JP2001253823A - Hiv遺伝子発現抑制剤 - Google Patents

Hiv遺伝子発現抑制剤

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JP2001253823A
JP2001253823A JP2000065585A JP2000065585A JP2001253823A JP 2001253823 A JP2001253823 A JP 2001253823A JP 2000065585 A JP2000065585 A JP 2000065585A JP 2000065585 A JP2000065585 A JP 2000065585A JP 2001253823 A JP2001253823 A JP 2001253823A
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JP2000065585A
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Yasukazu Tanuma
靖一 田沼
Fumiaki Uchiumi
文彰 内海
Takashi Yoshida
隆志 吉田
Tsutomu Hatano
力 波多野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来よりも優れたHIVプロモーター活性阻
害作用を示す薬剤の提供。 【解決手段】 イソフラボン骨格、3−フェニルクマリ
ン骨格またはカルコン骨格を有する化合物またはその配
糖体を含有するHIVプロモーター活性阻害剤。特に、
グリシルイソフラボン、イリジン、グリシクマリン、リ
コピラノクマリン、リコカルコンA、リコカルコンB、
またはテトラヒドロキシメトキシカルコンを含有するH
IVプロモーター活性阻害剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イソフラボン骨
格、3−フェニルクマリン骨格またはカルコン骨格を有
する化合物を含有するヒト免疫不全ウイルス(以下、H
IVという)遺伝子発現抑制剤、特にHIVプロモータ
ー活性阻害剤に関する。
【0002】
【従来の技術】後天性免疫不全症候群(AIDS)の原
因ウイルスであるHIVはレトロウイルスの1つであ
る。ある薬剤が抗レトロウイルス活性を示す様式は数多
くある。AZTや3TC等に代表されるウイルス逆転写
酵素阻害剤は、レトロウイルスRNAゲノムの逆転写反
応を阻害することにより、プロウイルス化を抑制する。
一方、1996年に米国FDAの承認を得て登場したウ
イルスプロテアーゼ阻害剤は、プロウイルスの転写翻訳
産物である前駆体蛋白質を各成熟ウイルス蛋白質に切断
する反応を阻害することにより、ウイルスの増殖を抑制
する。さらに、最近開発が進められているインテグラー
ゼ阻害剤は、逆転写反応により生成したウイルスDNA
を細胞の染色体に組み込む過程を阻害することによりプ
ロウイルス化を抑制する。
【0003】HIVプロウイルスDNAからの遺伝子発
現、特に転写を阻害することにより、ウイルス増殖を抑
制することもまた、HIV感染者のAIDS発症を防ぐ
(または遅らせる)上で魅力的な方策の1つである。こ
れまでに、例えば、タンニン酸や数種類の低分子ポリフ
ェノールにHIVプロモーター活性阻害作用があること
が知られているが、その効果は十分とはいえず、さらに
強力なHIVプロモーター活性阻害物質の探索が重要な
課題である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、タンニン酸等よりもさらに高いHIVプロモー
ター活性阻害作用を有する物質を提供し、もってAID
Sの予防および治療の新規な手段を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】HIV遺伝子の発現誘導
は、細胞側の受容体にTNFやIL−1といったリガン
ドが結合することによってキナーゼが活性化されると、
NFκB/IκB複合体のIκBがリン酸化されて遊離
し、活性化されたNFκBは核に移行し、HIVプロモ
ーター(LTR)中の特異的なシスエレメントに結合し
てウイルスRNAの転写が開始されることによって起こ
ると説明されている。NFκBはまた、TPAの刺激に
よっても活性化される。すなわち、TPA刺激を受ける
と細胞のC−キナーゼが活性化され、その作用によりI
κBがリン酸化されて遊離し、NFκBが活性化され
る。したがって、HIVプロモーターの下流にレポータ
ー遺伝子を繋いだプラスミドを培養細胞にトランスフェ
クションし、TPA刺激によりNFκBの活性化を誘起
して該レポーター遺伝子のトランジェントな発現を調べ
るアッセイ系は、HIVプロモーターの活性阻害剤のス
クリーニング系として非常に有効なツールである。
【0006】本発明者らは、このアッセイ系を利用し
て、薬用植物から抽出・単離された様々な化合物につい
てHIVプロモーター活性阻害作用を調べた結果、甘草
等から得られるイソフラボン骨格、3−フェニルクマリ
ン骨格またはカルコン骨格を有する化合物が、タンニン
酸よりも強いHIVプロモーター活性阻害作用を示すこ
とを見出して、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は次に述べるものであ
る。 1.下記一般式(I)
【0008】
【化4】
【0009】(式中、R1はヒドロキシまたはC1-4アル
コキシ、R2は水素、ヒドロキシ、C1 -4アルコキシまた
はC2-5アルケニル、R3は水素、ヒドロキシまたはC
1-4アルコキシ、R4は水素、ヒドロキシまたはC1-4
ルコキシ、R5は水素、ヒドロキシまたはC1-4アルコキ
シ、およびR6は水素、ヒドロキシまたはC2-5アルケニ
ルである)で示されるイソフラボン系化合物およびその
配糖体からなる群より選択される少なくとも1種の化合
物、好ましくはグリシルイソフラボンおよびイリジンか
らなる群より選択される少なくとも1種のイソフラボン
系化合物、より好ましくはイリジンを含有するヒト免疫
不全ウイルスプロモーター活性阻害剤。 2.下記一般式(II)
【0010】
【化5】
【0011】(式中、R1はヒドロキシまたはC1-4アル
コキシ、R2は水素またはC2-5アルケニル、あるいはR
1とR2は一緒になってクロマン環を形成してもよく、R
3はヒドロキシまたはC1-4アルコキシ、R4は水素、ヒ
ドロキシまたはC1-4アルコキシ、R5は水素、ヒドロキ
シ、C1-4アルコキシまたはC2-5アルケニル、およびR
6は水素、ヒドロキシまたはC1-4アルコキシである)で
示される3−フェニルクマリン系化合物およびその配糖
体からなる群より選択される少なくとも1種の化合物、
好ましくはグリシクマリンおよびリコピラノクマリンか
らなる群より選択される少なくとも1種の3−フェニル
クマリン系化合物を含有するヒト免疫不全ウイルスプロ
モーター活性阻害剤。 3.下記一般式(III)
【0012】
【化6】
【0013】(式中、R1はヒドロキシまたはC1-4アル
コキシ、R2は水素、ヒドロキシまたはC1-4アルコキ
シ、R3はヒドロキシまたはC1-4アルコキシ、R4は水
素、ヒドロキシまたはC1-4アルコキシ、R5はヒドロキ
シまたはC1-4アルコキシ、R6は水素、ヒドロキシまた
はC2-5アルケニルである)で示されるカルコン系化合
物およびその配糖体からなる群より選択される少なくと
も1種の化合物、好ましくはリコカルコンA、リコカル
コンBおよびテトラヒドロキシメトキシカルコンからな
る群より選択される少なくとも1種のカルコン系化合
物、より好ましくはテトラヒドロキシメトキシカルコン
を含有するヒト免疫不全ウイルスプロモーター活性阻害
剤。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のHIVプロモーター活性
阻害剤の有効成分であるイソフラボン系化合物は、上記
一般式(I)で示されるイソフラボン骨格を有する化合
物またはその配糖体であって、後記実施例に詳述される
アッセイ系を用いた場合、細胞内に導入したHIVプロ
モーター含有プラスミド中のHIVプロモーター活性
を、100μg/ml以下の濃度で約80%以上阻害し
得る化合物であれば特に制限はない。ここで「C1-4
ルコキシ」は炭素数1〜4のいかなるアルコキシ基であ
ってもよいが、好ましくはメトキシである。また、「C
2-5アルケニル」も炭素数2〜5のいかなるアルケニル
基であってよいが、好ましくは2−メチル−2−ブテン
−4−イルである。本発明の具体的なイソフラボン系化
合物として、好ましくはグリシルイソフラボン(化
7)、イリジン(化8)等、より好ましくはイリジンが
挙げられる。
【0015】
【化7】
【0016】
【化8】
【0017】これらのイソフラボン系化合物はいかなる
方法によって得られるものであってもよいが、例えば、
マメ科、アヤメ科、バラ科等に属する植物から、慣用の
抽出精製方法を用いて遊離化合物または配糖体として得
ることができる。
【0018】例えば、グリシルイソフラボンは、市販の
西北甘草を70%含水アセトンでホモジナイズし、遠沈
で不溶物を除いた後、上清の濃縮物をエーテルと水で分
配、エーテル可溶部を除いた水層をさらに酢酸エチルで
抽出し、その濃縮液についてシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(クロロホルム−水98:2で溶出)および
MCI−ゲル CHP−20Pを吸着剤とするカラムク
ロマトグラフィー(メタノール−水6:4で溶出)を組
み合わせて分離、精製することにより無色結晶として得
ることができる。
【0019】また、イリジンは、例えば、ジャーマンア
イリス(Iris germanica)の乾燥根茎を室温でメタノー
ル抽出し、濃縮液をエーテル、酢酸エチル、ブタノール
で順次抽出し、得られた酢酸エチルエキスをシリカゲル
カラムに吸着せしめ、クロロホルム、クロロホルム−メ
タノール混液(メタノール含量を10%から40%まで
10%づつ増量)で順次溶出することにより、黄色結晶
として得ることができる。
【0020】また、天然に見出されていない本発明のイ
ソフラボン系化合物については、例えば、天然から単離
され得るイソフラボン系化合物を、慣用の方法を用いて
改変することにより調製することができる。
【0021】本発明のHIVプロモーター活性阻害剤の
別の有効成分である3−フェニルクマリン系化合物は、
上記一般式(II)で示される3−フェニルクマリン骨格
を有する化合物またはその配糖体であって、後記実施例
に詳述されるアッセイ系を用いた場合、細胞内に導入し
たHIVプロモーター含有プラスミド中のHIVプロモ
ーター活性を、100μg/ml以下の濃度で約80%
以上阻害し得る化合物であれば特に制限はない。ここで
「C1-4アルコキシ」は炭素数1〜4のいかなるアルコ
キシ基であってもよいが、好ましくはメトキシである。
また、「C2-5アルケニル」も炭素数2〜5のいかなる
アルケニル基であってよいが、好ましくは2−メチル−
2−ブテン−4−イルである。本発明の具体的な3−フ
ェニルクマリン系化合物として、好ましくはグリシクマ
リン(化9)、リコピラノクマリン(化10)等が挙げ
られる。
【0022】
【化9】
【0023】
【化10】
【0024】これらの3−フェニルクマリン系化合物は
いかなる方法によって得られるものであってもよいが、
例えば、キク科、マメ科、セリ科、イネ科、ミカン科等
に属する植物から、慣用の抽出精製方法を用いて遊離化
合物または配糖体として得ることができる。
【0025】例えば、グリシクマリンは、上記グリシル
イソフラボンと同様、西北甘草を70%含水アセトンで
ホモジナイズし、遠沈で不溶物を除いた後、上清の濃縮
物をエーテルと水で分配、エーテル可溶部を除いた水層
をさらに酢酸エチルで抽出し、その濃縮液についてシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−水9
8:2で溶出)およびMCI−ゲル CHP−20Pを
吸着剤とするカラムクロマトグラフィー(メタノール−
水6:4で溶出)を組み合わせて分離、精製することに
より黄色結晶として得ることができる。一方、リコピラ
ノクマリンは、酢酸エチルエキスについて、液滴向流分
配クロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール−水
7:13:8;下降法)、MCI−ゲル CHP−20
Pを吸着剤とするカラムクロマトグラフィー(メタノー
ル−水7:3で溶出)およびシリカゲル薄層での分取ク
ロマトグラフィー(クロロホルム−アセトン−ギ酸8
0:17:3)を組み合わせて分離することにより、黄
色結晶として得ることができる。
【0026】また、天然に見出されていない本発明の3
−フェニルクマリン系化合物については、例えば、天然
から単離され得る3−フェニルクマリン系化合物を、慣
用の方法を用いて改変することにより調製することがで
きる。
【0027】本発明のHIVプロモーター活性阻害剤の
さらに別の有効成分であるカルコン系化合物は、上記一
般式(III)で示されるカルコン骨格を有する化合物ま
たはその配糖体であって、後記実施例に詳述されるアッ
セイ系を用いた場合、細胞内に導入したHIVプロモー
ター含有プラスミド中のHIVプロモーター活性を、1
00μg/ml以下の濃度で約80%以上阻害し得る化
合物であれば特に制限はない。ここで「C1-4アルコキ
シ」は炭素数1〜4のいかなるアルコキシ基であっても
よいが、好ましくはメトキシである。また、「C2-5
ルケニル」も炭素数2〜5のいかなるアルケニル基であ
ってよいが、好ましくは3−メチル−1−ブテン−3−
イルである。本発明の具体的なカルコン系化合物とし
て、好ましくはリコカルコンA(化11)、リコカルコ
ンB(化12)、テトラヒドロキシメトキシカルコン
(化13)等、より好ましくはテトラヒドロキシメトキ
シカルコンが挙げられる。
【0028】
【化11】
【0029】
【化12】
【0030】
【化13】
【0031】これらのカルコン系化合物はいかなる方法
によって得られるものであってもよいが、例えば、キク
科植物等から、慣用の抽出精製方法を用いて遊離化合物
または配糖体として得ることができる。
【0032】例えば、リコカルコンAおよびBは、市販
の新彊産甘草を70%含水アセトン中でホモジナイズ
し、遠沈で不溶物を除いた後、上清の濃縮物をエーテル
と水で分配、エーテルエキスについて遠心向流分配クロ
マトグラフィー(クロロホルム−メタノール−水7:1
3:8;下降法)およびシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(クロロホルム−メタノール98:2で溶出)を
組み合わせて分離することにより、それぞれ黄色結晶と
して得ることができる。
【0033】また、テトラヒドロキシメトキシカルコン
は、例えば、東北甘草を上記と同様含水アセトン抽出
し、そのエーテルエキスについて液滴向流分配クロマト
グラフィー(クロロホルム−メタノール−プロパノール
−水45:60:10:40;下降法)、MCI−ゲル
CHP−20Pを吸着剤とするカラムクロマトグラフ
ィー(含水メタノールで溶出)およびシリカゲル薄層で
の分取クロマトグラフィーを組み合わせて分離すること
により、リコカルコンB、グリシクマリンとともに、黄
色結晶として得ることができる。
【0034】また、天然に見出されていない本発明のカ
ルコン系化合物については、例えば、天然から単離され
得るカルコン系化合物を、慣用の方法を用いて改変する
ことにより調製することができる。
【0035】本発明のHIVプロモーター活性阻害剤
は、1または2種以上の上記イソフラボン系化合物、1
または2種以上の上記3−フェニルクマリン系化合物あ
るいは1または2種以上の上記カルコン系化合物を有効
成分として含有する。また、これら3つの異なる基本骨
格を有する化合物の2種以上を含有することもできる。
【0036】本発明のHIVプロモーター活性阻害剤
は、HIVの遺伝子発現に関する基礎または応用研究に
おける研究用試薬としても大いに有用であるが、AID
S患者またはHIV感染者のHIVプロウイルスを含む
細胞におけるHIV遺伝子発現抑制剤として特に有用で
ある。
【0037】HIVプロウイルスを含む細胞におけるH
IV遺伝子発現抑制剤として使用する場合、本発明のH
IVプロモーター活性阻害剤は、1または2種以上の上
記イソフラボン系化合物、1または2種以上の上記3−
フェニルクマリン系化合物あるいは1または2種以上の
上記カルコン系化合物を、医薬上許容される担体(例え
ば、賦形剤、希釈剤等)などの必要な成分と適宜混合
し、液状製剤、粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤、シロッ
プ剤、注射剤、エアロゾル剤等の剤形で製剤化すること
ができ、経口的または非経口的に投与することができ
る。
【0038】医薬上許容される担体としては、例えば、
ショ糖、デンプン、マンニット、ソルビット、乳糖、グ
ルコース、セルロース、タルク、リン酸カルシウム、炭
酸カルシウム等の賦形剤、セルロース、メチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリプロピルピロ
リドン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリエチレングリコ
ール、ショ糖、デンプン等の結合剤、デンプン、カルボ
キシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、
ナトリウム−グリコール−スターチ、炭酸水素ナトリウ
ム、リン酸カルシウム、クエン酸カルシウム等の崩壊
剤、ステアリン酸マグネシウム、エアロジル、タルク、
ラウリル硫酸ナトリウム等の滑剤、クエン酸、メントー
ル、グリシルリジン・アンモニウム塩、グリシン、オレ
ンジ粉等の芳香剤、安息香酸ナトリウム、亜硫酸水素ナ
トリウム、メチルパラバン、プロピルパラバン等の保存
剤、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸等の安定剤、
メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ステアリン
酸アルミニウム等の懸濁剤、界面活性剤等の分散剤、
水、生理食塩水、オレンジジュース等の希釈剤、カカオ
脂、ポリエチレングリコール、白灯油等のベースワック
スなどが挙げられるが、それらに限定されるものではな
い。
【0039】好ましくは、本発明の製剤は、経口用また
は注射用製剤である。経口投与に好適な製剤は、水、生
理食塩水、オレンジジュースのような希釈液に有効量の
HIVプロモーター活性阻害物質を溶解させた液剤、有
効量の該化合物を固体や顆粒として含んでいるカプセル
剤、サッシェ剤または錠剤、適当な分散媒中に有効量の
該化合物を懸濁させた懸濁液剤、有効量の該化合物を溶
解させた溶液を適当な分散媒中に分散させ乳化させた乳
剤等である。
【0040】非経口的な投与に好適な製剤としては、水
性および非水性の等張な無菌の注射液剤があり、これに
は抗酸化剤、緩衝液、制菌剤、等張化剤等が含まれてい
てもよい。また、水性および非水性の無菌の懸濁液剤が
挙げられ、これには懸濁剤、可溶化剤、肥厚剤、安定化
剤、防腐剤等が含まれていてもよい。本発明の製剤は、
アンプルやバイアルのように単位投与量あるいは複数回
投与量ずつ容器に封入することができる。また、本発明
のHIVプロモーター活性阻害物質および医薬上許容さ
れる担体を凍結乾燥(フリーズドライ)し、使用直前に
適当な無菌のビヒクルに溶解または懸濁すればよい状態
で保存することもできる。
【0041】本発明の製剤の投与量は、有効成分である
HIVプロモーター活性阻害物質の有効量、該化合物の
細胞毒性、病気の進行度、投与対象の薬物受容性、体
重、年齢等によって異なるが、通常、成人1日あたり3
0μg〜30mg/kg体重、好ましくは300μg〜
3mg/kg体重であり、この量を1回または数回に分
けて投与することができる。
【0042】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、これらは単なる例示であって、本発明の範
囲を何ら限定するものではない。
【0043】参考例1 HIVプロモーター活性阻害物
質スクリーニング系の構築 (1)HIVプロモーター−レポーター遺伝子キメラプ
ラスミドベクターの構築 HIV LTRのプロモーター領域(−452〜+8
0;転写開始点を+1とする)約500bpを、市販の
pGL2ベクター(プロメガ社製;以後コントロールベ
クターとして使用する際には、pLucCベクターと称
する)のルシフェラーゼ遺伝子の上流に挿入した発現ベ
クターpHIVLucを構築した。 (2)ヒト培養細胞のトランスフェクション RPMI1640培地中、37℃、5%CO2条件下で
培養したJurkat細胞2×106個をTBS緩衝液
(25mM Tris,137mM NaCl,5mM
KCl,0.5mM Na2HPO4,0.5mM MgC
2,0.68mM CaCl2)4mlで洗浄した後、
DEAE−デキストラン/DNAミックス(1×TB
S,500μg/ml DEAE−デキストラン、プラ
スミドpHIVLucまたはpLucC2.5〜5.0
μg)4ml中、室温で30分間インキュベートした。
余分なDNAをTBS4mlで洗浄除去した後、10%
ウシ胎仔血清含有RPMI1640培地10mlを加え
て、37℃、5%CO2条件下で48時間インキュベー
トした。
【0044】実施例1 HIVプロモーター活性阻害物
質のスクリーニング (1)TPAおよび試験化合物処理 参考例1のようにトランスフェクション処理して48時
間インキュベートした後、TPA(5ng/ml)およ
び種々の天然化合物(12.5〜100μg/ml)を
該細胞の培地に添加して同じ条件下でさらに15時間培
養した。 (2)細胞抽出液の調製 インキュベーション終了後、培養液を除去して細胞を回
収し、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)1mlを加え、
3000rpmで4℃、5分間遠心して細胞を洗浄した
(2回)。1×溶解バッファー(25mM Tris−
リン酸(pH7.8),2mM DTT,2mM 1,2
−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−四酢
酸,10% グリセロール,1% Triton X−1
00)250μlを加えてよく混合した後、14,00
0rpmで4℃、5秒間フラッシュ遠心した。上清を回
収し、一部を蛋白質定量に用いた。 (3)ルシフェラーゼアッセイMol. Cell. Biol. , 7, 725-737に記載の方法に従って行
った。上記(2)で得た細胞抽出液(蛋白質量約20μ
g)を1.5mlマイクロチューブにとり、ルシフェラ
ーゼアッセイ用試薬(プロメガ社製Luciferase Assay S
ystem;製品番号E1500)100μlを加えて直ち
にルミノメーターを用いて発光強度(単位:RLU)を
測定した。結果を図2に示す。
【0045】グリシルイソフラボン、グリシクマリン、
リコピラノクマリン、リコカルコンA、リコカルコン
B、テトラヒドロキシメトキシカルコンおよびリコクマ
ロン(化14;グリシクマリンのクマリン骨格がベンゾ
[b]フラン骨格に置き換わった構造)は、タンニン酸に
比べて顕著に高いHIVプロモーター阻害活性を示すこ
とがわかった。
【0046】
【化14】
【0047】
【発明の効果】本発明のHIVプロモーター活性阻害物
質は、従来知られていたタンニン酸やいくつかの低分子
ポリフェノール化合物に比べ、極めて強力にHIVプロ
モーターの転写活性を阻害することができるので、AI
DS患者またはHIV感染者におけるHIV感染T細胞
からのウイルス遺伝子の発現を抑制することができ、ウ
イルスの増殖を抑制してAIDSの発症もしくは症状の
進行を防ぐのに有用である。また、これらの天然化合物
は構造的に類似し、大別して3種の基本骨格を有するこ
とが判明したので、化学合成により置換基を変更するこ
とにより、さらにHIV遺伝子発現抑制作用に優れた化
合物が得られる可能性を提供した点で極めて有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラスミドpHIVLucの物理的地図を示す
図である。
【図2】タンニン酸(網掛けのバー)および種々の試験
化合物(黒塗りのバー)のHIVプロモーター活性阻害
効果を示す図である。各化合物について、左から12.
5(図2Bのテトラヒドロキシメトキシカルコンの
み),25,50,100μg/mlである。TPA
(白抜きのバー)は阻害物質無添加でTPA刺激のみを
加えた場合である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 7/04 C12N 7/04 4C071 15/09 C07D 307/80 4C086 // C07D 307/80 311/18 4C206 311/18 311/36 311/36 493/04 106C 493/04 106 C07H 17/07 C07H 17/07 (C12N 7/04 (C12N 7/04 C12R 1:93) C12R 1:93) ) (C12N 15/09 C12N 15/00 A C12R 1:93) C12R 1:93) (72)発明者 吉田 隆志 岡山県岡山市津高1444−118 (72)発明者 波多野 力 岡山県岡山市佐山2104−6 Fターム(参考) 4B024 AA20 FA02 HA20 4B065 AA97X BD13 BD34 CA48 CA60 4C037 PA07 4C057 BB02 CC01 DD01 KK08 4C062 EE27 EE44 4C071 AA01 BB01 CC12 EE07 FF17 GG03 HH09 JJ01 LL01 4C086 AA01 AA02 BA06 BA08 CA01 EA11 GA17 MA01 MA04 NA14 ZC55 4C206 AA01 AA02 CB19 KA01 KA18 MA01 MA04 MA36 MA42 MA43 MA55 MA57 MA72 MA86 NA14 ZC55

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1はヒドロキシまたはC1-4アルコキシ、R2
    は水素、ヒドロキシ、C1 -4アルコキシまたはC2-5アル
    ケニル、R3は水素、ヒドロキシまたはC1-4アルコキ
    シ、R4は水素、ヒドロキシまたはC1-4アルコキシ、R
    5は水素、ヒドロキシまたはC1-4アルコキシ、およびR
    6は水素、ヒドロキシまたはC2-5アルケニルである)で
    示されるイソフラボン系化合物およびその配糖体からな
    る群より選択される少なくとも1種の化合物を含有する
    ヒト免疫不全ウイルスプロモーター活性阻害剤。
  2. 【請求項2】 グリシルイソフラボンおよびイリジンか
    らなる群より選択される少なくとも1種のイソフラボン
    系化合物を含有する請求項1記載のヒト免疫不全ウイル
    スプロモーター活性阻害剤。
  3. 【請求項3】 イリジンを含有する請求項1記載のヒト
    免疫不全ウイルスプロモーター活性阻害剤。
  4. 【請求項4】 下記一般式(II) 【化2】 (式中、R1はヒドロキシまたはC1-4アルコキシ、R2
    は水素またはC2-5アルケニル、あるいはR1とR2は一
    緒になってクロマン環を形成してもよく、R3はヒドロ
    キシまたはC1-4アルコキシ、R4は水素、ヒドロキシま
    たはC1-4アルコキシ、R5は水素、ヒドロキシ、C1-4
    アルコキシまたはC2-5アルケニル、およびR6は水素、
    ヒドロキシまたはC1-4アルコキシである)で示される
    3−フェニルクマリン系化合物およびその配糖体からな
    る群より選択される少なくとも1種の化合物を含有する
    ヒト免疫不全ウイルスプロモーター活性阻害剤。
  5. 【請求項5】 グリシクマリンおよびリコピラノクマリ
    ンからなる群より選択される少なくとも1種の3−フェ
    ニルクマリン系化合物を含有する請求項4記載のヒト免
    疫不全ウイルスプロモーター活性阻害剤。
  6. 【請求項6】 下記一般式(III) 【化3】 (式中、R1はヒドロキシまたはC1-4アルコキシ、R2
    は水素、ヒドロキシまたはC1-4アルコキシ、R3はヒド
    ロキシまたはC1-4アルコキシ、R4は水素、ヒドロキシ
    またはC1-4アルコキシ、R5はヒドロキシまたはC1-4
    アルコキシ、R6は水素、ヒドロキシまたはC2-5アルケ
    ニルである)で示されるカルコン系化合物およびその配
    糖体からなる群より選択される少なくとも1種の化合物
    を含有するヒト免疫不全ウイルスプロモーター活性阻害
    剤。
  7. 【請求項7】 リコカルコンA、リコカルコンBおよび
    テトラヒドロキシメトキシカルコンからなる群より選択
    される少なくとも1種のカルコン系化合物を含有する請
    求項6記載のヒト免疫不全ウイルスプロモーター活性阻
    害剤。
  8. 【請求項8】 テトラヒドロキシメトキシカルコンを含
    有する請求項6記載のヒト免疫不全ウイルスプロモータ
    ー活性阻害剤。
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