の第２及び第３の実施例を加味したウ
ェザーストリップの断面図。
【図９】この発明の第２及び第４の実施例を加味したウ
ェザーストリップの断面図。
【符号の説明】 Ａ〜Ｈ…（ウェザーストリップの）装着部位 Ｆ（Ｆ1，Ｆ2，Ｆ3，Ｆ4）…入力方向 ｔ…肉厚 １…自動車 ２，２ａ…車体開口部 ３…車体フランジ ５…取付け基部 ６…中空部 ７…接触部 ７ａ…シール中空室 ８…中間部 ８ａ…中空室 ９…芯材 １０…フランジ挟持リップ １１…装飾リップ １２…ドアパネル １２ａ…ドアパネルシール面 ３０…ウェザーストリップ ３１…隔壁 ３２，３３…くびれ部 ３４…頂部 ３５，３６…ノッチ部 ３７…ブリッジ部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 車体開口部に装着する取付け基部と一体
    的にシール中空室と中空室を備えた中空部を形成し、そ
    の一方のシール中空室側にドアパネルシール面が当接
    し、前記車体開口部とドアパネルとの隙間をシールする
    ウェザーストリップにおいて、前記シール中空室と中空
    室との間の隔壁の傾きを、車体開口部周縁の各部位にお
    けるウェザーストリップのシール中空室へのドアパネル
    シール面の入力方向に対し、その各部位において常に直
    角若しくはそれよりも大きい角度になるように、断面方
    向での隔壁の延長線が右回りで車内側へ回転する方向で
    傾斜させて形成したことを特徴とするウェザーストリッ
    プ。
  2. 【請求項２】 前記シール中空室にはドアパネル閉時に
    撓み変形の折れ点となる頂部を形成し、その頂部はセン
    ターピラー前側及びリヤピラー前側とその下部側におい
    て、ドアパネルシール面がウェザーストリップへ進入す
    る車体開口部周縁最外側の入力線上に位置するか若しく
    はそれよりも車体開口部周縁外側方向に配置されている
    ことを特徴とする請求項１記載のウェザーストリップ。
  3. 【請求項３】 前記シール中空室と隔壁で連設された他
    方の中空室における前記車体開口部周縁外側のブリッジ
    部の両端部側にノッチが形成されていることを特徴とす
    る請求項１又は２記載のウェザーストリップ。
  4. 【請求項４】 前記シール中空室と隔壁で連設された他
    方の中空室における前記車体開口部周縁外側のブリッジ
    部の肉厚は、中空室の他の部分よりも薄く形成されてい
    ることを特徴とする請求項１〜３のいずれか記載のウェ
    ザーストリップ。
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