JP6960628B2 - 熱ショックタンパク質発現促進剤 - Google Patents

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Description

本発明は、新たな熱ショックタンパク質(Heat Shock Protein、Hsp)発現促進剤に関する。
熱ショックタンパク質(Hsp)は、細胞が熱等のストレス条件下にさらされた際に発現が上昇して細胞を保護するタンパク質であり、タンパク質のフォールディングを制御する分子シャペロンとして機能すると考えられている。
一方、特発性肺線維症に代表される肺線維症は、肺組織が長期にわたって傷害され、線維化する症状であり、原因には間質性肺炎、過敏性肺炎などが考えられている難病である。従来、肺線維症の治療法としてはインドリノン誘導体を投与する方法があるが(特許文献1)、重度の下痢や肝機能障害等、重篤な副作用を招く恐れがある。
近年、肺組織の線維化の予防及び治療にはHspが関与していることが報告されている(非特許文献1)。
したがって、Hsp発現促進剤は、肺線維症の予防及び治療に有用であると考えられ、Hspの発現を促進し、肺線維症の予防又は治療に有用で、安全性が高く、長期摂取可能な物質の探索が望まれている。
ヒドロキシシナモイル誘導体の1種である1−シナポイル−2−フェルロイルゲンチオビオースは、腎上皮LLC−PK1細胞におけるラジカル消去効果および当該細胞の酸化的損傷に対する保護効果を有すること(非特許文献2)等が報告されている。
しかしながら、ヒドロキシシナモイル誘導体がHspの発現促進作用を有することはこれまでに報告されていない。
特表2008−525370号公報
Takayoshi Fujibayashi et al., BMC Pulmonary Medicine 2009, 9-45 Xiang Lan PIAO et al.,J Nutr Sci Vitaminol, 51, 142-147, 2005
本発明の課題は、安全性が高く、長期摂取可能な、新たなHsp発現促進剤を提供することにある。
本発明者は、多くの天然物の中からHsp発現促進剤を見出すべく検討した結果、特定のヒドロキシシナモイル誘導体が優れたHsp発現促進作用を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の1)〜6)に係るものである。
1)次の一般式(1)で表されるヒドロキシシナモイル誘導体を有効成分とする熱ショックタンパク質発現促進剤。
Figure 0006960628
(式中、R1〜R4は、シナポイル基、フェルロイル基及び水素原子のいずれかを示し、R1〜R4の少なくとも1つがシナポイル基であり、R1〜R4の少なくとも1つがフェルロイル基である)
2)R1がシナポイル基であり、R2がフェルロイル基であり、R3及びR4が水素原子であるヒドロキシシナモイル誘導体(1−シナポイル−2−フェルロイルゲンチオビオース)を有効成分とする1)の熱ショックタンパク質発現促進剤。
3)次の一般式(1)で表されるヒドロキシシナモイル誘導体を有効成分とする熱ショックタンパク質発現促進用食品。
Figure 0006960628
(式中、R1〜R4は、シナポイル基、フェルロイル基及び水素原子のいずれかを示し、R1〜R4の少なくとも1つがシナポイル基であり、R1〜R4の少なくとも1つがフェルロイル基である)
4)R1がシナポイル基であり、R2がフェルロイル基であり、R3及びR4が水素原子であるヒドロキシシナモイル誘導体(1−シナポイル−2−フェルロイルゲンチオビオース)を有効成分とする3)に記載の熱ショックタンパク質発現促進用食品。
5)熱ショックタンパク質がHsp90α、Hsp90β、Hsp70及びHsp40からなる群から選ばれる1種以上である1)若しくは2)の熱ショックタンパク質発現促進剤、又は3)若しくは4)の熱ショックタンパク質発現促進用食品。
6)熱ショックタンパク質がHsp70である1)若しくは2)の熱ショックタンパク質発現促進剤、又は3)若しくは4)の熱ショックタンパク質発現促進用食品。
本発明のヒドロキシシナモイル誘導体は、ケールやブロッコリーから容易に取得可能であり、長期摂取可能である。したがって、本発明のHsp発現促進剤は、安全性の高いHsp発現促進剤として、Hspが関与する疾患、例えば肺線維症の予防治療に有用である。
ケール抽出物分画物のHPLCクロマトグラム。(A):ポリフェノール濃縮物の分画、(B):F4画分の分画 Hsp70発現促進作用。
本発明のヒドロキシシナモイル誘導体は前記一般式(1)で表されるものであり、式中、R1〜R4は、シナポイル基、フェルロイル基及び水素原子のいずれかを示し、R1〜R4の少なくとも1つがシナポイル基であり、R1〜R4の少なくとも1つがフェルロイル基である。本発明において、シナポイル基は下記式(a)で表される基であり、フェルロイル基は下記式(b)で表される基である。
Figure 0006960628
また、本発明のヒドロキシシナモイル誘導体のうち、Hsp発現促進作用の点から、前記一般式(1)において、R1がシナポイル基であり、R2がフェルロイル基であり、R3及びR4が水素原子である化合物(1−シナポイル−2−フェルロイルゲンチオビオース)が好ましい。1−シナポイル−2−フェルロイルゲンチオビオースは下記式で示される化合物である。
Figure 0006960628
本発明のヒドロキシシナモイル誘導体は、植物体から抽出・精製することにより取得することができる。植物体からの抽出・精製は、例えば、ケール、ブロッコリー、キャベツ等のアブラナ科植物の葉、茎等から溶剤抽出して得られる抽出物を、カラムクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等の適当な分離精製手段を用いて分離・精製することにより得ることができる。以下に、ケールから本発明のヒドロキシシナモイル誘導体の1つである、1−シナポイル−2−フェルロイルゲンチオビオースの単離例を示す。
1)ケール葉を細断及び/又は粉砕した後、搾汁処理することにより得られるケール搾汁を熱風乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥等により粉末化したケール搾汁の粉末にメタノール水溶液を加えて攪拌抽出し、遠心分離してケール抽出物を得る。
2)1)で得られたケール抽出物を、ODSカラム(例えば、InertSep C18カラム)に吸着させ、カラムに吸着している画分を60%メタノールで溶出させ,濃縮乾固して、ポリフェノール画分を得る。
3)2)で得られた濃縮物を5%アセトニトリル−0.2%酢酸に溶解し、分取HPLC(例えば、ODSカラム(例えばInertsil ODS−3カラム)、移動相(溶離液A:5%アセトニトリル−0.2%酢酸、溶離液B:95%アセトニトリル−0.2%酢酸)によるグラジエント溶出)に供して図1Aに示す5画分(F1〜F5)を得、さらにF4画分を前記分取HPLCと同様の条件のHPLCに供して図1Bに示す8の画分(F4−1〜F4−8)を得、F4−7画分から1−シナポイル−2−フェルロイルゲンチオビオースを単離する。
本発明のヒドロキシシナモイル誘導体は、植物体から抽出したものをそのまま用いてもよく、さらに公知の分離精製方法を適宜組み合わせてこれらの純度を高めてもよい。精製手段としては、有機溶剤沈殿、遠心分離、限界濾過膜、高速液体クロマトグラフやカラムクロマトグラフ等が挙げられる。なお、本発明のヒドロキシシナモイル誘導体は化学合成によっても得ることができる。また、本発明のHsp発現促進剤として、ヒドロキシシナモイル誘導体の含量が高いケール等の植物を使用してもよい。これらの植物は植物体全体、または葉、茎、根、花蕾等植物体の一部を使用してもよく、これらをそのまま、あるいは加熱、破砕、搾汁等の処理を行ったものを使用してもよい。また、植物体における本発明のヒドロキシシナモイル誘導体の含量を指標として、ヒドロキシシナモイル誘導体の含量が高く、Hsp発現促進効果が高いケール等の植物新品種の開発を行うことができる。
本発明のヒドロキシシナモイル誘導体は、後記実施例に示すように、Hsp70の発現促進作用を有する。したがって、本発明のヒドロキシシナモイル誘導体は、Hsp発現促進剤となり、Hsp発現促進のために使用できる。
Hspには、Hsp104、Hsp90(Hsp90α、Hsp90β)、Hsp70、Hsp60、Hsp47、Hsp40、Hsp32等があり、本発明のHsp発現促進剤が発現を促進させるHspは特に限定されるものではないが、Hsp90α、Hsp90β、Hsp70、Hsp40からなる群から選ばれる1種以上が好ましく、Hsp70がより好ましい。
Hpsは、細胞が熱等のストレス条件下にさらされた際に発現が上昇して細胞を保護するタンパク質であり、分子シャペロンとして機能するが、Hsp104、Hsp90、Hsp70、Hsp60、Hsp47、Hsp40、Hsp32等は、Hspの中でも主要な分子種、若しくは主要な分子種のコファクターであり、これらの発現が促進されると、より強いHspの分子シャペロン機能が期待できる。
肺線維症は、過剰なコラーゲンと他の細胞外マトリックスの蓄積により肺組織が線維化した症状をいう。中でも、特発性肺線維症は、5年生存率が20〜40%の予後不良の慢性難治性疾患である。近年、肺組織の線維化の予防および治療には、Hspが関与していることが報告されている(非特許文献1)。したがって、Hsp発現促進剤は、肺線維症の予防及び治療に有用である。肺線維症は、難病であり、通常、副作用の多いステロイド療法が行われている疾患であることから、安全性が高く、長期間摂取可能なケール又はその加工物により予防及び治療できることは、極めて有益である。
本発明において、「Hspの発現促進」とは、Hsp mRNAへのHsp遺伝子の転写を誘導又は促進すること、Hspタンパク質へのHsp mRNAの翻訳を誘導又は促進することが挙げられる。
上記のHsp発現促進剤、Hsp発現促進用食品は、Hspの発現を促進するため、肺線維症を予防又は改善するための医薬品、医薬部外品、サプリメント又は食品となり、或いはこれらへ配合するための素材又は製剤となり得る。
尚、上記食品には、一般飲食品のほか、Hspの発現促進、肺線維症の予防又は改善をコンセプトとし、必要に応じてその旨を表示した食品、機能性表示食品、特定保健用食品等が包含される。
本発明のヒドロキシシナモイル誘導体を含む上記医薬品(医薬部外品を含む)は、任意の投与形態で投与され得るが、経口投与が好ましい。投与に際しては、有効成分を経口投与、直腸内投与、注射等の投与方法に適した固体又は液体の医薬用無毒性担体と混合して、慣用の医薬品製剤の形態で投与することができる。
このような製剤としては、例えば、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等の固形剤、溶液剤、懸濁剤、乳剤等の液剤、凍結乾燥剤等が挙げられる。これらの製剤は製剤上の常套手段により調製することができる。上記の医薬用無毒性担体としては、例えば、グルコース、乳糖、ショ糖、澱粉、マンニトール、デキストリン、脂肪酸グリセリド、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルデンプン、エチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アミノ酸、ゼラチン、アルブミン、水、生理食塩水等が挙げられる。また、必要に応じて、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、結合剤、等張化剤、賦形剤等の慣用の添加剤を適宜添加することもできる。
また、本発明のヒドロキシシナモイル誘導体を配合した上記食品の形態は、各種食品組成物の他、上述した経口投与製剤と同様の形態(錠剤、カプセル剤、シロップ等)が挙げられる。
種々の形態の食品を調製するには、本発明のヒドロキシシナモイル誘導体を単独で、又は他の食品材料や、溶剤、軟化剤、油、乳化剤、防腐剤、香科、安定剤、着色剤、酸化防止剤、保湿剤、増粘剤等を適宜組み合わせて用いることができる。
上記の医薬品(医薬部外品を含む)や食品中の本発明のヒドロキシシナモイル誘導体の含有量は、その使用形態により異なるが、通常、製剤全質量の0.001〜10質量%、好ましくは0.1〜1質量%である。
本発明のヒドロキシシナモイル誘導体を医薬品や食品として、或いは医薬品や食品に配合して使用する場合の投与量は、患者の状態、体重、性別、年齢又はその他の要因に従って変動し得るが、経口投与の場合の成人1人当たりの1日の投与量は、通常、本発明のヒドロキシシナモイル誘導体として好ましくは0.01mg〜500g、より好ましくは0.1mg〜100g、さらに好ましくは0.1〜10g、よりさらに好ましくは0.1〜1gである。
また、上記製剤は、任意の投与計画に従って投与され得るが、1日1回〜数回に分け、数週間〜数ヶ月間継続して投与することが好ましい。
以下、実施例によって本発明の内容をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら制約されるものではない。
製造例1 1−シナポイル−2−フェルロイルゲンチオビオースの取得
(1)ケール搾汁(品種名:ハイクロップ)の粉末(ケール搾汁由来の固形分40%,以下ケール粉末)を使用した。ケール抽出液の調製として,ケール粉末7gを70%メタノール14mLに懸濁し,ポリトロンホモジナイザー(KINEMATICA,PT3100)を用いて氷上で破砕処理(12,000rpm,1min)を3回行った。次に,超音波ホモジナイザー(BRANSON,SLPe 40,先端部6.35mm径)を用いて氷上で超音波抽出を行った。遠心分離(4000g,4℃,10分間)の上清を,さらに遠心分離(15,000×g,4℃,15分間)し、得た上清を0.45μmフィルターで濾過し,凍結乾燥したものをケール抽出物とした。
(2)次に,固相抽出によりポリフェノール成分の濃縮を行った。InertSep C18カラム(ジーエルサイエンス,カラムサイズ2g/12mL)をメタノール12mLでコンディショニングし,水12mLで平衡化し,(1)で調製したケール抽出物を10%メタノールで溶解した試料10mLを加えてカラムに吸着させた。続いて,10%メタノール6mLでカラム洗浄を行った後,カラムに吸着している画分を60%メタノール4mLで溶出させ,サンプル濃縮機(バイオメディカルサイエンス,MD200)で濃縮乾固した。
(3)(2)で得られた濃縮乾燥物を60%メタノールに溶解し、以下に示す条件で分取HPLCに供して図1Aに示す5画分(F1〜F5)を得、さらにF4画分を再度HPLCに供して図1Bに示す8の画分(F4−1〜F4−8)を得、F4−7画分から1−シナポイル−2−フェルロイルゲンチオビオースを単離した。なお、F4画分のHPLC条件は(2)で得られた濃縮乾燥物を分画するHPLC条件と同一である。

<分取HPLCの条件>
・カラム:Inertsil ODS−3カラム(ジーエルサイエンス,5mm,10×250mm)
・インジェクション量:500μL
・流速:5.0mL/min
・移動相:溶離液A(5%アセトニトリル−0.2%酢酸)、溶離液B(95%アセトニトリル−0.2%酢酸)
・グラジエント条件:表1の通り
・カラム温度40℃
・検出:UV280nm
・カラムオーブン:CTO−10Avp(島津製作所),ポンプ:PU−2089 Plus(日本分光),UV検出器:UV−2075 Plus(日本分光)
Figure 0006960628
<F4−7画分から単離された化合物(1−シナポイル−2−フェルロイルゲンチオビオース)のNMR及びマススペクトル)>
1H-NMR(800MHz、DMSO-d6)δ;
7.55 (1H, d, J = 15.3 Hz, H-7’), 7.53 (1H, d, J = 15.3 Hz, H-7 ), 7.27 (1H, s, H-2’), 7.06 (1H, d, J = 8.2 Hz, H-6’), 6.99 (2H, s, H-2, 6), 6.76 (1H, d, J = 8.2 Hz, H-5’), 6.44 (1H, d, J = 15.8 Hz, H-8), 6.44 (1H, d, J = 15.8 Hz, H-8’), 5.78 (1H, d, J = 8.4 Hz, glc-1), 4.91 (1H, dd, J = 9.0, 9.0 Hz, glc-2), 4.20 (1H, d, J = 7.8 Hz, glc-1’), 4.04 (1H, d, J = 10.2 Hz, glc-6a), 3.79 (3H, s, -OCH3), 3.77 (6H, s, -OCH3), 3.65-3.59 (4H, m, glc-3,5, 6b), 3.45 (1H, m, glc-4), 3.13 (1H, dd, J = 8.6, 8.6 Hz, glc-3’), 3.06 (3H, m, glc-4,4’,5’), 2.98 (1H, dd, J = 8.4, 8.3 Hz, glc-2’).
13C-NMR(200MHz、DMSO-d6)δ;
165.7 (C-9), 165.0 (C-9’), 149.3 (C-4’), 148.1 (C-3,5), 148.1 (C-3’), 147.4 (C-7), 145.5 (C-7’), 138.8 (C-4), 125.5 (C-11), 123.9 (C-1), 123.4 (C-6’), 115.4 (C-5’), 114.0 (C-8’), 113.5 (C-8), 106.6 (C-2’), 103.1 (glc-1’), 91.9 (glc-1), 76.9 (glc-5’), 76.7 (glc-5), 76.4 (glc-3’), 73.4 (glc-3), 72.5 (glc-2’) 70.0 (glc-4’), 69.5 (glc-4), 67.8 (glc-6), 61.0 (glc-6’), 56.1 (OCH3), 55.6 (OCH3).
ESI-MS (negative ion mode) m/z 723.2143 ([M-H]-
実施例1 Hsp発現促進作用
(1)TIG−1細胞の培養
正常ヒト線維芽細胞TIG−1は,独立行政法人医薬基盤研究所JCRB細胞バンク(Osaka,Japan)より購入した。TIG−1細胞は,10%FBS(ウシ胎児血清),50μg/mLストレプトマイシン,50units/mLペニシリンを含むMEM−α培地でCOインキュベーター(SCA−80DR,ASTEC社)を用いて37℃,5%CO下で、終濃度5.0×10cells/mLとなるように6cmシャーレに1.5mL播種し,2日間培養した。70−90%コンフルエントになったことを顕微鏡により確認した後,順次実験に使用した。本実験では,集団倍化数(PDL)=27〜39のTIG−1細胞を使用した。
(2)遺伝子発現解析
製造例1で得られた1−シナポイル−2−フェルロイルゲンチオビオース(F4−7画分)を(1)で得られたTIG−1細胞に終濃度80μg/mLとなるよう6cmシャーレに1.5mL添加し,37℃,5%CO下で24時間培養した。また、(1)で得られたTIG−1細胞に1−シナポイル−2−フェルロイルゲンチオビオースを添加せずに前記と同様に培養したものをcontrolとした。両サンプルの培地を除去し,PBSで2回洗浄し,1シャーレ当たり1.4mLのTri Reagent(モレキュラーリサーチセンター社)を加え,ピペッティングにより細胞を回収し,Total RNAを抽出した後,ReverTra Ace(登録商標)qPCR RT Master Mix with gDNA Remover(東洋紡)を使ってcDNAを合成し,これをテンプレートDNAとしてリアルタイムPCR法によりHsp70遺伝子の発現量を測定した。リアルタイムPCRではKAPA SYBR FAST Universal qPCR kit(Kapa BioSystems)を使用し、使用したHSPA1(Hsp70)、β−actinのプライマーは表2に示した。反応溶液は,テンプレートDNA含有試料2μL,プライマー溶液(5μmol/μL)各0.4μL,SYBR Premix Ex Taq 10μL,および滅菌水7.6μLを用いて全量を20μLとした。反応条件は,プレインキュベートを95℃,1分間行った後,熱変性を95℃,30秒間,アニーリングを60℃,30秒間,伸長反応を72℃,1分間で,40サイクルとした。ハウスキーピング遺伝子のβ−actin mRNAを内部標準遺伝子とし,Hsp70 mRNAの発現量をThermal Cycler Dice(登録商標)Real Time System Single(タカラバイオ社)で測定し,Thermal Cycler Dice(登録商標)Real Time System Single Software(タカラバイオ社)により比較Ct法(ΔΔCt法)を用いて解析した。結果を図2に示した。図2においては、controlのmRNA発現量を1とした相対値で示した。
Figure 0006960628
図2より、F4−7画分(1−シナポイル−2−フェルロイルゲンチオビオース)には、Hsp70遺伝子発現量の上昇が認められ、Hsp70発現促進作用を有することが示された。

Claims (2)

  1. 1−シナポイル−2−フェルロイルゲンチオビオースからなる熱ショックタンパク質発現促進剤であって、該熱ショックタンパク質がHsp70である、熱ショックタンパク質発現促進剤
  2. 1−シナポイル−2−フェルロイルゲンチオビオースからなる熱ショックタンパク質発現促進用食品であって、該熱ショックタンパク質がHsp70である、熱ショックタンパク質発現促進用食品
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