JPH0459183B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は自動車に用いられるウエザーストリツ
プに関し、主として該ウエザーストリツプの倒れ
防止と、車体取付時の保持力を上昇させたウエザ
ーストリツプの構造に関するものである。

従来自動車のドアやトランクリツドの開口部に
対して、該開口部分の水密、気密性を保持する目
的によりウエザーストリツプを装着しているが、
その一例として第１図に示した構造が知られてい
る。

即ち、このウエザーストリツプ１は、芯材２を
内包した断面逆Ｕ字状の溝形ウエルト３と、この
溝形ウエルト３の溝内にボデイーパネル４より延
設したフランジ５を挟持できるように対向配置し
た２対のフランジ保持リツプ６ａ，６ｂ，７ａ，
７ｂと、溝形ウエルト３の上面に形成した中空状
のシールリツプ８と、溝形ウエルト３のボデイー
パネル４側の面上に形成した水切りリツプ９とか
ら構成されている。１０はドアパネルを示し、前
記溝形ウエルト３の内部に更に図示しない補助リ
ツプを設けた実施例も知られている。

上記の水切りリツプ９は、先端部が逆Ｕ字状を
呈する溝形ウエルト３の開口端を結ぶラインの外
側に突出する形状を有していて、ボデイーパネル
４のフランジ５を溝形ウエルト３内に挿入した際
には、該水切りリツプ９の先端部がボデイーパネ
ル４に圧接してシール力を高めるように配慮され
ている。

上記従来例におけるウエザーストリツプ１は、
ドア閉時における中空状のシールリツプ８とドア
パネル１０との圧接力によつて車両内外の気密性
を保つようになつているが、上記水切りリツプ９
の反力Ａによつてウエザーストリツプ１が全体的
に矢印Ｘ方向に倒れる力が発生し、それに伴つて
該水切りリツプ９のシール力が弱くなつて雨水等
が室内に浸入し易くなつたり、シールリツプ８と
ドアパネル１０との当り面が不規則となつて水洩
れの原因及びウエザーストリツプ１の劣化の原因
ともなる難点を有している。

更にフランジ保持リツプ６ａ，６ｂ，７ａ，７
ｂとフランジ５との接触部分が夫々のリツプ先端
部のみであるため、該接触部分の接触面積が少な
く、フランジ５に対する保持力が弱いという欠点
もあつた。

本発明は上記従来のウエザーストリツプの構造
から発生する難点を解消したウエザーストリツプ
の提供を目的としており、この目的を達成するた
め、断面逆Ｕ字状の溝形ウエルトの一側面上に設
けられ、先端部が逆Ｕ字状の開口端を結ぶライン
の外側に突出する水切りリツプと、該溝形ウエル
トの上面に設けたシールリツプと、該溝形ウエル
トの内壁面に対向して設けたフランジ保持リツプ
とから成るウエザーストリツプにおいて、前記溝
形ウエルトの内壁面に対向して設けたフランジ保
持リツプのうち、水切りリツプが突設された側に
位置するフランジ保持リツプに対して対向する側
に位置するフランジ保持リツプは、根本部が溝形
ウエルトの内壁面に対して略垂直に突設されてい
るとともに先端部が上方に向けて円弧状に曲折さ
れ、更に該フランジ保持リツプの根本部の肉厚
は、対向する側に位置するフランジ保持リツプの
根本部の肉厚よりも厚肉に構成され、且つ根本部
から先端部に向けて徐々に薄肉に形成したことに
より、該溝形ウエルト内にフランジを挿入した際
に、前記フランジ保持リツプが上方に向けて回動
変形し、該フランジ保持リツプの腹部がフランジ
の側面に面接触するようにしたことを特徴とする
自動車用ウエザーストリツプを得ることを主眼と
している。

以下第２図、第３図を用いて本発明にかかるウ
エザーストリツプの構造及び動作の説明を行う。
尚、前記第１図の従来例と同一の構成部分には同
一の符号を付して説明する。

即ち、ウエザーストリツプ１ａは芯材２を内包
した断面逆Ｕ字状の溝形ウエルト３ａと、この溝
形ウエルト３ａの上面に設けた中空状のシールリ
ツプ８ａと、溝形ウエルト３ａの一側面上に設け
られた水切りリツプ９ａを具備して成り、更に溝
形ウエルト３ａの溝内に後述するフランジ保持リ
ツプを対向配置してある。

上記水切りリツプ９ａは、その先端部が溝形ウ
エルト３ａの逆Ｕ字状の開口端を結ぶラインより
も外側に突出する形状を有して形成されている。

又、フランジ保持リツプは、水切りリツプ９ａ
と同一壁内側に形成したフランジ保持リツプ６
ａ，７ａと、該フランジ保持リツプ６ａ，７ａと
対向する位置に形成したフランジ保持リツプ１１
とから構成されている。

このフランジ保持リツプ１１は、上記水切りリ
ツプ９ａが突設された溝形ウエルト３ａの一側面
と対向する内壁面の下方に位置しており、根本部
１１ａが上記内壁面に対して略垂直に突設されて
いるとともに、先端部１１ｂが上方に向けて円弧
状に曲折された形状となつている。

更に該フランジ保持リツプ１１の肉厚は、根本
部１１ａが他のフランジ保持リツプ６ａ，７ａの
根本部よりも厚肉に形成され、且つ根本部１１ａ
から先端部１１ｂに向けて徐々に薄肉になるよう
に形成されている。

尚、１２は溝形ウエルト３ａ内に一体成形され
た発泡体であつて、後述するようにボデイーパネ
ルより延設されたフランジの先端が衝接すること
により、該フランジを越えて水が浸入することを
阻止する機能を有している。但し本発明にあつて
は該発泡体１２は不可欠な要素ではなく、場合に
よつてはこれを具備しなくとも良い。

上記構成において、今、第３図に示した如くボ
デイーパネル４より延設したフランジ５の先端を
発泡体１２に衝接させるように挿入すると、夫々
フランジ保持リツプ６ａ，７ａ，１１は点線の位
置から実線の位置へ変形し、同様に水切りリツプ
９ａも点線の位置から実線の位置へ変形する。

その際に円弧状に曲折したフランジ保持リツプ
１１は、フランジ５との接触面が円弧面であるた
め、該フランジ保持リツプ１１が上方に向けて回
動変形し、このフランジ保持リツプ１１の腹部が
フランジ５の側面に接触する。従つて該フランジ
保持リツプ１１の場合には、通常のリツプ先端の
みの接触時と比較して接触面積が大であり、且つ
該フランジ保持リツプ１１の反発力によつてフラ
ンジ５との接触強度が大であることが特徴となつ
ている。

即ち、フランジ５の板厚が順次大きくなつた場
合を想定すると、該フランジ５に対するフランジ
保持リツプ１１の円弧状部分の曲折度が次第に大
きくなり、該フランジ保持リツプ１１の腹部がフ
ランジ５の側面に接触する。

上記のフランジ保持リツプ１１は先端部に向け
て徐々に薄肉になるように形成されているため、
フランジ５の挿入時に該フランジ保持リツプ１１
は円弧状部分に沿つて回動変形し、従つてフラン
ジ５の挿入に要する力が小さくて良いという利点
がある。

更に水切りリツプ９ａは、その先端部が逆Ｕ字
状の溝形ウエルト３ａの開口端を結ぶラインより
も外側に突出するように形成されたことにより、
該水切りリツプ９ａとボデイーパネル４との接触
強度を高めてシール性が保持されるが、ボデイー
パネル４に対する該水切りリツプ９ａの反発力に
よつて必然的にウエザーストリツプ１ａが矢印Ｘ
方向に倒れる作用が生じる。

このウエザーストリツプ１ａが倒れる方向と
は、溝形ウエルト３ａに対する水切りリツプ９ａ
の付け根部分を回動中心とする円弧方向、即ち図
面上の時計方向（＝Ｘ方向）である。このような
場合にあつても該フランジ保持リツプ１１のフラ
ンジ５への接触位置が根本部１１ａに接近する
と、この根本部１１ａは先端部１１ｂよりも厚肉
となつているので、フランジ５に対する接触強
度、即ち反力は先端部１１ｂよりも強くなつてお
り、フランジ保持リツプ１１の反力がＸ方向と逆
方向へ働いて、この反力に基づいてウエザースト
リツプ１ａの矢印Ｘ方向への倒れを防止すること
ができる。

又、仮にウエザーストリツプ１ａが倒れた場合
を想定しても、フランジ５とフランジ保持リツプ
１１との接触面積が大きな状態をそのまま保てる
ので、フランジ５に対する把持力は低下しないと
いう特徴もある。

他方でフランジ保持リツプ１１の接触強度が高
められることによつて外部からフランジ５が抜け
る方向の力が作用しても、該フランジ５に対して
フランジ保持リツプ１１の腹部が押圧しているの
で、該フランジ保持リツプ１１の逆方向への回動
変形が防止されるとともにフランジ５の抜けを効
果的に防止することができる。

又、フランジ５の板厚が小さい場合を想定して
も、フランジ保持リツプ１１に形成された円弧状
の腹部が該フランジ５に面接触しているため、通
常の保持リツプに比してフランジ５の抜け防止効
果を高めることが可能となる。

要すれば、フランジ保持リツプ１１の先端部１
１ｂが上方に向けて円弧状に曲折されているの
で、溝形ウエルト３ａ内に挿入した部材間の接触
面積を常に大きくして強度を保ち、且つシール性
を高めることができる。

以上詳細に説明したように、本発明にかかるウ
エザーストリツプ１ａは、水切りリツプ９ａが突
設された側に位置するフランジ保持リツプ６ａ，
７ａに対して対向する側に位置するフランジ保持
リツプ１１は、根本部１１ａが溝形ウエルト３ａ
の内壁面に対して略垂直に突設されているととも
に先端部１１ｂが上方に向けて円弧状に曲折さ
れ、更に該フランジ保持リツプ１１の根本部１１
ａの肉厚は、対向する側に位置するフランジ保持
リツプ６ａ，７ａの根本部の肉厚よりも厚肉に構
成され、且つ根本部１１ａから先端部１１ｂに向
けて徐々に薄肉になるように形成したので、以下
に記す効果がもたらされる。

即ち、溝形ウエルト３ａ内に挿入保持するボデ
イーパネル４側のフランジ５と、フランジ保持リ
ツプ６ａ，７ａ，１１との接触強度を高め、且つ
フランジ保持リツプ１１の上方への回動変形に伴
つて該フランジ保持リツプ１１の腹部がフランジ
５の側面に面接触するので、水切りリツプ９の反
力によつてウエザーストリツプ１が全体的に矢印
Ｘ方向に倒れる力が発生してもフランジ保持リツ
プ１１によつて受け止められて、該ウエザースト
リツプ１ａの倒れ防止効果とフランジ５の抜け止
め効果が得られる。

特にボデイーパネルに対する水切りリツプ９ａ
のシール力を高めるために、該水切りリツプ９ａ
の先端部が溝形ウエルト３の開口端を結ぶライン
の外側に突出する形状を有していることにより、
この水切りリツプ９ａのボデイーパネル４に対す
るシール力によつて雨水等が室内に浸入すること
がなく、しかも前記フランジ保持リツプ１１によ
つて該水切りリツプ９ａの反力に基づくウエザー
ストリツプ１ａの倒れ現象が防止され、且つシー
ルリツプ８ａと車両のドアパネルの当り面が常に
同一部分であるようにすることができるので、ウ
エザーストリツプ１ａの寿命を延ばすことができ
るという効果をも発揮して、各種の車両に適用し
て著効を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の水切りリツプ及びフランジ保持
リツプを備えた自動車用ウエザーストリツプの一
例を示す断面図、第２図は本発明にかかるウエザ
ーストリツプの一実施例を示す断面図、第３図は
本発明にかかるウエザーストリツプの動作状態を
示す断面図である。 １ａ……ウエザーストリツプ、２……芯材、３
ａ……溝形ウエルト、４……ボデイーパネル、５
……フランジ、６ａ，７ａ……フランジ保持リツ
プ、８ａ……シールリツプ、９ａ……水切りリツ
プ、１１……フランジ保持リツプ、１１ａ……根
本部、１１ｂ……先端部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 断面逆Ｕ字状の溝形ウエルトの一側面上に設
   けられ、先端部が逆Ｕ字状の開口端を結ぶライン
   の外側に突出する水切りリツプと、該溝形ウエル
   トの上面に設けたシールリツプと、該溝形ウエル
   トの内壁面に対向して設けたフランジ保持リツプ
   とから成るウエザーストリツプにおいて、 前記溝形ウエルトの内壁面に対向して設けたフ
   ランジ保持リツプのうち、水切りリツプが突設さ
   れた側に位置するフランジ保持リツプに対して対
   向する側に位置するフランジ保持リツプは、根本
   部が溝形ウエルトの内壁面に対して略垂直に突設
   されているとともに先端部が上方に向けて円弧状
   に曲折され、更に該フランジ保持リツプの根本部
   の肉厚は、対向する側に位置するフランジ保持リ
   ツプの根本部の肉厚よりも厚肉に構成され、且つ
   根本部から先端部に向けて徐々に薄肉に形成した
   ことにより、該溝形ウエルト内にフランジを挿入
   した際に、前記フランジ保持リツプが上方に向け
   て回動変形し、該フランジ保持リツプの腹部がフ
   ランジの側面に面接触するようにしたことを特徴
   とする自動車用ウエザーストリツプ。